JP5302638B2 - 歯車加工装置及びフレージングカッタ - Google Patents

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Description

本発明は、被削歯車に対して噛合し、該被削歯車の各歯に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅の面取りを行い、歯幅に対応した2層の歯列を備えるフレージングカッタ及び該フレージングカッタを備える歯車加工装置に関する。
近時の自動車は高出力でありながらも静粛性及び耐久性が要求されており、動力伝達(例えば変速機)に用いられる歯車には動力を確実に伝達するとともに騒音を発生しないように一層高精度な歯面が望まれている。
このような高精度の歯車の加工としては、一般的にホブによる粗切削加工、面取り加工、シェービングカッタによる歯面の成形、熱処理による浸炭及び焼入れを行い、さらに精度を向上させるために歯車研削やギアホーニング加工を行う。
このうち、ホブによる粗切削加工が終了した段階では、歯面の端面角部が尖っており、そのままでは熱処理により過度の浸炭がなされ、ガラス状に硬化(脆弱化)する懸念がある。このため、面取り加工を行い、過度の浸炭防止及び歯車強度を向上させている。
面取り加工としては、被削歯車の歯面の端面角部を押しつぶすフレージングカッタが広汎に用いられている。フレージングカッタは、被削歯車に対して軸交差角なく噛合して歯車の角部を押しつぶす。フレージングカッタを用いた加工方法としては、例えば特許文献1及び特許文献2が挙げられる。特許文献1では、被削歯車に対してフレージングカッタを軸交差角0°として噛合させることが開示されている。特許文献2では、被削歯車に対してフレージングカッタを所定の軸交差角をもって噛合させることが開示されている。
また、本出願人は、これに関連する発明として特願2007−202411号において歯車加工装置を提案している。
特開昭54−15596号公報 特開昭61−284318号公報
前記の通り、高出力、静粛性及び耐久性が要求される高精度な歯車の製作には、一般に粗切削加工、フレージングカッタによる面取り加工、シェービングカッタによる歯面の成形、熱処理、及び歯車研削やギアホーニング加工を行う。
フレージングカッタによる面取り加工では、歯面の端面角部を適切に面取りすることができるが、基本的には押しつぶす加工であることから余肉が横側に押し出されることになり、該余肉による盛り上がり部が生じる。
このような盛り上がり部は、後の研削工程で研削して除去することも可能であるが、研削工程の前には熱処理を行っており、盛り上がり部は相当に硬くなっているので、研削工具に与える負荷が大きくしかも研削に時間がかかる。また、研削加工を行うことは生産効率等の観点からコスト高となり、省略できることが望ましい。
仮に、研削工程を省略するとその後のギアホーニング加工で砥石に対する負荷が極めて大きく、好ましくない。熱処理後であって被削歯車の硬度が高くなっており、しかも加工中にギアホーニングの砥石と被削歯車は同じ箇所が当接し、盛り上がり部に当接する箇所のみが極端に摩耗してしまうからである。
前記の特許文献2記載の工具では、被削歯車に対してフレージングカッタを所定の軸交差角をもって噛合させることとしているが、不用意に軸交差角を設けるとフレージングカッタの歯の端部が被削歯車の歯面と干渉してしまう。また、この工具は歯面に切削刃としてのセレーションが設けられており、製作が難しい。
一方、要求精度が比較的低く、熱処理を実施しない歯車についても、フレージングカッタの面取り加工をして発生する盛り上がり部について対策をせずにシェービング等の歯面仕上げを行えば、盛り上がり部が工具に対する負荷となり、工具寿命は必然的に短くなる。これにより、工具交換作業のために工作機械を停止させる回数や、メンテナンス及び点検の回数が増加するとともに、工具費用の増加が懸念される。
これに対し、前記の特願2007−202411号に係る歯車加工装置によれば、フレージングカッタは軸交差角をもって被削歯車に噛合することから、被削歯車の端面角部に対して押しつぶして面取りするだけでなく、押しつぶしによる余肉の盛り上がり部の発生を抑制することができて好適である。
ところで、ワークとしての被削歯車の尖鋭部は、各歯に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅に存在する。特願2007−202411号に係る歯車加工装置によれば、被削歯車がはすば型の場合で、一工程で面取りをすることができるのは被削歯車の歯の鋭角側又は鈍角側のいずれか一方だけであり、鋭角側及び鈍角側の両方の端部の面取りをするためには、それぞれ専用のフレージングカッタを用意して、別工程で行う必要があり効率的ではない。
また、フレージングカッタを被削歯車に適切に噛合させるためには、基礎円を設定して被削歯車と同じ軸直角モジュールとなるように加工歯を設定するが、軸交差角ψをもって噛合させて、且つ鋭角側及び鈍角側の両方に加工歯を当接させると、鋭角側の方が鈍角側よりも被削歯車の歯底に近い箇所まで接触する。これにより、被削歯車の歯は鋭角側の面取り部長さが長く、鈍角側の面取り部長さが短いアンバランスな面取りとなってしまう。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、歯面の端面角部を適切に面取りするとともに、端面角部の近傍の盛り上がり部の発生を抑制することができるとともに、該被削歯車の各歯に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅の面取りを効率的に行うことができる歯車加工装置及びフレージングカッタを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、該被削歯車の各歯に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅の面取りを効率的に行うことができるとともに、被削歯車の歯の鋭角側及び鈍角側の端部をバランスよく面取りすることができる歯車加工装置及びフレージングカッタを提供することを目的とする。
本発明に係る歯車加工装置は、以下の特徴を有する。
第1の特徴;本発明に係る歯車加工装置は、はすば型の被削歯車を軸支するワーク支持部と、前記ワーク支持部に設けられた前記被削歯車に対して噛合し、該被削歯車の各歯に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅の面取りを行い、前記歯幅に対応した2層の歯列を備えるフレージングカッタと、前記フレージングカッタを軸支するカッタ支持部とを有し、前記カッタ支持部は、前記フレージングカッタを前記被削歯車に対して0でない軸交差角ψをもって噛合させ、前記フレージングカッタの加工歯は、前記被削歯車の歯の鋭角側の角部に接触する鋭角部当接面の接触部最大径が、前記被削歯車の歯の鈍角側の角部に接触する鈍角部当接面に接触する接触部最大径よりも小さく設定されていることを特徴とする。
このように、フレージングカッタは軸交差角ψをもって被削歯車に噛合することから、被削歯車の端面角部に対して押しつぶして面取りするだけでなく、押しつぶしによる余肉の盛り上がり部の発生を抑制することができる。また、被削歯車の各歯に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅の面取りを同時に行うことができて効率的である。さらに、鋭角部当接面の接触部最大径を、鈍角部当接面に接触する接触部最大径よりも小さく設定することにより、被削歯車の歯の鋭角側及び鈍角側の角部をバランスよく面取りすることができる。
第2の特徴;本発明に係る歯車加工装置は、はすば型の被削歯車を軸支するワーク支持部と、前記ワーク支持部に設けられた前記被削歯車に対して噛合し、該被削歯車の各歯に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅の面取りを行い、前記歯幅に対応した2層の歯列を備えるフレージングカッタと、前記フレージングカッタを軸支するカッタ支持部とを有し、前記カッタ支持部は、前記フレージングカッタを前記被削歯車に対して0でない軸交差角ψをもって噛合させ、前記フレージングカッタの加工歯は、前記被削歯車の歯の鋭角側の角部に接触する鋭角部当接面側及び鈍角側の角部に接触する鈍角部当接面側の各先端部が断面円弧形状であり、鋭角部当接面側の歯先半径Raが鈍角部当接面側の歯先半径Rbよりも大きく設定されていることを特徴とする。
このように、フレージングカッタは軸交差角ψをもって被削歯車に噛合することから、被削歯車の端面角部に対して押しつぶして面取りするだけでなく、押しつぶしによる余肉の盛り上がり部の発生を抑制することができる。また、被削歯車の各歯に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅の面取りを同時に行うことができて効率的である。さらに、鋭角部当接面側の歯先半径Raを、鈍角部当接面側の歯先半径Rbよりも大きく設定することにより、被削歯車の歯の鋭角側及び鈍角側の角部をバランスよく面取りすることができる。
第3の特徴;前記鋭角部当接面の接触部最大径は、カッタ外径−(1−sinαa)×Ra×2であり、前記鈍角部当接面の接触部最大径は、カッタ外径−(1−sinαb)×Rb×2であり、αaは前記鋭角側のカッタ歯先の圧力角、αbは前記鈍角側のカッタ歯先の圧力角であることを特徴とする。
このような設定によれば、鋭角部当接面の接触部最大径と鈍角部当接面に接触する接触部最大径を適切に設定することができるとともに、簡便形状であってフレージングカッタの製作が容易である。カッタ外径は直径で表している。
第4の特徴;前記フレージングカッタと前記被削歯車の噛合部において、前記ワーク支持部の回転軸を基準とした前記被削歯車の捩れ角βの傾斜方向と、前記軸交差角ψの傾斜方向と、前記フレージングカッタにおける前記被削歯車の鋭角側を加工する加工歯の歯面を基準とした前記軸交差角ψの傾斜方向は同じであることを特徴とする。
これにより、フレージングカッタにおける鋭角部当接面の傾斜角度を適切に設定することができ、設計上の自由度が向上する。
第5の特徴;この場合、前記フレージングカッタと前記被削歯車の噛合部において、前記ワーク支持部の回転軸と、前記フレージングカッタにおける前記被削歯車の鋭角側を加工する加工歯の歯面は平行にしてもよい。
第6の特徴;前記フレージングカッタの加工歯の歯面は、切削刃としての角部がないインボリュート面であることを特徴とする。これにより、該フレージングカッタの製作が容易である。
第7の特徴;前記軸交差角ψは、5°〜8°であることを特徴とする。これにより、歯の強度及び加工効果がそれぞれ好適となる。
第8の特徴;本発明に係る歯車加工装置は、平歯型の被削歯車を軸支するワーク支持部と、前記ワーク支持部に設けられた前記被削歯車に対して噛合し、該被削歯車の各歯に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅の面取りを行い、前記歯幅に対応した2層の歯列を備えるフレージングカッタと、前記フレージングカッタを軸支するカッタ支持部とを有し、前記カッタ支持部は、前記フレージングカッタを前記被削歯車に対して0でない軸交差角ψをもって噛合することを特徴とする。
このように、フレージングカッタは軸交差角ψをもって被削歯車に噛合することから、被削歯車の端面角部に対して押しつぶして面取りするだけでなく、押しつぶしによる余肉の盛り上がり部の発生を抑制することができる。また、被削歯車の各歯に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅の面取りを同時に行うことができて効率的である。
第9の特徴;本発明に係るフレージングカッタは、はすば型の被削歯車の各歯に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅の面取りを行い、前記歯幅に対応した2層の歯列を備えるフレージングカッタであって、前記被削歯車に対して0でない軸交差角ψをもって噛合され、前記フレージングカッタの加工歯は、前記被削歯車の歯の鋭角側の角部に接触する鋭角部当接面の接触部最大径が、前記被削歯車の歯の鈍角側の角部に接触する鈍角部当接面に接触する接触部最大径よりも小さく設定されていることを特徴とする。
このようなフレージングカッタは、軸交差角ψをもって被削歯車に噛合することから、被削歯車の端面角部に対して押しつぶして面取りするだけでなく、押しつぶしによる余肉の盛り上がり部の発生を抑制することができる。また、被削歯車の各歯に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅の面取りを同時に行うことができて効率的である。さらに、鋭角部当接面の接触部最大径を、鈍角部当接面に接触する接触部最大径よりも小さく設定することにより、被削歯車の歯の鋭角側及び鈍角側の角部をバランスよく面取りすることができる。
第10の特徴;本発明に係るフレージングカッタは、はすば型の被削歯車の各歯に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅の面取りを行い、前記歯幅に対応した2層の歯列を備えるフレージングカッタであって、前記被削歯車に対して0でない軸交差角ψをもって噛合され、前記フレージングカッタの加工歯は、前記被削歯車の歯の鋭角側の角部に接触する鋭角部当接面側及び鈍角側の角部に接触する鈍角部当接面側の各先端部が断面円弧形状であり、鋭角部当接面側の歯先半径Raが鈍角部当接面側の歯先半径Rbよりも大きく設定されていることを特徴とする。
このようなフレージングカッタは、軸交差角ψをもって被削歯車に噛合することから、被削歯車の端面角部に対して押しつぶして面取りするだけでなく、押しつぶしによる余肉の盛り上がり部の発生を抑制することができる。また、被削歯車の各歯に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅の面取りを同時に行うことができて効率的である。さらに、鋭角部当接面側の歯先半径を、鈍角部当接面側の歯先半径よりも大きく設定することにより、被削歯車の歯の鋭角側及び鈍角側の角部をバランスよく面取りすることができる。
第11の特徴;本発明に係るフレージングカッタは、平歯型の被削歯車の各歯に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅の面取りを行い、前記歯幅に対応した2層の歯列を備えるフレージングカッタであって、前記被削歯車に対して0でない軸交差角ψをもって噛合すること特徴とする。
このようなフレージングカッタは、軸交差角ψをもって被削歯車に噛合することから、被削歯車の端面角部に対して押しつぶして面取りするだけでなく、押しつぶしによる余肉の盛り上がり部の発生を抑制することができる。また、被削歯車の各歯に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅の面取りを同時に行うことができて効率的である。
本発明に係る歯車加工装置及びフレージングカッタによれば、フレージングカッタは軸交差角ψをもって被削歯車に噛合することから、被削歯車の端面角部に対して押しつぶして面取りするだけでなく、押しつぶしによる余肉の盛り上がり部の発生を抑制することができる。また、被削歯車の各歯に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅の面取りを同時に行うことができて効率的である。さらに、鋭角部当接面の接触部最大径を、鈍角部当接面に接触する接触部最大径よりも小さく設定することにより、被削歯車の歯の鋭角側及び鈍角側の端部をバランスよく面取りすることができる。
さらにまた、鋭角部当接面側の歯先半径を、鈍角部当接面側の歯先半径よりも大きく設定することにより、被削歯車の歯の鋭角側及び鈍角側の端部をバランスよく面取りすることができる。
以下、本発明に係る歯車加工装置及びフレージングカッタについて第1及び第2の実施の形態を挙げ、添付の図1〜図27を参照しながら説明する。本実施の形態に係る歯車加工装置及びフレージングカッタは、ホブ又はピニオンカッタによる粗歯切りの工程を終了した被削歯車の端面角部に対して、少なくとも面取り加工を行うものである。
本発明に係る歯車加工装置及びフレージングカッタは、主に第2の実施の形態に係る歯車加工装置100及びフレージングカッタ102によってその特徴が明らかにされるが、本発明の理解を容易にするために、先ず、第1の形態に係る歯車加工装置及びフレージングカッタについて、特に、被削歯車に対して噛合して加工を行う歯車加工装置12について説明する。
図1に示すように、歯車加工装置12は、被削歯車14を軸支するワーク支持部としての軸J1と、フレージングカッタ18と、該フレージングカッタ18を軸支するカッタ支持部としての軸J2とを有する。軸J2は図示しない駆動源により回転可能である。軸J1は、被削歯車14がフレージングカッタ18に噛合することにより連れ回りする。
軸J2は、軸J1に設けられた被削歯車14に対してフレージングカッタ18を噛合させるように該フレージングカッタ18を軸支している。軸J2は、フレージングカッタ18を被削歯車14に対して0でない軸交差角ψをもって噛合させ、且つフレージングカッタ18の加工歯32a、32bが被削歯車14の歯26の歯面28に干渉しない角度に設けられている(図6参照)。軸交差角ψは、被削歯車14の軸J1とフレージングカッタ18の軸J2とのなす角度である(図6参照)。
加工歯32aの歯列と、加工歯32bの歯列は、被削歯車14の歯幅に対応した2層を形成している。加工歯32aと加工歯32bは、軸J1と軸J2との交点を基準として点対称形状となる(図6参照)。
図2及び図3に示すように、被削歯車14は、例えばはすば歯車であり、粗歯切りした状態では、左右の鋭角側の端面角部30a、31aに鋭角尖鋭部33a(図8A参照)がある。歯車加工装置12ではこの鋭角尖鋭部33aを面取りする。歯車加工装置12で加工をする被削歯車14ははすば歯車に限られず、平歯車等であってもよい。被削歯車14は、例えば、車両用変速機の歯車である。歯車加工装置12により加工をした歯車は高精度であり、静粛性及び耐久性に優れ、車両用変速機に好適である。
図3に示すように、被削歯車14ははすば歯車であることから、粗歯切りした状態では、歯26は捩れ角βだけ捩れており、鋭角側の端面角部30a、31aの鋭角尖鋭部33a以外に、鈍角側の端面角部30b、31bにそれぞれ鈍角尖鋭部33bが存在している。捩れ角βは、例えば30°程度である。
図4に示すように、フレージングカッタ18は、厚み方向の一方に面取り用の加工歯32aの一群を備える第1ピース34aの一層が設けられ、他方に面取り加工歯32bの一群を備える第2ピース34bの一層が設けられている。第1ピース34a及び第2ピース34bは、ボス36に対して固定された構造であり、いわゆるスリーピース型である。第1ピース34aと第2ピース34bとは、それぞれ円弧孔38を用いてボス36に対する角度を調整可能である。
図5及び図6に示すように、加工歯32aと加工歯32bは、被削歯車14の厚みに応じて離間しており、フレージングカッタ18及び被削歯車14は噛合しながら回転し、フレージングカッタ18の加工歯32aが端面角部30aに対して鋭角尖鋭部33aを押しつぶして面取りする。フレージングカッタ18の加工歯32bは他方の端面角部31aに対して鋭角尖鋭部33aを押しつぶして面取りする。
図6は、被削歯車14の歯26と、フレージングカッタ18の加工歯32a、32bとの相対的な位置関係を示すものであり、被削歯車14とフレージングカッタ18をそれぞれ周面に沿って展開した模式図である。図6から明らかなように、被削歯車14とフレージングカッタ18とは軸交差角ψを有し、斜めに交わる。
一方、図7に示すように、従来技術に係る噛み合わせでは、軸交差角ψは存在していない。
次に、フレージングカッタ18の加工歯32aが端面角部31aに対して押圧して鋭角尖鋭部33aを押しつぶす作用について説明する。
被削歯車14は図6の右方向、つまり矢印A1の方向に回転し、フレージングカッタ18は角度ψだけ斜め方向、つまり矢印A2の方向に回転する。
図8Aに示すように、フレージングカッタ18の加工歯32aは、歯26の端面角部30aの略頂部の箇所P1に最初に当接する。この時点の噛み合い初期では、加工歯32aは、歯26を基準とすると右斜めに傾斜しており、中心線Cよりも手前側が箇所P1に当接する。この時点では、端面角部30aには鋭角尖鋭部33aが存在する。図8A〜図8Cでは、理解を容易にするため、加工歯32aの歯面に中心線Cを付記している。この時点の噛み合いは、図6では矢印B1で示す噛み合いに相当する。
図8Bに示すように、噛み合いの中期では、フレージングカッタ18の加工歯32aは、歯26の略中間高さの箇所P2に当接している。噛み合い中期では、加工歯32aは、歯26に対して略平行であり、中心線Cが箇所P2に当接する。この時点では、箇所P2よりも上部は面取りがなされており鋭角尖鋭部33aが面取りされているが、箇所P2よりも下側には鋭角尖鋭部33aが残存している。この時点の噛み合いは、図6では矢印B2で示す噛み合いに相当する。
図8Cに示すように、噛み合いの終期では、フレージングカッタ18の加工歯32aは、歯26の略底部の箇所P3に当接する。噛み合い終期では、加工歯32aは、歯26を基準とすると左斜めに傾斜しており、中心線Cよりも奥が箇所P3に当接する。この時点では、端面角部30aは全長にわたって面取りがなされており鋭角尖鋭部33aがなくなっている。この時点の噛み合いは、図6では矢印B3で示す噛み合いに相当する。
図9に示すように、面取りがなされた端面角部30aには細長い平面部が形成され、鋭角尖鋭部33aがなくなっている。ここで、加工歯32aの移動した軌跡は、矢印F1で示すように、斜めに向かう方向であり、横移動成分が含まれている。
端面角部30aにおけるフレージングカッタの歯面の移動軌跡をさらに詳細に図10A及び図10Bに示す。図10Aは、軸交差角ψが5°の場合であり、図10Bは、軸交差角ψが8°の場合である。符号Zは、被削歯車14とフレージングカッタ18との噛み合い円を示す。図10A及び図10Bから了解されるように、移動軌跡には横方向成分が相当に含まれており、該成分は軸交差角ψが5°の場合よりも8°の場合の方が大きい。このような横方向成分が大きいほど通常切削性がよい。
これに対して、従来技術に係る噛み合わせ(図7参照)では軸交差角ψが存在しない(つまり、ψ=0)であることから、加工歯32aの移動した軌跡は図9の矢印Eで示すように、横移動成分が含まれていない。
すなわち、本実施の形態に係る歯車加工装置12及びフレージングカッタ18によれば、フレージングカッタ18は軸交差角ψをもって被削歯車14に噛合することから、被削歯車14の端面角部30aに対して押しつぶして鋭角尖鋭部33aを面取りするだけでなく、横移動成分の含まれる面同士の摺動が発生する。これにより、歯面28のうち面取り部に隣接する箇所82(図9及び図11参照)における余肉の盛り上がり部の発生を防止し、又は抑制することができる。
また、フレージングカッタ18の加工歯32aの歯面は、端面角部30aに対して押圧及び摺動することを目的としている。したがって、フレージングカッタ18の歯面は、角部のないインボリュート面であり製作が容易である。
なお、詳細な説明は省略するが、被削歯車14における反対側の端面角部31aについても、フレージングカッタ18の加工歯32bにより適切に鋭角尖鋭部33aが面取りされるとともに、面取り部に隣接する箇所82(図11参照)における余肉の盛り上がり部の発生を防止し、又は抑制することができる。この場合、加工歯32bの移動する軌跡は、図11の矢印F2で示すように、斜めに向かう方向であり、横移動成分が含まれており、端面角部30aに対する加工と同様の作用が得られる。この移動の軌跡の詳細は、図10A及び図10Bに示す場合の各矢印の逆向きとなる。
ところで、従来技術に係る噛み合わせでは、一般に軸交差角ψは存在していない(図7参照)。この理由としては、前記の面取り部に隣接する箇所82(図9参照)に生ずる余肉の盛り上がり部が見過ごされ、又はその解決手段として軸交差角ψを設けることが有効であることが想到されなかったことによる。
前記の特許文献2記載の装置では、軸交差角ψが設けられているが、セレーションにより端面角部30a及び31aの面取りをすることは、実際上は容易ではない。図12に各歯車の諸元の一部を示す。
次に、このように構成される歯車加工装置12による加工の実験結果について説明する。
図13は、軸交差角ψを従来技術のように、ψ=0として面取り加工をした端面角部30a(右歯面)の拡大図である。該図13から了解されるように、面取り部の近傍の箇所(図9の箇所82参照)には余肉による盛り上がり部80が認められる。盛り上がり部の高さをH1とし、幅をH2とする。ψ=0について所定数の加工を行った右歯面及び左歯面に対する結果を表1及び表2における「ψ=0°」の欄に示す。計測にはコントレーサ等を用いた。
Figure 0005302638
Figure 0005302638
図14は、軸交差角ψを、ψ=5°として面取り加工をした端面角部30a(右歯面)の拡大図である。該図14から了解されるように、盛り上がり部80の発生は相当に抑制されている。ψ=5°について所定数の加工を行った右歯面及び左歯面に対する結果を表1及び表2における「ψ=5°」の欄に示す。
図15は、軸交差角ψを、ψ=8°として面取り加工をした端面角部30a(右歯面)の拡大図である。該図15から了解されるように、盛り上がり部80はほとんどなくなっている。ψ=8°について所定数の加工を行った右歯面及び左歯面に対する結果を表1及び表2における「ψ=8°」の欄に示す。なお、表1及び表2においてマイナス値は0と示した。
図16は、軸交差角ψを、ψ=5°として2000個の被削歯車14の面取り加工を行い、2000個目の被削歯車14の端面角部30a(右歯面)の拡大図である。該図14と図16とを比較して了解されるように、盛り上がり部80は初期と2000個目でほとんど変化がない。また、2000個の加工を行った後、フレージングカッタ18の加工歯32a及び加工歯32bの形状を精密に測定したところ、初回加工時と比較して摩耗は認められなかった。
このように、歯車加工装置では、盛り上がり部80の発生を防止し、又は相当に抑制することができ、しかも数多くの加工を行っても製品精度は安定し、フレージングカッタ18の摩耗もなく、十分な耐久性が確認された。
次に、このように構成される歯車加工装置12の軸交差角ψの値について行った解析結果について説明する。
図17に示すように、軸交差角ψを大きく設定すると加工歯32aは被削歯車14の歯26に干渉するので、後面端部に加工歯32aと略平行になる逃げ面300を設けることが行われている。このような逃げ面300を設けることによって、軸交差角ψを大きくすることができ、効率的な加工が可能になる。図17では、被削歯車14の歯26の干渉を考慮し、カッタ刃先幅Sに対して、干渉量S1及び隙間S2を考慮してカッタ残り幅S3を確保した加工歯32aの形状を示している。
ところで、カッタ残り幅S3は強度上の観点から0.4mm以上は確保することが好ましい。隙間S2は誤差等を考慮して0.5mm程度に設定することが好ましい。標準的条件下における軸交差角ψ、干渉量S1、カッタ刃先幅S、カッタ残り幅S3の関係を解析及び計算した結果を表3に示す。ここで、隙間S2は0.5mmとしている。
Figure 0005302638
表3から明らかなように、軸交差角ψが8°であるときには、カッタ残り幅S3が0.42mmであって強度が確保される。軸交差角ψが9°であるときには、カッタ残り幅S3が0.38mmとなって強度が不足するおそれがある。つまり、強度の観点からは、軸交差角ψがψ≦8°であることが望ましい。
軸交差角ψが4°であるときには、カッタ残り幅S3が0.54mmであって十分な強度を有すると考えられるが、加工効率が低下する。被削歯車14における面取り部の盛り上がり部の発生を抑制させるためには、端面角部30aにおけるフレージングカッタ18の加工歯32aの移動軌跡が横向きであるほど効果が高いと考えられている。
図18Aのシミュレーション結果に示すように、軸交差角ψがψ=4°であるときには、加工歯32aの歯面の移動軌跡は、場所により相当に急な傾斜であり、横成分が少なく、盛り上がり部の発生を抑制する効果が低い。
図18Bのシミュレーション結果に示すように、軸交差角ψがψ=5°であるときには、加工歯32aの歯面の移動軌跡は、ある程度緩やかとなり、横成分がある程度存在し、盛り上がり部の発生を抑制する効果がある。
図18Cのシミュレーション結果に示すように、軸交差角ψがψ=6°であるときには、加工歯32aの歯面の移動軌跡は、かなり緩やかとなり、横成分が多く存在し、盛り上がり部の発生を抑制する効果が高い。つまり、盛り上がり部の発生を抑制する効果を得るためには、軸交差角ψがψ≧5°であることが望ましい。
結果として、加工歯32aの強度及び加工効果をそれぞれ満足するためには、軸交差角ψは、5°〜8°の範囲であるとよい。
上述したように、本実施の形態に係る歯車加工装置12及びフレージングカッタ18によれば、フレージングカッタ18は軸交差角ψをもって被削歯車14に噛合することから、被削歯車14の端面角部30a、31aに対して押しつぶして鋭角尖鋭部33aを面取りするだけでなく、押しつぶしによる余肉の盛り上がり部の発生を抑制することができる。また、フレージングカッタ18の加工歯32a、32bを被削歯車14の歯面28に干渉しないようにして適切な面取り加工を行うことができる。
フレージングカッタ18を用いた面取り加工により盛り上がり部80の発生を防止できることから、シェービング加工や歯研加工を省略しても、ギアホーニング加工を行えばさらに高精度な歯車が得られる。この場合、被削歯車14には盛り上がり部80が実質的に存在しないことから、後工程の歯車加工(例えば、シェービング加工、歯研加工、ギアホーニング加工)の工具に対する影響を相当に抑制することができる。
本実施の形態に係る歯車加工装置12及びフレージングカッタ18により得られる歯車は、熱処理を行うことによって硬度が高くなり、高出力、静粛性及び耐久性が要求される高精度な車両用変速機に好適である。
一方、要求精度が比較的高くなく、熱処理を実施しない歯車についても、歯車加工装置12による面取り加工では盛り上がり部がほとんど発生しないため、次に行うシェービング等の歯面仕上げにおいて、工具に対する負荷が小さく、工具寿命を延ばすことができる。これにより、工具交換作業のために工作機械を停止させる回数や、メンテナンス及び点検の回数を低減するとともに、工具費用を抑制することができる。
また、比較的要求精度が高くない歯車で、熱処理を実施し、その後に歯面仕上げを行わない場合であっても、フレージングカッタによる加工が有効であることはもちろんである。
次に、第2の実施形態に係る歯車加工装置100及びフレージングカッタ102について説明する。第1の実施形態に係る歯車加工装置12及びフレージングカッタ18が一工程で面取りをすることができるのは被削歯車14の歯26の鋭角側(又は鈍角側)の一方だけであり、鋭角側及び鈍角側の両方の端部の面取りをするためには、それぞれ専用のフレージングカッタを用意して、別工程で行う。これに対して、歯車加工装置100及びフレージングカッタ102では、被削歯車14の各歯26に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅の面取りを同時に行う。つまり、前記の歯車加工装置12及びフレージングカッタ18では、敢えて、面取り側と反対側の面に対しては干渉を避けるようにしていたが、以下に説明する歯車加工装置100及びフレージングカッタ102では、両端面を同時に面取りすることにより効率を向上させている。
第2の実施形態に係る歯車加工装置100及びフレージングカッタ102について、第1の実施形態に係る歯車加工装置12及びフレージングカッタ18と同構成の箇所には同符号を付してその詳細な説明を省略する。
図1に示すように、歯車加工装置100は、詳細部以外は、前記の歯車加工装置12と同じ構造であり、被削歯車14の加工を行う。すなわち、歯車加工装置100は、被削歯車14を軸支するワーク支持部としての軸J1と、フレージングカッタ102と、該フレージングカッタ102を軸支するカッタ支持部としての軸J2とを有する。軸J2は図示しない駆動源により回転可能である。軸J1は、被削歯車14がフレージングカッタ102に噛合することにより連れ回りする。軸J2は、軸J1に設けられた被削歯車14に対してフレージングカッタ102を噛合させるように該フレージングカッタ102を軸支している。軸J2は、フレージングカッタ102を被削歯車14に対して0でない軸交差角ψをもって噛合させる。
図4に示すように、フレージングカッタ102は、詳細部以外は、前記のフレージングカッタ18と同じ構造である。歯車加工装置100及びフレージングカッタ102において、歯車加工装置12及びフレージングカッタ18と異なるのは、前記の加工歯32a及び32bに相当するフレージングカッタ102の加工歯104a及び104bの部分である。加工歯104aの歯列及び加工歯104bの歯列は、前記の加工歯32aの歯列及び加工歯32bの歯列と同様に、被削歯車14の歯幅に対応した2層を形成している。加工歯104aと加工歯104bは、軸J1と軸J2との交点を基準として点対称形状となる(図20参照)。
図19及び図20に示すように、加工歯104aと加工歯104bは、被削歯車14の歯幅に応じて離間しており、フレージングカッタ102及び被削歯車14は噛合しながら回転する。図19及び図20から明らかなように、加工歯104a及び加工歯104bは、前記の加工歯32a及び32b(図6参照)よりも歯厚が厚く、被削歯車14の歯26に対して鋭角側だけでなく鈍角側にも当接する。
フレージングカッタ102の加工歯104aの鋭角部当接面106aは、被削歯車14の歯26の鋭角側の端面角部30aに対して鋭角尖鋭部33aを押しつぶして面取りする。フレージングカッタ102の加工歯104bの鋭角部当接面106bは、端面角部30aとは反対側における鋭角側の端面角部31aに対して鋭角尖鋭部33aを押しつぶして面取りする。これらの鋭角部当接面106a及び106bの作用は、前記の加工歯32a及び32bの作用と同じである。
さらに、フレージングカッタ102の加工歯104aの鈍角部当接面108aは、被削歯車14の歯26の鈍角側の端面角部30bに対して鈍角尖鋭部33bを押しつぶして面取りする。フレージングカッタ102の加工歯104bの鈍角部当接面108bは、端面角部30bとは反対側における鈍角側の端面角部31bに対して鈍角尖鋭部33bを押しつぶして面取りする。
鋭角部当接面106a及び106bは、被削歯車14の軸J1と平行な面であり、鈍角部当接面108a及び108bは、軸J1を基準として捩れ角βよりもさらに傾斜した面である。鋭角部当接面106a及び106bに対して反対側の面は、内側に鈍角部当接面108a及び108bが設けられ、外側にはそれぞれ補助面110が形成されている。補助面110は、鋭角部当接面106a及び106bと平行な面であり、対向する鋭角部当接面106a及び106bに対して適度な間隔を保っている。
このような加工歯104a及び加工歯104bを備えるフレージングカッタ102、及び該フレージングカッタ102を備える歯車加工装置100によれば、フレージングカッタ102は軸交差角ψをもって被削歯車14に噛合することから、被削歯車14の端面角部30a、30b、31a、31bに対して押しつぶして面取りするだけでなく、押しつぶしによる余肉の盛り上がり部の発生を抑制することができる。また、被削歯車14の各歯26に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅の端面角部30a、30b、31a、31bの面取りを同時に行うことができて効率的である。
また、図20から明らかなように、鋭角側の端面角部30aに対しては、加工歯104aの鋭角部当接面106aは適度な角度で当接することができるが、鈍角側の端面角部30bは角度が鈍角であることから、本来的には、加工歯104aの鈍角部当接面108aは浅い角度でしか当接することができない。
しかしながら、フレージングカッタ102と被削歯車14の噛合部において(つまり、図20上で)、ワーク支持部の軸J1を基準として、被削歯車14の捩れ角βによる歯26の傾斜方向は、軸交差角ψによるカッタ支持部の軸J2の傾斜方向と同じである。つまり、歯面28の歯筋及び軸J2は、それぞれ、軸J1を時計方向に傾斜させた向きとなっている。これにより、鈍角部当接面108aは端面角部30bに対して適度な向きになり、該端面角部30bに適切な面取りをすることができる。
つまり、鈍角部当接面108aが端面角部30bの面取りをするためには、その見かけ上の傾斜角θは、軸J1を基準として少なくとも捩れ角βよりも大きい角度だけ傾斜していなければならないのだが、鈍角部当接面108a及び加工歯104aを備えるフレージングカッタ102自体の軸J2が軸J1を基準として軸交差角ψだけ傾斜していることから、フレージングカッタ102を基準とすれば、その傾斜角γは、γ=θ−ψとなる。つまり、見かけ上の傾斜角θを確保するために軸交差角ψが寄与しており、フレージングカッタ102単体における実際上の傾斜角γを小さくすることができ、設計の自由度が向上する。
さらに換言すれば、フレージングカッタ102と被削歯車14の噛合部において(つまり、図20上で)、ワーク支持部の軸J1を基準とした被削歯車14の捩れ角βの傾斜方向(中心Oを基準としたβの片矢印参照)と、軸交差角ψの傾斜方向(中心Oを基準としたψの片矢印参照)と、フレージングカッタ102における被削歯車14の鋭角側を加工する加工歯の鋭角部当接面106a、106bを基準とした軸交差角ψの傾斜方向(点Q1を基準としたψの片矢印参照)は全て同じであり、時計方向に傾斜している。フレージングカッタ102の回転の軸J2を基準とすれば、鋭角部当接面106a、106bは反時計方向に傾斜していることになる(フレージングカッタ102において、噛合部に対して反対側の部分でみれば、軸J2を基準として鋭角部当接面106a、106bは時計方向に傾斜している。)。
このように、捩れ角βと軸交差角ψは時計方向に傾斜していることから、鋭角部当接面106a及び106bについては端面角部30a、31aに余裕をもって当接することができ、該鋭角部当接面106a及び106bは逆に反時計方向に傾斜させることが可能となる。これにより、隣接する他の加工歯104a、104bとの間隔を適度に広く確保することができ、設計上の自由度が向上する。
この場合、ワーク支持部の軸J1と鋭角部当接面106a、106bを平行にしておくことにより、端面角部30a、31aに対して適切な向きで面取りをすることができる。一方、図21に示すように、捩れ角βが小さい場合(例えば、5°程度)には、フレージングカッタ102の回転の軸J2を基準とし、鋭角部当接面106a、106bを軸J1と平行な状態よりもさらに反時計方向に傾斜させてもよい。
ところで、フレージングカッタ102は歯車の一種であり、噛合する相手側の被削歯車14に対する噛み合い条件に基づいて設計・製作される。ここで一般的な噛み合い条件について図22を参照しながら説明する。噛合する歯車120と歯車122は、それぞれの基礎円124、126及び所定のモジュール値に基づいて設計・製作される。基礎円124と基礎円126の接線である作用線128と、歯車120の歯先円129との交点Pを求めると、歯車120に対する歯車122の噛み合い半径Rは歯車122の中心点から交点Pまでの距離となる。
ところが、被削歯車14とフレージングカッタ102では軸交差角ψが存在することから、加工歯104aの鋭角部当接面106aと被削歯車14の歯26との噛み合い条件と、加工歯104aの鋭角部当接面106bと被削歯車14の歯26との噛み合い条件は異なってしまう。軸交差角ψの影響によりそれぞれの基礎円が変わってしまうためである。
したがって、図23に示すように、加工歯104aの鋭角部当接面106aと被削歯車14の歯26の鋭角側部分(端面角部30a)の噛み合い条件によって規定される噛み合い半径R10と、加工歯104aの鈍角部当接面108aと被削歯車14の歯26の鈍角側部分(端面角部30b)の噛み合い条件によって規定される噛み合い半径R20は異なり、R10<R20である。これにより、鋭角側の端面角部30aにおける面取130の方が鈍角側の端面角部30bの面取132よりも歯底に近い位置まで長く形成される。
そうすると、相対的に鈍角側の面取132が短くなり、不十分な面取りとなる。加工歯104aの歯たけを単純に高くすると面取132は長くなるが、加工歯104aが被削歯車14の歯底に干渉するおそれがある。
そこで、本発明者は、鋭角側の面取130と鈍角側の面取132を同じ長さにするために、加工歯104aにおける鋭角部当接面106aの側の歯たけと鈍角部当接面108aの側の歯たけが異なる設計を試みて、図24に示す設計結果を得た。
図24では、被削歯車14の歯26の鋭角側の端面角部30aの加工をする鋭角部当接面106aの側の歯たけが直径D1であり、鈍角側の端面角部30bの加工をする鈍角部当接面108aの側の歯たけが直径D2であり、D2>D1となっている。鋭角部当接面106aの側と鈍角部当接面108aの側では、直径D1及び直径D2に基づいた段差形状となっている。中央部の小突起136は、加工歯104aの基礎形状(破線部参照)として残っている部分である(小突起136は省略可能である。)。
ところが、実際には図24に示すような形状の歯を形成することは相当に困難である。そこで、本発明者はさらに検討を重ねて、図25及び図26に示すように、加工歯104aの基礎形状(破線部参照)に基づいて、鋭角部当接面106a側における直径D1までの領域と、鈍角部当接面108a側における直径D2までの領域については、その基礎形状を維持し、残余の部分を円弧で接続する形状とした。
各部の寸法について説明する。先ず、被削歯車14(図23参照)でバランスのとれた面取り径Dzを設定する。面取り径Dzからこれに対応する直径D1を所定の計算によって求め、該直径D1を用いて、Ha=(DKC−D1)/2を求める。Haは、図25におけるフレージングカッタ18の外径(直径)DKCと、直径D1との差の高さである。
このHaを用いると、鋭角部当接面106a側における先端部の円弧形状の歯先半径Raは、Ra=Ha/(1−sinαa)として求められ、鈍角部当接面108a側における先端部の円弧形状の歯先半径Rbは、Rb=Hb/(1−sinαb)として求められる。ここで、αaは鋭角側(鋭角部当接面106aの側)の圧力角、αbは鈍角側(鈍角部当接面108aの側)の圧力角である。
これにより、端面角部30aに対する鋭角部当接面106aの接触部最大径(つまり直径D1までのインボリュート面の領域)と、端面角部30bに対する鈍角部当接面108aの接触との接触部最大径(つまり直径D2までのインボリュート面の領域)との差の高さHは、H=Ra−Rb=Ha/(1−sinαa)−Hb/(1−sinαb)となる。ここで、代表的にHaの大きさを図27に示す。
図25及び図26に示すような設定によれば、図23に示す状態を基準とすると、鈍角側の面取132は当初よりも略Hだけ長く面取りされることになり(図23の仮想線部分参照)、両方の面取130及び面取132が略同じ長さに形成され、バランスがよくなる。また、鈍角側の面取132の量が十分となるとともに、加工歯104aの歯たけが不必要に高くなることがなく、該加工歯104aが被削歯車14の歯底に干渉するおそれがない。
図25及び図26に示すような加工歯104aの設定では、段差部のない簡便形状であってフレージングカッタ102の製作が容易である。代表的に加工歯104aの形状について説明したが、加工歯104bについても同様である。
上述したように、第2の実施形態に係る歯車加工装置100及びフレージングカッタ102によれば、フレージングカッタ102は軸交差角ψをもって被削歯車14に噛合することから、被削歯車14の端面角部30a、30b、31a、31bに対して押しつぶして面取りするだけでなく、押しつぶしによる余肉の盛り上がり部の発生を抑制することができる。また、被削歯車14の各歯26に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅の面取りを同時に行うことができて効率的である。
さらに、鋭角部当接面106aの接触部最大径を、鈍角部当接面108aの接触部最大径よりも小さく設定することにより、被削歯車14の歯26の鋭角側の端面角部30a、31a及び鈍角側の端面角部30b、31bをバランスよく面取りすることができる。また、換言すれば、鋭角部当接面106a側の先端部の歯先半径Raを、鈍角部当接面108a側の歯先半径Rbよりも大きく設定することにより、被削歯車14の歯26の鋭角側の端面角部30a、31a及び鈍角側の端面角部30b、31bをバランスよく面取りすることができる。
第2の実施形態に係る歯車加工装置100及びフレージングカッタ102は、第1の実施形態に係る歯車加工装置12及びフレージングカッタ18と同様の好適な特性を有している。すなわち、フレージングカッタ102の歯面は、切削刃としての角部がないインボリュート面であって、製作が容易である。また、軸交差角ψを5°以上とすると盛り上がり部80を抑制する効果が高く、軸交差角ψを8°以下とすると、歯先幅(前記のカッタ残り幅S3(表3参照)に相当する幅)を適度に厚くすることができ強度を確保することができる。
上述の説明では、被削歯車14ははすば型としたが、平歯車であってもよい。被削歯車14が平歯車である場合にも、これに対応したフレージングカッタを設け、カッタ支持部としての軸J2とワーク支持部としての軸J1とを0でない軸交差角ψをもって噛合させる。この場合のフレージングカッタは、被削歯車14の各歯26に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅の面取りを行うように、前記の加工歯104a及び104bに相当する加工歯を備えているとよい。これにより、歯車加工装置及びフレージングカッタは、被削歯車14の端面角部に対して押しつぶして面取りするだけでなく、押しつぶしによる余肉の盛り上がり部の発生を抑制することができる。また、被削歯車14の各歯26に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅の面取りを同時に行うことができて効率的である。
上述の説明では、フレージングカッタ18及び102による被削歯車14の面取り加工について述べたが、前段のホブ又はピニオンカッタによる粗切削加工においてバリが発生している場合には、フレージングカッタ18及び102による面取り加工と同時、又はそれに前後して図示しないバリ取りカッタによってバリ取り加工をしてもよい。
本発明に係る歯車加工装置及びフレージングカッタは、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
第1の形態に係る歯車加工装置及びフレージングカッタの略式斜視図である。 被削歯車の斜視図である。 被削歯車の歯の一部断面展開図である。 第1の実施形態に係るフレージングカッタの斜視図である。 第1の実施形態に係るフレージングカッタと被削歯車との噛み合い部の拡大斜視図である。 第1の実施形態に係るフレージングカッタと被削歯車とをそれぞれ周面に沿って展開した模式図である。 従来技術に係る噛み合わせ状態で、被削歯車とフレージングカッタをそれぞれ周面に沿って展開した模式図である。 図8Aは、噛み合い初期の噛み合い部の略式斜視図であり、図8Bは、噛み合い中期の噛み合い部の略式斜視図であり、図8Cは、噛み合い終期の噛み合い部の略式斜視図である。 加工後の右歯面の略式斜視図である。 図10Aは、軸交差角が5°の場合の端面角部におけるフレージングカッタの歯面の移動軌跡を示す図であり、図10Bは、軸交差角が8°の場合の端面角部におけるフレージングカッタの歯面の移動軌跡を示す図である。 加工後の左歯面の略式斜視図である。 被削歯車とフレージングカッタをそれぞれ周面に沿って一部を拡大して展開した模式図である。 軸交差角を0°として面取り加工をした被削歯車の端面角部の拡大図である。 軸交差角を5°として面取り加工をした被削歯車の端面角部の拡大図である。 軸交差角を8°として面取り加工をした被削歯車の端面角部の拡大図である。 軸交差角を5°として、2000回の面取り加工をした際の2000個目の被削歯車の端面角部の拡大図である。 フレージングカッタにおける歯と、軸交差角、カッタ歯先幅、干渉量、隙間及びカッタ残り幅の関係を示す模式図である。 図18Aは、軸交差角が4°の場合の端面角部におけるフレージングカッタの歯面の移動軌跡を示す図であり、図18Bは、軸交差角が5°の場合の端面角部におけるフレージングカッタの歯面の移動軌跡を示す図であり、図18Cは、軸交差角が6°の場合の端面角部におけるフレージングカッタの歯面の移動軌跡を示す図である。 第2の実施形態に係るフレージングカッタと被削歯車との噛み合い部の拡大斜視図である。 第2の実施形態に係るフレージングカッタと被削歯車とをそれぞれ周面に沿って展開した模式図である。 捩れ角が小さい場合における第2の実施形態に係るフレージングカッタと被削歯車とをそれぞれ周面に沿って展開した模式図である。 歯車の一般的な噛み合い条件について説明する図である。 鋭角側の端面角部における面取の方が鈍角側の端面角部の面取よりも歯底に近い位置まで長く形成された歯の模式図である。 鋭角側の面取と鈍角側の面取を同じ長さにするために、加工歯における鋭角部当接面の側の歯たけと鈍角部当接面の側の歯たけが異なる設計による加工歯の模式図である。 図20における矢視XXV−XXV断面で、鋭角側の面取と鈍角側の面取を同じ長さにするために、加工歯における鋭角部当接面の側の実質の歯たけと鈍角部当接面の側の実質の歯たけが異なり、各先端部が円弧形状に接続された加工歯の模式図である。 図25に示す加工歯の斜視図である。 図25に示す加工歯における鋭角部当接面側の先端部の拡大図である。
符号の説明
12、100…歯車加工装置 14…被削歯車
18、102…フレージングカッタ 26…歯
28…歯面
30a、30b、31a、31b…端面角部
32a、32b、104a、104b…加工歯 33a…鋭角尖鋭部
33b…鈍角尖鋭部 80…盛り上がり部
106a、106b…鋭角部当接面
108a、108b…鈍角部当接面 110…補助面
J1、J2…軸 Ra、Rb…歯先半径
β…捩れ角 ψ…軸交差角

Claims (11)

  1. はすば型の被削歯車を軸支するワーク支持部と、
    前記ワーク支持部に設けられた前記被削歯車に対して噛合し、該被削歯車の各歯に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅の面取りを行い、前記歯幅に対応した2層の歯列を備えるフレージングカッタと、
    前記フレージングカッタを軸支するカッタ支持部と、
    を有し、
    前記カッタ支持部は、前記フレージングカッタを前記被削歯車に対して0でない軸交差角ψをもって噛合させ、
    前記フレージングカッタの加工歯は、前記被削歯車の歯の鋭角側の角部に接触する鋭角部当接面の接触部最大径が、前記被削歯車の歯の鈍角側の角部に接触する鈍角部当接面に接触する接触部最大径よりも小さく設定されていることを特徴とする歯車加工装置。
  2. はすば型の被削歯車を軸支するワーク支持部と、
    前記ワーク支持部に設けられた前記被削歯車に対して噛合し、該被削歯車の各歯に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅の面取りを行い、前記歯幅に対応した2層の歯列を備えるフレージングカッタと、
    前記フレージングカッタを軸支するカッタ支持部と、
    を有し、
    前記カッタ支持部は、前記フレージングカッタを前記被削歯車に対して0でない軸交差角ψをもって噛合させ、
    前記フレージングカッタの加工歯は、前記被削歯車の歯の鋭角側の角部に接触する鋭角部当接面側及び鈍角側の角部に接触する鈍角部当接面側の各先端部が断面円弧形状であり、鋭角部当接面側の歯先半径Raが鈍角部当接面側の歯先半径Rbよりも大きく設定されていることを特徴とする歯車加工装置。
  3. 請求項2記載の歯車加工装置において、
    前記鋭角部当接面の接触部最大径は、カッタ外径−(1−sinαa)×Ra×2であり、前記鈍角部当接面の接触部最大径は、カッタ外径−(1−sinαb)×Rb×2であり、αaは前記鋭角側のカッタ歯先の圧力角、αbは前記鈍角側のカッタ歯先の圧力角であることを特徴とする歯車加工装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯車加工装置において、
    前記フレージングカッタと前記被削歯車の噛合部において、前記ワーク支持部の回転軸を基準とした前記被削歯車の捩れ角βの傾斜方向と、前記軸交差角ψの傾斜方向と、前記フレージングカッタにおける前記被削歯車の鋭角側を加工する加工歯の歯面を基準とした前記軸交差角ψの傾斜方向は同じであることを特徴とする歯車加工装置。
  5. 請求項4記載の歯車加工装置において、
    前記フレージングカッタと前記被削歯車の噛合部において、前記ワーク支持部の回転軸と、前記フレージングカッタにおける前記被削歯車の鋭角側を加工する加工歯の歯面は平行であることを特徴とする歯車加工装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯車加工装置において、
    前記フレージングカッタの加工歯の歯面は、切削刃としての角部がないインボリュート面であることを特徴とする歯車加工装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の歯車加工装置において、
    前記軸交差角ψは、5°〜8°であることを特徴とする歯車加工装置。
  8. 平歯型の被削歯車を軸支するワーク支持部と、
    前記ワーク支持部に設けられた前記被削歯車に対して噛合し、該被削歯車の各歯に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅の面取りを行い、前記歯幅に対応した2層の歯列を備えるフレージングカッタと、
    前記フレージングカッタを軸支するカッタ支持部と、
    を有し、
    前記カッタ支持部は、前記フレージングカッタを前記被削歯車に対して0でない軸交差角ψをもって噛合することを特徴とする歯車加工装置。
  9. はすば型の被削歯車の各歯に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅の面取りを行い、前記歯幅に対応した2層の歯列を備えるフレージングカッタであって、
    前記被削歯車に対して0でない軸交差角ψをもって噛合され、
    前記フレージングカッタの加工歯は、前記被削歯車の歯の鋭角側の角部に接触する鋭角部当接面の接触部最大径が、前記被削歯車の歯の鈍角側の角部に接触する鈍角部当接面に接触する接触部最大径よりも小さく設定されていることを特徴とするフレージングカッタ。
  10. はすば型の被削歯車の各歯に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅の面取りを行い、前記歯幅に対応した2層の歯列を備えるフレージングカッタであって、
    前記被削歯車に対して0でない軸交差角ψをもって噛合され、
    前記フレージングカッタの加工歯は、前記被削歯車の歯の鋭角側の角部に接触する鋭角部当接面側及び鈍角側の角部に接触する鈍角部当接面側の各先端部が断面円弧形状であり、鋭角部当接面側の歯先半径Raが鈍角部当接面側の歯先半径Rbよりも大きく設定されていることを特徴とするフレージングカッタ。
  11. 平歯型の被削歯車の各歯に対して歯幅方向両側及び歯厚方向両側の4隅の面取りを行い、前記歯幅に対応した2層の歯列を備えるフレージングカッタであって、
    前記被削歯車に対して0でない軸交差角ψをもって噛合すること特徴とするフレージングカッタ。
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