JP5298099B2 - 紐保持具 - Google Patents
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Description
この特許文献1に開示された考案は、靴ひもの端部にねじ付き止め具を有するものである。
この靴ひもでは、両端部にねじ山を備える止め具が強固に取り付けてあるので、ねじ山に合致するねじ孔を備えるアクセサリーを装着することが可能であり、靴のファッション性を向上させることが可能になっている。また、アクセサリーは容易に取り替えることができるので、使用者の嗜好に合わせた利用が可能となる。そして、従来の止め具と同様に靴ひもの端部のほつれを防止したり紐通しを容易したりすることもできる。
この特許文献2に開示された発明は、端部から途中までに形成され外側に向けて湾曲する切込みと、この切込みの内面に滑り止め歯と、切込みの外面に凸部とを備える内管状体と、この内管状体の外径と同じ又は少し大きめの内径に形成され内管状体の凸部に嵌合する凹部を備える外管状体を有するものである。
そして、靴を履いて靴ひもを結んだ後に、靴ひもを内管状体に挿入し、さらにこの内管状体を外管状体に挿入すると、内管状体の凸部と外管状体の凹部が嵌合して内管状体が外管状体に固定されるとともに、内管状体の外側に湾曲した切込みが内側に押圧されて切込みの内面の滑り止め歯が靴ひもに絡んで摩擦によって靴ひもが内管状体及び外管状体に固定される。続いて、靴ひもの不要な部分を切断すると、使用者の嗜好に合わせた靴ひもの長さを簡単に決定し調整することができる。また、外管状体の外面には装飾を施すことが可能であり、装飾によって付加価値を高めることもできる。
この特許文献3に開示された発明は、ひも通し孔と結んだひもの結び目を収容する空隙と結んだひもを二方向に導くひも誘い溝とを備える下部固定体と、この下部固定体とねじ結合し結んだひもの結び目を押さえる圧接部を備える上部固定体を有するものである。
このひも固定装置では、下部固定体のひも通し孔から通したひもを結び、結び目を空隙に配置して、結んだひもをひも誘い溝で二方向に導く。続いて、上部固定体を下部固定体にねじ込んで螺合させていくと、圧接部が結び目を徐々に押さえつけていき、結び目は圧接部と下部固定体の下方とに挟まれて強固に固定される。したがって、一旦結んだ結び目は解け難いものとなる。
上記構成の紐保持具では、結び目固定部において、結び目は挿入口から挿入され、収容部に収容されて固定されるように作用する。また、上部筐体と下部筐体は着脱可能に嵌合し、内部に結び目固定部を収容するように作用する。
また、結び目固定部の挿入口において、開口調整部は開口の大きさを自在に変えるように作用する。
上記構成の紐保持具では、請求項1記載の発明の作用に加えて、開口調整部が切込みによって形成される複数の押え片の個々が開閉して開口の大きさを調整するように作用する。
また、屈曲部を備えた返しによって結び目は掛止されて結び目の抜出が抑止される。しかしながら、返しは柔軟であるので、少し強い力で引っ張ると上部筺体による押えが働かない場合にはある程度容易に結び目固定部の挿入口を広げて結び目を抜出させる。
上記構成の紐保持具では、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、下部筺体と上部筺体が嵌合した際には、複数の押え片が上部筺体の内面によって開口が抑制されるので、結び目固定部の挿入口が閉じて結び目が抜けないように作用する。
なお、上部筺体の内面によって複数の押え片が開口を抑制される構成は、上部筺体の内面が複数の押え片を押圧する場合、上部筺体の内面が複数の押え片の外面と接触する場合、上部筺体の内面と複数の押え片の外面が接触しないものの複数の押え片が開口した途端に上部筺体の内面と接触して開口を抑制される場合の3通りがある。
上記構成の紐保持具では、請求項2又は請求項3に記載の発明の作用に加えて、滑り止め部材は、押え片の表面の抵抗を高め、紐の結び目が抜けないように作用する。
上記構成の紐保持具では、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、上部筐体及び下部筐体に施される装飾は、紐保持具に意匠性を付与するように作用する。
また、挿入口に開口調整部が設けられているので、結び目を挿入する際には開口を大きくして挿入しやすくし、一方、結び目が挿入された後には開口を小さくして結び目を抜出するのを防止することができる。
さらに、返しは、結び目固定部の収容部に収容される結び目の抜出を防止することができる。また、返しは、結び目固定部の挿入口から結び目が挿入される際には、ガイドとして機能し、結び目を収容部に案内することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る紐保持具の概念図である。
図1において、紐保持具1は、主に、上部筐体2、下部筐体4及び結び目固定部6から構成されており、上部筐体2は紐挿通孔3を、下部筐体4は雄ねじ部5を備え、また、結び目固定部6は、押え片7と切込み8と結び目挿通孔11とを備えている。詳細については後述するが、紐保持具1は、衣服などで使用される紐の端部を保持するものであり、紐の端部を紐挿通孔3から上部筐体2の内部に向けて挿入し、続いて、紐の端部に結び目を形成し、この結び目を結び目固定部6の結び目挿通孔11から内部に挿入すると、結び目が結び目固定部6の内部に固定される。そして、上部筐体2と下部筐体4を嵌合すると、紐の端部は結び目固定部6に固定された状態で保持される。
図2において、紐保持具1では、結び目固定部6の下部が下部筐体4に収容されており、また、上部筐体2には結び目固定部嵌合孔9が形成されて結び目固定部6の上部を収容できるようになっている。なお、結び目固定部嵌合孔9は、結び目固定部6の押え片7によって形成されるドーム形状に合わせて上方になるほど内径が小さくなるように形成されており、収容時に結び目固定部6の押え片7が開かないようにし、結び目固定部6に収容される結び目の抜出を防止している。そして、上部筐体2を下部筐体4に被せると、結び目固定部6の上部が結び目固定部嵌合孔9に収容されていき、そして、上部筐体2の雌ねじ部10が下部筐体4の雄ねじ部5に当接するので、上部筐体2を回転すると雌ねじ部10と雄ねじ部5が螺合していき、最後には上部筐体2と下部筐体4が螺着により結合して一体化される。ここで、上部筐体2と下部筐体4の結合方法として雌ねじ部10及び雄ねじ部5を用いた螺合を挙げたが、これらの結合は螺合に限定されるものではない。例えば、凸形状の構造を上部筐体2に設け、凹形状の構造を下部筐体4に設けて、これらの凸形状の構造と凹形状の構造を押圧により嵌め込んで結合してもよい。
また、結び目固定部6は、結び目挿通孔11に複数の切込み8により分割された複数の押え片7を有し、内部には結び目収容部13を備えている。そして、詳細については後述するが、押え片7にはそれぞれ返し12が形成されており、この返し12は結び目収容部13に収容される紐の結び目が結び目挿通孔11から抜出するのを防止するなどの機能を有している。
さらに、上部筺体2が下部筺体4に嵌合あるいは螺合した際には、押え片7は、上部筺体2の内面によってその開口が抑制されるため、結び目収容部13に収容される紐の結び目が結び目挿通孔11から抜出し難くなるという機能を備えている。押え片7は、上部筺体2によって押圧されるように構成されてもよいし、直接押圧されなくとも外部から紐に引張力が働いた際に結び目に引張力がかかり押え片7が開こうとした際に、押え片7の外面が上部筺体2の内面2aに接触して開きを抑制するようにしてもよい。押え片7は上部筺体2の内面2aに予め接触しておくように構成してもよいし、接触していなくとも押え片7が開口しようとした途端に押え片7の外面が上部筺体2の内面2aに接触するように構成してもよい。
図3(a)は、第1の実施の形態に係る紐保持具の結び目固定部の外形図であり、(b)は、同じく紐保持具の結び目固定部の上面図である。
図3(a)において、結び目固定部6は、底部が閉口した円筒形状で、上部には切込み8が入った複数の押え片7が内側に湾曲しドーム形状を形成している。そして、結び目固定部6の最上部は開口した結び目挿通孔11が設けられており、紐の結び目が挿通可能になっている。
また、図3(b)において、結び目固定部6を上方からみると、略中央に開口した結び目挿通孔11が配置され、この結び目挿通孔11の周りには、6個の押え片7a〜7fが周設されている。これら6個の押え片7a〜7fは6本の切込み8a〜8fによって個々が回動自在になっており、6個の押え片7a〜7fが内外方向に開閉することによって、結び目挿通孔11の開口の大きさが変化するようになっている。
また、6個の押え片7a〜7fのうち、3個の押え片7b,7d,7fには突起状の滑り止め部材12s〜12uが形成されている。本実施の形態においては、滑り止め部材を隔片の3個に設けているものの、この数には限定せず全ての押え片7a〜7fに設けてもよいし、対向する2片にのみ設けてもよい。滑り止め部材を設ける数は少なくとも1個あればよく、その数や配置は限定しないものである。
図4(a)において、結び目固定部6の断面をみると、押え片7a及び押え片7dは結び目固定部6の側壁から連続して形成され、先端部には返し12a及び返し12dがそれぞれ設けられている。前述の通り、返し12a及び返し12dは、結び目固定部6の結び目収容部13に収容される結び目の抜出を防止する機能を有している。また、返し12a及び返し12dは、結び目挿通孔11から結び目が挿入される際には、ガイドとして機能し、結び目を結び目収容部13に案内する。すなわち、結び目は返し12a及び返し12dに接触して滑らかに結び目収容部13へ移動する。また、結び目の通過中は、押え片7a及び押え片7dは外側に押され、その結果、結び目挿通孔11の開口は大きくなる。いったん、結び目が通過してしまうと、押え片7a及び押え片7dは元の位置に戻ろうとして結び目挿通孔11の開口は小さくなる。
ここで、結び目固定部6は、低密度ポリエチレンなどの軟らかく弾性のあるプラスチックで形成することが望ましい。材料に軟らかく弾性のあるプラスチックを選定することにより、押え片7a及び押え片7dはその弾性によって作用する力に応じて自在に開閉し、結び目挿通孔11の開口の大きさの調整が容易となる。但し、結び目固定部6において、押え片7a及び押え片7dを結び目固定部6の側壁と一体的に形成しないで、押え片7a及び押え片7dは別個に設置するようにしてもよい。この場合、押え片7a及び押え片7dは回動自在に支持する支持部材などを介して結び目固定部6の側壁に設置するとよく、また、結び目固定部6の側壁には硬質のプラスチックや金属など押え片7a及び押え片7dとは別の材料で構成することも可能となる。
なお、3個の押え片7b,7d,7fに形成される突起状の滑り止め部材12s〜12uの向きは、図4(a)に示されるもののように紐の結び目が容易に結び目固定部6に挿入されるような向きであることが望ましい。
ここで、結び目収容部13に収容される結び目を抜出する際、最初は、図4(a)に示すような屈曲した返し12a及び返し12dによって結び目は掛止されて結び目の抜出が抑止される。しかしながら、返し12a及び返し12dは柔軟であるので、少し強い力で引っ張ると上部筺体2の内面2aによる押えが働かない場合にはある程度容易に結び目挿通孔11の開口を広げて結び目を抜出させることができる。なお、結び目を抜出した後は、押え片7a及び押え片7dは、それら自体の弾性によって元の位置に戻る。
なお、本実施の形態においては、返し12a及び返し12dは、その形状を維持しながら外側に向けて開くとしたものの、返し12a及び返し12dの屈曲部が伸長して、外側に開くようにしてもよい。その場合には、返し12a及び返し12dの強度が十分であることを確認しておく必要がある。すなわち、返し12a及び返し12dの屈曲部の強度を犠牲にしてまで、この屈曲部の伸長を求めるものではないのである。なお、屈曲部が伸長する場合には、結び目を抜出した後には、返し12a及び返し12d自体の弾性によって屈曲部が回復するようにしておくとよい。
図5(a)において、紐保持具1は嵌合する上部筐体2と下部筐体4の内部に紐14の結び目を収容して、紐14の端部を保持している。本実施の形態では、紐保持具1は球状に形成しているが、紐保持具1の形状は特に限定されるものではなく、結び目固定部を収容可能であれば、如何なる形状であっても構わない。例えば、円錐形状、三角錘形状や立方体形状の他に、ハート形状や動物などを模った形状などが挙げられる。なお、上部筐体2及び下部筐体4は、プラスチック、硬質ゴム、金属、布、木材などで形成することができ、また、着色やパターンの描画などの装飾を行ってもよい。紐保持具1の形状を変えたり着色したりして装飾を施すことによって、紐保持具1自体及び紐保持具1を用いる衣服のデザイン性能を向上させることができるとともに、使用者は自分の嗜好に応じて紐保持具1を選定することができる。
本実施の形態に係る紐保持具は、前述のとおり、紐の結び目は紐を、紐挿通孔3を通した後に形成するが、その際には当然にその結び目は紐挿通孔3の内径よりも大きめに形成されることが望ましい。従って、本実施の形態においては、紐の結び目の引き抜け防止機能として、結び目固定部6の押え片7とその押え片に形成される滑り止め部材12s〜12u、また、押え片7の開きを抑制する上部筺体2の内面2a、さらに上部筺体2の紐挿通孔3による機能の4段階で発揮されることになり、より高い引き抜け防止作用が期待できる。
また、結び目固定部6を収容する上部筐体2及び下部筐体4に装飾を施すことによって、意匠性を付与し、使用者には嗜好に応じた選択肢を提供することができる。さらに、紐保持具1は結び目よりも大きく形成されるので、衣服の紐通し孔を通過しにくく衣服の中に紐が入り込んでしまうという不具合を解消することができる。しかも、簡素な構造であるとともに、汎用の原料を使用することによって低価格での製造が可能となる。
図6(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る紐保持具の正面図であり、(b)は同じく紐保持具の背面図である。
図6(a)及び(b)において、紐保持具16では、球状に形成され、2つの分割筺体(上部筺体17a,下部筺体17b)からなる筐体17は、正面側に靴紐などの紐の先端部を挿入する紐挿入孔18を備え、一方、背面側に押圧ボタン19を備えている。紐保持具16では、紐挿入孔18に靴紐などの紐の先端部を挿入して押圧ボタン19を操作すると、詳細については後述するが、筐体17の内部で紐の先端部が固定されて、紐の先端部が筐体17の内部に保持される。
筐体17は、汎用プラスチック、硬質ゴム、金属、木材などの材料を用いて形成することができ、形状は球状の他に、円錐形状、三角錘形状、立方体形状、ハート形状や動物などを模った形状など様々な形状に形成することができる。また、着色やパターンの描画などの装飾を行うこともできる。
但し、筐体17は後述の靴紐固定部を収容可能に設計する必要がある。従って、本実施の形態の図面に示されるように、上部筺体17aと下部筺体17bに分割可能な構造とし、これらが互いに嵌合あるいは螺合可能なように、嵌め溝の構造や雄ねじ部と雌ねじ部の構造をなすようにしておくとよい。
嵌め溝の構造は、第1の実施の形態と同様に、例えば、凸形状の構造を上部筐体17aに設け、凹形状の構造を下部筐体17bに設けて、これらの凸形状の構造と凹形状の構造を押圧により嵌め込んで結合するような場合が考えられる。
また、螺合の構造も第1の実施の形態と同様に、上部筺体17aと下部筺体17bにそれぞれ雄ねじ部と雌ねじ部あるいはその逆を形成して螺合させるような場合が考えられる。
まず、図7(a)において、紐保持具16では、筐体17の内部に靴紐固定部20が設置されており、靴紐固定部20は、靴紐25の先端部26を挟持する一対の挟持部21a,21bと、一対の挟持部21a,21bをそれぞれ支持する一対の支持部22a,22bと、一対の支持部22a,22bに介設されるばね23とを備えている。そして、靴紐25の先端部26は一対の挟持部21a,21bに挟持されて固定されている。また、一対の挟持部21a,21bには、図示するように、先端が鋭利な凸凹構造の滑り止め部材24a,24bが設けられており、先端部26は堅固に固定されて、先端部26の不用意な抜出が防止されている。
なお、符号19は押圧ボタンであり、支持部22aに外部からの力を作用させて挟持部21aの開閉を操作するものである。
したがって、押圧ボタン19を押した状態では、靴紐25の先端部26の紐挿入孔18への挿入や抜出を行うことができ、押圧ボタン19が押圧されない状態では、挟持部21a,21bは、常に、挟持状態を保持し、ごく簡便な操作で靴紐25の先端部26に紐保持具16を装着することができる。また、押圧ボタン19の位置、すなわち窪み状態で挟持部21a,21bの働きもチェックすることが可能である。
なお、押圧ボタン19の内側面は支持部22aに接触して支持部22aを円滑に移動させるために滑らかな曲面を形成していることが必要である。
Claims (5)
- 紐の結び目を挿入する挿入口と,前記紐の結び目を収容する収容部とを備える結び目固定部と、この結び目固定部の上方部を収容し前記紐が挿通可能な貫通孔が穿設された上部筐体と、この上部筐体と着脱可能に嵌合し前記結び目固定部の下方部を収容する下部筐体とを有し、
前記結び目固定部の挿入口は、開口の大きさが調整可能な開口調整部を備えることを特徴とする紐保持具。 - 前記開口調整部は切込みを備えて複数の押え片で形成され、この複数の押え片は、それぞれ屈曲部を備えた弾性を有する返しが形成されることを特徴とする請求項1記載の紐保持具。
- 前記開口調整部は切込みを備えて複数の押え片で形成され、前記開口調整部は前記下部筺体と前記上部筺体が嵌合した際に、前記上部筺体の内面は前記複数の押え片が開口することを抑制するように構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の紐保持具。
- 前記複数の押え片のうち、少なくとも1つの押え片の表面には滑り止め部材を備えることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の紐保持具。
- 前記上部筐体及び前記下部筐体には装飾が施されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の紐保持具。
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