JP5303830B2 - ピリオドジッタキャンセル回路、静的位相差キャンセル回路、ピリオドジッタ測定回路、静的位相差測定回路及び位相差調整回路 - Google Patents

ピリオドジッタキャンセル回路、静的位相差キャンセル回路、ピリオドジッタ測定回路、静的位相差測定回路及び位相差調整回路 Download PDF

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Description

本発明は、半導体集積回路に搭載されるピリオドジッタ(Period Jitter)キャンセル回路、静的位相差キャンセル回路、ピリオドジッタ測定回路、静的位相差測定回路及び位相差調整回路に関する。
LSI(大規模集積回路)では、動作時、電力消費により電源電圧が変動し、また、信号配線間にはクロストークノイズが発生する。これら電源電圧変動やクロストークノイズは、LSI内の信号の伝搬遅延時間を動的に変動させて、LSIの動作速度を低下させる。以下、この動的遅延変動をジッタ(Jitter)と呼ぶ。
LSIでは、電源電圧変動やクロストークノイズを抑えるために種々の対策が採られているが、LSIの面積的な限界から、ジッタを完全に抑えるための対策を採ることができず、電源電圧変動やクロストークノイズを抑える対策では、ジッタを零にすることは困難である。他方、LSI内の信号伝送の高速化や、LSI間の信号伝送の高速化に伴い、タイミングマージンが著しく少なくなっており、ジッタの影響が大きくなっている。
ジッタの中でも、ソースシンクロナス転送方式の信号伝送系のタイミングに影響を与えるのは、クロック信号の周期の変動分であるピリオドジッタである。このピリオドジッタの影響を低減する方法として、例えば、電圧変動を感知して出力回路の駆動能力を変更してピリオドジッタの影響を低減する方法や、電圧変動を感知して出力回路の入力端子への信号の遅延観測点をずらす方法が採られている。しかしながら、これらの方法では、ピリオドジッタをある程度低減することはできるが、量的に正確にピリオドジッタを低減することができないという問題点がある。
また、ピリオドジッタ以外で信号伝送系のタイミングマージンに影響を与えるものに、同一周期の2信号間に存在する周期性のある一定幅の位相差(遅延差)、いわゆる静的位相差というものがある。例えば、LSIに搭載されたPLL(位相同期ループ)における基準クロック信号と帰還クロック信号との間に存在してしまう周期性のある一定値の位相差や、外部からLSIに与えられる基準クロック信号(コモンクロック信号)と、この基準クロック信号の下流のクロック信号に同期して出力されるデータ信号との間に存在してしまう周期性のある一定値の位相差などである。これら静的位相差は、シンクロナス転送方式の信号伝送系のタイミングマージンに影響を与える。
LSIでは、その高速化に伴い、タイミングマージンに占める静的位相差の割合が増えており、静的位相差は、高速信号伝送を実現する上では低減すべき要因となっている。例えば、特許文献5に記載の技術では、DLL(遅延同期ループ)を用いてクロック信号の位相差を低減する方法をとっているが、DLLは面積が非常に大きいので、LSIのコストに影響してしまうという問題点がある。
また、LSIにおいては、微細化によりプロセスばらつきが大きくなった。また、微細化に伴う高集積化により消費電力が大きくなり、動作時における発熱及び電圧降下(IRドロップや動的な電圧変動)が大きくなった。これらプロセスばらつき、温度変化、電圧変動といった動作条件の変化のために、LSIのタイミング変動は大きくなり、LSIのタイミングをその規定値(AC特性)内に収めるのに必要なタイミング設計が非常に困難となっている。
LSIのタイミング規定値(AC特性)は、クロック信号などの基準信号に対して決められており、基準信号とデータ信号との位相差で調整されている。しかし、プロセスばらつき、温度変化、電圧変化により位相差は変動するので、タイミング規格値は最小値と最大値を持つ。例えば、PCI(66MHz)インターフェースでは、出力タイミングは、最小値2nsec、最大値6nsecという規定がある。プロセスばらつき、温度変化、電圧変化によるトランジスタ性能のばらつきが大きいと、最小値と最大値の幅が広がり、LSIの特性は悪くなってしまう。
このような状況を打開するために、例えば、(1)位相比較器を使って、対象2信号の位相差が所定の位相差となるように調整する方法や、(2)DLLを使って、対象2信号の位相差を設定する方法が考えられている。(1)、(2)の方法はともに自律的に位相差の変動を補正するという点において優れた方式ではあるが、重大な問題点がある。
(1)の方法においては、“所定の位相差”を設定する遅延回路がプロセスばらつき、温度変化、電圧変動の影響を受け、所定の値を保つことができないため、目的とする自律的位相差調整の性能や精度が低下するという問題点がある。そのため、位相差を零にするという技術は多いが、位相差を設定するというものはほとんど無い。(2)の方法においては、DLLの面積が大きく面積オーバーヘッドが大きいことが問題となる。よって、プロセスばらつき、温度変化、電圧変動の影響下でも遅延回路の遅延変動を十分に抑える技術が必要となる。
特開2001−166007号公報 特開2004−085236号公報 特開2003−218689号公報 特開2003−234648号公報 特開2002−049438号公報 特開2002−084186号公報 特開2003−273728号公報 特開2004−78660号公報 特開2001−111415号公報 特開2004−146057号公報
本発明の第1の目的は、データ転送系のタイミングマージンを増やし、データ転送の高速化を可能とするピリオドジッタキャンセル回路を提供することにある。本発明の第2の目的は、データ転送系のタイミングマージンを増やし、データ転送の高速化を可能とする静的位相差キャンセル回路を提供することにある。
本発明の第3の目的は、クロック信号のピリオドジッタを高精度で測定することができるピリオドジッタ測定回路を提供することにある。本発明の第4の目的は、比較クロック信号の基準クロック信号に対する静的位相差を高精度で測定することができる静的位相差測定回路を提供することにある。
本発明の第5の目的は、所定のクロック信号間の静的位相差の変動を自律的に調整することができるようにし、プロセスばらつき、温度変化、電圧変動による所定のクロック信号間の静的位相差の変動範囲を大幅に狭めることができるようにした位相差調整回路を提供することにある。
本発明のピリオドジッタキャンセル回路は、第1のクロック信号のピリオドジッタを測定するピリオドジッタ測定回路と、前記第1のクロック信号を前記ピリオドジッタ測定回路の遅延時間分遅延して第2のクロック信号を出力する第1の遅延回路と、前記ピリオドジッタ測定回路によるピリオドジッタ測定結果に基づいて、前記第2のクロック信号の遅延を調整してピリオドジッタをキャンセルする第2の遅延回路を有するものである。
本発明の第1の静的位相差キャンセル回路は、比較クロック信号の基準クロック信号に対する静的位相差を測定する静的位相差測定回路と、第1のクロック信号を遅延して第2のクロック信号を出力する遅延回路を有し、該遅延回路において、前記静的位相差測定回路による静的位相差測定結果に基づいて、前記第1のクロック信号と前記第2のクロック信号との間で、前記比較クロック信号の前記基準クロック信号に対する静的位相差分をキャンセルするものである。
本発明の第2の静的位相差キャンセル回路は、比較クロック信号の基準クロック信号に対する静的位相差を測定する静的位相差測定回路と、前記比較クロック信号を遅延して遅延比較クロック信号を出力する遅延回路を有し、該遅延回路において、前記静的位相差測定回路による静的位相差測定結果に基づいて、前記比較クロック信号と前記遅延比較クロック信号との間で、前記比較クロック信号の前記基準クロック信号に対する静的位相差分をキャンセルするものである。
本発明のピリオドジッタ測定回路は、第1のクロック信号を1周期分遅延する遅延回路と、前記第1のクロック信号と前記遅延回路が出力する第2のクロック信号との位相差をピリオドジッタとして検出するピリオドジッタ検出回路を有するものである。
本発明の静的位相差測定回路は、基準クロック信号を1周期分遅延して遅延基準クロック信号を出力する第1の遅延回路と、比較クロック信号を遅延して遅延比較クロック信号を出力する第2の遅延回路と、前記遅延基準クロック信号と前記遅延比較クロック信号との静的位相差を検出し、前記第2の遅延回路の遅延値を前記遅延比較クロック信号の前記遅延基準クロック信号に対する静的位相差をキャンセルし得る値に制御する静的位相差検出回路を有するものである。
本発明の第1の位相差調整回路は、第1のクロック信号と第2のクロック信号との間に静的位相差を設定し、該静的位相差の変動を調整する位相差調整回路であって、前記第2のクロック信号の上流側伝送路に位置する第1の可変遅延回路と、遅延値を設定可能とされ、前記第1のクロック信号を遅延する第2の可変遅延回路と、該第2の可変遅延回路が出力する第3のクロック信号と前記第2のクロック信号との間の静的位相差を測定し、前記第3のクロック信号と前記第2のクロック信号との間の静的位相差がなくなるように前記第1の可変遅延回路の遅延値を制御する静的位相差測定回路を有するものである。
本発明の第2の位相差調整回路は、第1のクロック信号と第2のクロック信号との間に静的位相差を設定し、該静的位相差の変動を調整する位相差調整回路であって、前記第2のクロック信号の上流側伝送路に位置する第1の可変遅延回路と、遅延値を設定可能とされ、前記第2のクロック信号を遅延する第2の可変遅延回路と、前記第1のクロック信号と前記第2の可変遅延回路が出力する第3のクロック信号との間の静的位相差を測定し、前記第1のクロック信号と前記第3のクロック信号との間の静的位相差がなくなるように前記第1の可変遅延回路の遅延値を制御する静的位相差測定回路を有するものである。
本発明のピリオドジッタキャンセル回路によれば、ピリオドジッタ測定回路により第1のクロック信号のピリオドジッタが測定され、このピリオドジッタ測定結果に基づいて、第2の遅延回路において、第1の遅延回路が出力する第2のクロック信号の遅延が調整されてピリオドジッタがキャンセルされる。したがって、第2の遅延回路が出力するクロック信号又はその下流のクロック信号を使用することにより、データ転送系におけるタイミングマージンを増やし、データ転送の高速化を図ることができる。
本発明の第1の静的位相差キャンセル回路によれば、静的位相差測定回路により比較クロック信号の基準クロック信号に対する静的位相差が測定され、この静的位相差測定結果に基づいて、遅延回路において、第1のクロック信号の遅延が調整され、第1のクロック信号と第2のクロック信号との間で、比較クロック信号の基準クロック信号に対する静的位相差分がキャンセルされる。したがって、第2のクロック信号又はその下流のクロック信号を使用することにより、データ転送系におけるタイミングマージンを増やし、データ転送の高速化を図ることができる。
本発明の第2の静的位相差キャンセル回路によれば、静的位相差測定回路により比較クロック信号の基準クロック信号に対する静的位相差が測定され、この静的位相差測定結果に基づいて、遅延回路において、比較クロック信号の遅延が調整され、比較クロック信号と遅延比較クロック信号との間で、比較クロック信号の基準クロック信号に対する静的位相差分がキャンセルされる。したがって、遅延比較クロック信号又はその下流のクロック信号を使用することにより、データ転送系におけるタイミングマージンを増やし、データ転送の高速化を図ることができる。
本発明のピリオドジッタ測定回路によれば、第1のクロック信号と、第1のクロック信号を1周期分遅延した第2のクロック信号との位相差がピリオドジッタとして検出されるので、第1のクロック信号のピリオドジッタを高精度で測定することができる。
本発明の静的位相差測定回路によれば、基準クロック信号を1周期分遅延した遅延基準クロック信号と、比較クロック信号を遅延した遅延比較クロック信号との位相を比較し、遅延比較クロック信号の遅延基準クロック信号に対する静的位相差が検出されると共に、第2の遅延回路の遅延値が遅延比較クロック信号の遅延基準クロック信号に対する静的位相差をキャンセルし得る値に制御されるので、比較クロック信号の基準クロック信号に対する静的位相差を高精度で測定することができる。
本発明の第1の位相差調整回路によれば、静的位相差測定回路は、第3のクロック信号と第2のクロック信号との間の静的位相差がなくなるように、即ち、第1のクロック信号に対して第2のクロック信号が遅れているように、かつ、第1のクロック信号と第2のクロック信号との間の静的位相差が第2の可変遅延回路に設定した遅延値分となるように第1の可変遅延回路の遅延値を制御するので、第2の可変遅延回路により設定した第1のクロック信号と第2のクロック信号との間の静的位相差の変動を調整することができる。即ち、第1のクロック信号と第2のクロック信号との間の静的位相差がプロセスばらつき、温度変化、電圧変化により変動しても、両者の静的位相差を第2の可変遅延回路により設定した位相差になるように自律的に調整することができる。したがって、プロセスばらつき、温度変化、電圧変動による第2の可変遅延回路により設定した第1のクロック信号と第2のクロック信号との間の静的位相差の変動範囲を大幅に狭めることができる。
本発明の第2の位相差調整回路によれば、静的位相差測定回路は、第1のクロック信号と第3のクロック信号との間の静的位相差がなくなるように、即ち、第1のクロック信号に対して第2のクロック信号が進んでいるように、かつ、第1のクロック信号と第2のクロック信号との間の静的位相差が第2の可変遅延回路に設定した遅延値分となるように第1の可変遅延回路の遅延値を制御するので、第2の可変遅延回路により設定した第1のクロック信号と第2のクロック信号との間の静的位相差の変動を調整することができる。即ち、第1のクロック信号と第2のクロック信号との間の静的位相差がプロセスばらつき、温度変化、電圧変化により変動しても、両者の静的位相差を第2の可変遅延回路により設定した位相差になるように自律的に調整することができる。したがって、プロセスばらつき、温度変化、電圧変動による第2の可変遅延回路により設定した第1のクロック信号と第2のクロック信号との間の静的位相差の変動範囲を大幅に狭めることができる。
(本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態及び本発明のピリオドジッタ測定回路の第1実施形態)
図1は本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態の構成を示す回路図である。本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態は、トランジスタ動作速度センサ1、2と、本発明のピリオドジッタ測定回路の第1実施形態であるピリオドジッタ測定回路3と、遅延回路4と、ディジタル制御遅延回路5を有している。
トランジスタ動作速度センサ1、2は、本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態が搭載されたLSI内のトランジスタの動作速度を検出するものである。本例では、トランジスタ動作速度センサ1、2は、可変遅延素子からなるリング発振器を使用し、発振周波数がプロセス条件及び電源電圧、動作温度(以下、電源電圧、動作温度を動作条件という)に変動がないとした場合の理想的な周波数となるようにリング発振器の可変遅延素子の遅延値を制御した場合に使用したディジタル信号である遅延制御信号CNTL1、CNTL2をLSI内のトランジスタの動作速度を反映しているものとして出力するものである。
ピリオドジッタ測定回路3は、クロック信号CLK_INと、トランジスタ動作速度センサ1が出力する遅延制御信号CNTL1を入力して、クロック信号CLK_INのピリオドジッタを測定し、ディジタル制御遅延回路5に対して、ディジタル制御遅延回路5内の遅延値を異にする複数の電圧制御可変遅延回路からピリオドジッタをキャンセルすることができる電圧制御可変遅延回路を選択するための選択制御信号SL1を出力するものである。
遅延回路4は、ピリオドジッタ測定回路3がクロック信号CLK_INの入力端と選択制御信号SL1の出力端との間に有する遅延値と同一の遅延値を有するものであり、6〜11はバッファである。
ディジタル制御遅延回路5は、遅延回路4が出力するクロック信号CLK_mと、ピリオドジッタ測定回路3が出力する選択制御信号SL1と、トランジスタ動作速度センサ2が出力する遅延制御信号CNTL2を入力し、クロック信号CLK_mにピリオドジッタがない場合には、クロック信号CLK_mをディジタル制御遅延回路5の中心遅延値だけ遅延し、クロック信号CLK_mにピリオドジッタがある場合には、ピリオドジッタをキャンセルするようにクロック信号CLK_mを遅延するものである。なお、ディジタル制御遅延回路5は、中心遅延値Dmに対し、0(最小)〜2×Dm(最大)の間で遅延値を制御される。
図2はトランジスタ動作速度センサ1の構成を示す回路図であり、トランジスタ動作速度センサ2も同様に構成される。図2中、20は遅延制御信号初期値入力端子、21は発振回路、22はカウンタ、23は比較回路、24はセレクタ、25は累積加算器、26は遅延制御バイアス電圧生成回路である。
遅延制御信号初期値入力端子20は、遅延制御信号CNTL1の中間値[100…0]を遅延制御バイアス電圧生成回路26に与えるべき初期値として入力するためのものである。発振回路21は、遅延制御バイアス電圧生成回路26が出力する遅延制御バイアス電圧CNTL1_P、CNTL1_Nにより発振周波数が制御されるものである。
発振回路21は、発振回路イネーブル信号rosc_enにより活性、非活性が制御され、発振回路イネーブル信号rosc_en=Hレベル(高電位)の場合には活性状態とされ、発振回路イネーブル信号rosc_en=Lレベル(低電位)の場合には非活性状態とされる。発振回路イネーブル信号rosc_enは、本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態が搭載されたLSI内のコントローラから与えられる。
カウンタ22は、発振回路21が出力する発振信号rosc_clkの波数をカウントするものであり、カウンタイネーブル信号count_enにより活性、非活性が制御され、カウンタイネーブル信号count_en=Hレベルの場合には活性状態とされ、カウンタイネーブル信号count_en=Lレベルの場合には非活性状態とされる。カウンタイネーブル信号rosc_enは、本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態が搭載されたLSI内のコントローラから与えられる。
比較回路23は、カウンタ22のカウント値PCODEと、発振回路21に求められている理想周波数(LSIのプロセス条件、動作電圧、動作温度が理想状態である場合の発振回路21の発振周波数)に対応して予め計算されて決定されている理想カウント値PCODEtypとを比較して比較結果信号CMP_OUTを出力するものであり、比較結果信号CMP_OUTは、PCODE<PCODEtypの場合は「+1」とされ、PCODE=PCODEtypの場合は「0」とされ、PCODE>PCODEtypの場合は「−1」とされる。
セレクタ24は、遅延制御信号初期値入力端子20から入力する遅延制御信号CNTL1の初期値[100…0]又は比較回路23が出力する比較結果CMP_OUTを選択して出力するものであり、選択制御信号SL2に制御されて、発振回路21を起動させる際の遅延制御信号CNTL1の初期値設定時には、遅延制御信号初期値入力端子20から入力する遅延制御信号CNTL1の初期値[100…0]を選択し、発振回路21の発振が安定した後のカウンタ22による発振信号rosc_clkの波数のカウント開始後は、比較回路23が出力する比較結果CMP_OUTを選択するものである。
累積加算器25は、セレクタ24の出力を累積加算するものであり、27は加算器、28はレジスタである。累積加算器25では、レジスタ28の格納値の初期値は0とされ、加算器27は、セレクタ24の出力とレジスタ28の格納値とを加算し、その加算結果がレジスタ28に更新的に格納される。本例では、レジスタ28の格納値が遅延制御信号CNTL1として遅延制御バイアス電圧生成回路26及びピリオドジッタ測定回路3に与えられる。
遅延制御バイアス電圧生成回路26は、累積加算器25が出力する遅延制御信号CNTL1を入力して、遅延制御バイアス電圧CNTL1_P、CNTL1_Nを生成し、これら遅延制御バイアス電圧CNTL1_P、CNTL1_Nを発振回路21に与えるものである。
図3は発振回路21の構成を示す回路図である。図3中、30はリング発振器であり、31はNAND回路、32〜35はインバータである。NAND回路31及びインバータ32〜35は、遅延制御バイアス電圧生成回路26が出力する遅延制御バイアス電圧CNTL1_P、CNTL1_Nにより遅延値を可変とされている。リング発振器30が出力する発振クロック信号rosc_clkは、バッファ36を介してカウンタ22に与えられる。
図4はNAND回路31の構成を示す回路図である。図4中、40〜43はPチャネルMOSトランジスタ、44〜46はNチャネルMOSトランジスタである。PチャネルMOSトランジスタ40、41は、ゲートに遅延制御バイアス電圧CNTL1_Pが与えられ、オン抵抗値を可変とされたものであり、抵抗素子として機能するものである。NチャネルMOSトランジスタ46は、ゲートに遅延制御バイアス電圧CNTL1_Nが与えられ、オン抵抗値を可変とされたものであり、抵抗素子として機能するものである。
なお、遅延制御バイアス電圧CNTL1_Pが相対的に大、遅延制御バイアス電圧CNTL1_Nが相対的に小とされる場合には、PチャネルMOSトランジスタ40、41及びNチャネルMOSトランジスタ46のオン抵抗値は相対的に大きくなり、NAND回路31の遅延値は相対的に大きくなる。これに対して、遅延制御バイアス電圧CNTL1_Pが相対的に小、遅延制御バイアス電圧CNTL1_Nが相対的に大とされる場合には、PチャネルMOSトランジスタ40、41及びNチャネルMOSトランジスタ46のオン抵抗値は相対的に小さくなり、NAND回路31の遅延値は相対的に小さくなる。
図5はインバータ32〜35の構成を示す回路図である。図5中、50、51はPチャネルMOSトランジスタ、52、53はNチャネルMOSトランジスタである。PチャネルMOSトランジスタ50は、ゲートに遅延制御バイアス電圧CNTL1_Pが与えられ、オン抵抗値を可変とされたものであり、抵抗素子として機能するものである。NチャネルMOSトランジスタ53は、ゲートに遅延制御バイアス電圧CNTL1_Nが与えられ、オン抵抗値を可変とされたものであり、抵抗素子として機能するものである。
なお、遅延制御バイアス電圧CNTL1_Pが相対的に大、遅延制御バイアス電圧CNTL1_Nが相対的に小とされる場合には、PチャネルMOSトランジスタ50及びNチャネルMOSトランジスタ53のオン抵抗値は相対的に大きくなり、インバータ32〜35の遅延値は相対的に大きくなる。これに対して、遅延制御バイアス電圧CNTL1_Pが相対的に小、遅延制御バイアス電圧CNTL1_Nが相対的に大とされる場合には、PチャネルMOSトランジスタ50及びNチャネルMOSトランジスタ53のオン抵抗値は相対的に小さくなり、インバータ32〜35の遅延値は相対的に小さくなる。
このように構成されたNAND回路31及びインバータ32〜35からなるリング発振器30では、遅延制御バイアス電圧CNTL1_Pが相対的に大、遅延制御バイアス電圧CNTL1_Nが相対的に小とされる場合には、NAND回路31及びインバータ32〜35の遅延値は相対的に大きくなり、発振周波数は相対的に低くなる。これに対して、遅延制御バイアス電圧CNTL1_Pが相対的に小、遅延制御バイアス電圧CNTL1_Nが相対的に大とされる場合には、NAND回路31及びインバータ32〜35の遅延値は相対的に小さくなり、発振周波数は相対的に高くなる。
図6は遅延制御バイアス電圧生成回路26の構成を示す回路図である。図6中、60は遅延制御信号CNTL1をアナログ電圧に変換して遅延制御バイアス電圧CNTL1_Nを生成するD/A変換回路(ディジタル/アナログ変換回路)、61は遅延制御信号CNTL1の各ビットを反転するビット反転器、62はビット反転器61の出力に1を加算する加算器、63は加算器62の出力をアナログ電圧に変換して遅延制御バイアス電圧CNTL1_Pを生成するD/A変換回路である。
本例の場合、遅延制御信号CNTL1が中間値[100…0]の場合には、遅延制御バイアス電圧CNTL1_P、CNTL1_Nは、中間電圧(VDD/2)となる。これに対して、遅延制御信号CNTL1が中間値[100…0]よりも大きい場合には、遅延制御バイアス電圧CNTL1_Pは中間電圧よりも低くなり、遅延制御バイアス電圧CNTL1_Nは中間電圧よりも高くなり、遅延制御バイアス電圧CNTL1_P、CNTL1_Nは中心電圧を中心とする相補電圧になる。
また、遅延制御信号CNTL1が中間値[100…0]よりも小さい場合には、遅延制御バイアス電圧CNTL1_Pは中間電圧よりも高くなり、遅延制御バイアス電圧CNTL1_Nは中間電圧よりも低くなり、遅延制御バイアス電圧CNTL1_P、CNTL1_Nは中心電圧を中心とする相補電圧になる。
図7はトランジスタ動作速度センサ1の動作を説明するための波形図である。(A)は発振回路21に与えられる発振回路イネーブル信号rosc_en、(B)は発振回路21が出力する発振信号rosc_clk、(C)はカウンタ22に与えられるカウンタイネーブル信号count_en、(D)はカウンタ22が出力するカウント値PCODEを示している。
トランジスタ動作速度センサ1では、レジスタ28の格納値の初期値は[000…0]であり、発振回路21を起動させる際の遅延制御信号CNTL1の初期値設定時には、セレクタ24は、遅延制御信号初期値入力端子20から入力する遅延制御信号CNTL1の初期値[100…0]を選択するので、レジスタ28には遅延制御信号CNTL1の初期値[100…0]が格納される。
そして、発振回路イネーブル信号rosc_enがHレベルにされると、リング発振器30内のNAND回路31はインバータ35の出力に対してインバータとして機能することになるので、発振回路21は、起動して発振信号rosc_clkを出力する。この場合の発振信号rosc_clkの周波数は、本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態が搭載されるLSIのプロセス条件、動作電圧、動作温度及び遅延制御バイアス電圧CNTL1_P、CNTL1_Nに依存することになる。
ここで、遅延制御バイアス電圧生成回路26は、累積加算器25のレジスタ28から遅延制御信号CNTL1が与えられるが、その初期値は中間値[100…0]であるから、発振回路21には遅延制御バイアス電圧CNTL1_P、CNTL1_Nとしてそれぞれの中間電圧が与えられることになり、これに対応する周波数の発振信号rosc_clkが出力されることになる。
そして、発振回路21の動作が安定し、発振信号rosc_clkの周波数が安定すると、カウンタイネーブル信号count_enが予め決定されている期間、Hレベルとされ、カウンタ22が活性化され、カウンタ22は、発振信号rosc_clkの波数をカウントしてカウント値PCODEを出力することになる。
ここで、比較回路23は、カウンタ22のカウント値PCODEと予め決定されている理想カウント値PCODEtypとを比較するが、PCODE=PCODEtypの場合は、比較回路23が出力する比較結果信号CMP_OUT=0とされるので、累積加算器25による累積結果、即ち、遅延制御信号CNTL1の信号値は変化せず、発振回路21の発振周波数は予め求められているプロセス条件及び動作条件に変動がないとした場合の理想的な周波数ということになる。
これに対して、PCODE<PCODEtypの場合、即ち、発振回路21の発振周波数が理想周波数より低い場合には、比較回路23の比較結果信号CMP_OUTは「+1」とされるので、累積加算器25では、レジスタ28の格納値[100…0]に対してセレクタ24が出力する「+1」が加算され、遅延制御信号CNTL1の信号値は初期値[100…0]よりも高くされ、遅延制御バイアス電圧CNTL1_Pは中間電圧より低くなり、遅延制御バイアス電圧CNTL_Nは中間電圧よりも高くなる。
この結果、リング発振器30のNAND回路31及びインバータ32〜35の遅延値は中間値よりも小さくされ、発振回路21の発振周波数は高くなるように制御され、PCODE=PCODEtypとなるまで、発振回路21の発振周波数が制御される。そして、PCODE=PCODEtypとなると、累積加算器25による累積結果、即ち、遅延制御信号CNTL1は変化しなくなり、発振回路21の発振周波数は予め求められているプロセス条件及び動作条件に変動がないとした場合の理想的な周波数となる。
また、PCODE>PCODEtypの場合、即ち、発振回路21の発振周波数が理想周波数より高い場合には、比較回路23の比較結果信号CMP_OUTは「−1」とされるので、累積加算器25では、レジスタ28の格納値[100…0]に対してセレクタ24が出力する「−1」が加算され、遅延制御信号CNTL1の信号値は初期値[100…0]よりも低くされ、遅延制御バイアス電圧CNTL1_Pは中間電圧より高くされ、遅延制御バイアス電圧CNTL_Nは中間電圧よりも低くされる。
この結果、リング発振器30のNAND回路31及びインバータ32〜35の遅延値は中間値よりも大きくされ、発振回路21の発振周波数は低くなるように制御され、PCODE=PCODEtypとなるまで、発振回路21の発振周波数が制御される。そして、PCODE=PCODEtypとなると、累積加算器25による累積結果、即ち、遅延制御信号CNTL1は変化しなくなり、発振回路21の発振周波数は予め求められているプロセス条件及び動作条件に変動がないとした場合の理想的な周波数となる。
本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態では、トランジスタ動作速度センサ1において、PCODE=PCODEtypとなった場合の遅延制御信号CNTL1がピリオドジッタ測定回路3で使用されることになる。
図8はピリオドジッタ測定回路3の構成を示す回路図である。ピリオドジッタ測定回路3は、遅延制御バイアス電圧生成回路70と、電圧制御可変遅延回路71と、位相比較回路72と、チャージポンプ73と、ローパスフィルタ74と、A/D変換回路(アナログ/ディジタル変換回路)75と、差分回路76と、加算回路77と、レジスタ78を備えている。
遅延制御バイアス電圧生成回路70は、トランジスタ動作速度センサ1が出力する遅延制御信号CNTL1を入力して電圧制御可変遅延回路71に与える遅延制御バイアス電圧CNTL2_P、CNTL2_Nを生成するものであり、図2(図6)に示す遅延制御バイアス電圧生成回路26と同様に構成される。
電圧制御可変遅延回路71は、クロック信号CLK_INと、遅延制御バイアス電圧生成回路70が出力する遅延制御バイアス電圧CNTL2_P、CNTL2_Nを入力し、クロック信号CLK_INをクロック信号CLK_INに求められているプロセス条件及び動作条件に変動がないとした場合の理想的な1周期分遅延したクロック信号CLK_nを出力するものである。即ち、本例では、位相比較回路72において、クロック信号CLK_INについて、1周期前の位相を比較する必要があるので、電圧制御可変遅延回路71の中心遅延値は、理想的な1周期分である必要がある。
位相比較回路72は、クロック信号CLK_IN、CLK_nの位相を比較するものであり、基準信号入力端子72_REFに電圧制御可変遅延回路71が出力するクロック信号CLK_nが与えられ、比較信号入力端子72_CMPにクロック信号CLK_INが与えられる。
チャージポンプ73は、位相比較回路72が出力する位相比較結果信号であるアップ信号UP及びダウン信号DOWNを入力し、位相比較回路72による位相比較結果を電流に変換するものであり、アップ信号入力端子73_UPにアップ信号UPが与えられ、ダウン信号入力端子73_DOWNにダウン信号DOWNが与えられる。
ローパスフィルタ74は、チャージポンプ73の出力CP_OUTを電圧量に変換するものである。A/D変換回路75は、ローパスフィルタ74の出力LP_OUTをディジタル値に変換するものである。差分回路76は、A/D変換回路75の前回出力値と今回出力値の差分を計算するものである。加算回路77は、差分回路76の出力とレジスタ78の格納値を加算するものである。レジスタ78は、加算回路77の出力を更新的に格納し、格納値を選択制御信号SL1として出力するものであり、初期値を[100…0]とするものである。
即ち、本例では、位相比較回路72と、チャージポンプ73と、ローパスフィルタ74と、A/D変換回路75と、差分回路76とで、電圧制御可変遅延回路71が出力するクロック信号CLK_nのクロック信号CLK_INに対する位相差を測定し、選択制御信号SL1を生成する選択制御信号生成回路が構成される。
図9は電圧制御可変遅延回路71の構成を示す回路図である。図9中、80_1、80_2、80_3、80_4、80_Mは電圧制御可変遅延バッファであり、遅延制御バイアス電圧CNTL2_P、CNTL2_Nにより遅延値が制御されるものである。なお、電圧制御可変遅延バッファ80_4、80_M間に縦列接続されている電圧制御可変遅延バッファ80_5〜80_M−1は、図示を省略している。
図10は電圧制御可変遅延バッファ80_1〜80_Mの構成を示す回路図である。図10中、90〜93はPチャネルMOSトランジスタ、94〜97はNチャネルMOSトランジスタである。PチャネルMOSトランジスタ90、91は、ゲートに遅延制御バイアス電圧CNTL2_Pが与えられ、オン抵抗値を可変とされたものであり、抵抗素子として機能するものである。NチャネルMOSトランジスタ96、97は、ゲートに遅延制御バイアス電圧CNTL2_Nが与えられ、オン抵抗値を可変とされたものであり、抵抗素子として機能するものである。
なお、遅延制御バイアス電圧CNTL2_Pが相対的に大、遅延制御バイアス電圧CNTL2_Nが相対的に小とされる場合には、PチャネルMOSトランジスタ90、91及びNチャネルMOSトランジスタ96、97のオン抵抗値は相対的に大きくなり、電圧制御可変遅延バッファ80_1〜80_Mの遅延値は相対的に大きくなる。
これに対して、遅延制御バイアス電圧CNTL2_Pが相対的に小、遅延制御バイアス電圧CNTL2_Nが相対的に大とされる場合には、PチャネルMOSトランジスタ90、91及びNチャネルMOSトランジスタ96、97のオン抵抗値は相対的に小さくなり、電圧制御可変遅延バッファ80_1〜80_Mの遅延値は相対的に小さくなる。即ち、電圧制御可変遅延バッファ80_1〜80_Mは、プロセス条件及び動作条件に変動がないとした場合の遅延値を有するように遅延制御バイアス電圧CNTL2_P、CNTL2_Nにより制御される。
本例では、トランジスタ動作速度センサ1において、PCODE=PCODEtypである場合の遅延制御信号CNTL1が遅延制御バイアス電圧生成回路70に与えられた場合に遅延制御バイアス電圧生成回路70が出力する遅延制御バイアス電圧CNTL2_P、CNTL2_Nを電圧制御可変遅延回路71に与えた場合に、電圧制御可変遅延回路71の遅延値がクロック信号CLK_INに求められているプロセス条件及び動作条件に変動がないとした場合の理想的な1周期分となるように回路定数が設定される。即ち、遅延制御バイアス電圧生成回路70は、電圧制御可変遅延回路71の遅延変動を補正する遅延変動補正制御回路として機能することになる。
図11は電圧制御可変遅延回路71の動作例を示す波形図であり、電圧制御可変遅延回路71が入力するクロック信号CLK_INと、電圧制御可変遅延回路71が出力するクロック信号CLK_nとの関係を示しており、(A)はクロック信号CLK_INにピリオドジッタがない場合、(B)はクロック信号CLK_INに周期を短くするピリオドジッタJaがある場合、(C)はクロック信号CLK_INに周期を長くするピリオドジッタJbがある場合を示している。Taは内部クロック信号CLK_INにピリオドジッタがない場合の周期である。
位相比較回路72は、PLL等に使用される標準的なポジティブ・エッジ・トリガ型の位相比較回路で構成される。図12は位相比較回路72の動作例を示しており、(A)は位相比較回路72に基準信号として入力されるクロック信号CLK_n、(B)は位相比較回路72に比較信号として入力されるクロック信号CLK_IN、(C)は位相比較回路72が出力するアップ信号UP、(D)は位相比較回路72が出力するダウン信号DOWNを示している。
即ち、位相比較回路72は、アップ信号UPの初期レベルをHレベル、ダウン信号DOWNの初期レベルをLレベルとし、クロック信号CLK_INがクロック信号CLK_nよりも遅れている場合には、遅れている期間だけ、アップ信号UPをLレベルにし、これに対して、クロック信号CLK_INがクロック信号CLK_nよりも進んでいる場合には、進んでいる期間だけ、ダウン信号DOWNをHレベルとするものである。
図13はチャージポンプ73の構成を示す回路図である。図13中、100、101は電流源、102は位相比較回路72が出力するアップ信号UPによりオン、オフが制御されるPチャネルMOSトランジスタ、103は位相比較回路72が出力するダウン信号DOWNによりオン、オフが制御されるNチャネルMOSトランジスタである。
図14はチャージポンプ73の動作例を示す波形図である。(A)は位相比較回路72が出力するアップ信号UP、(B)は位相比較回路72が出力するダウン信号DOWN、(C)はチャージポンプ73の出力CP_OUTを示している。
チャージポンプ73では、アップ信号UP=Lレベル、ダウン信号DOWN=Lレベルの場合、即ち、クロック信号CLK_INがクロック信号CLK_nよりも遅れている場合には、PチャネルMOSトランジスタ102=オン状態、NチャネルMOSトランジスタ103=オフ状態となり、出力側に電流が流れ出す。
これに対して、アップ信号UP=Hレベル、ダウン信号DOWN=Hレベルの場合、即ち、クロック信号CLK_INがクロック信号CLK_nよりも進んでいる場合には、PチャネルMOSトランジスタ102=オフ状態、NチャネルMOSトランジスタ103=オン状態となり、出力側から電流が流れ込む。
図15はローパスフィルタ74の構成を示す回路図である。図15中、105はキャパシタである。図16はローパスフィルタ74の動作例を示す波形図であり、(A)はチャージポンプ73の出力CP_OUT、(B)はローパスフィルタ74の出力LP_OUTを示している。
ローパスフィルタ74は、チャージポンプ73の出力CP_OUT>0の場合、即ち、チャージポンプ73から電流が流れ出す場合には、ローパスフィルタ74の出力LP_OUTを上昇させ、これに対して、チャージポンプ73の出力CP_OUT<0の場合、即ち、チャージポンプ73に電流が流れ込む場合には、ローパスフィルタ74の出力LP_OUTを下降させる。
図17はピリオドジッタ測定回路3の動作例を示す波形図である。(A)は電圧制御可変遅延回路71が出力するクロック信号CLK_n、(B)は電圧制御可変遅延回路71及び位相比較回路72に入力するクロック信号CLK_IN、(C)は位相比較回路72が出力するアップ信号UP、(D)は位相比較回路72が出力するダウン信号DOWN、(E)はチャージポンプ73の出力CP_OUT、(F)はローパスフィルタ74の出力LP_OUTを示している。
ピリオドジッタ測定回路3では、クロック信号CLK_INがクロック信号CLK_nよりも遅れている場合には、遅れている期間だけ、アップ信号UPがLレベルになり、チャージポンプ73から電流が流れ出し、ローパスフィルタ74の出力LP_OUTは上昇する。これに対して、クロック信号CLK_INがクロック信号CLK_nよりも進んでいる場合には、進んでいる期間だけ、ダウン信号DOWNがHレベルになり、チャージポンプ73に電流が流れ込み、ローパスフィルタ74の出力LP_OUTは下降する。
そして、A/D変換回路75は、ローパスフィルタ74の出力LP_OUTをディジタル値に変換し、差分回路76は、A/D変換回路75の前回出力値と今回出力値の差分を計算し、加算回路77は、差分回路76の出力とレジスタ78の格納値を加算し、レジスタ78は、加算回路77の出力を更新的に格納し、格納値をディシタル制御遅延回路5に与える選択制御信号SL1として出力する。図17中、A1_SL1、A2_SL1は選択制御信号SL1のアナログ値を示している。
図18はディジタル制御遅延回路5の構成を示す回路図である。ディジタル制御遅延回路5は、遅延制御バイアス電圧生成回路110、電圧制御遅延調整機能付きディジタル制御可変遅延回路111を備えている。
遅延制御バイアス電圧生成回路110は、トランジスタ動作速度センサ2が出力する遅延制御信号CNTL2を入力して遅延制御バイアス電圧CNTL3_P、CNTL3_Nを生成するものであり、図2(図6)に示す遅延制御バイアス電圧生成回路26と同様に構成される。
電圧制御遅延調整機能付きディジタル制御可変遅延回路111は、遅延回路4が出力するクロック信号CLK_mと、ピリオドジッタ測定回路3が出力する選択制御信号SL1と、遅延制御バイアス電圧生成回路110が出力する遅延制御バイアス電圧CNTL3_P、CNTL3_Nを入力し、クロック信号CLK_mにピリオドジッタがない場合には、クロック信号CLK_mを電圧制御遅延調整機能付きディジタル制御可変遅延回路111の中心遅延値だけ遅延し、クロック信号CLK_mにピリオドジッタがある場合には、ピリオドジッタをキャンセルするようにクロック信号CLK_mを遅延するものである。なお、電圧制御遅延調整機能付きディジタル制御可変遅延回路111は、中心遅延値Dmに対し、0(最小)〜2×Dm(最大)の間で遅延値を制御される。
図19は電圧制御遅延調整機能付きディジタル制御可変遅延回路111の構成を示す回路図である。図19中、115_1、115_2N+1−2、115_2N+1−1、115_2N+1は電圧制御可変遅延回路であり、電圧制御可変遅延回路115_1、115_2N+1−2間に配置されている電圧制御可変遅延回路115_2〜115_2N+1−3は、図示を省略している。
電圧制御可変遅延回路115_1において、116_1は電圧制御可変遅延バッファである。電圧制御可変遅延回路115_2N+1−2において、116_2N+1−2_1、116_2N+1−2_2、116_2N+1−2_2N+1−2は電圧制御可変遅延バッファであり、電圧制御可変遅延バッファ116_2N+1−2_2、116_2N+1−2_2N+1−2間に縦列接続されている電圧制御可変遅延バッファ116_2N+1−2_3〜116_2N+1−2_2N+1−3は、図示を省略している。
電圧制御可変遅延回路115_2N+1−1において、116_2N+1−1_1、116_2N+1−1_2、116_2N+1−1_3、116_2N+1−1_2N+1−1は電圧制御可変遅延バッファであり、電圧制御可変遅延バッファ116_2N+1−1_3、116_2N+1−1_2N+1−1間に縦列接続されている電圧制御可変遅延バッファ116_2N+1−1_4〜116_2N+1−1_2N+1−2は、図示を省略している。
電圧制御可変遅延回路115_2N+1において、116_2N+1_1、116_2N+1_2、116_2N+1_3、116_2N+1_4、116_2N+1_2N+1は電圧制御可変遅延バッファであり、電圧制御可変遅延バッファ116_2N+1_4、116_2N+1_2N+1間に縦列接続されている電圧制御可変遅延バッファ116_2N+1_5〜116_2N+1_2N+1−1は、図示を省略している。
即ち、電圧制御可変遅延回路115_2k+1(但し、k=0、1、2、…、N)は、k+1個の電圧制御可変遅延バッファを有しており、遅延値を異にしている。また、電圧制御可変遅延回路115_1〜115_2N+1が有する電圧制御可変遅延バッファ116_1〜116_2N+1_2N+1は、図9(図10)に示す電圧制御可変遅延バッファ80_1〜80_Mと同様に構成される。即ち、電圧制御可変遅延バッファ116_1〜116_2N+1_2N+1は、プロセス条件及び動作条件に変動がないとした場合の遅延値を有するように遅延制御バイアス電圧CNTL3_P、CNTL3_Nにより制御される。
また、図19において、117はセレクタであり、セレクタ117は、選択制御信号SL1により選択動作を制御され、クロック信号CLK_mにピリオドジッタがない場合には、電圧制御可変遅延回路115_1〜115_2N+1から、電圧制御遅延調整機能付きディジタル制御可変遅延回路111の中心遅延値だけ遅延し得る電圧制御可変遅延回路を選択し、クロック信号CLK_mにピリオドジッタがある場合には、ピリオドジッタをキャンセルするようにクロック信号CLK_mを遅延し得る電圧制御可変遅延回路を選択するものである。
なお、電圧制御可変遅延回路115_2N+1/2がクロック信号CLK_mをプロセス条件及び動作条件に変動がないとした場合の理想的な1周期分遅延できる電圧制御可変遅延回路となるように回路定数が設定される。
図20〜図22は本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態の動作例を示す波形図であり、(A)は本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態が入力するクロック信号CLK_IN、(B)は電圧制御可変遅延回路71が出力するクロック信号CLK_n、(C)は位相比較回路72が出力するアップ信号UP、(D)は位相比較回路72が出力するダウン信号DOWN、(E)は遅延回路4が出力するクロック信号CLK_m、(F)は本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態が出力するクロック信号CLK_OUTを示している。
図20はクロック信号CLK_INにピリオドジッタがない場合を示している。この場合には、クロック信号CLK_INはクロック信号CLK_nに同期しているので、位相比較回路72が出力するアップ信号UP及びダウン信号DOWNに変化はなく、アップ信号UP=Hレベル、ダウン信号DOWN=Lレベルを維持する。この結果、クロック信号CLK_OUTは、遅延回路4が出力するクロック信号CLK_mを1周期Ta分遅延させたものとなる。
図21はクロック信号CLK_INに周期を短くするピリオドジッタJaがある場合を示している。この場合には、サイクルSnでは、クロック信号CLK_INはクロック信号CLK_nに対してピリオドジッタJa分だけ周期が短くなっているので、位相比較回路72が出力するダウン信号DOWN=Hレベルになり、レジスタ78が出力する選択制御信号SL1の信号値は、中間値より高くなり、ディジタル制御遅延回路5の電圧制御可変遅延回路115_1〜115_2N+1の中から、ピリオドジッタJaをキャンセルし得る電圧制御可変遅延回路を選択する値となる。
また、サイクルSn+1では、クロック信号CLK_INはクロック信号CLK_nに対してピリオドジッタJa分だけ周期が短くなるので、位相比較回路72が出力するアップ信号UP=Lレベルになり、レジスタ78が出力する選択制御信号SL1の信号値は、中間値に戻り、ディジタル制御遅延回路5の電圧制御可変遅延回路115_1〜115_2N+1の中から、遅延値を中間値とする電圧制御可変遅延回路が選択されることになる。したがって、クロック信号CLK_INに周期を短くするピリオドジッタJaがある場合であっても、クロック信号CLK_OUTは、ピリオドジッタJaを含まないものとなる。
図22はクロック信号CLK_INに周期を長くするピリオドジッタJbがある場合を示している。この場合には、サイクルSnでは、クロック信号CLK_INはクロック信号CLK_nに対してピリオドジッタJb分だけ周期が長くなっているので、位相比較回路72が出力するアップ信号UP=Lレベルになり、レジスタ78が出力する選択制御信号SL1の信号値は、中間値より低くなり、ディジタル制御遅延回路5の電圧制御可変遅延回路115_1〜115_N+1の中から、ピリオドジッタJbをキャンセルし得る電圧制御可変遅延回路を選択する値となる。
また、サイクルSn+1では、クロック信号CLK_INはクロック信号CLK_nに対してピリオドジッタJb分だけ周期が長くなるので、位相比較回路72が出力するダウン信号DOWN=Hレベルになり、レジスタ78が出力する選択制御信号SL1の信号値は、中間値に戻り、ディジタル制御遅延回路5の電圧制御可変遅延回路115_1〜115_N+1の中から、遅延値を中間値とする電圧制御可変遅延回路が選択されることになる。したがって、クロック信号CLK_INに周期を長くするピリオドジッタJbがある場合であっても、クロック信号CLK_OUTは、ピリオドジッタJbを含まないものとなる。
以上のように、本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態では、ピリオドジッタ測定回路3により、クロック信号CLK_INのピリオドジッタが測定されると共に、遅延回路4により、クロック信号CLK_INがピリオドジッタ測定回路3の遅延時間分遅延され、ディジタル制御遅延回路5において、ピリオドジッタ測定回路3でのピリオドジッタ測定結果に基づいて、遅延回路4が出力するクロック信号CLK_mのピリオドジッタをキャンセルするようにクロック信号CLK_mの遅延が調整され、ピリオドジッタをキャンセルしたクロック信号CLK_OUTが得られる。
ここで、ピリオドジッタ測定回路3では、トランジスタ動作速度センサ1が出力するトランジスタの動作速度を反映した遅延制御信号CNTL1に基づいて、遅延制御バイアス電圧生成回路70において、遅延制御バイアス電圧CNTL2_P、CNTL2_Nが生成され、この遅延制御バイアス電圧CNTL2_P、CNTL2_Nが電圧制御可変遅延回路71に与えられ、電圧制御可変遅延回路71において、クロック信号CLK_INをプロセス条件及び動作条件の変動がないとした場合の理想的な1周期分遅延できるようにしている。
そして、位相比較回路72において、クロック信号CLK_INと電圧制御可変遅延回路71が出力するクロック信号CLK_nとの位相差が比較されるようにしているので、クロック信号CLK_nのピリオドジッタを高精度に測定することができ、したがって、また、差分回路76から、ディジタル制御遅延回路5の遅延値として、遅延回路4が出力するクロック信号CLK_mからピリオドジッタを高精度にキャンセルするに必要な選択制御信号SL1を出力させることができる。
したがって、本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態によれば、本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態が出力するクロック信号CLK_OUTを使用するデータ転送系におけるタイミングマージンを増やし、データ転送の高速化を図ることができる。
図23は本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態の使用例を示す回路図である。図23中、120は本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態を搭載したLSI、121はクロック入力端子、122はクロック入力バッファ、123はPLL(位相同期ループ)である。
PLL123は、クロック入力端子121及びクロック入力バッファ122を介して入力する外部クロック信号CLK1を逓倍して内部クロック信号CLK2を出力するものである。PLL123において、124は位相比較器とチャージポンプとローパスフィルタと電圧制御発振回路とを縦列接続したPLLブロック、125はフィードバック回路であり、フィードバック回路125において、126はバッファ、127は分周器、128はバッファである。
129は内部クロック信号CLK2を分周して内部クロック信号CLK3を出力する分周器、130〜133はバッファ、134は図示しない内部回路が出力するデータ信号DA0〜DA4をシンクロナス転送方式で送信するデータ送信回路である。
データ送信回路134において、135〜139はバッファ、140〜144は図示しない内部回路が出力するデータ信号DA0〜DA4を内部クロック信号CLK3の立ち上がりエッジに同期してラッチするDフリップフロップ、145〜149はデータ出力バッファ、150〜154はデータ出力端子である。
155はPLL123が出力する内部クロック信号CLK2を入力し、この内部クロック信号CLK2にピリオドジッタが存在する場合に、これをキャンセルするピリオドジッタキャンセル回路であり、本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態からなるものである。
156はピリオドジッタキャンセル回路155が出力する内部クロック信号CLK2を分周して内部クロック信号CLK4を出力する分周器、157〜159はバッファ、160はバッファ159が出力する内部クロック信号CLK4を入力し、この内部クロック信号CLK4にピリオドジッタが存在する場合に、これをキャンセルするピリオドジッタキャンセル回路であり、本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態からなるものである。
161は図示しない内部回路が出力するデータ信号DB0〜DB7をソースシンクロナス転送方式で送信するデータ送信回路である。データ送信回路161において、162〜169はバッファ、170〜177は図示しない内部回路が出力するデータ信号DB0〜DB7を内部クロック信号CLK4の立ち上がりエッジに同期してラッチするDフリップフロップ、178〜185はデータ出力バッファ、186〜193はデータ出力端子である。
また、194はピリオドジッタキャンセル回路160が出力する内部クロック信号CLK4を反転するインバータ、195はインバータ194が出力する内部クロック信号/CLK4を分周してソースシンクロナス転送に必要な基準クロック信号CLK5を出力する分周器であり、196はDフリップフロップ、197はインバータである。
198は分周器195が出力する基準クロック信号CLK5を入力し、この基準クロック信号CLK5にピリオドジッタが存在する場合に、これをキャンセルするピリオドジッタキャンセル回路であり、本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態からなるものである。199はクロック出力バッファ、200はクロック出力端子である。
このように構成されたLSI120では、ピリオドジッタキャンセル回路155が出力する内部クロック信号CLK2はピリオドジッタをキャンセルしたものとなり、ピリオドジッタキャンセル回路160が出力する内部クロック信号CLK4はピリオドジッタをキャンセル低減したものとなり、ピリオドジッタキャンセル回路198が出力するクロック信号CLK5はピリオドジッタをキャンセルしたものとなる。したがって、データDB0〜DB7の転送時のタイミングマージンを増やし、データDB0〜DB7の高速転送を達成することができる。なお、ピリオドジッタキャンセル回路は、最もシンク(sink)端よりの分岐点直前に配置するのが効果的である。
(本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第2実施形態及び本発明のピリオドジッタ測定回路の第2実施形態)
図24は本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第2実施形態の構成を示す回路図である。本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第2実施形態は、トランジスタ動作速度センサ210と、本発明のピリオドジッタ測定回路の第2実施形態であるピリオドジッタ測定回路211と、遅延回路212と、電圧制御可変遅延回路213を備えている。
トランジスタ動作速度センサ210は、本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第2実施形態が搭載されたLSI内のトランジスタの動作速度を検出するものである。本例では、トランジスタ動作速度センサ210は、可変遅延素子からなるリング発振器を使用し、発振周波数がプロセス条件及び動作条件に変動がないとした場合の理想的な周波数となるようにリング発振器の可変遅延素子の遅延値を制御した場合に使用したディジタル信号である遅延制御信号CNTL1をLSI内のトランジスタの動作速度を反映しているものとして出力するものであり、図1(図2)に示すトランジスタ動作速度センサ1と同様に構成される。
ピリオドジッタ測定回路211は、クロック信号CLK_INと、トランジスタ動作速度センサ210が出力する遅延制御信号CNTL1を入力して、クロック信号CLK_INのピリオドジッタを測定し、電圧制御可変遅延回路213に遅延制御バイアス電圧CNTL4_P、CNTL4_Nを出力するものである。
遅延回路212は、ピリオドジッタ測定回路211がクロック信号CLK_INの入力端と遅延制御バイアス電圧CNTL4_P、CNTL4_Nの出力端との間に有する遅延値と同一の遅延値を有するものであり、214〜219はバッファである。
電圧制御可変遅延回路213は、遅延回路212が出力するクロック信号CLK_mと、ピリオドジッタ測定回路211が出力する遅延制御バイアス電圧CNTL4_P、CNTL4_Nを入力し、クロック信号CLK_mにピリオドジッタがない場合には、電圧制御可変遅延回路213の中心遅延値だけ遅延し、クロック信号CLK_mにピリオドジッタがある場合には、ピリオドジッタをキャンセルするようにクロック信号CLK_mを遅延するものであり、図9(図10)に示す電圧制御可変遅延回路71と同様に構成される。
図25はピリオドジッタ測定回路211の構成を示す回路図である。ピリオドジッタ測定回路211は、遅延制御バイアス電圧生成回路230と、電圧制御可変遅延回路231と、位相比較回路232と、チャージポンプ233と、ローパスフィルタ234と、位相比較回路235と、インバータ236、237と、チャージポンプ238と、ローパスフィルタ239を備えている。
遅延制御バイアス電圧生成回路230は、トランジスタ動作速度センサ210が出力する遅延制御信号CNTL1を入力して遅延制御バイアス電圧CNTL2_P、CNTL2_Nを生成するものであり、図8に示す遅延制御バイアス電圧生成回路70と同様に構成される。
電圧制御可変遅延回路231は、クロック信号CLK_INと、遅延制御バイアス電圧生成回路230が出力する遅延制御バイアス電圧CNTL2_P、CNTL2_Nを入力し、クロック信号CLK_INをクロック信号CLK_INに求められているプロセス条件及び動作条件の変動がないとした場合の理想的な1周期分遅延したクロック信号CLK_nを出力するものであり、図8に示す電圧制御可変遅延回路71と同様に構成される。
位相比較回路232は、クロック信号CLK_IN、CLK_nの位相比較を行うものであり、基準信号入力端子232_REFにクロック信号CLK_nが与えられ、比較信号入力端子232_CMPにクロック信号CLK_INが与えられる。この位相比較回路232は、図8に示す位相比較回路72と同様に構成される。
チャージポンプ233は、位相比較回路232が出力する位相比較結果信号であるアップ信号UP_N及びダウン信号DOWN_Nを入力し、位相比較回路232による位相比較結果を電流に変換するものであり、アップ信号入力端子233_UPにアップ信号UP_Nが与えられ、ダウン信号入力端子233_DOWNにダウン信号DOWN_Nが与えられる。このチャージポンプ233は、図8に示すチャージポンプ73と同様に構成される。
ローパスフィルタ234は、チャージポンプ233の出力CP_OUT_Nを電圧量に変換するものであり、図8に示すローパスフィルタ74と同様に構成される。本例では、ローパスフィルタ234の出力LP_OUT_Nが遅延制御バイアス電圧CNTL4_Nとされる。
位相比較回路235は、クロック信号CLK_IN、CLK_nの位相を比較するものであり、基準信号入力端子235_REFにクロック信号CLK_nが与えられ、比較信号入力端子235_CMPにクロック信号CLK_INが与えられる。この位相比較回路235は、図8に示す位相比較回路72と同様に構成される。
インバータ236は、位相比較回路235が出力するダウン信号DOWN_Pを反転して反転ダウン信号/DOWN_Pを出力するものである。インバータ237は、位相比較回路235が出力するアップ信号UP_Pを反転して反転アップ信号/UP_Pを出力するものである。
チャージポンプ238は、インバータ236が出力する反転ダウン信号/DOWN_P及びインバータ237が出力する反転アップ信号/UP_Pを入力し、位相比較回路235による位相比較結果を逆転したものを電流に変換するものであり、アップ信号入力端子238_UPに反転ダウン信号/DOWN_Pが与えられ、ダウン信号入力端子238_DOWNに反転アップ信号/UP_Pが与えられる。このチャージポンプ238は、図8に示すチャージポンプ73と同様に構成される。
ローパスフィルタ239は、チャージポンプ238の出力CP_OUT_Pを電圧量に変換するものであり、図8に示すローパスフィルタ74と同様に構成される。本例では、ローパスフィルタ239の出力LP_OUT_Pが遅延制御バイアス電圧CNTL4_Pとされる。
即ち、本例では、位相比較回路232と、チャージポンプ233と、ローパスフィルタ234と、位相比較回路235と、インバータ236、237と、チャージポンプ238と、ローパスフィルタ239とで、遅延制御バイアス電圧CNTL4_N、CNTL4_Pを生成する遅延制御バイアス電圧生成回路が構成される。
本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第2実施形態では、ピリオドジッタ測定回路211により、クロック信号CLK_INのピリオドジッタが測定されると共に、遅延回路212により、クロック信号CLK_INがピリオドジッタ測定回路211の遅延時間分遅延され、電圧制御可変遅延回路213において、ピリオドジッタ測定回路211でのピリオドジッタ測定結果に基づいて、遅延回路212が出力するクロック信号CLK_mのピリオドジッタをキャンセルするようにクロック信号CLK_mの遅延が調整され、ピリオドジッタがキャンセルされたクロック信号CLK_OUTが得られる。
ここで、ピリオドジッタ測定回路211では、トランジスタ動作速度センサ210が出力するトランジスタの動作速度を反映した遅延制御信号CNTL1に基づいて、遅延制御バイアス電圧生成回路230において、遅延制御バイアス電圧CNTL2_P、CNTL2_Nが生成され、この遅延制御バイアス電圧CNTL2_P、CNTL2_Nが電圧制御可変遅延回路231に与えられ、電圧制御可変遅延回路231において、クロック信号CLK_INをプロセス条件及び動作条件の変動がないとした場合の理想的な1周期分遅延できるようにしている。
そして、位相比較回路232、235において、クロック信号CLK_INと電圧制御可変遅延回路231が出力するクロック信号CLK_nとの位相差が比較されるようにしているので、クロック信号CLK_nのピリオドジッタを高精度に測定することができ、したがって、また、ローパスフィルタ234、239から、電圧制御可変遅延回路213の遅延値として、遅延回路212が出力するクロック信号CLK_mからピリオドジッタを高精度にキャンセルするに必要な遅延制御バイアス電圧CNTL4_N、CNTL4_Pを出力させることができる。
したがって、本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第2実施形態によれば、本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第2実施形態が出力するクロック信号CLK_OUTを使用するデータ転送系におけるタイミングマージンを増やし、データ転送の高速化を図ることができる。
(本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第3実施形態及び本発明のピリオドジッタ測定回路の第3実施形態)
図26は本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第3実施形態の構成を示す回路図である。本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第3実施形態は、本発明のピリオドジッタ測定回路の第3実施形態であるピリオドジッタ測定回路250と、遅延回路251と、ディジタル制御遅延回路252を備えている。
ピリオドジッタ測定回路250は、クロック信号CLK_INと、校正信号を入力し、クロック信号CLK_INのピリオドジッタを測定し、ディジタル制御遅延回路252に選択制御信号SL1を出力するものであり、図1に示すトランジスタ動作速度センサ1が出力する遅延制御信号CNTL1の代わりに、遅延制御信号CNTL1と同様の信号を校正信号として入力する点を除き、図1(図8)に示すピリオドジッタ測定回路3と同様に構成したものである。
遅延回路251は、ピリオドジッタ測定回路250がクロック信号CLK_INの入力端と選択制御信号SL1の出力端との間に有する遅延値と同一の遅延値を有するものであり、253〜258はバッファである。
ディジタル制御遅延回路252は、遅延回路251が出力するクロック信号CLK_mと、ピリオドジッタ測定回路250が出力する選択制御信号SL1と、校正信号を入力し、クロック信号CLK_mにピリオドジッタがない場合には、クロック信号CLK_mをディジタル制御遅延回路252の中心遅延値だけ遅延し、クロック信号CLK_mにピリオドジッタがある場合には、ピリオドジッタをキャンセルするようにクロック信号CLK_mを遅延するものであり、トランジスタ動作速度センサ2が出力する遅延制御信号CNTL2を入力する代わりに校正信号を入力している点を除き、図1(図18)に示すディジタル制御遅延回路5と同様に構成される。なお、ディジタル制御遅延回路252は、中心遅延値Dmに対し、0(最小)〜2×Dm(最大)の間で遅延値を制御される。
図27はピリオドジッタ測定回路250の構成を示す回路図である。ピリオドジッタ測定回路250は、図8に示すピリオドジッタ測定回路3が備える遅延制御バイアス電圧生成回路70の代わりに、ディレイロック方式遅延制御回路260を設け、その他については、図8に示すピリオドジッタ測定回路3と同様に構成したものである。
図28はディレイロック方式遅延制御回路260の構成を示す回路図である。ディレイロック方式遅延制御回路260は、図25に示すピリオドジッタ測定回路211が備える遅延制御バイアス電圧生成回路230を設けず、ローパスフィルタ234の出力LP_OUT_Nを遅延制御バイアス電圧CNTL2_Nとし、これを電圧制御可変遅延回路71、231に与えると共に、ローパスフィルタ239の出力LP_OUT_Pを遅延制御バイアス電圧CNTL2_Pとし、これを電圧制御可変遅延回路71、231に与えるようにし、その他については、図25に示すピリオドジッタ測定回路211と同様に構成したものである。
図29はディジタル制御遅延回路252の構成を示す回路図である。ディジタル制御遅延回路252は、図1(図18)に示すディジタル制御遅延回路5が備える遅延制御バイアス電圧生成回路110の代わりにディレイロック方式遅延制御回路263を設け、その他については、図18に示すディジタル制御遅延回路5と同様に構成したものである。ディレイ方式遅延制御回路263は、図28に示すディレイ方式遅延制御回路252と同様に構成される。
本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第3実施形態では、ピリオドジッタ測定回路250により、クロック信号CLK_INのピリオドジッタが測定されると共に、遅延回路251により、クロック信号CLK_INがピリオドジッタ測定回路250の遅延時間分遅延され、ディジタル制御遅延回路252において、ピリオドジッタ測定回路250でのピリオドジッタ測定結果に基づいて、遅延回路251が出力するクロック信号CLK_mのピリオドジッタをキャンセルするようにクロック信号CLK_mの遅延が調整され、ピリオドジッタがキャンセルされたクロック信号CLK_OUTが得られる。
ここで、ピリオドジッタ測定回路250では、校正信号に基づいて、ディレイロック方式遅延制御回路260において、遅延制御バイアス電圧CNTL2_P、CNTL2_Nが生成され、この遅延制御バイアス電圧CNTL2_P、CNTL2_Nが電圧制御可変遅延回路71に与えられ、電圧制御可変遅延回路71において、クロック信号CLK_INをプロセス条件及び動作条件に変動がないとした場合の理想的な1周期分遅延できるようにしている。
そして、位相比較回路72において、クロック信号CLK_INと電圧制御可変遅延回路71が出力するクロック信号CLK_nとの位相差が比較されるようにしているので、クロック信号CLK_nのピリオドジッタを高精度に測定することができ、したがって、また、レジスタ78から、ディジタル制御遅延回路252の遅延値として、遅延回路251が出力するクロック信号CLK_mからピリオドジッタを高精度にキャンセルするに必要な選択制御信号SL1を出力させることができる。
したがって、本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第3実施形態によれば、本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第3実施形態が出力するクロック信号CLK_OUTを使用するデータ転送系におけるタイミングマージンを増やし、データ転送の高速化を図ることができる。
(本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第4実施形態及び本発明のピリオドジッタ測定回路の第4実施形態)
図30は本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第4実施形態の構成を示す回路図である。本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第4実施形態は、本発明のピリオドジッタ測定回路の第4実施形態であるピリオドジッタ測定回路270と、遅延回路271と、電圧制御可変遅延回路272を備えている。
ピリオドジッタ測定回路270は、クロック信号CLK_INと校正信号を入力して、クロック信号CLK_INのピリオドジッタを測定し、電圧制御可変遅延回路272に遅延制御バイアス電圧CNTL4_P、CNTL4_Nを出力するものである。
遅延回路271は、ピリオドジッタ測定回路270がクロック信号CLK_INの入力端と遅延制御バイアス電圧CNTL4_P、CNTL4_Nの出力端との間に有する遅延値と同一の遅延値を有するものであり、273〜278はバッファである。
電圧制御可変遅延回路272は、遅延回路271が出力するクロック信号CLK_mと、ピリオドジッタ測定回路270が出力する遅延制御バイアス電圧CNTL4_P、CNTL4_Nを入力し、クロック信号CLK_mにピリオドジッタがない場合には、電圧制御可変遅延回路272の中心遅延値だけ遅延し、クロック信号CLK_mにピリオドジッタがある場合には、ピリオドジッタをキャンセルするようにクロック信号CLK_mを遅延するものであり、図9(図10)に示す電圧制御可変遅延回路71と同様に構成される。
図31はピリオドジッタ測定回路270の構成を示す回路図である。ピリオドジッタ測定回路270は、図25に示すピリオドジッタ測定回路211が備える遅延制御バイアス電圧生成回路230の代わりにディレイロック方式遅延制御回路280を設け、その他については、図25に示すピリオドジッタ測定回路211と同様に構成したものである。ディレイロック方式遅延制御回路280は、図28に示すディレイロック方式遅延制御回路260と同様に構成したものである。
本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第4実施形態では、ピリオドジッタ測定回路270により、クロック信号CLK_INのピリオドジッタが測定されると共に、遅延回路271により、クロック信号CLK_INがピリオドジッタ測定回路270の遅延時間分遅延され、電圧制御可変遅延回路272において、ピリオドジッタ測定回路270でのピリオドジッタ測定結果に基づいて、遅延回路271が出力するクロック信号CLK_mのピリオドジッタをキャンセルするようにクロック信号CLK_mの遅延が調整され、ピリオドジッタがキャンセルされたクロック信号CLK_OUTが得られる。
ここで、ピリオドジッタ測定回路270では、校正信号に基づいて、ディレイロック方式遅延制御回路280において、遅延制御バイアス電圧CNTL2_P、CNTL2_Nが生成され、この遅延制御バイアス電圧CNTL2_P、CNTL2_Nが電圧制御可変遅延回路231に与えられ、電圧制御可変遅延回路231において、クロック信号CLK_INをプロセス条件及び動作条件に変動がないとした場合の理想的な1周期分遅延できるようにしている。
そして、位相比較回路232、235において、クロック信号CLK_INと電圧制御可変遅延回路231が出力するクロック信号CLK_nとの位相差が比較されるようにしているので、クロック信号CLK_nのピリオドジッタを高精度に測定することができ、したがって、また、ローパスフィルタ234、239から、電圧制御可変遅延回路213の遅延値として、遅延回路271が出力するクロック信号CLK_mからピリオドジッタを高精度にキャンセルするに必要な遅延制御バイアス電圧CNTL4_N、CNTL4_Pを出力させることができる。
したがって、本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第4実施形態によれば、本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第4実施形態が出力するクロック信号CLK_OUTを使用するデータ転送系におけるタイミングマージンを増やし、データ転送の高速化を図ることができる。
(本発明の静的位相差キャンセル回路の第1実施形態及び本発明の静的位相差測定回路の第1実施形態)
図32は本発明の静的位相差キャンセル回路の第1実施形態の構成を示す回路図である。本発明の静的位相差キャンセル回路の第1実施形態は、トランジスタ動作速度センサ290、291と、本発明の静的位相差測定回路の第1実施形態である静的位相差測定回路292と、ディジタル制御遅延回路293を備えている。
図32中、CLK_REF、CLK_CMP、CLK_INは、本発明の静的位相差キャンセル回路の第1実施形態が搭載されるLSI上のクロック信号である。CLK_REFは基準クロック信号とするクロック信号、CLK_CMPは比較クロック信号とするクロック信号、クロック信号CLK_INは、クロック信号CLK_REFの下流のクロック信号である。本発明の静的位相差キャンセル回路の第2実施形態、第3実施形態及び第4実施形態でも同様である。
トランジスタ動作速度センサ290、291は、本発明の静的位相差キャンセル回路の第1実施形態が搭載されたLSI内のトランジスタの動作速度を検出するものである。本例では、トランジスタ動作速度センサ290、291は、可変遅延素子からなるリング発振器を使用し、発振周波数が理想的な周波数となるようにリング発振器の可変遅延素子の遅延値を制御した場合に使用したディジタル信号である遅延制御信号CNTL1、CNTL2をLSI内のトランジスタの動作速度を反映しているものとして出力するものであり、図1(図2)に示すトランジスタ動作速度センサ1と同様に構成される。
静的位相差測定回路292は、基準クロック信号CLK_REFと、比較クロック信号CLK_CMPと、遅延制御信号CNTL1を入力し、比較クロック信号CLK_CMPの基準クロック信号CLK_REFに対する静的位相差を測定し、ディジタル制御遅延回路293に与えるセレクト制御信号SL1を出力するものである。
ディジタル制御遅延回路293は、クロック信号CLK_INと、静的位相差測定回路292が出力する選択制御信号SL1と、トランジスタ動作速度センサ291が出力する遅延制御信号CNTL2を入力し、クロック信号CLK_IN、CLK_OUT間で、比較クロック信号CLK_CMPの基準クロック信号CLK_REFに対する静的位相差分をキャンセルするようにクロック信号CLK_INを遅延するものであり、図1(図18)に示すディジタル制御遅延回路5と同様に構成される。
図33は静的位相差測定回路292の構成を示す回路図である。静的位相差測定回路292は、遅延制御バイアス電圧生成回路300と、電圧制御可変遅延回路301と、位相比較回路302と、チャージポンプ303と、ローパスフィルタ304と、A/D変換回路305と、差分回路306と、加算回路307と、レジスタ308と、平均化回路309と、トランジスタ動作速度センサ310と、ディジタル制御遅延回路311を備えている。
遅延制御バイアス電圧生成回路300は、トランジスタ動作速度センサ290が出力する遅延制御信号CNTL1を入力して電圧制御可変遅延回路301に与える遅延制御バイアス電圧CNTL2_P、CNTL2_Nを生成するものであり、図2(図6)に示す遅延制御バイアス電圧生成回路26と同様に構成される。
電圧制御可変遅延回路301は、基準クロック信号CLK_REFと、遅延制御バイアス電圧生成回路300が出力する遅延制御バイアス電圧CNTL2_P、CNTL2_Nを入力し、基準クロック信号CLK_REFを遅延した遅延基準クロック信号CLK_REF_OUTを出力するものであり、図8(図9)に示す電圧制御可変遅延回路71と同様に構成される。
位相比較回路302は、電圧制御可変遅延回路301が出力する遅延基準クロック信号CLK_REF_OUTと、ディジタル制御遅延回路311が出力する遅延比較クロック信号CLK_CMP_OUTの位相を比較するものであり、基準信号入力端子302_REFに遅延基準クロック信号CLK_REF_OUTが与えられ、比較信号入力端子302_CMPに遅延比較クロック信号CLK_CMP_OUTが与えられる。この位相比較回路302は、図8に示す位相比較回路72と同様に構成される。
チャージポンプ303は、位相比較回路302が出力するアップ信号UP及びダウン信号DOWNを入力し、位相比較回路302による位相比較結果を電流に変換するものであり、アップ信号入力端子303_UPにアップ信号UPが与えられ、ダウン信号入力端子303_DOWNにダウン信号DOWNが与えられる。このチャージポンプ303は、図8(図13)に示すチャージポンプ73と同様に構成される。
ローパスフィルタ304は、チャージポンプ303の出力CP_OUTを電圧量に変換するものであり、図8(図15)に示すローパスフィルタ74と同様に構成される。A/D変換回路305は、ローパスフィルタ304の出力LP_OUTをディジタル値に変換するものである。差分回路306は、A/D変換回路305の前回出力値と今回出力値の差分を計算するものである。
加算回路307は、差分回路306の出力とレジスタ308の格納値を加算するものである。レジスタ308は、加算回路307の出力を更新的に格納するものであり、初期値を[100…0]とするものである。平均化回路309は、レジスタ308の出力値の1000周期分くらいを平均化するものであり、本例では、平均化回路309の出力が選択制御信号SL1としてディジタル制御遅延回路293、311に与えられる。なお、基準クロック信号CLK_REFと比較クロック信号CLK_CMPとの間の動的な位相変動(遅延変動)は、ある値を中心値として前後に変動するものであるから、この動的な位相変動分は、平均化回路309でキャンセルされることになる。
トランジスタ動作速度センサ310は、本発明の静的位相差キャンセル回路の第1実施形態が搭載されたLSI内のトランジスタの動作速度を検出するものである。本例では、トランジスタ動作速度センサ310は、可変遅延素子からなるリング発振器を使用し、発振周波数がプロセス条件及び動作条件に変動がないとした場合の理想的な周波数となるようにリング発振器の可変遅延素子の遅延値を制御した場合に使用したディジタル信号である遅延制御信号CNTL4をLSI内のトランジスタの動作速度を反映しているものとして出力するものであり、図1(図2)に示すトランジスタ動作速度センサ1と同様に構成される。
ディジタル制御遅延回路311は、比較クロック信号CLK_CMPと、平均化回路309が出力する選択制御信号SL1と、トランジスタ動作速度センサ310が出力する遅延制御信号CNTL4を入力し、比較クロック信号CLK_CMPを遅延して遅延比較クロック信号CLK_CMP_OUTを出力するものであり、図1(図18)に示すディジタル制御遅延回路5と同様に構成される。なお、電圧制御可変遅延回路301とディジタル制御遅延回路311は、中心遅延値が同一とされている。
本発明の静的位相差キャンセル回路の第1実施形態では、静的位相差測定回路292により、比較クロック信号CLK_CMPの基準クロック信号CLK_REFに対する静的位相差が測定され、ディジタル制御遅延回路293において、静的位相差測定回路292での静的位相差測定結果に基づいて、クロック信号CLK_IN、CLK_OUTとの間で、比較クロック信号CLK_CMPの基準クロック信号CLK_REFに対する静的位相差分をキャンセルするようにクロック信号CLK_INの遅延が調整される。
ここで、静的位相差測定回路292では、トランジスタ動作速度センサ290が出力するトランジスタの動作速度を反映した遅延制御信号CNTL1に基づいて、遅延制御バイアス電圧生成回路300において、遅延制御バイアス電圧CNTL2_P、CNTL2_Nが生成され、この遅延制御バイアス電圧CNTL2_P、CNTL2_Nが電圧制御可変遅延回路301に与えられ、電圧制御可変遅延回路301において、クロック信号CLK_REFが遅延されるようにしている。
そして、位相比較回路302において、電圧制御可変遅延回路301が出力する遅延基準クロック信号CLK_REF_OUTとディジタル制御遅延回路311が出力する遅延比較クロック信号CLK_CMP_OUTとの位相差が比較されるようにしているので、遅延比較クロック信号CLK_CMP_OUTの遅延基準クロック信号CLK_REF_OUTとの位相差を高精度に測定することができ、したがって、また、平均化回路309から、ディジタル制御遅延回路293の遅延値として、クロック信号CLK_IN、CLK_OUT間で、比較クロック信号CLK_CMPの基準クロック信号CLK_REFに対する静的位相差分を高精度にキャンセルするに必要な選択制御信号SL1を出力させることができる。
したがって、本発明の静的位相差キャンセル回路の第1実施形態によれば、本発明の静的位相差キャンセル回路の第1実施形態が出力するクロック信号CLK_OUT又はその下流のクロック信号を使用するデータ転送系におけるタイミングマージンを増やし、データ転送の高速化を図ることができる。
図34は本発明の静的位相差キャンセル回路の第1実施形態の第1使用例を示す回路図である。図34中、312は本発明の静的位相差キャンセル回路の第1実施形態を搭載したLSIであり、LSI312は、図23に示すLSI120が設けるピリオドジッタキャンセル回路155、160、198を設けず、分周器129の後段に本発明の静的位相差キャンセル回路の第1実施形態である静的位相差キャンセル回路313を設け、その他については、図23に示すLSI120と同様に構成したものである。
第1使用例では、PLL123に入力するクロック信号CLK1を基準クロック信号、バッファ128が出力するPLL123への帰還クロック信号CLK6を比較クロック信号とし、クロック信号CLK6のクロック信号CLK1に対する静的位相差が測定され、この測定結果に基づいて、分周器129が出力するクロック信号CLK3と静的位相差キャンセル回路313が出力するクロック信号CLK3との間で、クロック信号CLK6のクロック信号CLK1に対する静的位相差分をキャンセルするようにしている。
したがって、クロック信号CLK6(PLL123への帰還クロック信号)のクロック信号CLK1(PLL123に入力する基準クロック信号)に対する静的位相差分がデータ送信回路134におけるタイミングマージンを減少させることを避け、データDA0〜DA4の転送時のタイミングマージンを増やし、データDA0〜DA4の高速転送を達成することができる。
図35は本発明の静的位相差キャンセル回路の第1実施形態の第2使用例を示す回路図である。図35中、315は本発明の静的位相差キャンセル回路の第1実施形態を搭載したLSIであり、LSI315は、図34に示すLSI312に、バッファ316と、分周器317と、クロック出力バッファ318と、クロック出力端子319と、クロック入力端子320と、クロック入力バッファ321を追加すると共に、図34に示す静的位相差キャンセル回路313の代わりに、同じく本発明の静的位相差キャンセル回路の第1実施形態である静的位相差キャンセル回路322を設け、その他については、図34に示すLSI312と同様に構成したものである。
また、分周器317において、323はDフリップフロップ、324はインバータである。本例では、データ出力バッファ318は、データ出力バッファ145〜149によるデータ信号DA0〜DA4の出力タイミングをモニタする機能を有している。
第2使用例では、PLL123に入力するクロック信号CLK1を基準クロック信号、クロック入力バッファ321が出力するクロック信号CLK7を比較クロック信号とし、クロック信号CLK7のクロック信号CLK1に対する静的位相差が測定され、この測定結果に基づいて、分周器129が出力するクロック信号CLK3と静的位相差キャンセル回路322が出力するクロック信号CLK3との間で、クロック信号CLK7のロック信号CLK1に対する静的位相差がキャンセルされる。
したがって、第2使用例では、LSI315に与えられる基準となるクロック信号CLK1(データ信号DA0〜DA4の転送先のLSIに与えられる共通のクロック信号)とデータ出力バッファ145〜149が出力するデータ信号DA0〜DA4との間の静的位相差を低減ないし無くすことができるので、データ信号DA0〜DA4の転送時のタイミングマージンを増やし、データ信号DA0〜DA4の高速転送を達成することができる。
(本発明の静的位相差キャンセル回路の第2実施形態及び本発明の静的位相差測定回路の第2実施形態)
図36は本発明の静的位相差キャンセル回路の第2実施形態の構成を示す回路図である。本発明の静的位相差キャンセル回路の第2実施形態は、トランジスタ動作速度センサ330と、本発明の静的位相差測定回路の第2実施形態である静的位相差測定回路331と、電圧制御可変遅延回路332を備えている。
トランジスタ動作速度センサ330は、本発明の静的位相差キャンセル回路の第2実施形態が搭載されたLSI内のトランジスタの動作速度を検出するものである。本例では、トランジスタ動作速度センサ330は、可変遅延素子からなるリング発振器を使用し、発振周波数が理想的な周波数となるようにリング発振器の可変遅延素子の遅延値を制御した場合に使用したディジタル信号である遅延制御信号CNTL1をLSI内のトランジスタの動作速度を反映しているものとして出力するものであり、図1(図2)に示すトランジスタ動作速度センサ1と同様に構成される。
静的位相差測定回路331は、基準クロック信号CLK_REFと、比較クロック信号CLK_CMPと、遅延制御信号CNTL1を入力し、比較クロック信号CLK_CMPの基準クロック信号CLKに対する静的位相差を測定し、電圧制御可変遅延回路332に与える遅延制御バイアス電圧CNTL4_P、CNTL4_Nを出力するものである。
電圧制御可変遅延回路332は、クロック信号CLK_INと、静的位相差測定回路331が出力する遅延制御バイアス電圧CNTL4_P、CNTL4_Nを入力し、クロック信号CLK_IN、CLK_OUT間で、比較クロック信号CLK_CMPの基準クロック信号CLK_REFに対する静的位相差分をキャンセルするようにクロック信号CLK_INを遅延するものであり、図8(図9)に示す電圧制御可変遅延回路71と同様に構成される。
図37は静的位相差測定回路331の構成を示す回路図である。静的位相差測定回路331は、遅延制御バイアス電圧生成回路340と、電圧制御可変遅延回路341と、位相比較回路342と、チャージポンプ343と、ローパスフィルタ344と、位相比較回路345と、インバータ346、347と、チャージポンプ348と、ローパスフィルタ349と、電圧制御可変遅延回路350を備えている。
遅延制御バイアス電圧生成回路340は、トランジスタ動作速度センサ330が出力する遅延制御信号CNTL1を入力して電圧制御可変遅延回路341に与える遅延制御バイアス電圧CNTL2_P、CNTL2_Nを生成するものであり、図8に示す遅延制御バイアス電圧生成回路70と同様に構成される。
電圧制御可変遅延回路341は、クロック信号CLK_INと、遅延制御バイアス電圧生成回路340が出力する遅延制御バイアス電圧CNTL2_P、CNTL2_Nを入力し、クロック信号CLK_REFを遅延した遅延基準クロック信号CLK_REF_OUTを出力するものであり、図8に示す電圧制御可変遅延回路71と同様に構成される。
位相比較回路342は、電圧制御可変遅延回路341が出力する遅延基準クロック信号CLK_REF_OUTと、電圧制御可変遅延回路350が出力する遅延比較クロック信号CLK_CMP_OUTの位相を比較するものであり、基準信号入力端子342_REFに遅延基準クロック信号CLK_REF_OUTが与えられ、比較信号入力端子342_CMPに遅延比較クロック信号CLK_CMP_OUTが与えられる。この位相比較回路342は、図8に示す位相比較回路72と同様に構成される。
チャージポンプ343は、位相比較回路342が出力するアップ信号UP_N及びダウン信号DOWN_Nを入力し、位相比較回路342による位相比較結果を電流に変換するものであり、アップ信号入力端子343_UPにアップ信号UP_Nが与えられ、ダウン信号入力端子343_DOWNにダウン信号DOWN_Nが与えられる。このチャージポンプ343は、図8に示すチャージポンプ73と同様に構成される。
ローパスフィルタ344は、チャージポンプ343の出力CP_OUT_Nを電圧量に変換するものであり、図8に示すローパスフィルタ74と同様に構成される。本例では、ローパスフィルタ344の出力LP_OUT_Nが遅延制御バイアス電圧CNTL4_Nとされ、電圧制御可変遅延回路332、350に与えられる。
位相比較回路345は、遅延基準クロック信号CLK_REF_OUTと遅延比較クロック信号CLK_CMP_OUTの位相を比較するものであり、基準信号入力端子345_REFにクロック信号CLK_REF_OUTが与えられ、比較信号入力端子345_CMPにクロック信号CLK_CMP_OUTが与えられる。この位相比較回路345は、図8に示す位相比較回路72と同様に構成される。
インバータ346は、位相比較回路345が出力するダウン信号DOWN_Pを反転して反転ダウン信号/DOWN_Pを出力するものである。インバータ347は、位相比較回路345が出力するアップ信号UP_Pを反転して反転アップ信号/UP_Pを出力するものである。
チャージポンプ348は、インバータ346が出力する反転ダウン信号/DOWN_Pとインバータ347が出力する反転アップ信号/UP_Pを入力し、位相比較回路345による位相比較結果を逆転したものを電流に変換するものであり、アップ信号入力端子348_UPに反転ダウン信号/DOWN_Pが与えられ、ダウン信号入力端子348_DOWNに反転アップ信号/UP_Pが与えられる。このチャージポンプ348は、図8に示すチャージポンプ73と同様に構成される。
ローパスフィルタ349は、チャージポンプ348の出力CP_OUT_Pを電圧量に変換するものであり、図8に示すローパスフィルタ74と同様に構成される。本例では、ローパスフィルタ349の出力LP_OUT_Pが遅延制御バイアス電圧CNTL4_Pとされ、電圧制御可変遅延回路332、350に与えられる。
電圧制御可変遅延回路350は、比較クロック信号CLK_CMPと、ローパスフィルタ344の出力LP_OUT_Nと、ローパスフィルタ349の出力LP_OUT_Pを入力し、比較クロック信号CLK_CMPを遅延して遅延比較クロック信号CLK_CMP_OUTを出力するものであり、電圧制御可変遅延回路341と同様に構成されている。なお、電圧制御可変遅延回路341、350は、中心遅延値が同一とされている。
本発明の静的位相差キャンセル回路の第2実施形態では、静的位相差測定回路331により、比較クロック信号CLK_CMPの基準クロック信号CLK_REFに対する静的位相差が測定され、電圧制御可変遅延回路332において、静的位相差測定回路331での静的位相差測定結果に基づいて、クロック信号CLK_IN、CLK_OUT間で、比較クロック信号CLK_CMPの基準クロック信号CLK_REFに対する静的位相差分をキャンセルするようにクロック信号CLK_INの遅延が調整される。
ここで、静的位相差測定回路331では、トランジスタ動作速度センサ330が出力するトランジスタの動作速度を反映した遅延制御信号CNTL1に基づいて、遅延制御バイアス電圧生成回路340において、遅延制御バイアス電圧CNTL2_P、CNTL2_Nが生成され、この遅延制御バイアス電圧CNTL2_P、CNTL2_Nが電圧制御可変遅延回路341に与えられ、電圧制御可変遅延回路341において、クロック信号CLK_INが遅延されるようにしている。
そして、位相比較回路342、345において、電圧制御可変遅延回路341が出力する遅延基準クロック信号CLK_REF_OUTと電圧制御可変遅延回路350が出力する遅延比較クロック信号CLK_CMP_OUTとの位相差が比較されるようにしているので、遅延比較クロック信号CLK_CMP_OUTの基準クロック信号CLK_REF_OUTとの位相差を高精度に測定することができ、したがって、また、ローパスフィルタ344、349から、電圧制御可変遅延回路332の遅延値として、クロック信号CLK_IN、CLK_OUT間で、比較クロック信号CLK_CMPの基準クロック信号CLK_REFに対する静的位相差分を高精度にキャンセルするに必要な遅延制御バイアス電圧CNTL4_N、CNTL4_Pを出力させることができる。
したがって、本発明の静的位相差キャンセル回路の第2実施形態によれば、本発明の静的位相差キャンセル回路の第2実施形態が出力するクロック信号CLK_OUT又はその下流のクロック信号を使用するデータ転送系におけるタイミングマージンを増やし、データ転送の高速化を図ることができる。
(本発明の静的位相差キャンセル回路の第3実施形態及び本発明の静的位相差測定回路の第3実施形態)
図38は本発明の静的位相差キャンセル回路の第3実施形態の構成を示す回路図である。本発明の静的位相差キャンセル回路の第3実施形態は、本発明の静的位相差測定回路の第3実施形態である静的位相差測定回路360と、ディジタル制御遅延回路361を備えている。
静的位相差測定回路360は、基準クロック信号CLK_REFと、比較クロック信号CLK_CMPと、校正信号を入力し、比較クロック信号CLK_CMPの基準クロック信号CLK_REFに対する位相差を測定し、ディジタル制御遅延回路361にセレクト制御信号SL1を出力するものであり、図32に示すトランジスタ動作速度センサ290が出力する遅延制御信号CNTL1の代わりに遅延制御信号CNTL1と同様の信号を校正信号として入力する点を除き、図32(図33)に示す静的位相差測定回路292と同様に構成される。
ディジタル制御遅延回路361は、クロック信号CLK_INと、静的位相差測定回路360が出力する選択制御信号SL1と、校正信号を入力し、クロック信号CLK_IN、CLK_OUTとの間で、比較クロック信号CLK_CMPの基準クロック信号CLK_REFに対する静的位相差分をキャンセルするようにクロック信号CLK_INを遅延するものであり、図1(図18)に示すディジタル制御遅延回路5と同様に構成される。
図39は静的位相差測定回路360の構成を示す回路図である。静的位相差測定回路360は、図33に示す遅延制御バイアス電圧生成回路300の代わりにディレイロック方式遅延制御回路364を設けると共に、ディジタル制御遅延回路311に遅延制御信号CNTL4の代わりに校正信号を与えるようにし、その他については、図33に示す静的位相差測定回路292と同様に構成される。
本発明の静的位相差キャンセル回路の第3実施形態では、静的位相差測定回路360により、比較クロック信号CLK_CMPの基準クロック信号CLK_REFに対する静的位相差が測定され、ディジタル制御遅延回路361において、クロック信号CLK_IN、CLK_OUT間で、静的位相差測定回路360での静的位相差測定結果に基づいて、比較クロック信号CLK_CMPの基準クロック信号CLK_REFに対する静的位相差分をキャンセルするようにクロック信号CLK_INの遅延が調整される。
ここで、静的位相差測定回路360では、校正信号に基づいて、ディレイロック方式遅延制御回路364において、遅延制御バイアス電圧CNTL2_P、CNTL2_Nが生成され、この遅延制御バイアス電圧CNTL2_P、CNTL2_Nが電圧制御可変遅延回路301に与えられ、電圧制御可変遅延回路301において、基準クロック信号CLK_INが遅延されるようにしている。
そして、位相比較回路302において、遅延基準クロック信号CLK_REF_OUTと電圧制御可変遅延回路301が出力する遅延比較クロック信号CLK_CMP_OUTとの位相差が比較されるようにしているので、遅延比較クロック信号CLK_CMP_OUTの遅延基準クロック信号CLK_REF_OUTとの位相差を高精度に測定することができ、したがって、また、平均化回路309から、ディジタル制御遅延回路361の遅延値として、クロック信号CLK_IN、CLK_OUT間で、比較クロック信号CLK_CMPの基準クロック信号CLK_REFに対する静的位相差分を高精度にキャンセルするに必要な選択制御信号SL1を出力させることができる。
したがって、本発明の静的位相差キャンセル回路の第3実施形態によれば、本発明の静的位相差キャンセル回路の第3実施形態が出力するクロック信号CLK_OUT又はその下流のクロック信号を使用するデータ転送系におけるタイミングマージンを増やし、データ転送の高速化を図ることができる。
(本発明の静的位相差キャンセル回路の第4実施形態及び本発明の静的位相差測定回路の第4実施形態)
図40は本発明の静的位相差キャンセル回路の第4実施形態の構成を示す回路図である。本発明の静的位相差キャンセル回路の第4実施形態は、本発明の静的位相差測定回路の第4実施形態である静的位相差測定回路370と、電圧制御可変遅延回路371を備えている。
静的位相差測定回路370は、基準クロック信号CLK_REFと、比較クロック信号CLK_CMPと、校正信号を入力し、比較クロック信号CLK_CMPの基準クロック信号CLK_REFに対する静的位相差を測定し、電圧制御可変遅延回路371に与える遅延制御バイアス電圧CNTL4_P、CNTL4_Nを出力するものである。
電圧制御可変遅延回路371は、クロック信号CLK_INと、静的位相差測定回路370が出力する遅延制御バイアス電圧CNTL4_P、CNTL4_Nを入力し、クロック信号CLK_IN、CLK_OUT間で、比較クロック信号CLK_CMPの基準クロック信号CLK_REFに対する静的位相差分をキャンセルするようにクロック信号CLK_INを遅延するものであり、図8(図9)に示す電圧制御可変遅延回路71と同様に構成される。
図41は静的位相差測定回路370の構成を示す回路図である。静的位相差測定回路370は、図37に示す遅延制御バイアス電圧生成回路340の代わりにディレイロック方式遅延制御回路374を設け、その他については、図37に示す静的位相差測定回路331と同様に構成される。
本発明の静的位相差キャンセル回路の第4実施形態では、静的位相差測定回路370により、比較クロック信号CLK_CMPの基準クロック信号CLK_REFに対する位相差が測定され、電圧制御可変遅延回路371において、静的位相差測定回路370での静的位相差測定結果に基づいて、クロック信号CLK_IN、CLK_OUT間で、比較クロック信号CLK_CMPの基準クロック信号CLK_REFに対する静的位相差分をキャンセルするようにクロック信号CLK_INの遅延が調整される。
ここで、静的位相差測定回路370では、校正信号に基づいて、ディレイロック方式遅延制御回路374において、遅延制御バイアス電圧CNTL2_P、CNTL2_Nが生成され、この遅延制御バイアス電圧CNTL2_P、CNTL2_Nが電圧制御可変遅延回路341に与えられ、電圧制御可変遅延回路341において、クロック信号CLK_REFが遅延されるようにしている。
そして、位相比較回路342、345において、電圧制御可変遅延回路341が出力する遅延基準クロック信号CLK_REF_OUTと電圧制御可変遅延回路350が出力する遅延比較クロック信号CLK_CMP_OUTとの位相差が比較されるようにしているので、遅延比較クロック信号CLK_CMP_OUTの遅延基準クロック信号CLK_REF_OUTに対する位相差を高精度に測定することができ、したがって、また、ローパスフィルタ344、349から、電圧制御可変遅延回路371の遅延値として、クロック信号CLK_IN、CLK_OUT間で、比較クロック信号CLK_CMPの基準クロック信号CLK_REFに対する静的位相差分を高精度にキャンセルするに必要な遅延制御バイアス電圧CNTL4_N、CNTL4_Pを出力させることができる。
したがって、本発明の静的位相差キャンセル回路の第4実施形態によれば、本発明の静的位相差キャンセル回路の第4実施形態が出力するクロック信号CLK_OUT又はその下流のクロック信号を使用するデータ転送系におけるタイミングマージンを増やし、データ転送の高速化を図ることができる。
(本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第5実施形態)
図42は本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第5実施形態の構成を示す回路図である。本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第5実施形態は、本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態又は第2実施形態であるピリオドジッタキャンセル回路380と、本発明の静的位相差キャンセル回路の第1実施形態又は第2実施形態である静的位相差キャンセル回路381を備えている。
本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第5実施形態では、クロック信号CLK_INがピリオドジッタキャンセル回路380に入力される。そして、静的位相差キャンセル回路381に対して、クロック信号CLK_INが基準クロック信号(図32又は図36に示す基準クロック信号CLK_REF)として与えられると共に、ピリオドジッタキャンセル回路380が出力するクロック信号CLK_Qが静的位相差キャンセルの対象クロック(図32又は図36に示すクロック信号CLK_IN)及び比較クロック信号(図32又は図36に示す比較クロック信号CLK_CMP)として与えられる。
即ち、本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第5実施形態では、ピリオドジッタキャンセル回路380において、クロック信号CLK_INを対象としてピリオドジッタキャンセルが行われ、静的位相差キャンセル回路381において、ピリオドジッタキャンセル回路380で発生するクロック信号CLK_Qがクロック信号CLK_INに対して有する静的位相差がキャンセルされる。
したがって、本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第5実施形態によれば、本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第5実施形態が出力するクロック信号CLK_OUTを使用するデータ転送系におけるタイミングマージンを増やし、データ転送の高速化を図ることができる。
(本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第6実施形態)
図43は本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第6実施形態の構成を示す回路図である。本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第6実施形態は、本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第3実施形態又は第4実施形態であるピリオドジッタ回路390と、本発明の静的位相差キャンセル回路の第3実施形態又は第4実施形態である静的位相差キャンセル回路391を備えている。
本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第6実施形態では、クロック信号CLK_INがピリオドジッタキャンセル回路390に入力される。そして、静的位相差キャンセル回路391に対して、クロック信号CLK_INが基準クロック信号(図38又は図40に示す基準クロック信号CLK_REF)として与えられると共に、ピリオドジッタキャンセル回路390が出力するクロック信号CLK_Qが静的位相差キャンセルの対象クロック(図38又は図40に示すクロック信号CLK_IN)及び比較クロック信号(図38又は図40に示す比較クロック信号CLK_CMP)として与えられる。
即ち、本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第6実施形態では、ピリオドジッタキャンセル回路390において、クロック信号CLK_INを対象としてピリオドジッタキャンセルが行われ、静的位相差キャンセル回路391において、ピリオドジッタキャンセル回路390で発生するクロック信号CLK_Qがクロック信号CLK_INに対して有する静的位相差がキャンセルされる。
したがって、本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第6実施形態によれば、本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第6実施形態が出力するクロック信号CLK_OUTを使用するデータ転送系におけるタイミングマージンを増やし、データ転送の高速化を図ることができる。
(本発明の位相差調整回路の第1実施形態)
図44は本発明の位相差調整回路の第1実施形態の構成を示す回路図である。図44中、SAはクロック信号、400はクロック信号SAを伝送するクロック信号配線、401〜410はクロック信号配線400に挿入されたバッファ、SAxはバッファ410が出力するクロック信号である。
SBは本発明の位相差調整回路の第1実施形態によりクロック信号SAとの位相差が制御されるクロック信号、411はクロック信号SBを伝送するクロック信号配線、412〜416はクロック信号配線411に挿入されたバッファ、SBxはバッファ416が出力するクロック信号である。
417は本発明の位相差調整回路の第1実施形態である。本発明の位相差調整回路の第1実施形態417は、クロック信号SAxに対してクロック信号SBxが静的位相差Δθをもって遅れているように、クロック信号SAx、SBx間に静的位相差Δθを設定し、かつ、クロック信号SAx、SBx間の静的位相差Δθの変動を自律的に調整し、プロセスばらつき、温度変化、電圧変動によるクロック信号SAx、SBx間の静的位相差Δθの変動範囲を大幅に狭めるとするものであり、トランジスタ動作速度センサ418、419と、ディジタル制御遅延回路420、421と、静的位相差測定回路422を備えている。
トランジスタ動作速度センサ418、419は、本発明の位相差調整回路の第1実施形態417が搭載されたLSI内のトランジスタの動作速度を検出するものである。本例では、トランジスタ動作速度センサ418、419は、可変遅延素子からなるリング発振器を使用し、発振周波数がプロセス条件及び動作条件に変動がないとした場合の理想的な周波数となるようにリング発振器の可変遅延素子の遅延値を制御した場合に使用したディジタル信号である遅延制御信号CNTL1、CNTL2をLSI内のトランジスタの動作速度を反映しているものとして出力するものであり、図1(図2)に示すトランジスタ動作速度センサ1と同様に構成されている。
ディジタル制御遅延回路420は、クロック信号SBを遅延するものであり、クロック信号配線411に挿入されている。420_INは被遅延信号入力端子、420_OUTは遅延信号出力端子であり、本例では、被遅延信号入力端子420_INにはクロック信号SBが与えられ、遅延信号出力端子420_OUTにはクロック信号SBを遅延したクロック信号が出力される。
このディジタル制御遅延回路420は、図1(図18)に示すディジタル制御遅延回路5と同様に構成されており、図1に示す遅延回路4が出力するクロック信号CLK_mの代わりにクロック信号SBが入力され、図1に示すピリオドジッタ測定回路3が出力する選択制御信号SL1の代わりに静的位相差測定回路422が出力する選択制御信号SL3が入力され、図1に示すトランジスタ動作速度センサ2が出力する遅延制御信号CNTL2の代わりにトランジスタ動作速度センサ418が出力する遅延制御信号CNTL1が入力される。
したがって、選択制御信号SL3が中間値[100…0]の場合は、ディジタル制御遅延回路420の遅延値は中間値となり、選択制御信号SL3が中間値[100…0]よりも大きい場合は、ディジタル制御遅延回路420の遅延値は選択制御信号SL3の値に応じて中間値より大きくなり、選択制御信号SL3が中間値[100…0]よりも小さい場合は、ディジタル制御遅延回路420の遅延値は選択制御信号SL3の値に応じて中間値より小さくなる。
ディシタル制御遅延回路421は、バッファ410が出力するクロック信号SAxを遅延するものである。421_INは被遅延信号入力端子、421_OUTは遅延信号出力端子であり、本例では、被遅延信号入力端子421_INにはクロック信号SAxが与えられ、遅延信号出力端子421_OUTにはクロック信号SAxを遅延したクロック信号SAxxが出力される。
このディジタル制御遅延回路421は、図1(図18)に示すディジタル制御遅延回路5と同様に構成されており、図1に示す遅延回路4が出力するクロック信号CLK_mの代わりにクロック信号SAxが入力され、図1に示すピリオドジッタ測定回路3が出力する選択制御信号SL1の代わりに外部から位相差設定信号として与えられる選択制御信号SL4が入力され、図1に示すトランジスタ動作速度センサ2が出力する遅延制御信号CNTL2の代わりにトランジスタ動作速度センサ419が出力する遅延制御信号CNTL2が入力される。
したがって、選択制御信号SL4を大きい値に設定すると、ディジタル制御遅延回路421の遅延値は選択制御信号SL4の値に応じて大きく設定され、選択制御信号SL4を小さい値に設定すると、ディジタル制御遅延回路421の遅延値は選択制御信号SL4の値に応じて小さく設定される。本例においては、クロック信号SAx、SBx間の静的位相差Δθを大きくする場合には、選択制御信号SL4を大きい値にする。これに対して、クロック信号SAx、SBx間の静的位相差Δθを小さくする場合には、選択制御信号SL4を小さい値にする。
静的位相差測定回路422は、ディジタル制御遅延回路421が出力するクロック信号SAxxを基準信号入力端子422_REFに入力し、バッファ416が出力するクロック信号SBxを比較信号入力端子422_CMPに入力し、クロック信号SAxxを基準信号、クロック信号SBxを比較信号として、クロック信号SAxx、SBx間の静的位相差を測定し、その測定結果をディジタル制御遅延回路420に与える選択制御信号SL3として出力するものである。
図45は静的位相差測定回路422の構成を示す回路図である。静的位相差測定回路422は、位相比較回路430と、チャージポンプ431と、ローパスフィルタ432と、A/D変換回路433と、差分回路434と、セレクタ435と、加算回路436と、レジスタ437と、平均化回路438を備えている。
位相比較回路430は、クロック信号SAxxとクロック信号SBxとの位相を比較するものであり、基準信号入力端子430_REFにクロック信号SAxxが与えられ、比較信号入力端子430_CMPにクロック信号SBxが与えられる。
チャージポンプ431は、位相比較回路430が出力するアップ信号UP及びダウン信号DOWNを入力し、位相比較回路430による位相比較結果を電流に変換するものであり、アップ信号入力端子431_UPにアップ信号UPが与えられ、ダウン信号入力端子431_DOWNにダウン信号DOWNが与えられる。このチャージポンプ431は、図8(図13)に示すチャージポンプ73と同様に構成されている。
ローパスフィルタ432は、チャージポンプ431の出力CP_OUTを電圧量に変換するものであり、図8(図15)に示すローパスフィルタ74と同様に構成されている。A/D変換回路433は、ローパスフィルタ432の出力LP_OUTをディジタル値に変換するものである。差分回路434は、A/D変換回路433の前回出力値と今回出力値との差分を計算するものである。
セレクタ435は、選択制御信号SL5により制御され、初期値[100…0]又は差分回路434の出力値を選択するものであり、初期時には、初期値[100…0]を選択し、その後は、差分回路434の出力値を選択するものである。
加算回路436は、セレクタ435の出力とレジスタ437の格納値を加算するものである。レジスタ437は、加算回路436の出力を位相差の合計値として更新的に格納するものである。平均化回路438は、レジスタ437の出力値を平均化するものであり、本例では、平均化回路438の出力が選択制御信号SL3としてディジタル制御遅延回路420に与えられる。
このように構成された本発明の位相差調整回路の第1実施形態417においては、外部からディジタル制御遅延回路421に対してクロック信号SAx、SBx間の静的位相差Δθを設定するための位相差設定信号として選択制御信号SL4が与えられ、この選択制御信号SL4によりディジタル制御遅延回路421の遅延値が設定される。
そして、クロック信号SAは、バッファ401〜410を介して図示しない所定の回路部に伝送され、クロック信号SBは、ディジタル制御遅延回路420及びバッファ412〜416を介して図示しない所定の回路部に伝送されるが、本例では、バッファ410が出力するクロック信号SAxとバッファ416が出力するクロック信号SBxとの間の静的位相差を調整するために、クロック信号SAxは、ディジタル制御遅延回路421の被遅延信号入力端子421_INに与えられ、クロック信号SBxは、静的位相差測定回路422の比較信号入力端子422_CMPに与えられる。
ディジタル制御遅延回路421は、被遅延信号入力端子421_INから入力されるクロック信号SAxを選択制御信号SL4により設定した遅延値だけ遅延してなるクロック信号SAxxを出力する。そして、静的位相差測定回路422は、クロック信号SAxxを基準信号、クロック信号SBxを比較信号として、クロック信号SAxx、SBx間の静的位相差を測定し、その測定結果をディジタル制御遅延回路420に与える選択制御信号SL3として出力する。
ここで、クロック信号SAxxに対してクロック信号SBxの位相が遅れている場合、即ち、クロック信号SAxに対してクロック信号SBxの位相が遅れており、かつ、クロック信号SAx、SBx間の位相差が選択制御信号SL4により設定したディジタル制御遅延回路421の遅延値分の位相差Δθよりも大きい場合には、静的位相差測定回路422は、クロック信号SAx、SBx間の静的位相差がΔθとなるように、選択制御信号SL3を介して、ディジタル制御遅延回路420の遅延値を小さくさせる。
これに対して、クロック信号SAxxに対してクロック信号SBxの位相が進んでいる場合、即ち、クロック信号SAxに対してクロック信号SBxの位相が遅れており、かつ、クロック信号SAx、SBx間の位相差が選択制御信号SL4により設定したディジタル制御遅延回路421の遅延値分の位相差Δθよりも小さい場合には、静的位相差測定回路422は、クロック信号SAx、SBx間の静的位相差がΔθとなるように、選択制御信号SL3を介して、ディジタル制御遅延回路420の遅延値を大きくさせる。
図46は本発明の位相差調整回路の第1実施形態417の効果を説明するための波形図であり、(A)はクロック信号SAx、(B)はクロック信号SBxを示しており、P1は本発明の位相差調整回路の第1実施形態417を使用しない場合のクロック信号SAx、SBx間の静的位相差の変動範囲、P2は本発明の位相差調整回路の第1実施形態417を使用した場合のクロック信号SAx、SBx間の静的位相差の変動範囲を示している。
即ち、本発明の位相差調整回路の第1実施形態417においては、ディジタル制御遅延回路421において、クロック信号SAxの位相を外部設定した位相差Δθだけ遅延させ、静的位相差測定回路422において、クロック信号SAxx、SBx間の静的位相差を測定し、ディジタル制御遅延回路420において、クロック信号SAx、SBx間の位相差が外部設定した位相差Δθになるようにクロック信号SBxの位相をフィードバック制御するようにしているので、クロック信号SAx、SBx間の静的位相差Δθの変動を自律的に調整することができる。したがって、プロセスばらつき、温度変化、電圧変動によるクロック信号SAx、SBx間の静的位相差の変動範囲を大幅に狭めることができる。
図47は本発明の位相差調整回路の第1実施形態の使用例を示す回路図である。図47中、440は本発明の位相差調整回路の第1実施形態を搭載したLSIであり、LSI440は、図35に示すLSI315に、バッファ441〜462と、Dフリップフロップ463〜466と、分周器467と、データ出力バッファ468、469、クロック出力バッファ470と、データ入力バッファ471と、データストローブ信号入力バッファ472と、DLL473と、データ(DC0)出力端子474、データ(DC1)出力端子475と、クロック信号(CLK8)出力端子476と、データ(DD0)入力端子477と、データストローブ信号(DS0)入力端子478と、本発明の位相差調整回路の第1実施形態である位相差調整回路479、480などを追加すると共に、図35に示す静的位相差キャンセル回路322の代わりに、本発明の位相差調整回路の第1実施形態である位相差調整回路481を設け、その他については、図35に示すLSI315と同様に構成したものである。なお、分周器467において、482はDフリップフロップ、483はインバータである。
本使用例では、分周器156が出力するクロック信号CLK4は、位相差調整回路479を構成するディジタル制御遅延回路420の被遅延信号入力端子420_INに与えられ、位相差調整回路479を構成するディジタル制御遅延回路420の遅延信号出力端子420_OUTに出力されるクロック信号はバッファ441に与えられ、バッファ459が出力するクロック信号CLK9は、位相差調整回路479を構成するディジタル制御遅延回路421の被遅延信号入力端子421_INに与えられ、バッファ451が出力するクロック信号CLK10_1は、位相差調整回路479を構成する静的位相差測定回路422の比較信号入力端子422_CMPに与えられる。
この結果、クロック信号CLK10_1及びバッファ447が出力するクロック信号CLK10_0の位相がクロック信号CLK9よりも外部設定した位相差Δθだけ常に遅れているように位相差調整回路479に入力するクロック信号CLK4の位相を制御し、プロセスばらつき、温度変化、電圧変動によるクロック信号CLK9とクロック信号CLK10_1、CLK10_0との間の静的位相差Δθの変動範囲を大幅に狭めることができる。
即ち、Dフリップフロップ463、464が出力するデータ信号DC0、DC1の位相が分周器467が出力するクロック信号CLK8のエッジよりも外部設定した位相差Δθだけ常に遅れているように位相差調整回路479に入力するクロック信号CLK4の位相を制御し、プロセスばらつき、温度変化、電圧変動によるデータ信号DC0、DC1とクロック信号CLK8のエッジとの静的位相差Δθの変動範囲を大幅に狭めることができる。
また、バッファ456が出力するクロック信号CLK11は、位相差調整回路480を構成するディジタル制御遅延回路420の被遅延信号入力端子420_INに与えられ、位相差調整回路480を構成するディジタル制御遅延回路420の遅延信号出力端子420_OUTに出力されるクロック信号CLK11はバッファ460に与えられ、DLL473が出力するクロック信号CLK12は、位相差調整回路480を構成するディジタル制御遅延回路421の被遅延信号入力端子421_INに与えられ、バッファ462が出力するクロック信号CLK13は、位相差調整回路480を構成する静的位相差測定回路422の比較信号入力端子422_CMPに与えられる。
この結果、クロック信号CLK13の位相がクロック信号CLK12よりも外部設定した位相差Δθだけ常に遅れているように位相差調整回路480に入力するクロック信号CLK11の位相が制御され、プロセスばらつき、温度変化、電圧変動によるクロック信号CLK13、CLK12間の静的位相差Δθの変動範囲を大幅に狭めることができる。
即ち、データ入力端子477から入力されるデータ信号DD0をDLL473から出力されるクロック信号CLK12で取り込み、この取り込んだデータ信号DD0をバッファ462が出力するクロック信号CLK13で安定的に取り込むことができる。このように、本発明の位相差調整回路の第1実施形態である位相差調整回路480を使用する場合には、異なるクロックドメイン間でのデータ受け渡し部分で、データの受け渡しを正常に行うことができる。
また、分周器129が出力するクロック信号CLK3は、位相差調整回路481を構成するディジタル制御遅延回路420の被遅延信号入力端子420_INに与えられ、位相差調整回路481を構成するディジタル制御遅延回路420の遅延信号出力端子420_OUTに出力されるクロック信号はバッファ130に与えられ、クロック入力バッファ122が出力するクロック信号CLK1は、位相差調整回路481を構成するディジタル制御遅延回路421の被遅延信号入力端子421_INに与えられ、クロック入力バッファ321が出力するクロック信号CLK7は、位相差調整回路481を構成する静的位相差測定回路422の比較信号入力端子422_CMPに与えられる。
この結果、クロック信号CLK7の位相がクロック信号CLK1よりも外部設定した位相差Δθだけ常に遅れているように位相差調整回路481が出力するクロック信号CLK3の位相が制御され、プロセスばらつき、温度変化、電圧変動によるクロック信号CLK1、CLK7間の静的位相差Δθの変動範囲を大幅に狭めることができる。即ち、データ信号DA0〜DA4のクロック信号CLK1に対する出力タイミングを所定のタイミングに設定することができ、プロセスばらつき、温度変化、電圧変動によっても、設定した出力タイミングを維持することができる。
(本発明の位相差調整回路の第2実施形態)
図48は本発明の位相差調整回路の第2実施形態の構成を示す回路図である。本発明の位相差調整回路の第2実施形態490は、クロック信号SAxを静的位相差測定回路422の基準信号入力端子422_REFに入力し、クロック信号SBxをディジタル制御遅延回路421の被遅延信号入力端子421_INに入力し、ディジタル制御遅延回路421が出力するクロック信号SBxxを静的位相差測定回路422の比較信号入力端子422_CMPに入力し、その他については、図44に示す本発明の位相差調整回路の第1実施形態と同様に構成したものである。
本発明の位相差調整回路の第2実施形態490は、クロック信号SAxに対してクロック信号SBxが静的位相差Δθをもって進んでいるようにクロック信号SAx、SBx間に静的位相差Δθを設定し、かつ、クロック信号SAx、SBx間の静的位相差Δθの変動を自律的に調整し、プロセスばらつき、温度変化、電圧変動によるクロック信号SAx、SBx間の静的位相差Δθの変動範囲を大幅に狭めるとするものである。
本発明の位相差調整回路の第2実施形態490においても、外部からディジタル制御遅延回路421に対してクロック信号SAx、SBx間の静的位相差Δθを設定するための位相差設定信号として選択制御信号SL4が与えられ、この選択制御信号SL4によりディジタル制御遅延回路421の遅延値が設定される。
そして、クロック信号SAは、バッファ401〜410を介して図示しない所定の回路部に伝送され、クロック信号SBは、ディジタル制御遅延回路420及びバッファ412〜416を介して図示しない所定の回路部に伝送されるが、本例では、バッファ410が出力するクロック信号SAxとバッファ416が出力するクロック信号SBxとの間の静的位相差を調整するために、クロック信号SAxは、静的位相差測定回路422の基準信号入力端子422_REFに与えられ、クロック信号SBxは、ディジタル制御遅延回路421の被遅延信号入力端子421_INに与えられる。
ディジタル制御遅延回路421は、被遅延信号入力端子421_INから入力されるクロック信号SBxを選択制御信号SL4により設定した遅延値だけ遅延してなるクロック信号SBxxを出力する。そして、静的位相差測定回路422は、クロック信号SAxを基準信号、クロック信号SBxxを比較信号として、クロック信号SAx、SBxx間の静的位相差を測定し、その測定結果をディジタル制御遅延回路420に与える選択制御信号SL3として出力する。
ここで、クロック信号SAxに対してクロック信号SBxxの位相が遅れている場合、即ち、クロック信号SAxに対してクロック信号SBxの位相が進んでおり、かつ、クロック信号SAx、SBx間の位相差が選択制御信号SL4により設定したディジタル制御遅延回路421の遅延値分の位相差Δθよりも小さい場合には、静的位相差測定回路422は、クロック信号SAx、SBx間の静的位相差がΔθとなるように、選択制御信号SL3を介して、ディジタル制御遅延回路420の遅延値を小さくさせる。
これに対して、クロック信号SAxに対してクロック信号SBxxの位相が進んでいる場合、即ち、クロック信号SAxに対してクロック信号SBxの位相が進んでおり、かつ、クロック信号SAx、SBx間の位相差が選択制御信号SL4により設定したディジタル制御遅延回路421の遅延値分の位相差Δθより大きい場合には、静的位相差測定回路422は、クロック信号SAx、SBx間の静的位相差がΔθとなるように、選択制御信号SL3を介して、ディジタル制御遅延回路420の遅延値を大きくさせる。
図49は本発明の位相差調整回路の第2実施形態490の効果を説明するための波形図であり、(A)はクロック信号SAx、(B)はクロック信号SBxを示しており、P3は本発明の位相差調整回路の第2実施形態490を使用しない場合のクロック信号SAx、SBx間の静的位相差の変動範囲、P4は本発明の位相差調整回路の第2実施形態490を使用した場合のクロック信号SAx、SBx間の静的位相差の変動範囲を示している。
即ち、本発明の位相差調整回路の第2実施形態490においては、ディジタル制御遅延回路421において、クロック信号SBxの位相を外部設定した位相差Δθだけ遅延させ、静的位相差測定回路422において、クロック信号SAx、SBxx間の静的位相差を測定し、ディジタル制御遅延回路420において、クロック信号SAx、SBx間の位相差が外部設定した位相差Δθになるようにクロック信号SBxの位相をフィードバック制御するようにしているので、クロック信号SAx、SBx間の静的位相差Δθの変動を自律的に調整することができる。したがって、プロセスばらつき、温度変化、電圧変動によるクロック信号SAx、SBx間の静的位相差の変動範囲を大幅に狭めることができる。
なお、本発明の位相差調整回路の第1実施形態及び第2実施形態においては、ディジタル制御遅延回路421に対して選択制御信号SL4を外部から与えるようにした場合について説明したが、この代わりに、選択制御信号SL4を固定値として本発明の位相差調整回路の第1実施形態又は第2実施形態を搭載するLSI内部で固定値として与えるようにしても良いし、LSI内部のレジスタに選択制御信号SL4を設定し、このレジスタに設定した選択制御信号SL4を与えるようにしても良い。
ここで、本発明を整理すると、本発明には、少なくとも、以下のピリオドジッタキャンセル回路、静的位相差キャンセル回路、ピリオドジッタ測定回路、静的位相差測定回路及び位相差調整回路が含まれる。
(付記1)半導体集積回路に搭載されるピリオドジッタキャンセル回路であって、第1のクロック信号のピリオドジッタを測定するピリオドジッタ測定回路と、前記第1のクロック信号を前記ピリオドジッタ測定回路の遅延時間分遅延して第2のクロック信号を出力する第1の遅延回路と、前記ピリオドジッタ測定回路によるピリオドジッタ測定結果に基づいて、前記第2のクロック信号の遅延を調整してピリオドジッタをキャンセルする第2の遅延回路を有するものである。
(付記2)前記第2の遅延回路は、遅延値を異にする複数の遅延回路を有し、前記ピリオドジッタ測定回路は、前記複数の遅延回路の中から、前記第1の遅延回路が出力する第2のクロック信号の遅延を調整してピリオドジッタをキャンセルした第3のクロック信号を出力し得る遅延回路を選択するための選択制御信号をピリオドジッタ測定結果として出力することを特徴とする付記1記載のピリオドジッタキャンセル回路。
(付記3)前記半導体集積回路内のトランジスタの動作速度を検出するセンサの出力に基づいて、前記半導体集積回路のプロセスばらつき及び動作条件の変動による前記複数の遅延回路の遅延値の変動を補正制御する遅延変動補正制御回路を有することを特徴とする付記2記載のピリオドジッタキャンセル回路。
(付記4)前記センサは、可変遅延素子をリング接続したリング発振器を使用し、該リング発振器の発振周波数が理想的な周波数となるように前記リング発振器の可変遅延素子の遅延値を制御した場合に使用した遅延制御信号を前記半導体集積回路内のトランジスタの動作速度を反映しているものとして出力することを特徴とする付記3記載のピリオドジッタキャンセル回路。
(付記5)校正信号に基づいて、前記半導体集積回路のプロセスばらつき及び動作条件の変動による前記複数の遅延回路の遅延値の変動を補正制御する遅延変動補正制御回路を有することを特徴とする付記2記載のピリオドジッタキャンセル回路。
(付記6)前記ピリオドジッタ測定回路は、前記第1のクロック信号を前記第1のクロック信号に求められている理想的な1周期分遅延する第3の遅延回路と、前記第1のクロック信号と前記第3の遅延回路が出力する第3のクロック信号との位相差を検出して前記選択制御信号を生成する選択制御信号生成回路を有することを特徴とする付記2〜5のいずれか一の付記に記載のピリオドジッタキャンセル回路。
(付記7)前記半導体集積回路内のトランジスタの動作速度を検出するセンサの出力に基づいて、前記半導体集積回路のプロセスばらつき及び動作条件の変動による前記第3の遅延回路の遅延値の変動を補正制御する遅延変動補正制御回路を有することを特徴とする付記6記載のピリオドジッタキャンセル回路。
(付記8)前記センサは、可変遅延素子をリング接続したリング発振器を使用し、該リング発振器の発振周波数が理想的な周波数となるように前記リング発振器の可変遅延素子の遅延値を制御した場合に使用した遅延制御信号を前記半導体集積回路内のトランジスタの動作速度を反映しているものとして出力することを特徴とする付記7記載のピリオドジッタキャンセル回路。
(付記9)校正信号に基づいて、前記半導体集積回路のプロセスばらつき及び動作条件の変動による前記第3の遅延回路の遅延値の変動を補正制御する遅延変動補正制御回路を有することを特徴とする付記6記載のピリオドジッタキャンセル回路。
(付記10)前記選択制御信号生成回路は、前記第1のクロック信号と前記第3の遅延回路が出力する第3のクロック信号の位相を比較する位相比較回路と、該位相比較回路の出力を電流に変換するチャージポンプと、該チャージポンプの出力を電圧に変換するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力をディジタル値に変換するA/D変換回路と、該A/D変換回路の出力値と、前記ローパスフィルタの出力が中心電圧値のときの前記A/D変換回路の出力値との差分を計算する差分回路と、加算回路と、レジスタを有し、前記加算回路は、前記差分回路の出力と前記レジスタの格納値を加算し、前記レジスタは、前記加算回路の出力を更新的に格納し、格納値を前記選択制御信号として出力するものであることを特徴とする付記6〜9のいずれか一の付記に記載のピリオドジッタキャンセル回路。
(付記11)前記第2の遅延回路は、電圧制御可変遅延回路からなり、前記ピリオドジッタ測定回路は、前記第2の遅延回路の遅延値を制御する遅延制御バイアス電圧をピリオドジッタ測定結果として出力することを特徴とする付記1記載のピリオドジッタキャンセル回路。
(付記12)前記ピリオドジッタ測定回路は、前記第1のクロック信号を前記第1のクロック信号に求められている理想的な1周期分遅延する第3の遅延回路と、前記第1のクロック信号と前記第3の遅延回路が出力する第3のクロック信号との位相差を検出して前記遅延制御バイアス電圧を生成する遅延制御バイアス電圧生成回路を有することを特徴とする付記11記載のピリオドジッタキャンセル回路。
(付記13)前記半導体集積回路内のトランジスタの動作速度を検出するセンサの出力に基づいて、前記半導体集積回路のプロセスばらつき及び動作条件の変動による前記第3の遅延回路の遅延値の変動を補正制御する遅延変動補正制御回路を有することを特徴とする付記12記載のピリオドジッタキャンセル回路。
(付記14)前記センサは、可変遅延素子をリング接続したリング発振器を使用し、該リング発振器の発振周波数が理想的な周波数となるように前記リング発振器の可変遅延素子の遅延値を制御した場合に使用した遅延制御信号を前記半導体集積回路内のトランジスタの動作速度を反映しているものとして出力することを特徴とする付記13記載のピリオドジッタキャンセル回路。
(付記15)校正信号に基づいて、前記半導体集積回路のプロセスばらつき及び動作条件の変動による前記第3の遅延回路の遅延値の変動を補正制御する遅延変動補正制御回路を有することを特徴とする付記12記載のピリオドジッタキャンセル回路。
(付記16)前記遅延制御バイアス電圧生成回路は、前記第1のクロック信号と前記第3の遅延回路が出力する第3のクロック信号との位相を比較する第1の位相比較回路と、該第1の位相比較回路の出力を電流に変換する第1のチャージポンプと、該第1のチャージポンプの出力を電圧に変換する第1のローパスフィルタと、前記第1のクロック信号と前記第3の遅延回路が出力する第3のクロック信号との位相を比較する第2の位相比較回路と、該第2の位相比較回路の出力を反転する反転回路と、該反転回路の出力を電流に変換する第2のチャージポンプと、該第2のチャージポンプの出力を電圧に変換する第2のローパスフィルタを有し、前記第1のローパスフィルタの出力を第1の遅延制御バイアス電圧、前記第2のローパスフィルタの出力を第2の遅延制御バイアス電圧として出力することを特徴とする付記12〜15のいずれか一の付記に記載のピリオドジッタキャンセル回路。
(付記17)半導体集積回路に搭載される静的位相差キャンセル回路であって、比較クロック信号の基準クロック信号に対する静的位相差を測定する静的位相差測定回路と、第1のクロック信号を遅延して第2のクロック信号を出力する第1の遅延回路を有し、該第1の遅延回路において、前記静的位相差測定回路による静的位相差測定結果に基づいて、前記第1のクロック信号と前記第2のクロック信号との間で、前記比較クロック信号の前記基準クロック信号に対する静的位相差分をキャンセルすることを特徴とする静的位相差キャンセル回路。
(付記18)前記第1の遅延回路は、遅延値を異にする複数の遅延回路を有し、前記静的位相差測定回路は、前記複数の遅延回路の中から、前記第1のクロック信号の遅延を調整し、前記第1のクロック信号と前記第2のクロック信号との間で、前記比較クロック信号の前記基準クロック信号に対する静的位相差分をキャンセルし得る遅延回路を選択するための選択制御信号を静的位相差測定結果として出力することを特徴とする付記17記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記19)前記半導体集積回路内のトランジスタの動作速度を検出するセンサの出力に基づいて、前記半導体集積回路のプロセスばらつき及び動作条件の変動による前記複数の遅延回路の遅延値の変動を補正制御する遅延変動補正制御回路を有することを特徴とする付記18記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記20)前記センサは、可変遅延素子をリング接続したリング発振器を使用し、該リング発振器の発振周波数が理想的な周波数となるように前記リング発振器の可変遅延素子の遅延値を制御した場合に使用した遅延制御信号を前記半導体集積回路内のトランジスタの動作速度を反映しているものとして出力するものであることを特徴とする付記19記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記21)校正信号に基づいて、前記半導体集積回路のプロセスばらつき及び動作条件の変動による前記複数の遅延回路の遅延値の変動を補正制御する遅延変動補正制御回路を有することを特徴とする付記18記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記22)前記静的位相差測定回路は、前記基準クロック信号を遅延する第2の遅延回路と、前記第1の遅延回路と同一の構成を有し、前記比較クロック信号を遅延する第3の遅延回路と、前記第2の遅延回路が出力する遅延基準クロック信号と前記第3の遅延回路が出力する遅延比較クロック信号の位相を比較し、前記遅延制御信号を前記第1の遅延回路及び前記第3の遅延回路に与える遅延制御信号生成回路を有することを特徴とする付記18〜20のいずれか一の付記に記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記23)前記半導体集積回路内のトランジスタの動作速度を検出するセンサの出力に基づいて、前記半導体集積回路のプロセスばらつき及び動作条件の変動による前記第3の遅延回路の遅延値の変動を補正制御する遅延変動補正制御回路を有することを特徴とする付記22記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記24)前記センサは、可変遅延素子をリング接続したリング発振器を使用し、該リング発振器の発振周波数が理想的な周波数となるように前記リング発振器の可変遅延素子の遅延値を制御した場合に使用した遅延制御信号を前記半導体集積回路内のトランジスタの動作速度を反映しているものとして出力するものであることを特徴とする付記23記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記25)校正信号に基づいて、前記半導体集積回路のプロセスのバラツキ及び動作条件の変動による前記第3の遅延回路の遅延値の変動を補正制御する遅延変動補正制御回路を有することを特徴とする付記22記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記26)前記遅延制御信号生成回路は、前記遅延基準クロック信号と前記遅延比較クロック信号の位相を比較する位相比較回路と、該位相比較回路の出力を電流に変換するチャージポンプと、該チャージポンプの出力を電圧に変換するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力をディジタル値に変換するA/D変換回路と、該A/D変換回路の出力値と、前記ローパスフィルタの出力が中心電圧値のときの前記A/D変換回路の出力値との差分を計算する差分回路と、加算回路と、レジスタと、平均化回路を有し、前記加算回路は、前記差分回路の出力と前記レジスタの格納値を加算し、前記レジスタは、前記加算回路の出力を更新的に格納し、前記平均化回路は、前記レジスタの出力値を平均化し、その出力を前記遅延制御信号として出力するものであることを特徴とする付記22〜25のいずれか一の付記に記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記27)前記第1の遅延回路は、電圧制御可変遅延回路からなり、前記静的位相差測定回路は、前記第1の遅延回路の遅延値を制御する遅延制御バイアス電圧を静的位相差測定結果として出力することを特徴とする付記17記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記28)前記静的位相差測定回路は、前記基準クロック信号を遅延する第2の遅延回路と、前記第1の遅延回路と同一の構成を有し、前記比較クロック信号を遅延する第3の遅延回路と、前記第2の遅延回路が出力する遅延基準クロック信号と前記第3の遅延回路が出力する遅延比較クロック信号との位相を比較し、前記第1の遅延回路及び前記第3の遅延回路に与える前記遅延制御バイアス電圧を生成する遅延制御バイアス電圧生成回路を有することを特徴とする付記27記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記29)前記半導体集積回路内のトランジスタの動作速度を検出するセンサの出力に基づいて、前記半導体集積回路のプロセスばらつき及び動作条件の変動による前記第2の遅延回路の遅延値の変動を補正制御する遅延変動補正制御回路を有することを特徴とする付記28記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記30)前記センサは、可変遅延素子をリング接続したリング発振器を使用し、該リング発振器の発振周波数が理想的な周波数となるように前記リング発振器の可変遅延素子の遅延値を制御した場合に使用した遅延制御信号を前記半導体集積回路内のトランジスタの動作速度を反映しているものとして出力することを特徴とする付記29記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記31)校正信号に基づいて、前記半導体集積回路のプロセスばらつき及び動作条件の変動による前記第2の遅延回路の遅延値の変動を補正制御する遅延変動補正制御回路を有することを特徴とする付記28記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記32)前記遅延制御バイアス電圧生成回路は、前記遅延基準クロック信号と前記遅延比較クロック信号との位相を比較する第1の位相比較回路と、該第1の位相比較回路の出力を電流に変換する第1のチャージポンプと、該第1のチャージポンプの出力を電圧に変換する第1のローパスフィルタと、前記遅延基準クロック信号と前記遅延比較クロック信号との位相を比較する第2の位相比較回路と、該第2の位相比較回路の出力を反転する反転回路と、該反転回路の出力を電流に変換する第2のチャージポンプと、該第2のチャージポンプの出力を電圧に変換する第2のローパスフィルタを有し、前記第1のローパスフィルタの出力を第1の遅延制御バイアス電圧、前記第2のローパスフィルタの出力を第2の遅延制御バイアス電圧として出力することを特徴とする付記28〜31のいずれか一の付記に記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記33)半導体集積回路に搭載される静的位相差キャンセル回路であって、比較クロック信号の基準クロック信号に対する静的位相差を測定する静的位相差測定回路と、前記比較クロック信号を遅延して第1の遅延比較クロック信号を出力する第1の遅延回路を有し、該第1の遅延回路において、前記静的位相差測定回路による静的位相差測定結果に基づいて、前記比較クロック信号と前記第1の遅延比較クロック信号との間で、前記比較クロック信号の前記基準クロック信号に対する静的位相差分をキャンセルすることを特徴とする静的位相差キャンセル回路。
(付記34)前記第1の遅延回路は、遅延値を異にする複数の遅延回路を有し、前記静的位相差測定回路は、前記複数の遅延回路の中から、前記比較クロック信号の遅延を調整し、前記比較クロック信号と前記第1の遅延比較クロック信号との間で、前記比較クロック信号の前記基準クロック信号に対する静的位相差分をキャンセルし得る遅延回路を選択するための選択制御信号を静的位相差測定結果として出力することを特徴とする付記33記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記35)前記半導体集積回路内のトランジスタの動作速度を検出するセンサの出力に基づいて、前記半導体集積回路のプロセスばらつき及び動作条件の変動による前記複数の遅延回路の遅延値の変動を補正制御する遅延変動補正制御回路を有することを特徴とする付記34記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記36)前記センサは、可変遅延素子をリング接続したリング発振器を使用し、該リング発振器の発振周波数が理想的な周波数となるように前記リング発振器の可変遅延素子の遅延値を制御した場合に使用した遅延制御信号を前記半導体集積回路内のトランジスタの動作速度を反映しているものとして出力するものであることを特徴とする付記35記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記37)校正信号に基づいて、前記半導体集積回路のプロセスばらつき及び動作条件の変動による前記複数の遅延回路の遅延値の変動を補正制御する遅延変動補正制御回路を有することを特徴とする付記34記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記38)前記静的位相差測定回路は、前記基準クロック信号を遅延する第2の遅延回路と、前記第1の遅延回路と同一の構成を有し、前記比較クロック信号を遅延する第3の遅延回路と、前記第2の遅延回路が出力する遅延基準クロック信号と前記第3の遅延回路が出力する遅延比較クロック信号との位相を比較して前記選択制御信号を生成する選択制御信号生成回路を有することを特徴とする付記34〜37のいずれか一の付記に記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記39)前記半導体集積回路内のトランジスタの動作速度を検出するセンサの出力に基づいて、前記半導体集積回路のプロセスばらつき及び動作条件の変動による前記第3の遅延回路の遅延値の変動を補正制御する遅延変動補正制御回路を有することを特徴とする付記38記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記40)前記センサは、可変遅延素子をリング接続したリング発振器を使用し、該リング発振器の発振周波数が理想的な周波数となるように前記リング発振器の可変遅延素子の遅延値を制御した場合に使用した遅延制御信号を前記半導体集積回路内のトランジスタの動作速度を反映しているものとして出力するものであることを特徴とする付記39記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記41)校正信号に基づいて、前記半導体集積回路のプロセスのバラツキ及び動作条件の変動による前記第2の遅延回路の遅延値の変動を補正制御する遅延変動補正制御回路を有することを特徴とする付記38記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記42)前記遅延制御信号生成回路は、前記遅延基準クロック信号と前記遅延比較クロック信号の位相を比較する位相比較回路と、該位相比較回路の出力を電流に変換するチャージポンプと、該チャージポンプの出力を電圧に変換するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力をディジタル値に変換するA/D変換回路と、該A/D変換回路の出力値と、前記ローパスフィルタの出力が中心電圧値のときの前記A/D変換回路の出力値との差分を計算する差分回路と、加算回路と、レジスタと、平均化回路を有し、前記加算回路は、前記差分回路の出力と前記レジスタの格納値を加算し、前記レジスタは、前記加算回路の出力を更新的に格納し、前記平均化回路は、前記レジスタの出力値を平均化し、その出力を前記遅延制御信号として出力するものであることを特徴とする付記38〜41のいずれか一の付記に記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記43)前記第1の遅延回路は、電圧制御可変遅延回路からなり、前記静的位相差測定回路は、前記第1の遅延回路の遅延値を制御する遅延制御バイアス電圧を静的位相差測定結果として出力することを特徴とする付記33記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記44)前記静的位相差測定回路は、前記基準クロック信号を遅延する第2の遅延回路と、前記第1の遅延回路と同一の構成を有し、前記比較クロック信号を遅延する第3の遅延回路と、前記第2の遅延回路が出力する遅延基準クロック信号と前記第3の遅延回路が出力する遅延比較クロック信号との位相を比較して前記遅延制御バイアス電圧を生成する遅延制御バイアス電圧生成回路を有することを特徴とする付記43記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記45)前記半導体集積回路内のトランジスタの動作速度を検出するセンサの出力に基づいて、前記半導体集積回路のプロセスばらつき及び動作条件の変動による前記第2の遅延回路の遅延値の変動を補正制御する遅延変動補正制御回路を有することを特徴とする付記44記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記46)前記センサは、可変遅延素子をリング接続したリング発振器を使用し、該リング発振器の発振周波数が理想的な周波数となるように前記リング発振器の可変遅延素子の遅延値を制御した場合に使用した遅延制御信号を前記半導体集積回路内のトランジスタの動作速度を反映しているものとして出力することを特徴とする付記45記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記47)校正信号に基づいて、前記半導体集積回路のプロセスばらつき及び動作条件の変動による前記第2の遅延回路の遅延値の変動を補正制御する遅延変動補正制御回路を有することを特徴とする付記44記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記48)前記遅延制御バイアス電圧生成回路は、前記遅延基準クロック信号と前記第2の遅延比較クロック信号との位相を比較する第1の位相比較回路と、該第1の位相比較回路の出力を電流に変換する第1のチャージポンプと、該第1のチャージポンプの出力を電圧に変換する第1のローパスフィルタと、前記遅延基準クロック信号と前記遅延比較クロック信号との位相を比較する第2の位相比較回路と、該第2の位相比較回路の出力を反転する反転回路と、該反転回路の出力を電流に変換する第2のチャージポンプと、該第2のチャージポンプの出力を電圧に変換する第2のローパスフィルタを有し、前記第1のローパスフィルタの出力を第1の遅延制御バイアス電圧、前記第2のローパスフィルタの出力を第2の遅延制御バイアス電圧としていることを特徴とする付記44〜47のいずれか一の付記に記載の静的位相差キャンセル回路。
(付記49)付記1〜16のいずれか一の付記に記載のピリオドジッタキャンセル回路と、付記33〜48のいずれか一の付記に記載の静的位相差キャンセル回路を有し、前記ピリオドジッタキャンセル回路における第1のクロック信号を前記静的位相差キャンセル回路の第1のクロック信号とし、前記ピリオドジッタキャンセル回路が出力するクロック信号を前記静的位相差キャンセル回路における第2のクロック信号としていることを特徴とするピリオドジッタキャンセル回路。
(付記50)半導体集積回路に搭載されるピリオドジッタ測定回路であって、第1のクロック信号を1周期分遅延する第1の遅延回路と、前記第1のクロック信号と前記第1の遅延回路が出力する第2のクロック信号との位相差をピリオドジッタとして検出するピリオドジッタ検出回路を有することを特徴とするピリオドジッタ測定回路。
(付記51)前記半導体集積回路内のトランジスタの動作速度を検出するセンサの出力に基づいて、前記半導体集積回路のプロセスばらつき及び動作条件の変動による前記第1の遅延回路の遅延値の変動を補正制御する遅延変動補正制御回路を有することを特徴とする付記50記載のピリオドジッタ測定回路。
(付記52)前記センサは、可変遅延素子をリング接続したリング発振器を使用し、該リング発振器の発振周波数が理想的な周波数となるように前記リング発振器の可変遅延素子の遅延値を制御した場合に使用した遅延制御信号を前記半導体集積回路内のトランジスタの動作速度を反映しているものとして出力することを特徴とする付記51記載のピリオドジッタ測定回路。
(付記53)校正信号に基づいて、前記半導体集積回路のプロセスばらつき及び動作条件の変動による前記第3の遅延回路の遅延値の変動を補正制御する遅延変動補正制御回路を有することを特徴とする付記50記載のピリオドジッタ測定回路。
(付記54)前記ピリオドジッタ検出回路は、前記第1のクロック信号と前記第1の可変遅延回路が出力する第3のクロック信号の位相を比較する位相比較回路と、該位相比較回路の出力を電流に変換するチャージポンプと、該チャージポンプの出力を電圧に変換するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力をディジタル値に変換するA/D変換回路と、該A/D変換回路の出力値と、前記ローパスフィルタの出力が中心電圧値のときの前記A/D変換回路の出力値との差分を計算する差分回路と、加算回路と、レジスタを有し、前記加算回路は、前記差分回路の出力と前記レジスタの格納値を加算し、前記レジスタは、前記加算回路の出力を更新的に格納し、格納値を前記選択制御信号として出力するものであることを特徴とする付記50〜53のいずれか一の付記に記載のピリオドジッタ測定回路。
(付記55)前記ピリオドジッタ検出回路は、前記第1のクロック信号と前記第1の遅延回路が出力する第3のクロック信号の位相を比較する第1の位相比較回路と、該第1の位相比較回路の出力を電流に変換する第1のチャージポンプと、該第1のチャージポンプの出力を電圧に変換する第1のローパスフィルタと、前記第1のクロック信号と前記第3のクロック信号の位相を比較する第2の位相比較回路と、該第2の位相比較回路の出力を反転する反転回路と、該反転回路の出力を電流に変換する第2のチャージポンプと、該第2のチャージポンプの出力を電圧に変換する第2のローパスフィルタを有することを特徴とする付記50〜53のいずれか一の付記に記載のピリオドジッタ測定回路。
(付記56)半導体集積回路に搭載される静的位相差測定回路であって、基準クロック信号を遅延して遅延基準クロック信号を出力する第1の遅延回路と、比較クロック信号を遅延して遅延比較クロック信号を出力する第2の遅延回路と、前記遅延比較クロック信号の前記遅延基準クロック信号に対する静的位相差を検出し、前記第2の遅延回路の遅延値を前記遅延比較クロック信号の前記遅延基準クロック信号に対する静的位相差をキャンセルし得る値に制御する静的位相差検出回路を有することを特徴とする静的位相差測定回路。
(付記57)前記半導体集積回路内のトランジスタの動作速度を検出するセンサの出力に基づいて、前記半導体集積回路のプロセスばらつき及び動作条件の変動による前記第1の遅延回路の遅延値の変動を補正制御する遅延変動補正制御回路を有することを特徴とする付記56記載の静的位相差測定回路。
(付記58)前記センサは、可変遅延素子をリング接続したリング発振器を使用し、該リング発振器の発振周波数が理想的な周波数となるように前記リング発振器の可変遅延素子の遅延値を制御した場合に使用した遅延制御信号を前記半導体集積回路内のトランジスタの動作速度を反映しているものとして出力するものであることを特徴とする付記57記載の静的位相差測定回路。
(付記59)校正信号に基づいて、前記半導体集積回路のプロセスのバラツキ及び動作条件の変動による前記第1の遅延回路の遅延値の変動を補正制御する遅延変動補正制御回路を有することを特徴とする付記56記載の静的位相差測定回路。
(付記60)前記第2の遅延回路は、遅延値を異にする複数の遅延回路を有し、前記制御回路は、前記複数の遅延回路の中から、前記第2のクロック信号の遅延を調整して前記遅延比較クロック信号の前記遅延基準クロック信号に対する静的位相差を低減し得る遅延回路を選択するための遅延制御信号を前記第2の遅延回路に与えることを特徴とする付記56〜59のいずれか一の付記に記載の静的位相差測定回路。
(付記61)前記半導体集積回路内のトランジスタの動作速度を検出するセンサの出力に基づいて、前記半導体集積回路のプロセスばらつき及び動作条件の変動による前記複数の遅延回路の遅延値の変動を補正制御する遅延変動補正制御回路を有することを特徴とする付記60記載の静的位相差測定回路。
(付記62)前記センサは、可変遅延素子をリング接続したリング発振器を使用し、該リング発振器の発振周波数が理想的な周波数となるように前記リング発振器の可変遅延素子の遅延値を制御した場合に使用した遅延制御信号を前記半導体集積回路内のトランジスタの動作速度を反映しているものとして出力することを特徴とする付記61記載の静的位相差測定回路。
(付記63)校正信号に基づいて、前記半導体集積回路のプロセスばらつき及び動作条件の変動による前記複数の遅延回路の遅延値の変動を補正制御する遅延変動補正制御回路を有することを特徴とする付記60記載の静的位相差測定回路。
(付記64)前記静的位相差検出回路は、前記遅延基準クロック信号と前記遅延比較クロック信号の位相を比較する位相比較回路と、該位相比較回路の出力を電流に変換するチャージポンプと、該チャージポンプの出力を電圧に変換するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力をディジタル値に変換するA/D変換回路と、該A/D変換回路の出力値と、前記ローパスフィルタの出力が中心電圧値のときの前記A/D変換回路の出力値との差分を計算する差分回路と、加算回路と、レジスタと、平均化回路を有し、前記加算回路は、前記差分回路の出力と前記レジスタの格納値を加算し、前記レジスタは、前記加算回路の出力を更新的に格納し、前記平均化回路は、前記レジスタの出力値を平均化し、その出力を前記遅延制御信号として出力するものであることを特徴とする付記60〜63のいずれか一の付記に記載の静的位相差測定回路。
(付記65)前記第2の遅延回路は、電圧制御可変遅延回路からなり、前記静的位相差検出回路は、前記第2の遅延回路の遅延値を制御する遅延制御バイアス電圧を前記第2の遅延回路に与えることを特徴とする56〜59のいずれか一の付記に記載の静的位相差測定回路。
(付記66)前記静的位相差検出回路は、前記第1の遅延回路が出力する遅延基準クロック信号と前記第2の遅延回路が出力する遅延比較クロック信号の位相を比較する第1の位相比較回路と、該第1の位相比較回路の出力を電流に変換する第1のチャージポンプと、該第1のチャージポンプの出力を電圧に変換する第1のローパスフィルタと、前記遅延基準クロック信号と前記遅延比較クロック信号との位相を比較する第2の位相比較回路と、該第2の位相比較回路の出力を反転する反転回路と、該反転回路の出力を電流に変換する第2のチャージポンプと、該第2のチャージポンプの出力を電圧に変換する第2のローパスフィルタを有していることを特徴とする付記65記載の静的位相差測定回路。
(付記67)第1のクロック信号と第2のクロック信号との間に静的位相差を設定し、該静的位相差の変動を調整する位相差調整回路であって、前記第2のクロック信号の上流側伝送路に位置する第1の可変遅延回路と、遅延値を設定可能とされ、前記第1のクロック信号を遅延する第2の可変遅延回路と、該第2の可変遅延回路が出力する第3のクロック信号と前記第2のクロック信号との間の静的位相差を測定し、前記第3のクロック信号と前記第2のクロック信号との間の静的位相差がなくなるように前記第1の可変遅延回路の遅延値を制御する静的位相差測定回路を有することを特徴とする位相差調整回路。
(付記68)第1のクロック信号と第2のクロック信号との間に静的位相差を設定し、該静的位相差の変動を調整する位相差調整回路であって、前記第2のクロック信号の上流側伝送路に位置する第1の可変遅延回路と、遅延値を設定可能とされ、前記第2のクロック信号を遅延する第2の可変遅延回路と、前記第1のクロック信号と前記第2の可変遅延回路が出力する第3のクロック信号との間の静的位相差を測定し、前記第1のクロック信号と前記第3のクロック信号との間の静的位相差がなくなるように前記第1の可変遅延回路の遅延値を制御する静的位相差測定回路を有することを特徴とする位相差調整回路。
本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態の構成を示す回路図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態が備えるトランジスタ動作速度センサの構成を示す回路図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態が備えるトランジスタ動作速度センサ内の発振回路の構成を示す回路図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態が備えるトランジスタ動作速度センサ内の発振回路を構成するNAND回路の構成を示す回路図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態が備えるトランジスタ動作速度センサ内の発振回路を構成するインバータの構成を示す回路図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態が備えるトランジスタ動作速度センサ内の遅延制御バイアス電圧生成回路の構成を示す回路図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態が備えるトランジスタ動作速度センサの動作を説明するための波形図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態が備えるピリオドジッタ測定回路の構成を示す回路図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態が備えるピリオドジッタ測定回路内の電圧制御可変遅延回路の構成を示す回路図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態が備えるピリオドジッタ測定回路内の電圧制御可変遅延回路を構成する電圧制御可変遅延バッファの構成を示す回路図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態が備えるピリオドジッタ測定回路内の電圧制御可変遅延回路の動作例を示す波形図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態が備えるピリオドジッタ測定回路内の位相比較回路の動作例を示す回路図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態が備えるピリオドジッタ測定回路内のチャージポンプの構成を示す回路図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態が備えるピリオドジッタ測定回路内のチャージポンプの動作例を示す波形図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態が備えるピリオドジッタ測定回路内のローパスフィルタの構成を示す回路図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態が備えるピリオドジッタ測定回路内のローパスフィルタの動作例を示す波形図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態が備えるピリオドジッタ測定回路の動作例を示す波形図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態が備えるディジタル制御遅延回路の構成を示す回路図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態が備えるディジタル制御遅延回路内の電圧制御遅延調整機能付きディジタル制御可変遅延回路の構成を示す回路図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態の動作例を示す波形図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態の動作例を示す波形図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態の動作例を示す波形図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第1実施形態の使用例を示す回路図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第2実施形態の構成を示す回路図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第2実施形態が備えるピリオドジッタ測定回路の構成を示す回路図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第3実施形態の構成を示す回路図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第3実施形態が備えるピリオドジッタ測定回路の構成を示す回路図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第3実施形態が備えるピリオドジッタ測定回路内のディレイロック方式遅延制御回路の構成を示す回路図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第3実施形態が備えるディジタル制御遅延回路の構成を示す回路図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第4実施形態の構成を示す回路図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第4実施形態が備えるピリオドジッタ測定回路の構成を示す回路図である。 本発明の静的位相差キャンセル回路の第1実施形態の構成を示す回路図である。 本発明の静的位相差キャンセル回路の第1実施形態が備える静的位相差測定回路の構成を示す回路図である。 本発明の静的位相差キャンセル回路の第1実施形態の第1使用例を示す回路図である。 本発明の静的位相差キャンセル回路の第1実施形態の第2使用例を示す回路図である。 本発明の静的位相差キャンセル回路の第2実施形態の構成を示す回路図である。 本発明の静的位相差キャンセル回路の第2実施形態が備える静的位相差測定回路の構成を示す回路図である。 本発明の静的位相差キャンセル回路の第3実施形態の構成を示す回路図である。 本発明の静的位相差キャンセル回路の第3実施形態が備える静的位相差測定回路の構成を示す回路図である。 本発明の静的位相差キャンセル回路の第4実施形態の構成を示す回路図である。 本発明の静的位相差キャンセル回路の第4実施形態が備える静的位相差測定回路の構成を示す回路図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第5実施形態の構成を示す回路図である。 本発明のピリオドジッタキャンセル回路の第6実施形態の構成を示す回路図である。 本発明の位相差調整回路の第1実施形態の構成を示す回路図である。 本発明の位相差調整回路の第1実施形態が備える静的位相差測定回路の構成を示す回路図である。 本発明の位相差調整回路の第1実施形態の効果を説明するための波形図である。 本発明の位相差調整回路の第1実施形態の使用例を示す回路図である。 本発明の位相差調整回路の第2実施形態の構成を示す回路図である。 本発明の位相差調整回路の第2実施形態の効果を説明するための波形図である。
符号の説明
(図1)
1、2…トランジスタ動作速度センサ、3…ピリオドジッタ測定回路、4…遅延回路、5…ディジタル制御遅延回路、6〜11…バッファ
(図2)
20…初期値入力端子、21…発振回路、22…カウンタ、23…比較回路、24…セレクタ、25…累積加算回路、26…遅延制御バイアス電圧生成回路、27…加算器、28…レジスタ
(図3)
30…リング発振器、31…NAND回路、32〜35…インバータ、36…バッファ
(図4)
40〜43…PチャネルMOSトランジスタ、44〜46…NチャネルMOSトランジスタ
(図5)
50、51…PチャネルMOSトランジスタ、52、53…NチャネルMOSトランジスタ
(図6)
60…D/A変換回路、61…ビット反転器、62…加算器、63…D/A変換回路
(図8)
70…遅延制御バイアス電圧生成回路、71…電圧制御可変遅延回路、72…位相比較回路、73…チャージポンプ、74…ローパスフィルタ、75…A/D変換回路、76…差分回路、77…加算回路、78…レジスタ
(図9)
80_1〜80_4、80_M…電圧制御可変遅延バッファ
(図10)
90〜93…PチャネルMOSトランジスタ、94〜97…NチャネルMOSトランジスタ
(図13)
100、101…電流源、102…PチャネルMOSトランジスタ、103…NチャネルMOSトランジスタ
(図15)
105…キャパシタ
(図18)
110…遅延制御バイアス電圧生成回路、111…電圧制御遅延調整機能付きディジタル制御可変遅延回路
(図19)
115…電圧制御可変遅延バッファ、117…セレクタ
(図23)
120…LSI、121…クロック入力端子、122…クロック入力バッファ、123…PLL、124…PLLブロック、125…フィードバック回路、126…バッファ、127…分周器、128…バッファ、129…分周器、130〜133…バッファ、134…データ送信回路、135〜139…バッファ、140〜144…Dフリップフロップ、145〜149…データ出力バッファ、150〜154…データ出力端子、155…ピリオドジッタキャンセル回路、156…分周器、157〜159…バッファ、160…ピリオドジッタキャンセル回路、161…データ送信回路、162〜169…バッファ、170〜177…Dフリップフロップ、178〜185…データ出力バッファ、186〜193…データ出力端子、194…インバータ、195…分周器、196…Dフリップフロップ、197…インバータ、198…ピリオドジッタキャンセル回路、199…クロック出力バッファ、200…クロック出力端子
(図24)
210…トランジスタ動作速度センサ、211…ピリオドジッタ測定回路、212…遅延回路、213…ディジタル制御遅延回路、214〜219…バッファ
(図25)
230…遅延制御バイアス電圧生成回路、231…電圧制御可変遅延回路、232…位相比較回路、233…チャージポンプ、234…ローパスフィルタ、235…位相比較回路、236、237…インバータ、238…チャージポンプ、239…ローパスフィルタ
(図26)
250…ピリオドジッタ測定回路、251…遅延回路、252…ディジタル制御遅延回路、253〜258…バッファ
(図27)
260…ディレイロック方式遅延制御回路
(図29)
263…ディレイロック方式遅延制御回路
(図30)
270…ピリオドジッタ測定回路、271…遅延回路、272…電圧制御可変遅延回路、273〜278…バッファ
(図31)
280…ディレイロック方式遅延制御回路
(図32)
290、291…トランジスタ動作速度センサ、292…静的位相差測定回路、293…ディジタル制御遅延回路
(図33)
300…遅延制御バイアス電圧生成回路、301…電圧制御可変遅延回路、302…位相比較回路、303…チャージポンプ、304…ローパスフィルタ、305…A/D変換回路、306…差分回路、307…加算回路、308…レジスタ、309…平均化回路、310…トランジスタ動作速度センサ、311…ディジタル制御遅延回路
(図34)
312…LSI、313…静的位相差キャンセル回路
(図35)
315…LSI、316…バッファ、317…分周器、318…クロック出力バッファ、319…クロック出力端子、320…クロック入力端子、321…クロック入力バッファ、322…静的位相差キャンセル回路、323…Dフリップフロップ、324…インバータ
(図36)
330…トランジスタ動作速度センサ、331…静的位相差測定回路、332…電圧制御可変遅延回路
(図37)
340…遅延制御バイアス電圧生成回路、350…電圧制御可変遅延回路
(図38)
360…静的位相差測定回路、361…ディジタル制御遅延回路
(図39)
364…ディレイロック方式遅延制御回路
(図40)
370…静的位相差測定回路、371…電圧制御可変遅延回路
(図41)
374…ディレイロック方式遅延制御回路
(図42)
380…ピリオドジッタキャンセル回路、381…静的位相差キャンセル回路
(図43)
390…ピリオドジッタキャンセル回路、391…静的位相差キャンセル回路
(図44)
400…クロック信号配線、401〜410…バッファ、411…クロック信号配線、412〜416…バッファ、417…本発明の位相差調整回路の第1実施形態、418、419…トランジスタ動作速度センサ、420、421…ディジタル制御遅延回路、422…静的位相差測定回路
(図45)
430…位相比較回路、431…チャージポンプ、432…ローパスフィルタ、433…A/D変換回路、434…差分回路、435…セレクタ、436…加算回路、437…レジスタ、438…平均化回路
(図47)
440…LSI、441〜462…バッファ、463〜466…Dフリップフロップ、467…分周器、468、469…データ出力バッファ、470…クロック出力バッファ、471…データ入力バッファ、472…データストローブ信号入力バッファ、473…DLL、474…データ(DC0)出力端子、475…データ(DC1)出力端子、476…クロック信号(CLK8)出力端子、477…データ(DD0)入力端子、478…データストローブ信号(DS0)入力端子、479、480、481…位相差調整回路、482…Dフリップフロップ、483…インバータ
(図48)
490…本発明の位相差調整回路の第2実施形態

Claims (2)

  1. 第1のクロック信号のピリオドジッタを測定するピリオドジッタ測定回路と、
    前記第1のクロック信号を前記ピリオドジッタ測定回路の遅延時間分遅延して第2のクロック信号を出力する第1の遅延回路と、
    前記ピリオドジッタ測定回路が出力する前記第1のクロック信号のピリオドジッタ測定結果と、前記ピリオドジッタ測定結果を得た前記第1のクロック信号のピリオドジッタがキャンセルされていない前記第2のクロック信号とを入力し、前記ピリオドジッタ測定結果に基づいて、前記第2のクロック信号の遅延を調整して前記第2のクロック信号のピリオドジッタをキャンセルする第2の遅延回路を有し、
    前記第2の遅延回路は、遅延値を異にする複数の遅延回路を有し、
    前記ピリオドジッタ測定回路は、前記複数の遅延回路の中から、前記第2のクロック信号の遅延を調整して前記第2のクロック信号のピリオドジッタをキャンセルした第3のクロック信号を出力し得る遅延回路を選択するための選択制御信号を前記ピリオドジッタ測定結果として出力すること
    を特徴とするピリオドジッタキャンセル回路。
  2. 前記ピリオドジッタ測定回路は、前記第1のクロック信号と前記第1のクロック信号を1周期分遅延した第4のクロック信号との位相差をピリオドジッタとして検出するピリオドジッタ検出回路を有すること
    を特徴とする請求項1に記載のピリオドジッタキャンセル回路。
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