JP2017110084A - 共役ジエン系共重合体ラテックス - Google Patents

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Abstract

【課題】乳化重合により得られる共重合体ラテックスをフィルムにした際、吸水性と乾燥時のフィルム強度のバランスに優れた共重合体ラテックスの提供。
【解決手段】脂肪族共役ジエン系単量体25〜65重量部、エチレン系不飽和ジカルボン酸単量体6〜20重量部、その他の共重合可能な単量体15〜69重量部(単量体合計100重量部)を乳化重合して得られる共重合体ラテックスであって、該共重合体ラテックスより得られるフィルムを、23℃のイオン交換水に10分間浸漬させた際の吸水率が30〜150%である共重合体ラテックス。エチレン系不飽和カルボン酸単量体が、イタコン酸及び/又はフマル酸であることが好ましく、フマル酸であることがより好ましい共重合体ラテックス。ゲル含量が70重量%以上であることがより好ましい共重合体ラテックス。
【選択図】なし

Description

本発明は、共役ジエン系共重合体ラテックスに関する。
共役ジエン系共重合体ラテックスが紙加工分野やカーペットのバックサイジング等をはじめとする各種接着剤( バインダー) として広く用いられていることは周知であり、それぞれの用途に応じてバインダーに要求される性能は多岐にわたる。一般的に共役ジエン系共重合体ラテックスの性能は、フィルムにした際、僅かにしか吸水性を有さないものである。
そこで本発明は、共役ジエン系共重合体ラテックスをフィルムにした際、従来よりも優れる吸水性を有すると共に、乾燥時のフィルム強度も優れる共役ジエン系共重合体ラテックスを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記の目的を達成するために鋭意検討した結果、共役ジエン系共重合体ラテックスを乳化重合して得る際、単量体としてエチレン系不飽和ジカルボン酸単量体を特定量含有することで、上記目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、脂肪族共役ジエン系単量体25〜65重量部、エチレン系不飽和ジカルボン酸単量体6〜20重量部およびこれらと共重合可能な他の単量体15〜69重量部から構成される単量体(単量体合計100重量部)を乳化重合して得られる共役ジエン系共重合体ラテックスであって、該共重合体ラテックスより得られるフィルムを、23℃のイオン交換水に10分間浸漬させた際の吸水率が30〜150%であることを特徴とする。
本発明によれば、フィルムにした際、吸水性と乾燥時のフィルム強度のバランスに優れた共役ジエン系共重合体ラテックスが得られる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る共役ジエン系共重合体ラテックスは、乳化重合により得られる共重合体ラテックスであって、上記共重合体は、脂肪族共役ジエン系単量体、エチレン系不飽和ジカルボン酸単量体、及び、これらと共重合可能な単量体で構成される。
共重合体を構成する各成分である、脂肪族共役ジエン系単量体、エチレン系不飽和ジカルボン酸単量体、及び、これらと共重合可能な単量体について、以下に説明する。
脂肪族共役ジエン系単量体(以下、(a)成分という場合もある。)としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換及び側鎖共役ヘキサジエン類等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本実施形態においては、工業的に容易に製造され、入手の容易性及びコストの観点から、特に1,3−ブタジエンの使用が好ましい。
エチレン系不飽和ジカルボン酸単量体(以下、(b)成分という場合もある。)としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられる。または、これらの無水物であってもよい。これらの単量体は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。中でも、フマル酸を用いることが、吸水性と乾燥時のフィルム強度のバランスから好ましい。
上記(a)成分〜(b)成分と共重合可能な単量体(以下、(c)成分という場合もある。)としては、シアン化ビニル単量体、芳香族ビニル単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体、エチレン系不飽和カルボン酸単量体((b)成分を除く)、不飽和カルボン酸アミド単量体等が挙げられる。
シアン化ビニル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリル等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本実施形態においては、工業的に容易に製造され、入手の容易性及びコストの観点から、特にアクリロニトリル又はメタクリロニトリルの使用が好ましい。
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本実施形態においては、工業的に容易に製造され、入手の容易性及びコストの観点から、特にスチレンの使用が好ましい。
不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジメチルイタコネート、モノメチルフマレート、モノエチルフマレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本実施形態においては、工業的に容易に製造され、入手の容易性及びコストの観点から、特にメチルメタクリレートの使用が好ましい。
ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体としては、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジ−(エチレングリコール)マレエート、ジ−(エチレングリコール)イタコネート、2−ヒドロキシエチルマレエート、ビス(2−ヒドロキシエチル)マレエート、2−ヒドロキシエチルメチルフマレート等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
エチレン系不飽和カルボン酸単量体((b)成分を除く)としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
不飽和カルボン酸アミド単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記単量体の他に、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等、通常の乳化重合において使用される単量体は何れも使用可能である。
(a)成分の含有量は、共重合体を構成する全単量体成分100重量%に対し、25〜65重量%であり、30〜55重量%であることが好ましい。(a)成分の含有量を上記範囲となるように調整することにより、共重合体に適度な柔軟性を付与することができる。
(b)成分の含有量は、共重合体を構成する全単量体成分100重量%に対し、6〜20重量%であり、6〜17重量%であることが好ましく、6〜14重量%であることがより好ましい。(b)成分の含有量が上記範囲となるよう調整することにより、共重合体を含有する共重合体ラテックスをフィルムにした際の吸水性と乾燥時のフィルム強度のバランスに優れる。
(b)成分としてイタコン酸及び/又はフマル酸であることが重合性、吸水性、乾燥時のフィルム強度の点から好ましく、フマル酸であることがより好ましい。
(c)成分の含有量は、共重合体を構成する単量体成分全量に対し、15〜69重量%であり、20〜60重量%であることが好ましく、25〜55重量%であることがより好ましい。
本実施形態においては、共重合体の硬さをコントロールすることを目的として、(c)成分として、スチレン及び/又はアクリロニトリルを含有させることが好ましい。
本発明の乳化重合を行う際には、上記(a)〜(c)成分の他、乳化剤(界面活性剤)、重合開始剤、更に必要に応じて、連鎖移動剤、還元剤等を配合することができる。
乳化剤(界面活性剤)としては、例えば、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、脂肪族カルボン酸塩、デヒドロアビエチン酸塩、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、非イオン性界面活性剤の硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、ポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型、及びアルキルエーテル型等のノニオン性界面活性剤等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。乳化剤の配合量は、他の添加剤などの組み合わせを考慮し、適宜調整することができる。
重合開始剤としては、例えば、過硫酸リチウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性重合開始剤、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等の油溶性重合開始剤が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。特に過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、クメンハイドロパーオキサイド、又はt−ブチルハイドロパーオキサイドの使用が好ましい。重合開始剤の配合量は特に制限されないが、単量体組成、重合反応系のpH、他の添加剤などの組み合わせを考慮して適宜調整される。
連鎖移動剤としては、例えば、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン;ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイド等のキサントゲン化合物;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系化合物;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物;アリルアルコール等のアリル化合物;ジクロルメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物;α−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシアクリルアミド等のビニルエーテル;トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノレン、α−メチルスチレンダイマーなどの連鎖移動剤が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。連鎖移動剤の配合量は、他の添加剤などの組み合わせを考慮して適宜調整することができる。
還元剤としては、例えば、デキストロース、サッカロース等の還元糖類、ジメチルアニリン、トリエタノールアミン等のアミン類、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸、酒石酸、クエン酸等のカルボン酸類及びその塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、亜ニチオン酸塩、ニチオン酸塩、チオ硫酸塩、ホルムアルデヒドスルホン酸塩、ベンズアルデヒドスルホン酸塩などが挙げられる。特にL−アスコルビン酸、エリソルビン酸、が好ましい。還元剤の配合量は、他の添加剤などの組み合わせを考慮して適宜調整することができる。
上記乳化重合を行う際には、また、共重合体の分子量及び架橋構造を制御する目的で、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、4−メチルシクロヘキセン、1−メチルシクロヘキセン等の不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などの炭化水素化合物を使用することができる。回収しやすさの観点から、特に、シクロヘキセン又はトルエンの使用が好ましい。
さらに、上記乳化重合に係る反応系には、必要に応じて、酸素補足剤、キレート剤等の添加剤を配合してもよい。これらの添加剤は種類及び使用量ともに特に限定されず、適宜適量使用することができる。キレート剤としては、アミノカルボン酸系キレート化合物として、エチレンジアミン四酢酸 、ニトリロ三酢酸、トランス− 1 , 2 − ジアミノシクロヘキサン四酢酸、ジエチレン− トリアミン五酢酸、ビス−(アミノエチル)グリコールエーテル−N,N,N’,N’−四酢酸、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン等が挙げられ、ホスホン酸系キレート化合物として、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸等が挙げられ、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等が挙げられ、共重合体ラテックス中に添加することで遷移金属イオンを補足することができる。
反応系の温度は、安全性に配慮した槽内圧力及び生産性の観点から、30〜100℃の範囲に設定することが好ましく、40〜85℃の範囲に設定することがより好ましい。この場合、上記の反応温度の範囲に開始温度を有する重合開始剤が用いられる。
単量体成分ならびにその他の成分を反応系添加する方法としては、例えば、一括添加方法、分割添加方法、連続添加方法、パワーフィード方法が挙げられる。
また、乳化重合は、ポリマー転化率が97%を超えたことを確認して反応を終了させることがより好ましい。こうして、共重体ラテックスが得られる。なお、ポリマー転化率は、固形分量から算出、又は重合槽を冷却した熱量から算出できる。
共重合体ラテックスは、加熱減圧蒸留、水蒸気蒸留等の方法により、未反応単量体及び他の低沸点化合物が除去されていることが好ましい。
共重合体ラテックスは、安定性と取り扱いやすさの観点から、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどにより、pHが5〜8.5に調整されていることが好ましく、5.5〜7.5に調整されていることがより好ましい。
さらに、本発明の共重合体ラテックスには、分散剤、消泡剤、老化防止剤、防腐剤、抗菌剤、難燃剤、紫外線吸収剤等の添加剤を配合してもよい。これらの添加剤は種類及び使用量ともに特に限定されず、適宜適量使用することができる。防腐剤としては、H−MIT(2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン)、BIT(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン)等が挙げられ、共重合体ラテックス中に添加することで菌類の繁殖が抑制でき、長期保存した際の共重合体ラテックスの変性、粘度の増加を抑制することができる。
本発明における共重合体ラテックスの光子相関法による平均粒子径は、特に限定されないが、50〜500nmであることが好ましく、50〜250nmであることがより好ましい。
本発明における共重合体ラテックスのゲル含有量については、70重量%以上であることが好ましく、70重量%〜98重量%であることがより好ましい。ゲル含有量を上記範囲となるよう調整することにより、乾燥時のフィルム強度の点で好ましい。ゲル含有量は、下記実施例に記載の方法で測定され、トルエン不溶分の割合を意味する。
共重合体ラテックスのゲル含有量の調整方法としては、重合開始剤の種類及び量、重合温度、連鎖移動剤の種類及び量等を変更する方法が挙げられる。
本発明の共役ジエン系共重合体ラテックスは、吸水性と乾燥時のフィルム強度のバランスに優れることから、これらの物性を必要とする各種分野のバインダーとして有用である。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中にて示す「部」及び「%」は重量に基づくものである。また、実施例中の各種の評価は、次のようにして測定した値である。
共重合体ラテックスの光子相関法による平均粒子径の測定方法
共重合体ラテックスの光子相関法による平均粒子径を動的光散乱法により測定した。尚、測定に際しては、FPAR−1000(大塚電子製)を使用した。
共重合体ラテックスのゲル含有量の測定方法
温度85℃の雰囲気にて4時間乾燥させることでラテックスフィルムを作製した。作製したラテックスフィルムを約1g秤量し、これを400mlのトルエンに入れ48時間膨潤溶解させた。その後、これを300メッシュの金網で濾過し、金網に捕捉されたトルエン不溶分を乾燥後秤量した。そして、ラテックスフィルムの重量に対する、トルエン不溶分の乾燥重量の百分率を算出し、ゲル含有量(%)とした。
共重合体ラテックスの吸水性の測定方法
共重合体ラテックスを用いて、以下の手順で厚さ0.3〜0.5mmのラテックスフィルムを作製した。まず、共重合体ラテックスをpH7に調整し、そこに増粘剤としてポリアクリル酸ナトリウム(第一工業製薬製、商品名:IX−1177、重量平均分子量:700万〜800万)を固形分割合で1質量%以下添加して粘度調整し、塗布液を調製した。ここで、ポリアクリル酸ナトリウムの添加量は、上記上限値を超えない範囲で、塗布液の粘度が厚さ0.3〜0.5mmのラテックスフィルムを作製可能な粘度となるように適宜調整した。
得られた塗布液をフィルムアプリケーターで薄膜化し、23℃、50%RHの条件下で48時間放置して乾燥させた。なお、上記乾燥条件でラテックスの連続フィルムが得られない場合には、JIS K6828−2の方法に準じて測定したラテックスの最低造膜温度より20℃高い温度、50%RHの条件下で48時間放置して乾燥させた。更に、乾燥後の薄膜に対し、130℃に設定されたオーブン中にて15分間加熱処理を施し、0.3mm〜0.5mm厚のラテックスフィルムを得た。得られたラテックスフィルムを1辺4cm角に切り出して、吸水率測定用のサンプルとした。
得られたサンプルについて、吸水率を下記の方法で測定した。
サンプルを23℃、50%RHの条件下で24時間調湿した後に、電子天秤にてサンプル質量(A)を0.1mg単位まで正確に秤量した。次いで、サンプルを100mlの23℃のイオン交換水に浸漬させ、10分経過後サンプルを取り出し、サンプル表面の水分を拭き取った後、サンプル質量(B)を0.1mg単位まで秤量した。秤量結果から、吸水率を下記式;
吸水率(%)={(B−A)/A}×100
により求めた。
共重合体ラテックスの乾燥時のフィルム強度の測定方法
上記方法で作製したラテックスフィルムを、厚さ以外はJIS K−6251に記載のダンベル状3号型の形状及び寸法に打ち抜いて試験片とした。この試験片をデシケーター中で24時間放置後、ミネベア株式会社製の引張圧縮試験機(商品名:TechnoGraph TGE−5kN)を用いて、500mm/minの引張り速度でラテックスフィルムが破断した時の応力を測定した。得られた結果を下記の通り判定した。
◎:30MPa以上
○:20〜30MPa未満
△:10〜20MPa未満
×:10MPa未満
共重合体ラテックスの合成
表1に示す材料を同表に示す配合量(単位:重量部)で配合して反応を行い、共重合体ラテックスを合成した。具体的な合成手順を以下に示す。
なお、表1中の各成分及び記号は下記の化合物を示す。
(a)成分:脂肪族共役ジエン系単量体
BDE:1,3−ブタジエン
(b)成分:エチレン系不飽和ジカルボン酸単量体
IA:イタコン酸
FA:フマル酸
(c)成分:(a)〜(b)成分と共重合可能な単量体
ACN:アクリロニトリル
STY:スチレン
MMA:メタクリル酸メチル
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
AAMID:アクリルアミド
(その他の成分)
CHX:シクロヘキセン
α−MSD:α-メチルスチレンダイマー
tDM:t−ドデシルメルカプタン
乳化剤:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
共重合体ラテックスA〜Iの合成
耐圧製の重合反応器に、重合水130部、過硫酸カリウム1.0部を仕込み、十分攪拌した後、表1に示す1段目の各単量体およびその他の成分を加えて70℃に昇温した。その後、槽内温度を70℃に保持し、重合転化率が70%を越えた時点で、2段目の各単量体およびその他の成分を加え、重合転化率が75%を越えた時点で、3段目の各単量体およびその他の成分を加え、最終転化率が97%を超えた時点で重合を終了した。次いで、得られた共重合体ラテックスを、水酸化ナトリウムを用いてpHを7に調整し、加熱減圧蒸留により未反応単量体および他の低沸点化合物を除去し、共重合体ラテックスA〜Iを得た。
表1に示す通り、本発明による共重合体ラテックスA〜Fはいずれも、吸水性と乾燥時のフィルム強度のバランスに優れるものであった。
比較例1は、エチレン系不飽和ジカルボン酸単量体が本願規定の下限値よりも低い例であり、吸水率と乾燥時のフィルム強度に劣るものであった。
比較例2は、エチレン系不飽和ジカルボン酸単量体が本願規定の上限値よりも高い例であり、吸水率が高すぎフィルムが溶解し、さらに、乾燥時のフィルム強度に劣るものであった。
比較例3は、エチレン系不飽和ジカルボン酸単量体を用いずエチレン系不飽和モノカルボン酸単量体を用いた例であり、乾燥時のフィルム強度に優れるものの、吸水率に劣るものであった。

Claims (4)

  1. 脂肪族共役ジエン系単量体25〜65重量部、エチレン系不飽和ジカルボン酸単量体6〜20重量部、その他の共重合可能な単量体15〜69重量部(単量体合計100重量部)を乳化重合して得られる共重合体ラテックスであって、該共重合体ラテックスより得られるフィルムを、23℃のイオン交換水に10分間浸漬させた際の吸水率が30〜150%であることを特徴とする共重合体ラテックス。
  2. エチレン系不飽和ジカルボン酸単量体がイタコン酸及び/又はフマル酸であることを特徴とする請求項1に記載の共重合体ラテックス。
  3. エチレン系不飽和ジカルボン酸単量体がフマル酸であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の共重合体ラテックス。
  4. ゲル含有量が70重量%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の共重合体ラテックス。



















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