JP5304515B2 - アミド基を有するオルガノポリシロキサン及びそれを含む化粧料 - Google Patents

アミド基を有するオルガノポリシロキサン及びそれを含む化粧料 Download PDF

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Description

本発明は、オルガノポリシロキサン及びそれを含む化粧料に関し、詳細にはアミド結合と所定数以上の炭素原子を含む基を有し、シリコーン以外の油剤との相溶性、分散性、皮膚親和性に優れたオルガノポリシロキサン及びそれを含む化粧料に関する。
シリコーンオイルは、その安全性等のために諸分野において油剤として用いられている。化粧品においても多用されており、スキンケア、メイキャップ化粧品等の用途においては、特に100mm2/s以下の低粘度シリコーンオイルが、その優れた伸展性、さっぱり感及び安全性により広く使用されている。
ところが、油剤として該シリコーンオイルのみを用いると、皮膚への密着感、モイスチャー性などが不足した化粧料となり易い。そのため、炭化水素油、エステル油、植物油などの有機油剤が併用される。しかし、シリコーンオイル、特にジメチルポリシロキサンは無極性の油剤であり、エステル油、紫外線吸収剤、天然動植物油などの極性の高い油剤と組み合わせると、時間の経過と共に相分離を起こし易く、経時安定性に問題がある。
この問題を解決するために、シリコーンオイルと有機油剤との相溶化剤として、分子中にフェニル基、あるいは長鎖アルキル基を有するシリコーン(特許文献1)、長鎖アルキル基とポリオキシエチレン基を有するシリコーン(特許文献2)が提案されている。しかし、これらを含む化粧料は、皮膚への密着感、化粧持ち等、皮膚との親和性の点で満足の行くものではない。
シリコーンに極性基、例えばカルボキシル基、アミド基、を導入したものも知られている。たとえば、下記式で表される基を有するシリコーン(特許文献3)、

下記式で表される基を有するシリコーン(特許文献4)、
−(RO)−R−(OR−COOM
(Mは水素、アルカリ金属、アンモニウム等)
及び、下記式で表される基を有するシリコーン(特許文献5)、

(上式で、Xは−O−又は−NH−、Mは水素原子、金属、アンモニウム等)
が知られている。第1及び2のものは、カルボキシル基が一つであり、極性基の効果が充分ではない。第3のものは、カルボキシル基が2つあるが、その調製に特殊なアミン化合物を要する点で問題がある。
一方、酸無水物変性シリコーンは比較的容易に調製することができる(特許文献6)、これにアミンを反応させて得られるアミド変性シリコーンが知られている(特許文献7)。しかし、アミド変性シリコーンは、上記油剤との相溶性、皮膚との親和性等の点で、満足の行くものではない。
特開2007−153751号公報 特開2001−039819号公報 特表平11−504665号公報 特開2004−307520号公報 特開2002−114849号公報 特表2005−524747号公報 米国特許第6007801号明細書
そこで、本発明はシリコーンオイルと、極性の高い紫外線吸収剤、エステル油等、さらには粉体を含む化粧料における分散状態を安定に維持し、且つ、皮膚親和性に優れた化粧料を与えることができるオルガノポリシロキサン及びそれを含む化粧料を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は下記式(1)で示されるオルガノポリシロキサンである。

[式(1)中、Rは、互いに独立に、C1−30アルキル基、C1−30フッ素置換アルキル基、C6−30アリール基、及びC6−30アラルキル基から選ばれる基であり、
は、互いに独立に、下記式(3)で示される基:

及び下記式(4)で示される基から選ばれる基であり、

(式(3)及び(4)において、RはC8−40脂肪族炭化水素基、C8−40アリール基、又はC8−40アラルキル基であり、
は水素原子、C8−40脂肪族炭化水素基、C8−40アリール基、又はC8−40アラルキル基であり、
は水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウムイオン又はアルキルアンモニムイオンであり、
gは2〜20の整数である)
Aは下記式(5)で示される基であり、

(式(5)において、Rは上述のとおりであり、kは1〜5の整数、hは0〜500の整数である)
a及びbは、0〜3の整数であり、
cは0〜100の整数、但し、1≦a+b+cであり、
dは0〜2,000の整数であり、
eは0〜500の整数であり、
fは0〜500の整数である]
上記本発明のオルガノポリシロキサンは、アミド基と所定数以上の炭素原子を含む基とを備え、シリコーン以外の油剤との相溶性、油剤及び粉体の分散性に優れ、経時安定性及び皮膚密着性に優れた化粧料を形成することができる。特に、粉体を含有する化粧料において前記オルガノポリシロキサンを配合すると、粉体処理効果(耐水性、耐皮脂性、油剤への分散安定性)により、粉体が高度に分散された化粧料を形成することができる。
上記式(1)、Rに関し、C1−30アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。C1−30フッ素置換アルキル基としては、トリフロロプロピル基、ヘプタデカフロロデシル基等が、C6−30アリール基としては、フェニル基及びトリル基が、C6−30アラルキル基としては、ベンジル基、及びフェネチル基等が挙げられる。
は、下記式(i)で示される基であってもよい。

−C2m−O−(CO)(CO) (i)

式(i)において、Rは水素原子、C1−30脂肪族炭化水素基又はR−(CO)−で示される有機基、ここでRは水素原子、又はC1−30脂肪族炭化水素基であり、mは0〜15の整数、好ましくは0〜5の整数、iは0〜50、好ましくは0〜20の整数である。jは0〜50、好ましくは0〜20の整数である。
上記C1−30脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、ラウリル基、セチル基、ステアリル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。好ましくはメチル基及びエチル基である。
式(i)において、m=0、i=0、j=0の場合は、−ORで表され、C1−30アルコキシ基、例えばブトキシ基などの低級アルコキシ基、オレイロキシ基、ステアロキシ基などの高級アルコキシ基が挙げられる。この場合、−ORの加水分解性を利用する用途に使用することができる。RがR−(CO)−の場合には、−O−(CO)−Rで表され、酢酸、乳酸、酪酸、オレイン酸、ステアリン酸、ベヘニル酸などの酸残基が挙げられる。
式式(i)において、1≦m、i=0、j=0の場合には、−C2m−O−Rで表され、例えばアルキルオキシエチル基、アルキルオキシプロピル基が挙げられる。mが3、5あるいは11が好ましく、ステアリルオキシプロピル基、ベヘニルオキシペンチル基、オレイルオキシウンデシル基などがあげられる。iもしくはjが0でない場合は、ポリオキシアルキレンオキシアルキル基となる。油臭が少ない点で、好ましくは、mは3〜11である。
好ましくは、RはC1−15アルキル基、又はフェニル基であり、より好ましくはメチル基及びブチル基から選ばれる。さらに、Rの50%以上がメチル基であることが好ましく、最も好ましくはRの70%以上がメチル基である。
は、互いに独立に、下記式(3)で示される基、

及び下記式(4)で示される基から選ばれる基である。
式(3)及び(4)において、RはC8−40脂肪族炭化水素基、C8−40アリール基、又はC8−40アラルキル基であり、Rは水素原子、C8−40脂肪族炭化水素基、C8−40アリール基、又はC8−40アラルキル基である。炭素原子数が8未満であると、シリコーン以外の油剤との相溶性が不十分である。一方、炭素原子数が40を越えるものは、原料として使用するアミノ化合物の酸無水物基との反応性が悪く、得られるオルガノポリシロキサンの純度が低くなる傾向がある。
及びRに関し、C8−40脂肪族炭化水素基の例としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、セチル基、ステアリル基、ベヘニル基等のアルキル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、オレイル基等のアルケニル基、プロピルシクロペンチル基、ジメチルシクロヘキシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。C8−40アリール基の例としては、エチルフェニル基、ブチルフェニル基、ナフチル基が挙げられ、C8−40アラルキル基の例としては、フェネチル基が挙げられる。好ましくは、RはC8−30アルキル基、より好ましくはC8−20アルキル基であり、Rは水素原子である。
及びRは、下記式(6)で示される基であってもよい。


式(6)において、x及びyは1〜30の整数、但し、x+yは8〜40の整数であり、Lは−NH−、−O−、−COO−、又は−NHCO−である。Rは水素原子、C8−40の脂肪族炭化水素基又は上記式(6)で示される基である。式(6)において、xは2〜25、yは2〜25、x+yは8〜30であることが好ましい。Lは−NH−、及び−O−が好ましい。
は、カチオン性の基であり、水素原子、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子、又はアンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン等である。好ましくは、Rは水素原子、ナトリウム、又はカリウム原子であり、より好ましくは水素原子である。
式(3)及び(4)においてgは2〜20、好ましくは2〜10の整数である。
Aは下記式(5)で示される基である。

式(5)において、Rは上述のとおりであり、kは1〜5、好ましくは2〜4、の整数であり、hは0〜500、好ましくは3〜100の整数、より好ましくは3〜60である。
式(1)において、a及びbは0〜3の整数であり、cは0〜100、好ましくは0〜50の整数、但し、a+b+cは1以上、好ましくは1〜50の整数である。a+b+cが100を超えるオルガノポリシロキサンは、粘度が高く、取り扱い難い。
dは0〜2,000、好ましくは0〜500の整数であり、eは0〜500、好ましくは0〜100の整数であり、fは0〜500、好ましくは0〜100の整数である。
該オルガノポリシロキサンのGPCで測定されるポリスチレン換算の数平均分子量は300〜300,000が好ましく、より好ましくは500〜100,000である。特に粉体の分散剤として使用する場合は、その数平均分子量が500〜10,000であることが好ましく、より好ましくは500〜5,000である。
好ましくは、本発明のオルガノポリシロキサンは下記式(2)で表される。


式(2)において、R、Rについては上述のとおりであり、dは0〜200の整数、好ましくは0〜100、より好ましくは10〜80、最も好ましくは10〜50の整数である。
本発明のオルガノポリシロキサンは、以下の方法で合成することができる。
(工程1)オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、下記式(9)で示される化合物を白金触媒又はロジウム触媒の存在下に付加反応させ、酸無水物基含有オルガノポリシロキサンを合成する。


(式(9)中gは上述のとおりである)
(工程2)(工程1)で合成された酸無水物基含有オルガノポリシロキサンと第1級又は第2級のアミノ化合物と反応させて、酸無水物基を開環させる。さらに、工程2で得られたカルボン酸を水酸化ナトリウム、アンモニア水等と反応させることによって、Rがアルカリ金属原子、アンモニウムイオンであるものを得ることができる。
上記式(9)で示される化合物としては、コハク酸無水物誘導体、例えば、無水ビニルコハク酸、無水アリルコハク酸、無水ヘキセニルコハク酸等が挙げられ、好ましくは無水アリルコハク酸が使用される。
本発明のオルガノポリシロキサンが、上記式(i)で表されるRを有する場合には、工程1において下記式(7):
(2m―1)−O−(CO)(CO)−R (7)
で示される不飽和基とポリオキシアルキレン基を有する化合物を、上記式(9)の化合物と共に、付加反応に付する。また、オルガノポリシロキサンが、式(5)の基を有する場合には、下記式(8)で示される不飽和基を有するシリコーン化合物を、

(式(7)、(8)において、R、R、m、i、j、k、hは上記のとおりである)
上記式(9)の化合物と共に、付加反応に付する。
工程1において、オルガノハイドロジェンポリシロキサンと上記式(7)、(8)、(9)で示される不飽和基含有化合物の合計の反応割合は、SiH基と不飽和基のモル比で0.5〜2.0、好ましくは0.8〜1.2である。
また、上記付加反応は、白金触媒又はロジウム触媒の存在下で行うことが望ましく、例えば、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸−ビニルシロキサン錯体等が好適に使用される。なお、触媒の使用量は、触媒として有効な量であってよいが、白金又はロジウム量で50ppm以下、好ましくは20ppm以下である。
上記付加反応は、必要に応じて有機溶剤中で行ってもよく、有機溶剤としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトンが挙げられる。好ましく無溶剤か、炭化水素溶剤又はエーテル系溶剤を使用する。
付加反応条件は特に限定されないが、溶剤を用いた場合にはその還流下で、1〜10時間反応させることが好適である。
工程2で使用される第1級又は第2級アミノ化合物の例としては、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ベヘニルアミン等の直鎖或いは分岐したアルキルアミン;プロピルシクロペンチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン等のシクロアルキルアミン;エチルアニリン、ブチルアニリン、フェネチルアミン、ナフチルアミン等の芳香族アミン;N−ヘキシルエチレンジアミン、N−デシルエチレンジアミン等のジアミン、デシルオキシエチルアミン、ラウロキシエチルアミンなどのアミノエーテルN−エチルヘキシルアミン、N−ヘキシルデシルアミン、N−ヘキシルラウリルアミンなどの2級アミノ化合物などが挙げられる。
上記開環反応は無触媒でも容易に進行するが、酢酸カリウム、酢酸ナトリムなどの無機塩を触媒としても良い。また、必要に応じて溶媒中で行っても良く、有機溶剤としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトンが挙げられるが、好ましく無溶剤か、炭化水素溶剤又はエーテル系溶剤を使用する。
本発明のオルガノポリシロキサンは、皮膚や毛髪に外用される化粧料に好適に使用される。特に、化粧料に慣用されているシリコーンと、水、グリコール、エステル油、グリセライド油等の極性溶剤とを含む化粧料の乳化剤として、また、粉体を含む化粧料の分散剤として好適である。該オルガノポリシロキサンの配合量は、化粧品総質量の0.1〜40質量%、好ましくは0.5〜20質量%、の範囲が好適である。粉体を含む化粧料の場合には、粉体100質量部に対して5〜40質量部、好ましくは5〜30質量部、用いる。
本発明の化粧料には、その目的に応じて1種又は2種以上の油剤を配合することができる。通常の化粧料に使用されるものであれば、固体、半固体、液状、いずれの油剤も使用することができ、例えば、天然動植物油脂類及び半合成油脂、炭化水素油、高級アルコール、エステル油、慣用のシリコーン油、フッ素系油剤を用いることができる。
天然動植物油脂類及び半合成油脂としては、例えばアボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、精製キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、スクワラン、スクワレン、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、メドウフォーム油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸イソプロピル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等が挙げられる。但し、POEはポリオキシエチレンを意味する。
炭化水素油としては、直鎖状、分岐状、さらに揮発性の炭化水素油等が挙げられ、具体的には、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、イソドデカン、イソヘキサデカン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリエチレン・ポリプロピレンワックス、(エチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、(ブチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、流動パラフィン、流動イソパラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、水添ポリイソブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等;高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等が挙げられる。
エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、ラウロイルサルコシンイソプロピルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等;グリセライド油としては、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリベヘン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル等が挙げられる。
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、トリストリメチルシロキシメチルシラン、カプリリルメチコン、フェニルトリメチコン、テトラキストリメチルシロキシシラン、メチルフェニルポリシロキサン,メチルヘキシルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等の低粘度から高粘度の直鎖或いは分岐状のオルガノポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン,テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン等の環状オルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、ピロリドン変性オルガノポリシロキサン、ピロリドンカルボン酸変性オルガノポリシロキサン、高重合度のガム状ジメチルポリシロキサン、ガム状アミノ変性オルガノポリシロキサン、ガム状のジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等のシリコーンゴム、及びシリコーンガムやゴムの環状オルガノポリシロキサン溶液、トリメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸の環状シロキサン溶液、ステアロキシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、長鎖アルキル変性シリコーン、アミノ酸変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、シリコーン樹脂及びシリコーンレジンの溶解物等が挙げられる。
フッ素系油剤としては、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等が挙げられる。これら油剤の配合量は、剤系によっても異なるが、化粧料全体の1〜98質量%の範囲が好適である。
本発明の化粧料には、その目的に応じて水を配合することも出来る。その配合量は、剤系によっても異なるが、化粧料全体の1〜95質量%の範囲が好適である。
本発明の化粧料には、その目的に応じて、C2−5低級モノアルコール、C2−10多価アルコールを1種又は2種以上、用いることもできる。該アルコールとしては、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、ソルビトール、マルトース等の糖アルコール等があり、コレステロール、シトステロール、フィトステロール、ラノステロール等のステロール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジブチレングリコール、ペンチレングリコール等の多価アルコール等がある。配合量としては、化粧料全体の0.1〜98質量%の範囲が好適である。
本発明の化粧料には、その目的に応じて水溶性或いは水膨潤性高分子を用いることができる。なかでも、植物系高分子、微生物系高分子、動物系高分子、デンプン系高分子、セルロース系高分子、アルギン酸系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、アクリル系高分子、及び無機系水溶性高分子から選ばれる1種又は2種以上の水溶性増粘剤が好ましく使用される。例えば、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ等)、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、アクリロイルジメチルタウリン塩コポリマー等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマーなど他の合成水溶性高分子、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子などがある。配合量としては、化粧料全体の0.1〜25質量%の範囲が好適である。
本発明の化粧料には、その目的に応じて、粉体を1種又は2種以上、用いることもできる。粉体としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができ、例えば無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料、天然色素等があげられ、具体的には、無機粉体としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ等;有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタン、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、シリコーンパウダー、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、ラウロイルリジン等;界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等;有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γー酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等;パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等;タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等から選ばれる粉体である。
これらの粉体は本発明の効果を妨げない範囲で、粉体を複合化したものや、一般油剤、シリコーン油、フッ素化合物、界面活性剤等で処理したものも使用することができ、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有するアルキル基で処理したもの、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有する直鎖状及び/又は分岐状のオルガノポリシロキサン、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有し長鎖アルキルで共変性された直鎖状及び/又は分岐状オルガノポリシロキサン、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有しポリオキシアルキレンで共変性された直鎖状及び/又は分岐状オルガノポリシロキサン、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有するアクリル−シリコーン系共重合体等も必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。
また、粉体の配合量としては、化粧料全体の0.1〜99質量%の範囲が好適である。特に、粉末固形化粧料の場合の配合量としては、化粧料全体の80〜99質量%の範囲が好適である。
本発明の化粧料には、その目的に応じて1種又は2種以上の界面活性剤を用いることもできる。このような界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の活性剤があるが、特に制限されるものではなく、通常の化粧料に使用されるものであれば、いずれのものも使用することができる。
アニオン性界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウムやパルミチン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸セッケン、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合物塩、アルカンスルホン酸塩、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、ホルマリン縮合系スルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル及びアリルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸エステル塩類、アルキルリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミドリン酸塩、N−アシル乳酸塩、N−アシルサルコシン塩、N−アシルアミノ酸系活性剤等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、メチルグルコシド脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、直鎖或いは分岐状ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖或いは分岐状ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖状或いは分岐状のポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン、直鎖状或いは分岐状ポリグリセリン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、ベタイン、ホスファチジルコリン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体、アミドアミン型等が挙げられる。これらの界面活性剤の中でも、分子中にポリオキシアルキレン鎖、または、ポリグリセリン鎖を有する直鎖又は分岐状オルガノポリシロキサン、或いはさらに炭素数6〜20の長鎖アルキル基を有する直鎖又は分岐状オルガノポリシロキサンであることが好ましい。
また、これらの界面活性剤において、親水性のポリオキシアルキレン基、またはポリグリセリン残基の含有量が、分子中の10〜70質量%を占めることが好ましく、配合量としては、化粧料全体の0.1〜20質量%、特に好ましくは、0.2〜10質量%の範囲が好適である。
本発明の化粧料には、アクリルシリコーン樹脂及び網状シリコーン樹脂から選ばれるシリコーン樹脂を含んでよい。アクリルシリコーン樹脂はアクリル/シリコーングラフト又はブロック共重合体である。また、ピロリジニル基、長鎖アルキル基、ポリオキシアルキレン基分及びフルオロアルキル基、カルボキシル基などのアニオン性の基の中から選択される少なくとも1種を分子中に含有するアクリルシリコーン樹脂を使用することもできる。
網状シリコーン樹脂はR1 3SiO0.5単位とSiO2単位から構成される樹脂、R1 3SiO0.5単位とR1 2SiO単位及びSiO2単位から構成される樹脂、R1 3SiO0.5単位とR1SiO1.5単位から構成される樹脂、R1 3SiO0.5単位とR1 2SiO単位及びR1SiO1.5単位から構成される樹脂、R1 3SiO0.5単位、R1 2SiO単位、R1SiO1.5単位及びSiO2単位から構成される樹脂から選ばれる。また、ピロリジニル基、長鎖アルキル基、ポリオキシアルキレン基及びフルオロアルキル基、アミノ基の中から選択される少なくとも1種を分子中に含有する網状シリコーンを使用することもできる。シリコーン樹脂を用いる場合の配合量としては、化粧料の総量に対して0.1〜20質量%が好ましく、更に好ましくは1〜10質量%である。
本発明の化粧料には、その目的に応じて1種又は2種以上の架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物を用いることもできる。この架橋型オルガノポリシロキサンは、液状油に対し、自重以上の該液状油を含んで膨潤することが好ましい。液状油としては、上記液状のシリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、半合成油等、フッ素系油を用いることができ、たとえば、0.65mm/秒(25℃)〜100.0mm/秒(25℃)の低粘度シリコーン油、流動パラフィン、スクワラン、イソドデカン、イソヘキサデカン等の炭化水素油やトリオクタノイン等のグリセライド油、イソノナン酸イソトリデシル、N−アシルグルタミン酸エステル、ラウロイルサルコシン酸エステル等のエステル油、マカデミアナッツ油などの天然動植物油が挙げられる。また、この架橋型オルガノポリシロキサンの架橋剤は、分子中に二つ以上のビニル性反応部位を持ち、かつ、ケイ素原子に直接結合した水素原子との間で反応することにより、架橋構造を形成するものであることが好ましい。分子中に二つ以上のビニル性反応部位を持つものとしては、分子中に二つ以上のビニル基を有するオルガノポリシロキサン、分子中に二つ以上のアリル基を有するポリオキシアルキレン、分子中に二つ以上のアリル基を有するポリグリセリン、α、ω−アルケニルジエンなどが挙げられる。また、ポリオキシアルキレン基、ポリグリセリン残基、長鎖アルキル基、アルケニル基、アリール基、及びフルオロアルキル基からなる群から選択される少なくとも1種を有する架橋剤を使用することもできる。架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物を用いる場合の配合量としては、化粧料の総量に対して0.1〜80質量%が好ましく、更に好ましくは1〜50質量%である。
本発明の化粧料には、その目的に応じて1種又は2種以上のα−オレフィンとジエンを反応させて得られる不飽和基を有するオレフィンワックスと1分子1個以上のSiH結合を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを付加反応させることによって得られるシリコーン変性オレフィンワックスを含むことができる。α−オレフィンとしてはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル1−ペンテンなどの炭素原子数2〜12が好ましく、ジエンとしてはブタジエン、イソプレン、1.4ヘキサジエン、ビニルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、などが好ましい。SiH結合を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは直鎖状やシロキサン分岐型等の構造のものが使用できる。
更に本発明の化粧料には、本発明の効果を妨げない範囲で通常の化粧料に使用される成分、油溶性ゲル化剤、有機変性粘土鉱物、制汗剤、紫外線吸収剤、紫外線吸収散乱剤、保湿剤、防腐剤、抗菌剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物、毛髪用固形化剤等を添加することができる。
油溶性ゲル化剤としては、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、フラクトオリゴ糖ステアリン酸エステル、フラクトオリゴ糖2−エチルヘキサン酸エステル等のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレー等の有機変性粘土鉱物等から選ばれるゲル化剤が挙げられる。
制汗剤としては、アルミニウムクロロハイドレート、塩化アルミニウム、アルミニウムセスキクロロハイドレート、ジルコニルヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等から選ばれる制汗剤が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸メチル、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリメチルシクロヘキシル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、パラメトキシケイ皮酸オクチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系紫外線吸収剤、4−t−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤、フェニルベンズイミダゾールスルフォン酸、トリアジン誘導体等が挙げられ、紫外線吸収散乱剤としては微粒子酸化チタン、微粒子鉄含有酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム及びそれらの複合体等、紫外線を吸収散乱する粉体が挙げられ、これらの紫外線を吸収散乱する粉体をあらかじめ油剤に分散させた分散物を用いることもできる。
保湿剤としては、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンチレングリコール、グルコース、キシリトール、マルチトール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、卵黄レシチン、大豆レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファジチルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴリン脂質等がある。
防菌防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等がある。
塩類としては無機塩、有機酸塩、アミン塩及びアミノ酸塩が挙げられる。無機塩としては、たとえば、塩酸、硫酸、炭酸、硝酸等の無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、ジルコニウム塩、亜鉛塩等;有機酸塩としては、例えば酢酸、デヒドロ酢酸、クエン酸、りんご酸、コハク酸、アスコルビン酸、ステアリン酸等の有機酸類の塩;アミン塩及びアミノ酸塩としては、例えば、トリエタノールアミン等のアミン類の塩、グルタミン酸等のアミノ酸類の塩等がある。また、その他、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等の塩、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等や、更には、化粧品処方の中で使用される酸−アルカリの中和塩等も使用することができる。
酸化防止剤としては、トコフェロール、p−t−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸等、pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等、キレート剤としては、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸等、清涼剤としては、L−メントール、カンフル等、抗炎症剤としては、アラントイン、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びグリチルレチン酸ステアリル、トラネキサム酸、アズレン等が挙げられる。
美肌用成分としては、胎盤抽出液、アルブチン、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ロイヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体、幼牛血液抽出液等の細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等の血行促進剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の皮膚収斂剤、イオウ、チアントロール等の抗脂漏剤等が挙げられる。
ビタミン類としては、ビタミンA油、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート、ピリドキシントリパルミテート等のビタミンB6類、ビタミンB12及びその誘導体、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸ナトリウム、 L−アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム等のビタミンC類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のビタミンE類、ビタミンH、ビタミンP、ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、ビオチン等がある。
アミノ酸類としては、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等、核酸としては、デオキシリボ核酸等、ホルモンとしては、エストラジオール、エテニルエストラジオール等が挙げられる。
毛髪固定用高分子化合物としては、両性、アニオン性、カチオン性、非イオン性の各高分子化合物が挙げられ、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体等の、ポリビニルピロリドン系高分子化合物、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸アルキルハーフエステル共重合体等の酸性ビニルエーテル系高分子化合物、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体等の酸性ポリ酢酸ビニル系高分子、(メタ)アクリル酸/アルキル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/アルキル(メタ)アクリレート/アルキルアクリルアミド共重合体等の酸性アクリル系高分子化合物、N−メタクリロイルエチル−N、N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン/アルキル(メタ)アクリレート共重合体、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレート/アクリル酸オクチルアミド共重合体等の両性アクリル系高分子化合物が挙げられる。また、セルロースまたはその誘導体、ケラチンおよびコラーゲンまたはその誘導体等の天然由来高分子化合物も好適に用いることができる。
本発明において、化粧料の剤形もしくは形態は特に限定されない。液状、例えば化粧水等の水性液、クレンジングオイル等の油性液、乳液、クリーム、クリームファンデーション及びマッサージ料等の、油中水型(W/O)エマルジョン、水中油型(O/W)エマルジョン、非水エマルジョン、W/O/W、O/W/O等の水性もしくは油性マルジョン、メークアップ下地、及びコンシーラー、等のペースト状、又は、パウダーファンデーション、アイシャドウ、及びパック剤等の固体状であってよい。
化粧料の用途も任意のものであってよい。例えば、化粧水、乳液、クリーム等のスキンケア化粧料;メークアップ下地、頬紅、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、口紅等のメークアップ化粧料;シャンプー、リンス、トリートメント、セット剤等の毛髪化粧料;日焼け止めオイルや日焼け止め乳液、日焼け止めクリームなどの紫外線防御化粧料;その他、洗浄剤、脱臭剤、制汗剤等が挙げられる。
以下に、本発明に関して実施例及び参考例を挙げて説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
<実施例1>
反応器に下記式(10)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン234質量部と、

下記式(11)で表される無水アリルコハク酸44.1質量部と、

トルエン100質量部を仕込み、そこへ、塩化白金酸0.5質量%のトルエン溶液0.1部を加えた後、還流下で2時間反応させた。反応物を減圧下で加熱してトルエンを溜去し、下記式(12)で表される酸無水物基含有オルガノポリシロキサンを得た。



上記酸無水物基含有オルガノポリシロキサン250質量部にテトラヒドロフラン100質量部、ラウリルアミン50.3質量部を添加し、還流下で2時間反応させた。反応物を減圧蒸留に付して、下記式(13)で表されるカルボキシル基含有オルガノポリシロキサンを得た。


<実施例2>
反応器に下記式(14)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン241質量部と、

上記式(11)で表される無水アリルコハク酸14.7質量部と、トルエン100質量部を仕込み、塩化白金酸0.5質量%のトルエン溶液0.1部を加えた後、還流下で2時間反応させた。反応物を減圧下で加熱して溶剤を溜去し、下記式(15)で表される酸無水物基含有オルガノポリシロキサンを得た。


上記酸無水物基含有オルガノポリシロキサン255質量部にテトラヒドロフラン100質量部、ステアリルアミン26.9質量部を添加し、還流下で2時間反応させた。反応物を減圧蒸留に付して、下記式(16)で表されるカルボキシル基含有オルガノポリシロキサンを得た。

参考例1
反応器に下記式(17)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン340質量部と、
上記式(11)で表される無水アリルコハク酸58.8質量部と、トルエン100質量部を仕込み、塩化白金酸0.5質量%のトルエン溶液0.1部を加えた後、還流下で2時間反応させた。反応物を減圧下で加熱して溶剤を溜去し、下記式(18)で表される酸無水物基含有オルガノポリシロキサンを得た。
上記酸無水物基含有オルガノポリシロキサン250質量部にテトラヒドロフラン100質量部、N−ヘキシルラウリルアミン67.4質量部を添加し、還流下で2時間反応させた。反応物を減圧蒸留に付して、下記式(19)で表されるカルボキシル基含有オルガノポリシロキサンを得た。
<実施例4>
反応器に下記式(20)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン240質量部と、

上記式(11)で表される無水アリルコハク酸28.0質量部と、下記式(21)で表される片末端にビニル基を有するオルガノポリシロキサン168質量部と

トルエン100質量部を仕込み、塩化白金酸0.5質量%のトルエン溶液0.1部を加えた後、溶剤の還流下で2時間反応させた。反応物を減圧下で加熱して溶剤を溜去し、下記平均式(22)で表される酸無水物基含有オルガノポリシロキサンを得た。



上記酸無水物基含有オルガノポリシロキサン250質量部にテトラヒドロフラン100質量部、ラウリルアミン10.4質量部を添加し、還流下で5時間反応させた。反応物を減圧蒸留に付して、下記式(23)で表されるカルボキシル基含有オルガノポリシロキサンを得た。



<実施例5,6,8、参考例2、比較例1〜5>
下記表1に示す組成の乳化化粧料(配合量は質量%を示す)を下記方法で調製した。
(製造方法)
成分1〜13をディスパーミキサーを用いて1500rpmで混合した後、成分14をゆっくり添加し、乳化した。
得られた乳化化粧料の100gを密閉容に入れて室温で1週間静置した後、その乳化状態を目視にて観察し、下記基準で評価した。
(評価基準) ○:分離なし、△:わずかに分離、×:二相分離
(注1)下記式で示されるアルキル変性ポリシロキサン

(注2)下記式で示されるアルキル変性ポリシロキサン

(注3)下記式で示されるポリシロキサン


(注4)下記式で示されるポリシロキサン

(注5)下記式で示されるポリエーテル変性ポリシロキサン


(注6)下記式で示されるポリエーテル変性ポリシロキサン
表1に示すように、アミド結合を欠くアルキル変性シリコーンを含む比較例1、2、4及び5の化粧料は、乳化系の安定性を欠いた。特に比較例5の化粧料は早期に二相に分離した。また、窒素原子に結合された基の炭素原子数が本発明の範囲未満の比較例3も乳化安定性は十分ではなかった。これらに対して、実施例5,6,8、及び参考例2の乳化化粧料は1週間経過後も初期乳化状態を維持していた。
<実施例9,10,12、参考例3、比較例6〜9>
実施例1,2,4、及び参考例1で得られたオルガノポリシロキサンを使用して、表2に示す処方(質量部)のW/O型クリームファンデーションを作成し、女性50名の専門パネルにより評価を行った。
(注1)〜(注5)は上記のとおり。
(注7)ハイブリッドシリコーン複合粉体:KSP−100、信越化学工業(株)製
(注8)架橋型グリセリン変性シリコーン組成物:KSG−710、信越化学工業(株)製
(注9)シリコーン処理顔料:粉体質量に対して2%の質量のメチルハイドロジェンポリシロキサン添加後、150℃で加熱処理したもの
(製造方法)
A:成分1〜11、12の一部、成分13〜15を混合した。
B:成分16、17、12の残部を混合した。
C:成分18〜21を23に溶解した。
D:Cで得られた溶液をAで得られた混合物に加え乳化した。
E:成分22、及びBで得られた混合物、Dで得られた乳化物を均一に混合して、ファンデーションを得た。
得られたファンデーションについて、女性50名の専門パネルにより、使用テストを行ない、皮膚への密着性、伸びの軽さ、化粧膜の均一性の良さ、化粧持ちの良さについて、下記基準により評価した。
[評価基準]
5点: 非常に良好
4点: 良好
3点: 普通
2点: やや不良
1点: 不良
評価項目毎に、全パネルの評価点の平均を取った。表3における、各符号の意味は以下のとおりである。

表3に示すように、アミド結合を欠くアルキル変性シリコーンを用いた比較例6、7、9は、顔料の分散性が悪く、伸び性及び化粧膜の均一性の点で劣った。また、これらのファンデーションは、室温で1週間放置しておいたところ、顔料が沈降してしまった。さらに、比較例6、8、9のファンデーションは、塗付時の密着性は良好であったが、伸び及び化粧持ちが悪かった。これに対して、実施例9,10,12、及び参考例3のファンデーションは分散系のきめが細かく、伸びが軽く、化粧膜も均一であり、持ちが良かった。
以下の実施例において、経時安定性は化粧料を密閉容器内に入れて50℃で1ヶ月放置した後の外観の変化が無いことによって確認した。
<実施例13> W/O型クリーム
(注11)ポリグリセリン変性シリコーン:KF−6105、信越化学工業(株)製
(製造方法)
A:成分1〜6を均一に混合した。
B:成分7〜11を混合した後、Aで得られた混合物に加えて乳化した。
以上のようにして得られたクリームは、油っぽさがなく、のび広がりも軽く、皮膚への密着感に優れ、安定性の良いW/O型クリームであった。
参考例4> W/O型メークアップ下地
(注6)上記のとおり
(注12)架橋型ポリエーテル変性シリコーン組成物:KSG−210(商品名)、信越化学工業(株)製
(注13)架橋型ジメチルポリシロキサン組成物:KSG−16(商品名)、信越化学工業(株)製
(注14)酸化チタン/シクロペンタシロキサン分散物:SPD−T5(商品名)、信越化学工業(株)製
(注15)メチルセルロ−ス:メトローズ65−SH4000(商品名)、信越化学工業(株)製
(製造方法)
A:成分1〜8を均一に混合した。
B:成分9〜15を混合した後、Aで得られた混合物に加えて乳化した。
以上のようにして得られたメークアップ下地は、油っぽさがなく、のび広がりも軽く、安定性に優れていた。皮膚上の化粧膜は、マット感のある仕上がりであり密着感に優れ、持ちがよかった。
<実施例15> O/Wクリーム

(注11)上記のとおり
(注16)ポリアクリルアミド系混合物:セピゲル305(商品名)、SEPIC社製
(製造方法)
A:成分1〜4を均一に混合した。
B:成分5〜11を混合した。
C:Aで得られた混合物をBで得られた混合物に加えて乳化した。
以上のようにして得られたクリームは、のび広がりが軽くて油っぽさがない上、さっぱり感を与え、安定性に優れたO/W型クリームであった。
<実施例16>口紅

(注11)上記のとおり
(注17)アクリレート/ジメチルシリコーン共重合体:KP−561P、信越化学工業(株)製
(製造方法)
A:成分6〜10を均一に混合した。
B:成分1〜5を90℃で加熱溶融し、Aで得られた混合物を加えて均一にした。
C:80℃で、成分11〜13をBで得られた混合物に加えて均一にした。
以上のようにして得られた口紅は、のびが軽くて油っぽさや粉っぽさがない上、耐水性や撥水性が良好で持ちも良く、安定性にも優れていた。
参考例5>非水エマルジョン
(注11)上記のとおり
(製造方法)
A:成分1〜6を均一に混合した。
B:成分7をAで得られた混合物に加え均一に分散した。
以上のようにして得られた非水エマルジョンは、のび広がりが軽くて油っぽさがなく、後肌のしっとりした、安定性の良い非水エマルジョンであった。
本発明のオルガノポリシロキサンは、シリコーン以外の油剤との相溶性、分散性、皮膚との親和性に優れ、シリコーンオイルと極性溶媒を含む皮膚化粧料及び粉体が分散された皮膚化粧料を製造するのに大変有用である。

Claims (8)

  1. 下記式(1)で示されるオルガノポリシロキサン。


    [式(1)中、Rは、互いに独立に、C1−30アルキル基、C1−30フッ素置換アルキル基、C6−30アリール基、及びC6−30アラルキル基から選ばれる基であり、
    は、互いに独立に、下記式(3)で示される基:

    及び下記式(4)で示される基から選ばれる基であり、

    (式(3)及び(4)において、RはC8−40脂肪族炭化水素基、C8−40アリール基、又はC8−40アラルキル基であり、
    は水素原子、C8−40脂肪族炭化水素基、C8−40アリール基、又はC8−40アラルキル基であり、
    は水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウムイオン又はアルキルアンモニムイオンであり、
    gは2〜20の整数である)
    Aは下記式(5)で示される基であり、

    (式(5)において、Rは上述のとおりであり、kは1〜5の整数、hは0〜500の整数である)
    a及びbは、0〜3の整数であり、
    cは0〜100の整数、但し、1≦a+b+cであり、
    dは0〜2,000の整数であり、
    eは0〜500の整数であり、
    fは0〜500の整数である]
  2. GPCで測定されるポリスチレン換算の数平均分子量が300〜300,000である、請求項1に係るオルガノポリシロキサン。
  3. 下記式(2)で示される請求項1又は2に係るオルガノポリシロキサン。


    (式(2)において、R、Rについては上述のとおりであり、dは0〜200の整数である。)
  4. がメチル基及びブチル基から選ばれる基、RがC8−20アルキル基、R及びRが水素原子である、請求項1〜3のいずれか1項に係るオルガノポリシロキサン。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のオルガノポリシロキサンを、化粧料総質量の0.1〜40質量%含有する化粧料。
  6. 水をさらに含み、エマルジョンの形態である、請求項5に係る化粧料。
  7. エステル油、グリセライド油又はこれらの混合物をさらに含み、非水エマルジョンの形態である、請求項5に係る化粧料。
  8. 粉体をさらに含み、該粉体が分散された、液状、ペースト状又は固体状である、請求項5又は7に係る化粧料。
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