JP2006019116A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガス流路の水詰まりを抑制することのできる燃料電池の提供する。
【解決手段】 固体高分子電解質膜と、固体高分子電解質膜の両主面に配置されたアノード電極と、カソード電極と、アノード電極と、カソード電極それぞれの外側に配置されたアノードガス拡散層と、カソードガス拡散層とを備える。また、アノードガス拡散層と、カソードガス拡散層それぞれの外周に配置されたガスシール材と、アノードガス拡散層、カソードガス拡散層それぞれの外側に配置され、流路軸方向に角部22を有する溝状の反応ガス流路17cを設けたセパレータ15cとを備える。セパレータ15cの反応ガス流路17cの角部22近傍に排水を促進させる排水促進部110を設ける。
【選択図】 図3
【解決手段】 固体高分子電解質膜と、固体高分子電解質膜の両主面に配置されたアノード電極と、カソード電極と、アノード電極と、カソード電極それぞれの外側に配置されたアノードガス拡散層と、カソードガス拡散層とを備える。また、アノードガス拡散層と、カソードガス拡散層それぞれの外周に配置されたガスシール材と、アノードガス拡散層、カソードガス拡散層それぞれの外側に配置され、流路軸方向に角部22を有する溝状の反応ガス流路17cを設けたセパレータ15cとを備える。セパレータ15cの反応ガス流路17cの角部22近傍に排水を促進させる排水促進部110を設ける。
【選択図】 図3
Description
本発明は、燃料電池に関する。特に固体高分子型燃料電池におけるセパレータのガス流路形状に関する。
従来の燃料電池スタックとして、以下のようなものが知られている。
電解質膜をアノード電極及びカソード電極で挟んでなる複数個の燃料電池セルがセパレータを介して水平方向に積層されてなる積層体と、積層体の水平方向両側に配置された固定部材とからなる。積層体及び固定部材には積層方向に貫通する複数の孔部が設けられている。孔部の各々に積層体を積層方向に締め付ける絶縁材被覆ロッドが貫通しており、絶縁材被覆ロッドの絶縁材表面は積層体の孔部の内面に実質的に接している。
セパレータの両端縁部には、酸化剤ガス(酸素ガスまたは空気)を通過させるための酸化剤ガス入口と、燃料ガス(水素ガス)を通過させるための燃料ガス入口と、酸化剤ガス出口と燃料ガス出口とが設けられている。セパレータの一方の表面には、酸化剤ガス入口と酸化剤ガス出口の間を水平方向に蛇行するように設けた酸化剤ガス溝を設け、もう一方の面には、燃料ガス入口と燃料ガス出口の間を水平方向に蛇行するように設けた燃料ガス溝を設けている。(例えば、特許文献1、参照。)。
特開2002-56882号公報
このような燃料電池スタックにおいて、安定した発電性能を得るために、電極の反応面に沿ってガスを均等に供給する必要があり、また、電力を取り出すために、電極との接触面積を維持する必要がある。そのためセパレータ表面にはガス流路が細かな溝により構成されている。
しかしながら、ガス流路が蛇行形状(サーペンタイン形状)の場合、直線部に比較して角部では、流路の曲がり損失などの影響で流速が低下しやすい。すると、発電反応で生じた水や、予め加湿されてから導入された反応ガス中の水が、角部に滞留してガス流路を閉塞し、燃料電池の発電効率や耐久性が低下するという問題があった。
そこで本発明は、ガス流路の水詰まりを抑制することのできる燃料電池の提供を目的とする。
本発明は、固体高分子電解質膜と、前記固体高分子電解質膜の両主面に配置されたアノード電極と、カソード電極と、前記アノード電極と、前記カソード電極それぞれの外側に配置されたアノードガス拡散層と、カソードガス拡散層とを備える。また、前記アノードガス拡散層と、前記カソードガス拡散層それぞれの外周に配置されたガスシール材と、前記アノードガス拡散層と、前記カソードガス拡散層それぞれの外側に配置され、流路軸方向に角部を有する溝状の反応ガス流路を設けたセパレータとを備える。そして、前記セパレータのうち少なくとも一方の、前記反応ガス流路の前記角部近傍に排水を促進させる排水促進部を設ける。
セパレータのガス流路の角部近傍に排水促進部を設ける。このように、比較的水の滞留が生じやすい角部において、水の排水性を向上させることで、反応ガス流路全体の水詰まりを抑制することができる。
第1の実施形態について説明する。本実施形態は固体高分子型燃料電池に関するものであり、例えば燃料電池自動車に搭載する。ただし、自動車以外に用いてもよい。
図1に燃料電池1の概略構成を示す。ここでは、起電力を生じる単位電池としてのセル10を、複数積層することにより燃料電池1を構成するが、一つのセル10により燃料電池1を構成してもよい。
セル10の積層方向両端に、それぞれ集電板2、絶縁板3およびエンドプレート4を配置する。積層したセル10、集電板2、絶縁板3およびエンドプレート4は、燃料電池1の内部に貫通した貫通孔に、図示していないタイロッドを挿通して、タイロッドの端部にナット5を螺合することによって締結する。締結方法は、燃料電池1の内部にタイロッドを貫通する方法に限られず、燃料電池1外部において、エンドプレート4の四隅を4本のタイロッドで縦貫してもよい。
集電板2を、ガス不透過な導電性部材、例えば、緻密質カーボンや銅板などにより構成する。集電板2にはそれぞれ、燃料電池1で生じた起電力の取り出し部となる出力端子2Aを設ける。絶縁板3を、絶縁性部材、例えば、ゴムや樹脂などにより構成する。タイロッドを、剛性を備えた材料、例えば、鋼などの金属材料により構成する。タイロッドの表面は絶縁処理を行っており、セル10同士の電気的短絡を防止する。
図2は、燃料電池1を構成する固体高分子型燃料電池セル10の構造を示す斜視図である。
セル10は、電解質膜11とガス拡散層13a、13cからなる膜-電極接合体14を備える。
電解質膜11としては、固体高分子材料、例えばフッ素系樹脂よりなるプロトン伝導性のイオン交換膜を用いる。電解質膜11の表面には、触媒、例えば、白金や白金と他の金属からなる合金を塗布することにより、アノード電極12aおよびカソード電極12cを構成する。この電解質膜11は、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す。
電解質膜11の両側には、それぞれアノードガス拡散層13aとカソードガス拡散層13cを配置する。ガス拡散層13a、13cを、十分なガス拡散性および導電性を有する部材、例えば、炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロス、カーボンペーパーまたはカーボンフエルトなどから構成する。ガス拡散層13a、13cは、触媒面へのガス拡散機能を有する。
アノードガス拡散層13aの外側にはセパレータ15aを配置し、カソードガス拡散層13cの外側にはセパレータ15cを配置する。セパレータ15a、15cを、十分な導電性、強度および耐食性を有する材料、例えば、カーボン材料をプレスすることにより形成する。セパレータ15a、15cは、十分な耐食性が実現可能であれば、金属などの他の材料を用いてもよい。
セパレータ15aの表面には、アノードガス拡散層13aに燃料ガス(水素含有ガス)を供給するためのガス流路17aを設ける。また、セパレータ15cの表面には、カソードガス拡散層13cに酸化剤ガス(酸素含有ガスまたは空気)を供給するためのガス流路17cを設ける。さらに、セパレータ15aおよび15cのもう一方の表面には、それぞれ必要に応じて冷却媒体流路18a、18cを設ける。
また、ガス流路17aの上流端を、燃料電池1を積層方向に貫通する孔により構成された、所定幅の入口マニフォールド19aに連通する。一方、下流端を、入口マニフォールド19aと対角をなす位置に、燃料電池1を積層方向に貫通する孔により構成された、所定幅の出口マニフォールド20aに連通する。ガス流路17cの上流端を、燃料電池1を積層方向に貫通する孔により構成された、所定幅の入口マニフォールド19cに連通する。一方、下流端を、入口マニフォールド19cと対角をなす位置に、燃料電池1を積層方向に貫通する孔により構成された、所定幅の出口マニフォールド20cに連通する。
さらに、ガス拡散層13a、13cの外周に沿って、ガスケット材16a、16cを備える。ガスケット材16a、16cとしては、ゴム状弾性材料、例えば、シリコーンゴム、EPDMまたはフッ素ゴムなどを用いる。このガスケット材16a、16cは、前記各部品を積層した際に、電解質膜11とセパレータ15a、15cの隙間を保持する役割と、膜-電極接合体14とセパレータ15a、15cの間のガスをシールする役割を担う。
次に、セパレータ15cに設けたガス流路17cの構成について、図3を用いて説明する。
ガス流路17cを、複数の角部22を有するサーペンタイン形状とする。ただし、ガス流路17cは、少なくとも一つの角部22を有していればよく、図3に示す形状に限られない。
ここで、角部22を、ガス流路17c内のガスの流れ方向が変化する部位とする。また、角部22およびその近傍に、後述するように排水促進部110を設け、その他の領域を直線部21とする。
つまり、ガス流路17cを、直線部21および角部22を含む排水促進部110とを繰り返しながら、セパレータ15c全体を覆うように構成する。このとき、直線部21は、角部22から見て二方向に延在するように構成する。また、ガス流路17cを、入口マニフォールド19cと出口マニフォールド20cとの間を連通するように構成する。さらに、ガス流路17cを溝幅の小さな多数の並行した流路溝より構成する。
このように、ガス流路17cをセパレータ15c全面に対して均等に細かく構成することにより、入口マニフォールド19cから供給された酸化剤ガスを、カソード電極12cに均等に供給することができる。ただし、図3においては、便宜上、4本の流路溝によりガス流路17cを示す。
また、セパレータ15aについても同様に、ガス流路17aをセパレータ15a全面に対して均等に細かく構成することにより、入口マニフォールド19aから供給された燃料ガスを、アノード電極12aに均等に供給することができる。
次にこのような燃料電池1における運転時の反応ガスの流通状態について説明する。
入口マニフォールド19cから供給された酸化剤ガスは、ガス流路17cを流通する際に、その一部がガス拡散層13c内に拡散する。そして、電解質膜11を通ってアノード側から移動したプロトンおよび外部から移動してきた電子との発電反応により、水を生じる。生成された水は、反応ガスと共に出口マニフォールド20cに回収され、燃料電池1から外部に排出される。
入口マニフォールド19aから供給された燃料ガスは、ガス拡散層13aに拡散し、発電反応によりプロトンと電子を生じる。発電に用いられなかった余剰燃料ガスは、出口マニフォールド20aに回収され、燃料電池1から外部に排出される。
このように酸化剤ガス流路17cに酸化剤ガスを、燃料ガス流路17aに燃料ガスを供給することにより、発電反応を生じる。
しかしながら、サーペンタイン形状のガス流路17cを、図4に示すガス流路170のように構成した場合、角部220において滞留が生じる可能性がある。つまり、ガス流路170の角部220と直線部210を同じ幅および同じ深さの溝で構成し、角部220およびその近傍のいずれの断面をとっても、直線部210の断面と同じ状態、同じ面積に構成する。このような場合には、角部220近傍において、曲がりによる流体の圧力損失が生じ、流速が低下する。そのため、反応ガスが、直線部210を上流から下流方向に向かって流れ、角部220を通過する際に、カソードで発電反応により生じた生成水や、電解質膜の湿潤を保つための加湿水が角部220で凝縮し、流路を閉塞しやすくなる。
そこで、本実施形態では、図5に示すように構成することで、角部22における水の滞留を抑制する。
図5は、本実施形態を実現するためのガス流路17cの角部22の拡大図(a)およびガス流路断面図(b)、(c)を示したものである。
(b)は、拡大図(a)における直線部21のA−A断面の拡大図である。(c)は、拡大図(a)における角部22のB−B断面の拡大図である。
角部22およびその近傍では、反応ガスの流速が低下するため、凝縮水が滞留して水詰まりが生じ易い。そこで、角部22の近傍に、流路内の排水を促進する排水促進部110を設ける。ここでは、排水促進部110において反応ガス流路17cを構成する溝断面を、他の領域である直線部21に比較して小さくすることで、排水促進部110における排水性能を向上させる。
図5(c)に示す排水促進部110の溝断面(B−B断面)を、図5(b)に示す直線部21の溝断面(A−A断面)に比較して、深さが同じで溝幅が小さくなるように構成する。つまり、角部22近傍の排水促進部110を、溝断面積が、直線部21の溝断面積より、溝幅の差の分だけ小さくなるように構成する。この結果、反応ガスが排水促進部110を通過する際に、溝断面積に反比例して流速が上昇し、排水促進部110における排水が促進される。
なお、排水促進部110は、直線部21から角部22にかけて連続的に溝幅を変化させる構成であることが好ましい。つまり、排水促進部110内で、角部22の溝幅が最も小さく、角部22から離れるに従って徐々に溝幅が増大するように構成するのが好ましい。また、溝幅を小さくする範囲Xは、直線部21の溝幅をLとした場合、5Lの範囲内とする。
次に、このような排水促進部110を、ガス流路17cの上流から下流に至るまでの複数の角部22に設ける場合について、図6を用いて説明する。
反応ガス中には、ガス流路17cの下流へ進むほど多くの水が含まれるため、ガス流路角部22における凝縮水の滞留は、下流へ進むほど生じやすい。そこで、上流から下流に至るまでの複数の角部22に、それぞれの溝幅を変化させた排水促進部110を設ける。
まず、入口マニフォールド19cを起点として、ガス流路17cの角部22を上流から角部22a、22b、22c、22dとする。角部22a〜22dには、それぞれ排水促進部110a〜110dを設ける。
そして、排水促進部110a、110b、110c、110dの順に、断面積が徐々に小さくなるように構成する。つまり、角部22a〜22dのガス流路幅をそれぞれWa〜Wdとし、これらをWa>Wb>Wc>Wdとなるように、ガス流路17cを構成する。ただし、Waは直線部21の溝幅よりも狭くなるように構成する。
このように、直線部21に比べて排水促進部110a〜110dのガス流路溝断面を小さくすることにより、反応ガスが角部22a〜22dを通過する際に流速が上昇し、排水促進部110a〜110dにおける凝縮水の滞留が抑制される。これに加えて、上流から下流にむけて排水促進部110a〜110dの断面積を徐々に小さくすることにより、滞留の生じやすい下流側の角部22における排水性を向上することができる。
なお、図6は、4つの角部22を設けるガス流路形状を示すが、少なくとも一つの角部22を設けるガス流路形状であれば、本実施形態を適用することができる。また、本実施形態は、複数の角部22を有するガス流路形状の、必ずしも全ての角部22に適用する必要はなく、例えば、下流部に設けられた角部22にのみに適用してもよい。
次に、本実施形態の効果について説明する。
固体高分子電解質膜11と、固体高分子電解質膜11の両主面に配置されたアノード電極12aと、カソード電極12cと、アノード電極12aと、カソード電極12cそれぞれの外側に配置されたアノードガス拡散層13aと、カソードガス拡散層13cとを備える。また、アノードガス拡散層13aと、カソードガス拡散層13cそれぞれの外周に配置されたガスシール材16a、16cと、アノードガス拡散層13aと、カソードガス拡散層13cそれぞれの外側に配置され、流路軸方向に角部22を有する溝状の反応ガス流路17a、17cを設けたセパレータ15a、15cとを備える。そして、セパレータ15a、15cのうち少なくとも一方の反応ガス流路17aまたは17cの角部22近傍に排水を促進させる排水促進部110を設ける。
このように、セパレータ15cのガス流路角部22に排水促進部110を設けることにより、水の滞留が生じ易い角部22の水詰まりを抑制することができる。その結果、反応ガス流路17c内での反応ガスの流通を維持し、燃料電池1の発電効率を維持することができる。
また、排水促進部110の溝断面積を、直線部21の溝断面積と比較して小さくし、また、この断面積を滑らかに変化させる。これにより、排水促進部110において、反応ガスの流速が増大されるため、凝縮水の滞留が抑制される。
ここでは、排水促進部110の断面の溝幅を、直線部21の断面の溝幅と比較して小さくする。これにより、排水促進部110の断面積を直線部21と比較して小さくすることができ、凝縮水の滞留が抑制される。そして、この場合、角部22が形成する円弧の半径を大きくとることが可能となり、緩やかなカーブを描くため、凝縮水の滞留がさらに抑制される。
加えて、下流側に設けられた排水促進部110の断面積を、上流側に設けられた排水促進部110の断面積より小さくする。ここでは、下流の排水促進部110の溝幅を上流の排水促進部110の溝幅と比べて小さくする。これにより、水詰まりの生じ易いガス流路17cの下流における凝縮水の排水性が向上し、その結果、ガス流路17c全体の凝縮水の滞留が抑制される。
次に、第2の実施形態について説明する。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図7は、第2の実施形態を実現するためのガス流路17cの角部22の拡大図(a)およびガス流路断面図(b)、(c)を示したものである。
(b)は、拡大図(a)における直線部21のA−A断面の拡大図である。(c)は、拡大図(a)における角部22のB−B断面の拡大図である。
排水促進部120において、反応ガス流路17cを構成する溝断面を、他の領域である直線部21に比較して小さくすることで、排水促進部120における排水性能を向上させる。ここでは、図7(c)に示す排水促進部角部120の溝断面(B−B断面)を、図7(b)に示す直線部21の溝断面(A−A断面)に比較して、溝幅が同じで深さが小さくなるように構成する。つまり、角部22近傍の排水促進部120を、溝断面積が、直線部21の溝断面積より、溝深さの差の分だけ小さくなるように構成する。この結果、反応ガスが排水促進部120を通過する際に、溝断面積に反比例して流速が上昇し、排水促進部120における排水が促進される。
なお、排水促進部120は、直線部21から角部22にかけて連続的に溝深さを変化させる構成であることが好ましい。つまり、排水促進部120内で、角部22が最も溝深さが小さく、角部22から離れるに従って徐々に増大するように構成するのが好ましい。また、溝深さを小さくする範囲Xは、直線部21の溝幅をLとした場合、5Lの範囲内とする。
次に、このような排水促進部120を、ガス流路17cの上流から下流に至るまでの複数の角部22に設ける場合について、図8を用いて説明する。
反応ガスは、ガス流路17cの下流へ進むほど多くの水が含まれるため、ガス流路角部22における凝縮水の滞留は、下流へ進むほど生じやすい。そこで、図8では、上流から下流に至るまでの複数の角部22に、それぞれの溝深さを変化させた排水促進部120を設ける。
まず、入口マニフォールド19cを起点として、ガス流路17cの角部22を上流から角部22a、22b、22c、22dとする。角部22a〜22dには、それぞれ排水促進部120a〜120dを設ける。
そして、排水促進部120a、120b、120c、120dの順に、断面積が徐々に小さくなるように構成する。つまり、角部22a〜22dのガス流路深さをそれぞれDa〜Ddとし、これらをDa>Db>Dc>Ddとなるように、ガス流路17cを構成する。ただし、Daは直線部21の溝深さよりも小さくなるように構成する。
このように、直線部21に比べて排水促進部120a〜120dのガス流路溝断面を小さくすることにより、反応ガスが角部22a〜22dを通過する際の流速が上昇し、排水促進部120a〜120dにおける凝縮水の滞留が抑制される。これに加えて、上流から下流にむけて排水促進部120a〜120dの断面積を徐々に小さくすることにより、滞留の生じやすい下流側の角部22における排水性を向上することができる。
なお、図8は、4つの角部22を設けるガス流路形状を示すが、少なくとも一つの角部22を設けるガス流路形状であれば、本実施形態を適用することができる。また、本実施形態は、複数の角部22を有するガス流路形状の、必ずしも全ての角部22に適用する必要はなく、例えば、ガス流路17cの下流部に設けた角部22にのみに適用してもよい。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第1の実施形態とは異なる効果について説明する。
排水促進部120の断面の溝深さを、直線部21の断面の溝深さと比較して浅くする。これにより、排水促進部120の断面積を直線部21と比較して小さくすることができ、凝縮水の滞留が抑制される。そして、この場合、溝幅を一定にし、溝の深さのみを変化させることにより、直線部21と排水促進部120の溝を加工する際に、工具を変更する必要がなく、セパレータ加工工程の簡略化、および、コストの低減を図ることができる。
加えて、下流の排水促進部120の断面の溝深さを上流の排水促進部120の断面の溝深さと比べて小さくする。これにより、比較的水詰まりの生じ易い下流における凝縮水の排水性を向上させ、ガス流路17c全体の反応ガスの滞留を抑制することができる。
次に、第3の実施形態について説明する。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図9は、第3の実施形態を実現するためのガス流路角部22の拡大図である。本実施形態では、ガス流路角部22近傍に設けた排水促進部130において、溝の表面粗さが、直線部21の表面粗さに比べて小さくなるように構成する。
つまり、排水促進部130の表面の摩擦係数は、直線部21の表面の摩擦係数よりも小さくなる。この結果、反応ガスが排水促進部130を通過する際に、流路に対する抵抗が減少し、反応ガスの流速が低下するのを抑制することができる。また、排水促進部130の表面粗さを小さくすることにより、流路壁面に水分子が付着するのを抑制し、凝縮水の排水が促進される。
なお、排水促進部130は、直線部21から角部22にかけて連続的に表面粗さを変化させる構成が好ましい。つまり、排水促進部130内で、角部22において表面粗さが最も小さく、角部22から離れるに従って徐々に大きくなるように構成するのが好ましい。また、表面粗さを小さくする範囲Xは、直線部21の溝幅をLとした場合、5Lの範囲内とする。
また、排水促進部130の表面加工は、粗さを小さくするものに限られず、排水促進部130の表面に撥水処理を施すこともできる。つまり、排水促進部130に撥水処理を施すことにより、排水促進部130の表面に水が付着しにくくなるため、排水促進部130の凝縮水の滞留を抑制することができる。
なお、ガス流路17cの表面の撥水処理は、直線部21から角部22にかけて滑らかに変化するように構成するのが好ましい。
また、排水促進部130の表面加工は、ガス流路17cの上流から下流までの複数の角部22において、下流に進むにしたがって粗さを小さくし、または、撥水性を強くすることもできる。
このように、上流から下流にむけてガス流路角部22の表面の粗さを徐々に小さく、または、撥水性を強くすることにより、滞留の生じやすい下流側の角部22における排水性を向上することができる。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第1の実施形態とは異なる効果について説明する。
排水促進部130の表面粗さを、直線部21の表面粗さと比較して小さくする。これにより、反応ガスが、排水促進部130において流速を上昇させるため、凝縮水の滞留が抑制される。また、排水促進部130における溝壁面に水を付着しにくくすることができるため、凝縮水の滞留を抑制することができる。
または、撥水促進部130の表面に撥水処理を行う。これにより、排水促進部130において排水性を向上することができ、凝縮水の滞留を抑制することができる。
なお、本発明は、上記発明を実施するための最良の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想の範囲内で様々な変更を為し得ることは言うまでもない。
本発明は、燃料電池に適用することができる。特にセパレータにおける水詰まりを抑制する必要がある固体高分子型燃料電池に適用することができる。
1 燃料電池
10 単位セル
11 電解質膜
13a アノードガス拡散層
13c カソードガス拡散層
14 膜-電極接合体
15a、15c セパレータ
17a 燃料ガス流路
17c 酸化剤ガス流路
19a、19c 入口マニフォールド
20a、20c 出口マニフォールド
21 ガス流路直線部
22 ガス流路角部
110、120、130 排水促進部
10 単位セル
11 電解質膜
13a アノードガス拡散層
13c カソードガス拡散層
14 膜-電極接合体
15a、15c セパレータ
17a 燃料ガス流路
17c 酸化剤ガス流路
19a、19c 入口マニフォールド
20a、20c 出口マニフォールド
21 ガス流路直線部
22 ガス流路角部
110、120、130 排水促進部
Claims (7)
- 固体高分子電解質膜と、
前記固体高分子電解質膜の両主面に配置されたアノード電極と、カソード電極と、
前記アノード電極と、前記カソード電極それぞれの外側に配置されたアノードガス拡散層と、カソードガス拡散層と、
前記アノードガス拡散層と、前記カソードガス拡散層それぞれの外周に配置されたガスシール材と、
前記アノードガス拡散層と、前記カソードガス拡散層それぞれの外側に配置され、流路軸方向に角部を有する溝状の反応ガス流路を設けたセパレータと、を備え、
少なくとも一方の前記セパレータに設けた前記反応ガス流路の前記角部近傍に、排水を促進させる排水促進部を設けることを特徴とする燃料電池。 - 前記排水促進部を、前記反応ガス流路の断面積を他の領域に比較して小さくして構成した請求項1に記載の燃料電池。
- 前記排水促進部を、前記反応ガス流路の溝幅を他の領域に比較して小さくして構成した請求項2に記載の燃料電池。
- 前記排水促進部を、前記反応ガス流路の溝深さを他の領域に比較して小さくして構成した請求項2に記載の燃料電池。
- 前記排水促進部を、前記反応ガス流路の溝表面の粗さを他の領域に比較して小さくして構成した請求項1に記載の燃料電池。
- 前記排水促進部を、前記反応ガス流路の表面に撥水処理を施して構成した請求項1に記載の燃料電池。
- 前記反応ガス流路は、それぞれが前記排水促進部を有する複数の前記角部を備え、
下流側の前記角部近傍に設けた前記排水促進部の流路断面積を、上流側に比較して小さくして構成した請求項2から4のいずれか一つに記載の燃料電池。
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