JP5301785B2 - 燃料電池スタック - Google Patents

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Description

本発明は、複数の単セルが積層された燃料電池スタックに関し、特に燃料電池スタックを安定的に動作させる技術に関する。
近年、エネルギー変換効率が高く、かつ、発電反応により有害物質を発生しない燃料電池が注目を浴びている。こうした燃料電池の一つとして、100℃以下の低温で作動する固体高分子形燃料電池が知られている。また、所望の起電力を得るため、燃料電池を構成する単セルが直列方向に複数積層された固体高分子形燃料電池スタックも知られている。
固体高分子形燃料電池スタックが備える単セルは、固体高分子膜の一方の面にアノード、他方の面にカソードが接合された膜電極接合体(以下、「MEA」と表記する)を、MEAのアノードに対向して燃料流路を設けたアノード側セパレータと、MEAのカソードに対向して酸化剤流路を設けたカソード側セパレータとで挟んで構成されている。固体高分子形燃料電池スタックは、これら単セルと単セル間に介在する冷却プレートとを複数積層することにより形成された積層体と、この積層体を締め付けるように積層体の両端に設けられた端板とを備える。
このような固体高分子形燃料電池スタックにおいて、スタックの両端部に位置する単セルは、片側が集電板に接触した状態で保持されているため、両側に単セルが積層されスタックの内側に位置する単セルと比べて、集電板と接触している側から熱伝導により放熱される割合が大きくなる。このため、スタックの両端部に位置する単セルの温度は他の部分に位置する単セルの温度より低くなる傾向がある。
セルの温度が低下すると、アノード側セパレータ又はカソード側セパレータの流路を流れる反応ガス中の水蒸気が流路内で凝縮する。水蒸気が凝縮してできた凝縮水は、反応ガスの流れを阻害し、電池性能の低下を引き起こす。そのため、スタックの両端部に位置する単セルは、スタックの他の部分に位置する単セルと比較して温度が低下しやすく凝縮水が発生しやすいので電池性能の低下を招きやすい。
そこで、スタックの端部に位置する単セルにおいて凝縮水が滞留しにくいような技術が求められている。この種の技術として、特許文献1では、スタックの端部に位置する単セルのカソード側ガス流路の圧力損失を、スタックの他の部分に位置する単セルのカソード側ガス流路の圧力損失よりも小さくした固体高分子形燃料電池スタックが開示されている。また、特許文献2には、燃料ガスや酸化ガスの供給口から遠い末端近傍に、通常の単セルに比べて圧力損失の小さな単セルを積層した燃料電池スタックが開示されている。
特開2001−357869号公報 特開2004−179061号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の燃料電池スタックは、圧力損失を場所によって変えるために、ガス流路における溝深さやリブの断面積などの形状が異なる複数種類のセパレータを必要とするため、製造コストの上昇を招く。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡易な構成で燃料電池スタックの端部における圧力損失を抑制し、燃料電池スタックを安定的に動作させる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の燃料電池スタックは、固体高分子電解質膜の一方の面にカソードと、他方の面にアノードを接合したセルユニットと、このセルユニットの両面に配され、酸化剤ガス又は燃料ガスを流通するためのガス流路を有するセパレータとを備える単セルが、複数積層された燃料電池スタックであって、複数の前記単セルのうち、燃料電池スタックの端部領域に位置する端部単セルのセパレータのガス流路の表面の平均粗さが、前記端部単セルより内側の領域に位置する内側単セルのセパレータのガス流路の表面の平均粗さよりも大きく、前記端部単セルのセパレータのガス流路の表
面の平均粗さRaが0.5〜2.0μmであり、前記内側単セルのセパレータのガス流路の表面の平均粗さRaが0.3〜1.5μmであることを特徴とする。
この態様によると、複数の単セルが積層された燃料電池スタックにおいて、端部の単セルは、水が滞留しにくくなるようにセパレータのガス流路の表面が処理されている。そのため、温度低下が比較的大きく凝縮水が発生しやすい端部の単セルにおける圧力損失を抑制することができる。その結果、燃料電池スタックが備える複数の単セルそれぞれへのガスの供給が均一化され、各単セルでの出力の差が低減される。ここで、水が滞留しにくい表面状態とは、凝縮した水にかかるガスの流れや重力などの力に抗して水がそこに滞留しようとする力、例えばガス流路の表面と水との付着力、が小さい状態ととらえることができる。また、水が滞留しにくい表面状態であるか否かは、端部単セルと内側単セルのそれぞれにおいてガス流路表面と水との親和性が異なっていることが原因ととらえることもできる。なお、水が滞留しにくい状態に処理されている端部単セルは、必ずしも一つに限るものではなく、温度低下の影響が生じる複数の単セルであってもよい。端部単セルのセパレータのガス流路の表面の平均粗さは、内側単セルのセパレータのガス流路の表面の平均粗さよりも大きい。これにより、端部単セルで凝縮水が発生しても、ガスの流れや重力などの力により凝縮水が排出されやすくなるので、端部単セルにおける圧力損失を抑制することができる。端部単セルのセパレータのガス流路の表面の平均粗さRaが0.5〜2.0μmであり、内側単セルのセパレータのガス流路の表面の平均粗さRaが0.3〜1.5μmであることが好ましい。
本発明によれば、簡易な構成で燃料電池スタックの端部における圧力損失を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、以下に述べる構成は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
(セルの概略構造)
図1は、本実施の形態に係る燃料電池スタックに用いられる単セルの構造を説明するための分解斜視図である。
本実施の形態に係る燃料電池スタックは、固体高分子電解質膜を電解質層として用い、固体高分子電解質膜の一方の面にアノードと、他方の面にカソードを設け、水素を含む燃料ガス(水素リッチガス)及び酸素を含む酸化剤ガス(空気)を供給して電気化学反応に
より起電力を得るものである。
この固体高分子型燃料電池の基本となる単セル10のセル構造は、図1に示すように固体高分子電解質膜12の一方の面にアノード14と、他方の面にカソード16とを接合してセルユニット18が構成され、このセルユニット18の両側にセパレータ20,22をそれぞれ配して単セル10が構成される。
前記固体高分子電解質膜12は、例えばスルホン酸基を有するポリスチレン系陽イオン交換膜をカチオン導電性膜としたもの、フロロカーボンスルホン酸とポリビニリデンフロライドの混合膜、フロロカーボンマトリックスにトリフロロエチレンをグラフト化したもの、及びパーフロロカーボンスルホン酸膜(デュポン社製Nafion(登録商標)膜)等が知られている。これら固体高分子電解質膜12は、分子中にプロトン交換基を有しており、含水量を飽和させると比抵抗が常温で20Ωcm以下となり、プロトン導電性電解質として機能する。
アノード14は、アノード触媒層14aとガス拡散層14bとこれらの間に介在する混合物層14cとから構成される。カソード16は、カソード触媒層16aとガス拡散層16bとこれらの間に介在する混合物層16cとから構成される。固体高分子電解質膜12の一方の面にアノード14と、他方の面にカソード16が配置され、ホットプレスされることにより電極/高分子膜接合体であるセルユニット18が形成される。
具体的には、(1)ガス拡散層14b,16bとして用いるカーボンペーパー(東レ社製:TGP−H060)を所定寸法にカットする。
(2)このカーボンペーパーを、水と混合して比重調整を行ったFEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)ディスパージョンに浸漬し、その後、乾燥し、380℃、1時間熱処理してガス拡散層14b,16bを作製する。
(3)比表面積200〜300m/gのカーボンブラック粉末10gと60重量%PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)ディスパージョン16.7gを、数ccの界面活性剤を添加したテルピネオールを分散剤として混合し、ペーストを作成する。
(4)上記(2)で作製したガス拡散層14b,16bの表面に上記(3)で作製したペーストを塗布する。
(5)ペーストを塗布したガス拡散層14b,16bを乾燥後、360℃で1時間熱処理して混合物層14c,16cを設けたカーボンペーパー(ガス拡散層14b,16b)を作製する。
(6)上記(5)で熱処理を終了したカーボンペーパー(ガス拡散層16b)の混合物層16cの上に白金担持カーボン(担体カーボンの比表面積200〜300m/g)と固体高分子からなる触媒層16aを形成してカソード16を完成させる。
(7)固体高分子電解質膜12(デュポン社製:Nafion112(登録商標))の一方の面に同様の方法で作製したアノード14と、他方の面に上記(6)で得たカソード16を配置し、ホットプレスすることによりセルユニット18を得る。
単セル10のセパレータ20,22は、内面側にガス流路20a,22aが、外面側に冷却水流路22b、22bがそれぞれ設けられている。アノード14側のセパレータ20のガス流路20aには水素を含む燃料ガス(水素リッチガス)が、カソード16側のセパレータ22のガス流路22aには酸素を含む酸化剤ガス(空気)がそれぞれ供給される。
このようにガスが供給されると、アノード14では、下記の式(1)に示すように、水素分子を水素イオンと電子に分解するアノード反応が、カソード16では、下記の式(2)に示すように、酸素と水素イオンと電子とから水を生成する電気化学反応がそれぞれ行われる。そして、アノード14からカソード16に向かって外部回路を移動する電子により起電力が生じるとともに、カソード16側に水が生成される(式(3))。すなわち、次のような電気化学反応が行われる。
Figure 0005301785
Figure 0005301785
Figure 0005301785
固体高分子電解質膜12は、上記のように含水状態に保持することによって導電性を適正に発揮するため、加湿して一定の水分を含ませた燃料ガス及び/又は酸化剤ガスが供給され、この加湿水分によって湿潤されている。また、固体高分子電解質膜12の比抵抗を小さくして発電効率を高く維持するために、燃料電池スタックは、通常50〜100℃で運転される。しかし、燃料電池スタックが備える単セル10は、前述の電気化学反応に伴う発熱により温度が高温にならないように、セパレータ20,22の冷却水流路20b,22bに冷却水が供給され、前述の所定の運転温度に保持されている。
図2は、本実施の形態に係る燃料電池スタックの概略構成を示す側面図である。単セル10の起電力は少量であるため、本実施の形態に係る燃料電池スタック100は、図2に示すように複数の単セル10が直列方向に積層されている。燃料電池スタック100は、積層された単セル10の両側に集電板24,26が配置されているとともに、集電板24,26の外側に電気絶縁板28,30が配置され、更に電気絶縁板28,30の外側に締付板32,34が配置されている。そして、燃料電池スタック100は、締付板32,34がボルト36とナット38で締め付けられることで、積層された単セル10が固定される。なお、皿ばね40は、燃料電池スタック100に適度の締め付け力を付与している。
上記構成の固体高分子形の燃料電池スタック100において、燃料電池スタック100の両端部に位置する端部単セル10Aは、片側端面を集電板24,26に接触させた状態で保持されているため、燃料電池スタックの内側領域にある内側単セル10Bのように、両側に単セルを配して積層された単セルと比べて、側面より熱伝導により放熱される割合が大きくなる。このため、燃料電池スタック100の両端部に位置する端部単セル10Aの温度は、他の部分に位置する内側単セル10Bの温度より低くなる傾向がある。
このように燃料電池スタック100の両端部に位置する端部単セル10Aの温度が低くなると、端部単セル10Aのカソード16では、電極反応生成水及びアノード14からの移動水の蒸気圧が低下し、カソード触媒層16a又はガス拡散層16bに凝縮水が発生しやすい状況となる。このような凝縮水がガス流路に滞留すると、供給されるガスの流れの妨げとなり、電池性能の低下を招く場合がある。
そこで、本実施の形態に係る燃料電池スタック100では、複数の単セルのうち、スタックの両端部に位置する端部単セル10Aのセパレータのガス流路の表面が、内側単セル10Bのセパレータのガス流路の表面よりも水が滞留しにくい表面状態に処理されている。そのため、例えばガスの流れにより端部単セル10Aにおける水は排出されやすくなり、滞留による圧力損失を抑制することができる。その結果、燃料電池スタック100が備える複数の単セルそれぞれへのガスの供給が均一化され、各単セルでの出力の差が低減されるため、電池性能が安定化される。
以下に、端部単セル10Aのセパレータのガス流路の表面が、内側単セル10Bのセパレータのガス流路の表面よりも水が滞留しにくい表面状態に処理する具体的な方法として、端部単セル10Aのセパレータのガス流路の表面を、内側単セル10Bのセパレータのガス流路の表面の平均粗さよりも大きな平均粗さとなるように処理する場合について説明する。
(実施例)
所定の粒度を有する砥粒を用いて、所定のノズル圧の条件下、サンドブラストにより、セパレータ20,22のガス流路20a,22aに表面処理を施した。そして、これらの条件を調整することで表面粗さが異なるセパレータを製造することができる。本実施例においては、端部単セル10Aに用いるセパレータは、ガス流路表面の算術平均粗さRaが1.5μmのものが選択され、内側単セル10Bに用いるセパレータは、ガス流路表面の算術平均粗さRaが1.3μmのものが選択されている。なお、算術平均粗さは、JIS B 0601−1994の規格に準じて測定されたものである。
本実施の形態に係る燃料電池スタック100は、単セルを50個積層した燃料電池スタックであり、本実施例では、表1に示すように、両端3セル分の端部単セル10Aのセパレータのガス流路の表面の平均粗さ1.5μmは、中央部44セル分の内側単セル10Bのセパレータのガス流路の表面の平均粗さ1.3μmよりも大きくなっている。このような実施例と比較するために、表1に示すように、全部の単セルのセパレータのガス流路の表面の平均粗さRaが1.3μmとなっている燃料電池スタックを比較例として作製した。なお、端部単セル10Aとして表面状態を異ならせる単セルの数は、本実施例のように温度低下による電圧低下の影響がある複数の単セルであってもよいし、一つの単セルであってもよい。また、必ずしも両端部の単セルを表面処理するのではなく、比較的水が滞留しやすい方の片側端部の単セルのみを表面処理してもよい。
また、必ずしもセルの全てのガス流路を表面処理するのではなく、セルの一部分のガス流路を表面処理してもよい。また、両端部の複数の単セルを表面処理する場合、複数の単セル全てを同じ表面処理で行ってもよいが、複数の単セルの一部の単セルの表面処理をその他の単セルの表面処理と異ならせてもよい。例えば、最も外側に位置する端部単セルから内側の端部単セルになるにつれ、ガス流路の表面の平均粗さが徐々に小さくなるように段階的に表面処理を異ならせてもよい。
Figure 0005301785
次に、実施例に係る50セルスタックである燃料電池スタック100と、比較例に係る50セルスタックである燃料電池スタックとのセル電圧分布試験を行った。図3は、燃料利用率90%での実施例と比較例との性能比較結果を示したグラフである。図4は、空気利用率90%での実施例と比較例との性能比較結果を示したグラフである。なお、図3に示す試験では、空気利用率は55%であり、図4に示す試験では、燃料利用率は75%であり、いずれの試験でも電圧が安定する条件にしている。
図3、図4に示すとおり、実施例に係る燃料電池スタック100は、全体として各単セルがほとんど同じ電圧となり、安定した電池性能を発揮していることがわかる。これに対して比較例では、端部単セル10Aであるセル番号1〜3のセル電圧及びセル番号48〜50が、その他の内側単セル10Bであるセル番号4〜47のセル電圧と比べて低下していた。
このことから、実施例では、両端部に位置する端部単セル10Aの表面粗さを内側単セル10Bの表面粗さより大きくしたことで、端部単セル10Aで温度低下による凝縮水が発生しても、ガスの流れや重力などの力により凝縮水が排出されやすくなるので、水の滞留が生じにくくなっている。その結果、燃料電池スタック端部での圧力損失の上昇による電池性能の低下が顕著に改善されていることがわかる。
より具体的には、サンドブラストにより処理された端部単セル10Aおよび内側単セル10Bの表面粗さは、それぞれ表2に示す範囲で、かつ、端部単セル10Aの表面粗さが内側単セル10Bの表面粗さより大きくなる範囲で適宜選択するとよい。
Figure 0005301785
また、端部単セル10Aのセパレータのガス流路の表面が、内側単セル10Bのセパレータのガス流路の表面よりも水が滞留しにくい状態に処理する他の方法として、端部単セル10Aのセパレータのガス流路の表面を、内側単セル10Bのセパレータのガス流路の表面よりも撥水性が高くなるように撥水化処理してもよい。撥水性が高いとは、例えばセパレータと水との接触角が大きいことをいう。
例えば、含フッ素重合体によって、端部単セル10Aのセパレータのガス流路の表面を被覆してもよい。使用される含フッ素重合体は、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)等の溶媒に不溶のものが好適である。
より具体的には、端部単セル10Aおよび内側単セル10Bは、それぞれの表面の接触角が、表3に示す範囲で、かつ、端部単セル10Aの接触角が内側単セル10Bの接触角より大きくなるように撥水化処理されているとよい。なお、接触角は、常温、常圧下で水を用いて測定した。
Figure 0005301785
これにより、凝縮した水にかかるガスの流れや重力などの力に抗して水がそこに滞留しようとする力、例えばガス流路の表面と水との付着力を小さくすることができる。そのため、ガス流路で凝縮水が発生しても、少ないガスの流れで、凝縮水を排出することができる。その結果、燃料電池スタック端部での圧力損失の上昇による電池性能の低下を抑制することができる。
また、端部単セル10Aのセパレータのガス流路の表面を、内側単セル10Bのセパレータのガス流路の表面よりも親水性が高くなるように親水化処理されていてもよい。例えば、常圧プラズマ表面処理装置により、酸素ガスや窒素ガスを所定の流量で供給しながら、所定の電極移動速度にて表面処理を施すことで、親水化処理を行ってもよい。ここで、親水性が高いとは、例えばセパレータと水との接触角が小さいことをいう。
より具体的には、端部単セル10Aおよび内側単セル10Bは、それぞれの表面の接触角が、表4に示す範囲で、かつ、端部単セル10Aの接触角が内側単セル10Bの接触角より小さくなるように親水化処理されているとよい。なお、接触角は、常温、常圧下で水を用いて測定した。
Figure 0005301785
これにより、端部単セルのガス流路で凝縮水が発生しても、ガス流路の表面に薄く広がるので、ガスの流動抵抗が少なくなり、圧力損失が低減される。その結果、燃料電池スタック端部での圧力損失の上昇による電池性能の低下を抑制することができる。
また、端部単セル10Aのセパレータのガス流路の形状と、内側単セル10Bのセパレータのガス流路の形状とが実質的に同じであるとよい。これにより、例えば、セパレータを金型で作成する場合、端部単セル10A及び内側単セル10Bのいずれのセパレータであっても同じ金型で製造することができるので、燃料電池スタック100の製造コストを低減することができる。
また、前述のようにセパレータの表面状態を、端部単セル10Aと内側単セル10Bとで異ならせることで、燃料電池スタック100を作製する際に、端部単セル10Aと内側単セル10Bとを間違って組み付けることを防止することができる。
以上、本発明を上述の実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、各実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて各実施の形態における燃料電池スタックの製造方法の順番を適宜組み替えることや、単セルやセルユニットにおいて各種の設計変更等の変形を実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
本実施の形態に係る燃料電池スタックに用いられる単セルの構造を説明するための分解斜視図である。 本実施の形態に係る燃料電池スタックの概略構成を示す側面図である。 燃料利用率90%での実施例と比較例との性能比較結果を示したグラフである。 空気利用率90%での実施例と比較例との性能比較結果を示したグラフである。
符号の説明
10 単セル、 10A 端部単セル、 10B 内側単セル、 12 固体高分子電解質膜、 14 アノード、 16 カソード、 18 セルユニット、 20 セパレータ、 20a ガス流路、 20b 冷却水流路、 22 セパレータ、 22a ガス流路、 22b 冷却水流路、 24 集電板、 28 電気絶縁板、 100 燃料電池スタック。

Claims (2)

  1. 固体高分子電解質膜の一方の面にカソード、他方の面にアノードを接合したセルユニットと、
    このセルユニットの両面に配され、
    酸化剤ガス又は燃料ガスを流通するためのガス流路を有するセパレータとを備える単セルが、
    複数積層された燃料電池スタックであって、
    複数の前記単セルのうち、
    燃料電池スタックの端部領域に位置する端部単セルのセパレータのガス流路の表面の平均粗さが、前記端部単セルより内側の領域に位置する内側単セルのセパレータのガス流路の表面の平均粗さよりも大きく、前記端部単セルのセパレータのガス流路の表面の平均粗さRaが0.5〜2.0μmであり、前記内側単セルのセパレータのガス流路の表面の平均粗さRaが0.3〜1.5μmであることを特徴とする燃料電池スタック。
  2. 前記端部単セルのセパレータのガス流路の表面及び前記内側単セルのセパレータのガス流路の表面は、サンドブラストにより処理されていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池スタック。
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