JP5302251B2 - 共重合体ラテックス - Google Patents

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Description

本発明は、共重合体ラテックスに関するものである。詳しくは、製造工程において凝集物や付着物の発生が少なく、かつラテックス粘度が低く搬送性、保管及び貯蔵安定性などが良好な共重合体ラテックスに関するものである。
カルボキシ変性ブタジエン系共重合体ラテックスが紙加工分野やカーペットのバックサイジング等をはじめとする各種接着剤(バインダー)として広く用いられていることは周知である。それぞれの用途に応じてバインダーに要求される性能は多岐にわたり、それに対応するために共重合体ラテックスはラテックス組成や構造を変えることで接着強度の改善やベタツキ性(粘着性)低減等の性能を発揮できるように工夫を凝らしている。一方で、バインダーすなわち、“接着剤”であるがゆえに、製造工程におけるトラブルもつきものである。例えば、各設備内での付着問題や搬送時の凝集物増大、配管内での固化等々が挙げられる。
特に紙加工分野では、近年は塗工紙の製造においても低コスト化が進められ、塗料配合物の中でも比較的高価な共重合体ラテックスに関してはラテックスの性能を向上させて、その分配合部数を減らす事で製造コスト低減に大きく寄与するため、ラテックスの印刷時強度を向上させるなどラテックスが塗工紙品質や塗工紙の製造コストに及ぼす影響はますます重要視されている。また、一般的に印刷時強度の向上にはラテックスの粒子径を小さくし接着表面積を増やしたり、官能基量を増やす事で塗料の安定性を確保し接着剤の効果を十分に引き出す事が重要であるが、これらに相反してラテックス粘度が上昇し、共重合体ラテックスの製造段階や運搬工程、保管工程、また紙塗工用組成物の調合工程において共重合体ラテックスの取り扱いが困難になるケースが増えており、高い品質を維持したまま如何にラテックス粘度を下げるかが問題となっている。
上記課題を解決するため、例えば、特開平3−182504号公報(特許文献1)では、特定組成のシードラテックス及びαメチルスチレンダイマーの存在下で特定組成単量体組成物を重合する製造方法によって得られるラテックスは、微細凝固物の発生が少なく安定性に優れるとの技術が紹介されている。また、特開平11−117189号公報(特許文献2)では、異なる2種の乳化剤を重合工程で使い分けることによって得られる紙塗工用共重合体ラテックスは、重合残渣が少なく安定かつ効率的に製造でき、これを使用したラテックスは塗工紙物性に優れるとの技術が開示されている。
しかし、これらの様々な改良技術は、未だ塗工紙に求められる良好な印刷時強度と共重合体ラテックスの取り扱い性を両立させるには不十分であり、より高い品質を維持したまま如何にラテックスの粘度を下げるかが大きな課題となっている。
特開平3−182504号公報
特開11−117189号公報
本発明は、製造工程における付着や凝集物発生が少なく、粒子の安定性に優れることで、生産効率に優れ、かつ、ラテックス粘度が低く搬送性に優れる共重合体ラテックスを提供することを目的とするものである。
すなわち、本発明は、異なる単量体組成から構成される少なくとも2段の重合工程を有し、かつ、1段目に脂肪族共役ジエン系単量体1.5〜24重量%、シアン化ビニル系単量体5.1〜25重量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体3.1〜20重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体0〜22.3重量%から構成される単量体の合計が13〜32重量%(全単量体合計100重量%)であり、さらに2段目以降に脂肪族共役ジエン系単量体10〜60重量%、シアン化ビニル単量体5〜30重量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体0〜13重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体0〜72重量%から構成される単量体合計68〜87重量%(全単量体合計100重量%)を重合して得られる共重合体ラテックスであって、該共重合体ラテックスの固形分を50%、液温25℃に調整したときのE型粘度のずり速度依存性が下記式(1)を満たすことを特徴とする。
B/A=0.50〜1.1 ・・・・・・・(1)
ここで、Aはずり速度 2sec−1におけるE型粘度、Bはずり速度 10sec−1におけるE型粘度を示す。
本発明により、製造工程における付着や凝集物発生が少なく、かつ粘度が低い共重合体ラテックスが得られる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の共重合体ラテックスは、脂肪族共役ジエン系単量体、シアン化ビニル単量体、エチレン系不飽和カルボン酸単量体およびこれらと共重合可能な他の単量体を乳化重合して得られる。
脂肪族共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換および側鎖共役ヘキサジエン類などが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特に1,3−ブタジエンの使用が好ましい。
シアン化ビニル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリルなどが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特にアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの使用が好ましい。
エチレン系不飽和カルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などの1塩基酸または2塩基酸(無水物)を挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。
上記脂肪族共役ジエン系単量体、シアン化ビニル単量体およびエチレン系不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な他の単量体としては、アルケニル芳香族単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体、不飽和カルボン酸アミド単量体等が挙げられる。
アルケニル芳香族単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルα−メチルスチレン、ビニルトルエンおよびジビニルベンゼン等が挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特にスチレンの使用が好ましい。
不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジメチルイタコネート、モノメチルフマレート、モノエチルフマレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特にメチルメタクリレートの使用が好ましい。
ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体としては、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジ−(エチレングリコール)マレエート、ジ−(エチレングリコール)イタコネート、2−ヒドロキシエチルマレエート、ビス(2−ヒドロキシエチル)マレエート、2−ヒドロキシエチルメチルフマレートなどが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特にβ−ヒドロキシエチルアクリレートの使用が好ましい。
不飽和カルボン酸アミド単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特にアクリルアミドまたはメタクリルアミドの使用が好ましい。
さらに、上記単量体の他に、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等、通常の乳化重合において使用される単量体は何れも使用可能である。
本発明の共重合体ラテックスは、固形分を50%、液温を25℃に調整して、ずり速度を変えてE型粘度を測定したその数値が、下記式(1)を満たしていることが必要である。
B/A=0.50〜1.1 ・・・・・・・(1)
ここで、Aは、ずり速度 2sec−1におけるE型粘度、Bは、ずり速度 10sec−1におけるE型粘度を示す。
このB/Aの数値が0.50〜1.1の範囲を外れると、製造工程における付着物や凝集物の発生が多くなり、かつラテックス粘度も高くなる。
また例えば、共重合体ラテックスを紙塗工用組成物のバインダーとして使用する場合、塗工紙の印刷時強度を改善するため、ラテックスの粒子径を小さくしたり、官能基(例えばエチレン性不飽和カルボン酸単量体など)の使用量を増やす場合があるが、そのような場合においてもラテックスのずり速度依存性が上記に示した式(1)を満たしていると、ラテックス粘度が上がりにくく、好ましい。
本発明の共重合体ラテックスは、異なる単量体組成から構成される少なくとも2段の重合工程を有し、その単量体組成が下記範囲内であることが必要である。すなわち、1段目に脂肪族共役ジエン系単量体1.5〜24重量%、シアン化ビニル系単量体5.1〜25重量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体3.1〜20重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体0〜22.3重量%から構成される単量体合計が13〜32重量%であることが必要である。さらに2段目以降に脂肪族共役ジエン系単量体10〜60重量%、シアン化ビニル単量体5〜30重量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体0〜13重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体0〜72重量%から構成される単量体合計68〜87重量%を重合することが必要である。
上記に示した1段目及び2段目以降の単量体組成範囲及び単量体合計量の範囲外では、共重合体ラテックスのずり速度依存性が、上記式(1)を満たさず、ラテックスの製造工程での凝集物や付着物の発生が多く、かつラテックス粘度も下がらないことから搬送性などの取扱い性が悪化する。
また、エチレン系不飽和カルボン酸単量体は全体量の60重量%が1段目の重合工程で添加されるのが好ましく、60重量%未満では製造工程における凝集物の発生が劣る傾向があり好ましくない。
更に好ましくは、単量体組成の異なる3段以上の重合工程を有し、1段目に脂肪族共役ジエン系単量体1.5〜24重量%、シアン化ビニル単量体5.1〜25重量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体4.1〜20重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体0〜21.3重量%からなる単量体合計13〜32重量%を重合し、2段目以降に脂肪族共役ジエン系単量体10〜60重量%、シアン化ビニル単量体5〜30重量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体0〜13重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体0〜72重量%からなる単量体合計68〜87重量%を重合することが、好ましい。
3段以上の重合工程を有する際には、2段目以降に使用されるシアン化ビニル単量体の55重量%以上が最終段より前の重合工程で添加されることが、ラテックス粘度が下がりやすい傾向にある点で好ましい。
また、2段目の単量体合計が10〜66重量%、3段目以降の単量体合計が2〜62重量%であると、製造工程における凝集物の発生が低減される傾向にあるため好ましい。
本発明の共重合体ラテックスの重合には、公知の乳化剤(界面活性剤)を使用することができる。例えば、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、脂肪族カルボン酸塩、デヒドロアビエチン酸塩、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、非イオン性界面活性剤の硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、ポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型、アルキルエーテル型等のノニオン性界面活性剤が挙げられ、これらを1種又は2種以上使用することができる。
本発明の共重合体ラテックスの重合には、公知の連鎖移動剤(分子量調整剤)を制限されることなく使用することができる。例えば、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイド等のキサントゲン化合物、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系化合物、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物、アリルアルコール等のアリル化合物、ジクロルメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物、α−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシアクリルアミド等のビニルエーテル、トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノレン、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。
本発明の共重合体ラテックスの重合には、公知の重合開始剤として、過硫酸リチウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性重合開始剤、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等の油溶性重合開始剤を適宜用いることができる。特に過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドの使用が好ましい。
本発明において好ましく用いられる還元剤の具体例としては、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、亜ニチオン酸塩、ニチオン酸塩、チオ硫酸塩、ホルムアルデヒドスルホン酸塩、ベンズアルデヒドスルホン酸塩、また、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸、酒石酸、クエン酸などのカルボン酸類及びその塩、更にはデキストロース、サッカロースなどの還元糖類、更にはジメチルアニリン、トリエタノールアミンなどのアミン類が挙げられる。特にL−アスコルビン酸、エリソルビン酸、が好ましい。
本発明の共重合体ラテックスの重合には、必要により、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、4−メチルシクロヘキセン、1−メチルシクロヘキセン等の不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などの炭化水素化合物を使用することができる。特に、沸点が適度に低く、重合終了後に水蒸気蒸留などによって回収、再利用しやすいシクロヘキセンやトルエンが、本発明の目的とは異なるものの、環境問題の観点から好適である。
本発明における共重合体ラテックスの粒子径は、特に制限がないが50〜200nmであることが好ましい。数平均粒子径が50nm未満では粒子の安定性が劣る傾向があり、また200nmを超えると単位重量あたりの粒子数が少なくなり接着面積が低減することで接着強度が発現しにくくなるので好ましくない。より好ましくは50〜150nmである。
本発明における共重合体ラテックスのゲル含量にはなんら制限はないが、ゲル含量が60〜100重量%が好ましい。ゲル含量が60重量%未満ではラテックスのフィルム強度が低下し、各種接着剤における接着強度が低下する傾向がある。特に好ましくは65〜95重量%である。
本発明の共重合体ラテックスの重合には、必要に応じて酸素補足剤、キレート剤、分散剤等の公知の添加剤を用いることも差し支えなく、これらは種類、使用量ともに特に限定されず、適宜適量使用することが出来る。更には消泡剤、老化防止剤、防腐剤、抗菌剤、難燃剤、紫外線吸収剤などの公知の添加剤を用いることも差し支えなく、これらも種類、使用量ともに特に限定されず、適宜適量使用することが出来る。また、本発明の共重合体ラテックスは、その使用目的に応じて他のラテックスと適宜適量ブレンドすることもできる。
本発明の共重合体ラテックスの製造にあたって、単量体ならびにその他の成分の添加方法については特に制限されるものではなく、分割添加方法、連続添加方法、パワーフィード方法の何れでも採用することができるが、本発明においては、重合方法として2段以上の多段階重合を行う必要がある。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。なお実施例中、割合を示す部および%は特に断りのない限り重量基準によるものである。また実施例における諸物性の評価は次の方法に拠った。
共重合体ラテックスの数平均粒子径の測定
共重合体ラテックスの数平均粒子径を動的光散乱法により測定した。尚、測定に際しては、FPAR−1000(大塚電子製)を使用した。
共重合体ラテックスのE型粘度
共重合体ラテックスの固形分を50%に調整したものでE型粘度を測定した。なお、測定時の液温は恒温水槽を用いて25℃一定を保持し、3°コーンを使用して測定をおこなった。測定機器は東京計器製のE型粘度計を使用した。
付着物の評価
各共重合体ラテックスについて、重合中に反応器に付着した汚れについて、肉眼にて観察し、下記の3段階で評価した。
○ : 付着物が非常に少ない
△ : 付着物が少ない
× : 付着物が多い
凝集物発生率の測定及び評価
重合が完了した共重合体ラテックス:1kg試料を採取し、300メッシュ金網でろ過する。金網上に残った凝集物を乾燥した後、重量を測定し、試料(固形分換算)に対する割合(凝集物発生率)を求め、下記の3段階で評価した。
○ : 0.05% 未満 (少ない)
△ : 0.05〜 0.10% 未満(やや多い)
× : 0.10% 以上 (かなり多い)
ラテックスの粘度の測定及び評価
共重合体ラテックスの固形分を50%に調整した際のラテックスの粘度を、JIS K6838の測定方法に準じて測定した。得られた粘度について、下記のとおり判定した。
◎:300mPa・s以下
○:301〜800mPa・s
△:801〜2000mPa・s
×:2001mPa・s以上
共重合体ラテックス(A)の合成
耐圧製の重合反応器に、重合水160部と表1に示す1段目に記載の各単量体および他の化合物を加えて70℃にて重合を開始し、重合転化率が80%を越えた時点で、2段目の各単量体および他の化合物を加えて70℃にて重合を行い最終の重合転化率が96%を超えた時点で重合を終了した。
次いで、得られた共重合体ラテックスを、水酸化ナトリウムを用いてpHを7に調整し、水蒸気蒸留により未反応単量体および他の低沸点化合物を除去し、共重合体ラテックスAを得た。
共重合体ラテックス(B、G〜J)の合成
各段の単量体組成を表1および表2に記載の内容に変更して、ラテックスAと同様に重合を行いラテックスB、およびG〜Jを得た。
共重合体ラテックス(C〜E、K、M〜N)の合成
耐圧製の重合反応器に、重合水140部と表1および表2に示す1段目に記載の各単量体および他の化合物を加えて70℃にて重合を開始し、重合転化率が50%を越えた時点で、2段目の各単量体および他の化合物を加えて70℃にて重合を行う。2段目を添加後、重合転化率が80%を越えた時点で3段目の各単量体および他の化合物を加えて、最終重合転化率が96%を超えた時点で重合を終了した。
次いで、得られた共重合体ラテックスを、水酸化ナトリウムを用いてpHを7に調整し、水蒸気蒸留により未反応単量体および他の低沸点化合物を除去し、共重合体ラテックスC〜E、K、M〜Nを得た。
共重合体ラテックス(F)の合成
耐圧製の重合反応器に、重合水180部と表1に示す1段目に記載の各単量体および他の化合物を加えて70℃にて重合を開始し、重合転化率が50%を越えた時点で、次いで2段目の各単量体および他の化合物を加えて70℃にて重合を行う。2段目の単量体を添加後、重合転化率が80%を越えた時点で3段目の各単量体および他の化合物を加えて、重合転化率が85%を越えた時点で4段目の各単量体および他の化合物を加えて最終の重合転化率が96%を超えた時点で重合を終了した。
次いで、得られた共重合体ラテックスを、水酸化ナトリウムを用いてpHを7に調整し、水蒸気蒸留により未反応単量体および他の低沸点化合物を除去し、共重合体ラテックスFを得た。
共重合体ラテックス(L)の合成
耐圧製の重合反応器に、重合水140部と表2に示す1段目に記載の各単量体および他の化合物を加えて70℃にて重合を開始し、重合転化率が96%を超えた時点で重合を終了した。
次いで、得られた共重合体ラテックスを、水酸化ナトリウムを用いてpHを7に調整し、水蒸気蒸留により未反応単量体および他の低沸点化合物を除去し、共重合体ラテックスLを得た。
表1に示すとおり、本発明による共重合体ラテックスA〜FはいずれもラテックスのE型粘度のずり速度依存性が上記式(1)を満たし、製造工程における付着物や凝集物の発生が少なく、得られたラテックスの粘度も低い。
表2に示すとおり、比較例1は、1段目に添加するシアン化ビニル系単量体およびエチレン性不飽和カルボン酸単量体が請求項1に記載の範囲外であり、比較例2は、比較例1からさらに1段目に添加する脂肪族共役ジエン系単量体が請求項1に記載の範囲外であり、E型粘度のずり速度依存性が範囲外となっており、凝集物や付着物の発生が多く、ラテックス粘度が高い。
比較例3は、1段目の単量体合計が32重量%を超えるため、また、比較例4は、2段目以降に添加するシアン化ビニル系単量体が30重量%を超えており、E型粘度のずり速度依存性が範囲外であり、凝集物や付着物の発生がやや多く、ラテックス粘度が高い。
比較例5は、1段目に添加するエチレン性不飽和カルボン酸単量体が20重量%を超えており、E型粘度のずり速度依存性が範囲外であり、凝集物や付着物の発生が多く、ラテックス粘度が高い。
比較例6では、重合工程が1段しかなく、E型粘度のずり速度依存性が範囲外で、凝集物や付着物の発生がやや多く、ラテックス粘度が高い。
比較例7は、2段目以降に使用する脂肪族共役ジエン系単量体が60重量%を越えるため、また、比較例8では、2段目以降の工程で添加されるシアン化ビニル単量体が5重量%未満であり、E型粘度のずり速度依存性が範囲外であり、凝集物や付着物の発生が多く、ラテックス粘度が高い。
上記のとおり、本発明の共重合体ラテックスは、製造工程における付着物や凝集物の発生が少なく生産効率に優れ、かつラテックス粘度が低いことから、共重合体ラテックスの製造段階や運搬工程、保管工程などにおいて良好な取り扱い性を有し、極めて有用である。
また、本発明の共重合体ラテックスは、紙塗工用組成物のバインダーとして用いると、塗工紙の印刷時強度を改善してもラテックスの粘度を低く維持できるため、特に有用である。

Claims (4)

  1. 異なる単量体組成からなる少なくとも2段の重合工程を有し、かつ、1段目に脂肪族共役ジエン系単量体1.5〜24重量%、シアン化ビニル系単量体5.1〜25重量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体3.1〜20重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体0〜22.3重量%から構成される単量体の合計が13〜32重量%(全単量体合計100重量%)であり、さらに2段目以降に脂肪族共役ジエン系単量体10〜60重量%、シアン化ビニル単量体5〜30重量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体0〜13重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体0〜72重量%から構成される単量体合計68〜87重量%(全単量体合計100重量%)を重合して得られる共重合体ラテックスであって、該共重合体ラテックスの固形分を50%、液温25℃に調整したときのE型粘度のずり速度依存性が下記式(1)を満たすことを特徴とする共重合体ラテックス。
    B/A=0.50〜1.1 ・・・・・・・(1)
    このとき、Aは、ずり速度 2sec−1におけるE型粘度、Bは、ずり速度 10sec−1におけるE型粘度を示す。
  2. 異なる単量体組成からなる少なくとも3段の重合工程を有し、1段目に脂肪族共役ジエン系単量体1.5〜24重量%、シアン化ビニル単量体5.1〜25重量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体4.1〜20重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体0〜21.3重量%から構成される単量体合計13〜32重量%を重合し、2段目以降に脂肪族共役ジエン系単量体10〜60重量%、シアン化ビニル単量体5〜30重量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体0〜13重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体0〜72重量%から構成される単量体合計68〜87重量%を重合することを特徴とする請求項1に記載の共重合体ラテックス。
  3. エチレン系不飽和カルボン酸単量体全使用量の60重量%以上が1段目の重合工程で添加され、最終段の重合工程では添加されないことを特徴とする請求項1または2に記載の共重合体ラテックス。
  4. 紙塗工用共重合体ラテックスとして使用される請求項1〜3の何れかに記載の共重合体ラテックス。
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