JP5305803B2 - ポリエーテル類の製造方法 - Google Patents
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−Ar−C(=O)−Ar−O−Ar−O−
−Ar−C(=O)−Ar−O−Ar−A−Ar−O−
−Ar−C(=O)−Ar−O−
−Ar−C(=O)−Ar−C(=O)−Ar−O−Ar−A−Ar−O−
−Ar−SO2−Ar−O−Ar−O−
一Ar−SO2 −Ar−O−Ar−A−Ar−O−
式中、Arは、同一又は異なって、置換又は無置換のp一フェニレン基を表す。フェニン基上の置換基としては特に限定されないが、例えば、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、ハロゲン原子等が挙げられる。一単位中に含まれるArはすべて同一であってもよいし、異なるものであってもよいが、すべてのArが無置換のp一フェニレン基を表すことが好ましい。
X−Ar−C(C=O)−Ar−X (1)
RO−Ar−OR (2)
式中、Arは、同一又は異なって、置換又は無置換p−フェニレン基を表す。Xは八ロゲン原子を表す。Rは、同一又は異なって、水素原子.R’−基、R’(C=O)−基、R’3Si−基、又はR’2NC(O)−基を表す。ここでR’は、同一又は異なって炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基を表す。
X−Ar−SO2−Ar−X (3)
X−Ar−C(=O)−Ar−C(=0)−Ar−X (4)
RO−Ar−A−Ar−OR (5)
式中、Ar、X、及びRは上述のとおりである。Aは、直接結合、酸素原子、硫黄原子、−SO2−、−CO−、又は2価の炭化水素原子を表す。
80mm径テフロン製三日月ペラ付ガラス攪拌棒、バキュームスターラー、熱電対、窒素導入管、3方コック付きジムロート冷却管、玉栓/ジョイントを備え付けた円筒型ガラス製1Lセパラブルフラスコを準備した。3方コックの一端をシリコーンチューブで流動パラフィンの入ったバブラーに繋いだ。マントルヒーターに該反応装置を設置し、窒素導入管から反応系内に窒素を約30分フローした。3方コックを閉にして窒素フロー下に玉栓/ジョイントを外し、ヒドロキノン11.011g(0.1mol)、4,4‘−ジフルオロベンゾフェノン22.147g(0.1015mol)、精製スルホラン100g、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)41gを、粉末ロートから投入した。玉栓/ジョイントを所定の位置に戻し、3方コックを流動パラフィンの入ったバブラー側に切替え、窒素フロー下に室温で20分攪拌(攪拌速度250rpm)した。その後マントルヒーターを100℃に設定し加熱を開始した。加熱10分後に炭酸ナトリウム12.189g(0.115mol)、精製スルホラン23gを窒素フロー下に反応系内に投入した。玉栓/ジョイントをして3方コックをバブラー側に切り替え、マントルヒーターを270℃に設定した。さらに1時間後に280℃、2時間後に290℃に設定温度を上げた。270℃に設定後20分程度で液滴がジムロート下部に凝縮しているのが観察された。さらに加熱を続けると一部は窒素ラインを通って系外に排出された。炭酸ナトリウム投入後、反応混合物は緑がかった黄色から少し白っぽくなり透明感のある薄黄褐色となり、水と思われる液滴が生成した。270℃に設定後約1時間で内温が248℃に達したので、この時点を重合開始点とした。その後内温は248〜253℃の範囲で推移し、反応混合物は薄いベージュ色からグレーがかり、最終的には青緑色の濃い灰色となり、系の粘度も上昇した。重合開始3.5時間で加熱を停止した。その後攪拌を止め、一夜間放冷した。
(1)溶液粘度
ISO1628−1:1998の5.1、又はISO3105:1994の表B4に記載のサイズ番号1C(毛細管直径0.77mm)のウベローデ形粘度計を用いて、25℃で0.1g/dLの95%濃硫酸溶液、及び95%の濃硫酸について流出時間を測定し、得られた値を以下の式に代入して求めた。
溶液粘度ηi=ln(t/t0)/c
t:95%濃硫酸溶液の流出時間(秒)
t0:95%濃硫酸の流出時間(秒)
c:溶液濃度、すなわち0.1g/dL
二酸化硫黄用気体検知管No.5L、5M、または5H(ガステック社製)を使用し、窒素気流下、気体検知管の先を反応器の気相部に挿入し、測定した。基本的には5Lを用いて、50ppmまでの測定方法で検知管の先端を気相中に挿入し30秒保持した。検知管の色の変化から発生の有無及び発生量を求めた。
乾燥直後あるいは改めて140℃/2時間乾燥した粉末状のポリマーを用い、JIS K 7210に準拠して、測定荷重:2.16kg、予熱:5min、測定温度:400℃にて 測定を実施した。測定装置は、メルトインデクサー(東洋精機製)を用いた。
予めアルミホイールで覆ったホットプレート(HP)を400℃±40℃にセットした。HPの場所により温度分布があった。空気下で乾燥後のポリマー約10〜20mgをHPに載せて、その溶融性・流動性・色変を観察した。20分後に十分な流動性を保持し、且つ顕著な色変が認められない場合は○、流動性がHPにサンプルを載せたときより明らかに低下しているがまだ流動性があり、且つポリマーがやや茶色に色変した場合には△、流動性を失い、且つポリマーが黒茶色に色変した場合には×と判定した。
測定試料の調整は以下のように行った。すなわちポリマー試料約20mgにメタンスルホン酸0.6mLを加えて室温で1時間攪拌した後、重塩化メチレン0.2mLを加えて更に1時間攪拌することで試料を溶解した。その後、5mmφのNMR測定管に試料溶液を移した。1H−NMRスペクトルは、ブルッカー社製 Avance III 400 (400MHz) NMRスペクトロメーターを用いて測定した。ポリマー末端のOH基が結合したベンゼン環に帰属されるシグナルが7.02−7.12ppm(シグナルA)に、またポリマー末端のフッ素原子が結合したベンゼン環に帰属されるシグナルが7.2ppm(シグナルB)及び7.48ppm(シグナルC)に観測されることから、各々のシグナル面積を積分により算出し、以下の式によりOH末基の割合(%)を求めた。
OH末基の割合(%)=100×(シグナルAの面積)/(シグナルA+B+Cの面積)
反応後の容器を洗浄・乾燥し各々重量を測定した。mg単位まで計測できる秤を用いて測定し、反応前後で0.1g以上差がある場合を有意差とした。重量減量は小数点2位以下を四捨五入して0.1g単位で表記した。
実施例1と同様の操作を実施した。具体的な反応条件及び測定結果を表に示す。
ジムロート冷却管を2本直接連結した以外は実施例1と同様の操作を実施した。
円筒型1Lガラス製セパラブルフラスコとほぼ同じ形のハステロイC22製のフラスコ、ガラス製セパラブルフラスコ用フタ、ハステロイ製攪拌棒に2枚のピッチドパドル翼を下端および約3.9mm上部に45度ずらして固定した攪拌ユニット、10mLディーンシュターク水分離器を準備した。その他の付属品は実施例1と同じものを使用し、フタとジムロート冷却間の間にディーンシュターク水分離器を組み込んだ。仕込量が多いため、マントルヒーターより上に出ている部分は耐熱不織布で保温した。水分離器に補集された成分は適宜排出した。仕込以降の操作は実施例1に準じて実施した。
セパラブルフラスコ用フタとジムロート冷却管の間に10mLディーンシュターク水分離器を組み込んだ以外は実施例1と同様の装置を準備した。ただし温度測定は都度実施するので熱電対の代わりに玉栓でフタをした。3方コックの一端から窒素ガスを導入し、約30分以上反応系をフローさせた後ガス導入管より系外に排出した。ガス導入管を玉栓に替えると同時に3方コックを3方開放にして、3方コックの他端を流動パラフィンの入ったバブラーに繋いだ。反応中はこの状態(窒素保持状態)を保った。ただし試薬投入及びサンプリングは3方コック切り替えて窒素を反応系へフローさせながら実施した。なお内温測定は10〜30分置きに実施し、その都度熱電対を挿入した。温度測定以外のときは玉栓をした。
実施例4で使用したハステロイC22製攪拌ユニットを用いた以外は実施例1と同様の装置を用いた。
実施例4と同様にして実施した。具体的な反応条件及び測定結果を表に示す。
2)窒素
(1)フロー:反応開始から終了まで、重合系に窒素を一方方向に流し続ける。
(2)保持:仕込前は3方コックから反応系へ一方的に窒素をフローして窒素置換する。仕込時も窒素フロー下で実施するが、それ以降はサンプリング時を除き、3方コックを3方開放にして窒素雰囲気下で重合する。
3)溶媒種、組成:使用した溶剤及びそれらの重量比。
4)モノマー濃度=100×(ヒドロキノン+4,4’−ジフルオロベンゾフェノンの仕込量)/全仕込量(wt%)
5)F/OH:4.4’−ジフルオロベンゾフェノンとヒドロキノンのモル比。
6)アルカリ種 モル比対HQ:使用した炭酸塩及び HQ(ヒドロキノン)モル数に対する炭酸塩のモル比。
7)加熱開始〜最終温度(時間):加熱開始〜最終温度(幅あり)に到達する間での時間。
8)最終温度(℃)(時間):最終的に保持した温度(幅あり)と保持した時間。
9)粘度dL/g(時間):硫酸溶液粘度。上記測定方法(1)の通り。時間は最終温度に到達してからの時間。
10)ホットプレート安定性(空気下):上記測定方法(4)の通り。
11)MER(メルトフローレート):上記測定方法(3)の通り。
12)残OH基(1H−NMR):上記測定方法(5)の通り。
13)SO2:上記測定方法(2)の通り。通常反応終了直前にガスを採取してSO2の有無を確認した。
14)反応前後の減量:上記測定方法(6)の通り。
実施例4と同じ装置を用いたが、窒素の流し方は実施例5と同じ方法を取った。具体的な反応条件及び測定結果を表に示す。
実施例5と同様にして実施した。具体的な反応条件及び測定結果を表に示す。
実施例9と同様にして実施した。具体的な反応条件及び測定結果を表に示す。
85mm径テフロン製三日月ペラを逆向き、SUS304製テストピース(30x50x2mm)1枚を浸漬した以外は、実施例5と同様にして実施した。
SUS304製テストピース(30x50x2mm)3枚を浸漬した以外は、実施例9と同様にして実施した。
実施例3と同様に実施した。具体的な反応条件及び測定結果を表に示す。
実施例9と同様な操作で実施した。ただし、1LハステロイC22製フラスコ及びガラス製フタの代わりに、電気ジャケット及び電磁攪拌翼が装備された7LハステロイC22製反応容器を用いた。また冷却管等の付属設備は実施例9から本実施例へのスケールアップ(ヒドロキノン:0.5→1.74mol)に合せた容量の器具を用いた。
実施例5と同様の装置を準備した。反応系を窒素置換後、窒素下にて精製スルホラン164gを加え、その後に、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン22.04g(0.101mol)、ヒドロキノン11.01g(0.100mol)、キシレン25gを順次加え攪拌、加熱し、全部溶解してかつ内温が80℃に上昇したらK2CO36.98g(0.0505mol)およびNa2CO35.35g(0.0505mol)を加えた。さらに引続き昇温し、内温が150℃に上昇したら、恒温で2時間保持した。その後、昇温し内温が260℃になったら恒温を保持した。系の粘度が重合反応の進行につれて絶えず増大し、3時間持続した後に反応を停止した。260℃になった時点、及び反応終了時点で系の気相部の二酸化硫黄濃度は、それぞれ160ppm、800ppmであった。ディーンシュターク水分離器に凝集した水のpHは1−2であった。重合後の洗浄・乾燥は実施例1と同様に実施した。得られた重合体の溶液粘度は1.15dL/gであった。ホットプレート試験では流動性は全く示さなかった。
耐蝕性試験用SUS316Lテストピース(30x30x1mm)を浸漬した以外は、比較例1と同様に重合した。得られた重合体の溶液粘度は0.75dL/gであった。また得られた樹脂は灰色〜黒色に着色していた。
比較例1と同様にして重合・洗浄・乾燥を行なった。重合中及び終了後も、二酸化硫黄と推定される比較例と同じ臭気があった。得られた重合体の溶液粘度は0.80dL/gであった。ホットプレート試験ではほとんど流動性を示さなかった。
キシレンを添加しなかった以外には比較例3と同様にして実施した。反応前後で1Lガラス製セパラブルフラスコは686.36g→685.97g(0.39g)、ガラス製フタは282.90g→282.61g(0.21g)と各々重量が減少した。得られた重合体の溶液粘度は0.99dL/gであった。ホットプレート試験では良好な流動性と安定性を示した。
実施例1と同じ反応装置を用いた。反応温度はDMI(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン)の沸点付近の221−226℃を保持した。この温度で約3時間保持した時点で系全体が白濁した。その後さらに2時間反応させたが、反応系の粘度はあまり増大しなかった。0.1N−HCl水溶液500mLを加え攪拌・ろ過した後、固形物を該HCl水溶液500mLでさらに洗浄、ろ過した。水500mLを加え洗浄・ろ過を3回繰り返し、120℃で一夜間乾燥した。得られた重合体の溶液粘度は0.52dL/gであった。また1H−NMRによる重合体末端の水酸基量を定量したところ、全末端をフッ素末端あるいはOH末端のいずれかと仮定すると、20%のOH基が残存していた。
比較例5と同様に実施した。反応系の粘度はほとんど増大しなかった。また得られた重合体の溶液粘度は低く、ホットプレート試験での安定性は悪く、重合体末端の水酸基は多量に残存していた。具体的な反応条件及び測定結果を表に示す。
比較例5と同様に実施した。得られた重合体の溶液粘度は0.51dL/gであり、重合体末端の水酸基は多量に残存していた。具体的な反応条件及び測定結果を表に示す。
Claims (5)
- スルホランと他の水溶性溶剤との混合溶剤中で重合し、
前記重合が、塩基の存在下で、芳香族二ハロゲン化物とヒドロキノン類とを重合させて、ポリエーテル類を与える脱塩重縮合反応であり、
前記他の水溶性溶剤が、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン及び1,3−ジメチルイミダゾール−2−オン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホンからなる群より選ばれる少なくとも1種類の溶剤であることを特徴とするポリエーテル類の製造方法。 - 他の水溶性溶剤がN−メチル−2−ピロリドン及び/または1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンである請求項1記載の製造方法。
- 塩基としてアルカリ金属塩を用いる請求項1又は2に記載の製造方法。
- アルカリ金属塩が、Na2CO3,K2CO3,あるいはその混合物である請求項3記載の製造方法。
- 脱塩重縮合反応が、アルカリ金属炭酸塩の存在下で、下記式(1)で表される4,4’−ジハロベンゾフェノン類と、下記式(2)で表されるヒドロキノン類とを重合させてポリエーテルエーテルケトンを与える反応である、請求項1又は2に記載の製造方法。
X−Ar−C(=O)−Ar−X (1)
RO−Ar−OR (2)
式中、Arは、同一又は異なって、置換又は無置換のp−フェニレン基を表す。Xはハロゲン原子を表す。Rは、同一又は異なって、水素原子、R’−基、R’−C(O)−基、R’OC(O)−基、R’3Si−基、又はR’2NC(O)−基を表す。ここでR’は、同一又は異なって、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基を表す。
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