JP5298847B2 - 巴布剤用基布およびこれを用いた巴布剤 - Google Patents
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Description
1500<K<3800・・・・・・・・・・(1)
[巴布剤用基布]
(捲縮発現性合成繊維マルチフィラメント)
本発明の巴布剤用基布では、捲縮発現性合成繊維マルチフィラメントを用いる。本明細書において捲縮発現性合成繊維マルチフィラメントとは、仮撚加工(捲縮加工)の施された合成繊維マルチフィラメントや、種類の異なるポリマー、あるいは固有粘度差のあるポリマー、さらには収縮差のあるポリマーを、サイドバイサイド型や偏心芯鞘型に複合紡糸した複合紡糸型合成繊維マルチフィラメントを意味する。これらの合成繊維マルチフィラメントの有する捲縮特性により、マルチフィラメントの繊維がより開繊し、ニットを編み上げた時に、よりソフトな風合になる他、嵩高になる為、薬剤を塗布する工程や使用時の、薬剤の裏ジミを防止できる。また、捲縮特性により、生地の伸長性を高くすることができる。
本発明の巴布剤用基布は、捲縮発現性合成繊維マルチフィラメントを2針オーバーラップするシングル二目編組織で編成した経編地である。2針オーバーラップするシングル二目編組織を用いるのは、以下の理由による。
1200<K<3800・・・・・・・・・・(1)
本発明の巴布剤は、上記巴布剤用基布の一面に膏体を塗布延展した後、この塗布面を剥離性のフィルムで覆って保護したものを裁断、包装して完成される。
本実施例における特性の測定・評価は、以下に記載の方法を用いた。
ウエルとコースの測定は、JISL1018の密度の測定方法に準じて行った。すなわち、試料を平らな台の上に置き、不自然なしわや張力を除いて、異なる5ヶ所について、1インチ間のウエル及びコースを数え、ウエル及びコースそれぞれの平均値を算出した。
生地を分解して、合成繊維マルチフィラメントを3本取り出す。5gの荷重下で、30cmの試験片を切り出し、その重量(g)を測定し、3本の平均値を求めた後、1万m当たりの重量(g/万m)に換算し、繊度を求めた。
生地の同一ウエルに沿って、96コース分を数え、印を付ける。生地を分解して、ポリエステル系合成繊維を3本取り出す。5gの荷重下で、印間の長さを測定し、3本の平均値を算出した。
目付は、JISL1018の標準状態における単位面積当たりの質量の測定方法に準じて測定した。すなわち、25cm×25cmの試験片を3枚採取し、それぞれの標準状態での質量(g)を量り、その平均値を算出し、小数点以下1けたに丸め、1m2当たりの質量(g/m2)で表す。
Sm=W/A
ここに、Sm:標準状態における単位面積当たりの質量(g/m2)
W :標準状態における試験片の質量(g)
A :試験片の面積(m2)
伸び率の試験法はJIS−L−1018の定荷重時伸び率のカットスリップ法に準じて行った。すなわち、2.5cm×20cmの試験片をタテ、ヨコ方向にそれぞれ5枚ずつ採取し、自記記録装置付定速伸長形引張試験機を用い、つかみ間隔10cm、初荷重29mN、引っ張り速度20cm/minの試験条件で、静かに9.8Nの荷重を加えたまま1分間放置し、その後つかみ間隔の長さ(cm)を計り、次式により伸び率(%)を求め、タテ、ヨコ、それぞれ、平均値を算出した。
EP=(L1−L)/L×100
ここに、EP:定荷重時伸び率(%)
L :もとのつかみ間隔(20cm)
L1:9.8N荷重を加え1分間放置後のつかみ間隔の長さ(cm)
伸長弾性率は、JIS−L−1018A法の定伸長法に準じて行った。すなわち、5cm×30cmの試験片をタテ、ヨコ方向にそれぞれ5枚ずつ採取し、自記記録装置付定速伸長形引張試験機を用い、つかみ間隔(印間)20cm、初荷重29mN、引っ張り速度20cm/minの試験条件で、50%まで引き伸ばし、1分間放置し、次に同じ速度で元の位置まで戻し3分間放置する。この操作を2回繰り返した後、荷重−伸び率線を描き、この曲線から残留伸びを測り、次式によって、伸長弾性率(%)を求め、タテ、ヨコ方向それぞれの平均値を算出した。
Ee=(Ln−Ln’)/Ln×100
ここに、Ee :伸長弾性率
Ln :一定伸び(mm)
Ln’ :残留伸び(mm)
カールマイヤー製の28ゲージのシングルトリコット編機を用い、捲縮発現性合成繊維マルチフィラメントとして、ツイスタータイプの仮撚機で仮撚加工を施した56デシテックス36フィラメントのポリエステル仮撚加工糸を、1枚筬で全通し、かつ1−3/2−0(図1のA参照)の2目編み組織で、該ランナーを270(cm/Rack)、機上コース42(C/Inch)で編成し、生機を得た。
カールマイヤー製の28ゲージのシングルトリコット編機を用い、捲縮発現性合成繊維マルチフィラメントとして、実施例1で用いた56デシテックス36フィラメントのポリエステル仮撚加工糸を、1枚筬で全通し、かつ1−3/2−0(図1のA参照)の2目編み組織で、該ランナーを250(cm/Rack)、機上コース50(C/Inch)で編成し、生機を得た。
カールマイヤー製の32ゲージのシングルトリコット編機を用い、捲縮発現性合成繊維マルチフィラメントとして、実施例1で用いた56デシテックス36フィラメントのポリエステル仮撚加工糸を、1枚筬で全通し、かつ1−3/2−0(図1のA参照)の2目編み組織で、該ランナーを183(cm/Rack)で編成し、生機を得た。
カールマイヤー製の28ゲージのシングルトリコット編機を用い、捲縮発現性合成繊維マルチフィラメントとして、実施例1で用いた56デシテックス36フィラメントのポリエステル仮撚加工糸を、1枚筬で全通し、かつ1−3/2−0(図1のA参照)の2目編み組織で、該ランナーを293(cm/Rack)で編成し、生機を得た。
カールマイヤー製の28ゲージのシングルトリコット編機を用い、捲縮発現性合成繊維マルチフィラメントとして、ツイスタータイプの仮撚機で仮撚加工を施した33デシテックス12フィラメントのポリエステル仮撚加工糸を、フロントの筬およびバックの筬に全通し、かつフロントの組織を1−0/1−2/2−3/2−1、バックの組織を2−3/2−1/1−0/1−2とするアトラス組織で、該フロントおよびバックのランナーを115(cm/Rack)、機上コース60(C/Inch)で編成し、生機を得た。
カールマイヤー製の32ゲージのシングルトリコット編機を用い、捲縮発現性合成繊維マルチフィラメントとして、実施例1で用いた56デシテックス36フィラメントのポリエステル仮撚加工糸を、1筬で全通しし、かつ1−0/2−3のコード組織で、該ランナーを144(cm/Rack)、機上コース64(C/Inch)で編成し、生機を得た。
福原精機製作所製の28ゲージダブル丸編機を用い、捲縮発現性合成繊維マルチフィラメントとして、実施例1で用いた56デシテックス36フィラメントのポリエステル仮撚加工糸をスムース組織で編成し、この生機を通常の染色加工仕上げに従い、精練、130℃染色、170℃で仕上げセットを実施し、製品の密度42ウエル、58コース、目付105g/m2の製品生地とした。
Claims (7)
- 捲縮発現性合成繊維マルチフィラメントを2針オーバーラップしたシングル二目編組織で編成した経編地であって、該経編地のウエルとコースの積Kが下記式(1)の範囲を満たしている、巴布剤用基布。
1500<K<3800・・・・・・・・・・(1) - 前記捲縮発現性合成繊維マルチフィラメントは、捲縮加工が施されている合成繊維マルチフィラメントである、請求項1に記載の巴布剤用基布。
- 前記捲縮発現性合成繊維マルチフィラメントは、繊度が20デシテックス以上、100デシテックス以下である、請求項1または2に記載の巴布剤用基布。
- 前記経編地を分解して取り出した96コース分の捲縮発現性合成繊維マルチフィラメントの長さが35cm以上、65cm以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の巴布剤用基布。
- 前記経編地の目付けが50g/m2以上、200g/m2以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の巴布剤用基布。
- JIS−L−1018による2.5cm幅当たりの9.8Nの荷重で測定したタテ方向およびヨコ方向の定荷重時伸び率が、50%以上、180%以下、およびJIS−L−1018のA法(定伸長法)により測定したタテ方向およびヨコ方向の50%伸長時の伸長弾性率が70%以上、98%以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の巴布剤用基布。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の巴布剤用基布を用いた巴布剤。
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