JP4862257B2 - 平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータ - Google Patents
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Description
なかでも、固体高分子膜を2種類の電極で挟み込み、更に、これらの部材をセパレータで挟んだ構成の固体高分子型燃料電池(以下、PEFCとも言う)が注目されている。
このPEFCにおいては、固体高分子膜の両側に、それぞれ、電極を配置した単位セルを複数個積層し、その起電力を目的に応じて大きくした、スタック構造のものが一般的である。単位セル間に配設されるセパレータは、一般に、そのー方の側面に、隣接するー方の単位セルに燃料ガスを供給するための燃料ガス供給用溝が形成されている。このようなセパレータでは、セパレータ面に沿って、燃料ガス、酸化剤ガスが供給される。
このスタック構造の燃料電池の他に、例えば、携帯端末用の燃料電池等のように、起電力をそれほど必要としないで、平面型で、できるだけ薄い事が要求される場合もある。しかし、平面状に単位セルを複数配列させ、これらを電気的に直列に接続する平面型の場合には、燃料及び酸素の供給が場所により不均一となるという問題もあった。
尚、本発明では、燃料電池の燃料供給側セパレータと酸素供給側のセパレータとの間に位置する電極部を含む複合体、例えば、順に、ガス拡散層、触媒層からなる燃料極、高分子電解質膜、触媒層からなる酸素極、ガス拡散層が積層されてなる膜等のような複合体を、膜電極複合体(MEA)と言う。
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであり、接触抵抗が極めて小さく、単位セルの有効面積率が高い薄型の高分子電解質型燃料電池を可能とするセパレータを提供することを目的とする。
本発明の他の態様として、前記外側枠体と前記膜電極複合体(MEA)側枠体は、樹脂、樹脂と無機材料との複合体、絶縁性被膜を備えた金属、および、セラミックのいずれかであるような構成とした。
図1は本発明の平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータの一実施形態を示す斜視図であり、図2は図1に示されるセパレータを構成する集電部、外側枠体、膜電極複合体(MEA)側枠体を離間させた状態で示す斜視図であり、図3は図1に示されるセパレータのA−A線矢視断面図である。図1〜図3において、本発明のセパレータ1は、集電部2を挟持するように一体化された外側枠体3と膜電極複合体(MEA)側枠体4とを備えている。
セパレータ1を構成する集電部2は、複数の貫通孔2aを有する長方形状の単位導電性基板2A,2B,2Cが空隙部5を介して平面的に3個配列されたものである。
また、単位導電性基板2A,2B,2Cは、少なくとも膜電極複合体(MEA)側枠体4と当接する側の表面に耐食性(耐酸性)、電気導電性の樹脂層からなる保護層を備えていてもよい。このような保護層の形成方法としては、樹脂にカーボン粒子、耐食性の金属等の導電材を混ぜた材料を用いて電着により膜を形成し、加熱硬化する方法、あるいは、導電性高分子からなる樹脂に導電性を高めるドーパントを含んだ状態の膜を電解重合により形成する方法等が挙げられる。
各単位導電性基板2A,2B,2Cは、機械加工、フォトリソグラフィー技術を用いたエッチング加工により、所定の形状に加工したものであり、燃料供給用ないし酸素供給用の貫通孔2aを、これらの方法により形成したものである。貫通孔2aの大きさ(開口径)は特に制限がなく、例えば、0.05〜10mmの範囲で適宜設定することができる。
尚、図示例では、各単位導電性基板に9個の貫通孔2aが形成されているが、形成個数、形成位置等には特に制限はない。
また、集電部2を挟持するように一体化された膜電極複合体(MEA)側枠体4は、上記の各単位導電性基板2A,2B,2Cの配列位置に対応した3個の開口部4A,4B,4Cを備えたものである。そして、各開口部4A,4B,4Cには、集電部2を構成する各単位導電性基板2A,2B,2Cの貫通孔2aが露出している。
上述のような所望の形状を有する外側枠体3と膜電極複合体(MEA)側枠体4の形成は、機械加工、レーザ加工等により行なうことができる。外側枠体3と膜電極複合体(MEA)側枠体4の厚みは同等であってもよく、異なるものでもよい。
また、単位導電性基板2A,2B,2Cの間に存在する空隙部5は、例えば、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等の絶縁性材料が接着剤として充填され存在するものであってもよい。
セパレータ11を構成する集電部12は、上述の実施形態の集電部2と同様であり、複数の貫通孔12aを有する長方形状の単位導電性基板12A,12B,12Cが空隙部15を介して平面的に3個配列されたものである。
外側枠体13の補強材16は、図示の態様に限定されるものではない。例えば、図5に示されるように、複数の帯状材が平行に架設されラダー形状となったもの、図6に示されるように、2本の帯状材が開口部13A,13B,13Cの端部に平行で、かつ、ほぼ中央で交差するように架設されたもの等であってもよい。
また、膜電極複合体(MEA)側枠体14は、上述の実施形態の膜電極複合体(MEA)側枠体4と同様であり、上記の各単位導電性基板12A,12B,12Cの配列位置に対応した3個の開口部14A,14B,14Cを備えたものである。
セパレータ11を構成する外側枠体13と膜電極複合体(MEA)側枠体14の材質は、上述のセパレータ1を構成する外側枠体3と膜電極複合体(MEA)側枠体4と同様である。また、上述のような所望の形状を有する外側枠体13と膜電極複合体(MEA)側枠体14の形成は、機械加工、レーザ加工等により行なうことができる。外側枠体13と膜電極複合体(MEA)側枠体14の厚みは同等であってもよく、異なるものでもよい。
上述の本発明のセパレータは例示であり、これらの限定されるものではない。例えば、本発明のセパレータは、膜電極複合体(MEA)側枠体4,14の開口部4A,4B,4C,14A,14B,14C内に、集電部2,12の単位導電性基板2A,2B,2C,12A,12B,12Cを被覆するようにガス拡散層や触媒層を備えるものであってもよい。
また、触媒層は、セパレータが燃料供給側セパレータとして使用される場合には燃料極となり、酸素供給側セパレータとして使用される場合には酸素極となる。このような触媒層の材質としては、白金、金、パラジウム、ルテニウム、銅、白金酸化物、タングステン酸化物、鉄、ニッケル、ロジウム等を挙げることができ、これらを単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用することができる。また、触媒層の厚みは、例えば、10〜300μm程度の範囲で適宜設定することができる。
図7は、上述の本発明のセパレータ1を燃料供給側セパレータおよび酸素供給側セパレータとして組み込んだ平面型の高分子電解質型燃料電池の例を示す構成図である。また、図8は、図6に示される平面型の高分子電解質型燃料電池の各部材を離間させた状態を示す図である。
図7および図8において、高分子電解質型燃料電池41は、膜電極複合体(MEA)54が1組の本発明のセパレータ1Aとセパレータ1Bで挟持された電池本体51と、ケース体52を備えている。
上記のセパレータ外周枠部材61Aは、導電部材62Aを絶縁部材63で挟持した構造であり、また、セパレータ外周枠部材61Bは、導電部材62Bを絶縁部材63で挟持した構造である。そして、固定部材61A,61Bの一端(図示の左側)から導電部材62A,62Bが電極端子として突出している。
電極端子62A → *
*→ 単位セル51A[セパレータ1Aの単位導電性基板2A → 膜電極複合体
(MEA)54 → セパレータ1Bの単位導電性基板2A] → *
*→ 単位セル51B[セパレータ1Aの単位導電性基板2B → 膜電極複合体
(MEA)54 → セパレータ1Bの単位導電性基板2B] → *
*→ 単位セル51C[セパレータ1Aの単位導電性基板2C → 膜電極複合体
(MEA)54 → セパレータ1Bの単位導電性基板2C] → *
*→ 電極端子62B
2,12…集電部
2A,2B,2C,12A,12B,12C…単位導電性基板
2a,12a…貫通孔
3,13…外側枠体
3a…微細開口
13A,13B,13C…開口部
4,14…膜電極複合体(MEA)側枠体
4A,4B,4C,14A,14B,14C…開口部
5,15…空隙部
16…補強材
Claims (3)
- 単位セルを平面的に配列した平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータにおいて、
複数の貫通孔を有する単位導電性基板が空隙部を介して平面的に2個以上配列された集電部と、該集電部を挟持するように一体化された電気絶縁性の外側枠体と膜電極複合体(MEA)側枠体とを備え、前記外側枠体は、前記単位導電性基板の配列位置に対応した各領域に複数の微細開口を備えたものであり、前記膜電極複合体(MEA)側枠体は、前記単位導電性基板の配列位置に対応した開口部を有し、前記外側枠体の各微細開口の大きさは、前記単位導電性基板が備える前記貫通孔の大きさ以上であることを特徴とする平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータ。 - 単位セルを平面的に配列した平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータにおいて、
複数の貫通孔を有する単位導電性基板が空隙部を介して平面的に2個以上配列された集電部と、該集電部を挟持するように一体化された電気絶縁性の外側枠体と膜電極複合体(MEA)側枠体とを備え、前記外側枠体は、前記単位導電性基板の配列位置に対応した開口部と、該開口部に架設された補強材とを有し、前記膜電極複合体(MEA)側枠体は、前記単位導電性基板の配列位置に対応した開口部を有し、前記外側枠体の前記補強材は、複数の帯状材であり、該帯状材で区画された個々の開口の大きさは、前記単位導電性基板が備える前記貫通孔の大きさ以上であることを特徴とする平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータ。 - 前記外側枠体と前記膜電極複合体(MEA)側枠体は、樹脂、樹脂と無機材料との複合体、絶縁性被膜を備えた金属、および、セラミックのいずれかであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータ。
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