JP5298800B2 - 蓄電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、キャパシタに電力を蓄え、必要な時に放電する蓄電装置に関するものである。
近年、環境への配慮から、自動車(以下、車両という)の制動時に発電機で発生する回生電力を蓄え、制動時以外に、蓄えた電力をモータや車両電装品(以下、負荷という)へ供給する制動力回生システムが搭載されている車両(例えばハイブリッド車)がある。これにより、従来捨てていた制動エネルギーを電気エネルギーとして利用できるため、効率が改善され、燃費向上が可能となる。
ここで、制動時に発生する回生電力は大電流、かつ短時間に発生するため、それを蓄えるための蓄電素子には、例えば急速充放電特性に優れ、大容量の電気二重層キャパシタが適する。しかし、一般に電気二重層キャパシタは定格電圧が2〜3V程度と低いため、モータや負荷に回生電力を供給するためには、複数の電気二重層キャパシタを直列に接続して電圧を上げる必要がある。
このような構成とすることにより、高電圧に対応した蓄電装置が得られるが、複数の電気二重層キャパシタは、容量値等の電気特性のバラツキから、使用過程において各電気二重層キャパシタの両端電圧がばらついてくる。これをこのまま放置すれば、両端電圧のバラツキ幅が大きくなり、特定の電気二重層キャパシタのみ両端電圧が定格電圧を超えて劣化し、その寿命が短くなる等の課題が生じる。
そこで、両端電圧のバラツキを抑制し、バランスを保つ(以下、バランス動作という)蓄電装置が、例えば特許文献1に提案されている。このような蓄電装置を図5の基本回路図に示す。
直列接続された複数の蓄電素子(電気二重層キャパシタ)101、102、103、・・・のそれぞれの両端には、スイッチ111、112、113、・・・と抵抗器121、122、123、・・・の直列回路からなる放電回路が接続されている。なお、蓄電素子の個数はn個とした。さらに、図示していないが、各蓄電素子101、102、103、・・・には、それぞれの両端電圧V1、V2、V3、・・・、Vnを検出するための端子電圧検出回路が接続されている。このような蓄電装置は、車両の発電機、モータ、負荷(いずれも図示せず)等と電気的に接続されている。
次に、図5の蓄電装置の動作について説明する。通常は全てのスイッチ111、112、113、・・・がオフになっており、複数の蓄電素子101、102、103、・・・が充放電可能な状態となっている。従って、回生電力が発生すると、複数の蓄電素子101、102、103、・・・に充電され、回生が終了すると、必要に応じて複数の蓄電素子101、102、103、・・・の電力が放電される動作を繰り返す。その結果、両端電圧V1、V2、V3、・・・、Vnはバラツキを生じる。そこで、蓄電素子101、102、103、・・・への充放電電流が停止し、かつ蓄電素子101、102、103、・・・の両端電圧がある場合に、スイッチ111、112、113、・・・をオンにする。その結果、蓄電素子101、102、103、・・・に蓄えられた電力が抵抗器121、122、123、・・・によって放電される。やがて、両端電圧V1、V2、V3、・・・、Vnが実質的に0になれば、次に蓄電装置を使用する際には蓄電素子101、102、103、・・・が均一に放電された状態となり、バランスを保つことができる。その結果、長寿命化が可能となる。
特開2000−261977号公報
上記の蓄電装置によると、確かに長寿命化が得られるのであるが、そのためには蓄電素子101、102、103、・・・への充放電電流が停止し、かつ蓄電素子101、102、103、・・・の両端電圧がある場合に、両端電圧V1、V2、V3、・・・、Vnが実質的に0になるまで放電する必要がある。しかし、車両の使用中は、制動による回生電力が頻繁に発生するため、両端電圧V1、V2、V3、・・・、Vnが実質的に0になるまで放電してバランスを保つことができない。
これに対し、上記従来の技術では、車両の使用を終了した後、例えば夜間に上記のバランス動作を行う旨が記載されている。しかし、車両使用中に両端電圧バランスが崩れ、特定の蓄電素子が定格電圧を超えても、前記バランス動作が行えないという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、使用中であってもバランス動作が可能で、長寿命化を図ることができる蓄電装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の蓄電装置は、直列接続された複数のキャパシタと、前記複数のキャパシタに電気的に接続された充放電回路と、前記各キャパシタに電気的に接続され、前記各キャパシタの両端電圧(Vci、i=1〜n、nは前記キャパシタの個数)を検出する電圧検出回路と、前記各キャパシタに並列接続された放電回路と、前記充放電回路、電圧検出回路、および放電回路と電気的に接続され、相互に異なる任意の第1時刻(t1)と第2時刻(t2)における前記各キャパシタの第1両端電圧(Vci(t1))と第2両端電圧(Vci(t2))を前記電圧検出回路で検出し、前記各第1両端電圧(Vci(t1))と前記各第2両端電圧(Vci(t2))に基いて、前記充放電回路が充電する最大電圧における前記各キャパシタの両端電圧(Vci)が全て実質的に等しくなるように、前記各放電回路の放電期間(ti)を求め、前記キャパシタが充放電中の状態も含め、前記各放電期間(ti)の間、前記各放電回路を動作させる制御回路と、を備えたものである。
本発明の蓄電装置によれば、各第1両端電圧(Vci(t1))と各第2両端電圧(Vci(t2))に基いて、充放電回路が充電する最大電圧における各キャパシタの両端電圧(Vci)が全て実質的に等しくなるようにするための放電期間(ti)を求め、蓄電装置のキャパシタが充放電中であっても放電期間(ti)の間は放電回路を動作させる。これにより、任意のキャパシタが上限電圧(Vmax)に至るまでにバランス動作が可能となる。従って、蓄電装置の使用終了後に各蓄電素子の電圧が0になるように放電してバランス動作を行う従来の構成に比べ、使用中に任意のキャパシタが上限電圧(Vmax)を超えてしまう可能性を低減でき、キャパシタの長寿命化が可能になるという効果が得られる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態では蓄電装置を車両の制動力回生システムに適用した場合について述べる。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態における蓄電装置のブロック回路図である。図2は、本発明の実施の形態における蓄電装置のバランス動作を示すフローチャートである。図3は、本発明の実施の形態における蓄電装置の各キャパシタにおける充電時の両端電圧Vciの経時特性図である。図4は、本発明の実施の形態における蓄電装置の各キャパシタにおける放電時の両端電圧Vciの経時特性図である。なお、図1において、太線は電力系配線を、細線は信号系配線をそれぞれ示す。
図1において、キャパシタ11は複数個が直列に接続されている。本実施の形態では、キャパシタ11として大容量の電気二重層キャパシタを用いた。なお、キャパシタ11は必要な電力仕様に応じて直並列接続としてもよい。この場合は、並列接続部分のキャパシタを1個のキャパシタ11として取り扱うことにより、図1と等価回路になる。従って、各キャパシタ11は1個でもよいし、複数個を並列接続したものでもよいものとして、以下説明する。
各キャパシタ11の両端には、それぞれ放電回路13が並列接続されている。放電回路13は、スイッチ17と、抵抗値Rの放電抵抗器19との直列回路で構成されている。なお、スイッチ17は電界効果トランジスタ(FET)で構成した。ここで、本実施の形態では最も簡単な放電回路13の構成として、スイッチ17と放電抵抗器19の直列回路としたが、これに限定されるものではなく、例えばトランスを用いて、キャパシタ11の電圧を調整できる構成であってもよい。
直列接続された複数のキャパシタ11の一端には、キャパシタ11の全体の充放電を制御するための充放電回路21が電気的に接続されている。本実施の形態では、充放電回路21としてDC/DCコンバータを用いた。また、充放電回路21の一端と複数のキャパシタ11の間には電流検出回路23が電気的に接続されている。電流検出回路23は複数のキャパシタ11の全体に流れる電流Iを検出する。従って、電流検出回路23の位置は、充放電回路21からグランドまでの間で複数のキャパシタ11と直列接続されていれば、図1に示した位置に限定されない。
充放電回路21の他端は、正極端子27に電気的に接続されている。また、直列接続された複数のキャパシタ11の他端は負極端子29に電気的に接続されている。
充放電回路21、放電回路13のスイッチ17、および電流検出回路23は、制御回路33と信号系配線で電気的に接続されている。制御回路33はマイクロコンピュータと、メモリ等の周辺回路から構成されている。また、制御回路33には、各キャパシタ11の両端電圧Vci(以下、iはi=1〜nを意味する変数とし、nは直列接続されたキャパシタ11の個数とする)を検出する電圧検出回路(図示せず)が内蔵されている。従って、各キャパシタ11の両端も制御回路33と信号系配線で電気的に接続されている。
前記電圧検出回路は、図1に示すように、各キャパシタ11の接続点の電圧V1〜Vnを読み込み、各々の差から両端電圧Vciを求めている。すなわち、Vci=Vi+1−Viを求めて、前記マイクロコンピュータに両端電圧Vciを出力している。なお、全キャパシタ11の電圧Vcは、図1に示すように電圧V1と等しいとする。
これらのことから、制御回路33は各キャパシタ11の接続点の電圧Viと、電流検出回路23で検出された電流Iを読み込むとともに、各スイッチ17へのオンオフ信号SWiと、充放電回路21の制御信号contを出力する。さらに、制御回路33は車両用制御回路(図示せず)との間でデータ信号dataによりデータを交信する機能も有している。なお、オンオフ信号SWiによりスイッチ17がオンになると、放電回路13が動作することになる。
以上のように構成される蓄電装置35は、正極端子27が車両の主電源37、発電機39、および負荷41に電気的に接続されるとともに、負極端子29が車両のグランドに接続される。なお、本実施の形態では、主電源37としてバッテリを、発電機39としてオルタネータを、それぞれ用いる構成とした。負荷41は上記した車載電装品である。
次に、このような蓄電装置35の動作について、図2、図3を用いて説明する。なお、図3において、横軸は時刻tを、縦軸はキャパシタ11の両端電圧Vciをそれぞれ示す。
制御回路33のマイクロコンピュータは車両使用中において、図示しないメインルーチンを実行することにより、充放電回路21に制御信号contを出力して、キャパシタ11への充放電を制御している。なお、前記メインルーチンによる充放電制御では、次のような動作を含む。まず、充電については、いずれかの両端電圧Vciが、上限電圧Vmaxに至れば充電を終了するようにしている。ここで、上限電圧Vmaxは、本実施の形態において、キャパシタ11の定格電圧(例えば2.5V)に対しマージンを考慮して2.3Vとした。この値はマイクロコンピュータのメモリに記憶してある。次に、放電については、いずれかの両端電圧Vciが、あらかじめ決定した下限電圧(例えば0V近傍)に至れば放電を終了するようにしている。このように制御することにより、全てのキャパシタ11が過充電や過放電の状態になる可能性を低減している。
このような動作を行いながら、制御回路33は適宜(例えば0.1秒毎)図2のフローチャートに示すバランス動作サブルーチンを実行する。図2のサブルーチンが実行されると、制御回路33は、まず電流検出回路23からキャパシタ11に流れる電流Iを読み込む(ステップ番号S11)。ここで、電流検出回路23は電流Iがキャパシタ11の充電方向に流れている場合が正の値を、放電方向に流れている場合が負の値を、それぞれ出力するように構成されているものとする。
次に、現在の時刻(以下、第1時刻t1という)における各キャパシタ11の第1両端電圧Vci(t1)を前記電圧検出回路により検出する(S15)。なお、図2のサブルーチンは、前記したように適宜実行されるので、第1時刻t1はキャパシタ11の充電中における任意の時刻となる。また、第1両端電圧Vci(t1)のiは変数i(i=1〜n)を示す。
次に、制御回路33は第1両端電圧Vci(t1)の値を、S11で検出した電流Iと、各キャパシタ11の内部抵抗値ri(i=1〜n)で補正する(S16)。具体的には次のようにして補正する。まず、各キャパシタ11に充放電電流Iが流れていると、第1両端電圧Vci(t1)の値は、電流Iによる電圧変化分を含む。この電圧変化は、電流Iと内部抵抗値riの積で求められる。従って、あらかじめマイクロコンピュータに内蔵したメモリに記憶された各キャパシタ11の内部抵抗値riを用いて、次式により前記電圧変化分を補正する。
Vci(t1)=Vci(t1)−I・ri (1)
ここで、(1)式の表記は、右辺で計算した結果を左辺の変数に代入するものとして定義する。従って、(1)式は、前記電圧変化分を補正した結果の値により第1両端電圧Vci(t1)が更新されることを意味する。なお、以後の説明で用いられる他の式や、図2中に記載される判断処理以外の式は、全て同様の定義とする。
また、前記したように電流検出回路23で検出される電流Iは充電時が正、放電時が負の値となる。従って、(1)式により、キャパシタ11の充電時には電圧上昇分を差し引き、放電時には電圧降下分を加える補正を行うことになる。
次に、制御回路33は第1時刻t1から既定期間trが経過したか否かを判断する(S17)。もし、経過していなければ(S17のNo)、再びS17に戻り、既定期間trが経過するまで待つ。ここで、既定期間trの経過を待つのはキャパシタ11の充放電時による電圧変化を求めるためである。従って、既定期間trは長い方が高精度に前記電圧変化が得られるが、上記したように、図2のサブルーチンは0.1秒毎に実行されるので、それよりも短くする必要がある。そこで、本実施の形態では既定期間trを0.05秒と決定した。この値はあらかじめ制御回路33のマイクロコンピュータに内蔵されたメモリに記憶してある。
既定期間trが経過すると(S17のYes)、再び電流検出回路23からキャパシタ11に流れる電流Iを読み込む(S19)。次に、第1時刻t1から既定期間trが経過した第2時刻t2における各キャパシタ11の第2両端電圧Vci(t2)を前記電圧検出回路により検出する(S21)。なお、第2両端電圧Vci(t2)のiも、第1両端電圧Vci(t1)のiと同様に、変数i(i=1〜n)を示す。また、ここまでの動作から、既定期間trは第1時刻t1と第2時刻t2の差の絶対値であることがわかる。
次に、制御回路33は、S16と同様にして第2両端電圧Vci(t2)の値を補正する(S23)。この時の補正式は(2)式のようになる。
Vci(t2)=Vci(t2)−I・ri (2)
次に、制御回路33は、各キャパシタ11の第1両端電圧Vci(t1)と第2両端電圧Vci(t2)の値を順次比較する(S25)。もし、両者の値が1組でも実質的に等しければ(S25のYes)、後述する推定両端電圧Vcimaxの計算が正しく行われない。従って、放電回路13において、すでにオンになっているスイッチ17の中で、放電期間tiが経過したものをオフにする動作を行うために、後述するS51にジャンプする。なお、実質的に等しいとは、前記電圧検出回路や電流検出回路23の測定誤差と、マイクロコンピュータの計算誤差等を総合した全誤差範囲内で等しいという意味であると定義する。
一方、各キャパシタ11の第1両端電圧Vci(t1)と第2両端電圧Vci(t2)の値が実質的に等しくなく、それぞれ異なれば(S25のNo)、制御回路33は、各キャパシタ11の容量値Ci(i=1〜n)を求める(S27)。容量値Ciは、第2時刻t2における電流Iを用いて求めている。具体的には、電流Iを既定期間trにおける各キャパシタ11の前記電圧変化で除することにより、容量値Ciを求めている。これは、図3の太実線で示したように、第1時刻t1と第2時刻t2における各キャパシタ11の第1両端電圧Vci(t1)と第2両端電圧Vci(t2)の電圧変化、すなわち第1座標(t1、Vci(t1))と第2座標(t2、Vci(t2))を通る直線の傾きが、容量値Ciと反比例する関係に基く。図3の場合は、キャパシタ11が3個の場合を示しているが、傾きが最も大きいもの(i=1)のキャパシタ11が3個中で最も容量値C1が小さく、傾きが最も小さいもの(i=2)のキャパシタ11が最も容量値C2が大きくなる。なお、図3では第1両端電圧Vci(t1)より第2両端電圧Vci(t2)の方が大きいので、キャパシタ11が充電中であることがわかる。以下の説明では、各キャパシタ11が充電中の場合について説明する。
容量値Ciの具体的な計算は次のようになる。傾きを示す前記電圧変化は(Vci(t2)−Vci(t1))/trであるので、容量値Ciは次式のようになる。
Ci=I・tr/(Vci(t2)−Vci(t1)) (3)
ここで、図2のS27に戻り、(3)式を用いて、i=1〜nの範囲で容量値Ciを計算した後は、現在(第2時刻t2)の各キャパシタ11の第2両端電圧Vci(t2)が上限電圧Vmaxに至るまでに蓄えられる電荷量Qi(i=1〜n)を計算する(S29)。これを図3により説明すると、次のようになる。太実線で示した傾きのまま、各キャパシタ11が充電されると、第2時刻t2以降は、太点線で示したように両端電圧Vciが上昇していく。これらの太点線、すなわち第1座標(t1、Vci(t1))と第2座標(t2、Vci(t2))を通る直線は、i=3のキャパシタ11が時刻t3で、i=1のキャパシタ11が時刻t4で、i=2のキャパシタ11が時刻t5で、それぞれ上限電圧Vmaxと交差する。従って、図2のS29では、それぞれのキャパシタ11の両端電圧Vciが、第2時刻t2から上限電圧Vmaxに至るまでに蓄えられる電荷量Qiを求めることになる。なお、上限電圧Vmaxは、上記した通り、本実施の形態では2.3Vである。
電荷量Qiは次のようにして求める。第2時刻t2における各キャパシタ11の第2両端電圧Vci(t2)が上限電圧Vmaxに至るまでの電荷量Qiは、上限電圧Vmaxと第2両端電圧Vci(t2)の電圧差に容量値Ciを乗じることにより求められる。すなわち、
Qi=Ci・(Vmax−Vci(t2)) (4)
を計算することで得られる。
次に、求めた電荷量Qiの内、最大電荷量Qmaxを求める(図2のS31)。最大電荷量Qmaxのキャパシタ11は、容量値Ciが大きいか、または、そのキャパシタ11の両端電圧Vciが低いために、上限電圧Vmaxに至るまでに時間がかかる。図3の例では、容量値Ciの一番大きいi=2のキャパシタ11が最も遅くに上限電圧Vmaxに達しているので、このキャパシタ11が最大電荷量Qmaxを有する。なお、第2時刻t2から最大電荷量Qmaxを有するキャパシタ11が上限電圧Vmaxに達する時刻t5までの時刻差の絶対値を最大期間tkと呼ぶ。ここで、最大期間tkは第2時刻t2からの期間としたが、既定期間trが既知のため、第1時刻t1からの期間としてもよい。
ここで図2に戻り、各キャパシタ11を、S31で求めた最大電荷量Qmaxまで充電したと仮定した時の推定両端電圧Vcimax(i=1〜n)を求める(S33)。この推定両端電圧Vcimaxは、図3において、各キャパシタ11の太点線を最大期間tkが経過した後の時刻(ここでは時刻t5)まで外挿した時の両端電圧Vciに相当する。具体的には、最大電荷量Qmaxと、図2のS27で求めた容量値Ciを用いて、次式を計算することで得られる。
Vcimax=Qmax/Ci+Vci(t2) (5)
なお、最大電荷量Qmaxを有するキャパシタ11の推定両端電圧Vcimaxは上限電圧Vmaxと等しくなる。図3の場合では、i=2のキャパシタ11の推定両端電圧Vc2maxが上限電圧Vmaxと等しくなる。
次に、制御回路33は、推定両端電圧Vcimaxを上限電圧Vmaxと実質的に等しくするための、各放電回路13による放電期間tiを計算する(図2のS35)。
このようなS35の動作により、全てのキャパシタ11の推定両端電圧Vcimaxが上限電圧Vmaxになるまで、キャパシタ11を放電回路13で放電することができる。図3の場合では、i=1、3のキャパシタ11において、推定両端電圧Vc1maxとVc3maxが、それぞれ上限電圧Vmaxに至るまで放電することになる。
ここで、各放電期間tiは第2時刻t2の時点で計算されるが、以上までで説明した図2のS21からS35までの計算は四則演算のみのため、極めて高速に計算が完了する。従って、S35の計算完了時刻は、第2時刻t2とほとんど同じである。ゆえに、実質的には、各キャパシタ11の両端電圧Vciが上限電圧Vmaxに達する前の第2時刻t2から、放電期間tiの間、放電回路13により放電する動作を行うことが可能となる。その結果、各キャパシタ11の両端電圧Vciを上限電圧Vmaxに揃えることができる。
このような動作により、各キャパシタ11の両端電圧Vciが上限電圧Vmaxを超えてしまい、過電圧に至る可能性を低減することができる。さらに、許容される最も高い電圧(上限電圧Vmax)で各キャパシタ11の電圧バランスを取ることになるので、キャパシタ11の蓄電能力をフルに活かした状態で電圧バランスが取れ、キャパシタ11の利用効率が向上する。
ここで、図2のS35において、放電期間tiの求め方を具体的に説明する。各キャパシタ11の両端には抵抗値Rの放電抵抗器19がスイッチ17を介して接続されている。バランス動作を行う場合は、スイッチ17をオンにするので、これにより、キャパシタ11が放電抵抗器19により放電され、その両端電圧Vciは低下していく。従って、図1の回路構成では各キャパシタ11の両端電圧Vciを下げることによって電圧バランスを取ることができる。ここで、図3で説明したように、キャパシタ11は充電中であるので、第2時刻t2から最大期間tkが経過した後の時刻t5における各推定両端電圧Vcimaxが、上限電圧Vmaxに至るように放電する。ゆえに、制御回路33は、両者の電圧が実質的に等しくなるまでの放電期間tiの間、放電回路13を動作させることになる。従って、放電期間tiは次のようにして求められる。
放電期間tiの間に放電される電荷量をQ、その時に各放電抵抗器19に流れる電流をIci(t)とすると、
Q=∫Ici(t)dt=Ci・ΔVci (6)
となる。ここで、ΔVci=Vcimax−Vmaxである。また、積分範囲は0からti(放電期間)である。また、電流Ici(t)は時刻tの関数である。
ここで、推定両端電圧Vcimaxは放電により経時的に低下するので、時刻tの関数Vcimax(t)となる。この推定両端電圧関数Vcimax(t)の厳密解は指数関数となり、計算が複雑になる。そこで、図2のバランス動作サブルーチンは上記したように0.1秒毎と極めて短い時間間隔で実行され、放電期間tiが更新されるので、その時間間隔において電流Ici(t)は時刻によらず一定値Iciであると近似する。これにより、(6)式は、
Q=Ici・ti=Ci・ΔVci (7)
となる。
一方、図1よりスイッチ17がオンになると、キャパシタ11と放電抵抗器19は並列に接続される。また、放電抵抗器19の抵抗値はRで一定である。従って、電流Iciはオームの法則により、
Ici=Vci(t2)/R (8)
となる。よって、(7)式と(8)式から、放電期間tiは(9)式のようになる。
ti=Ci・R・(Vcimax−Vmax)/Vci(t2) (9)
従って、図2のS21で求めた第2両端電圧Vci(t2)、S33で求めた各キャパシタ11の推定両端電圧Vcimax、S27で求めた容量値Ci、抵抗値R(既知の値として制御回路33のメモリに記憶してある)、上限電圧Vmax(=2.3V)、および上記(9)式を用いて、放電期間tiを計算することができる。これを全てのキャパシタ11に対して計算する(以上、S35)。ここで、放電期間tiは必要十分な精度として1秒単位となるように決定している。このような精度とすることにより、実際に前記厳密解で解いた放電期間tiと比較しても、両者の差がほとんどなくなることを確認した。従って、(9)式に示した近似式でも十分な精度が得られ、かつ簡単高速に放電期間tiを計算できる。
次に、制御回路33は変数iに1を代入する(S37)。これにより、変数iを初期値(=1)に設定したことになる。次に、カウンタをリセットする(S39)。ここで、カウンタとは1秒を計測するためのもので、制御回路33が1秒経過する毎に、割り込み処理により、内蔵されたメモリの変数カウンタの値を1ずつ加算している。従って、S39でカウンタをリセットすると、その時点からカウントが開始されることになる。
その後、制御回路33は、放電期間tiが0であるか否かを判断する(S41)。ここで、もし放電期間tiが0ならば(S41のYes)、(9)式より明らかなように、i番目のキャパシタ11の推定両端電圧Vcimaxは上限電圧Vmaxであることになる。ゆえに、i番目のキャパシタ11のバランス動作を行う必要はないため、i番目のスイッチ17をオフにする(S43)。なお、蓄電装置35の状況(例えば長期間に渡りゆっくりと充電が行われている状態)によっては、キャパシタ11のバランス動作が進行し、複数のキャパシタ11が上限電圧Vmaxとなっている場合もある。この場合は、S41から後述するS49までのルーチンを繰り返し実行することにより、それら全てのキャパシタ11に対してスイッチ17がオフになる。S43の後は後述するS47にジャンプする。
一方、放電期間tiが0でなければ(S41のNo)、i番目のキャパシタ11の電圧バランスを取るために、i番目のスイッチ17をオンにする(S45)。次に、変数iの値を1だけ加算して(S47)、n+1と等しくなったか否かを判断する(S49)。もし、等しくなければ(S49のNo)、全てのキャパシタ11についてスイッチ17のオンまたはオフの動作が終わっていないので、S41に戻り、以降の動作を繰り返す。変数iがn+1と等しくなれば(S49のYes)、全キャパシタ11についてスイッチ17のオンまたはオフの動作が終了したので、図2のサブルーチンを終了する。
ここで、上記したように、図2のサブルーチンは制御回路33により適宜実行されるので、制御回路33は、スイッチ17のいずれかがオンの状態であっても、キャパシタ11が充電中であれば、放電期間tiを更新する。これにより、キャパシタ11の最新の状態に応じた放電期間tiが決定できるので、高精度なバランス動作が可能となる。
さらに、従来はキャパシタ11への充放電が停止している時にバランス動作を行っていたが、本実施の形態では車両の使用中で充放電が行われていても、各放電期間tiの間はバランスの取れていないキャパシタ11のスイッチ17をオンにし続けるので、任意のキャパシタ11が過放電になる可能性を低減でき、さらなる長寿命化を図ることができる。なお、充放電中はキャパシタ11に充放電電流が流れるが、バランス動作中でスイッチ17がオンのキャパシタ11については、充電電流が流れている時は、その一部が放電回路13に流れるので、その分、実際にキャパシタ11に充電される電力を抑制できる。また、放電電流が流れている時は、その一部が放電回路13を流れるので、その分、実際にキャパシタ11から放電される電力を抑制できる。従って、キャパシタ11の充放電中であっても、両端電圧Vciの変化を低減することができ、バランスを取ることが可能となる。
ここまでで説明した図2の主要な動作をまとめると、次のようになる。まず、制御回路33は、任意の第1時刻t1における各キャパシタ11の第1両端電圧Vci(t1)を前記電圧検出回路で検出する。次に、第1時刻t1から既定期間trが経過した第2時刻t2における各キャパシタ11の第2両端電圧Vci(t2)を前記電圧検出回路で検出する。こうして求めた各キャパシタ11の第1両端電圧Vci(t1)と第2両端電圧Vci(t2)がそれぞれ異なる場合に、各キャパシタ11における第1座標(t1、Vci(t1))と第2座標(t2、Vci(t2))を通る直線がキャパシタ11の上限電圧Vmaxと交差する際の各時刻と、第1時刻t1、または第2時刻t2のいずれか、との差の絶対値の中で、最大値を有する最大期間tkを求める。次に、ここではキャパシタ11が充電時であるので、最大期間tkの経過後における各キャパシタ11の推定両端電圧Vcimaxを(5)式より求める。次に、それぞれの推定両端電圧Vcimaxを上限電圧Vmaxと実質的に等しくするための、各放電回路13による放電期間tiを(9)式より計算する。この放電期間tiについては、換言すると、相互に異なる任意の第1時刻t1と第2時刻t2における各キャパシタ11の第1両端電圧Vci(t1)と第2両端電圧Vci(t2)に基いて、充放電回路21が充電する最大電圧(=2.3V×n個)における各キャパシタ11の両端電圧Vciが全て実質的に等しくなる、すなわち上限電圧Vmaxになるように、あらかじめ求められることになる。こうして得られた各放電期間tiの間、キャパシタ11が充放電中の状態も含め、各放電回路13を動作させるように制御している。
次に、図2のサブルーチンを実行した時に、いずれかのキャパシタ11の第1両端電圧Vci(t1)と第2両端電圧Vci(t2)が実質的に等しかった場合(S25のYes)について説明する。この場合は、上記したように放電期間tiを正しく計算できないので、既にオンとなっているスイッチ17について、各放電期間tiが経過していればオフにする動作のみを行う。
具体的には、まず、制御回路33は変数iに1を代入する(S51)。次に、カウンタの値より、i番目のキャパシタ11における放電期間tiが経過したか否かを判断する(S53)。なお、カウンタの値は前記したS37で放電期間tiが決定した時にリセットされており、さらに上記したように1秒毎にカウンタの値が1ずつ加算されるので、S53ではカウンタの値が放電期間tiに至ったか否かを判断すればよい。
もし、放電期間tiが経過していなければ(S53のNo)、後述するS57にジャンプして、i番目のスイッチ17をオンのままとする。これにより、引き続きi番目の放電回路13を動作させる。一方、経過していれば(S53のYes)、i番目のキャパシタ11の電圧バランスが取れたことになるので、i番目のスイッチ17をオフにする(S55)。これにより、i番目の放電回路13の動作が停止する。次に、変数iの値を1だけ加算して(S57)、n+1と等しくなったか否かを判断する(S59)。もし、等しくなければ(S59のNo)、全てのキャパシタ11について放電期間tiが経過したか否かを判断し終わっていないので、S53に戻り、以降の動作を繰り返す。変数iがn+1と等しくなれば(S59のYes)、全キャパシタ11の放電期間tiの経過判断が終了したので、図2のサブルーチンを終了する。
以上の構成、動作により、各キャパシタ11の推定両端電圧Vcimaxの内、上限電圧Vmaxに達するまでに最大期間tkが必要なキャパシタ11に合わせて、その他のキャパシタ11における推定両端電圧Vcimaxの、上限電圧Vmaxからの超過分を放電回路13で放電するように放電期間tiを求め、蓄電装置35のキャパシタ11が充放電中であっても放電期間tiの間は放電回路13を動作させるので、任意のキャパシタ11が上限電圧Vmaxに至るまでにバランス動作を行うことが可能となり、キャパシタ11の長寿命化が可能な蓄電装置が実現できる。
なお、本実施の形態では、推定両端電圧Vcimaxを計算する際に、各キャパシタ11の容量値Ciを用いて、第2両端電圧Vci(t2)が上限電圧Vmaxに至るまでに、各キャパシタ11に蓄えられる電荷量Qiを求め、その内の最大電荷量Qmaxから、推定両端電圧Vcimaxを求めているが、これに限定されるものではなく、例えば図3の線形関数により求めてもよい。この場合は、図3において、第1座標(t1、Vci(t1))と第2座標(t2、Vci(t2))を通る直線から、時刻t5における推定両端電圧Vcimaxを求めることになる。具体的に推定両端電圧Vcimaxを求めると、次のようになる。
まず、各キャパシタ11の直線の傾きΔiを次式で求める。
Δi=(Vci(t2)−Vci(t1))/tr (10)
ここで、既定期間trは、上記したようにtr=t2−t1である。
次に、第1座標(t1、Vci(t1))の値を用いて、直線の切片biを求める。切片biは次式で求められる。
bi=Vci(t1)−Δi・t1 (11)
従って、図3における時刻tと両端電圧Vciの関係を示す直線式は次のようになる。
Vci=Δi・t+bi (12)
次に、最大電荷量Qmaxを有するキャパシタ11を求めるために、(12)式の両端電圧Vciに上限電圧Vmaxを代入して、各キャパシタ11が上限電圧Vmaxに至る時刻tを計算する。具体的には、(12)式を変形して、
t=(Vmax−bi)/Δi (13)
から求める。その結果、図3により、i=1のキャパシタ11は時刻t4で、i=2のキャパシタ11は時刻t5で、i=3のキャパシタ11は時刻t3で、それぞれ上限電圧Vmaxに至る。従って、時刻t5が最も遅いので、i=2のキャパシタ11が最大電荷量Qmaxを有すると求められる。得られた時刻t5から、最大期間tkは、tk=t5−t2により求められる。これを変形すると、t5=t2+tkとなる。
次に、時刻t5における推定両端電圧Vcimaxは、(12)式で示される直線式の時刻tにt5を代入して、
Vcimax=Δi・t5+bi
=Δi・(t2+tk)+bi (14)
より求められる。
以上のようにして、推定両端電圧Vcimaxを計算してもよい。この計算をまとめると、次のようになる。まず、各キャパシタ11に対し、第1座標(t1、Vci(t1))と第2座標(t2、Vci(t2))を通る直線の傾きΔiを(10)式から、切片biを(11)式から求める。これにより、(12)式の直線式が求められる。次に、第1時刻t1、または第2時刻t2のいずれか(ここでは第2時刻t2を用いた)と、最大期間tk、傾きΔi、および切片biに基いて、(12)式の直線式から推定両端電圧Vcimaxを求める。
なお、直線式から推定両端電圧Vcimaxを求める場合は、放電期間tiを計算する時に各キャパシタ11の容量値Ciが求められていないので、(3)式により計算しておくか、あらかじめ測定してメモリに記憶した各キャパシタ11の容量値Ciを用いればよい。
また、ここでは最大期間tkを第2時刻t2と時刻t5の差の絶対値としているが、これは第1時刻t1と時刻t5の差の絶対値として定義してもよい。この場合、第1時刻t1と第2時刻t2の間の既定期間trは既知の一定値であるので、どちらの絶対値を用いても推定両端電圧Vcimaxの値は同じである。
ここで、最大電荷量Qmaxから推定両端電圧Vcimaxを計算する場合と、(12)式の直線式から推定両端電圧Vcimaxを計算する場合を比較する。前者の場合は、(3)式から(5)式によって計算されるが、この時にマイクロコンピュータにとって最も計算時間がかかる割り算の回数は、キャパシタ11の1個当たり、(3)式と(5)式にそれぞれ1回ずつ、計2回となる。これに対し、後者の場合も、(10)式と(13)式でそれぞれ1回ずつ、計2回となる。ゆえに、どちらの方法で計算しても、割り算の回数は2回となるため、推定両端電圧Vcimaxを求めるために要する時間はほとんど同じである。
しかし、最終的には放電期間tiを計算する必要があり、そのためには、上記したように各キャパシタ11の容量値Ciを求めておく必要がある。ここで、図2のフローチャートによる計算では、S27の時点で既に容量値Ciが求められているが、図3の線形関数から推定両端電圧Vcimaxを求めた場合は、容量値Ciを計算しなければならない。容量値Ciの計算は(3)式から明らかなように割り算を1回含む。従って、図3の線形関数を基に放電期間tiを計算すると、割り算を1回多く実行する必要があることがわかる。
このことから、キャパシタ11の数量が少ない構成であれば、図2のフローチャートでも図3の線形関数を利用しても、放電期間tiの計算時間に大きな差は生じないため、どちらの方法で計算してもよい。しかし、キャパシタ11の数量が多い構成であれば、図2のフローチャートにより放電期間tiを求めた方が、早く計算が完了するので、放電期間tiを計算してから、実際にスイッチ17をオンにするまでのずれが小さくなる。従って、より正確にバランス動作を行うことが可能となるため、図2のフローチャートにより放電期間tiを求める方が望ましい。
なお、上記したように、容量値Ciをあらかじめ測定してメモリに記憶しておけば、図3の線形関数を利用する方法でも容量値Ciを計算する必要がなくなる。しかし、図2のフローチャートにおいて、容量値Ciを計算するS27も不要になるので、計算速度の優位性は図2のフローチャートによるものの方が高い。
また、本実施の形態では、キャパシタ11の充電時に推定両端電圧Vcimaxを求めて、放電期間tiを計算する例を示したが、これはキャパシタ11の放電時であってもよい。放電時の場合の両端電圧Vciの経時特性図を図4に示す。なお、図4の横軸は時刻tを、縦軸は両端電圧Vciを、それぞれ示す。
キャパシタ11が主電源37や負荷41に対して放電中であるので、図4において、任意の第1時刻t1で測定した第1両端電圧Vci(t1)は、既定期間trが経過した第2時刻t2における第2両端電圧Vci(t2)より大きい。従って、第1座標(t1、Vci(t1))と第2座標(t2、Vci(t2))を通る直線が上限電圧Vmaxと交差する際の時刻t3〜t5は、第1時刻t1よりも前になる。そこで、放電時の場合は放電による前記直線を用いて、各キャパシタ11が上限電圧Vmaxから放電されたと想定した時の時刻t3〜t5を求めて、時刻t3〜t5と第1時刻t1との差の絶対値の内の最大値から、最大期間tkを求めるようにしている。図4の例では、i=2のキャパシタ11が最も前記直線の傾きが小さいので、時刻t5と第1時刻t1との差の絶対値が最大となる。従って、最大期間tkは、tk=t1−t5となる。これを変形すると、時刻t5は、t5=t1−tkとなる。ゆえに、時刻t5は時刻t1から最大期間tkの経過前の時刻であることに相当する。この時刻t5において、図3の場合と同様に、各キャパシタ11の推定両端電圧Vcimaxを求めることで、放電期間tiを計算することができる。
具体的な放電期間tiの計算方法は、図2のフローチャートによるもの、または図3の線形関数によるものと同じである。但し、放電時であるので、電流Iや傾きΔi、最小傾きΔminは負の値となるが、そのまま各式に代入して計算すれば、時刻t5における推定両端電圧Vcimaxを得ることができる。
なお、ここでは最大期間tkが第1時刻t1を基準として求められているが、これは第2時刻t2を基準としてもよい。
また、本実施の形態では、制御回路33は、図2のS23で第1両端電圧Vci(t1)と第2両端電圧Vci(t2)の値を、電流Iと各キャパシタ11の内部抵抗値riで補正しているが、これは充放電時の電流Iが常に小さい範囲で蓄電装置35が使用され、内部抵抗値riによる電圧上昇がほとんど無視できる場合は、前記補正を特に行わなくてもよい。
ここで、上記したように、容量値Ciをあらかじめ測定してメモリに記憶しておき、かつ、第1両端電圧Vci(t1)と第2両端電圧Vci(t2)の値を補正しない場合は、電流Iを検出する必要がない。従って、このような構成、動作の場合は電流検出回路23を設けなくてもよい。
また、本実施の形態では、制御回路33は、放電回路13のいずれかが動作している状態であっても、キャパシタ11が充放電中であれば、最短で0.1秒毎に放電期間tiを更新しているが、このような動作に限定されるものではなく、例えばキャパシタ11の充放電頻度や電圧変動が少ない用途など、比較的電圧バランスが崩れにくい場合、充電中に一度放電期間tiを決定すれば、次に充電が開始されるまで更新を行わないようにしてもよい。
また、本実施の形態では、充放電回路21と電流検出回路23を別体構成としたが、これは、電流検出回路23を充放電回路21に内蔵した構成としてもよい。
また、本実施の形態においてキャパシタ11には電気二重層キャパシタを用いたが、これは電気化学キャパシタ等の他のキャパシタでもよい。
また、本実施の形態において蓄電装置を車両の制動力回生システムに適用した場合について述べたが、それらに限らず、車両用以外の非常用補助電源等の、キャパシタを複数直列に接続し充放電を行うものであれば適用できる。
本発明にかかる蓄電装置は使用中であっても高精度にキャパシタの電圧バランスを取ることができるため、特にキャパシタに電力を蓄え、必要な時に放電する蓄電装置等として有用である。
本発明の実施の形態における蓄電装置のブロック回路図 本発明の実施の形態における蓄電装置のバランス動作を示すフローチャート 本発明の実施の形態における蓄電装置の各キャパシタにおける充電時の両端電圧Vciの経時特性図 本発明の実施の形態における蓄電装置の各キャパシタにおける放電時の両端電圧Vciの経時特性図 従来の蓄電装置の基本回路図
符号の説明
11 キャパシタ
13 放電回路
17 スイッチ
19 放電抵抗器
21 充放電回路
23 電流検出回路
33 制御回路
35 蓄電装置

Claims (7)

  1. 直列接続された複数のキャパシタと、
    前記複数のキャパシタに電気的に接続された充放電回路と、
    前記各キャパシタに電気的に接続され、前記各キャパシタの両端電圧(Vci、i=1〜n、nは前記キャパシタの個数)を検出する電圧検出回路と、
    前記各キャパシタに並列接続された放電回路と、
    前記充放電回路、電圧検出回路、および放電回路と電気的に接続され、
    相互に異なる任意の第1時刻(t1)と第2時刻(t2)における前記各キャパシタの第1両端電圧(Vci(t1))と第2両端電圧(Vci(t2))を前記電圧検出回路で検出し、
    前記各第1両端電圧(Vci(t1))と前記各第2両端電圧(Vci(t2))に基いて、前記充放電回路が充電する最大電圧における前記各キャパシタの両端電圧(Vci)が全て実質的に等しくなるように、前記各放電回路の放電期間(ti)を求め、前記キャパシタが充放電中の状態も含め、前記各放電期間(ti)の間、前記各放電回路を動作させる制御回路と、を備えた蓄電装置。
  2. 前記制御回路は、前記各キャパシタの前記第1両端電圧(Vci(t1))と前記第2両端電圧(Vci(t2))がそれぞれ異なる場合に、
    前記各キャパシタにおける第1座標(t1、Vci(t1))と第2座標(t2、Vci(t2))を通る直線が前記キャパシタの上限電圧(Vmax)と交差する際の各時刻と、前記第1時刻(t1)、または前記第2時刻(t2)のいずれか、との差の絶対値の中で、最大値を有する最大期間(tk)を求め、
    前記キャパシタの充電時には前記最大期間(tk)の経過後、放電時には前記最大期間(tk)の経過前における前記各キャパシタの推定両端電圧(Vcimax)を求め、
    それぞれの前記推定両端電圧(Vcimax)を前記上限電圧(Vmax)と実質的に等しくするための前記各放電期間(ti)を計算するようにした請求項1に記載の蓄電装置。
  3. 前記制御回路は、前記放電回路のいずれかが動作している状態であっても、前記キャパシタが充放電中であれば、前記放電期間(ti)を更新するようにした請求項1に記載の蓄電装置。
  4. 前記複数のキャパシタに直列接続され、前記複数のキャパシタに流れる電流(I)を検出し、前記制御回路に出力する電流検出回路を、さらに備え、
    前記制御回路は、前記第1両端電圧(Vci(t1))と前記第2両端電圧(Vci(t2))の値を、前記電流検出回路で検出された前記電流(I)と前記各キャパシタの内部抵抗値(ri)で補正するようにした請求項1に記載の蓄電装置。
  5. 前記複数のキャパシタに直列接続され、前記複数のキャパシタに流れる電流(I)を検出し、前記制御回路に出力する電流検出回路を、さらに備え、
    前記制御回路は、前記電流検出回路で検出された前記電流(I)、前記第1時刻(t1)と前記第2時刻(t2)の差の絶対値である既定期間(tr)、前記第1両端電圧(Vci(t1))、および前記第2両端電圧(Vci(t2))から、前記各キャパシタの容量値(Ci)を求め、
    前記容量値(Ci)を用いて、前記第2両端電圧(Vci(t2))が前記上限電圧(Vmax)に至るまでに、前記各キャパシタに蓄えられる電荷量(Qi)を求め、その内の最大電荷量(Qmax)から、前記推定両端電圧(Vcimax)を求めるようにした請求項2に記載の蓄電装置。
  6. 前記制御回路は、前記各キャパシタに対し、前記第1座標(t1、Vci(t1))と前記第2座標(t2、Vci(t2))を通る直線の傾き(Δi)と切片(bi)から直線式を求め、前記第1時刻(t1)、または前記第2時刻(t2)のいずれかと、前記最大期間(tk)、傾き(Δi)、および前記切片(bi)に基いて、前記直線式から前記推定両端電圧(Vcimax)を求めるようにした請求項2に記載の蓄電装置。
  7. 前記放電回路は、放電抵抗器とスイッチの直列回路で構成され、
    前記スイッチは前記制御回路により制御されるように電気的に接続された請求項1に記載の蓄電装置。
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