JP5265127B2 - 眼鏡レンズ加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、眼鏡レンズの周縁を加工する眼鏡レンズ加工装置に関する。
眼鏡レンズ加工装置では、レンズ周縁にヤゲン加工やレンズのコバに面取り加工等を施すときは、加工前に玉型の動径に従ったレンズ前面及びレンズ後面のコバ位置を知ることが重要である。このため、この種の装置では、レンズ前面及びレンズ後面に当接させる測定子を持ち、レンズチャック軸に保持されたレンズを等速で回転させながら玉型データに基づいて測定子をレンズチャック軸に対して相対的に移動することにより、レンズのコバ位置(レンズ屈折面形状)を測定する測定機構が設けられている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開平7−148650号公報 特開2000−317796号公報
ところで、レンズ加工装置においては、できるだけ加工時間を短くしたいという要望がある。このため、レンズコバ位置測定においても、レンズの回転速度を速めれば測定時間を短縮できる。しかし、レンズの回転速度を速めると、測定子は軽い圧力でレンズ屈折面に押し当てられており、玉型の動径長が急激に変化するものを測定した場合、測定子のレンズ屈折面への押し当て方向(チャック軸の軸方向)の移動位置も急激に変化する。このとき、測定子の移動の慣性力(或いは重力)等の影響により、測定子がレンズ屈折面を追従できず、或いは測定子が玉型の動径軌跡から離れてしまい、測定精度が低下する。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、レンズコバ位置の測定精度の低下を避けつつ、測定時間の短縮を図ることができる眼鏡レンズ加工装置を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 眼鏡レンズを保持するレンズチャック軸を回転する回転手段と、レンズチャック軸に保持されたレンズの屈折面に測定子を当接させながらレンズチャック軸を回転し、レンズチャック軸に対する測定子の位置を玉型データに基づいて変化させ、前記測定子のレンズチャック軸方向の移動を検知するコバ位置測定手段と、を備える眼鏡レンズ加工装置において、
前記コバ位置測定手段による測定時に、レンズの回転角に対する玉型の動径長の変化又は前記測定子のレンズチャック軸方向の変化に基づいて前記回転手段の回転速度を変える速度可変手段であって、レンズの回転角に対する玉型の動径長の変化又は前記測定子のレンズチャック軸方向の変化が大きい部分に対して変化が少ない部分の測定時には前記回転手段の回転速度を速める速度可変手段と、を備えることを特徴とする。
(2) (1)の眼鏡レンズ加工装置において、前記速度可変手段は、レンズの回転角に対する玉型の動径長の変化又は前記測定子のレンズチャック軸方向の変化の変化率を求め、求めた変化率に基づいて前記回転手段の回転速度を変化させることを特徴とする。

本発明によれば、測定精度を良好に維持しつつ、測定時間の短縮を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る眼鏡レンズ周縁加工装置の加工部の概略構成図である。
加工装置本体1のベース170上にはキャリッジ部100が搭載され、キャリッジ101が持つレンズチャック軸(レンズ回転軸)102L,102Rに挟持された被加工レンズLEの周縁は、砥石スピンドル(砥石回転軸)161aに同軸に取り付けられた砥石群168に圧接されて加工される。砥石群168は、ガラス用粗砥石162、高カーブのレンズにヤゲンを形成するヤゲン斜面を有する高カーブヤゲン仕上げ用砥石163、低カーブのレンズにヤゲンを形成するV溝(ヤゲン溝)VG及び平坦加工面を持つ仕上げ用砥石164、平鏡面仕上げ用砥石165、プラスチック用粗砥石166から構成される。砥石スピンドル161aは、モータ160により回転される。
キャリッジ101の左腕101Lにレンズチャック軸102Lが、右腕101Rにレンズチャック軸102Rが、それぞれ回転可能に同軸に保持されている。レンズチャック軸102Rは、右腕101Rに取り付けられたモータ110によりレンズチャック軸102L側に移動され、レンズLEが2つのレンズチャック軸102R,102Lにより保持される。また、2つのレンズチャック軸102R,102Lは、左腕101Lに取り付けられたモータ120により、ギヤ等の回転伝達機構を介して同期して回転される。これらによりレンズ回転手段が構成される。
キャリッジ101は、レンズチャック軸102R,102L及び砥石スピンドル161aと平行に延びるシャフト103,104に沿って移動可能なX軸移動支基140に搭載されている。支基140の後部には、シャフト103と平行に延びる図示なきボールネジが取り付けられており、ボールネジはX軸移動用モータ145の回転軸に取り付けられている。モータ145の回転により、支基140と共にキャリッジ101がX軸方向(レンズチャック軸の軸方向)に直線移動される。これらによりX軸方向移動手段が構成される。モータ145の回転軸には、キャリッジ101のX軸方向の移動を検出する検出器であるエンコーダ146が備えられている。
また、支基140には、Y軸方向(レンズチャック軸102R,102Lと砥石スピンドル161aの軸間距離が変動される方向)に延びるシャフト156,157が固定されている。キャリッジ101はシャフト156,157に沿ってY軸方向に移動可能に支基140に搭載されている。支基140にはY軸移動用モータ150が固定されている。モータ150の回転はY軸方向に延びるボールネジ155に伝達され、ボールネジ155の回転によりキャリッジ101はY軸方向に移動される。これらにより、Y軸方向移動手段が構成される。モータ150の回転軸には、キャリッジ101のY軸方向の移動を検出する検出器であるエンコーダ158が備えられている。
図1において、装置本体の手前側に面取り機構部200が配置されている。面取り機構部200は、周知のものが使用されるため、説明は省略する(例えば、特開2006−239782号公報を参照)。
図1において、キャリッジ101の上方には、レンズコバ位置測定部(レンズ形状測定部)300F、300Rが設けられている。図2はレンズ前面のレンズコバ位置を測定する測定部300Fの概略構成図である。図1のベース170上に固設された支基ブロック300aに取付支基301Fが固定され、取付支基301Fに固定されたレール302F上をスライダー303Fが摺動可能に取付けられている。スライダー303Fにはスライドベース310Fが固定され、スライドベース310Fには測定子アーム304Fが固定されている。測定子アーム304Fの先端部にL型のハンド305Fが固定され、ハンド305Fの先端に測定子306Fが固定されている。測定子306FはレンズLEの前側屈折面に接触される。
スライドベース310Fの下端部にはラック311Fが固定されている。ラック311Fは取付支基301F側に固定されたエンコーダ313Fのピニオン312Fと噛み合っている。また、モータ316Fの回転は、ギヤ315F、アイドルギヤ314F、ピニオン312Fを介してラック311Fに伝えられ、スライドベース310FがX軸方向に移動される。レンズコバ位置測定中、モータ316Fは常に一定の力で測定子306FをレンズLEに押し当てている。モータ316Fによる測定子306Fのレンズ屈折面に対する押し当て力は、レンズ屈折面にキズが付かないように、軽い力で付与されている。測定子306Fのレンズ屈折面に対する押し当て力を与える手段としては、バネ等の周知の圧力付与手段とすることもできる。エンコーダ313Fはスライドベース310Fの移動位置を検知することにより、測定子306FのX軸方向の移動位置を検知する。この移動位置の情報、レンズチャック軸102L,102Rの回転角度の情報、Y軸方向の移動情報により、レンズLEの前面のコバ位置(レンズ前面位置も含む)が測定される。
レンズLEの後面のコバ位置を測定する測定部300Rの構成は、測定部300Fと左右対称であるので、図2に図示した測定部300Fの各構成要素に付した符号末尾の「F」を「R」に付け替え、その説明は省略する。
レンズコバ位置の測定は、測定子306Fがレンズ前面に当接され、測定子306Rがレンズ後面に当接される。この状態で玉型データに基づいてキャリッジ101がY軸方向に移動され、レンズLEが回転されることにより、レンズ周縁加工のためのレンズ前面及びレンズ後面のコバ位置が同時に測定される。なお、測定子306F及び測定子306Rが一体的にX軸方向に移動可能に構成されたコバ位置測定手段においては、レンズ前面とレンズ後面が別々に測定される。また、上記のレンズコバ位置測定部では、レンズチャック軸102L,102RをY軸方向に移動するものとしたが、相対的に測定子306F及び測定子306RをY軸方向に移動する機構とすることもできる。
図1において、キャリッジ部100の後方には、穴加工・溝掘り機構部400が配置されている。以上、キャリッジ部100、レンズコバ位置測定部300F、300R、穴加工・溝掘り機構部400の構成は、基本的に特開2003−145328号公報に記載されたものを使用できるので、詳細は省略する。
なお、図1の眼鏡レンズ周縁加工装置におけるX軸方向移動手段及びY軸方向移動手段の構成は、レンズチャック軸(102L,102R)に対して砥石スピンドル161aを相対的にX軸方向及びY軸方向に移動する構成としても良い。また、レンズコバ位置測定部300F、300Rの構成においても、レンズチャック軸(102L,102R)に対して測定子306F,306RがY軸方向に移動する構成としても良い。
ここで、砥石群168の構成について説明する。図3は、砥石群168を、図1の矢印A方向から見た場合の図である。ガラス用粗砥石162の幅w162及びプラスチック用粗砥石166の幅w166は、共に17mmである。通常、レンズのコバ厚は15mm以下であるので、幅w162及び幅w166はこれに対応しつつ、できるだけ狭い幅とされている。
低カーブ用の仕上げ用砥石164が持つヤゲン加工用のV溝について、X軸方向に対する前面加工用斜面の角度164αf及び後面加工用斜面の角度164αrは、フレームカーブが緩いレンズを枠入れしたときに見栄え良くするために、共に35°とされている。また、V溝VGの深さは1mm未満である。
高カーブヤゲン仕上げ用砥石163は、レンズLEの前面側のヤゲン斜面を加工する前面ヤゲン加工斜面163F(前面ヤゲン加工用砥石)と、レンズLEの後面側のヤゲン斜面を加工する後面ヤゲン加工斜面163Rs(後面ヤゲン加工用砥石)と、レンズ後面側のヤゲン肩を形成する後面ヤゲン肩加工斜面163Rkと、を備える。各加工斜面の砥石は、本装置では一体的に形成されているが、個別のものとしても良い。
X軸方向に対する前面ヤゲン加工斜面163Fの角度163αfは、仕上げ用砥石164が持つ前面加工用斜面の角度164αfよりも緩く、例えば30度である。高カーブレンズに前面ヤゲンを形成する場合には、フレームカーブがきついので、前面側の見栄えをよくするために、低カーブレンズに対して前面ヤゲンの角度163αfを小さくすることが好ましい。一方、X軸方向に対する後面ヤゲン加工斜面163Rsの角度163αrは、仕上げ用砥石164が持つ後面加工用斜面の角度164αrよりも大きく、例えば45度である。高カーブフレームにおいては、レンズが後面側に外れず、且つ保持をより確実にするために、低カーブレンズに対して後面ヤゲンの角度163αrを大きくすることが好ましい。さらに、X軸方向に対する後面ヤゲン肩加工斜面163Rkの角度163αkは、仕上げ用砥石164が持つ後面ヤゲン肩加工斜面163Rkの角度(図3では0°であるが、3°以下とされる)よりも大きく、例えば15°である。これにより、高カーブフレームに取り付けたときに、見栄えが良くなり、レンズが保持されやすくなる。
また、X軸方向の前面ヤゲン加工斜面163Fの幅w163Fは9mm、後面ヤゲン加工斜面163Rsの幅w163Rsは3.5mmとされている。後述するように、高カーブレンズの場合には、前面側ヤゲン斜面と後面側ヤゲン斜面は別々に加工されるので、加工時に互いに干渉しないように、低カーブ用の仕上げ用砥石164よりもそれぞれ大きな幅とされている。後面ヤゲン肩加工斜面163Rkの幅w163Rkは4.5mmである。
図4は、眼鏡レンズ周縁加工装置の制御ブロック図である。制御部50に眼鏡枠形状測定部2(特開平4−93164号公報等に記載したものを使用できる)、タッチパネル式の表示手段及び入力手段としてのディスプレイ5、スイッチ部7、メモリ51、キャリッジ部100、面取り機構部200、レンズコバ位置測定部300F、300R、穴加工・溝掘り機構部400等が接続されている。装置への入力信号は、ディスプレイ5の表示に対して、タッチペン(又は指)の接触により入力することができる。制御部50はディスプレイ5が持つタッチパネル機能により入力信号を受け、ディスプレイ5の図形及び情報の表示を制御する。
以上のような構成を持つ装置において、レンズコバ位置測定の動作、高カーブレンズに対する粗加工動作、高カーブレンズに対するヤゲン加工動作を説明する。
まず、眼鏡枠形状測定部2により測定された眼鏡枠の玉型データ(rn、θn)(n=1、2、…、N)は、スイッチ部7が持つスイッチを押すことにより入力され、メモリ51に記憶される。rnは動径長、θnは動径角のデータである。ディスプレイ5の画面500には玉型FTが表示され、装用者の瞳孔間距離(PD値)、眼鏡枠の枠中心間距離(FPD値)、玉型の幾何中心に対する光学中心の高さ等のレイアウトデータを入力できる状態となる。レイアウトデータは、ディスプレイ5に表示される所定のボタンキーを操作することにより入力できる。また、レンズの材質、フレームの種類、加工モード(ヤゲン加工、平加工、溝掘り加工)、面取り加工の有無、等の加工条件も、ディスプレイ5に表示される所定のボタンキーを操作することにより設定できる。ここでは、ヤゲン加工モードを設定した場合を説明する。
なお、眼鏡フレームのフレームカーブが大きいことが分かっている場合は、ディスプレイ5に表示される所定のボタンキー501により、高カーブモードを選択しておくことができる。予め高カーブモードが選択されると、ヤゲン加工時に高カーブヤゲン仕上げ用砥石(以下、高カーブヤゲン砥石)163を使用するように設定される。眼鏡枠のフレームカーブがきつくなく、仕上げ用砥石164を使用する場合は、通常加工モードを選択しておいても良い。高フレームカーブの眼鏡枠に合わせてヤゲン加工をする場合、レンズLEも高カーブに対応するものを予め選定しておく。
加工に必要なデータの入力ができたら、レンズLEをレンズチャック軸102R、102Lによりチャッキングし、スイッチ部7のスタートスイッチを押して装置を動作させる。
制御部50は、スタート信号によりレンズ形状測定部300F、300Rを作動させ、玉型データに基づいてレンズ前面及びレンズ後面のコバ位置を測定する。
レンズ前面及びレンズ後面のコバ位置の測定について、図5、図6を用いて説明する。図5(a)は、玉型FTと幾何中心FCを示す。幾何中心FCに対する玉型データ(rn、θn)(n=1、2、…、N)の位置関係も示す。rnは動径長、θnは動径角のデータであり、図5(a)に示すように、幾何中心FCを基準として図面方向右側の動径角θnを0°として、左回りに動径角θnが増加するものとする。図5(b)は、動径角θnに対する動径長rnの変化をグラフにした図である。
また、図6(a)は、レンズLEが玉型FTにて加工されたときのレンズコバをコーナーC1方向から見たときの図である。図6(b)は、図5(a)の玉型FTの動径角θnに対するレンズ前側屈折面のコバ位置fxnとレンズ後側屈折面のコバ位置rxnのグラフであり、それぞれX軸方向の基準位置に対する距離を示している。
玉型FTに基づいてレンズLEのコバ位置を測定する場合、制御部50は、レンズチャック軸102R、102Lを回転しながら、玉型データの動径角θn(この場合、動径角θnがレンズの回転角となる)毎の動径長rnに基づいて、レンズチャック軸102R,102LをY軸方向に移動し、レンズ前面に当接される測定子306F及びレンズ後面に当接される測定子306RのY軸方向の位置を制御する。測定中、測定子306F及び306Rは、モータ316F及び316Rにより、それぞれレンズ屈折面に軽い力で押し当てられている。コバ位置fxn,rxnは、それぞれエンコーダ313F,313Rにより得られる。
次に、レンズチャック軸102R、102Lを等角速度で回転させる場合を説明する。レンズチャック軸102R、102Lの回転速度を速くすれば、測定時間を短縮できる。しかし、玉型FTの動径長rnが急激に変化する変曲点であるコーナーC1〜C4付近においては、上記のように測定子306F及び306RのY軸方向の位置が急激に変化し、これに伴ってコバ位置fxn,rxnもコーナーC1〜C4付近で急激に変化する。特にコーナーC1〜C4では、動径長rn、コバ位置fxn,rxnが増加から減少に転じる。このとき、レンズの回転速度が速過ぎると、慣性力等の影響により、レンズLEの屈折面に対する測定子306F及び306RのX軸方向の追従性が悪くなる。レンズ後面のコバ位置を測定する測定子306Rについては、コーナーC1において動径長rnが増加から減少に変化した後の追従性が悪くなり、測定精度が低下する。レンズ前面のコバ位置を測定する測定子306Fについては、コーナーC1付近で動径長Rnの急激な変化に伴ってコバ位置も急激に変化するので、この付近の追従性が悪くなり、測定精度が低下する。さらに、レンズカーブがきついレンズほど、この傾向が大きくなる。
また、動径長rnの変化が大きく、動径長rnが増加から減少に転じる部分では、レンズチャック軸102L,102RのY軸方向の急激な移動制御が追いつかず、測定子306F、306Rが玉型FTの動径軌跡から離れてしまうこともある。
一方、レンズLEを等速で回転させるものとして、動径長rnが急激に変化するコーナーC1〜C4での測定精度を確保できるように、レンズの回転速度を十分に遅くすると、測定時間が長くなる。特に、ヤゲン加工の場合には、例えば、ヤゲン頂点位置とヤゲン底の2箇所でコバ位置が測定されるので、1回の測定時間が長くなると、全体の加工時間がさらに長くなる。
ここで、玉型FTのうち、コーナーC1〜C4から離れた部分(図5では、0°、90°、180°、270°の付近)では、動径長rnの変化量が比較的小さく、コバ位置の変化量も小さいため、この部分についてはレンズ回転の速度を速めてもレンズ屈折面に対する測定子306F,306Rの追従性の確保は可能である。
そこで、測定精度を確保しつつ、測定時間を短縮するために、動径長rnの変化に応じてレンズチャック軸102R、102Lの回転速度(レンズの回転速度)を変化させる。すなわち、動径長rnの変化が大きい部分では、測定精度を確保するためにレンズの回転速度を遅くし、動径長rnの変化量が小さい部分では、測定時間を短縮するためにレンズの回転速度を速くする。
以下、このレンズ回転速度制御の好ましい例を、図7を使用して説明する。制御部50は、図5(a)の眼鏡枠の玉型データ(rn、θn)の動径長rnを動径角θnについて微分演算を行う。玉型の1周におけるコバ位置の測定点を1000点とすれば、動径角θnは0.36°毎に変化される。動径角θnにおける微分演算の結果(以下、微分値)rdnの関係を、図7(a)のグラフに示す。次に、制御部50は、得られた微分値rdnの絶対値を演算する。絶対値を演算した結果得られた、動径角θnにおける絶対値Ardnの関係を、図7(b)に示す。玉型FTの4箇所のコーナーC1〜C4では、絶対値Ardnの値が大きくなっている。
制御部50は、絶対値Ardnに応じてチャック軸102R、102Lを回転させる角速度を切り換える。この角速度の切り換えについて説明する。制御部50は、図7(c)に示すように、動径角θnにおいて、絶対値Ardnに対して略反比例の関係にある回転角速度Vθnを求め、この回転角速度Vθnでチャック軸102R、102Lを回転させる。すなわち、動径長rnの変化率が小さい部分ではチャック軸102R、102Lを速く回転させ、動径長rnの変化率が大きくなるにつれて遅く回転する。なお、角速度Vθnは、C1〜C4のように、動径長rnの変化率(単位回転角度当たりの変化量)である絶対値Ardnが大きい部分でも、測定子306F,306Rが屈折面に追従できるように、実験により決定することができる。
このように、動径長rnの変化率に応じた回転角速度Vθnでチャック軸102R、102Lを回転させることにより、単位時間当たりに測定子306F、306RがレンズLEの屈折面に沿って移動するY軸方向のスピードを略一定にすることができる。このようにして、測定精度を確保しながら、測定時間を短縮してレンズLEの屈折面のコバ位置を測定することができる。
以上、絶対値Ardnと反比例の関係にある回転角速度VθnによりレンズLEの屈折面を測定する場合を述べたが、動径長rnの変化に応じた回転角速度Vθnの算出はこれに限られるものではない。例えば、図7(c)における回転角速度Vθnを段階的に切り換えて、例えば回転角速度Vθcを境界として、回転角速度を低速のVθLと、高速のVθHの2段階に切り換える構成であってもよい。また、切り換える段階も2段階に限定されるものではなく、3段階以上であっても良い。
なお、上記は玉型FTの動径長rnの変化率に基づいて回転角速度Vθnを変えるものとしたが、さらにレンズ屈折面のX軸方向の変化も考慮して回転角速度Vθnを変えても良い。同じ玉型FTであっても、レンズLEの度数が強い場合、例えばマイナスレンズで後面のカーブが強めであるとき、あるいは、高カーブレンズの場合、動径角θnの変化に対するコバ位置のX軸方向の変化が大きくなる。コバ位置の測定過程において、測定子306F、306Rによる測定結果として、測定子306Fあるいは306Rの少なくともいずれか一方で検出結果の変化が大きく現れるようになってきた場合は、その後も変化が大きくなると予測し、制御部50は、回転角速度を遅くするように制御する。その後、測定子306F、306Rの検出結果の変化が小さく現れるようになってきたら、測定子306F、306RがレンズLEに追従しやすくなるため、制御部50は回転角速度を速めるように制御する。
また、測定過程で得られるX軸方向のコバ位置の変化を使用する代わりに、レンズカーブや眼鏡枠のフレームカーブが入力されている場合は、このカーブによって動径角θnに対するX軸方向のコバ位置の変化を概略的に計算できるので、この計算結果を基に回転角速度を制御してもよいし、両者に基づいた制御であるとより好ましい。
なお、本実施形態ではレンズLEは、加工装置本体1が設置される設置面に対して略鉛直方向を向くよう、レンズチャック軸102R、102Lより挟持される。そして、設置面に対して平行方向に位置する測定子306F、306RによってレンズLEの屈折面が測定される。しかしながら、回転角速度の制御はこれらの位置関係に限られるものではない。
例えば、レンズの屈折面が加工装置本体の設置面に対して略平行方向を向くように挟持され、設置面に対して略鉛直方向より測定子を当接させることによりレンズの屈折面を測定する場合(例えば、特開平10−225855号公報を参照)においても、上述の回転角速度の制御を適用することができる。
次に、コバ位置測定後の動作を説明する。なお、ヤゲン加工モードの場合、コバ位置測定は、例えば、同一経線方向のヤゲン頂点とヤゲン底(ヤゲン肩とヤゲン斜面とが交叉する位置)の2箇所で行われる。レンズ前面及びレンズ後面のコバ位置が得られると、制御部50は、所定のプログラムに従い、玉型データ及びコバ位置情報に基づいてレンズLEに形成するヤゲン軌跡データを求めるヤゲン計算を行う。ヤゲン軌跡データを求める演算については、後述する。
ヤゲン計算ができると、ディスプレイ5にはヤゲン形状の変更ができるシミュレーション画面が表示される(図8参照)。シミュレーション画面には、ヤゲン計算によるヤゲンカーブ値(Crv)が表示部511に表示される。シミュレーション画面では、ヤゲンカーブ値の変更ができる。また、ヤゲン頂点位置をレンズ前面側又は後面側に平行移動する量を入力欄512にて入力できる。また、画面上には玉型FTとヤゲン断面図形520が表示される。玉型FT上のカーソル530の位置をボタンキー513又は514により指定することにより、ヤゲン断面図形520が指定された位置の状態に変更される。
ヤゲンシミュレーション画面の表示後、スイッチ部7の加工スタートスイッチが押されると、制御部50は加工シーケンスに従ってキャリッジ101を移動させるモータ145,150等の駆動を制御し、粗加工データに基づいてレンズLEの周縁をプラスチック用粗砥石166により粗加工する。粗加工データの粗加工軌跡は、玉型データに所定の仕上げ代を残した軌跡として演算される。
ここで、本実施形態におけるプラスックレンズの加工では、粗加工の途中にレンズLEの周縁が粗砥石166の砥石幅からはみ出すことのないように加工(以下、砥石幅有効利用加工)を行う。
砥石幅有効利用加工について説明する。図9及び図10は、レンズチャック軸102R、102Lによりチャッキングされた高カーブのレンズLEと、砥石群168の位置関係について、図1の矢印Aの方向より見た場合の図である。レンズLE上の斜線部分は、粗加工されるレンズの玉型FTr(粗加工軌跡)の断面を示す。
まず、砥石幅有効利用加工の説明に先立ち、従来の粗加工制御を簡単に説明する。制御部50は、玉型FTrを加工するにあたり、レンズチャック軸102Lのレンズ側端1030が粗砥石166の左側境界166aから所定距離(例えば、2mm)だけ内側に設定された位置166pに位置するように、モータ145を駆動してキャリッジ101をX軸方向に移動する。その後、モータ150を駆動し、玉型FTrに従ってレンズチャック軸102R,102Lと砥石スピンドル161aの軸間距離を変化させ、レンズLEの周縁を粗砥石166により粗加工する。このとき、未加工の高カーブレンズLEでは、レンズLEのうち最も外周部LEOが、砥石166の右側境界166bより外側にはみ出してしまう。この状態で粗加工を続けると、外周部LEOが残されたままの状態で、レンズLEの他の領域が粗加工される。そして、加工の進行に伴いレンズLEから外周部LEOが脱落するとき、レンズLEにひびが入ってしまう場合がある。
また、粗砥石166と他の砥石との配置順序が入れ替わり、粗砥石166の右隣(レンズ後面側)に仕上げ砥石164が配置されていたと仮定する。この場合、粗砥石166の右境界166bから食み出した外周部LEOが仕上げ砥石164に掛かり、砥石164に圧接されてレンズLEに掛かる負荷が大きくなってしまい、レンズチャック軸102R、102Lの回転角度に対して実際のレンズLEの軸角度がずれてしまう、いわゆる軸ずれが発生しやすくなる。また、レンズLEの変形やレンズ割れを引き起こす要因にもなる。粗砥石166の幅を高カーブレンズの加工に対応して十分に大きくできれば、上記のような問題を解消できるが、砥石回転軸にはプラスチック用の粗砥石166、仕上げ砥石164の他に、ガラス用粗砥石162、高カーブヤゲン仕上げ用砥石163等の複数の砥石が同軸に取り付けられ、全体の砥石幅が大きくなっている。このため、粗砥石166,162の幅を大きくすると、レンズチャック軸102L,102Rが全体の砥石幅を移動可能に構成しなければならないため、装置が大型化する。
そこで、制御部50は、レンズの前面カーブ及び/又は後面カーブとY軸方向の移動情報とを基にレンズの前面及び/又は後面のX軸方向の位置を演算し、幅の狭い砥石幅を有効に利用して、レンズLEのコバが粗砥石166の幅内に収まるように粗加工制御を行う。図10は、砥石幅有効利用の第1の粗加工方法を説明する図である。
まず、制御部50は、レンズ形状測定部300F,300Rにより測定されたレンズ前面のコバ位置より、任意の4点を球の方程式に代入することでレンズ前面カーブの半径CRfを求める(レンズ前面カーブが制御部50に自動的に入力される)。なお、レンズ前面のカーブデータの入力としては、予めレンズLEの前面カーブが分かっていれば(周知のカーブ計で計測することで得られる)、これをディスプレイ5の入力画面により入力する構成としても良い。
ここで、図10(a)において、半径CRfのカーブ円をLECfとする。カーブ円LECfの中心は、レンズチャック軸102R、102Lの回転中心102T上にあるものとする。レンズチャック軸102LのX軸方向の原点xoに対するレンズ側端1030の移動距離をxt(X軸方向の移動情報)とする。回転中心102Tから粗砥石166までのY軸方向の距離Lyとし、回転中心102Tから距離Lyだけ離れたカーブ円LECf上の点をLEC1とする。また、カーブ円LECf上の点LEC1からレンズ側端1030までのX軸方向の距離をΔxfとする。Δxfは、レンズ前面のカーブ円LECfの半径CRfと距離Lyにより求められる。そして、制御部50は、Y軸方向の距離Lyに対応するカーブ円LECf上の点LEC1が、常に粗砥石166上の位置166pに位置するように、原点xoに対する位置166pと距離Δxfとにより距離xtを演算する。
粗加工時には、制御部50は、玉型FTrに基づいてレンズLEのY軸方向の移動を制御すると共に、距離Lyに対応した距離xtに基づいてレンズLEのX軸方向の移動を制御する。このとき、レンズ側端1030は、レンズ前面にカーブ円LECfに沿った移動軌跡で移動される。これにより、レンズ前面が常に位置166pに来るようにレンズLEが移動されるので、レンズLEの前面が粗砥石166の左端境界166aから食み出さず、また、レンズLEのコバよりも粗砥石166の幅が広いので、レンズLEの後面も粗砥石166の右側境界166bから食み出さずに、レンズLEのコバが粗加工される。
このようにレンズ前面が位置するカーブ円LECfが常に粗砥石166上の所定位置166pに来るようにすれば、高カーブレンズであっても、レンズ後面位置も粗砥石166の幅から食み出すことなく粗加工が行える。また、粗砥石166の幅w166が狭くされていても、その砥石幅を有効に活用できる。
上記の粗加工制御ではレンズ前面側を基準にしたが、同様な考えで、図10(b)に示すように、レンズ後面側を基準にした粗加工制御であっても良い。この場合、制御部50は、レンズLEの後面カーブ半径CRrからカーブ円LECrを求める。そして、Y軸方向の距離Lyに対応するカーブ円LECr上の点LEC2が、粗砥石166の右側端面166bから所定距離(2mm)だけ内側に設定された所定位置166q(レンズ後面側に設定された所定位置)に位置するように、原点xoに対する位置166qと距離Δxrとにより距離xtを演算する。制御部50は、この演算結果に基づいてレンズLEのY軸方向の移動を制御すると共にX軸方向の移動を制御する。後面カーブ半径CRrは、レンズ後面のコバ位置測定から求められて制御部50に入力されるが、予めレンズ後面カーブを測定した結果を入力してもよい。
また、前面カーブ半径CRf及び後面カーブ半径CRrの両方のデータを入力し、これを使用してレンズLEのコバが粗砥石166の幅内に収まるように、Y軸方向の移動に対するX軸方向の移動情報を求めることでも良い。この場合、例えば、前面カーブ半径CRfと後面カーブ半径CRrとから両者の中間にあたるカーブ円を求め、これが粗砥石166の幅の中間位置に来るようにX軸方向の移動情報を演算して粗加工を行う。また、カーブ円LECfとLECrのX軸方向の距離が粗砥石166の幅より短くなった時点からは、レンズ前面のカーブ円LECfが粗砥石166に接触する点が位置166pより内側に位置し、且つレンズ後面のカーブ円LECrが粗砥石166に接触する点が位置166qより内側に位置する範囲でX軸方向の移動情報を決めればよい。
さらに、粗砥石166の砥石面の偏磨耗を低減するために、レンズ前面のカーブ円LECf及びレンズ後面のカーブ円LECrが共に粗砥石166の幅(位置166pと位置166qの間)に収まる範囲で適宜、レンズLEのコバが粗砥石166の面を均等に使って粗加工されるように、X軸移動を制御することが好ましい。
なお、Y軸移動のみの粗加工の問題は、レンズLEが高カーブであるほどに生じやすい。そのため、レンズLEが高カーブの場合(例えば、レンズカーブが6カーブ以上)に上記の砥石幅有効利用加工を用い、レンズLEのカーブがそれほど高くない場合は、従来のようにY軸移動の制御のみで粗加工を行う構成としてもよい。しかし、粗砥石166の幅を広くせず、加工装置本体1をよりコンパクトな構成としたい場合は、レンズLEが高カーブでなくとも上記の砥石幅有効利用加工を用いることが好ましい。
ところで、図10で説明した方法は、レンズLEの加工前の外径寸法が分かっていない場合にも適用できる方法であるが、レンズLEをY軸方向及びX軸方向に同時に移動させることが多いので、Y軸方向のみの移動に比べてレンズLEに掛かる粗加工時の負荷がやや大きくなる可能性がある。これを低減するために、レンズLEのコバが粗砥石166に幅から食み出す場合にのみ、レンズLEをX軸方向に移動させる砥石幅有効利用の第2の粗加工方法を、以下に説明する。
まず、加工前のレンズのコバ厚を知るために、レンズLEの加工前(生地レンズ)の外径寸法を以下のようにして取得する。粗加工開始にあたって、図11に示すように、制御部50はレンズ側端1030が粗砥石166の位置166pに位置するように、モータ145を駆動してレンズチャック軸102LをX軸方向に移動する。また、制御部50は、図12に示すように、玉型の幾何中心FC、レンズLEの光学中心Eo及び、砥石166の中心166Tが同一直線上に位置するようにモータ120の駆動によりレンズを回転させる。なお、レンズLEの光学中心Eoが回転中心102Tに一致する光心チャックのときは、幾何中心FCは特に考慮しなくてよい。そして、制御部50はレンズLEを回転させず、モータ150の駆動によりレンズチャック軸102L,102RをY軸方向に移動し、レンズLEを粗砥石166に当接させる。このとき、制御部50は、モータ150の駆動パルス信号とエンコーダ158から出力されるパルス信号とを比較し、両者にズレが生じたときに、レンズLEが粗砥石166に当接した状態になったと検知する。その理由は、レンズLEが砥石166に当接したときに粗砥石166から受ける反力のため、モータ150の駆動信号から換算されるレンズLEの移動量に対して、実際のレンズLEの移動量が少なくなるためである。
また、砥石を回転させるモータ160の駆動電流の変化(レンズLEが砥石166に当接したときに、砥石166がレンズLEから受ける反力のため、モータ160の電流量が変化する。)を検知することにより、レンズLEが砥石166に当接されたことを検知することもできる。同様に、Y軸移動用のモータ150の駆動電流の変化からレンズLEが砥石166に当接したことを検知できる。Y軸方向のズレ、モータ160の電流量変化の両方を使用することにより、レンズLEが砥石166へ当接されたとする検知の信頼性が高まる。
なおこのとき、レンズLEの外周は砥石166からはみ出す場合もあるが、十分に短い時間のため、軸ずれ等の影響は無視できる。
レンズLEが粗砥石166に当接したことが検知されると、制御部50は、このときの回転中心102TのY軸位置をエンコーダ158から得て、砥石166の半径Rc及び、幾何中心FCに対する光学中心Eoのレイアウトデータ(距離r10)により、レンズLEの加工前の半径rLEを算出することができる。
また、図11(a)に示すように、制御部50は、予めレンズ前面のカーブ円LECf及びレンズ後面のカーブ円LECrをカーブデータの入力に基づいて演算しておく。制御部50は、レンズLEの半径rLEから回転中心102Tとレンズ外周までの距離Lyを求める。この距離Lyとレンズ後面のカーブ円LECrとにより、レンズLEが粗砥石166に当接したときのレンズ側端1030からレンズ後面(カーブ円LECr上)の点LEC4までの距離Δxrを求める。距離Δxrが分かれば、粗砥石166のレンズ後面側の所定位置166qからレンズ後面のコバ点LEC4が外側に食み出しているかを判定でき、同時に、所定位置166qから点LEC4までの距離も計算できる。
このとき、レンズ後面(コバ点LEC4)が粗砥石166の所定位置166qから食み出していなければ、従来と同じように、レンズLEを回転しながら玉型データに基づいてY軸方向のみの移動制御により粗加工を行う。レンズ後面(コバ点LEC4)が粗砥石166の所定位置166qから食み出しているときは、その食み出し量分だけレンズチャック軸102Lを図11上の左側(レンズ前面側)に移動して、粗加工を開始する(図11(b)参照)。
また、制御部50はレンズ側端1030からレンズ前面(カーブ円LECf)までの距離Δxfを、Y軸方向に変化させる距離Ly(Y軸方向の移動情報)に応じて演算する。そして、制御部50は、粗加工の進行によってY軸方向の距離Lyが短くなることにより、カーブ円LECfのレンズ前面と粗砥石166のレンズ前面側の所定位置166pからの位置関係をΔxfにより求める。そして、レンズ前面が粗砥石166の所定位置166pから外側に外れる前に、レンズLEを後面側に移動する。その移動位置は、カーブ円LECrから求められるレンズ後面が粗砥石166の所定位置166qから食み出さない範囲とする。レンズ側端1030又は粗加工の玉型から求められるカーブ円LECfのレンズ前面位置LEC3が粗砥石166の位置166pまで移動できれば、その後はX軸方向に移動することなく、粗加工が行える。
以上のような粗加工制御により、高カーブレンズであっても、幅の狭い粗砥石166の砥石幅を有効に活用して、粗砥石166からレンズが食み出すことなく粗加工が行える。また、図11の粗加工方法によれば、粗加工中のX軸方向の移動が少なくできるので、粗加工時にレンズLEに掛かる余分な負荷を低減できる。
なお、レンズLEの加工前の外径寸法を取得する手段としては、レンズコバ位置測定部300F,300Rを利用することもできる。制御部50は、図13に示すように、レンズの回転により、光学中心Eoと幾何中心FC(回転中心102T)とを結ぶ直線方向180がY軸方向に一致させた後、レンズ形状測定部300Fの測定子306F又は300Rの少なくとも一方を玉型FT上に当接させる。その後、測定子306F(又は306R)が直線180に沿って玉型FTの外側方向に移動するように、レンズLEのY軸移動を制御する。そして、測定子306F(又は306R)がレンズLEの屈折面に接触している状態から外れると、エンコーダ313F(又は313R)のコバ位置の検知情報が急激に変化する。このときのY軸方向の移動位置をエンコーダ158から得ることにより、レンズLEの加工前の外径寸法である半径rLEを算出することができる。また、レンズLEの加工前の外径寸法を予め分かっていれば、操作者がディスプレイ5の所定の入力画面で半径rLEを入力しても良い。なお、光学中心Eoに対して、直線方向180と逆向きの直線方向182に沿って測定子306F又は306Rを移動させてもよい。
以上、砥石幅有効利用加工について説明したが、この加工は上記に限定されるものではない。所定の砥石で粗加工を行う際にレンズがその粗砥石からはみ出さないよう、レンズの屈折面情報(レンズの前面又は後面の少なくとも一方のカーブデータ)に基づいて砥石とレンズとの相対的な移動を制御するものであれば、砥石幅有効利用加工の技術思想に含まれる。
次に、粗加工後のヤゲン仕上げ加工について説明する。前述したように、ヤゲン加工モードでは、さらに、眼鏡フレームに枠入れされるレンズのカーブに応じて、高カーブモードと通常加工モードである低カーブモードとをディスプレイ5のボタンキー501により選択できる。
低カーブモードが選択された場合、V溝を持つ仕上げ用砥石164によりヤゲン加工するように設定され、ヤゲン軌跡データが制御部50により演算される。ヤゲン軌跡データは、レンズコバ位置測定によるレンズ前面及び後面のコバ位置データと玉型データとに基づいて、レンズ前面とレンズ後面との間にヤゲン頂点を位置するように所定の演算式により演算される。例えば、コバ厚を所定の比率(3:7等)で分割するようにヤゲン頂点を動径全周に配置した軌跡として演算される他、レンズ前面カーブに沿ったヤゲンカーブでレンズ後面側にシフトした軌跡として演算される。このヤゲン軌跡データの演算は、特開平2−212059号公報等に記載されたものを使用できる。また、V溝を持つ仕上げ用砥石164によるヤゲン加工については、特開平2−212059号公報等に記載されているので、これを援用して省略する。
次に、高カーブモード(高カーブレンズ)の場合のヤゲン軌跡データの演算について説明する。高カーブモードの場合、ヤゲン頂点軌跡は、基本的にレンズ前面カーブに沿うように計算される。また、高カーブフレームMFRに枠入れるときのヤゲン形成は、見栄えをよくするために、図14に示すように、レンズのコバ厚が所定値t0(例えば、3mm)以下のときは、ヤゲン頂点VTPがレンズ前面カーブ上に位置し、レンズ後面側にのみヤゲン斜面VSrを形成するように設定される。これは、高カーブフレームMFRに枠入れされるレンズが、フレームカーブに合わせた高カーブレンズ(レンズ前面のカーブかきついレンズ)が使用されるため、レンズ前面が十分に前面側ヤゲン斜面の役目を果たすことができる理由による。また、レンズ前面と角度が異なる前面側ヤゲン斜面が大きく形成されると、この角度の相違によって生じる両者の境目が目立ち、見栄えが悪くなる理由による。なお、コバ厚が所定値t0より厚いときは、コバ厚に応じてヤゲン頂点VTPがレンズ後面側にシフトするように設定される。
ヤゲン頂点軌跡データを(rn,θn,Hn)(n=1、2、…、N)とする。rnは玉型データの動径長,θnは動径角のデータである。Hnは、X軸方向の位置データであり、レンズ後面側にのみヤゲン斜面VSrを形成する設定では、レンズコバ位置測定部300Fにより検出されたレンズ前面のコバ位置データをそのまま適用することにより設定される。
次に、ヤゲン頂点軌跡データ(rn,θn,Hn)に基づいて、後面ヤゲン加工斜面163Rsによりレンズ後面側にヤゲン斜面VSrを形成するための後面ヤゲン加工データを求める方法を、図15(a)を用いて説明する。
図15(a)において、ヤゲン高さvh(ヤゲン斜面VSrとヤゲン肩が交わるヤゲン底Vbrからヤゲン頂点VTPまでのY軸方向の距離)を予め設定しておく。ヤゲン高さvhの設定は、予めメモリ51に記憶させたものを制御部50が呼び出して使用する他、ディスプレイ5により任意に設定できる。制御部50は、設定されたヤゲン高さvhを持つヤゲン底Vbrを確保する加工点を次のように求める。
ヤゲン底Vbrに当接させる砥石163上の交点163Gの砥石半径をRtとする。ヤゲン頂点軌跡データ(rn,θn,Hn)(n=1,2,3,……,N)の2次元の玉型データ(rn,θn)に対してヤゲン高さvh分小さい径で加工するときの軸間距離LV (レンズ回転中心102Tと砥石回転中心との距離)を、
により求める。そして、玉型データ(rn,θn)を微小な任意の角度だけレンズ回転中心を中心に回転させ、数1と同一の計算を行う。このときの回転角をξi(i=1,2,3,……,N)とし、全周にわたって算出する。それぞれのξiでのLVの最大値をLV iを求めることにより、レンズ回転角ξi毎にヤゲン底Vbrを確保するための加工点の基準加工データ(LV i,ξi)が得られる。
次に、この基準加工データ(LV i,ξi)に対応させて、ヤゲン頂点が後面ヤゲン加工斜面163Rsに接するようにX軸方向の加工点を求める。ここで、便宜上、相対的にレンズチャック軸102R、102Lを原点とする直交座標系として考えると、ヤゲン頂点軌跡データ(rn,θn,Hn)は、
とするヤゲン頂点軌跡データ(xn,yn,zn)に置き換えられる。このとき、この直交座標系と原点を同じにする後面ヤゲン加工斜面163Rsの砥石面は、次式で表される。
なお、数3における(X,Y,Z)を後面ヤゲン加工斜面163Rsの砥石面を構成する仮想の円錐頂点座標となり、後面ヤゲン加工斜面163Rs側のZは、
となる。また、前述の加工基準軌跡のξiをθnとする直交座標に変換すると、
となる。これとヤゲン頂点軌跡データ(xn,yn,zn)を数2に代入してZの最大値Zmax を求める。そして、ヤゲン頂点軌跡データ(xn,yn,zn)を微小な任意の角度ξi(i=1,2,3,……,N)だけレンズ回転中心を中心に回転させながら全周にわたって同一の計算を行い、それぞれξiでのZの最大値Zmax iを得ることにより、ヤゲン頂点が後面ヤゲン加工斜面163Rsに接するレンズ軸方向の加工点が求められる。これと前述の基準加工データ(LV i,ξi)とにより、(LV i,Zmax i,ξi)(i=1,2,3,……,N)が後面ヤゲン加工データとなる。
ヤゲン加工時、制御部50は、上記の後面ヤゲン加工データのレンズ回転角ξi毎に、キャリッジ101のY軸移動をデータLV iに基づいて制御すると共に、キャリッジ101のX軸移動をデータZmax iに基づいて制御する。これにより、レンズ後面側のみにヤゲン斜面VSrが形成される。また、レンズ前面側のヤゲン斜面を同時に加工せず、レンズ後面側のヤゲン斜面のみの個別の加工であるので、高カーブヤゲンであっても干渉によるヤゲン痩せの問題を低減できる。ヤゲン頂点が鋭角になることを避けるために、上記の後面ヤゲン加工斜面163Rsによるヤゲン加工前又は加工後に、仕上げ用砥石164の平仕上げ砥石面で0.1mm等の所定の幅でヤゲン頂点部分を平仕上げ加工するように、制御することが好ましい。
高カーブレンズの場合にも、レンズ後面側には加工斜面163Rkによりヤゲン肩を形成することが好ましい。その理由を、図14を使用して説明する。レンズLEが高カーブの場合、砥石163の後面ヤゲン肩加工斜面163Rkが、基準線1610に対してなす角度が0°であると、レンズLEの後面に形成されるヤゲン肩が点線1632のように、基準線1610に対して平行方向に形成される。この場合、ヤゲン肩を示す点線1632とフレームMFRが干渉してしまうため、フレームMFRに枠入れするときのフィット性が好ましくない。逆に、砥石163に後面ヤゲン肩加工斜面163Rkが設けられておらず、レンズLEのヤゲン頂点VTPよりレンズLEの後面にかけて一律に後面ヤゲン加工斜面163Rsの角度でヤゲン斜面が形成される場合、斜面は点線1634で示されるように形成され、ヤゲン肩が形成されない(ヤゲン頂点VTPからレンズLEの後面まで、ヤゲン斜面のみが形成される)。このとき、レンズLEを、矢印1636の方向よりフレームMFRに枠入れすると、レンズLEの後面のコバとフレームMFRの隙間d1634が大きくあいてしまい、枠入れしたときの見栄えが好ましくない。そのため、高カーブのレンズLEの後面側にヤゲン斜面を形成する場合は、本実施形態のように、基準線1610に対して後面ヤゲン加工斜面163Rsと基準線1610の成す角度よりも小さな角度でヤゲン肩を形成する斜面163Rkを設けることが好ましい。
また、高カーブのレンズLEの場合、レンズ前面は、前面ヤゲン加工斜面163Fによりレンズ前面側にヤゲンを形成しなくともフレームMFRの溝の前面1640に対して、十分な引っ掛かりを有する状態で枠入れされる。そのため、レンズコバ位置測定部300F、300Rにより測定されたレンズLEのコバ厚が薄い場合はレンズ前面側のヤゲンは必要とされない。このため、高カーブレンズの場合にも、仕上げ砥石164による通常のヤゲン加工時間に対して加工時間を長くすることなく、見栄えの良いヤゲン加工が行える。
しかしながら、レンズLEのコバ厚が厚い場合(例えば、3mm以上の場合)、レンズ前面側にもヤゲン斜面を形成することが好ましい。コバ厚が厚いレンズで、レンズ前面側にヤゲンを形成することなくフレームMFRに枠入れした場合を図16(a)に示す。レンズLEがフレームMFRに枠入れされたとき、レンズLEがフレームMFRの後面側からはみ出ており、枠入れ後に横から見たときの見栄えが好ましくない。
これに対して、図16(b)では、図16(a)と同じレンズLEに対して、前面ヤゲン加工斜面163Fによりレンズ前面側にヤゲン斜面VSfを形成後、レンズLEをフレームMFRに枠入れした場合を図16(b)に示す。図16(a)のようにレンズLEがフレームMFRからはみ出ることもなく、横から見たときの見栄えを良くして枠入れできている。
また、眼鏡装用者の安全面から、レンズLEがフレームMFRに対して矢印1650(後側)の向きに外れることは好ましくない(図14参照)。すなわち、基準線1610に対して後面ヤゲン加工斜面163Rsは、前面ヤゲン加工斜面163Fより形成される前面側ヤゲンよりも、フレームMFRに対する引っ掛り(枠入れした後の外れにくさ)を確保するために、傾斜角を大きいものとする。またさらに、前面側ヤゲン斜面VSfのうち、フレームMFRにより覆われていないヤゲン表出部d1642が少ないほど、見栄えの面で好ましい(基準線1610に対して前面ヤゲン加工斜面163Fの成す角度が必要以上に大きいと、見栄えの面で好ましくない)。以上の点を踏まえ、本実施形態では、前面ヤゲン加工斜面163Fは基準線1610に対して30°の角度を成す方向に、さらに後面ヤゲン加工斜面163Rsの基準線1610に対して45°の角度を成す方向に形成されている。しかしながら、これらの角度は上記に限定されるものではない。
レンズ前面にヤゲン斜面を形成する場合を説明する(図15(b)参照)。コバ位置測定部300F、300Rにより測定されたコバ厚のうち、最も厚い部分(以下、最厚部)が所定値t0(3mm)以上の場合、制御部50は、レンズ前面側にもヤゲン斜面を形成するように設定する。このとき、制御部50は、最厚部が3mm以上4mm未満の場合は、レンズLEの前面側からヤゲン頂点VTPまでの距離d192が0.3mmとなるようにヤゲン頂点軌跡を算出する。最厚部が4mm以上5mm未満の場合は距離d192を0.4mmに、最厚部が5mm以上6mm未満の場合は距離d192を0.5mmに、…、というように最厚部が1mm増加するごとに、距離d192も0.1mmずつ増加させるようにシフトする。このときの、ヤゲン高さvhは、距離d192が設定されることにより、前面ヤゲン加工斜面163Fの角度163αf(図15(a)上のψ2)により求められる。
そして、レンズ前面のヤゲン加工に際しては、レンズ後面のときと同じ砥石半径Rtの位置にレンズ前面とヤゲン斜面の交点が来るものとする。高カーブレンズのレンズ前面にヤゲン斜面を形成する場合は、レンズ前面のヤゲン肩があると見栄えの点で好ましくないので、ヤゲン肩を形成しないようにする。したがって、前面ヤゲン加工データの算出にあたっては、数3の式を、
に置き換え、また、数4の式を、
に置き換えることにより、レンズ後面のときと同様な方法で前面ヤゲン加工データ(LV i,Zmax i,ξi)(i=1,2,3,……,N)を得ることができる。
制御部50は、前面ヤゲン加工データのレンズ回転角ξi毎に、キャリッジ101のY軸移動をデータLV iに基づいて制御すると共に、キャリッジ101のX軸移動をデータZmax iに基づいて制御する。これにより、レンズ前面にヤゲン斜面VSfが形成され、高カーブヤゲンであっても干渉によるヤゲン痩せの問題を低減できる。
以上、レンズLEのコバ厚に基づくヤゲンの設定について説明したが、上記に限定されるものではない。前面側ヤゲン形成の有無は、最厚部が3mmを基準に分けるが、3mmに限定されるものではない。さらに、前面側ヤゲン形成の有無は操作者により選択可能な構成であってもよい。この場合、図8に示したディスプレイ5に表示されるシミュレーション画面にて、ヤゲン頂点位置をボタンキー512により変更できるようにしても良い。
また、上記で説明した後面のヤゲン高さvhの設定については、眼鏡フレームの種類に応じて設定されるようにすると都合が良い。レンズ周縁加工に際して、図4の説明で前述の通り、操作者はディスプレイ5の画面500に玉型FTが表示されている状態で、眼鏡フレームの種類を選択する。眼鏡フレームの材質としてメタルが選択された場合、ヤゲン高さvhが2mmとなるように設定され、眼鏡フレームの材質としてセルが選択された場合、ヤゲン高さvhが3.5mmとなるように制御部50により設定される。またさらに、図8に示すように、ディスプレイ5に表示される541bを操作することにより、後面側ヤゲンの高さを変更することができる。
このように、眼鏡フレームの材質の入力に応じてレンズ後面のヤゲン高さを変えて加工することにより、レンズLEが眼鏡フレームに枠入れされたときの見栄えをよくすることができる。
さらに、高カーブヤゲン仕上げ用砥石163は、前面ヤゲン加工斜面163Fと後面ヤゲン加工斜面163Rsが隣接した構成であるが、これに限るものではない。図17に示すように、砥石群168の両端の一方に前面ヤゲン加工斜面163Fを配置し、他方の端に後面ヤゲン加工斜面163Rs及び後面ヤゲン肩加工斜面163Rkを配置する構成としてもよい。図3の砥石の配列では、前面ヤゲン加工斜面163Fと後面ヤゲン加工斜面163Rsとの境界部分近傍は、実際の加工に用いることができない。しかしながら、図17のような構成とすることで、前面ヤゲン加工斜面163F及び後面ヤゲン加工斜面163Rsの全体にわたって加工に用いることができる。
眼鏡レンズ加工装置の加工部を説明する図である。 測定部を説明する図である。 砥石群の構成を説明する図である。 制御系を説明する図である。 レンズのコバ位置の測定を説明する図である。 レンズのコバ位置の測定を説明する第2の図である。 レンズ回転速度制御を説明する図である。 ヤゲン形状のシミュレーション画面を説明する図である。 レンズと砥石群の位置関係を説明する図である。 レンズと砥石群の位置関係を説明する第2の図である。 レンズ加工前の外形寸法の取得を説明する図である。 レンズ加工前の外形寸法の取得を説明する第2の図である。 レンズ加工前の外形寸法の取得を説明する第3の図である。 高カーブレンズのヤゲン形成を説明する図である。 ヤゲン加工データの求め方を説明する図である。 前面側のヤゲンを説明する図である。 砥石群の他の構成を説明する図である。
符号の説明
1 加工装置本体
50 制御部
51 メモリ
100 キャリッジ部
102L、102R レンズチャック軸
163 高カーブヤゲン仕上げ用砥石
166 プラスチック用粗砥石
168 砥石群
306F、306R 測定子

Claims (2)

  1. 眼鏡レンズを保持するレンズチャック軸を回転する回転手段と、レンズチャック軸に保持されたレンズの屈折面に測定子を当接させながらレンズチャック軸を回転し、レンズチャック軸に対する測定子の位置を玉型データに基づいて変化させ、前記測定子のレンズチャック軸方向の移動を検知するコバ位置測定手段と、を備える眼鏡レンズ加工装置において、
    前記コバ位置測定手段による測定時に、レンズの回転角に対する玉型の動径長の変化又は前記測定子のレンズチャック軸方向の変化に基づいて前記回転手段の回転速度を変える速度可変手段であって、レンズの回転角に対する玉型の動径長の変化又は前記測定子のレンズチャック軸方向の変化が大きい部分に対して変化が少ない部分の測定時には前記回転手段の回転速度を速める速度可変手段と、を備えることを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  2. 請求項1の眼鏡レンズ加工装置において、前記速度可変手段は、レンズの回転角に対する玉型の動径長の変化又は前記測定子のレンズチャック軸方向の変化の変化率を求め、求めた変化率に基づいて前記回転手段の回転速度を変化させることを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
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