JP5298534B2 - アクション機構 - Google Patents

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Description

本発明は、押鍵操作に伴って動作し、ハンマに設けられたハンマローラを介してハンマを回動さて発音部材を打撃させることが可能なアクション機構に関する。
従来、下記特許文献1に示されるように、アコースティックピアノは、鍵の押鍵操作に連動して動作するアクション機構を鍵毎に備えている。
図4は、従来のアコースティックグランドピアノの1つのアクション機構の側面図である。このアクション機構は、鍵30の押鍵操作によってハンマ11を回動飛翔させ、ハンマ11が発音部材である弦19を打撃して発音させるものである。同図において、奏者側(右側)が前側である。
鍵30の後端部上面には、キャプスタンスクリュ4が植設されている。鍵30の後端部上部には、バックチェック35が設けられる。
このアクション機構は、ウィッペン5、ジャック6、レペティションレバー8等を主に備える。ウィッペン5は、その後端部5aの回動支点23が、サポートレール3に固定されたサポートフレンジ2に軸支され、自由端である前端5bが、回動支点23を中心として上下方向に回動自在にされている。ウィッペン5の回動支点23側の上面には、ハンマシャンクストップフェルト20が配設される。ウィッペン5の前半部上部には、スプーン33が突設されている。
ウィッペン5の前後方向中央においてレペティションレバーフレンジ7が上方に突設される。レペティションレバー8は、レペティションレバーフレンジ7の上端部の回動支点7aを中心に、同図時計及び反時計方向に回動自在に支持される。ジャック6は、略上方に延びた垂直部6aと略水平方向前方に延びたジャック小6bとを有して側面視略L字形を呈する。ジャック6は、ウィッペン5の前端5bの回動支点36に、同図時計及び反時計方向に回動自在に配設される。
ジャック6は、ジャックボタンスクリュ32と、ジャックボタンスクリュ32の後端部に設けられたジャックボタン31とを有している。非押鍵状態(離鍵状態)においては、スプーン33にジャックボタン31が当接して、ジャック6の初期位置が規制され、その初期位置は、ジャックボタンスクリュ32で調節することができる。
このアクション機構にはまた、シャンクレール10にシャンクフレンジ9が固定的にされている。レギュレーティングボタン25が、シャンクレール10に取り付けられたレギュレティングレール100に対して高さ調節自在に設けられている。シャンクフレンジ9の下部には、レペティションスクリュ34が設けられている。
ハンマ11は、レペティションレバー8の上方に配設される。ハンマ11のハンマシャンク16の前端である一端が、シャンクフレンジ9に対して、回動中心13を中心として上下方向に回動自在に枢支され、ハンマシャンク16の後端である自由端にハンマウッド17が取付けられている。このハンマウッド17の上端にハンマフェルト18が取り付けられている。ハンマシャンク16の一端近傍にハンマローラ14が設けられる。
レペティションレバーフレンジ7からは、レペティションレバースプリング12が二股に延設され、その下側のジャック付勢部12aがジャック6との間に懸架され、上側のレペティション付勢部12bがレペティションレバー8との間に懸架されている。ジャック6は、ジャック付勢部12aによって反時計方向に常に付勢されている。
非押鍵状態において、レペティションレバー8は、レペティション付勢部12bから反時計方向の回動習性が付与されることにより、その前端部上面にてハンマローラ14を下方より受け止め、該ハンマ11を初期位置に規制する。一方、レペティションレバー8の後端部にはレペティションレバーボタン15が高さ調整自在に配設されている。このボタン15はウィッペン5の後端部5aの上面に当接し、これによってレペティションレバー8の反時計方向への回動が規制され、レペティションレバー8が初期位置に規制される。
レペティションレバー8の前端部には、長孔21が形成されている。ジャック6の垂直部6aが長孔21内に挿通され、垂直部6aの頂端面22がレペティションレバー8の上面とほぼ面一になっている。
かかる構成において、非押鍵状態から鍵30が押鍵操作された押鍵往行程においては、キャプスタンスクリュ4の上昇によってウィッペン5が突き上げられ、回動支点23を中心として往方向である反時計方向に回動する。ウィッペン5が突き上げられることにより、レペティションレバー8及びジャック6がウィッペン5と一緒に上方に回動する。これらの回動に伴い、まず、レペティションレバー8及びジャック6の垂直部6aが、ハンマローラ14を回転乃至摺動させながら、ハンマローラ14を介してハンマ11を押し上げ、上方に回動させる。
次いで、レペティションレバー8がレペティションスクリュ34に当接係合することにより、レペティションレバー8の反時計方向への変位(上限位置)が規制されると、ジャック6の垂直部6aの頂端面22がレペティションレバー8の長孔21を通じて突出し、ハンマローラ14が頂端面22によって駆動されて、ハンマ11が突き上げられる。
ウィッペン5がさらに往方向に回動すると、その回動途中でジャック6のジャック小6bがレギュレーティングボタン25の下面に当接してその上昇が阻止されるが、ウィッペン5自身は、なおも回動するため、ジャック6は時計方向に回動する。そのため、ジャック6の垂直部6aの頂端面22がハンマローラ14の下方から一時的に前方に抜けて、脱進する。これにより、ハンマ11は、ジャック6との係合を解かれ、自由回動状態で弦19を打弦する。ハンマ11は、打弦後は、自重と弦19の反撥力とによって回動復帰する。
押鍵終了後、その状態が維持されているときは、弦19で跳ね返ったハンマ11は、バックチェック35に受け止められ、静止している。鍵30が離鍵され、バックチェック35とハンマ11との係合が解かれると、レペティション付勢部12bの付勢力によって、レペティションレバー8が反時計方向に回動すると共に、ハンマローラ14がレペティションレバー8に支えられる。
また、ジャック6は、打弦動作後、ウィッペン5の回動復帰に伴ってレギュレーティングボタン25から解放され、ジャック付勢部12aの付勢力により反時計方向に回動復帰して、初期位置に戻る。ジャック6の垂直部6aの頂端面22がハンマローラ14の下側位置に速やかに復帰することによって、鍵30が非押鍵位置まで完全に戻らなくても、再押鍵による次の打弦動作が行えるようになる。つまり、速い連弾が可能となる。
特公平7−46270号公報
しかしながら、上記従来の一般的なアクション機構では、同一鍵を速く繰り返し押鍵する連打性(連弾性)を良好にするためには、レペティションレバー8が不可欠である。しかも、レペティションレバー8は、それ自身、回動自在に構成し、ハンマ11を支えるためのレペティション付勢部12b等の部材も付随するため、構成が簡単ではない。さらには、レペティションレバー8の位置調節機構も必要である。
従って、良好な連打性を確保することを前提に、構成を簡単にする上で、改善の余地があった。
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、良好な連打性を確保しつつ構成を簡単にすることができるアクション機構を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の請求項1のアクション機構は、押鍵操作に伴って動作し、ハンマ(11)に設けられたハンマローラ(14)を介して前記ハンマを回動させて発音部材(19)を打撃させることが可能なアクション機構(ACT)であって、後端部(5a)の回動支点(23)を中心に回動自在に設けられ、押鍵された鍵によって突き上げられて上方である往方向に回動するウィッペン(5)と、先端部(40ba)に挿通部(41)を有して前記ウィッペンと一体または別体に構成され、前記ウィッペンから上方に突設されたバネ体(40)と、前記バネ体と前記ウィッペンとにかけて設けられ、前記バネ体を、自由状態に対して前側であって前記ウィッペン側に撓ませた状態に規制すると共に、前記ウィッペン側へのさらなる撓みを許容する位置規制手段(43、45)と、前記ウィッペンの往方向への回動行程において、前記バネ体の前記先端部と当接して前記先端部の上限位置を規制する上限規制手段(34)と、レギュレーティングボタン(25)と、上端部(22)を有し、前記ウィッペンに回動自在に設けられ、押鍵往行程において、前記バネ体の前記挿通部を通じて前記上端部に当接している前記ハンマローラを駆動して前記ハンマを突き上げると共に、押鍵往行程の途中で前記レギュレーティングボタンに当接して往方向に回動するジャック(6)と、前記ウィッペンから前記ジャックにかけて設けられ、前記ジャックを復帰方向に付勢するジャック付勢手段(12a)とを有し、前記バネ体は、押鍵往行程において前記先端部が前記上限規制手段に当接するまでの間は、前記バネ体の前記先端部の上面のうち、前記バネ体の延設方向において前記挿通部と同じ位置である挿通部対応上面が、当接している前記ハンマローラを駆動する一方、離鍵直後において往方向の回動終了位置から戻る前記ハンマの前記ハンマローラを自身の弾性によって弾性的に受け止めると共に、非押鍵状態まで前記鍵を戻すことなく再押鍵することにより前記ジャックによる前記ハンマローラの繰り返し駆動を可能とするように構成されたことを特徴とする。
好ましくは、前記位置規制手段は、前記バネ体の前記ウィッペン側への撓み状態を調節する調節手段(45)を有する(請求項2)。
なお、上記括弧内の符号は例示である。
本発明の請求項1によれば、良好な連打性を確保しつつ構成を簡単にすることができる。
請求項2によれば、バネ体の初期位置を調節可能として、押鍵初期にハンマローラを適切に駆動することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るアクション機構の側面図である。このアクション機構ACTは、例えば、アコースティックグランドピアノに適用され、各鍵30毎に設けられる。
アクション機構ACTにおいては、図4に示した従来のアクション機構に対して、レペティションレバー8、レペティションレバーボタン15、レペティションレバースプリング12のうちレペティション付勢部12b、及び、レペティションレバーフレンジ7が廃止されている。その一方、バネ体40、ネジ軸体43、フェルト44及びナット45が設けられると共に、レペティションレバーフレンジ7に代えてフレンジ部5cが設けられる。その他の構成及び作用は、図4に示したアクション機構のものと全く同様であるので、以下、異なる構成要素について説明する。また、以降の図において、図4に示したアクション機構の構成要素と同じものには同じ符号が付されている。
図2(a)は、バネ体40及びウィッペン5周りの斜視図、図2(b)は、バネ体40の部分平面図である。
図1、図2(a)、(b)に示すように、フレンジ部5cは、ウィッペン5の前後方向略中央において上方に一体に突設される。フレンジ部5cは、ウィッペン5とは別体であってもよい。スプリングでなるジャック付勢部12aは、フレンジ部5cとジャック6との間に懸架される。フレンジ部5cの上端部から、上方で且つ斜め後方に傾斜してネジ軸体43が突設されている。ネジ軸体43の外周には雄ねじが形成されている(図示せず)。
ウィッペン5の上部の、フレンジ部5cよりも後方位置からは、板状のバネ体40が片持ち梁の体裁で延設されている。バネ体40は、幅細の基部側半部40a及び幅広の自由端側半部40bからなり、金属や樹脂等の弾性乃至可撓性のある部材で一体に形成される。基部側半部40aの基部40aaが、ウィッペン5に対して埋設固定されている。
バネ体40は、基部40aaのみが固定された自由状態において、基部側半部40aが、基部40aaから鉛直方向に延び、その上部が、後方且つ上方に凸となるように「くの字」状に湾曲した湾曲部40abとなっている。これにより、バネ体40は、自由端側半部40bが前側で且つウィッペン5側に傾斜した状態が、自由状態となっている。バネ体40は、基部40aaのみが固定された自由状態において、仮に、自由端側半部40bに上下方向の外力を受けたとすると、主に基部側半部40aの特に湾曲部40abが撓んで、自由端側半部40bが上下に変位するようになっている。
図2(a)、(b)に示すように、自由端側半部40bの先端部40baには、フェルト42が取り付けられている。自由端側半部40bにおけるフェルト42の後側には、ジャック6が挿通可能な挿通穴41が形成されている。挿通穴41は、ジャック6が回動する際に垂直部6aが前後方向に変位可能な程度の長さを有する。
バネ体40の厚みは一様で、0.1〜1.0mm程度であり、自由端側半部40bの最大幅は10〜11mm程度である。特に、挿通穴41の幅及び挿通穴41付近の自由端側半部40bの幅については、ハンマローラ14が安定して受け止められる程度に設計されている。
なお、挿通穴41は、バネ体40自身に形成してもよいが、自由端側半部40bの先端部40baを先割れの二股形状とし、先端をフェルト42で繋ぐことで挿通穴41が形成されるようにしてもよい。あるいは、挿通穴41は、穴の形態をとることなく、ジャック6の垂直部6aが挿通可能であればよい。
自由端側半部40bの挿通穴41よりも基部側半部40a側寄りには、ネジ軸体43が貫通可能な穴46が形成されている。穴46を貫通して上方に突出しているネジ軸体43に対して、フェルト44を介してナット45が螺合されている。ナット45の螺合深さによって、バネ体40の自由端側半部40bの上下方向の位置が調節可能となっていて、ジャック6の垂直部6aの頂端面22が、自由端側半部40bの上面とほぼ面一になるように調節されている。
すなわち、バネ体40は、ナット45が螺合されていない自由状態では、その上面がジャック6の頂端面22よりも高い。しかし、自由端側半部40bがナット45により下方に押さえつけられることで、ウィッペン5側に少し撓んだ状態に位置決め規制される。この状態では、自由端側半部40bは、仮に上方からの外力を受ければ、ウィッペン5側へのさらなる撓みが許容される。
かかる構成において、非押鍵状態から鍵30が押鍵操作された押鍵往行程においては、キャプスタンスクリュ4の上昇によってウィッペン5が突き上げられ、回動支点23を中心として往方向である反時計方向に回動する。ウィッペン5が突き上げられることにより、バネ体40及びジャック6がウィッペン5と一緒に上方に回動する。これらの回動に伴い、まず、バネ体40の自由端側半部40bの上面及びジャック6の垂直部6aが、ハンマローラ14を回転乃至摺動させながら、ハンマローラ14を介してハンマ11を押し上げ、上方に回動させる。
次いで、自由端側半部40bのフェルト42がレペティションスクリュ34に当接係合することにより、バネ体40の反時計方向への変位(上限位置)が規制されると、ジャック6の垂直部6aの頂端面22がバネ体40の挿通穴41を通じて上方に突出する。以降は、押鍵態様(強さ乃至速さと、それらの時間的変化の態様も含む)によって作用が異なるが、頂端面22が挿通穴41を貫通して突出したとき、ハンマローラ14が頂端面22に当接する位置にあれば、頂端面22によってハンマローラ14が駆動され、ハンマ11が突き上げられる。
ウィッペン5がさらに往方向に回動すると、その回動途中でジャック6のジャック小6bがレギュレーティングボタン25の下面に当接して、そのさらなる上昇が阻止されるが、ウィッペン5自身は、なおも回動するため、ジャック6は時計方向に回動する。そのため、ジャック6の垂直部6aの頂端面22がハンマローラ14の下方から一時的に前方に抜けて、脱進する。これにより、ハンマ11は、ジャック6によって駆動されていた場合においても、ジャック6との係合を解かれ、自由回動状態で弦19を打弦する。ハンマ11は、打弦後は、自重と弦19の反撥力とによって回動復帰する。
押鍵終了後、その状態が維持されているときは、弦19で跳ね返ったハンマ11は、バックチェック35に受け止められ、静止している。鍵30が離鍵され、バックチェック35とハンマ11との係合が解かれると、バネ体40自身の弾性力によって、バネ体40の自由端側半部40bが復帰方向である上方に変位すると共に、ハンマローラ14が自由端側半部40bに弾性的に受け止められる。
また、ジャック6は、打弦動作後、ウィッペン5の回動復帰に伴ってレギュレーティングボタン25から解放され、ジャック付勢部12aの付勢力により反時計方向に回動復帰して、初期位置に戻る。ジャック6の垂直部6aの頂端面22がハンマローラ14の下側位置に速やかに復帰することによって、鍵30が非押鍵位置まで完全に戻らなくても、再押鍵による次の打弦動作が行えるようになる。すなわち、押鍵終了位置に近いストローク位置で押鍵を繰り返すと、毎回、バネ体40の自由端側半部40bの挿通穴41を通じて、ジャック6の頂端面22が突出動作し、ハンマローラ14を駆動する。これにより、速い連弾が可能となる。
従って、このアクション機構ACTを図4に示した従来のアクション機構と比較すると、次のようになる。まず、バネ体40が、押鍵初期にハンマローラ14を駆動すると共に、離鍵直後に回動終了位置から復帰するハンマローラ14を弾性的に受け止めることから、レペティションレバー8及びレペティション付勢部12bと同様の機能を果たす。また、ナット45及びネジ軸体43が、バネ体40の自由端側半部40bの初期位置を規制及び調節することから、レペティションレバーボタン15と同様の機能を果たす。
従って、本実施の形態によれば、レペティションレバー8、レペティション付勢部12b、レペティションレバーボタン15等の従来の構成に比し、バネ体40、ナット45及びネジ軸体43という簡単な機構で従来と同様の機能を果たすので、良好な連打性を確保しつつ構成を簡単にすることができる。しかも、自由端側半部40bの初期位置が調節可能であるので、押鍵初期にハンマローラ14を適切に駆動することができる。
なお、ウィッペン5の材質として木材、金属、樹脂等が採用される。一方、バネ体40をウィッペン5と共に樹脂で構成する場合は、両者を一体成形により一体に形成すると、製造及び構成が一層簡単になる。
なお、自由端側半部40bを下方に撓ませた状態で位置を規制する機構としては、ナット45とネジ軸体43の組み合わせに限られず、位置を規制する係止部材等の機構と位置を調節する機構とを別個に設けてもよい。また、フェルト44とナット45との、接着等による一体化も可能である。雑音防止の観点を除けばフェルト44自体も必須でない。
なお、ジャック付勢部12aは、ジャック6に復帰させる付勢力を発揮する構成であればよく、スプリングに限られない。
なお、打撃されて発音する発音部材としては、弦19に限られず、発音板等、打撃によって振動して発音するものであればよい。従って、本発明が適用される楽器も、グランドピアノに限られず、従来のグランドピアノと同様のアクション機構が採用可能な楽器であれば広く適用可能である。例えば、グロッケンシュピールやチェレスタ等にも適用可能性はある。また、本実施の形態のアクション機構ACTは、実際には発音部材を打撃せず(あるいは設けずに)に、押鍵感触だけアコースティックなものに似せたような電子鍵盤楽器にも適用可能である。
なお、バネ体40は、自由端側半部40bに相当する部分が上下に変位可能に撓むことができればよく、単一素材で一体に形成する必要はなく、複数の部材による組み合わせで構成してもよい。また、バネ体40の形状は、例示したものに限られず、図3に示すように、各種の変形例が考えられる。
図3(a)は、バネ体の第1変形例を示す斜視図である。図3(b)、(c)は、バネ体の第2、第3変形例を示す部分平面図である。
第1変形例のバネ体40は、図3(a)に示すように、自由端側半部40bの両側部を下方に折曲形成して剛性を高めてあり、自由端側半部40b自体が撓みにくくなっている。一方、基部側半部40aについては、図2(a)に示す例と同じである。従って、このバネ体40は、自由端側半部40bがほとんど撓むことがなく、ほぼ基部側半部40aの撓みだけで自由端側半部40bが上下に変位する。
第1変形例によれば、自由端側半部40bの上面とジャック6の頂端面22とを面一にしやすく、ナット45による位置調節が容易である。
第2変形例のバネ体40は、図3(b)に示すように、自由端側半部40bが平行な2本の丸棒で構成され、ジャック6の垂直部6aが貫通する挿通穴41とネジ軸体43が貫通する穴46とが一体に形成されている。基部側半部40aも丸棒で構成される。フェルト42が取り付けられる自由端側半部40bの先端は繋がっているが、先割れとなっていてもよい。
この第2変形例の構成であっても、図2の例と同様に、ハンマローラ14の駆動と弾性的な受け止め機能を果たし、ナット45による自由端側半部40bの位置決めも可能である。
なお、基部側半部40aを自由端側半部40bに比し相対的に撓みやすくするためには、自由端側半部40bよりも基部側半部40aを薄く形成してもよい。
第3変形例のバネ体40は、図3(c)に示すように、全体が1本の丸棒で構成され、自由端側半部40bは、先端で折れ曲がって基部側半部40aの近傍まで戻って、平行な2本の部材を構成している。従って、完全な環状ではないが、第2変形例と同様に、ジャック6の垂直部6aが貫通する挿通穴41とネジ軸体43が貫通する穴46とが一体に形成される。従って、第2変形例と同じような機能を果たす。
なお、第2、第3変形例において、バネ体40は断面が円形である必要はない。
なお、バネ体40を板状部材で構成する場合において、構成を簡単にする観点からは、基部側半部40aから自由端側半部40bにかけて一応な幅に形成してもよい。
本発明の一実施の形態に係るアクション機構の側面図である。 バネ体及びウィッペン周りの斜視図(図(a))、バネ体の部分平面図(図(b))である。 バネ体の第1変形例を示す斜視図(図(a))、バネ体の第2、第3変形例を示す部分平面図(図(b)、(c))である。 従来のアコースティックグランドピアノの1つのアクション機構の側面図である。
符号の説明
ACT アクション機構、 5 ウィッペン、 5a 後端部、 6 ジャック、 11 ハンマ、 12a ジャック付勢部(ジャック付勢手段)、 14 ハンマローラ、 19 弦(発音部材)、 22 頂端面(上端部)、 23 回動支点、 25 レギュレーティングボタン、 34 レペティションスクリュ(上限規制手段)、 40 バネ体、 40ba 先端部、 41 挿通穴(挿通部)、 43 ネジ軸体(位置規制手段)、 45 ナット(位置規制手段、調節手段)

Claims (3)

  1. 押鍵操作に伴って動作し、ハンマに設けられたハンマローラを介して前記ハンマを回動させて発音部材を打撃させることが可能なアクション機構であって、
    後端部の回動支点を中心に回動自在に設けられ、押鍵された鍵によって突き上げられて上方である往方向に回動するウィッペンと、
    先端部に挿通部を有して前記ウィッペンと一体または別体に構成され、前記ウィッペンから上方に突設されたバネ体と、
    前記バネ体と前記ウィッペンとにかけて設けられ、前記バネ体を、自由状態に対して前側であって前記ウィッペン側に撓ませた状態に規制すると共に、前記ウィッペン側へのさらなる撓みを許容する位置規制手段と、
    前記ウィッペンの往方向への回動行程において、前記バネ体の前記先端部と当接して前記先端部の上限位置を規制する上限規制手段と、
    レギュレーティングボタンと、
    上端部を有し、前記ウィッペンに回動自在に設けられ、押鍵往行程において、前記バネ体の前記挿通部を通じて前記上端部に当接している前記ハンマローラを駆動して前記ハンマを突き上げると共に、押鍵往行程の途中で前記レギュレーティングボタンに当接して往方向に回動するジャックと、
    前記ウィッペンから前記ジャックにかけて設けられ、前記ジャックを復帰方向に付勢するジャック付勢手段とを有し、
    前記バネ体は、押鍵往行程において前記先端部が前記上限規制手段に当接するまでの間は、前記バネ体の前記先端部の上面のうち、前記バネ体の延設方向において前記挿通部と同じ位置である挿通部対応上面が、当接している前記ハンマローラを駆動する一方、離鍵直後において往方向の回動終了位置から戻る前記ハンマの前記ハンマローラを自身の弾性によって弾性的に受け止めると共に、非押鍵状態まで前記鍵を戻すことなく再押鍵することにより前記ジャックによる前記ハンマローラの繰り返し駆動を可能とするように構成されたことを特徴とするアクション機構。
  2. 前記位置規制手段は、前記バネ体の前記ウィッペン側への撓み状態を調節する調節手段を有することを特徴とする請求項1記載のアクション機構。
  3. 非押鍵状態において、前記挿通部対応上面と前記ジャックの前記上端部とは面一であることを特徴とする請求項1または2記載のアクション機構。
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