JP5302029B2 - 眼鏡レンズ加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、眼鏡レンズの周縁を加工する眼鏡レンズ加工装置に関する。
眼鏡レンズ加工装置では、レンズチャック軸に眼鏡レンズが保持され、レンズチャック軸の回転によりレンズも回転され、粗砥石にレンズが押し当てられることにより、レンズの周縁が粗加工される。眼鏡レンズをレンズチャック軸に保持させるときには、治具であるカップがレンズ表面に固定され、眼鏡レンズ加工装置が持つ一方のレンズチャック軸のカップホルダにカップを介してレンズが装着され、もう一方のレンズチャック軸のレンズ押え部材により、レンズがチャッキングされる。
近年では、水や油などが付着しにくい撥水物質がレンズ表面にコーティングされた撥水レンズが多く使用されるようになってきた。この撥水レンズはその表面が滑りやすいため、撥水物質が施されていないレンズと同様な従来の加工制御では、レンズに粗砥石が深く切り込まれたときに、カップの取り付けが滑り、レンズチャック軸の回転角度に対してレンズの軸角度がずれてしまう、いわゆる「軸ずれ」が大きく発生する問題がある。
この「軸ずれ」を軽減する方法として、レンズチャック軸に掛かる負荷トルクを検知し、負荷トルクが所定値内に入るようにレンズ回転速度を減速し、又はレンズチャック軸と砥石回転軸の軸間距離を離す方向に移動させる技術が提案されている(特許文献1参照)。また、別の方法として、レンズを一定速度で回転させ、レンズが1回転する間の切り込み量が略一定となるように、レンズチャック軸と砥石回転軸との軸間距離を変動させる技術が提案されている(特許文献2参照)。
特開2004−255561号公報 特開2006−334701号公報
しかし、特許文献1の技術を用いたところ、切り込み量が増大したときに、レンズに加わる負荷トルクの許容値を急激に超えてしまい、即座にトルクを減少させることが難しことが分かった。また、レンズを砥石から急激に遠ざけてトルクを減少させるように制御すると、レンズチャック軸が上下方向の振動してしまうことがあった。
一方、特許文献2の技術を採用する際、加工点によって変化するレンズの厚み情報が無いため、最も厚いレンズを想定し、「軸ずれ」が発生しないように安全を見込んで極めて少ない切り込み量にすると、加工時間が長くなる。切り込み量が一定であるために、レンズの厚い部分では、レンズチャック軸に掛かる負荷トルクが許容値を超えてしまう場合がある。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、加工時間を長引かせることなく、「軸ずれ」を効果的に抑えることができる眼鏡レンズ加工装置を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 眼鏡レンズを保持するレンズチャック軸を回転するレンズ回転手段と、レンズの周縁を粗加工する粗砥石が取り付けられた砥石回転軸を回転する砥石回転手段と、前記レンズチャック軸と前記砥石回転軸との軸間距離を変動させる軸間距離変動手段と、を備え、玉型データに基づいてレンズの周縁を加工する眼鏡レンズ加工装置において、レンズ前面及びレンズ後面のカーブ形状を測定又は入力するレンズ形状測定・入力手段と、測定又は入力されたレンズ前面及びレンズ後面のカーブ形状に基づいてレンズの回転中心からの加工距離に応じて変化するレンズの回転角毎のレンズ厚を求め、求めたレンズ厚とレンズ回転角毎のレンズ回転中心からの加工距離とに基づいてレンズチャック軸に掛かるトルクが略一定となる切り込み量をレンズ回転角毎に求める演算手段と、演算された切り込み量に従って前記軸間距離変動手段を制御してレンズを粗加工する加工制御手段と、を備えることを特徴とする。
(2) (1)の眼鏡レンズ加工装置において、所定の加工体積を加工する際に発生する加工負荷係数であって、予め設定された加工負荷係数を記憶する記憶手段を有し、前記演算手段は、レンズ回転中心からの加工距離、その加工距離でのレンズ厚及び切り込み量から求められる加工体積に加工距離及び前記加工負荷係数を乗じた値がレンズチャック軸に掛かるトルクとなる関係に基づいて切り込み量をレンズの回転角毎に求めることを特徴とする。
(3) (2)の眼鏡レンズ加工装置において、レンズの材質を選択する選択手段を有し、前記記憶手段は前記選択手段により選択されるレンズ材質に応じた加工負荷係数を記憶し、前記演算手段はレンズ材質の選択信号に基づいて前記記憶手段からレンズ材質に応じた加工負荷係数を呼び出し、レンズ材質に応じた切り込み量を求めることを特徴とする。
(4) (1)〜(3)の何れかの眼鏡レンズ加工装置において、前記レンズ形状測定・入力手段は、玉型データに基づいてレンズ前面及びレンズ後面のコバ位置を検知するレンズコバ位置測定手段を有し、前記演算手段は、前記レンズコバ位置測定手段により得られたコバ位置に基づいてレンズ前面及びレンズ後面のカーブ形状をレンズ回転角毎に求め、求めたレンズ回転角毎のレンズ前面及びレンズ後面のカーブ形状に基づいて前記加工距離に応じたレンズ厚をレンズの回転角毎に得ることを特徴とする。
(5) (2)の眼鏡レンズ加工装置において、加工前のレンズの外径を測定又は入力によって取得するレンズ外径取得手段を備え、前記演算手段は、前記レンズ外径取得手段により取得されたレンズ外径に基づいてレンズの1回転におけるレンズ回転角毎に前記加工体積Vを加工するときのレンズ回転中心からの加工距離を決定し、レンズ回転角毎の切り込み量を求めることを特徴とする。


本発明によれば、加工時間を長引かせることなく、「軸ずれ」を効果的に抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る眼鏡レンズ加工装置の加工部の概略構成図である。
加工装置本体1のベース170上にはキャリッジ部100が搭載される。そして、キャリッジ101が持つレンズチャック軸(レンズ回転軸)102L,102Rに挟持された被加工レンズLEの周縁は、砥石スピンドル161aに同軸に取り付けられた砥石群168に圧接されて加工される。砥石群168は、ガラス用粗砥石162、高カーブのレンズにヤゲンを形成するヤゲン斜面を有する高カーブヤゲン仕上げ用砥石163、低カーブのレンズにヤゲンを形成するV溝(ヤゲン溝)VG及び平坦加工面を持つ仕上げ用砥石164、平鏡面仕上げ用砥石165、プラスチック用粗砥石166から構成される。砥石スピンドル161aは、モータ160により回転される。これらにより、砥石回転ユニットが構成される。
キャリッジ101の左腕101Lにレンズチャック軸102Lが、右腕101Rにレンズチャック軸102Rが、それぞれ回転可能に同軸に保持されている。レンズチャック軸102Rは、右腕101Rに取り付けられたモータ110によりレンズチャック軸102L側に移動される。そして、レンズLEは2つのレンズチャック軸102R,102Lにより保持される。また、2つのレンズチャック軸102R,102Lは、左腕101Lに取り付けられたモータ120により、ギヤ等の回転伝達機構を介して同期して回転される。これらによりレンズ回転手段(レンズ回転ユニット)が構成される。なお、モータ120の回転軸には、レンズチャック軸102L、102Rの回転を検出するエンコーダ120aが備えられている。エンコーダ120aは、レンズ周縁加工時にレンズチャック軸102L、102Rに加わるトルクを検知するセンサとして使用される。
キャリッジ101は、レンズチャック軸102R,102L及び砥石スピンドル161aと平行に延びるシャフト103,104に沿って移動可能なX軸移動支基140に搭載されている。支基140の後部には、シャフト103と平行に延びるボールネジが取り付けられており(図示を略す)、そのボールネジはX軸移動用モータ145の回転軸に取り付けられている。モータ145の回転により、支基140と共にキャリッジ101がX軸方向(レンズチャック軸の軸方向)に直線移動される。これらによりX軸方向移動手段が構成される。モータ145の回転軸には、キャリッジ101のX軸方向の移動を検出する検出器であるエンコーダ146が備えられている。
また、支基140には、Y軸方向(レンズチャック軸102L、102Rと砥石スピンドル161aの軸間距離が変動される方向)に延びるシャフト156,157が固定されている。キャリッジ101はシャフト156,157に沿ってY軸方向に移動可能に支基140に搭載されている。支基140にはY軸移動用モータ150が固定されている。モータ150の回転はY軸方向に延びるボールネジ155に伝達され、ボールネジ155の回転によりキャリッジ101はY軸方向に移動される。これらにより、Y軸方向移動手段(軸間距離変動ユニット)が構成される。モータ150の回転軸には、キャリッジ101のY軸方向の移動を検出する検出器であるエンコーダ150aが備えられている。
図1において、キャリッジ101の上方には、レンズコバ位置測定部(レンズコバ位置検知ユニット)200F、200Rが設けられている。図2はレンズ前面のレンズコバ位置を測定する測定部200Fの概略構成図である。図1のベース170上に固設された支基ブロック200aに取付支基201Fが固定され、取付支基201Fに固定されたレール202F上をスライダー203Fが摺動可能に取付けられている。スライダー203Fにはスライドベース210Fが固定され、スライドベース210Fには測定子アーム204Fが固定されている。測定子アーム204Fの先端部にL型のハンド205Fが固定され、ハンド205Fの先端に測定子206Fが固定されている。測定子206FはレンズLEの前側屈折面に接触される。
スライドベース210Fの下端部にはラック211Fが固定されている。ラック211Fは取付支基201F側に固定されたエンコーダ213Fのピニオン212Fと噛み合っている。また、モータ216Fの回転は、ギヤ215F、アイドルギヤ214F、ピニオン212Fを介してラック211Fに伝えられ、スライドベース210FがX軸方向に移動される。レンズコバ位置測定中、モータ216Fは常に一定の力で測定子206FをレンズLEに押し当てている。モータ216Fによる測定子206Fのレンズ屈折面に対する押し当て力は、レンズ屈折面にキズが付かないように、軽い力で付与されている。測定子206Fのレンズ屈折面に対する押し当て力を与える手段としては、バネ等の周知の圧力付与手段とすることもできる。エンコーダ213Fはスライドベース210Fの移動位置を検知することにより、測定子206FのX軸方向の移動位置を検知する。この移動位置の情報、レンズチャック軸102L,102Rの回転角度の情報、Y軸方向の移動情報により、レンズLEの前面のコバ位置(レンズ前面位置も含む)が測定される。
レンズLEの後面のコバ位置を測定する測定部200Rの構成は、測定部200Fと左右対称であるので、図2に図示した測定部200Fの各構成要素に付した符号末尾の「F」を「R」に付け替え、その説明は省略する。
レンズコバ位置の測定時には、測定子206Fがレンズ前面に当接され、測定子206Rがレンズ後面に当接される。この状態で玉型データに基づいてキャリッジ101がY軸方向に移動され、レンズLEが回転されることにより、レンズ周縁加工のためのレンズ前面及びレンズ後面のコバ位置が同時に測定される。なお、測定子206F及び測定子206Rが一体的にX軸方向に移動可能に構成されたレンズコバ位置測定部においては、レンズ前面とレンズ後面が別々に測定される。以上、キャリッジ部100、レンズコバ位置測定部200F、200Rの構成は、基本的に特開2003−145328号公報に記載されたものを使用できるので、詳細は省略する。
なお、図1の眼鏡レンズ加工装置におけるX軸方向移動手段及びY軸方向移動手段の構成は、レンズチャック軸(102L,102R)に対して砥石スピンドル161aを相対的にX軸方向及びY軸方向に移動させる構成としても良い。また、レンズコバ位置測定部200F、200Rの構成においても、レンズチャック軸(102L,102R)に対して測定子206F,206RをY軸方向に移動させる構成としても良い。
図3は装置の制御系ブロック図である。制御部50には、眼鏡枠形状測定部2(特開平4−93164号公報等に記載したものを使用できる)、スイッチ部7、メモリ51、レンズコバ位置測定部200F、200R、タッチパネル式の表示手段及び入力手段としてのディスプレイ5、等が接続されている。制御部50は、ディスプレイ5が持つタッチパネル機能により入力信号を受け、ディスプレイ5の図形及び情報の表示を制御する。また、制御部50には、キャリッジ部100の各モータ110,145,160,120,150が接続されている。
次に、本装置の動作を説明する。眼鏡枠形状測定部2の測定により得られたレンズ枠の玉型データ(rn,θn)(n=1,2,3,…,N)は、スイッチ部7が持つスイッチが押されることにより入力され、メモリ51に記憶される。ディスプレイ5の画面500aには、入力された玉型データに基づく玉型図形FTが表示される。装用者の瞳孔間距離(PD値)、眼鏡フレームFの枠中心間距離(FPD値)、玉型の幾何中心FCに対する光学中心OCの高さ等のレイアウトデータが入力可能な状態とされる。レイアウトデータは、画面500bに表示される所定のタッチキーを操作することにより入力できる。また、タッチキー510,511,512及び513により、レンズの材質、フレームの種類、加工モード、面取り加工の有無等の加工条件を設定できる。レンズの材質は、タッチキー510により、通常のプラスチックレンズ、高屈折のプラスチックレンズ及びポリカーボネイトレンズ等が選択できる。
また、レンズLEの加工に先立ち、操作者は、レンズLEのレンズ前面に固定治具であるカップCu(図14参照)を周知の軸打器を使用して固定する。このとき、レンズLEの光学中心OCにカップを固定する光心モードと、玉型の幾何中心FCに固定する枠心モードと、がある。光心モード又は枠心モードは、タッチキー514により選択できる。光心モードではレンズLEの光学中心OCがレンズチャック軸(102L,102R)によりチャキングされ、レンズの回転中心にされる。枠心モードでは、玉型の幾何中心FCがレンズチャック軸によりチャキングされ、レンズの回転中心にされる。
また、撥水コートが施された、表面が滑りやすいレンズ(撥水レンズ)では、粗加工時に「軸ずれ」が発生しやすい。「軸ずれ」とは、レンズとカップCuとの取り付け位置が滑り、レンズチャック軸の回転角に対してレンズの軸角度がずれてしまう現象を言う。滑りやすいレンズの加工時に使用するソフト加工モードと、撥水コートが施されていない通常のプラスチックレンズの加工時に使用する通常加工モードと、をタッチキー515(モード選択スイッチ)により選択できる。以下では、ソフト加工モードが選択されている場合を説明する。
操作者は、レンズLEに固定されたカップCuをレンズチャック軸102Lの先端側に設けられたカップホルダ105に挿入する(図14参照)。そして、レンズチャック軸102Rがモータ110の駆動によってレンズLE側に移動されることにより、レンズチャック軸にレンズLEが保持される。レンズチャック軸にレンズLEが保持された後、スイッチ7のスタートスイッチが押されると、制御部50によりレンズコバ位置測定部200F、200Rが作動され、レンズ前面及び後面のカーブ形状を基にレンズチャック軸に掛る負荷トルクが略一定となる切り込み量が演算される。以下、粗加工時の軸ずれを防止する切り込み量の演算を説明する。
図4は、レンズ前面のカーブ形状及びレンズ後面のカーブ形状を得る方法を説明する図である。玉型データ(rn,θn)(n=1,2,3,…,N)に従って、2つの測定軌跡でレンズコバ位置測定部200F、200Rによりレンズ前面及びレンズ後面のコバ位置が測定される。測定ポイント数のNは、例えば、1000ポイントである。第1測定軌跡は、玉型データの動径長(rn)の軌跡である。第2測定軌跡は、玉型データの動径長(rn)より一定距離d(例えば、1mm)だけ外側の軌跡である。なお、図4では、動径長(rn)をAとして表記する。測定子206F、測定子206Rがそれぞれ図4上の位置Lf1及びLr1に当接されて、第1測定軌跡のレンズ前面及びレンズ後面のX軸方向の位置が測定される。次に、測定子206F、測定子206Rがそれぞれ図4上の位置Lf2及びLr2に当接されて、第2測定軌跡のレンズ前面及びレンズ後面のX軸方向のコバ位置が測定される。なお、以下では、説明を簡単にするために、レンズの回転中心がレンズの光学中心OCであるものとする。
位置Lf1と位置Lf2を結ぶ直線により、レンズ回転角(動径角)θn毎にレンズ前面の傾斜角ωfが求められる。また、位置Lr1と位置Lr2を結ぶ直線により、レンズ回転角(動径角度)θn毎にレンズ後面の傾斜角ωrが求められる。
次に、レンズ前面の傾斜角ωf及びレンズ後面の傾斜角ωrにより、それぞれレンズ前面カーブDf及びレンズ後面カーブDrが、以下の式にて近似的に求められる。
Figure 0005302029
上記の数1式において、レンズ前面カーブを表すDf[diopter]及びレンズ後面カーブを表すDr[diopter]は、慣例的に数値523をカーブの半径R(mm)で割った値として表記されたものである。カーブの半径R、傾斜角ωからカーブD[diopter]を求める演算は、図5により補足的に示されている。
次に、レンズ前面及びレンズ後面のカーブ形状からレンズ厚を推定する方法を、図6により説明する。なお、図6は、乱視成分が無い(レンズ前面及びレンズ後面とも球面である)レンズを仮定した場合である。図6において、加工中心から任意の点までの距離(加工距離)φi[mm]でのレンズ厚をWi[mm]とする。また、X軸(レンズチャック軸)上のレンズ前面位置Lfcから距離φi[mm]でのレンズ前面位置Lfiまでの距離をmfとする。同様に、X軸上のレンズ後面位置Lrcから距離φi[mm]でのレンズ後面位置Lriまでの距離をmrとする。X軸上の位置Lfcから位置Lrcまでの距離をCとする。このとき、距離φiでのレンズ厚Wiは、以下の式で求められる。
Figure 0005302029
ここで、距離mf及びmrは、それぞれ以下の式で求められる。
Figure 0005302029
なお、数4式のmfは次の式から導かれる。図7において、レンズ前面のカーブDfの中心Oと位置Lfiと結ぶ線分FとX軸とがなす角度をγとし、カーブDfの半径をRfとすると、以下の関係がある。
Figure 0005302029
上記の数4式において、mfについて解いたものが数4式のmfを求める式となる。同様な考えにより、数3式のmrを求める式が導かれる。
また、図6において、玉型の動径長φmで実際に測定されたレンズ前面位置Lf1からレンズ後面位置Lf1までの距離をWmとすると、距離C(X軸上でレンズ厚)は、図7及び上記の数4式の考え方を適用して、以下の式で求められる。
Figure 0005302029
レンズLEに乱視成分が無い場合(球面レンズの場合)、レンズ回転角(動径角)θn毎に求められた各Df、Drの値を測定ポイント数Nで平均化し、平均した値を数3式、数4式に代入する。これにより、任意の距離φiでのレンズ厚Wiが求められる。
図6は、レンズLEに乱視成分(CYL)が無いものと仮定した場合であったが、実際のレンズに乱視成分があるので、以下のように乱視成分を反映させたレンズ厚を推定する。
数3式の距離φiに玉型データの動径長rnを代入し、数2式により全周の動径角毎のレンズ厚Wiを求める。この計算結果のWiは、レンズが球面レンズであると仮定したときの玉型データの動径長rnでのレンズ厚となる。この計算結果と実際のレンズコバ位置測定の測定結果により得られた全周の動径角毎のレンズ厚Wmとの差ΔWmを計算する。そして、動径角毎の差ΔWmの正弦波を求め、その最大値が存在するポイントが乱視成分の強主経線軸となり、正弦波の最小値が存在するポイントが弱主経線軸となる。
次に、強主経線軸の動径角において第1測定軌跡で測定された位置Lr1と第2測定軌跡で測定された位置Lr2とに基づき、数1式と同じ考え方で、強主経線軸及び弱主経線軸の差のレンズカーブDcyl[diopter]を求める。強主経線軸のレンズカーブDcylから、図8のようにして、レンズ厚を推定する。図8は強主経線軸と弱主経線軸での差のカーブDcylを示す図である。図8において、RradはカーブDcyl上で距離φi[mm]に相当する距離である。RradでのカーブDcylまでの距離をYcylとすると、Ycylは次の式で求められる。
Figure 0005302029
上記式で求めたRrad(φi)毎のRcylを数2式で求めたレンズ厚Wiに加算し、これを新たなレンズ厚Wiとする。これは強主経線軸でのレンズ厚の計算であるので、弱主経線軸と強主経線軸との間の単位回転角度毎のカーブDcyを求めて上記式と同様な計算を行うことにより、全周でのレンズ厚Wiを求める。例えば、動径角毎(レンズ回転角毎)の差ΔWmを同一半径で演算することにより、図9のような距離Ycylの正弦波の変化が得られる。この正弦波は、球面レンズカーブに対する乱視レンズのトーリック面カーブを示す値となる。したがって、この正弦波の変化により動径角(レンズ回転角)毎の距離Ycylが得られ、これをレンズが球面であると仮定した場合のレンズ厚Wiに加えることにより、乱視レンズのレンズ厚Wiが全周に渡って求められる。
次に、レンズの回転角毎に、レンズ回転中心からの距離φiでのレンズ厚Wiを利用して、レンズLEの粗加工時にレンズチャック軸に掛かる負荷トルクを一定とするための切り込み量の算出を、図10により説明する。
図10において、レンズの単位回転角をθaとし、切り込み量をΔφiとし、この単位回転角θa及び切り込み量Δφiで加工される部分の加工中心点をPaとする。また、レンズ回転中心(OC)から加工中心点Paまでの距離をRiとし、距離Riでのレンズ厚をWiとし、このときの加工部分の体積をVとする。
加工中心点Paの径(Ri)で体積Vを加工した際に生じる加工負荷をF[N:newton]とすれば、レンズチャック軸(以下、θ軸)に掛かる負荷トルクT[Nm]は、次式で表される。
Figure 0005302029
ここで、単位体積を加工する際に発生する加工負荷を表す係数をN[N/mm3]とすると、負荷トルクTは下記の式に変形される。加工負荷係数Nは、予め実験等により定められた値であり、メモリ51に記憶されている。また、加工負荷係数Nは、レンズの材質に応じて決定されていることが好ましい。
Figure 0005302029
すなわち、レンズチャック軸に掛かる負荷トルクTは、加工体積Vに加工距離Ri及び
加工負荷係数Nを乗じた値として表される。そして、加工負荷係数Nが定数であるので、負荷トルクTは、加工中心からの距離Riに比例し、また、加工体積Vに比例する値である。負荷トルクTが略一定となる切り込み量Δφiは、上記の関係を利用して演算される。
一方、レンズが単位角度θaだけ回転したときに加工される体積Vは、以下の式で求められる。なお、Iは、単位角度θaだけレンズが回転されたときに、加工中心点Paの円周方向の距離(距離Ri方向に直交する方向の距離)であり、近似的に距離Riと2×tanθaを乗じた値として求められる。
Figure 0005302029
上記の数8式と数9式から、切り込み量Δφiについて解くと、次式で与えられる。
Figure 0005302029
レンズの軸ずれを発生させないためのトルクTを実験により定めておき、実際のレンズの粗加工時には、単位角度θaだけレンズを回転する毎にレンズ回転中心からの距離Ri及びその距離Riでのレンズ厚Wiに応じてトルクTが一定となる切り込み量Δφiを求める。すなわち、切り込み量Δφiは、トルクTが一定にされつつ、距離Ri及びその距離Riでのレンズ厚Wiに応じて変えられる値である。
上記ではレンズの回転中心がレンズの光学中心OCであるものとしたが、レンズの回転中心が光学中心OC以外にある場合、前述の各数式は光学中心OCとレンズ回転中心との位置関係により補正する。例えば、レンズの回転中心が玉型の幾何中心FCを基準とする枠心モードの場合には、図11のように、数1式の加工点までの距離Aを光学中心OCからの距離Bに換算した値を使用する。図11において、幾何中心FCと光学中心OCとの距離をEとし、中心FCと玉型のコバ位置TPとを結ぶ線分(距離A)がx軸と成す角度をα、FCとOCとを結ぶ線分がx軸と成す角度をβとする。また、中心FCに対する中心OCの位置(x、y)は、レイアウトデータで入力される。距離Bは、図11及び余弦定理に基づく下記の式により求められる。
Figure 0005302029
また、切り込み量Δφiの算出を説明する図10は、図12のように変形される。図12において、幾何中心FCと光学中心OCとの距離をEとし、レンズ回転中心である中心FCから加工中心点Paまでの距離をφiとする。また、加工部分の体積Vを加工するための、レンズの単位回転角は、微小角(例えば、1周を1000ポイントで分割すれば、単位回転角は0.36度)であるので、近似的に前述の回転角θaと同じものとして扱うことができる。レンズ回転中心が幾何中心FCにある場合、体積Vを加工する際に生じる加工負荷は、中心FCと加工点Paとを結ぶ線分に直交する方向に働く。この方向と加工負荷Fの方向との成す角度をθfとする。
体積Vを加工する際にレンズチャック軸に掛かる負荷トルクT[Nm]を示す前述の数8式は、次式に変換される。
Figure 0005302029
なお、cosθfは、図12より、以下の式で求められる。
Figure 0005302029
また、レンズが単位角度θaだけ回転したときに加工される体積Vは、以下の式で求められる。
Figure 0005302029
上記の2つの式から、Δφiについて解くと、切り込み量Δφiは次式で与えられる。
Figure 0005302029
この切り込み量Δφiに従って軸間距離変動ユニットのモータ150が制御されることにより、レンズチャック軸に掛かるトルクTが略一定でレンズが粗加工される。
なお、加工に先立ってタッチキー510によりレンズの材質が選択されると、選択された材質に応じた加工負荷係数Nがメモリ51から呼び出され、レンズの材質に応じた切り込み量Δφiが演算される。加工負荷係数Nは、実験により設定された値であり、通常のプラスチックレンズの加工負荷係数をNp1とすると、高屈折プラスチックレンズの加工負荷係数をNp2、ポリカーボネイトレンズの加工負荷係数をNp3とすると、Np1<Np2<Np3の順に加工負荷係数が高く設定される。
実際の加工動作について説明する。レンズコバ位置測定部200F、200Rによるレンズ前面及びレンズ後面のコバ位置の測定結果が得られると、前述のような演算により、レンズチャック軸に掛る負荷トルクTを略一定とするための切り込み量Δφiが、制御部50により求められる。なお、ヤゲン加工が設定されている場合は、レンズ前面及びレンズ後面のコバ位置の検知結果と玉型データに基づいて、ヤゲン位置の軌跡データが求められる(ヤゲン軌跡データの演算については、周知の方法が使用できる)。
レンズコバ位置測定が完了すると、粗砥石166による粗加工に移行される。この粗加工に際して、始めに未加工のレンズLEの外径寸法を取得するための測定ステップが実行される。レンズチャック軸102R,102LのX軸方向の移動により、レンズLEが粗砥石166の位置に移動される。次に、モータ150の駆動によりレンズLEが砥石166側へ移動される。粗加工の開始時には、例えば、玉型の幾何中心FC、レンズLEの光学中心OC及び粗砥石166の回転中心(砥石スピンドル161aの中心)とが一直線上(Y軸上)に位置するように、モータ120の駆動によりレンズLEが回転される。そして、モータ150の駆動により、レンズチャック軸102,102LがY軸方向に移動され、レンズLEが粗砥石166に当接される。このとき、モータ150の駆動パルス信号とエンコーダ150aから出力されるパルス信号とが比較され、両者に所定以上のズレが生じたときに、レンズLEが粗砥石166に当接した状態になったと検知される。制御部50は、このときのレンズチャック軸102R,102Lの中心(玉型の幾何中心FC)と砥石スピンドル161aの中心との軸間距離La、幾何中心FCとレンズLEの光学中心OCとの距離E及び粗砥石166の半径RCに基づいて、以下の式でレンズLEの外径寸法である半径rLを求める。
Figure 0005302029
軸間距離Laは、レンズLEが粗砥石166に当接したと検知されたときのエンコーダ150aからのパルス信号を基に得られる。距離Eは、入力されたレイアウトデータのFPD値、PD値及び玉型の幾何中心FCに対する光学中心OCの高さデータから求められる。粗砥石166の半径RCは設計的に既知の値であり、メモリ51に記憶されている。
枠心モードの場合、幾何中心FCがレンズチャック中心となるので、半径rLとレイアウトデータ(光学中心OCと幾何中心FCの位置関係のデータ)に基づいて、レンズチャック中心であるFCを中心にしたレンズ外径データ(rLEn,θn)(n=1,2,3,…,N)に置き換えられる。
なお、レンズLEの外径寸法の測定は、粗砥石166の回転を止めて行うことが好ましいが、加工時間を短縮するために、粗加工を連続して行えるように粗砥石166を回転しながら測定を行ってもよい。この場合、粗砥石166が回転されていることによりレンズLEの当接部分は多少研削されるが、その量は多くても1mm程であるので、近似的にレンズLEの半径rLが得られる。
また、未加工レンズLEの外径寸法を測定する手段としては、レンズコバ位置測定部200F又は200Rを利用することもできる。例えば、制御部50は、図5と同じく、光学中心OCと玉型の幾何中心FCとを結ぶ直線がY軸上に位置するようにレンズLEを回転した後、レンズコバ位置測定部200Fの測定子206F(又はレンズコバ位置測定部200Rの測定子206R)を玉型FT上に当接させる。その後、測定子206Fをレンズの外周に向かって移動させるように、レンズLEのY軸移動を制御する。測定子206FがレンズLEの屈折面に接触している状態から外れると、エンコーダ213Fのコバ位置の検知情報が急激に変化する。このときのY軸方向の軸間距離をエンコーダ150aから得ることにより、レンズLEの加工前の外径寸法である半径rLを算出することができる。
また、レンズLEの加工前の外径寸法が予め分かっていれば、これを操作者がディスプレイ5の所定の入力画面で入力することにより、外径寸法が取得されるようにしても良い。
レンズ外径寸法の取得ステップの終了後、前述のように、求められた切り込み量Δφiに従った粗加工ステップに移行される。まず、レンズ外径寸法rLから、レンズ1回転目で単位回転角θa毎に加工体積Vを加工するときの距離φiが決定され、このときの切り込み量Δφiが決定される。
図13は、切り込み量Δφiに従った加工軌跡を示す図である。レンズLEは乱視成分を持つマイナスパワー(球面度数がマイナス)のレンズであり、玉型の幾何中心FCがレンズチャック軸により保持されているものとする。マイナスパワーのレンズは、光学中心OCのレンズ厚が最も薄く、外周へ行くほどレンズ厚が増加される。
レンズの1回転目の加工軌跡N1では、始めに弱主経線軸上にある加工点MP1aまで、切り込み量Δφ1aで加工されるとする。レンズが回転され、強主経線軸までレンズ厚が増加している。このとき、切り込み量Δφiの加工軌跡は強主経線軸上にある加工点MP1bまで徐々に減少され、加工点MP1bでの切り込み量Δφ1bは、Δφ1aより短い値で求められる。レンズがさらに回転され、加工点MP1aと180度反対側にある加工点MP1cでの切り込み量Δφ1cは、Δφ1bより長い値で求められる。加工点MP1cでは回転中心であるFCからの距離φiが加工点MP1aより短いため、負荷トルクTを略一定とする切り込み量Δφ1cは、Δφ1aより長い値で求められる。
レンズが2回転目に入り、レンズの1回転目の加工点MP1aと同じ回転角に有る加工点MP2aが加工されるときは、レンズ厚が中心OCに行くほど薄くなり、且つレンズ回転中心FCからの距離φiが加工点MP1aより短くされている。このため、加工点MP2aが加工されるときの切り込み量Δφ2aは、レンズ1回転目のときの切り込み量Δφ1aより長い値で求められる。また、加工点MP1bと同じ回転角に有る加工点MP2bの切り込み量Δφ2bは、距離φiが加工点MP1bより短く、且つレンズ厚も加工点MP1bより薄いため、レンズ1回転目のΔφ1bより長い値で求められる。加工点MP2bのレンズ厚が加工点MP2aより厚い場合、切り込み量Δφ2bは切り込み量Δφ2aよりも短い値で求められる。同様に、加工点MP1cと同じレンズの回転角で、レンズ2回転目の加工軌跡N2上の加工点MP2cでの切り込み量Δφ2cは、切り込み量Δφ1cより長い値で求められ、且つΔφ2aよりも長い値で求められる。
以上のように、レンズ回転角毎の加工点の距離φi及びその距離φiでのレンズ厚Wiに基づいて、レンズチャック軸(102R,102L)に掛かるトルクTが略一定となる切り込み量Δφiが求められるので、「軸ずれ」を抑えつつ、加工時間を短くした粗加工が行われる。
なお、上記のようにトルクTが略一定となるように切り込み量が決定されるが、粗加工時にはレンズチャック軸(102R,102L)に掛かる実際のトルクTAを監視し、許容トルクΔT内に入るように、切り込み量を制御する方法を併用しても良い。実際のトルクTAは、モータ120への回転指令信号(指令パルス)とエンコーダ120aによる実際の回転角の検出信号(出力パルス)との差に基づき、制御部50により検知される。あるいは、レンズチャック軸にトルクセンサを設けておくことにより、トルクTAが検知される。トルクTAが許容トルクΔTを超えた場合、次のレンズの回転角では、許容トルクΔTを超えた量に応じて演算により求められた切り込み量Δφiを減少させる。これにより、レンズの軸すれの可能性をより低減できる。
上記は、撥水コートが施されたレンズの場合のソフト加工モードに適用される加工動作を説明したが、撥水コートが施されていない通常のプラスチックレンズに適用する通常加工モードにおいても、上記のレンズチャック軸に掛かるトルクTが略一定となる切り込み量Δφiに従った加工制御が適用される。この場合、数8式、数15式等で使用される加工負荷係数Nが、ソフト加工モードの場合に比べて小さい値に設定されている。加工負荷係数Nは、通常のプラスチックレンズの加工実験により予め設定される。したがって、通常加工モードでは、レンズの回転角及び加工点の距離に応じて決定される切り込み量Δφiがソフト加工モードの場合に比べて大きく決定されるので、「軸ずれ」を抑えつつ、より短時間で加工される。
眼鏡レンズ加工装置の加工部の概略構成図である。 レンズコバ位置測定部の概略構成図である。 装置の制御系ブロック図である。 レンズ前面のカーブ形状及びレンズ後面のカーブ形状を得る方法を説明する図である。 カーブの半径R、傾斜角ωからカーブD[diopter]を求める演算の説明図である。 レンズ前面及びレンズ後面のカーブ形状からレンズ厚を推定する方法を説明する図である。 X軸上のレンズ前面位置に対するレンズ前面の距離mfを求める考え方を説明する図である。 レンズに乱視成分がある場合に、乱視成分の強主経線軸と弱主経線軸での差のカーブDcylを示す図である。 距離Ycylの正弦波の変化を示す図である。 レンズチャック軸に掛かる負荷トルクを一定とするための切り込み量の算出を説明する図である。 レンズの回転中心が幾何中心FCにある場合に、各距離を光学中心からの距離に補正する説明図である。 レンズ回転中心が幾何中心FCにある場合の切り込み量の算出を説明する図である。 切り込み量に従った加工軌跡を示す図である。 レンズチャック軸によるレンズのチャキングを説明する図である。
2 眼鏡枠形状測定部
5 ディスプレイ
50 制御部
51 メモリ
100 キャリッジ部
102L,102R レンズチャック軸
120 モータ
166 プラスチック用粗砥石
160 モータ
145 モータ
200F,200R レンズコバ位置測定部

Claims (5)

  1. 眼鏡レンズを保持するレンズチャック軸を回転するレンズ回転手段と、レンズの周縁を粗加工する粗砥石が取り付けられた砥石回転軸を回転する砥石回転手段と、前記レンズチャック軸と前記砥石回転軸との軸間距離を変動させる軸間距離変動手段と、を備え、玉型データに基づいてレンズの周縁を加工する眼鏡レンズ加工装置において、
    レンズ前面及びレンズ後面のカーブ形状を測定又は入力するレンズ形状測定・入力手段と、
    測定又は入力されたレンズ前面及びレンズ後面のカーブ形状に基づいてレンズの回転中心からの加工距離に応じて変化するレンズの回転角毎のレンズ厚を求め、求めたレンズ厚とレンズ回転角毎のレンズ回転中心からの加工距離とに基づいてレンズチャック軸に掛かるトルクが略一定となる切り込み量をレンズ回転角毎に求める演算手段と、
    演算された切り込み量に従って前記軸間距離変動手段を制御してレンズを粗加工する加工制御手段と、
    を備えることを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  2. 請求項1の眼鏡レンズ加工装置において、所定の加工体積を加工する際に発生する加工負荷係数であって、予め設定された加工負荷係数を記憶する記憶手段を有し、前記演算手段は、レンズ回転中心からの加工距離、その加工距離でのレンズ厚及び切り込み量から求められる加工体積に加工距離及び前記加工負荷係数を乗じた値がレンズチャック軸に掛かるトルクとなる関係に基づいて前記切り込み量をレンズの回転角毎に求めることを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  3. 請求項2の眼鏡レンズ加工装置において、レンズの材質を選択する選択手段を有し、前記記憶手段は前記選択手段により選択されるレンズ材質に応じた加工負荷係数を記憶し、前記演算手段はレンズ材質の選択信号に基づいて前記記憶手段からレンズ材質に応じた加工負荷係数を呼び出し、レンズ材質に応じた切り込み量を求めることを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  4. 請求項1〜3の何れかの眼鏡レンズ加工装置において、前記レンズ形状測定・入力手段は、玉型データに基づいてレンズ前面及びレンズ後面のコバ位置を検知するレンズコバ位置測定手段を有し、前記演算手段は、前記レンズコバ位置測定手段により得られたコバ位置に基づいてレンズ前面及びレンズ後面のカーブ形状をレンズ回転角毎に求め、求めたレンズ回転角毎のレンズ前面及びレンズ後面のカーブ形状に基づいて前記加工距離に応じたレンズ厚をレンズの回転角毎に得ることを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  5. 請求項2の眼鏡レンズ加工装置において、加工前のレンズの外径を測定又は入力によって取得するレンズ外径取得手段を備え、前記演算手段は、前記レンズ外径取得手段により取得されたレンズ外径に基づいてレンズの1回転におけるレンズ回転角毎に前記加工体積Vを加工するときのレンズ回転中心からの加工距離を決定し、レンズ回転角毎の切り込み量を求めることを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
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