JP5301503B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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本発明は、電極に複数の開口部(スリット)を有する液晶表示装置に関する。
情報表示装置として、背景表示部や暗表示部の表示輝度の非常に低い表示装置が求められており、これを実現し得るものの1つとして垂直配向型の液晶表示装置が知られている。垂直配向型の液晶表示装置は、初期配向状態における正面観察時の光学特性がクロスニコル配置の偏光板における光学特性とほぼ同等になるため、初期配向状態における透過率を非常に低くすることが可能となる。
垂直配向型の液晶表示装置において液晶層の液晶分子を一方向に配向した場合、すなわちモノドメイン配向とした場合には、液晶層に電圧を印加して明表示とした場合に、観察者の観察方位によって明表示が最も明るく見え、最良なコントラストが得られる最良視認方位が存在する。また、明表示における最低透過率が電圧無印加領域(背景領域)や暗表示における透過率と同等かそれ以下となる、すなわち表示が反転する反視認方位も存在する。このような表示状態では正面観察時に認識される表示状態とは全く異なった表示状態となり、或いは表示自体が外観から認識できない状態となる。
これに対して、電圧印加時にも良好な視角特性を獲得するためには、液晶分子の配向方向を1つの画素内において複数の方向へ分けること(マルチドメイン配向)が有効であり、これを実現するために種々の技術が提案されている。例えば、特許第4107978号公報(特許文献1)には、セグメント表示型の液晶表示装置において、電極形状を工夫することにより液晶層内で2つの180°異なる方向に斜め電界を発生させ、その方向に配向制御する技術(斜め電界配向制御法)が開示されている。
上記の先行例の液晶表示装置では、対向配置される上下電極のそれぞれに細長い矩形状の開口部が設け、上電極の開口部と下電極の開口部が平面視において互い違いに並ぶように上下電極を配置する必要がある。しかし、この先行例の液晶表示装置において液晶層の配向安定性を実現するには、数十μm程度の周期で開口部を配置する必要があるため、上下電極の位置合わせに高い精度が必要となる不都合がある。また、多数の開口部を設けることから表示部の開口率が低下し、明表示時の透過率の低下が懸念される。
これに対して、マスクラビング法、マスク露光を組み合わせた光配向処理法(例えば特許第4374126号公報参照)などの技術によってもマルチドメイン配向を実現することも考えられる。しかしながら、これらの技術を用いた場合には、配向処理工程が複雑化し、或いは処理時間が長くなるという不都合がある。
特許第4107978号公報 特許第4373126号公報
本発明に係る具体的態様は、液晶表示装置における表示品位を向上させることを目的の1つとする。
本発明に係る一態様の液晶表示装置は、(a)一面上に第1電極を有する第1基板と、(b)一面上に第2電極を有する第2基板と、(c)前記第1基板と前記第2基板の間に設けられ、90°より小さいプレティルト角を有する略垂直配向に制御された液晶層を備える。前記第1電極は、規則的に配置された矩形状の複数の開口部を有する。前記複数の開口部は、各々の短手方向と、前記液晶層の層厚方向の略中央における液晶分子の配向方向とのなす相対的角度が平面視で0°より大きく15°以下の範囲となるように配置される。
本発明に係る他の態様の液晶表示装置は、(a)一面上に第1電極を有する第1基板と、(b)一面上に第2電極を有する第2基板と、(c)前記第1基板と前記第2基板の間に設けられ、90°より小さいプレティルト角を有する略垂直配向に制御された液晶層を備える。前記第1電極は、規則的に配置された矩形状の複数の開口部を有する。前記複数の開口部は、各々の長手方向を、利用者の視認時における左右方向に対して0°より大きく45°以下に傾斜して配置される。前記液晶層は、層厚方向の略中央における液晶分子の配向方向を、前記利用者の視認時における上下方向に対して略平行に配置される。
上記いずれかの態様の液晶表示装置によれば、反視認方位における最低透過率を上昇させ、反視認方位における明表示時の視角特性を改善することができる。従って、従来は表示視認性が良好ではなかった方位に対しても表示状態が認識できるようになり、液晶表示装置における表示品位を向上させることが可能となる。
上記いずれかの態様の液晶表示装置においては、前記複数の開口部が市松状に規則的に配置されてもよい。
上記いずれかの態様の液晶表示装置は、前記第1基板の外側に配置された第1偏光板と、前記第2基板の外側に配置された第2偏光板を更に含んでもよい。このとき、前記第1偏光板と前記第2偏光板は、各々の吸収軸が略直交し、かつ当該各吸収軸と前記液晶層の層厚方向の略中央における液晶分子の配向方向が略45°の角度をなすように配置される。
一実施形態の液晶表示装置の部分断面図である。 各開口部の構造の一例を説明するための模式的な平面図である。 各開口部の構造の一例を説明するための模式的な平面図である。 構造1〜4のそれぞれの開口部を有する液晶表示装置をマルチプレックス駆動した際の透過率特性の一例を示す図である。 各開口部の構造の一例を説明するための模式的な平面図である。 図5に示した構造の各開口部を有する液晶表示装置の配向組織観察像を示す図である。 各開口部の構造の一例を説明するための模式的な平面図である。 図7に示した構造の各開口部を有する液晶表示装置の配向組織観察像を示す図である。 図7に示した構造の各開口部を有する液晶表示装置において角度θを45°に設定した場合の配向組織観察像を示す図である。 各開口部の構造の一例を説明するための模式的な平面図である。 各開口部の構造の一例を説明するための模式的な平面図である。 各開口部の構造の一例を説明するための模式的な平面図である。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施形態の液晶表示装置の部分断面図である。図1に示す本実施形態の液晶表示装置は、上側基板(第1基板)1、上側電極(第1電極)2、配向膜3、下側基板(第2基板)4、下側電極(第2電極)5、配向膜6、液晶層7、上側偏光板(第1偏光板)8、下側偏光板(第2偏光板)9を含んで構成されている。本実施形態の液晶表示装置は、例えばセグメント型の液晶表示装置、ドットマトリクス型の液晶表示装置或いはセグメント型とドットマトリクス型の混合したタイプの液晶表示装置であり、マルチプレックス駆動されるものである。
上側基板1および下側基板4は、それぞれ、例えばガラス基板、プラスチック基板等の透明基板である。上側基板1と下側基板4との相互間には、スペーサー(粒状体)が分散して配置されている。これらのスペーサーにより、上側基板1と下側基板4との間隙が所定距離(例えば3.8μm程度)に保たれる。
上側電極2は、上側基板1の一面上に設けられている。同様に、下側電極5は、下側基板4の一面上に設けられている。上側電極2および下側電極5は、それぞれ、例えばインジウム錫酸化物(ITO)などの透明導電膜を適宜パターニングすることによって構成されている。上側電極2は、一方向に延びた矩形状(長方形状)の複数の開口部(スリット)12を有する。各開口部12は、上側電極2を部分的に除去することによって形成される。開口部12の詳細についてはさらに後述する。
配向膜3は、上側基板1の一面側に、上側電極2を覆うようにして設けられている。同様に、配向膜6は、下側基板4の一面側に、下側電極5を覆うようにして設けられている。本実施形態においては、配向膜3および配向膜6としては、液晶層7の初期状態(電圧無印加時)における配向状態を略垂直配向に規制するもの(垂直配向膜)が用いられている。各配向膜3、6には配向処理(例えばラビング処理)が施されている。各配向膜3、6は、液晶層7の界面付近において当該液晶層7の液晶分子にプレティルト角を与える。本実施形態では89°程度のプレティルト角が与えられる。上側基板1と下側基板4は、各配向膜3、6に対する配向処理方向(例えばラビング方向)がアンチパラレル状態となるように位置合わせされる。これにより、液晶層7は90°より小さいプレティルト角を有する略垂直配向に制御される。なお、各配向膜3、6のうちの何れか一方にのみ配向処理が施されていてもよい。
液晶層7は、上側基板1の上側電極2と下側基板4の下側電極5の相互間に設けられている。本実施形態においては誘電率異方性Δεが負(Δε<0)の液晶材料(ネマティック液晶材料)を用いて液晶層7が構成されている。液晶層7に図示された太線11は、電圧印加時における液晶分子の配向方向(ダイレクタ)を模式的に示したものである。本実施形態の液晶表示装置においては、液晶層7の液晶分子の配向状態は初期状態(電圧無印加状態)において垂直配向しており、電圧印加により液晶分子の長軸方向が電界方向と交差するように液晶層7の配向状態が変化する。液晶層7のリターデーションは略300nmである。
上側偏光板8は、上側基板1の外側に配置されている。また、下側偏光板9は、下側基板4の外側に配置されている。本実施形態においては、上側偏光板8と下側偏光板9はクロスニコル配置とされる。なお、必要に応じ、上側偏光板8と上側基板1の間、下側偏光板9と下側基板4の間のそれぞれに視角補償板が配置されてもよい。当該視角補償板は各偏光板と一体化されていてもよい。
図2および図3は、上側電極2に設けられた各開口部12の構造の一例を説明するための模式的な平面図である。図2および図3においては、上側基板1側から観察した場合の各開口部12の一部が平面的に示されている。図2および図3において、Lは各開口部12の長手方向の長さ(長辺長さ)、Sは各開口部12の短手方向の長さ(短辺長さ)、Lsは長手方向において隣り合う開口部12の相互間距離、Aは短手方向において隣り合う開口部12の相互間距離をそれぞれ表す。図示のように、各開口部12は、一方向へ延びた矩形状に形成されており、規則的に配列されている。なお、図2および図3では、図中の上下方向、左右方向が本実施形態の液晶表示装置を利用者が視認する際における上下方向、左右方向にそれぞれ対応している。
図2(a)および図2(b)に示す各開口部12は、液晶表示装置の左右方向に対して長辺方向が略平行となるように配置されている。図2(a)の各開口部12は、図中に示すx方向、y方向のそれぞれに沿って規則的に配列されている。別言すると、図2(a)の各開口部12はマトリクス状に配列されている。図2(b)の各開口部12は、x方向、y方向のそれぞれに沿って市松状に規則的に配列されている。別言すると、各開口部12は、隣り合う列、行のそれぞれにおいて互い違いに配列されている。また、図2(a)および図2(b)のいずれにおいても、液晶層7の層厚方向の略中央における電圧無印加時の液晶分子の配向方向は、図示のように液晶表示装置の下方向(6時方向)に設定されている。なお、液晶分子の配向方向は、液晶表示装置の上方向(12時方向)に設定されてもよい。図示のように、液晶分子の配向方向と各開口部12の長手方向は略直交している。液晶分子の配向方向については上記した配向処理方向に応じて定められる。また、上側偏光板8、下側偏光板9は、それぞれの吸収軸が液晶分子の配向方向に対して略45°の角度を有するように配置されている。
図3(a)および図3(b)に示す各開口部12は、液晶表示装置の上下方向に対して長辺方向が略平行となるように配置されている。図3(a)の各開口部12は、図中に示すx方向、y方向のそれぞれに沿って規則的に配列されている。別言すると、図3(a)の各開口部12はマトリクス状に配列されている。図3(b)の各開口部12は、x方向、y方向のそれぞれに沿って市松状に規則的に配列されている。別言すると、各開口部12は、隣り合う列、行のそれぞれにおいて互い違いに配列されている。また、図3(a)および図3(b)のいずれにおいても、液晶層7の層厚方向の略中央における電圧無印加時の液晶分子の配向方向は、図示のように液晶表示装置の下方向(6時方向)に設定されている。なお、液晶分子の配向方向は、液晶表示装置の上方向(12時方向)に設定されてもよい。図示のように、液晶分子の配向方向と各開口部12の長手方向は略平行である。液晶分子の配向方向については上記した配向処理方向に応じて定められる。また、上側偏光板8、下側偏光板9は、それぞれの吸収軸が液晶分子の配向方向に対して略45°の角度を有するように配置されている。
なお、以下では説明の便宜上、図2(a)に示した各開口部12の構造を「構造1」、図2(b)に示した各開口部12の構造を「構造2」、図3(a)に示した各開口部12の構造を「構造3」、図3(b)に示した各開口部12の構造を「構造4」と称する。各開口部12の寸法については、例えば、構造1、2ではS=0.007mm、L=0.075mm、Ls=0.005mmであり、構造3、4ではS=0.007mm、L=0.08mm、Ls=0.005mmである。
図4は、上記した構造1〜4のそれぞれの開口部を有する液晶表示装置をマルチプレックス駆動した際の透過率特性の一例を示す図である。なお、マルチプレックス駆動の条件については、1/4duty、1/3bias、駆動電圧5V、駆動周波数250Hzとした。透過率については、正面観察時透過率、最良視認方位(12時方位)における最大透過率、反視認方位(6時方位)における最低透過率のそれぞれを計測した。液晶表示装置の構造に関する諸条件は上記した通りである。また、図4における「従来構造」とは、各開口部12が設けられていない以外は上記実施形態と同様の構成を有する液晶表示装置である。いずれの液晶表示装置においてもプレティルト角は略89°に設定された。
図4に示すように、正面観察時の透過率および最良視認方位は各開口部12の短手方向における相互間距離Aが大きくなること、すなわち上側電極2の開口率が高くなることに伴って上昇する傾向が見られる。相互間距離Aを0.15mmに設定した場合に従来構造に比べて略9割の透過率が実現され、相互間距離Aを0.1mmに設定した場合には従来構造に比べて約8割の透過率が実現されている。従って、従来構造の透過率に近づけるには相互間距離Aをできるだけ大きくすることが好ましいといえる。一方、反視認方位における最低透過率は、いずれの構造並びに相互間距離Aの値においても従来構造に比べて著しく上昇することが分かる。傾向としては、相互間距離Aが小さいほうが反視認方位における最低透過率が上昇する。このことから、各開口部12のエッジ付近において本来の配向方向と逆方向に配向させる斜め電界が発生することにより(図1参照)、その付近の液晶分子が配向処理方向と180°反対の方向に配向しているため、反視認方位の透過率を上昇できたものと考えられる。また、相互間距離Aが小さくなるに従って液晶分子が逆方向に傾斜する領域が増加するため、反視認方位の最低透過率が上昇すると考えられる。
さらに、構造2と構造4を比較すると、構造2のほうが反視認方位の最低透過率が相対的に高く、かつ相互間距離Aに依存しないことが分かる。構造1と構造3の比較においても、相互間距離Aが0.1mmの場合には同様な傾向が観察される。従って、反視認方位の最低透過率を上昇させるという観点からは、構造1、2の液晶表示装置、すなわち各開口部12の長手方向が液晶層7の層厚方向の略中央付近における液晶分子の配向方向と略直交する液晶表示装置のほうが好ましいといえる。なお、外観観察の結果、従来構造の液晶表示装置では反視認方位において明表示状態が全く視認できない観察角度(極角角度)が存在したが、構造1〜4の液晶表示装置ではその現状が解消されることを確認できた。
しかしながら、構造1〜4のいずれの液晶表示装置においても、最良視認方位、反視認方位における表示均一性について更なる改善の余地があることも分かった。具体的には、プレティルト角を90°に近づけるほど表示均一性は低くなり、正面観察時透過率および反視認方位における最大透過率が低下することが分かった。そこで、構造1の液晶表示装置について偏光顕微鏡により配向組織を観察したところ、各開口部12の付近における配向状態が不均一であることが分かった。この結果を踏まえ、液晶表示装置の電圧無印加時における液晶層7の層厚方向の略中央における液晶分子の配向方向と各開口部12の長手方向とを上記した平行または直交以外の角度とすることにより、表示均一性の更なる向上を図るという着想を得た。
図5は、上側電極2に設けられた各開口部12の構造の一例を説明するための模式的な平面図である。図5においても上側基板1側から観察した場合の各開口部12の一部が平面的に示されている。図示のL、S、Ls、Aの各パラメータの定義については上記した通りである。図5に示す各開口部12は、上記図2(a)に示した各開口部12と同様に構成されており、その長手方向が液晶表示装置の左右方向と平行に配置されている。また、各開口部12は、それぞれの長辺がほぼ一直線上に並ぶように配置されている。図5に示す実施形態の液晶表示装置では、液晶層7の層厚方向の略中央における液晶分子の配向方向が各開口部12の短手方向(液晶表示装置の上下方向)を基準として所定の角度θを有するように設定されている。図示の例では、液晶表示装置の6時方位を基準として時計回りに角度θが定義されている。角度θについては、例えば0°より大きく15°以下の範囲で設定される。また、上側偏光板8、下側偏光板9の各吸収軸については液晶分子の配向方向に対して略45°の角度をなすように設定される。各開口部12の寸法については、例えば、S=0.02mm、L=0.08mm、Ls=0.01mm、A=0.1mmである。また、プレティルト角は例えば89°に設定される。
図6は、図5に示した構造の各開口部12を有する液晶表示装置の配向組織観察像を示す図である。詳細には、図6(a)は、液晶分子の配向方向について上記の角度θを0°に設定した場合(比較例)の観察像である。図6(b)、図6(c)、図6(d)は、それぞれ液晶分子の配向方向について上記の角度θを5°、10°、15°に設定した場合の観察像である。図6(a)においては、各開口部12の2つの長辺部の一方(図中下側の長辺)に暗領域が観察され、かつこの暗領域の形状が開口部12ごとに不均一であることが分かる。この暗領域は液晶層7の液晶分子の配向方向が互いに異なる領域同士の境界である。図6(b)〜図6(d)においては、上記のような暗領域が各開口部12ごとに不均一となる現象はほとんど観察されず、ほとんどの開口部12において暗領域の形状がほぼ等しいことが分かる。
外観観察を行った結果、図6(a)に示した実施形態の液晶表示装置では最良視認方位および反視認方位において表示が不均一となる現象が観察されたのに対し、図6(b)〜図6(d)に示した実施形態の液晶表示装置では表示均一性が著しく改善されることが確認された。また、反視認方位における明表示時の表示状態は従来構造よりも良好であることが確認された。しかし、液晶層7の略中央における液晶分子の配向方向を基準から15°以上ずらした場合、すなわち上記の角度θを15°より大きくした場合には、最良視認方位および反視認方位が従来構造に比べて方位角方向に大きく回転してしまうので好ましくなく、特に明表示時における左右方位の視角特性が非対称になる懸念がある。したがって、上記の角度θについては0°より大きく15°以下が好ましく、5°以上15°以下がさらに好ましいと考えられる。なお、詳細な説明を省略するが、上記した構造2の液晶表示装置において液晶層7の略中央における液晶分子の配向方位を基準からずらした場合にも同様の効果が得られることも確認できた。
ところで、液晶層7の略中央における液晶分子の配向方向については液晶表装置の上下方向と略平行にして、各開口部12の長手方向を液晶表示装置の左右方向からずらした場合にも上記と同様の効果が期待される。以下にその実施形態について説明する。
図7は、上側電極2に設けられた各開口部12の構造の一例を説明するための模式的な平面図である。図7においても上側基板1側から観察した場合の各開口部12の一部が平面的に示されている。図示のL、S、Ls、Aの各パラメータの定義については上記した通りである。図7に示す各開口部12は、上記図2(a)に示した各開口部12と同様に構成されており、それぞれの長辺がほぼ一直線上に並ぶように配置されている。また、各開口部は、それぞれの長手方向が液晶表示装置の左右方向を基準にして所定の角度θだけずらして配置されている。図示の例では、液晶表示装置の9時方位を基準として時計回りに角度θが定義されている。角度θについては、例えば0°より大きく15°以下の範囲で設定される。また、液晶層7の層厚方向の略中央における液晶分子の配向方向は液晶表示装置の上下方向に平行とされている。上側偏光板8、下側偏光板9の各吸収軸については液晶分子の配向方向に対して略45°の角度をなすように設定される。各開口部12の寸法については、例えば、S=0.007mm、L=0.085mm、Ls=0.005mm、A=0.067mmである。また、プレティルト角は例えば89°に設定される。
図8は、図7に示した構造の各開口部12を有する液晶表示装置の配向組織観察像を示す図である。図8に示す観察像は、液晶分子の配向方向について上記の角度θを15°に設定した場合の観察像である。上記図6と同様に、各開口部12の1つの長辺付近に暗領域が観察されるが、ほぼ全ての開口部12においてその暗領域の形状パターンがほぼ同等であることが確認できた。さらに、外観観察をした結果、最良視認方位は従来構造と同様に12時方位に存在し、反視認方位は6時方位に存在することが確認された。また、反視認方位における明表示時の表示状態が認識できなくなる観察角度は存在しないことが確認された。また、最低透過率は各開口部12を回転させない実施形態と同等であった。なお、上記と同様に、角度θについては0°より大きく15°以下が好ましく、5°以上15°以下がさらに好ましいと考えられる。
図9は、図7に示した構造の各開口部12を有する液晶表示装置において、各開口部12の寸法については例えば、S=0.02mm、L=0.08mm、Ls=0.01mm、A=0.1mmとし、上記の角度θを45°に設定した場合の配向組織観察像を示す図である。各開口部12においてその暗領域は均一であることが確認された。外観観察からも表示均一性に問題はなく、最良視認方位および反視認方位は従来同様に12時方位および6時方位であった。反視認方位における最低透過率の向上効果についても、角度θを0°とした場合とほぼ同等であることが確認できた。さらに、反視認方位における明表示時の表示状態が認識できなくなる観察角度は存在しないことが確認された。また、最低透過率は各開口部12を回転させない場合と同等であった。以上の検討から、角度θの最大値は45°であると考えられる。
次に、図10〜図12に基づいて各開口部12の構造の変形例を説明する。図10に示すように、各開口部12は、重心点を中心に同じ方位へ回転して配置されてもよい。図10に示す例では、各開口部12は、それぞれの重心点がほぼ一直線上に並ぶように配置されている。図11に示す例の各開口部12もそれぞれの長辺がほぼ一直線上に並ぶように配置されている。図10に示す例との違いは、図11に示す各開口部12は、重心点を中心にし、一方向において隣り合う開口部12の長手方向(長辺の傾斜方位)が互いに逆方向に向くように配置されている点である。さらに、図12に示すように各開口部12は、一方向(図中上下方向)において隣り合う開口部12の長手方向(長辺の傾斜方位)が互いに逆方向に向くように配置され、かつ他方向(図中左右方向)において隣り合う開口部12の長手方向も互いに逆方向に向くように配置されてもよい。すなわち、各開口部12の長手方向(長辺の傾斜方位)が複数の方向に設定されてもよい。これらの構造の開口部12を有する液晶表示装置によれば、明表示時における左右視角特性を従来構造の液晶表示装置により近づけることが可能と考えられる。
以上のような本実施形態の液晶表示装置によれば、反視認方位における最低透過率を上昇させ、反視認方位における明表示時の視角特性を改善することができる。従って、従来は表示視認性が良好ではなかった方位に対しても表示状態が認識できるようになり、液晶表示装置における表示品位を向上させることが可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、上記の各実施形態においては表示面全域で均一な周期を有する開口部を設けることを想定していたが、その限りではない。表示面を複数の領域に分割し、それぞれの領域で開口部の配置条件が異なるようにしてもよい。
具体的には、各開口部は、上側電極と下側電極が重なる領域にのみ配置してもよい。例えば、セグメント表示パターンの場合は表示部だけに各開口部が配置され、引き回し線等には配置されないにしてもよい。また、例えばドットマトリクス型表示パターンの場合には,各画素に対応する領域(画素領域)にのみ各開口部を配置してもよい。
また、各表示部または画素領域などの特定領域ごとに、相互に異なる設計ルールの開口部を配置してもよいし、1つの表示部または画素領域の一部に開口部が配置されていないパターンが存在してもよい。異なる設計ルール(特に相互間距離Aの大小)により、最低透過率を増減し得るためである。すなわち、相互間距離Aなどの設計ルールの異なる領域、あるいは開口部の分割のない領域や開口部の配置されない領域を設けることにより、(a)正面観察時の透過率が変化する、(b)反視認方位の最も透過率が低くなる角度における透過率が変化する、(c)反視認方位の最も透過率が低くなる角度が変化する、などの作用が得られる。この作用を活用することで、例えば反視認方位において透過率が相対的に高いセグメント表示部と透過率が相対的に低いセグメント表示部を混在させる利用形態を実現できる。この利用形態においては、透過率が高い部分が強調して表示される、または角度によって視認性がよいセグメント表示部が変化するという、従来とは異なる利用形態が実現可能となる。
また、例えば自動車のセンターパネル上に設けられた情報表示装置として上記の液晶表示装置を用いることも好ましい。その場合には、例えば、各開口部を配置した領域は反視認方位から表示内容を確認できるが、各開口部を配置しない領域は反視認方位から表示内容を確認することが困難である。運転者側と助手席側の一方を視認方位、他方を反視認方位として設定したパネル上に、他方への視認を必要とする表示内容に対応する領域にのみ開口部を配置することで、運転者側と助手席側の双方で部分的にのみ共通する表示内容を視認可能とした情報表示装置を実現できる。
1…上側基板(第1基板) 2…上側電極(第1電極) 3…配向膜 4…下側基板(第2基板) 5…下側電極(第2電極) 6…配向膜 7…液晶層 8…上側偏光板(第1偏光板) 9…下側偏光板(第2偏光板) 10…斜め電界 11…ダイレクタ 12…開口部

Claims (5)

  1. 一面上に第1電極を有する第1基板と、
    一面上に第2電極を有する第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板の間に設けられ、90°より小さいプレティルト角を有する略垂直配向に制御された液晶層、
    を含み、
    前記第1電極は、規則的に配置された矩形状の複数の開口部を有し、
    前記複数の開口部は、各々の短手方向と、前記液晶層の層厚方向の略中央における液晶分子の配向方向とのなす相対的角度が平面視で0°より大きく15°以下の範囲となるように配置された、
    液晶表示装置。
  2. 一面上に第1電極を有する第1基板と、
    一面上に第2電極を有する第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板の間に設けられ、90°より小さいプレティルト角を有する略垂直配向に制御された液晶層、
    を含み、
    前記第1電極は、規則的に配置された矩形状の複数の開口部を有し、
    前記複数の開口部は、各々の長手方向を、利用者の視認時における左右方向に対して0°より大きく45°以下に傾斜して配置され、
    前記液晶層は、層厚方向の略中央における液晶分子の配向方向を、前記利用者の視認時における上下方向に対して略平行に配置された、
    液晶表示装置。
  3. 前記複数の開口部が市松状に規則的に配置された、請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記第1基板の外側に配置された第1偏光板と、
    前記第2基板の外側に配置された第2偏光板、
    を更に含み、
    前記第1偏光板と前記第2偏光板は、各々の吸収軸が略直交し、かつ当該各吸収軸と前記液晶層の層厚方向の略中央における液晶分子の配向方向が略45°の角度をなすように配置された、請求項1〜3の何れか1項に記載の液晶表示装置。
  5. 前記複数の開口部の長辺の傾斜方位が複数に設定された、請求項2又は3に記載の液晶表示装置。
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