JP2023006436A - 眼鏡レンズ加工装置 - Google Patents

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教児 武市
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Abstract

【課題】 効率よく、加工具の不具合を判定でき、また、加工具の不具合を良好に判定できる眼鏡レンズ加工装置を提供する。【解決手段】 眼鏡レンズと加工具との位置関係を相対的に変化させることで、眼鏡レンズを加工具によって加工する眼鏡レンズ加工装置であって、加工具による眼鏡レンズの加工前に、加工具によって眼鏡レンズを加工した際に加工具に負荷されると予測される加工負荷の予測値を取得する第1取得手段と、加工具によって眼鏡レンズを実際に加工した際に加工具に負荷された実際の加工負荷の実測値を取得する第2取得手段と、取得された加工負荷の予測値と実測値とを比較可能とする比較情報を取得する比較情報取得手段と、比較情報を出力する出力手段と、を備える。【選択図】 図7

Description

本開示は、眼鏡レンズを加工する眼鏡レンズ加工装置に関する、
眼鏡レンズ加工装置では、加工具を用いて眼鏡レンズに粗加工、仕上げ加工、面取り加工等の様々な加工を施すことで、眼鏡レンズを所望の形状に加工することができる。
ところで、眼鏡レンズ加工装置に使用される加工具は、眼鏡レンズの加工枚数が増加することにより、折損や劣化等の不具合が生じてくる。このため、加工具に不具合があるか否かを検査するための技術が提案されている。例えば、特許文献1では、眼鏡レンズの前面又は後面に測定子を接触させる検査を行うことで、眼鏡レンズの未加工部分の有無を検査する検査ユニットを設け、眼鏡レンズに未加工部分があった場合に、加工具に不具合があると判定する。
特開2014―198359号公報
しかし、従来装置においては、眼鏡レンズの加工工程とは別に、加工具の不具合を検査するための検査工程が必要となるため、検査に時間が掛り、眼鏡レンズの加工効率が低下する問題があった。
また、従来装置においては、眼鏡レンズに未加工部分があった場合に、加工具に折損の不具合があると判定するものであり、加工具に劣化(切削能力の低下)は精度よく判定できない。
本開示は、上記従来技術に鑑み、効率よく、加工具の不具合を判定できる眼鏡レンズ加工装置を提供することを技術課題の一つとしている。本開示は、上記従来技術に鑑み、加工具の不具合を良好に判定できる眼鏡レンズ加工装置を提供することを技術課題の一つとしている。
本開示に係る眼鏡レンズ加工装置は、眼鏡レンズと加工具との位置関係を相対的に変化させることで、眼鏡レンズを前記加工具によって加工する眼鏡レンズ加工装置であって、前記加工具による眼鏡レンズの加工前に、前記加工具によって眼鏡レンズを加工した際に前記加工具に負荷されると予測される加工負荷の予測値を取得する第1取得手段と、前記加工具によって眼鏡レンズを実際に加工した際に前記加工具に負荷された実際の加工負荷の実測値を取得する第2取得手段と、前記予測値と前記実測値とを比較可能とする比較情報を取得する比較情報取得手段と、前記比較情報を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
本開示によれば、加工効率の低下を抑えつつ、効率よく、加工具の不具合を判定でき。また、加工具の不具合を良好に判定できる。
実施例に係る眼鏡レンズ加工装置における加工機構部の構成を説明する図である。 レンズ形状測定ユニットの概略構成図である。 眼鏡レンズ加工装置に関する制御ブロック図である。 加工条件を設定するときのディスプレイの画面例である。 粗加工における加工軌跡の例を示す図である。 加工軌跡における経時的な変化の加工負荷の予測値の例である。 加工負荷の予測値に対し、加工軌跡における経時的な変化の加工負荷の実測値を重畳して示した図である。 粗加工具に劣化が生じている場合における加工負荷の実測値及び予測値の経時的な変化のグラフの例である。 仕上げ加工の加工軌跡における加工負荷の予測値と実測値とを経時的なグラフで示した例である。
以下、本実施形態を図面に基づいて説明する。図1~9は本実施形態に係る眼鏡レンズ加工装置及び動作を説明する図である。
[概要]
眼鏡レンズ加工装置(例えば、眼鏡レンズ加工装置1)は、眼鏡レンズと加工具(例えば、加工具163、粗加工具423、面取り加工具415)との位置関係を相対的に変化させることで、眼鏡レンズを加工具によって加工する。例えば、本眼鏡レンズ加工装置は、眼鏡レンズを保持するレンズ保持軸(例えば、レンズチャック軸102)と、加工具とレンズ保持軸に保持された眼鏡レンズとの相対的に位置関係を変更する移動手段(例えば、移動ユニット300)を備える。
例えば、眼鏡レンズ加工装置は、データ取得手段(例えば、制御部50、データ取得ユニット10)を備える。例えば、データ取得手段は、第1取得手段(例えば、制御部50)を備える。例えば、第1取得手段は、加工具による眼鏡レンズの加工前に、加工具によって眼鏡レンズを加工した際に加工具に負荷されると予測される加工負荷の予測値を取得する。
なお、加工負荷は、直接的に加工具に負荷される加工負荷の他、間接的に加工具の回転軸(例えば、第2加工具駆動軸412、第1加工具駆動軸410、加工具回転軸161)に発生する負荷を含んでいてもよいし、加工具の回転軸を回転させるモータに発生する負荷を含んでいてもよい。例えば、加工具に負荷される加工負荷は、加工具を回転するモータの負荷電流を基に取得される。
例えば、第1取得手段は、加工具によって眼鏡レンズの周縁を加工する際に用いる加工軌跡における眼鏡レンズの厚みに基づいて予測値を得る。この場合、例えば、眼鏡レンズ加工装置は、加工軌跡における眼鏡レンズの厚みを取得するレンズ厚取得手段(例えば、制御部50、レンズ形状測定ユニット200)を備えていてもよい。例えば、レンズ厚取得手段は、玉型に対応した眼鏡レンズの前面形状と後面形状とに基づき、加工軌跡における眼鏡レンズのレンズ厚を取得してもよい。
例えば、第1取得手段は、加工軌跡におけるレンズ厚と、基準のレンズ厚における基準の加工負荷と、に基づいて加工負荷の予測値を取得してもよい。基準のレンズ厚における基準の加工負荷は、記憶手段(例えば、メモリ20)に記憶され、データ取得手段によって記憶手段から呼び出されることで取得されてもよい。
例えば、第1取得手段は、加工負荷の予測値を、眼鏡レンズの周縁を加工する際に用いる加工軌跡における経時的な変化の値として取得してもよい。例えば、第1取得手段は、眼鏡レンズのレンズ材質に基づいて加工負荷の予測値を取得してもよい。加工負荷はレンズ材質に応じて異なるため、レンズ材質に応じた加工負荷の予測値をより精度よく得ることができる。この場合、例えば、眼鏡レンズ加工装置はレンズ材質を取得する材質取得手段(例えば、データ取得ユニット10)を備えていてもよい。例えば、基準のレンズ厚における基準の加工負荷は、レンズ材質毎に記憶手段に記憶され、レンズ材質の設定情報に基づいて取得されることでもよい。例えば、レンズ材質は、プラスチック、ポリカーボネイト、アクリルが代表的に挙げられる。
例えば、第1取得手段は、加工具による眼鏡レンズの加工量に基づいて加工負荷の予測値を得てもよい。この場合、例えば、眼鏡レンズ加工装置は、眼鏡レンズの周縁を加工する際に用いる加工軌跡に対して、加工具によって加工される眼鏡レンズの加工量を取得する手段(例えば、データ取得ユニット10)を備えていてもよい。
例えば、データ取得手段は、第2取得手段(例えば、制御部50)を備える。例えば、第2取得手段は、加工具によって眼鏡レンズを実際に加工した際に加工具に負荷された実際の加工負荷の実測値を取得する。例えば、第2取得手段は、加工具を回転するモータ(例えば、モータ421、モータ160)の負荷電流によって加工負荷の実測値を得る。例えば、第2取得手段は、加工具によって眼鏡レンズの周縁を加工する際に用いる加工軌跡における経時的な変化の値として加工負荷の実測値を取得してもよい。
例えば、眼鏡レンズ加工装置は、比較情報取得手段(例えば、制御部50)を備える。例えば、比較情報取得手段は、第1取得手段により取得された加工負荷の予測値と、第2取得手段により取得された加工負荷の実測値と、を比較可能とする比較情報を取得する。例えば、眼鏡レンズ加工装置は、比較情報取得手段によって取得された比較情報を出力する出力手段(例えば、制御部50)を備える。例えば、出力手段は、表示手段(例えばディスプレイ60)に比較情報を出力することで、表示手段に比較情報が表示されてもよい。操作者は、表示手段に表示された比較情報を確認することで、加工具の不具合の有無(加工具の不具合の程度を含んでいてもよい)を良好に判定できる。また、比較情報取得手段は、加工具の不具合を判定するために、眼鏡レンズの前面又は後面に測定子を接触させる等の動作を必要としないため、加工効率の低下を招くことなく、効率よく、加工具の不具合の判定が可能になる。
また、例えば、比較情報取得手段は、加工負荷の予測値と実測値との比較処理に基づいて加工具の不具合の有無を判定してもよい。例えば、比較情報は加工具の不具合の有無を含む。これにより、効率よく、加工具の不具合を良好に判定できる。例えば、加工具の不具合は、加工具の折損と、加工具が破損、摩耗したことによる劣化(切削能力の低下)と、の少なくとも一つであってもよい。
例えば、比較情報取得手段は、加工負荷の経時的な予測値の変化と経時的な実測値の変化との比較処理に基づいて加工具の不具合の有無を判定してもよい。これにより、加工具が加工途中で折損した場合の不具合を良好に判定できる。
例えば、比較情報取得手段は、実測値が予測値に対して所定の第1差分量より低い場合に、加工具の不具合に折損があると判定する第1判定と、実測値が予測値に対して所定の第2差分量より高い場合に、加工具の不具合に劣化があると判定する第2判定と、の少なくとも一方の判定を行うことでもよい。これにより、加工具の不具合の種類(例えば、加工具の折損と加工具の劣化)を良好に判定できる。
なお、例えば、第1取得手段は眼鏡レンズの加工開始から加工終了までの期間における加工負荷の予測値の平均値を取得し、第2取得手段も眼鏡レンズの加工開始から加工終了までの期間における加工負荷の実測値の平均値を取得してもよい。この場合、比較情報取得手段は、予測値の平均値と実測値の平均値との比較処理に基づいて加工具の不具合の有無を判定してもよい。これにより、加工具の不具合の判定を良好に行える。
また、例えば、比較情報取得手段は、経時的な加工負荷の予測値の変化(増加及び下降)の傾向と、経時的な加工負荷の実測値の変化(増加及び下降)の傾向と、の比較処理に基づいて加工具の不具合を判定してもよい。例えば、経時的な加工負荷の予測値の増加及び下降の傾向を示しているにも拘わらず、実測値が同じ傾向を示さない場合(例えば、実測値が加工終了まで実質的に変化を示さない場合)、加工具に折損の不具合が生じていると判定される。
例えば、本眼鏡レンズ加工装置は、加工具による眼鏡レンズの加工時における加工負荷の変動要因として、眼鏡レンズ加工装置の個体差に起因する加工負荷情報を取得する加工負荷情報取得手段(例えば、データ取得ユニット10)を備え、加工負荷の予測値及び実測値は、加工負荷情報に基づいて加工負荷の基準が揃えられていてもよい。これにより、眼鏡レンズ加工装置の個体差に起因する加工負荷への影響を取り除くことができ、加工具の不具合の判定をより良好に行える。
[実施例]
本開示の典型的な実施例の一つについて、図面を参照して説明する。図1は、実施例に係る眼鏡レンズ加工装置1における加工機構部の構成を説明する図である。
例えば、眼鏡レンズ加工装置1は、被加工レンズである眼鏡レンズ(以下、レンズLE)を保持するためのレンズ保持軸を持つレンズ保持手段の例であるレンズ保持ユニット100を備える。例えば、眼鏡レンズ加工装置1は、レンズLEの形状(レンズLEの屈折面形状、レンズLEの外形形状)を取得するために構成されたレンズ形状測定ユニット200を備える(図2参照)。本実施例においては、レンズ形状測定ユニット200は、眼鏡レンズ加工装置1のベース2に設けられている。
例えば、眼鏡レンズ加工装置1は第1加工具ユニット150を備える。第1加工具ユニット150は、レンズLEの周縁を加工する加工具を回転させるために構成されている。例えば、眼鏡レンズ加工装置1は、第2加工具ユニット400を備える。第2加工具ユニット400は、レンズLEの周縁を粗加工する粗加工具(例えば、粗加工具423)、等を回転させるために構成されている。例えば、眼鏡レンズ加工装置1は、レンズ保持軸に保持されたレンズLEと加工具等の各種構成要素との位置関係を変更する(調整する)変更手段の例である移動ユニット300を備える。移動ユニット300は、レンズLEと第1加工具ユニット150が持つ加工具との相対的な位置関係を変える(調整する)ために使用される。また、移動ユニット300は、レンズLEと第2加工具ユニット400が持つ加工具との相対的な位置関係を変える(調整する)ために使用される。また、移動ユニット300は、レンズLEとレンズ形状測定ユニット200が持つ測定子との相対的な位置関係を変える(調整する)ために使用される。
<レンズ保持ユニット>
例えば、レンズ保持ユニット100は、レンズLEを保持(挟持)するためのレンズ保持軸の例であるレンズチャック軸102と、キャリッジ101と、を備える。レンズチャック軸102は、一対のレンズチャック軸102L及び102Rを備える。キャリッジ101の左腕101Lにレンズチャック軸102Lが回転可能に保持され、キャリッジ101の右腕101Rにレンズチャック軸102Rが回転可能に保持されている。レンズチャック軸102(すなわち、レンズLE)は、レンズ回転手段の例であるモータ120によって回転される。また、右腕101Rには右チャック軸102Rを左チャック軸102L側に移動するためのモータ110が配置されている。右チャック軸102Rが左チャック軸102L側に移動されることにより、レンズLEが2つのレンズチャック軸102L、102Rによって保持される。
<第1加工具ユニット>
第1加工具ユニット150は、加工具回転軸161を回転するためのモータ160を備える。加工具回転軸161は、レンズチャック軸102と平行な位置関係で、回転軸保持ユニット162によって回転可能に保持されている。回転軸保持ユニット162は、ベース2に取り付けられている。加工具回転軸161にレンズLEの周縁を加工するための複数の加工具163が取り付けられている。例えば、加工具163は、高カーブレンズの仕上げ用加工具163a、鏡面仕上げ用加工具163b、低カーブ用の仕上げ加工具163c、ガラス用の粗加工具163dの少なくとも何れか一つを備える。鏡面仕上げ用加工具163b及び仕上げ加工具163cは、それぞれヤゲン加工用のV溝と、平加工用の平仕上げ面と、の少なくとも何れかを備える。例えば、加工具163には砥石が利用されるが、カッターが使用されてもよい。
<第2加工具ユニット>
例えば、第2加工具ユニット400は、キャリッジ101の後方に配置されている。第2加工具ユニット400は、レンズLEの周縁を粗加工するための粗加工具423を備える。例えば、粗加工具423はカッターが使用されるが、エンドミルが使用されてもよい。また、例えば、第2加工具ユニット400は、レンズLEのコバの角部を面取りするための面取り加工具415を備える。例えば、面取り加工具415は砥石が使用される。
面取り加工具415は、第1加工具駆動軸410に連結されている。第1加工具駆動軸410は、第2回転軸A2の内部で回転可能に保持されている。また、第1加工具駆動軸410は、モータ421の駆動軸400aと図示無き連結部材を介して連結される。モータ421が回転されることにより、面取り加工具413が回転される。
粗加工具423は、第2加工具駆動軸412に取り付けられている。第2加工具駆動軸412は、保持部411に回転可能に保持されている。第2加工具駆動軸412は、図示無き連結部材を介して、モータ421の駆動軸400aと連結される。実施例においては、第2加工具駆動軸412は、モータ421の駆動軸400aとは異なる位置に配置される。すなわち、モータ421の駆動軸400aの回転が、ワンウェイクラッチ(図示を略す)、軸受け(例えば、ベアリング)、等を介して、第2加工具駆動軸412へ伝達される。これにより、モータ421の回転が第2加工具駆動軸412に伝達される。
第2加工具ユニット400は、加工具の位置を変化させるための旋回機構を備える。例えば、第1回転軸A1は、ベース部402の内部に配置され、支基ブロック401に固定されている。ベース部402は、第1回転軸A1と図示無き軸受け(例えば、ベアリング)を介して連結され、支基ブロック401に対して、第1回転軸A1を中心として、旋回可能に保持される。第1回転軸A1は、図示無きモータの駆動によって回転される。ベース部402は、第1回転軸A1の回転により、第1回転軸A1を中心に回転移動される。
なお、第2回転軸A2は、ベース部402の内部で回転可能に連結されている。第2回転軸A2は、第1回転軸A1とは異なる回転軸である。第2回転軸は、図示無き動力(例えば、モータ)の駆動によって回転される。第2回転軸A2の回転により、第2回転軸A2に連結された保持部411が第2回転軸A2を中心に回転移動される。これによって、保持部411に保持された第2加工具駆動軸412が第2回転軸A2を中心して旋回され、粗加工具423が所定の加工位置に移動される。
なお、第2加工具ユニット400の構成は、特開2017-177234号公報に記載された構成を採用できるので、詳細はこれを参照されたい。
<移動ユニット>
移動ユニット300は、レンズチャック軸102と、加工具回転軸(加工具回転軸161及び第2加工具駆動軸412等)と、の軸間距離方向(以下、Y方向とする)の位置関係を相対的に変える第1移動ユニット310を備える。また、移動ユニット300は、レンズチャック軸102の軸L1方向(以下、X方向とする)におけるレンズLEと加工具(加工具163、粗加工具423等)との位置関係を相対的に変える第2移動ユニット330と、を備える。
第1移動ユニット310は、レンズ形状測定ユニット200が持つ測定子260及び測定子263(図2参照)と、レンズチャック軸102に保持されたレンズLEと、のY方向の位置関係を変えるためにも使用される。また、第2移動ユニット330は、レンズ形状測定ユニット200が持つ測定子260(図2参照)と、レンズチャック軸102に保持されたレンズLEと、のX方向の位置関係を変えるためにも使用される。なお、実施例では、Y方向はX方向に直交する方向である。
第1移動ユニット310は、モータ315を備える。モータ315の回転により移動支基301がX方向に移動される。これにより、移動支基301に搭載されたキャリッジ101及びレンズチャック軸102(レンズLE)がX方向に移動される。なお、第1移動ユニット310の構成は、粗加工具423等の各加工具、測定子290等の各測定子をX方向に移動させる構成でもよい。
第2移動ユニット330は、キャリッジ101(レンズチャック軸102)をY方向に移動するためのモータ335を備える。移動支基301にはY方向に延びるシャフト333が取り付けられている。移動支基301にはモータ335が固定されている。モータ335の回転はY方向に延びるボールネジ337に伝達され、ボールネジ337の回転によりキャリッジ101(レンズチャック軸102とレンズLE)はY方向に移動される。
なお、実施例では第2移動ユニット330は、レンズチャック軸102をY方向に移動する構成であるが、粗加工具423等の各加工具、測定子290等の測定子をY方向に移動させる構成でもよい。
<レンズ形状測定ユニット>
図2は、レンズ形状測定ユニット200の概略構成図である。レンズ形状測定ユニット200は、レンズLEの屈折面形状を測定するための測定子260を備える。実施例では、測定子260は、レンズLEの前面に接触させる測定子261と、レンズLEの後面に接触させる測定子262と、を備える。また、測定子262は円筒状の側面を有する。測定子262の側面は、レンズLEの外形形状を測定するために、レンズLEの外周に接触される測定子263として利用される。また、レンズ形状測定ユニット200は、測定子261、262のX方向の移動位置を検知するためのセンサ(検知器)271と、レンズチャック軸102から離れる方向への測定子263の移動位置を検知するためのセンサ(検知器)273を備える。
測定子261、262は、X方向に移動可能なアーム265によって保持されている。実施例では、アーム265はU字上の形状を有する。また、実施例では、アーム265は支柱267に取付けられ、支柱267がX軸方向移動可能にブロック269に保持されている。支柱267は図示を略すバネ(付勢部材)によって、図2の状態を中立位置として、レンズLEの前面側方向及び後面側方向にそれぞれ付勢されている。測定子261、262のX方向の移動位置は、アーム265及び支柱267を介してセンサ271によって検知される。センサ271の構成は周知のものが使用される。
レンズLEの屈折面形状の測定時には、レンズチャック軸102の回転によってレンズLEが回転され、玉型に基づいてレンズチャック軸102のY方向の移動が制御されることにより、玉型に対応したレンズLEの前面及び後面のX方向の位置がセンサ271によって検知される。なお、実施例の装置では、レンズチャック軸102のX方向の移動制御も利用してレンズLEの前面及び後面の屈折形状の測定が行われる。
また、支柱267はX方向に平行に延びる軸線S1を中心にして後方(レンズチャック軸102L、102Rから離れる方向)に傾斜可能に、ブロック269に取付けられている。支柱267は、図示を略すバネ(付勢部材)によって、常時、前側に付勢されている。支柱267は前方への傾斜は、図示を略す制限部材によって、図2の状態で制限されている。レンズLEの外形測定時には、測定子263がレンズLEの外周に接触され、レンズLEが回転されることによって、レンズLEの外形に応じて測定子263がレンズチャック軸102から離れる方向に移動される。すなわち、レンズLEの外形に応じて支柱267が軸線S1を中心に傾斜される。支柱267の傾斜は、センサ273によって検知される。すなわち、センサ273は、レンズチャック軸102から離れる方向への測定子263の移動位置を検知する。これにより、レンズチャック軸102を中心にしたレンズLEの外形形状が測定される。
<制御系の構成>
図3は眼鏡レンズ加工装置1に関する制御ブロック図である。眼鏡レンズ加工装置1は制御部50を備える。制御部50に、図1及び2に示した各ユニットの電気系構成要素(モータ、センサー等)が接続されている。制御部50は、各ユニットのモータを制御し、レンズLEの周縁加工を行う。
眼鏡レンズ加工装置1は、データ取得ユニット10を備える。データ取得ユニット10は入力ユニットの機能を兼ねていてもよい。例えば、データ取得ユニット10は、ディスプレイ60を備える。例えば、データ取得ユニット10は入力ユニット13を備える。例えば、表示手段の例であるディスプレイ60はタッチパネルの機能を備え、入力ユニット13を含むように構成されていてもよい。例えば、制御部50は、データ取得ユニット10の一部を構成し、各種のデータを取得する。例えば、制御部50は、各種情報を出力する出力手段を兼ねる。制御部50にメモリ20が接続され、データ取得ユニット10によって取得された各種データがメモリ20に記憶される。また、メモリ20には、眼鏡レンズ加工装置1の動作を制御するための各種プログラムが記憶されている。例えば、メモリ20には、加工具によるレンズLEの加工時における加工負荷の予測値(後述する)を得るためのプログラムが記憶されている。例えば、メモリ20にはレンズLEの周縁加工に関するプログラムが記憶されている。
データ取得ユニット10は、玉型形状測定装置30に接続されていてもよい。例えば、玉型形状測定装置30は、眼鏡フレームのリムを測定することで、レンズLEの玉型(レンズLEを周縁加工するための目標の外形形状)を得る。また、玉型はメモリ20に記憶されているものを使用してもよい。データ取得ユニット10は玉型形状測定装置30又はメモリ20から玉型データを取得する。なお、「玉型」は動径長と動径角で定義される二次元の形状である。
<動作>
以上のような構成を備える眼鏡レンズ加工装置1における動作を説明する。初めに、データ取得ユニット10によってレンズLEの玉型データTD(動径長r、動径角θ)が取得される。例えば、玉型形状測定装置30によって測定された眼鏡フレームのリムの輪郭形状がデータ取得ユニット10に入力される。玉型データTDはメモリ20に記憶されていたデータが呼び出されることで、データ取得ユニット10によって取得されてもよい。
玉型データTDが取得されたら、操作者はレンズLEの周縁を加工するための加工条件をディスプレイ60によって設定(入力)する。図4は、加工条件を設定するときのディスプレイ60の画面例である。図4において、ディスプレイ60の画面610には右眼用玉型図形TGRと左眼用玉型図形TGLが表示されている。レンズLEの周縁加工のために、玉型に対するレンズLEの光学中心位置を配置するためのレイアウトデータが入力される。例えば、レイアウトデータは、左右の玉型中心間距離FPD(右眼用玉型TGRの幾何中心TCRと左眼用玉型TGLの幾何中心TCLとの中心間距離)と、瞳孔間距離PD(右眼用光学中心OCRと左眼用光学中心OCLとの距離)と、左右の玉型の幾何中心に対する光学中心の高さ距離と、を含む。これらの値は、画面上の表示欄がタッチされることで表示されるテンキーによって入力できる。
また、加工条件として、入力欄621aによってレンズLEの材質を設定できる。例えば、レンズLEの材質は、プラスチック、ポリカーボネイト、アクリル等が選択できる。入力欄621aによって設定されたレンズLEの材質の情報は、データ取得ユニット10によって取得される。また、その他の加工条件として、フレームのタイプ(メタル、セル、リムレス、等)、レンズ周縁加工モード(オートヤゲン加工、強制ヤゲン加工、平加工、等)、鏡面加工の有無、面取り加工の有無、レンズのチャッキングモード(枠心モード、光心モード)を入力欄621b、621c、621d、621e及び621fによって設定できる。なお、入力欄621dによって面取り加工が「有り」として設定された場合は、さらに面取り幅の大きさを設定(例えば、大、中、小の選択、あるいは面取り幅を数値で設定)できる。
加工条件の設定が完了したら、操作者はレンズチャック軸102にレンズLEを保持させ、眼鏡レンズ加工装置1の動作を開始させる。レンズLEの周縁加工に先立ち、制御部50によって眼鏡レンズ形状測定プログラムが実行され、レンズ形状測定ユニット200によってレンズLEの形状が測定される。例えば、初めに、レンズLEの外形形状が測定される。制御部50によって、第1移動ユニット310が駆動され、レンズLEが測定子263の測定範囲の位置に移動される。その後、第2移動ユニット330が駆動され、測定子263にレンズLEの外周が接触するように、レンズLEがY方向(測定子263側)に移動される。測定子263にレンズLEが接触したことは、センサ273によって検知される。そして、測定子263にレンズLEが接触した状態で、レンズLEが1回転されることにより、レンズLEの外形形状が測定される。本実施例では、レンズチャック軸102のY方向の移動制御を利用し、Y方向のレンズチャック軸102の移動位置と、センサ273の検知結果と、に基づいてレンズLEの外形形状データが得られる。レンズLEの外形形状データは、メモリ20に記憶される。
続いて、レンズ形状測定ユニット200によってレンズLEの前面形状及び後面形状が測定される。レンズLEの前面形状及び後面形状の測定は、例えば、玉型データに対応した2つの測定軌跡(第1測定軌跡、第2測定軌跡)に基づいて行われる。例えば、第1測定軌跡は、玉型の軌跡であってもよいし、玉型に対して動径方向(内側又は外側)に一定距離を変動させた軌跡であってもよい。例えば、第2測定軌跡は、第1測定軌跡に対して一定距離(例えば、0.8mm)だけ外側の軌跡とされる。
例えば、初めにレンズ前面が測定される。制御部50により、移動ユニット300の駆動が制御され、Y方向における測定子261の位置が第1測定軌跡の位置となるように、レンズLE(レンズチャック軸102)がY方向に移動される。次に、レンズ前面が測定子261に接触するように、レンズLEがX方向に移動される。レンズ前面が測定子261に接触したことは、センサ271の出力信号を基に検知される。このときのレンズ前面のX方向の位置は、レンズチャック軸102をX方向に移動させた制御データ(モータ315の駆動データ)と、センサ271の検知データと、に基づいて得られる。その後、レンズLEが回転されると共に移動ユニット300の駆動が制御され、測定子261のY方向の位置が測定軌跡の位置となるように、レンズLEがY方向に移動される。また、X方向における測定子261の位置が所定の範囲内となるように、レンズ前面形状の測定済み結果に基づいてレンズLEがX方向に移動される。そして、レンズLEが1回転されることで、第1測定軌跡におけるレンズ前面のX方向の形状が、センサ271の検知結果とレンズチャック軸102のX方向における制御データとに基づいて取得される。なお、この測定時の制御動作は、特開2014-4678号公報に記載された技術を採用できるので、詳細はこれを参照されたい。
次に、第2測定軌跡に基づき、レンズ前面が同様な制御によって測定される。2つの測定軌跡に基づくレンズ前面の形状が得られることにより、レンズ前面のカーブ情報及び玉型付近の傾斜角が得られる。
次に、レンズ後面が第1測定軌跡及び第2測定軌跡に基づいて同様に測定される。そして、2つの測定軌跡に基づくレンズ後面の形状が得られることにより、レンズ後面のカーブ情報及び玉型付近の傾斜角が得られる。レンズ前面及び後面の屈折面形状データは、メモリ20に記憶される。
<加工負荷の予測値の取得>
レンズLEの形状データが得られると、レンズLEの粗加工に先立ち、制御部50は、粗加工具423によってレンズLEを粗加工した際に粗加工具423に負荷されると予想される加工負荷の予測値を取得する。例えば、粗加工具423の加工負荷の予測値は、玉型データ、画面610の設定で取得されたレンズ材質、レンズ形状測定ユニット200の測定によって取得されたレンズ形状データ、等に基づいて得られる。以下、加工負荷の予測値を取得する方法を説明する。
ここで、メモリ20には、レンズLEの材質毎に、粗加工具423によってレンズLEを粗加工する場合における、基準のレンズ厚Ts(例えば、2mm)に対する基準の加工負荷PLSが記憶されている。例えば、基準の加工負荷PLSは、以下のようにして得られる。
例えば、レンズLEの材質が一般的なCR39のプラスチックとし、厚みが一定(例えば、2mm)の基準のレンズ厚Tsを持つレンズ(以下、基準レンズLES)を準備する。基準レンズLESをレンズチャック軸102に保持させ、これを粗加工具423によって粗加工する。例えば、粗加工時の加工軌跡は、円形の玉型(例えば、直径40mm)とする。粗加工時には、制御部50により、加工軌跡に基づいてレンズLEの回転及び移動ユニット300の駆動が制御される。この粗加工時、加工軌跡における基準レンズLESと粗加工具423との接触点の移動速度が一定となるように、制御部50によって制御される。この粗加工時における加工負荷は、例えば、粗加工具423を回転させるモータ421の負荷電流によって得られる。例えば、加工負荷は、加工開始から加工終了までの期間で得ておき、この期間にける加工負荷の平均値を基準加工負荷PLSとしてメモリ20に記憶しておく。なお、加工負荷は、粗加工具423を回転するモータ421の回転数との関係(例えば、回転数が高ければ、加工負荷も高くなる)がある。このため、モータ421の基準の回転数もメモリ20に記憶されていてもよい。実際の加工時のモータ421の回転数が基準の回転数と異なる場合は、基準の回転数に対する実際の回転数の関係に基づいて加工負荷が補正されてもよい。
他のレンズ材質についても、同様な条件で加工し、そのレンズ材質における基準加工負荷PLSを得て、メモリ20に記憶しておく。なお、レンズ材質毎に基準加工負荷PLSを記憶しておくのではなく、レンズ材質がプラスチックの場合の基準加工負荷PLSに対し、レンズ材質がポリカーボネイトの場合の係数、レンズ材質がアクリルの場合の係数を取得し、これをメモリ20に記憶しておくことでもよい。
次に、レンズLEの粗加工時における加工負荷の予測値の取得について、図5、図6を用いて説明する。なお、レンズ材質はプラスチックが選択されているものとする(制御部50によってレンズ材質が取得されている)。
図5は、粗加工における加工軌跡の例を示す図である。なお、図5では、レンズLEに対して相対的に粗加工具423が移動する図として示されている。図5において、経路M1,M2,M3,M4の順に粗加工具423が移動されるものとする。粗加工軌跡LM3は、玉型データTD(すなわち、仕上げ加工軌跡LF1)に対して、所定の仕上げ代(例えば、0.8mm)を残すように定められる。経路M1の加工軌跡LM1は、レンズLEの周辺から粗加工軌跡LM3に達するまでの軌跡とされる。経路M2の加工軌跡LM2は、加工軌跡LM1に対して180度反対方向で、レンズLEの周辺から粗加工軌跡LM3に達するまでの軌跡とされる。例えば、粗加工では、粗加工具423が経路M1の加工軌跡LM1に沿って移動された後、一旦、粗加工具423が経路M1を逆戻りしてレンズLEから離される。次に、レンズLEが180度回転された後、粗加工具423が経路M2の加工軌跡LM2に沿って移動される。その後、レンズLEが1回転され、粗加工具423が粗加工軌跡LM3に沿って経路M3,M4を進むように移動される。これにより、経路M1,M2,M3及びM4の外側のレンズ部分が切り落とされる。
制御部50は、このような加工軌跡LM1,LM2,LM3における加工負荷の予測値を、各加工軌跡におけるレンズ厚に基づいて得る。各加工軌跡におけるレンズ厚は、レンズ形状測定ユニット200の測定結果に基づいて得られる。すなわち、加工軌跡LM3におけるレンズ厚は、玉型に対応した測定軌跡(第1測定軌跡又は第2測定軌跡)におけるレンズ前面の測定結果とレンズ後面の測定結果との差によって得られる。加工軌跡LM1,LM2にけるレンズ厚は、加工軌跡LM3におけるレンズ厚と、レンズ前面のカーブ情報及びレンズ後面のカーブ情報と、加工軌跡LM3からレンズ周縁までの距離と、に基づいて得られる。なお、レンズ前面のカーブ情報及びレンズ後面のカーブ情報は、2つの測定軌跡(第1測定軌跡及び第2測定軌跡)の測定結果を基に得られる。加工軌跡LM3からレンズ周縁までの距離は、レンズLEの外形形状の測定結果を基に得られる。
制御部50は、各加工軌跡におけるレンズ厚に基づき、加工軌跡における加工負荷の予測値PLfを求める。すなわち、制御部50は、メモリ20に記憶された基準レンズ厚Tsに対する加工軌跡の各加工点におけるレンズ厚の比の関係を求める。この際、加工軌跡は、粗加工具423の径を基にした粗加工具423の中心の軌跡とされてもよい。制御部50は、求めたレンズ厚の比の関係に基準加工負荷PLSを乗じることにより、加工軌跡における加工負荷の予測値PLfを求める。例えば、加工軌跡の各加工点は、加工軌跡LM1,LM2においては0.1mm毎の点であり、加工軌跡LM3においては動径角0.36度毎の1,000点である。なお、加工負荷の予測値PLfは、各加工点間の加工量(体積)を求め、求めた加工量と、基準レンズ厚Tsにおける加工量に対する基準加工負荷PLSと、の関係を基に得ることでもよい。なお、制御部50は、レンズLEの加工軌跡における加工点と粗加工具423との接触点の移動速度が、実際の粗加工時の制御と同じになるものとして、加工軌跡における予測値PLfを経時的な変化の値として得る。例えば、加工点と粗加工具423との接触点の移動速度は、一定となるように制御されるものとする。
図6は、加工軌跡における経時的な変化の加工負荷の予測値PLfの例である。図6において、横軸は経過時間(sec)を示し、縦軸は加工負荷の大きさを示す。例えば、実施例では粗加工具423の加工負荷は、粗加工具423を回転させるモータ421の負荷電流で得られため、加工負荷の単位は、モータ421の定格出力(W)に対する割合(%)で示される。
なお、図6においては、屈折度数がマイナスレンズの場合の例であって、レンズ厚が中心部に対して周辺部で厚い場合である。予測値PLfは、加工軌跡LM1、LM2、LM3におけるレンズ厚(単位時間当たりの加工量)の変化に応じて変動している。また、経路M3と経路M4との境目における予測値PLfが、加工負荷ゼロとなる付近まで低下しているのは、経路M1(加工軌跡LM1)の粗加工で加工軌跡M3に達するまでレンズLEが加工されるためである。なお、加工軌跡LM1及びLM2の加工終了後の加工負荷も、実際には、加工負荷ゼロとなる付近まで低下するが、各加工軌跡に対する粗加工具423の加工動作の加工負荷を示すために、これらの加工負荷の低下の図示は略されている(後述の図7,8においても同様)。
<粗加工>
制御部50は、加工負荷の予測値の取得後、第2回転軸A2を中心に第2加工具駆動軸412の保持部411を回転させ、粗加工具423を加工位置に位置させる。次に、制御部50は、第1移動ユニット310の駆動を制御し、レンズチャック軸102に保持されたレンズLEを、粗加工時のX方向に位置に位置させる。その後、制御部50は、加工軌跡LM1、LM2,LM3に基づき、レンズチャック軸102の回転と、第2移動ユニット330の駆動によるY方向の位置を変化させることにより、レンズLEを粗加工する。図5に示したように、粗加工具423は、経路M1の加工軌跡LM1、経路M2の加工軌跡LM2、経路M3,M4の加工軌跡LM3に沿って進むように移動される。なお、この粗加工時、制御部50は、加工軌跡におけるレンズLEと粗加工具423との接触点の移動速度が一定となるように各駆動ユニットを制御する。
<粗加工具が折損の場合における不具合の判定>
粗加工時における粗加工具423の不具合の判定動作を説明する。粗加工時、制御部50は、各駆動ユニットの駆動の制御に平行して、粗加工具423によってレンズLEを実際に粗加工した際に粗加工具423に負荷された加工負荷の実測値PLmを取得する。例えば、制御部50は、粗加工具423を回転させるモータ421の負荷電流によって加工負荷の実測値PLmを得る。このとき、制御部50は、予測値PLfと同様に、実測値PLmを加工軌跡における経時的な変化の値として取得する。なお、判定に使用する加工負荷の実測値PLmは、微小時間でずらした一定の時間間隔毎(微小時間より長い時間間隔)の平均値を取得し、これを経時的にプロットした値であてもよい。これにより、モータ421の負荷電流が微小時間で一時的に細かく変動する影響を取り除き、加工具の不具合を良好に判定できる。
制御部50は、加工負荷の予測値PLfと加工負荷の実測値PLmとの比較処理に基づき、粗加工具423に不具合が生じているか否かを判定する。図7は、図6の加工負荷の予測値PLfに対し、加工軌跡における経時的な変化の加工負荷の実測値PLmを重畳して示した図である。例えば、制御部50は、予測値PLfと実測値PLmとの比較により、予測値PLfに対して実測値PLmが所定の差分量ΔJPaを超えて低下した場合に、粗加工具423に折損の不具合が生じたと判定する。なお、レンズ厚の薄い部分が加工されているとき、或いは、加工具423のモータ421の負荷電流が一時的に変化することにより、実測値PLmは差分量ΔJPaを超えて一時的に低下するかもしれない。このため、制御部50は、差分量ΔJPaを超えた実測値PLmの低下が経時的に継続しているかを含めて粗加工具423の不具合を判定してもよい。例えば、図7の例では、実測値PLmは、時刻ta1で予測値PLfに対して差分量ΔJPaを超えて低下し、この状態は加工終了の時刻ta2まで継続している。このため、予測値PLfに対する実測値PLmの低下は一時的でなく、加工終了まで継続していることに基づき、粗加工具423に折損が生じたと判定できる。
なお、屈折度数がプラスのレンズLEの場合には、加工終了付近ではレンズ厚が薄く、加工量が小さくなる。このため、加工終了付近で粗加工具423が折損した場合(実際には、加工量が小さいため、粗加工具423の折損の可能性は低い)、予測値PLfに対する実測値PLmの違いは小さく、差分量ΔJPaを基にした判定では誤判定するかもしれない。この場合であっても、予測値PLfと実測値PLmとの比較によって誤判定の可能性を低減できる。例えば、加工量が小さくなった部分では、加工終了まで予測値PLfが経時的に増加傾向にあるか、下降傾向にあるか、何れの傾向かに着目する。これに対して実測値PLmも加工終了までに平均的に予測値PLfと同じ傾向を示せば、粗加工具423の折損は生じていないと判定できる。一方、予測値PLfが下降傾向にあるにも拘わらず、実測値PLmは同じ傾向を示さない場合(加工終了まで実測値PLmの変化が実質的に生じていない傾向)の場合は、粗加工具423の折損が生じたと判定できる。
なお、上記のように屈折度数がプラスのレンズLEの場合において、加工量が小さく、予測値PLfが所定の閾値を下回ると判定された場合に限って、特開2014―198359号公報に記載された検査ユニットの検査工程を追加してもよい。すなわち、制御部50は、粗加工の終了後、レンズ形状測定ユニット200を駆動させ、レンズLEの前面及び後面の少なくとも一方に屈折面であって、粗加工軌跡LM3の外側領域の屈折面に測定子260を接触させるよう制御を行う。そして、センサ271の出力信号に基づき、測定子260がレンズLEの屈折面に接触したと検知されたときには、レンズLEに未加工部分があったと検知され、粗加工具423の折損が生じていたと判定される。これにより、粗加工具423の不具合の有無を確認できる。
制御部50は、粗加工具423の折損が生じたと判定した場合、眼鏡レンズ加工装置1の加工動作を停止し、次工程の仕上げ加工に移行しないようにする。また、制御部50は、粗加工具423の折損の不具合の判定結果をディスプレイ60に表示して操作者に報知する。操作者は、折損した粗加工423を新たな粗加工具423に交換し、再び、眼鏡レンズ加工装置1の粗加工動作を開始させる。これにより、次工程の仕上げ加工に不都合を生じさせることなく、良好な加工が行える。
このように、粗加工後に特別な検査工程を設けずに、予測値と、粗加工中に得られた実測値と、の比較を基に加工具の不具合が判定されるため、加工効率の低下を抑えつつ、加工具の不具合を良好に判定できる。
<粗加工具が劣化の場合における不具合の判定>
図8は、粗加工具423に劣化(摩耗又は欠損等)が生じている場合における実測値PLm及び予測値PLfの経時的な変化のグラフの例である。粗加工具423が劣化の場合は、加工負荷の実測値PLmは、予測値PLfより高くなる傾向を示す。このため、予測値PLfに対して実測値PLmが所定の差分量ΔJPb以上に高くなってきた場合は、粗加工具423の劣化の程度が大きくなってきたと判定される。その判定結果は、ディスプレイ60に表示されることで、操作者に報知される。なお、劣化の判定の場合は、必ずしも経時的でなくてもよく、例えば、加工開始から加工終了までの加工負荷の予測値PLfの平均値と実測値PLmの平均値とが比較されることでもよい。また、予測値PLfの平均値と実測値PLmの平均値との差に対応させて、劣化のレベルが判定されてもよい。粗加工具423の劣化の判定結果は、ディスプレイ60に表示され、操作者に報知される。粗加工具423が劣化の不具合の判定結果の場合は、粗加工は完了しているので、仕上げ加工を含む加工工程が完了し、眼鏡レンズ加工装置1の動作が終了した後、操作者は、粗加工423を新たな粗加工具423に交換し、次のレンズLEの加工に備えればよい。
<仕上げ加工と、仕上げ加工具の不具合の判定>
粗加工が終了すると、仕上げ加工に移行される。例えば、レンズLEが低カーブレンズで、ヤゲン加工が設定されている場合、制御部50は、レンズ形状測定ユニット200の測定結果に基づき、玉型に対応するヤゲン頂点位置のX方向の位置を含む仕上げ加工軌跡LF1(図5参照)を所定の演算方法によって求める。その後、制御部50は、仕上げ加工軌跡LF1に基づいて移動ユニット300の駆動を制御し、粗加工されたレンズLEの周縁を仕上げ加工具163cによって加工させる。この仕上げ加工においても、仕上げ加工時における加工負荷の予測値と実測値との比較処理に基づき、仕上げ加工具163cの不具合が判定されてもよい。
仕上げ加工時における加工負荷の予測値と実測値との取得を説明する。仕上げ加工では、粗加工後のレンズLEの周縁が、仕上げ加工軌跡LF1(図5参照)まで所定の仕上げ代分だけ加工されるが、動径角によってレンズ厚が異なる。このため、動径角によって仕上げ加工軌跡LF1における加工負荷も異なる。このため、粗加工具423における予測値の取得と同様に、メモリ20には、レンズLEの材質毎に、仕上げ加工具163cによってレンズLEを仕上げ加工する場合における、基準のレンズ厚Ts(例えば、2mm)に対する基準の加工負荷PLFSが記憶されている。基準の加工負荷PLFSは、粗加工具423における取得と同様に行える。なお、仕上げ加工時における加工負荷は、例えば、仕上げ加工具163cを回転させるモータ160の負荷電流によって得られる。
図9は、仕上げ加工の加工軌跡における加工負荷の予測値PLFfと実測値PLFmとを経時的なグラフで示した例である。予測値PLFfは、仕上げ加工軌跡LF1におけるレンズ厚に基づいて得られる。仕上げ加工軌跡LF1におけるレンズ厚は、レンズ形状測定ユニット200の測定結果に基づいて得られる。すなわち、仕上げ加工軌跡LF1における動径角毎の加工点(例えば、1,000点)のレンズ厚は、玉型に対応した測定軌跡(第1測定軌跡)におけるレンズ前面の測定結果とレンズ後面の測定結果との差によって得られる。そして、制御部50は、メモリ20に記憶された基準のレンズ厚Tsに対する加工軌跡の各加工点におけるレンズ厚の比の関係を求める。制御部50は、求めたレンズ厚の比の関係に仕上げ加工の基準加工負荷PLFSを乗じることにより、加工負荷の予測値PLFfを求める。なお、予測値PLFfは、各加工点間の加工量(体積)を求め、求めた加工量と、基準レンズ厚Tsにおける加工量に対する基準加工負荷PLFSと、の関係を基に得ることでもよい。なお、粗加工時と同様に、制御部50は、加工軌跡における加工点と仕上げ加工具163cとの接触点の移動速度が、実際の仕上げ加工時の制御と同じになるものとして、加工軌跡における予測値PLFfを経時的な変化の値として得る。
実際の仕上げ加工時における加工負荷の実測値PLFmは、仕上げ加工具163cを回転させるモータ160の負荷電流によって得られる。図9においては、仕上げ加工時における加工負荷の予測値PLFfに対し、加工軌跡における経時的な変化の加工負荷の実測値PLFmが重畳して示されている。
仕上げ加工具163cの不具合の判定は、粗加工具423の判定と同様に、加工負荷の予測値PLFfと実測値PLFmとの比較に基づいて行われる。例えば、制御部50は、予測値PLFfに対して実測値PLFmが所定の差分量ΔJPFaを超えて全体的に高くなっている場合に、仕上げ加工具163cに劣化の不具合が有ると判定し、その判定結果をディスプレイ60に表示する。なお、劣化の不具合の判定は、粗加工具423の場合と同じく、仕上げ加工の開始から終了までの加工負荷の予測値PLFfの平均値と実測値PLFmの平均値とが比較されることでもよい。また、予測値PLFfの平均値と実測値PLFmの平均値との差に基づき、劣化のレベルが判定されてもよい。例えば、仕上げ加工具163cが砥石であり、その仕上げ砥石に劣化の不具合があると判定された場合、操作者は、眼鏡レンズ加工装置1の加工動作の終了後、砥石の目詰まりを解消するためのドレッシング処理を行う。これにより、仕上げ加工具163cの切削能力の低下が回復される。
なお、仕上げ加工具163cがカッターであり(仕上げ加工のカッターは、砥石の加工具とは別に設けられた回転軸に取り付けられる)、仕上げ加工具163cが折損したと判定れた場合は、粗加工具の折損の場合と同様に、眼鏡レンズ加工装置1の加工動作が停止される。そして、操作者が新たな粗加工具に交換し、仕上げ加工具を再開させる。
<面取り加工と、面取り加工具の不具合の判定>
加工条件の設定において、面取り加工が設定されている場合は、仕上げ加工後に面取り加工具415によって、仕上げ加工されたレンズLEの周縁の角部が面取り加工される。例えば、レンズ前面側の角部の面取り加工の場合、制御部50は、レンズ形状測定ユニット200によるレンズ前面の測定結果、面取り幅の設定、玉型等によって求めた面取り加工軌跡に基づき、移動ユニット300の駆動を制御し、面取り加工具415のレンズ前面用加工部によってレンズLEの前面側の角部を面取り加工する。レンズ後面側の角部の面取り加工の場合、同様に、制御部50は、レンズ形状測定ユニット200によるレンズ後面の測定結果、面取り幅の設定、玉型等によって求めた面取り加工軌跡に基づき、移動ユニット300の駆動を制御し、面取り加工具415のレンズ後面用加工部によってレンズLEの後面側の角部を面取り加工する。
この面取り加工時においても、加工負荷の予測値と実測値との比較に基づき、面取り加工具415の不具合(劣化)が判定されてもよい。例えば、メモリ20には、レンズLEの材質毎に、面取り加工具415(レンズ前面用加工部、レンズ後面用加工部)により、基準の面取り幅(例えば、0.2mm)を面取り加工したときの基準の加工負荷PLCSが記憶されている。そして、面取り加工具415による加工時の加工負荷の予測値PLCf(図示を略す)は、加工条件で設定されたレンズ材質に基づく基準の加工負荷PLCSがメモリ20から呼び出され、これと動径角毎の面取り量とに基づいて求められる。動径角毎の面取り量は、加工条件で設定された面取り幅の大きさと、仕上げ加工後のレンズLEの角部の軌跡と、に基づいて求められる。なお、一定の面取り幅とするために、レンズLEの加工点に対する面取り加工具415の接触点の移動速度は一定とされる。
実際の面取り加工時における加工負荷の実測値PLCm(図示を略す)は、面取り加工具415を回転させるモータ421の負荷電流が検出されることで得られる。そして、例えば、面取り加工具415によるレンズLEの角部(レンズ前面、レンズ後面のそれぞれの角部)の加工開始から加工終了までの実測値PLCmの平均と予測値PLCfの平均とが比較されることに基づき、面取り加工具415の不具合の有無(程度)が判定される。判定結果はディスプレイ60に表示され、操作者に報知される。
<変容例>
以上の実施例では、加工具の不具合の判定を眼鏡レンズ加工装置1(制御部50)が行うものとしたが、加工負荷の予測値と実測値とを比較可能とする情報が出力されることで、加工具の不具合の判定を操作者が行えるようにしてもよい。例えば、加工負荷の予測値と実測値とを比較可能とする情報として、図7及び図8に示された予測値PLf及び実測値PLmの時系列的なグラフが重畳又は並列してディスプレイ60に表示される。操作者は、予測値PLfのグラフと実測値PLmのグラフとを比較することにより、粗加工具423に折損又は劣化の不具合が発生しているか否かを判定でき。また、例えば、仕上げ加工具163cの不具合の判定においても、図9に示された予測値PLFf及び実測値PFLmの時系列的なグラフが重畳又は並列してディスプレイ60に表示されてもよい。また、加工負荷の予測値と実測値とを比較可能とする情報として、図7~図9の時系列的なグラフの表示に限られず、例えば、予測値の平均値と実測値の平均値とが数値で表示されることでもよい。このように、予測値と実測値とを比較可能とする情報の形態は種々のものある。
また、以上の加工具の不具合の判定は、粗加工具423、仕上げ加工具163c及び面取り加工具415を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、加工具として溝堀加工具(平仕上げ加工後のレンズLEの周縁に溝を形成するための加工具)が使用される場合には、この溝堀加工具についても、加工前に取得された加工負荷の予測値と、実際の加工時に取得された加工負荷の実測値と、に基づいて不具合が判定されてもよい。また、加工具回転軸161に取り付けられた他の加工具(仕上げ用加工具163a、鏡面仕上げ用加工具163b)についても、仕上げ加工具163cと同様な方法によって不具合が判定されてもよい。
また、上記の実施例では、加工負荷の予測値と実測値を得るに当たり、加工具(例えば、粗加工具423)の移動速度を一定とする場合を例にしたが、必ずしもこれに限らえない。加工負荷の予測値と実測値とを同じ基準で比較可能にできれば、加工軌跡(玉型等)の加工点に応じて加工具の移動速度が異なっていてもよい。
また、加工負荷と加工具の移動速度とは相関があるため、制御部50は、加工負荷を基準にして加工具の移動速度の制御を行うことで、加工具の移動速度の予測値と実測値とを比較情報としてもよい。例えば、制御部50は、加工負荷が一定となるように、加工具の移動速度の制御を行う。この場合であっても、加工負荷と移動速度とは比較対象とする物理量の違いにすぎないため、上記の実施例と同様に、加工具の不具合を効率よく良好に判定できる。
また、各加工具によるレンズLEの加工時における加工負荷の予測値と実測値を得る上で、レンズLEの材質及び加工量の違い以外に、加工負荷に変動を与える他の要因として、眼鏡レンズ加工装置の個体差に起因する加工負荷情報を取得し、取得された加工負荷情報に基づいて加工負荷の予想値及び実測値の基準(加工負荷のゼロ基準)が揃えられてもよい。例えば、加工負荷に変動を与える個体差要因としては、主に、加工具の回転軸の回転抵抗と、回転軸への加工具の取り付けによる回転抵抗と、が挙げられる。
例えば、粗加工具423においては、粗加工具423の第2加工具駆動軸412を回転可能に保持する保持部411の回転抵抗と、モータ421の回転を第2加工具駆動軸412へ伝達するための伝達機構(図示が略されたワンウェイクラッチ等)の回転抵抗と、が挙げられる。そして、例えば、不具合が発生していない状態(新品の状態)の粗加工具423を第2加工具駆動軸412に取り付け、粗加工具423がレンズLEを加工していない状態で、且つ粗加工時と同じ条件でモータ421を回転させたときのモータ421の負荷電流を得る。このときの負荷電流は、眼鏡レンズ加工装置の個体差に起因する加工負荷情報とされる。得られた負荷電流を加工負荷のゼロ基準に揃えるようにオフセットする。このような較正動作を行うことで、眼鏡レンズ加工装置の個体差に起因する加工負荷への影響を取り除き、基準を揃えた状態における加工負荷の予測値と実測値を得ることができる。これにより、加工具の不具合の判定をより良好に行える。
以上、本開示の典型的な実施例を説明したが、本開示はここに示した実施例に限られず、本開示の技術思想を同一にする範囲において種々の変容が可能である。
1 眼鏡レンズ加工装置
10 データ取得ユニット
50 制御部
60 ディスプレイ
102 レンズチャック軸
163 加工具
200 レンズ形状測定ユニット
300 移動ユニット
415 面取り加工具
423 粗加工具

Claims (6)

  1. 眼鏡レンズと加工具との位置関係を相対的に変化させることで、眼鏡レンズを前記加工具によって加工する眼鏡レンズ加工装置であって、
    前記加工具による眼鏡レンズの加工前に、前記加工具によって眼鏡レンズを加工した際に前記加工具に負荷されると予測される加工負荷の予測値を取得する第1取得手段と、
    前記加工具によって眼鏡レンズを実際に加工した際に前記加工具に負荷された実際の加工負荷の実測値を取得する第2取得手段と、
    前記予測値と前記実測値とを比較可能とする比較情報を取得する比較情報取得手段と、
    前記比較情報を出力する出力手段と、
    を備えることを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  2. 請求項1の眼鏡レンズ加工装置において、
    前記比較情報取得手段は、前記予測値と前記実測値との比較処理に基づいて前記加工具の不具合の有無を判定し、前記比較情報は前記加工具の不具合の有無の判定情報を含むことを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  3. 請求項1又は2の眼鏡レンズ加工装置において、
    前記第1取得手段は、前記加工具によって眼鏡レンズの周縁を加工する際に用いる加工軌跡における眼鏡レンズの厚みに基づいて前記予測値を得ることを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  4. 請求項2又は3の眼鏡レンズ加工装置において、
    前記第1取得手段は、前記予測値を前記加工具によって眼鏡レンズの周縁を加工する際に用いる加工軌跡における経時的な変化の値として取得し、
    前記第2取得手段は、前記実測値を前記加工軌跡における経時的な変化の値として取得し、
    前記比較情報取得手段は、経時的な前記予測値の変化と経時的な前記実測値の変化との比較処理に基づいて前記加工具の不具合の有無を判定することを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  5. 請求項1~4の何れかの眼鏡レンズ加工装置において、
    眼鏡レンズの材質を取得する材質取得手段を有し、
    前記第1取得手段は、取得された前記レンズ材質に基づいて前記予測値を得ることを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  6. 請求項2~4の何れかの眼鏡レンズ加工装置において、
    前記比較情報取得手段は、前記実測値が前記予測値に対して所定の第1差分量より低い場合に、前記加工具の不具合に折損があると判定する第1判定と、前記実測値が前記予測値に対して所定の第2差分量より高い場合に、前記加工具の不具合に劣化があると判定する第2判定と、の少なくとも一方の判定を行うことを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
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