JP4183428B2 - 燃料電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子型等の燃料電池に係り、特に電極構造体に接触するセパレータの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子型燃料電池は、平板状の電極構造体(MEA:Membrane Electrode Assembly)の両側にセパレータが積層された積層体が1ユニットとされ、複数のユニットが積層されて燃料電池スタックとして構成される。電極構造体は、正極(カソード)および負極(アノード)を構成する一対のガス拡散電極の間にイオン交換樹脂等からなる電解質膜が挟まれた三層構造である。ガス拡散電極は、電解質膜に接触する電極触媒層の外側にガス拡散層が形成されたものである。また、セパレータは、電極構造体のガス拡散電極に接触するように積層され、ガス拡散電極との間にガスを流通させるガス流路や冷媒流路が形成されている。このような燃料電池によると、例えば、負極側のガス拡散電極に面するガス流路に燃料である水素ガスを流し、正極側のガス拡散電極に面するガス流路に酸素や空気等の酸化性ガスを流すと電気化学反応が起こり、電気が発生する。
【0003】
上記セパレータは、負極側の水素ガスの触媒反応により発生した電子を外部回路へ供給する一方、外部回路からの電子を正極側に送給する機能を具備する必要がある。そこで、セパレータには黒鉛系材料や金属系材料からなる導電性材料が用いられている。黒鉛製のセパレータは、黒鉛のモールド成形や切削加工等により製造され、金属製のセパレータは耐食性に優れたステンレス鋼板等の薄板をプレス成形することにより製造される。いずれの場合も、例えば断面凹凸状に成形され、表裏面に形成された溝が上記ガス流路や冷媒流路を構成する。そして、セパレータには、セパレータ間に、燃料ガス等のガスや冷媒を流通させる孔が形成されており、隣り合うセパレータはシールを介して積層される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、燃料電池の発電中にあっては、酸化性ガスが流される電極側(上記では正極側)のガス流路に、酸素が水素イオンと反応することによって水が生成する。また、結露によって水が内部に生成する場合もある。これら水には、電極構造体やシール等から溶出したイオンが溶け込み、それによってセパレータの導電率が上昇するといった現象が起こる。発電中は、セパレータ間に電圧が印加されるので、上記の各種孔に水が溜まっていると、セパレータ間に短絡が生じる。セパレータ間に短絡が生じるとセパレータの腐食が進行し、腐食によって板厚の減少に伴う強度低下が生じる。また、セパレータが金属製の場合には、金属イオンの溶出による電解質膜のイオン交換量の減少による発電性能が低下する。
【0005】
よって本発明は、特にセパレータにおける孔の周囲部分の腐食を抑えて、板厚の減少による強度低下や発電性能の低下を防止することができる燃料電池を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、燃料ガスや冷媒等が流通する孔が形成されたセパレータで電極構造体を挟んだ積層体からなる燃料電池において、セパレータの孔の内面およびその周辺表面が絶縁性を有する被覆部材で被覆されており、該被覆部材の、前記孔から前記周辺表面への被覆長さが、孔の内面の厚さ方向の被覆長さよりも長いことを特徴としている。被覆部材の材料としては、ゴムや樹脂等が用いられる。
【0007】
本発明によれば、セパレータの各種孔の周囲部分が絶縁性の被覆材料で被覆されていることにより、その部分の腐食が抑えられ、したがって、板厚の減少による強度低下や、発電性能の低下が防止される。
【0008】
本発明では、積層されるセパレータ間の間隔をa、被覆部材の孔からの被覆長さをbとしたとき、a/b<2、好ましくはa/b≦1を満足することを好ましい形態としている。この形態によると、セパレータ間の間隔に応じて被覆部材の被覆長さを一定以上に規定している。これによって、隣接するセパレータ間での電位差の影響は受けるものの、それ以外のセパレータからのより高い電位差の影響をセパレータが受けにくくなり、その結果、孔の周囲部分の腐食を効果的に抑えることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1は、燃料電池における積層された複数のセパレータ10の端部を模式的に示したものである。セパレータ10はステンレス鋼板の薄板でできており、各セパレータ10の端部には、セパレータ10間の空間を連通させる孔11が形成されている。燃料電池に供給される燃料ガス、酸化性ガスあるいは冷媒が、孔11を通ってセパレータ10間を流通する。
【0010】
セパレータ10の孔11の周囲部分には、ゴムや樹脂等を材料とした絶縁性を有する被覆部材20が被覆されている。この被覆部材20は、孔11の内面およびその周辺表面を被覆しており、射出成形等の手段でセパレータ10に固着されている。この場合、セパレータ10の間の間隔をa、被覆部材20の孔11の内面からの被覆長さをbとしたとき、a/b<2を満足している。また、図1で明らかなように、被覆部材20の、孔11の内面からの被覆長さbは、セパレータ10の厚さ、すなわち孔11の内面の厚さ方向の被覆長さよりも長い。
【0011】
本実施形態では、セパレータ10の孔11の周囲部分が絶縁性の被覆材料20で被覆されていることにより、その部分の腐食が抑えられる。したがって、セパレータ10の板厚の減少ならびにこれに伴う強度の低下が防止される。また、金属イオンの溶出による電解質膜のイオン交換量の減少が抑えられ、これによって発電性能の低下が抑えられる。
【0012】
被覆部材20の被覆長さを、セパレータ10間の間隔に応じて上記のように一定以上に規定することにより、隣接するセパレータ10間での電位差の影響は受けるものの、それ以外のセパレータ10からのより高い電位差の影響をセパレータ10が受けにくくなる。その結果、孔11の周囲部分の腐食を効果的に抑えることができる。なお、a/b≦1であれば、この効果をより顕著に得ることができる。
【0013】
【実施例】
次に、本発明の実施例を説明する。
[実施例]
ステンレス鋼板の薄板からなる厚さ0.2mmのセパレータを必要数作製し、外周部に形成した孔の周囲に、射出成形によって厚さ150μmのNBR(アクリロニトリルーブタジエンゴム)を被覆した。セパレータ間に電極構造体を挟んだユニットを10層に積層した。この構成の燃料電池において、セパレータ間の間隔を2mmと3mmとし、かつ、NBRの孔の内面からの被覆長さを変えて、図1に示したa,bの比(a/b)を表1のように調節した10種類の燃料電池を作製した。
【0014】
【表1】
【0015】
[比較例]
孔の周囲部分を被覆部材によって被覆せず、そのままの状態のセパレータを用いてセパレータ間の間隔が2mmと3mmの2種類の比較例の燃料電池を、実施例と同様にして作製した。表1においてa/bの値がないものが、これら比較例である。
【0016】
次に、上記各実施例および各比較例の燃料電池を、電流密度0.5A/cm2での定常発電を5000時間行った。そして、発電後のセパレータの板厚を複数点につき測定し、発電前の板厚に対する板厚の最大減少率を、各燃料電池ごとに求めた。なお、板厚の測定は、孔に最も近くNBRで被覆されていない20箇所をポイントマイクロメータで測定し、その平均値を板厚とした。その結果を、表1に併記するとともに、図2にグラフ化した。
【0017】
図2で明らかなように、孔の周囲部分を絶縁性を有する被覆部材で被覆したセパレータを用いることによって板厚の減少率が低下しており、耐食性の向上が図られることが確かめられた。また、上記a/bが2を下回っている場合、板厚の減少率は大幅に低減し、特にa/bが1以下の場合には、板厚の減少率が1%以下に抑えられ、きわめて高い耐食性を発揮することが判った。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の燃料電池によれば、燃料ガスや冷媒等が流通するセパレータの孔の周囲部分が絶縁性を有する被覆部材で被覆されているため、その周囲部分の腐食が抑えられ、その結果、板厚の減少による強度低下や発電性能の低下が防止されるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態のセパレータの積層構造を模式的に示す断面図である。
【図2】 セパレータ間の間隔と被覆部材の長さの比と、最大板厚減少率との関係を示すグラフである。
【符合の説明】
10…セパレータ、11…孔、20…被覆部材、a…セパレータ間の間隔、
b…被覆長さ。
Claims (2)
- 燃料ガスや冷媒等が流通する孔が形成されたセパレータで電極構造体を挟んだ積層体からなる燃料電池において、前記セパレータの前記孔の内面およびその周辺表面が絶縁性を有する被覆部材で被覆されており、該被覆部材の、前記孔から前記周辺表面への被覆長さが、前記孔の内面の厚さ方向の被覆長さよりも長いことを特徴とする燃料電池。
- 積層される前記セパレータ間の間隔をa、前記被覆部材の前記孔からの被覆長さをbとしたとき、a/b<2を満足することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
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