以下、図面を用いて、本発明の一実施の形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機100等の弾球遊技機やスロット機等の回胴遊技機)について詳細に説明する。まず、図1を用いて、本発明の実施形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。パチンコ機100は、外部的構造として、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面に備える。
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状からなる木製の枠部材である。本体104は、内枠と呼ばれ、外枠102の内部に備えられ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。また、本体104が開放された場合、本体104の開放を検出する不図示の内枠開放センサを備える。
前面枠扉106は、ロック機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部116とした扉部材である。なお、前面枠扉106には、開口部116にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124を区画形成する。また、前面枠扉106が開放された場合、前面枠扉106の開放を検出する不図示の前面枠扉開放センサを備える。
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤200の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、を備える。また、下皿128が満タンであることを検出する不図示の下皿満タンセンサを備える。
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。
遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部116から観察することができる。
図2は、図1のパチンコ機100を背面側から見た外観図である。パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部600へ出力する。なお、この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100の表側に配設した上皿126に到達するように構成しており、パチンコ機100は、この構成により遊技者に対して球の払い出しを行う。
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源制御部660を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRWMクリア信号を主制御部300に出力するRWMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインタフェース部186を配設している。
図3は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。遊技領域124の略中央には、演出装置206を配設している。演出装置206には、略中央に装飾図柄表示装置208を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄保留ランプ216と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、高確中ランプ222を配設している。演出装置206は、演出可動体224を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」、第2特別図柄を「特図2」と称する場合がある。
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施の形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。特図1表示装置212および特図2表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。
普図保留ランプ216は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、普図変動遊技を所定数(例えば、2つ)まで保留することを可能としている。特図1保留ランプ218および特図2保留ランプ220は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。高確中ランプ222は、遊技状態が大当りが発生し易い高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を大当りが発生し難い低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
また、演出装置206の周囲には、所定の球進入口、例えば、一般入賞口226と、普図始動口228と、特図1始動口230と、特図2始動口232と、可変入賞口234を配設している。
一般入賞口226は、本実施形態では遊技盤200に複数配設しており、一般入賞口226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口226に入賞した場合)、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として上皿126に排出する。上皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施形態では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態では遊技盤200の左側に1つ配設している。普図始動口228を通過した球は一般入賞口226に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。
特図1始動口230は、本実施形態では遊技盤200の中央に1つだけ配設している。特図1始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、特図1表示装置212による特図変動遊技を開始する。なお、特図1始動口230に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
特図2始動口232は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施形態では特図1始動口230の真下に1つだけ配設している。特図2始動口232は、左右に開閉自在な羽根部材232aを備え、羽根部材232aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置210が当り図柄を停止表示した場合に羽根部材232aが所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。特図2始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、特図2表示装置214による特図変動遊技を開始する。なお、特図2始動口232に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口234は、大入賞口またはアタッカと呼ばれ、本実施形態では遊技盤200の中央部下方に1つだけ配設している。可変入賞口234は、開閉自在な扉部材234aを備え、扉部材234aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選して特図表示装置212、214が大当り図柄を停止表示した場合に扉部材234aが所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。なお、可変入賞口234に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236や、遊技釘238を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
パチンコ機100は、遊技者が上皿126に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドルの操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234)や始動口(特図1始動口230、特図2始動口232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口240に到達する。
次に、パチンコ機100の演出装置206について説明する。演出装置206の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置242およびステージ244を配設し、遊技球の転動不可能な領域に演出可動体224を配設している。また、演出装置206の背面側には、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246(以下、扉あるいはシャッタと称する場合がある)を配設している。すなわち、演出装置206において、装飾図柄表示装置208および遮蔽手段は、ワープ装置242、ステージ244、および演出可動体224の後方に位置することとなる。ワープ装置242は、演出装置206の左上方に設けたワープ入口242aに入った遊技球を演出装置206の前面下方のステージ244にワープ出口242bから排出する。ステージ244は、ワープ出口242bから排出された球や遊技盤200の釘などによって乗り上げた球などが転動可能であり、ステージ244の中央部には、通過した球が特図1始動口230へ入球し易くなるスペシャルルート244aを設けている。
演出可動体224は、本実施形態では人間の右腕の上腕と前腕を模した上腕部224aと前腕部224bとからなり、肩の位置に上腕部224aを回動させる不図示の上腕モータと肘の位置に前腕部224bを回動させる不図示の前腕モータを備える。演出可動体224は、上腕モータと前腕モータによって装飾図柄表示装置208の前方を移動する。
遮蔽装置246は、格子状の左扉246aおよび右扉246bからなり、装飾図柄表示装置208および前面ステージ244の間に配設する。左扉246aおよび右扉246bの上部には、不図示の2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉246aおよび右扉246bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽手段は、左扉246aおよび右扉246bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置208を視認し難いように遮蔽する。左扉246aおよび右扉246bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置208の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置208の表示の全てを視認可能である。また、左扉246aおよび右扉246bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左扉246aおよび右扉246bは、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置208の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置208による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置208を全く視認不可にしてもよい。
次に、図4を用いて、パチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源制御部660と、によって構成している。
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400および第2副制御部500についても同様である。基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302には、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路318(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、所定の球検出センサ、例えば各始動口、入賞口、可変入賞口を通過する遊技球を検出するセンサや、前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路318および基本回路302に出力するためのセンサ回路322と、所定の図柄表示装置、例えば特図1表示装置212や特図2表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、所定の図柄表示装置、例えば普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、特図1保留ランプ218、特図2保留ランプ220、高確中ランプ222等)の表示制御を行うための駆動回路330と、所定の可動部材、例えば特図2始動口232の羽根部材232aや可変入賞口234の扉部材234a等を開閉駆動する各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334を接続している。
なお、特図1始動口230に球が入賞したことを球検出センサ320が検出した場合には、センサ回路322は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路318に出力する。この信号を受信したカウンタ回路318は、特図1始動口230に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、特図1始動口230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、カウンタ回路318は、特図2始動口232に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、特図2始動口232に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、特図2始動口232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、情報出力回路336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にパチンコ機100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300には、電源制御部660から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9V)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部600との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400および払出制御部600との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400および払出制御部600にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400および払出制御部600からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、基本回路402には、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路402には、各種ランプ418(例えば、チャンスボタンランプ138)の制御を行うための駆動回路420と、遮蔽装置246の駆動制御を行うための駆動回路432と、遮蔽装置246の現在位置を検出する遮蔽装置センサ430と、チャンスボタン136の押下を検出するチャンスボタン検出センサ426と、遮蔽装置センサ430やチャンスボタン検出センサ426からの検出信号を基本回路402に出力するセンサ回路428と、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406と、CPU404からの信号に基づいてROM406に記憶された画像データ等を読み出してVRAM436のワークエリアを使用して表示画像を生成して装飾図柄表示装置208に画像を表示するVDP434(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)と、を接続している。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
次に、パチンコ機100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路502には、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506と、演出可動体224の駆動制御を行うための駆動回路516と、演出可動体224の現在位置を検出する演出可動体センサ424と、演出可動体センサ424からの検出信号を基本回路502に出力するセンサ回路518と、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC519と、遊技盤用ランプ532の制御を行うための遊技盤用ランプ駆動回路530と、遊技台枠用ランプ542の制御を行うための遊技台枠用ランプ駆動回路540と、遊技盤用ランプ駆動回路530と遊技台枠用ランプ駆動回路540との間でシリアル通信による点灯制御を行うシリアル通信制御回路520と、を接続している。
次に、パチンコ機100の払出制御部600、発射制御部630、電源制御部660について説明する。払出制御部600は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置152の払出モータ602を制御すると共に、払出センサ604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部606を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット608との通信を行う。
発射制御部630は、払出制御部600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆146および発射槌148を駆動する発射モータ632の制御や、上皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置634の制御を行う。
電源制御部660は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、第1副制御部400等の各制御部や払出装置152等の各装置に供給する。さらに、電源制御部660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源制御部660から主制御部300、第1副制御部400、第2副制御部500および払出制御部600に所定電圧を供給し、払出制御部600から発射制御部630に所定電圧を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。例えば、電源制御部660から払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給し、払出制御部600から主制御部300と第1副制御部400と発射制御部630に所定電圧を供給してもよい。
次に、図5(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の特図1表示装置212、特図2表示装置214、装飾図柄表示装置208、普図表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。図5(a)は特図の停止図柄態様の一例を示したものである。特図1始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、特図2始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、特図1表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、特図2表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」を行う。これらの「特図1の変動表示」および「特図2の変動表示」が本実施形態にいう図柄の変動表示の一例に相当する。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間(本実施形態にいう変動時間が相当)が経過すると、特図1表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間(これも本実施形態にいう変動時間が相当)が経過すると、特図2表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。したがって、「特図1の変動表示」を開始してから特図1の停止図柄態様を停止表示するまで、あるいは「特図2の変動表示」を開始してから特図2の停止図柄態様を停止表示するまでが本実施形態にいう図柄変動停止表示の一例に相当し、以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を図柄変動停止表示と称する。後述するように、図柄変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。
図5(a)には、図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図J」までの10種類の特図が示されている。図5(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。「特図A」は15ラウンド(15R)特別大当り図柄であり、「特図B」は15R大当り図柄である。本実施形態のパチンコ機100では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと特別大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。また、15R特別大当り遊技終了後および15R大当り遊技終了後はいずれも電サポ状態(時短状態という場合もある)に移行する。電サポ状態については詳しくは後述するが、電サポ状態に移行する状態のことを普図高確率状態と称し、電サポ状態に移行しない状態のことを普図低確率状態と称する。15R特別大当り図柄である「特図A」は、特図高確率普図高確率状態であり、15R大当り図柄である「特図B」は、特図低確率普図高確率状態である。これらの「特図A」および「特図B」は、遊技者に対する有利度が相対的に大きくなる図柄である。
「特図C」は突然確変と称される2R大当り図柄であり、特図高確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図A」と比べて、「特図C」は2Rである点が異なる。「特図D」は突然時短と称される2R大当り図柄であり、特図低確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図B」と比べて、「特図D」は2Rである点が異なる。「特図E」は隠れ確変と称される2R大当り図柄であり、特図高確率普図低確率状態である。「特図F」は突然通常と称される2R大当り図柄であり、特図低確率普図低確率状態である。これら「特図E」および「特図F」はいずれも、2Rであるとともに、電サポ状態に移行しない状態である。
「特図G」は第1小当り図柄であり、「特図H」は第2小当り図柄であり、何れも特図低確率普図低確率状態である。ここにいう小当りは、2R電サポ無し大当りと同じものに相当する。すなわち、この「特図G」、「特図H」は「特図F」と同じ状態であるが、両者では装飾図柄表示装置208に表示される演出が異なり、あえて、同じ状態でも「特図G」、「特図H」と「特図F」を設けておくことで、遊技の興趣を高めている。
また、「特図I」は第1はずれ図柄であり、「特図J」は第2はずれ図柄であり、遊技者に対する有利度が相対的に小さくなる図柄である。なお、本実施形態のパチンコ機100には、15R特別大当り図柄として「特図A」以外の図柄も用意されており、15R大当り図柄等の他の図柄についても同様である。
図5(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。特図1始動口230または特図2始動口232に球が入賞したこと、すなわち、特図1始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは特図2始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。
そして、「特図A」の15R特別大当りまたは「特図B」の15R大当りを報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに同じ装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾1−装飾1−装飾1」や「装飾2−装飾2−装飾2」等)を停止表示する。「特図A」の15R特別大当りを明示的に報知する場合には、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾3−装飾3−装飾3」や「装飾7−装飾7−装飾7」等)を停止表示する。
また、「特図E」の隠れ確変と称される2R大当り、「特図F」の突然通常と称される2R大当り、あるいは「特図G」の第1小当り、「特図H」の第2小当りを報知する場合には、「装飾1−装飾2−装飾3」を停止表示する。さらに、「特図C」の突然確変と称される2R大当り、あるいは「特図D」の突然時短と称される2R大当りを報知する場合には、「装飾1−装飾3−装飾5」を停止表示する。
一方、「特図I」の第1はずれ、「特図J」の第2はずれを報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに図5(b)に示す図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示する。
図5(c)は普図の停止表示図柄の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当り図柄である「普図A」と、はずれ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口228を球が通過したことを上述のゲートセンサが検出したことに基づいて、普図表示装置210は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図A」を停止表示し、普図変動遊技のはずれを報知する場合には「普図B」を停止表示する。図5(c)においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
次に、図6を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図6に示す主制御部メイン処理を実行する。
ステップS101では、初期設定1を行う。初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDT314に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
ステップS101の次のステップS103では、WDT314のカウンタの値をクリアし、WDT314による時間計測を再始動する。ステップS103の次のステップS105では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路338が、電源制御部660から主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9V)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS103に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS107に進む。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS103に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS105は繰り返し実行される。
ステップS107では、初期設定2を行う。初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
ステップS107の次のステップS109では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)には初期化処理(ステップS113)に進む。具体的には、最初に、電源基板に設けたRWMクリアスイッチ180を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)には、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS111に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100を初期状態にすべくステップS113に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS113に進む。
ステップS111では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタの値を読み出し、スタックポインタに再設定(本設定)する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS115内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。また、図4に示す主制御部300における基本回路302に搭載されているRAM308には、送信情報記憶領域が設けられている。このステップS111では、その送信情報記憶領域に、復電コマンドをセットする。この復電コマンドは、電源断時の状態に復帰したことを表すコマンドであり、後述する、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
ステップS113では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割込禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定(本設定)、RAM308の全ての記憶領域の初期化などを行う。さらにここで、主制御部300のRAM308に設けられた送信情報記憶領域に正常復帰コマンドをセットする。この正常復帰コマンドは、主制御部300の初期化処理(ステップS113)が行われたことを表すコマンドであり、復電コマンドと同じく、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
ステップS113の次のステップS115では、割込禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、大当りか否かの当否判定で大当りと判定された場合に、特図変動遊技での停止図柄を決定する抽選に用いる大当り時用特図決定用乱数値を生成する大当り時用特図決定用乱数カウンタの初期値を生成するための初期値生成用乱数カウンタ(以下、「大当り時用特図決定用乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタ」と称する。)を更新する。また、普図変動遊技の当否判定に用いる普図当選乱数値を生成する普図当選乱数カウンタの初期値を生成するための初期値生成用乱数カウンタ(以下、「普図当選乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタ」という。)を更新する。例えば、大当り時用特図決定用乱数値として取り得る数値範囲が0〜99とすると、RAM308に設けた大当り時用特図決定用乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が100であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。普図当選乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタも同様に更新する。なお、大当り時用特図決定用乱数カウンタおよび普図当選乱数カウンタに対応するそれぞれの初期値生成用乱数カウンタは、後述するステップS207でも更新する。主制御部300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込処理を行っている間を除いて、ステップS115の処理を繰り返し実行する。
次に、図7を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。ステップS201の次のステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS203の次のステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、上述の前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサ、各種の球検出センサを含む各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、ステップS205では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、ステップS205では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図4に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。ステップS205では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口226、可変入賞口234、特図1始動口230、および特図2始動口232への入球、または普図始動口228の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口226、234やこれらの始動口230、232、228への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口226への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口226へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
ステップS205の次のステップS207およびその次のステップS209では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。ステップS207の基本乱数初期値更新処理では、上記ステップS115で行った、大当り時用特図決定用乱数カウンタおよび普図当選乱数カウンタにそれぞれ対応する初期値生成用乱数カウンタの更新を行い、次のステップS209の基本乱数更新処理では、主制御部300で使用する、大当り時用特図決定用乱数カウンタおよび普図当選乱数カウンタが更新される。例えば、大当り時用特図決定用乱数値として取り得る数値範囲が0〜99とすると、大当り時用特図決定用乱数値を生成するためにRAM308に設けた大当り時用特図決定用乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算してから元の大当り時用特図決定用乱数カウンタに記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が100であれば0を元の大当り時用特図決定用乱数カウンタに記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、大当り時用特図決定用乱数カウンタが一周していると判定した場合には大当り時用特図決定用乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、大当り時用特図決定用乱数カウンタにセットする。例えば、0〜99の数値範囲で変動する大当り時用特図決定用乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、大当り時用特図決定用乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、大当り時用特図決定用乱数カウンタにセットすると共に、大当り時用特図決定用乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。
また、大当り時用特図決定用乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、普図当選乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。大当り時用特図決定用乱数カウンタは、特図1用の乱数値を取得するためのカウンタと特図2用の乱数値を取得するためのカウンタとを別に設けてもよいし、あるいは、同一のカウンタを用いてもよい。
ステップS209の次のステップS211では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。具体的には、特図変動遊技での図柄変動時間を決めるための特図タイマ番号決定用乱数値を生成する特図タイマ番号決定用乱数カウンタを更新する。また、普図変動遊技での図柄変動時間を決めるための普図タイマ番号決定用乱数値を生成する普図タイマ番号決定用乱数カウンタを更新する。
ステップS211の次のステップS213では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普図表示装置210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、特図1表示装置212に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図1表示図柄更新タイマ、特図2表示装置214に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図2表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
ステップS213の次のステップS215では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口226、234や始動口230、232、228に入賞があった場合に、RAM308に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
また、ステップS215の次のステップS217では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、特図1始動口230、特図2始動口232、普図始動口228および可変入賞口234への入賞があったか否かを判定する。ここでは、ステップS205における入賞判定パターン情報と一致するか否かの判定結果を用いて判定する。
特図1始動口230へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する特図1保留数記憶領域が満タン(本例では、保留数4で満タンとなる)でない場合、カウンタ回路(ハード乱数回路)318の特図1始動口230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶された値に所定の加工を施して生成した大当り判定用乱数値を取得するとともに、RAM308に設けた大当り時用特図決定用乱数カウンタから大当り時用特図決定用乱数値を取得して特図1乱数値記憶領域に取得順に格納する。特図1乱数値記憶領域内の大当り判定用乱数値および大当り時用特図決定用乱数値の組(以下、「特図1乱数値の組」と略称する)は、特図1保留数記憶領域に記憶された特図1保留数と同数分だけ格納される。特図1乱数値記憶領域内では、特図1保留数が1つ減るごとに保留順位が最上位(最先であり最も過去に記憶されている)の特図1乱数値の組のデータが消去されるとともに、残余の特図1乱数値の組のデータの保留順位が1ずつ繰り上がるように処理される。また、特図1保留数が1つ増えるごとに、保留順位が最下位(最後)の特図1乱数値の組のデータの次の保留順位に新たな特図1乱数値の組のデータが書き込まれる。
特図2始動口232へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する特図2保留数記憶領域が満タン(本例では、保留数4で満タンとなる)でない場合、カウンタ回路318の特図2始動口232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶された値に所定の加工を施して生成した大当り判定用乱数値を取得するとともに、RAM308に設けた大当り時用特図決定用乱数カウンタから大当り時用特図決定用乱数値を取得して特図2乱数値記憶領域に取得順に格納する。特図2乱数値記憶領域内の大当り判定用乱数値および大当り時用特図決定用乱数値の組(以下、「特図2乱数値の組」と略称する)は、特図2保留数記憶領域に記憶された特図2保留数と同数分だけ格納される。特図2乱数値記憶領域内では、特図2保留数が1つ減るごとに保留順位が最上位の特図2乱数値の組のデータが消去されるとともに、残余の特図2乱数値の組のデータの保留順位が1ずつ繰り上がるように処理される。また、特図2保留数が1つ増えるごとに、保留順位が最下位の特図2乱数値の組のデータの次の保留順位に新たな特図2乱数値の組のデータが書き込まれる。
普図始動口228へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、普図当選乱数値生成用乱数カウンタから値を普図当選乱数値として取得して対応する普図乱数値記憶領域に格納する。可変入賞口234へ入賞があった場合には、可変入賞口用の入賞記憶領域に、可変入賞口234に球が入球したことを示す情報を格納する。
ステップS217の次のステップS219では、払出要求数送信処理を行う。なお、払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は、例えば1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
ステップS219の次のステップS221では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普図表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普図表示装置210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、普図当りフラグがオンの場合には、当り図柄の表示態様となるように普図表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、普図当りフラグがオフの場合には、はずれ図柄の表示態様となるように普図表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、普図状態更新処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普図表示装置210は、当り図柄(図5(c)に示す普図A)およびはずれ図柄(図5(c)に示す普図B)いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500ミリ秒(ms)間)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンにされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、特図2始動口232の羽根部材232aの開閉駆動用のソレノイド(各種ソレノイド332の一部)に、羽根部材232aを開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、羽根部材の開閉駆動用のソレノイド332に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果がはずれであれば、後述するように、普図当りフラグがオフにされる。この普図当りフラグがオフの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理でも、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS223に移行するようにしている。
ステップS223では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および特図2始動口232の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定を行い、当選とする場合にはRAM308に設けた普図当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、普図当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置210に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
次いで、特図1および特図2それぞれについての特図状態更新処理を行うが、最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行う(ステップS225)。この特図2状態更新処理は、特図2の状態に応じて、次の複数(本例では9つ)の処理のうちの1つの処理を行う。
例えば、特図2変動開始のタイミングにおける特図2状態更新処理では、RAM308に設けた特図2保留数記憶領域に記憶された特図2保留数の値を1だけ減算した値を特図2保留数記憶領域に記憶し直す。それとともに、特図2保留ランプ220の点滅を制御する。例えば、図3の特図2保留ランプ220の4つのLEDを図左から右に向かって順にLED番号1−4とすると、LED番号の若い方から順に特図2保留数分のLEDを例えば赤色に点灯させ、他を消灯させる。
また例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、特図2表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、特図2表示装置214は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転開始設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶してから処理を終了する。
また、主制御部300のRAM308には、15R大当りフラグ、2R大当りフラグ、第1小当りフラグ、第2小当りフラグ、第1はずれフラグ、第2はずれフラグ、特図確率変動フラグ、および普図確率変動フラグそれぞれのフラグが用意されている。特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には図5(a)に示す特図A、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図B、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には特図C、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図D、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグはオフの場合には特図E、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグもオフの場合には特図F、第1小当りフラグがオンの場合には特図G、第2小当りフラグがオンの場合には特図H、第1はずれフラグがオンの場合には特図I、第2はずれフラグがオンの場合には特図Jそれぞれの態様となるように、特図2表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、特図2表示装置214は、15R特別大当り図柄(特図A)、15R大当り図柄(特図B)、突然確変図柄(特図C)、突然時短図柄(特図D)、隠れ確変図柄(特図E)、突然通常図柄(特図F)、第1小当り図柄(特図G)、第2小当り図柄(特図H)、第1はずれ図柄(特図I)、および第2はずれ図柄(特図J)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500ms間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた電サポ(詳細は後述)回数記憶部に記憶された電サポ回数が1以上であれば、その電サポ回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図確率変動中(詳細は後述)でなければ、時短フラグをオフにする。さらに、大当り遊技中(特別遊技状態中)にも、時短フラグをオフにする。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転停止設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM308に追加記憶してから処理を終了する。
また、特図2変動遊技の結果が大当りであれば、後述するように、大当りフラグがオンにされる。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で入賞演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口234の扉部材234aの開閉駆動用のソレノイド(各種ソレノイド332の一部)に、扉部材234aを開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口開放設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口234の扉部材234aの開閉駆動用のソレノイド(各種ソレノイド332の一部)に、扉部材234aを閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(本実施形態では15ラウンドか2ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、普図確率変動フラグがオンに設定されていれば、この大当り遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた電サポ回数記憶部に電サポ回数(例えば、100回)をセットするともに、RAM308に設けられた時短フラグをオンにする。なお、その普図確率変動フラグがオフに設定されていれば、電サポ回数記憶部に電サポ回数をセットすることもなく、また時短フラグをオンにすることもない。ここでの電サポ状態とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くするため、パチンコ機が遊技者にとって有利な状態になることをいう。この時短フラグがオンに設定されていると、普図高確率(普図確変)状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技で当りになる確率が高い。また、普図高確率状態の方が、普図低確率状態に比べて普図変動遊技の変動時間および特図変動遊技の変動時間は短くなる(普図変短)。さらに、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、特図2始動口232の一対の羽根部材232aの1回の開放における開放時間が長くなり易い(電チュー開延)。加えて、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、一対の羽根部材232aは多く開き易い。これらの普図確変、普図変短、電チュー開延による制御状態をまとめて、電サポ(電動チューリップによる始動口入賞サポート)状態と呼ぶ。
また、上述のごとく、時短フラグは、大当り遊技中(特別遊技状態中)にはオフに設定される。したがって、大当り遊技中には、普図低確率状態が維持される。これは、大当り遊技中に普図高確率状態であると、大当り遊技中に可変入賞口234に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に特図2始動口232に多くの遊技球が入球し、大当り中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS233)で終了演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。さらに、特図2変動遊技の結果がはずれであれば、後述するように、はずれフラグがオンにされる。このはずれフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。特図2非作動中の場合における特図2状態更新処理では、何もせずに次のステップS227に移行するようにしている。
続いて、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う(ステップS227)。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
ステップS225およびステップS227における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。ここでも先に、特図2についての特図関連抽選処理(特図2関連抽選処理)を行い(ステップS229)、その後で、特図1についての特図関連抽選処理(特図1関連抽選処理)を行う(ステップS231)。これらの特図関連抽選処理についても、主制御部300が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。また、特図2変動遊技の保留数が0より多い場合には、特図1変動遊技の保留に関する抽選処理や変動遊技は行われない。装飾図柄表示装置208による、特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は、第1副制御部400によって行われ、特図2始動口232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が、特図1始動口230への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知よりも優先して行われる。
特図2関連抽選処理(ステップS229)の場合には、特図2乱数値記憶領域内の最先の(最も過去に記憶された)保留位置から特図2乱数値の組を取得し、不図示の判定用テーブルを用いて大当りとするか否かの決定、小当りとするか否かの決定、特図2の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間の決定(特図タイマ番号の決定)、特図2の変動表示後に停止表示する図柄(停止図柄)の決定などを行う。特図2乱数値記憶領域から最先の特図2乱数値の組を取り出した後、特図2乱数値記憶領域における当該特図2乱数値の組の記憶はクリアされるとともに、特図2保留数を1減算する。このとき特図2乱数値記憶領域から取り出した特図2乱数値の組をRAM308に設けた一時領域(第2の始動情報記憶手段の一例)に当該特図2乱数値の組を記憶し、この一時領域に記憶している当該特図2乱数値の組に基づいて上述の決定を行うようにしてもよい。
特図1関連抽選処理(ステップS231)の場合も、特図2関連抽選処理(ステップS229)と同様であるのでその説明は省略する。
ステップS231の次のステップS233では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は例えば16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、大当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、FRAMクリアコマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオンまたはオフになるようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、主制御部300のRAM308に格納されている15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図関連抽選処理で選択した特図タイマ番号を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、特図確率変動フラグの値などを含み、大当りラウンド数指定コマンドの場合であれば特図確率変動フラグの値、大当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、特図1始動口230への入賞の有無、特図2始動口232への入賞の有無、可変入賞口234への入賞の有無などを含む。
また、上述の回転開始設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図1関連抽選処理および特図2関連抽選処理で選択した特図タイマ番号、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の回転停止設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値などを示す情報を設定する。上述の入賞演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の終了演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。また、このステップS233では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、コマンドデータにRAM308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、予告情報(事前予告情報、偽事前予告情報、または事前予告無情報のいずれか)を設定する。第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS233の次のステップS235では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路336を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路350に出力する。
ステップS235の次のステップS237では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップS205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、所定のエラーの有無、例えば前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視し、前面枠扉開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド332を駆動して特図2始動口232や、可変入賞口234の開閉を制御したり、駆動回路324、326、330を介して普図表示装置210、特図1表示装置212、特図2表示装置214、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS219)で設定した出力予定情報を出力ポート(I/O310)を介して第1副制御部400に出力する。
ステップS237の次のステップS239では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS243に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS241に進む。ステップS241では、タイマ割込終了処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込許可の設定などを行い、その後、図6に示す主制御部メイン処理に復帰する。一方、ステップS243では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図6に示す主制御部メイン処理に復帰する。
次に、図8を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理(ストローブ割込み処理)のフローチャートである。同図(c)は、第1副制御部400のタイマ変数更新割込処理のフローチャートである。同図(d)は、第1副制御部400の画像制御処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。この初期化処理は、例えば約30秒の時間を要する。
ステップS301の次のステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS305の次のステップS307では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS307の次のステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS309の次のステップS311では、チャンスボタンの押下を検出していた場合、ステップS309で更新した演出データをチャンスボタンの押下に応じた演出データに変更する処理を行う。
ステップS311の次のステップS313では、ステップS309で読み出した演出データの中にVDP434への命令がある場合には、この命令をVDP434に出力する(詳細は後述)。
ステップS313の次のステップS317では、ステップS309で読み出した演出データの中に各種ランプ418への命令がある場合には、この命令を駆動回路420に出力する。
ステップS317の次のステップS319では、ステップS309で読み出した演出データの中に遮蔽装置246への命令がある場合には、この命令を駆動回路432に出力する。
ステップS319の次のステップS321では、ステップS309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS303へ戻る。
次に、同図(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS401では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。第1副制御部タイマ割込処理のステップS501では、図8(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS501の次のステップS503では、第1副制御部400のメイン処理におけるステップS321で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信やその他演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、同図(d)を用いて、第1副制御部400のメイン処理におけるステップS313の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示した図である。
ステップS601では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU404は、まず、VRAM436の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が装飾図柄表示装置208に表示される。次に、CPU404は、VDP434のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM406の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM436の転送先アドレス)などを設定した後、ROM406からVRAM436への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP434は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM406からVRAM436に転送する。その後、VDP436は、転送終了割込信号をCPU404に対して出力する。
ステップS601の次のステップS603では、VDP434からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS605に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。ステップS605では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU404は、ステップS601でVRAM436に転送した画像データに基づいてVRAM436の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM436の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP434に指示する。VDP434はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS605の次のステップS607では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU404は、VDP434に画像の描画開始を指示する。VDP434は、CPU404の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS607の次のステップS609では、画像の描画終了に基づくVDP434からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS611に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。ステップS611では、RAM408の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
図9を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、同図(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップS701では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS701で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS701の次のステップS703では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS705の処理に移行する。ステップS705では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS705の次のステップS707では、コマンド処理を行う。第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS707の次のステップS709では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS707で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS709の次のステップS711では、第1副制御部400からの遊技盤用ランプ532や遊技台枠用ランプ542への命令がある場合には、この命令をシリアル通信制御回路520に出力する。
ステップS711の次のステップS713では、第1副制御部400からの演出可動体224への命令がある場合には、この命令を駆動回路516に出力する。
ステップS713の次のステップS715では、第1副制御部400からの音源IC519への命令がある場合には、この命令を音源IC519に出力し、ステップS703に戻る。
次に、同図(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS801では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。第2副制御部タイマ割込処理のステップS901では、図9(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS703において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS703において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。第2副制御部タイマ割込処理のステップS903では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、本実施の形態によるパチンコ機100の制御部の回路構成について実施例を用いてより具体的に説明する。まず、本実施の形態の実施例1によるパチンコ機100について図10乃至図13を用いて説明する。図10は、本実施例によるパチンコ機100の第1副基板160と第2副基板164とのインタフェース部の要部の回路構成を例示している。
図10に示すように、本実施例によるパチンコ機100は、電圧値V1bの電源電圧が入力する電圧入力端子802と、電圧値V1cの電源電圧が入力する電圧入力端子804とを備えた第1副基板160を有している。これらの電圧は、電源制御部660(図4参照)から供給されるようになっている。
また、第1副基板160は、電圧入力端子802に接続され、遊技制御用に動作する基本回路402を有している。電圧入力端子802から入力する電圧は、基本回路402を構成する例えばCPU404やRAM408等の電源電圧として用いられるようになっている。基本回路402の所定の入出力端子には信号線702の一部である信号線702aの一端が接続されている。
また、第1副基板160は、信号線702aを介して基本回路402に接続され、信号線702aに印加された電圧の波形を整形したり駆動能力を強化したりするバッファIC700を有している。バッファIC700は例えばスイッチバッファであり、双方向通信が可能になっている。バッファIC700の所定の入出力端子720には信号線702aの他端が接続されている。バッファIC700の電源入力端子には電圧入力端子804が接続されている。バッファIC700は、電圧入力端子804から入力する電圧を電源電圧として用いるようになっている。
さらに、第1副基板160は、所定の抵抗値R1aを有し、電源制御部660から電力が供給されるプルアップ抵抗701を有している。抵抗値R1aは、例えば数kΩ(キロオーム)〜数十kΩである。プルアップ抵抗701の一端は、電源制御部660(図4参照)から供給されて電圧値V1aの電圧が入力する電圧入力線に接続され、他端は信号線702aに接続されている。プルアップ抵抗701の一端と当該電圧入力線との接続個所が接続ノード800となり、プルアップ抵抗701の他端と信号線702aとの接続個所が接続部704となる。プルアップ抵抗701は、信号線702aに印加される電圧の値を所定の電圧値に維持して信号線702aの電圧レベルが不定状態となるのを防止するようになっている。
また、パチンコ機100は、電圧値V2bの電源電圧が入力する電圧入力端子808を備えた第2副基板164を有している。この電源電圧は、電源制御部660(図4参照)から供給されるようになっている。
電源制御部660は、電圧入力端子802、804、808、接続ノード800および後述の接続ノード806にそれぞれ入力する電圧を生成するための電圧生成回路を電圧入力端子802、804、808および接続ノード800、806毎に別個独立に有している。電源制御部660は、例えばパチンコ機100に外部から供給される交流電源(例えば、商用電源)を、パチンコ機100を構成する各回路に用いられる複数の直流電圧に変換する交流−直流変換回路を有している。電源制御部660に設けられた当該電圧生成回路は、交流−直流変換回路で生成された直流電圧の1つ(例えば、5Vの直流電圧)から基本回路402、502やバッファIC700の定格電圧以下の直流電圧(例えば、3.3V)を生成するようになっている。
第2副基板164は、電圧入力端子808に接続され、遊技制御用に動作する基本回路502を有している。電圧入力端子808から入力する電圧は、基本回路502を構成する例えばCPU504やRAM508等の電源電圧として用いられるようになっている。基本回路502の所定の入出力端子には信号線702の一部である信号線702bの一端が接続されている。
信号線702bは、第1副基板160と第2副基板164とを跨いで配線されている。信号線702bの他端は、信号線702aが接続されてバッファIC700の入出力端子720と対を成す入出力端子722に接続されている。信号線702a、702bを有する信号線702は、基本回路402の所定の入出力端子と基本回路502の所定の入出力端子とをバッファIC700を介して接続し、基本回路402と基本回路502とを双方向通信可能に接続するようになっている。なお、図10には、1本の信号線702のみが図示されているが、基本回路402と基本回路502とは、実際にはバッファIC700を介して複数の信号線で接続され、種々の信号が双方向に通信可能になっている。
第2副基板164は、所定の抵抗値R2aを有し、電源制御部660から電力が供給されるプルアップ抵抗703を有している。抵抗値R2aは、例えば数kΩ〜数十kΩである。プルアップ抵抗703の一端は、電源制御部660(図4参照)から供給されて電圧値V2aの電圧が入力する電圧入力線に接続され、他端は第2副基板164に配線された信号線702bに接続されている。第2副基板164に設けられたプルアップ抵抗703の抵抗値R2aは、第1副基板160に設けられたプルアップ抵抗701の抵抗値R1aとは異なっており、例えば抵抗値R1aは抵抗値R2aより高くなっている。プルアップ抵抗703の一端と当該電圧入力線との接続個所が接続ノード806になり、プルアップ抵抗703の他端と信号線702bとの接続個所が接続部706となる。プルアップ抵抗703は、信号線702bに印加される電圧の値を所定の電圧値に維持して信号線702bの電圧レベルが不定状態となるのを防止するようになっている。
バッファIC700は接続部704と接続部706との間に接続されている。接続部704とバッファIC700の入出力端子720とは電気的に接続されて同電位となり、接続部706とバッファIC700の入出力端子722とは電気的に接続されて同電位となるようになっている。基本回路402、バッファIC700および基本回路502は、基準電位が同電位となるように、例えば接地されている。
図11は、基本回路402が低レベルの電圧を基本回路502に出力している状態の回路構成を示している。図12は、基本回路402が高レベルの電圧を基本回路502に出力している状態の概略の回路構成を示している。図11(a)および図12(a)は、基本回路402およびバッファIC700のインタフェース部の回路構成を示し、図11(b)および図12(b)は、バッファIC700と基本回路502とのインタフェース部の回路構成を示している。低レベルの電圧は、例えば基本回路402や基本回路502を構成するトランジスタの閾値電圧以下の電圧であり、高レベルの電圧は当該トランジスタの閾値電圧より高い電圧である。
基本回路402および基本回路502は、送信側の回路として機能して命令がオンの場合には低レベルの電圧を出力し、命令がオフの場合には高レベルの電圧を出力する、いわゆるアクティブロウ(Low)となるように構成されている。また、基本回路402および基本回路502は、受信側の回路として機能して命令がオンの場合には低レベルの電圧を入力し、命令がオフの場合には高レベルの電圧を入力するようになっている。図11では、基本回路402が送信側の回路として機能して低レベルの電圧を出力し、基本回路502が受信側の回路として機能して低レベルの電圧を入力している状態が例示されている。また、図12では、基本回路402が送信側の回路として機能して高レベルの電圧を出力し、基本回路502が受信側の回路として機能して高レベルの電圧を入力している状態が例示されている。
図11(a)に示すように、信号線702aの一端は、例えば基本回路402に備えられたCPU404の所定の入出力端子724に接続されている。入出力端子724には、例えば所定の出力回路を構成するスイッチング回路708の出力端子708aが接続されている。スイッチング回路708は、例えば後述のCMOSインバータ回路を有している。スイッチング回路708の入力側の一端子708bは電圧入力端子802に接続されている。スイッチング回路708の入力側の他端子708cは抵抗710の一端に接続されている。抵抗710の他端は接地されている。従って、スイッチング回路708の入力側の他端子708cは抵抗710を介して接地されている。CPU404が低レベルの電圧を出力する場合には、スイッチング回路708は出力端子708aが入力側の他端子708cに接続されるように切り替えられるので、出力端子708aは抵抗710を介して接地される。CPU404の入出力端子724は、入力端子として機能する場合には、例えば切り替え回路によってスイッチング回路708から切り離されて所定の入力回路に接続されるようになっているが、図11(a)では、当該切り替え回路や入力回路の図示は省略されている。
信号線702aの他端はバッファIC700の入出力端子720に接続されている。入出力端子720には、バッファIC700の内部抵抗712が接続されている。内部抵抗712の一端は入出力端子724に接続され、他端は接地されている。内部抵抗712の抵抗値は、例えば数MΩ(メガオーム)である。入出力端子720および内部抵抗712の一端に接続された所定の入力回路は、図11(a)では図示が省略されている。また、バッファIC700の入出力端子720は、出力端子として機能する場合には、例えば切り替え回路によって不図示の入力回路や内部抵抗712から切り離されて所定の出力回路に接続されるようになっているが、図11(a)では、当該切り替え回路や出力回路の図示は省略されている。
図11(b)に示すように、信号線702bの他端は、バッファIC700の所定の入出力端子722に接続されている。入出力端子722には、例えば所定の出力回路を構成するスイッチング回路714の出力端子714aが接続されている。スイッチング回路714の入力側の一端子714bは電圧入力端子804に接続されている。スイッチング回路714の入力側の他端子714cは抵抗716の一端に接続されている。抵抗716の他端は接地されている。従って、スイッチング回路714の入力側の他端子714cは抵抗716を介して接地されている。バッファIC700は、基本回路402から入力する低レベルの電圧を出力する場合には、出力端子714aが入力側の他端子714cに接続されるように切り替えられるので、出力端子714aは抵抗716を介して接地される。バッファIC700の入出力端子722は、入力端子として機能する場合には、例えば切り替え回路によってスイッチング回路714から切り離されて所定の入力回路に接続されるようになっているが、図11(b)では、当該切り替え回路や入力回路の図示は省略されている。
信号線702bの一端は、例えば基本回路502に備えられたCPU504の所定の入出力端子726に接続されている。入出力端子726には、CPU504の内部抵抗718が接続されている。内部抵抗718の抵抗値は、例えば数MΩ(メガオーム)である。内部抵抗718の一端は入出力端子726に接続され、他端は接地されている。入出力端子726および内部抵抗718の一端に接続された所定の入力回路は、図11(b)では図示を省略している。また、CPU504の入出力端子726は、出力端子として機能する場合には、例えば切り替え回路によって不図示の入力回路や内部抵抗718から切り離されて所定の出力回路に接続されるようになっているが、図11(b)では、当該切り替え回路や出力回路の図示は省略されている。
図12(a)に示すように、基本回路402は、高レベルの電圧を出力する場合には、出力端子708aが入力側の一端子708bに接続されるようにスイッチング回路708を切り替えて、出力端子708aを電圧入力端子802に接続するようになっている。これにより、出力端子708aに接続された入出力端子724から例えば電圧値V1bにほぼ等しい高レベルの電圧が出力される。
図12(b)に示すように、バッファIC700は、基本回路402から入力する高レベルの電圧を出力する場合には、出力端子714aを入力側の一端子714bに接続するようにスイッチング回路714を切り替えて、出力端子714aを電圧入力端子804に接続するようになっている。これにより、出力端子714aに接続された入出力端子722から例えば電圧値V1cにほぼ等しい高レベルの電圧が出力される。
送信側の基本回路402が高レベルの電圧を出力している通常状態(非アクティブ状態)の場合には、CPU404のスイッチング回路708の出力端子708aやバッファIC700のスイッチング回路714の出力端子714aは接地されていない。これに対し、受信側の基本回路502の入出力端子は、例えばCPU504の内部抵抗718を介して接地されている。このため、電圧入力端子804および接続ノード806から流れる電流は、バッファIC700の入出力端子722にはほとんど流れずに、基本回路502の入出力端子に流れるようになっている。このように、通常状態では、受信側の遊技制御回路(本実施例では、基本回路502)は、入出力端子から回路内部に電流を引き込むようになっている。パチンコ機100は動作時に、アクティブ状態より非アクティブ状態である時間が長いので、受信側の遊技制御回路が電流を引き込んでいる時間は相対的に長くなる。
図11に戻って、図11(a)に示すように、基本回路402が低レベルの電圧を出力している場合には、入出力端子724が抵抗710を介して接地される。低レベルの電圧は、例えばバッファIC700を構成するトランジスタの閾値電圧以下の電圧である必要があるため、抵抗710は相対的に低い抵抗値を有している。抵抗710の抵抗値は、プルアップ抵抗701やバッファIC700の内部抵抗712の各抵抗値と比較すると、例えば数桁以上低い値(例えば、数オーム(Ω))に設定されている。
図11(a)に示す基本回路402とバッファIC700との接続状態は、接続ノード800および接地間に、プルアップ抵抗701と、並列接続された抵抗710および内部抵抗712とが直列接続されていると看做すことができる。なお、スイッチング回路708と抵抗710とは直列接続されているが、スイッチング回路708のオン抵抗の抵抗値は相対的に低いで、スイッチング回路708のオン抵抗は無視する。上記の通り、抵抗710の抵抗値は内部抵抗712の抵抗値と比較して非常に低いので、抵抗710と内部抵抗712との合成抵抗の抵抗値は例えば数オームとなる。プルアップ抵抗701の抵抗値をR1aとし、抵抗710の抵抗値をr710とし、内部抵抗712の抵抗値をr712とし、当該合成抵抗の抵抗値をr1とすると、接続部704の電圧値は、プルアップ抵抗701の抵抗値R1aと当該合成抵抗の抵抗値r1との分圧比で決定され、以下の式(1)および式(2)を用いて求めることができる。
V704=(r1/(r1+R1a))×V1a ・・・(1)
r1=(r710×r712)/(r710+r712) ・・・(2)
図11(b)に示すバッファIC700と基本回路502との接続状態も、図11(a)におけるのと同様の議論が成り立つ。バッファIC700の抵抗716の抵抗値をr716とし、CPU504の内部抵抗718の抵抗値をr718とし、並列接続された抵抗716および内部抵抗718の合成抵抗の抵抗値をr2とすると、接続部706の電圧値V706は、以下の式(3)および式(4)を用いて求めることができる。
V706=(r2/(r2+R2a))×V2a ・・・(3)
r2=(r716×r718)/(r716+r718) ・・・(4)
本実施例では、例えば抵抗710の抵抗値r710と、抵抗716の抵抗値r716とはほぼ同じ値となり、内部抵抗712の抵抗値r712と内部抵抗718の抵抗値r718とはほぼ同じ値となるように構成されている。また、プルアップ抵抗701の抵抗値R1aは、プルアップ抵抗703の抵抗値R2aより高く設定されている。従って、接続ノード800から入力する電圧の電圧値V1aと接続ノード806から入力する電圧の電圧値V2aとが等しい場合には、接続部706の電圧値V706は接続部704の電圧値V704より高くなる。
接続ノード800、806から入力する電圧が所定値以下である場合には、電圧値V704、V706は約0Vとなってパチンコ機100に不具合は生じない。しかしながら、電源制御部660が異常動作して接続ノード800、806に所定値以上の高電圧が入力すると、接続ノード800、806に入力する電圧の電圧値に応じて接続部704、706の電圧値V704、V706が高くなる。接続部706の電圧値V706は、接続部704の電圧値V704より高くなり易い。このため、接続ノード800、806から所定値以上の高電圧が印加された場合、接続部706に接続された基本回路502の入出力端子には、接続部704に接続された基本回路402の入出力端子より高い電圧が印加され易い。このため、基本回路502は、基本回路402と比較して、入出力端子に定格値以上の高電圧が印加され易いので、基本回路502は基本回路402よりも破損し易い。
次に、基本回路402が高レベルの電圧を出力している場合の接続部704、706の電圧値V704、V706について図12および図13を用いて説明する。図13は、基本回路402が高レベルの電圧を出力している場合の基本回路402、バッファIC700および基本回路504のインタフェース部の等価回路を示している。図13(a)は、図12(a)に示す基本回路402とバッファIC700とのインタフェース部の回路構成の等価回路を示し、図13(b)は、図12(b)に示すバッファIC700と基本回路502とのインタフェース部の回路構成の等価回路を示している。なお、図13では、スイッチング回路708、714は説明の便宜上、抵抗器の電気記号で表されている。
図12(a)に示すように、基本回路402が高レベルの電圧を出力している場合には、入出力端子724がスイッチング回路708を介して電圧入力端子802に接続される。図13(a)に示すように本実施の形態では、電圧入力端子802に入力する電圧の電圧生成回路852と、接続ノード800に入力する電圧の電圧生成回路850とは、内部抵抗712と基準電位が同一となるように接地されている。このため、図12(a)に示す基本回路402およびバッファIC700のインタフェース部の回路構成は、図13(a)に示すように、電圧生成回路852とスイッチング回路708との直列回路と、電圧生成回路850とプルアップ抵抗701との直列回路と、内部抵抗712との並列回路による等価回路で表すことができる。
接続部704の電圧値V704は、線形回路における「重ね合わせの理」を用いて、内部抵抗712に流れる電流を算出することにより求めることができる。図13(a)において、電圧生成回路850を短絡した場合には、電圧入力端子802および接地間に、スイッチング回路708と、並列接続されたプルアップ抵抗701および内部抵抗712とが直列接続される回路が構成される。また、図13(a)において、電圧生成回路852を短絡した場合には、接続ノード800および接地間に、プルアップ抵抗701と、並列接続されたスイッチング回路708および内部抵抗712とが直列接続される回路が構成される。詳細な説明は省略するが、この2つの回路と重ね合わせの理とを用い、スイッチング回路708のオン抵抗の抵抗値をron1とし、内部抵抗712の抵抗値をr712とすると、接続部704の電圧値V704は以下の式(5)および式(6)から求めることができる。
V704=(R1a×r712/ΣR1)×V1b
+(ron1×r712/ΣR1)×V1a ・・・(5)
ΣR1=ron1×R1a+ron1×r712+R1a×r712 ・・・(6)
図12(b)に示すバッファIC700と基本回路502との接続状態も、図12(a)におけるのと同様の議論が成り立つ。図13(b)に示すように本実施の形態では、電圧入力端子804に入力する電圧の電圧生成回路854と、接続ノード806に入力する電圧の電圧生成回路856とは、内部抵抗718と基準電位が同一となるように接地されている。このため、図12(b)に示す基本回路502およびバッファIC700のインタフェース部の回路構成は、図13(b)に示すように、電圧生成回路854とスイッチング回路714との直列回路と、電圧生成回路856とプルアップ抵抗703との直列回路と、内部抵抗718との並列回路による等価回路で表すことができる。
接続部704と同様に、接続部706の電圧値V706は、線形回路における「重ね合わせの理」を用いて、内部抵抗718に流れる電流を算出することにより求めることができる。電圧生成回路856を短絡した場合には、電圧入力端子804および接地間に、スイッチング回路714と、並列接続されたプルアップ抵抗703および内部抵抗718とが直列接続される回路が構成される。また、電圧生成回路854を短絡した場合には、接続ノード806および接地間に、プルアップ抵抗703と、並列接続されたスイッチング回路714および内部抵抗718とが直列接続される回路が構成される。詳細な説明は省略するが、この2つの回路と重ね合わせの理とを用い、スイッチング回路714のオン抵抗の抵抗値をron2とし、内部抵抗718の抵抗値をr718とすると、接続部706の電圧値V706は以下の式(7)および式(8)から求めることができる。
V706=(R2a×r718/ΣR2)×V1c
+(ron2×r718/ΣR2)×V2a ・・・(7)
ΣR2=ron2×R2a+ron2×r718+R2a×r718 ・・・(8)
例えば、スイッチング回路708、714のオン抵抗の抵抗値は、プルアップ抵抗701、703の抵抗値や内部抵抗712、718の抵抗値と比較すると数桁低い値である。このため、式(5)および式(6)より、接続部704の電圧値V704は、以下の式(9)のように近似できる。
V704=(R1a×r712/(R1a×r712))×V1b
+(ron1×r712/(R1a×r712))×V1a・・・(9)
また、式(7)および式(8)より、接続部706の電圧値V706は、以下の式(10)のように近似できる。
V706=(R2a×r718/(R2a×r718))×V1c
+(ron2×r718/(R2a×r718))×V2a・・・(10)
抵抗値ron1は抵抗値R1aと比較して数桁低い値なので、V1aの項の係数はV1bの項の係数と比較して非常に小さくなる。また、抵抗値ron2は抵抗値R2aと比較して数桁低い値なので、V2aの項の係数はV1cの項の係数と比較して非常に小さくなる。このため、接続ノード800、806および電圧入力端子802、804、808に入力する電圧が所定値であってほぼ同一の場合には、式(9)のV1aの項と、式(10)のV2aの項は無視できる。従って、接続部704の電圧値V704は電圧値V1bにほぼ等しくなり、接続部706の電圧値V706は電圧値V1cにほぼ等しくなる。接続ノード800、806に入力する電圧が所定値である場合には、電圧値V704は電圧値V1bとほぼ等しく、電圧値V706は電圧値V1cにほぼ等しくなってパチンコ機100に不具合は生じない。
しかしながら、電源制御部660が異常動作して接続ノード800、806に入力する電圧値V1a、V2aが所定値以上であって電圧値V1b、V1cと比較して高くなると、式(9)におけるV1aの項および式(10)におけるV2aの項が無視できなくなる。このため、接続部704の電圧値V704は、式(9)よりV1b+(ron1/R1a)×V1aとなり、接続部706の電圧値V706は、式(10)よりV1c+(ron2/R2a)×V2aとなる。このように、接続ノード800、806に高電圧が入力された場合には、接続部704、706の電圧値V704、V706は、プルアップ抵抗701、703の抵抗値にそれぞれ反比例する。抵抗値R2aは抵抗値R1aより低いので、接続部706の電圧値V706は接続部704の電圧値V704より高くなり易い。これにより、接続ノード800、806から所定値以上の高電圧が入力された場合、接続部706に接続された基本回路502の入出力端子には、接続部704に接続された基本回路402の入出力端子より高い電圧が印加され易い。基本回路502は、基本回路402と比較して、入出力端子に定格値以上の高電圧が印加され易いので、本実施例によるパチンコ機100は、制御される側の回路(例えば、基本回路502)や回路基板(例えば、第2副基板164)が制御する側の回路(例えば、基本回路402)や回路基板(例えば、第1副基板160)よりも破損し易くなっている。
以上説明したように、本実施例によるパチンコ機100は、第1副基板160に電力を供給するための電圧生成回路と、第2副基板164に電力を供給するための電圧生成回路とを別個独立に有している。また、パチンコ機100は、基本回路402やバッファIC700等の各回路の電源電圧となる、電圧入力端子802、804に入力する電圧を生成するための電圧生成回路と、接続ノード800を介してプルアップ抵抗701の一端に入力する電圧を生成するための電圧生成回路とを別個独立に有している。さらに、パチンコ機100は、基本回路502等の各回路の電源電圧となる、電圧入力端子808に入力する電圧を生成するための電圧生成回路と、接続ノード806を介してプルアップ抵抗703の一端に入力する電圧を生成するための電圧生成回路とを別個独立に有している。本実施例では、各電圧生成回路は別個独立に設けられているため、各電圧発生回路が同時に異常動作を起こし難くなっており、第1副基板160と第2副基板164とは同時に電源異常を発生し難く、第1副基板160と第2副基板164とは同時に破損し難くなっている。
また、本実施例によるパチンコ機100は、第1副基板160に用いられるプルアップ抵抗701の抵抗値R1aと第2副基板164に用いられるプルアップ抵抗703の抵抗値R2aとを異ならせることにより、基本回路402と基本回路502との壊れ易さが調整されている。例えば、本実施例によるパチンコ機100は、装飾図柄表示装置208が接続された基本回路402が音出力装置であるスピーカ120が接続された基本回路502を制御するようになっており、制御される側の基本回路502が壊れ易くなっている。例えば、抵抗値R1aを抵抗値R2aより高くすることにより、第2副基板164は第1副基板160と比較して電源異常に対して破損し易くなる。これにより、パチンコ機100の動作異常検査時に、破損し易い第2副基板164が破損していない場合には、破損し難い第1副基板160の検査を省略できる場合が多くなるので、パチンコ機100の動作異常検査を簡略化することができる場合がある。
本実施の形態によるパチンコ機100では、バッファICやプルアップ抵抗の個数は上記実施例1において例示した個数に限られない。以下の実施例2乃至6において、複数のバファICやプルアップ抵抗が用いられるパチンコ機100について説明する。
本実施の形態の実施例2によるパチンコ機100について図14を用いて説明する。図14は、本実施例によるパチンコ機100の第1副基板160と第2副基板164とのインタフェース部の要部の回路構成を例示している。本実施例によるパチンコ機100は、上記実施例1によるパチンコ機100の構成に加えて、第2副基板164がバッファIC728を備えている点に特徴を有している。なお、上記実施例1によるパチンコ機100と同一の作用・機能を奏する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図14に示すように、第2副基板164は、バッファIC728と、バッファIC728の電源電圧が入力する電圧入力端子810とを有している。バッファIC728は例えばスイッチバッファであり、双方向通信が可能になっている。バッファIC728の入出力端子730は、信号線702の一部である信号線702cを介して第1副基板160に設けられたバッファIC700の入出力端子722に接続されている。信号線702cの一端は入出力端子722に接続され、他端は入出力端子730に接続されている。本実施によるパチンコ機100は、上記実施例1によるパチンコ機100と異なり、信号線702cが第1副基板160と第2副基板164とを跨いで配線されている。入出力端子730と対を成す、バッファIC728の入出力端子732は、信号線702bを介して接続部706および基本回路502の所定の入出力端子に接続されている。信号線702bの一端は基本回路502の所定の入出力端子に接続され、他端は入力端子732に接続されている。
信号線702a、702b、702cを有する信号線702は、基本回路402の所定の入出力端子と基本回路502の所定の入出力端子とをバッファIC700およびバッファIC728を介して接続し、基本回路402と基本回路502とを双方向通信可能に接続している。なお、図14には、1本の信号線702のみが図示されているが、基本回路402と基本回路502とは、実際にはバッファIC700、IC728を介して複数の信号線で接続され、種々の信号が双方向に通信可能になっている。
バッファIC728の電源入力端子には、電圧入力端子810が接続されている。電圧入力端子810に入力する、電圧値V2cの電源電圧は、電源制御部660(図4参照)から供給されるようになっている。また、電圧入力端子810に入力する電圧は、電圧入力端子802、804、808および接続ノード800、806に入力する電圧を生成する電圧生成回路とは別個独立に設けられた電圧生成回路で生成されるようになっている。
バッファIC728の入出力端子732に接続された出力回路(不図示)は、バッファIC700の入出力端子722に接続された出力回路と同様の回路構成を有している。このため、バッファIC728が低レベルの電圧を出力する場合のバッファIC728と基本回路502との接続状態は、図11(b)に示すバッファIC700と基本回路502との接続状態と同様になる。また、バッファIC728が高レベルの電圧を出力する場合のバッファIC728と基本回路502との接続状態は、図12(b)に示すバッファIC700と基本回路502との接続状態と同様になる。従って、本実施例のパチンコ機100の接続部706の電圧値V706は、図11および図12を用いて説明したのと同様に考えることができる。例えば電圧値V706は、式(3)、式(4)および式(7)乃至式(10)において、r716をバッファIC728の入出力端子732に接続されるスイッチング回路(不図示)の入力側の端子および接地間に接続される抵抗(不図示)の抵抗値に置き換えて求めることができる。
本実施例では例えば、バッファIC728の入出力端子732に接続されるスイッチング回路のオン抵抗は、スイッチング回路714のオン抵抗とほぼ同じ抵抗値であり、当該スイッチング回路の入力側の端子および接地間に接続される抵抗の抵抗値は、抵抗716の抵抗値とほぼ同じである。このため、本実施例によるパチンコ機100の接続部706の電圧値V706は、上記実施例1によるパチンコ機100の接続部706の電圧値V706とほぼ同じになる。また、本実施例のパチンコ機100の接続部704の電圧値V704は、式(1)、式(2)、式(5)および式(6)を用いて求めることができる。従って、本実施例によるパチンコ機100は、接続部706の電圧値V706が接続部704の電圧値V704より高くなり易いので、上記実施例1によるパチンコ機100と同様の効果が得られる場合がある。
次に、本実施の形態の実施例3によるパチンコ機100について図15を用いて説明する。図15は、本実施例によるパチンコ機100の第1副基板160と第2副基板164とのインタフェース部の要部の回路構成を例示している。本実施例によるパチンコ機100は、実施例2によるパチンコ機100に対し、プルアップ抵抗703が信号線702bに代えて信号線702cに接続されている点に特徴を有している。なお、上記実施例1および2によるパチンコ機100と同一の作用・機能を奏する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図15に示すように、プルアップ抵抗703の他端は信号線702cに接続されている。プルアップ抵抗703の一端と電圧値V2aの電圧が入力する電圧入力線との接続個所が接続ノード806になり、プルアップ抵抗703の他端と信号線702cとの接続個所が接続部706となる。
バッファIC728が入力側の回路として機能する場合のバッファIC728の入出力端子730に接続された入力回路は例えば、図11(b)および図12(b)に示すCPU504の入出力端子726に接続された入力回路と同様の回路構成を有している。このため、バッファIC728に低レベルの電圧を入力する場合のバッファIC700とバッファIC728との接続状態は、図11(b)に示すバッファIC700とCPU504との接続状態と同様になる。また、バッファIC728に高レベルの電圧を入力する場合のバッファIC700とバッファIC728との接続状態は、図12(b)に示すバッファIC700とCPU504との接続状態と同様になる。従って、本実施例によるパチンコ機100の接続部706の電圧値V706は、図11および図12を用いて説明したのと同様に考えることができる。例えば電圧値V706は、式(3)、式(4)および式(7)乃至式(10)において、r718をバッファIC728の入出力端子730と接地間に接続される内部抵抗(不図示)の抵抗値に置き換えて求めることができる。
本実施例では、バッファIC728の入出力端子730に接続される内部抵抗の抵抗値は、例えば図11(b)および図12(b)に示すCPU504の内部抵抗718の抵抗値r718とほぼ同じである。このため、本実施例によるパチンコ機100の接続部706の電圧値V706は、上記実施例1によるパチンコ機100の接続部706の電圧値V706とほぼ同じになる。また、本実施例のパチンコ機100の接続部704の電圧値V704は、式(1)、式(2)、式(5)および式(6)を用いて求めることができる。従って、本実施例によるパチンコ機100は、接続部706の電圧値V706が接続部704の電圧値V704より高くなり易いので、上記実施例1によるパチンコ機100と同様の効果が得られる。また、本実施例によるパチンコ機100では、接続部706の電圧値V706が高くなった場合に破損するのはバッファIC728であって基本回路502ではない。バッファIC728は、基本回路502よりも安価である。このため、本実施例によるパチンコ機100は、上記実施例1および2と比較して、相対的に安価な電子部品を破損させることにより、相対的に高価な電子部品の破損を防止できる場合がある。
次に、本実施の形態の実施例4によるパチンコ機100について図16を用いて説明する。図16は、本実施例によるパチンコ機100の第1副基板160と第2副基板164とのインタフェース部の要部の回路構成を例示している。本実施例によるパチンコ機100は、実施例3によるパチンコ機100の構成に加えて、信号線702bに接続されたプルアップ抵抗734を備えている点に特徴を有している。なお、上記実施例1乃至3によるパチンコ機100と同一の作用・機能を奏する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図16に示すように、第2副基板164は、バッファIC728と基本回路502とを接続する信号線702bに接続されて例えば抵抗値R3aのプルアップ抵抗734を有している。プルアップ抵抗734の一端は電圧値V3aの電圧が入力する電圧入力線に接続され、他端は信号線702bに接続されている。プルアップ抵抗734の一端と当該電圧入力線との接続個所が接続ノード812となり、プルアップ抵抗734の他端と信号線702bとの接続個所が接続部736となる。
接続ノード812に入力する電圧値V3aの電圧は、電源制御部660(図4参照)から供給されるようになっている。また、当該電圧を生成するための電圧生成回路は、接続ノード800、806および電圧入力端子802、804、808、810にそれぞれ入力する電圧を生成する各電圧生成回路とは別個独立に設けられている。
本実施例によるパチンコ機100における接続部704の電圧値V704は、上記実施例1のパチンコ機100における接続部704の電圧値V704と同様にして求めることができる。また、本実施例によるパチンコ機100における接続部706の電圧値V706は、上記実施例3のパチンコ機100における接続部706の電圧値V706と同様にして求めることができる。また、本実施の形態によるパチンコ機100における接続部736の電圧値V736は、上記実施例2のパチンコ機100における接続部706の電圧値V706と同様にして求めることができる。
上記実施例1乃至3と同様に本実施例では、基本回路402および基本回路502のうち、制御する側の回路は基本回路402であり、制御される側の回路は基本回路502であって、例えば制御される側の回路が破損し易いように構成されている。さらに、本実施例では、基本回路402や基本回路502と比較して安価なバッファIC728が破損し易いように構成されている。このため、本実施例によるパチンコ機100は、プルアップ抵抗701の抵抗値R1aが最も高く、プルアップ抵抗734の抵抗値R3aがその次に高く、プルアップ抵抗703の抵抗値R2aが最も低くなるように設定されている。
これにより、本実施例によるパチンコ機100は、上記実施例1乃至3によるパチンコ機100と同様の効果が得られる場合がある。
3個以上のプルアップ抵抗を有している場合に、プルアップ抵抗の抵抗値をそれぞれ異ならせることにより、回路や回路基板の破損し易さが調整される。パチンコ機100の検査において、壊れ易い回路や回路基板を優先して検査すればよく、検査の順序がわかり易くなる場合がある。これにより、パチンコ機100の検査が容易になる場合がある。
次に、本実施の形態の実施例5によるパチンコ機100について図17を用いて説明する。図17は、本実施例によるパチンコ機100の第1副基板160と第2副基板164とのインタフェース部の要部の回路構成を例示している。本実施例によるパチンコ機100は、実施例3によるパチンコ機100の構成に加えて、接続部706とバッファIC700の入出力端子722との間で信号線702cに接続されたコンデンサ737と、接続部706とバッファIC728の入出力端子730との間で信号線702cに接続されたコンデンサ738とを備えている点に特徴を有している。なお、上記実施例1乃至4によるパチンコ機100と同一の作用・機能を奏する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図17に示すように、第1副基板160は、信号線702cに接続されたコンデンサ737を有している。コンデンサ737の一方の電極は信号線702cを介してバッファIC700の入出力端子722に接続され、他方の電極は接地されている。また、コンデンサ737の一方の電極は、信号線702cを介して第2副基板164に設けられた接続部706に接続されている。第2副基板164は、信号線702cに接続されたコンデンサ738を有している。コンデンサ738の一方の電極は信号線702cを介してバッファIC728の入出力端子730に接続され、他方の電極は接地されている。また、コンデンサ738の一方の電極は、信号線702cを介して接続部706およびコンデンサ737の一方の電極に接続されている。コンデンサ737およびコンデンサ738は、例えば信号線702cに重畳するノイズ信号を除去するために設けられている。
本実施例によるパチンコ機100において、基本回路402が低レベルの電圧を出力し、これに応じてバッファIC700も低レベルの電圧を出力している場合のバッファIC700およびバッファIC728の接続部の回路構成は、図11(b)に示す回路構成のCPU504の入出力端子726および内部抵抗718をバッファIC728の入出力端子730および内部抵抗(不図示)に置き換えるとともに、当該内部抵抗およびバッファ700の抵抗716にコンデンサ737およびコンデンサ738が並列接続された回路と看做すことができる。
基本回路402は、命令がオフの場合の通常状態では高レベルの直流電圧を出力し、命令がオンとなった場合に低レベルの直流電圧を出力するようになっている。このため、基本回路402から出力される信号はほぼ直流信号と考えることができる。従って、コンデンサ737、738の各インピーダンスは、抵抗716およびバッファIC728の内部抵抗と比較して、相対的に高くなり(例えば、ほぼ無限大となり)、バッファIC700およびバッファIC728の接続部の等価回路において、コンデンサ737およびコンデンサ738は無視して考えることができる。
従って、本実施例によるパチンコ機100の接続部706の電圧値V706は、上記実施例3の電圧値V706と同様に求めることができる。また、接続部704の電圧値V704は、図11(a)を用いて説明したのと同様に求めることができる。従って、本実施例によるパチンコ機100は、接続部706の電圧値V706が接続部704の電圧値V704より高くなり易いので、上記実施例3によるパチンコ機100と同様の効果が得られる。
次に、本実施の形態の実施例6によるパチンコ機100について図18を用いて説明する。図18は、本実施例によるパチンコ機100の第1副基板160と第2副基板164とのインタフェース部の要部の回路構成を例示している。本実施例によるパチンコ機100は、実施例5によるパチンコ機100の構成に加えて、コンデンサ737とコンデンサ738との間に2つのノイズフィルタ740、742を備えている点に特徴を有している。なお、上記実施例1乃至5によるパチンコ機100と同一の作用・機能を奏する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図18に示すように、第1副基板160は、信号線702cに接続されたノイズフィルタ740を有している。ノイズフィルタ740の一端子740aは、信号線702cを介して、コンデンサ737の一方の電極と、バッファIC700の入出力端子722に接続されている。第2副基板164は、信号線702cに接続されたノイズフィルタ742を有している。ノイズフィルタ742の一端子742aは、信号線702cを介して、コンデンサ738の一方の電極と、バッファIC728の入出力端子730と、接続部706とに接続され、他端子742bはノイズフィルタ740の他端子740bに接続されている。
例えばノイズフィルタ740およびノイズフィルタ742はいずれも、信号線702cに重畳する高周波のノイズを除去するローパスフィルタを有している。例えば当該ローパスフィルタは、信号線702cを切断して挿入された抵抗(以下、「ノイズフィルタ用抵抗」と称する場合がある)と信号線702cおよび接地間に接続されたコンデンサ(以下、「ノイズフィルタ用コンデンサ」と称する場合がある)とで構成されたパッシブ型の構成を有している。
上記実施例5において説明したように、基本回路402から出力される信号は直流信号と看做せ、コンデンサ737、738およびノイズフィルタ用コンデンサは、バッファIC700とバッファIC728との接続部の等価回路において無視して考えることができる。
本実施例によるパチンコ機100では、基本回路402が低レベルの電圧を出力し、これに応じてバッファIC700も低レベルの電圧を出力している場合には、接続部706の電圧値V706は、式(4)の抵抗値r716を、抵抗716と、直列の2個のノイズフィルタ用抵抗とを直列接続した場合の合成抵抗の抵抗値に置き換え、抵抗値r718をバッファIC728の内部抵抗の抵抗値に置き換えることにより求めることができる。当該合成抵抗の抵抗値は抵抗値716より高くなり、バッファIC728の内部抵抗の抵抗値は抵抗値r718とほぼ同様である。このため、本実施例における電圧値V706は、式(4)および式(5)より、上記実施例3乃至5における電圧値V706よりも高くなる。従って、接続ノード806に所定電圧よりも高い高電圧が入力した場合、本実施例によるパチンコ機100は、上記実施例3乃至5と比較して、電圧値V706が高くなり易い。
本実施例によるパチンコ機100では、基本回路402が高レベルの電圧を出力し、これに応じてバッファIC700も高レベルの電圧を出力している場合には、接続部706の電圧値V706は、式(8)の抵抗値ron2を、抵抗値ron2と、直列の2個のノイズフィルタ用抵抗とを直列接続した場合の合成抵抗の抵抗値に置き換え、抵抗値r718をバッファIC728の内部抵抗の抵抗値に置き換えることにより求めることができる。式(7)におけるV2aの項の係数は、分母分子をron2で除算して、r718/(R2a+r718+(R2a×r718/ron2))と変形できる。当該合成抵抗の抵抗値は抵抗値ron2より高くなるので、この変形式から明らかなように、式(7)におけるV2aの積の係数は、上記実施例3乃至5と比較して本実施例の方が大きくなる。接続ノード806に所定電圧よりも高い高電圧が入力した場合、式(7)においてV2aの項は無視できなくなるので、本実施例によるパチンコ機100は、上記実施例3乃至5のパチンコ機100と比較して、接続部706の電圧値V706が高くなり易い。
また、基本回路402とバッファIC700とのインタフェース部の回路構成は、本実施例と上記実施例3乃至5とでは同様である。このため、本実施例によるパチンコ機100の接続部704の電圧値V704は、上記実施例3乃至5によるパチンコ機100の電圧値V704と同様となる。従って、本実施例によるパチンコ機100は、所定値以上の入力電圧が接続ノード800、806に入力した場合に、入出力端子730に相対的に高い電圧が入力され易いので、バッファIC728が破損し易くなる。これにより、本実施例によるパチンコ機100は、上記実施例3乃至5と同様の効果が得られる場合がある。
上記実施例1乃至6は組み合わせることが可能である。例えば、実施例1および2によるパチンコ機100は、コンデンサやノイズフィルタを有していてもよい。
図19は、本実施の形態によるパチンコ機100に用いられるCPU404、504およびバッファIC700、728の入力部の入力回路および出力部の出力回路の回路構成例を示している。
図19(a)は、バイポーラ・トランジスタを用いた出力回路903を例示している。図19(a)に示すように、出力回路903は、NPN型のバイポーラ・トランジスタ902を有している。トランジスタ902は、出力回路903を有するICの外部に設けられた抵抗901を介して電圧入力端子900に接続されたコレクタ端子cと、接地されたエミッタ端子eと、不図示の内部回路に接続されたベース端子bとを有している。コレクタ端子cは出力端子904に接続されている。抵抗901の一端子は電圧入力端子900に接続され、他端子はコレクタ端子cおよび出力端子904に接続されている。出力回路903は例えば、所定量のベース電流Ibをベース端子bに流してトランジスタ902をオン状態として、コレクタ端子cとエミッタ端子eとの間に電圧入力端子900から電流Iを引き込むことにより、出力端子904に低レベルの電圧を出力するようになっている。また、出力回路903は例えば、ベース端子bにベース電流Ibを流さずにトランジスタ902をオフ状態として、コレクタ端子cとエミッタ端子eとの間に電圧入力端子900から電流Iを引き込まずに出力端子904に高レベルの電圧を出力するようになっている。
図19(b)は、CMOSインバータ回路を用いた出力回路905を例示している。図19(b)に示すように、出力回路905は、pチャンネル型MOSトランジスタ912とnチャンネル型MOSトランジスタ914とを有している。トランジスタ912は電圧入力端子906に接続されたソース端子Sと、トランジスタ914のドレイン端子Dおよび出力端子908に接続されたドレイン端子Dと、不図示の内部回路およびトランジスタ914のゲート端子Gに接続されたゲート端子Gとを有している。トランジスタ914は、グランド端子910に接続されたソース端子Sを有し、当該ソース端子Sは接地されている。不図示の内部回路から低レベルの電圧がトランジスタ912、914のそれぞれのゲート端子Gに印加されると、トランジスタ912はオン状態となりトランジスタ914はオフ状態となって、出力回路905は電圧入力端子906に入力する高レベルの電圧を出力端子908に出力するようになっている。また、当該内部回路から高レベルの電圧がトランジスタ912、914のそれぞれのゲート端子Gに印加されると、トランジスタ912はオフ状態となりトランジスタ914はオン状態となって、出力回路905はグランド端子に入力する低レベルの電圧(例えば0V)を出力端子908に出力するようになっている。
図19(c)は、アンプを用いた入力回路907を例示している。図19(c)に示すように、入力回路907はアンプ932を有している。アンプ932は、電圧入力端子930に接続された正電源端子932aと、抵抗934を介して接地された負電源端子932bと、非反転入力端子+と、反転入力端子−と、不図示の内部回路に接続された出力端子928とを有している。入力回路907は、例えば出力端子928と反転入力端子−とを接続することにより、非反転入力端子+に入力された電圧を出力端子928から不図示の内部回路に出力できる。
図19(d)は、双方向通信の可能な入出力回路909を例示している。図19(d)に示すように、入出力回路909は、アンプ922およびアンプ924を有している。アンプ922は所定の制御信号が入力する端子920に接続された制御信号入力端子922aと、入出力端子918に接続された入力端子922bと、入出力端子926に接続された出力端子922cとを有している。制御信号入力端子922aは負論理入力であるため、低レベルの電圧が制御信号入力端子922aに入力すると、アンプ922はアクティブ状態となり、入力端子922bに入力された電圧を出力端子922cから出力する。また、アンプ922は、高レベルの電圧が制御信号入力端子922aに入力すると、ハイインピーダンス状態となる。アンプ924は、端子920に接続された制御信号入力端子924aと、入出力端子926およびアンプ922の出力端子922cに接続された入力端子924bと、入出力端子918およびアンプ922の入力端子922bに接続された出力端子924cとを有している。制御信号入力端子924aは正論理入力であるため、高レベルの電圧を制御信号入力端子924aに入力すると、アンプ924はアクティブ状態となって、入力端子924bに入力された電圧を出力端子924cから出力する。また、アンプ924は、低レベルの電圧を制御信号入力端子924aに入力すると、ハイインピーダンス状態となる。
例えば、高レベルの電圧が端子920に入力されると、アンプ922はハイインピーダンス状態となるのに対し、アンプ924はアクティブ状態となるので、入出力端子926に入力する電圧は、アンプ924を介して入出力端子918から出力される。また、例えば、低レベルの電圧が端子920に入力されると、アンプ924はハイインピーダンス状態となるのに対し、アンプ922はアクティブ状態となるので、入出力端子918に入力する電圧は、アンプ922を介して入出力端子926から出力される。このように、入出力回路909は双方向通信が可能になる。
次に、以上説明した本実施の形態によるパチンコ機100の特徴的構成について再度図1乃至図19を参照しつつ説明する。
(1)本実施の形態によるパチンコ機100は、
遊技制御用に動作する第一の遊技制御回路(例えば、基本回路402)と、
遊技制御用に動作する第二の遊技制御回路(例えば、基本回路502)と、
前記第一の遊技制御回路と前記第二の遊技制御回路とを通信可能に接続する信号線(例えば、信号線702)と、
前記信号線における第一の箇所(例えば、接続部704)に接続され、該信号線に加わる電圧の値を所定の電圧値にする第一の電圧降下回路(例えば、プルアップ抵抗701)と、
前記第一の箇所と前記第二の遊技制御回路の間の前記信号線における第二の箇所(例えば、接続部706)に接続され、該信号線に加わる電圧の値を所定の電圧値にする第二の電圧降下回路(例えば、プルアップ抵抗703)と、
前記第一の箇所と前記第二の箇所の間に接続されたバッファ回路(例えば、バッファIC700)と、
前記第一の電圧降下回路および前記第二の電圧降下回路に電力をそれぞれ供給する電源回路(例えば、電源制御部660)と、
を備えた遊技台であって、
前記第一の電圧降下回路は、第一の抵抗値(例えば、抵抗値R1a)を有し、
前記第二の電圧降下回路は、前記第一の抵抗値と異なる第二の抵抗値(例えば、抵抗値R2a)を有すること
を特徴とする。
当該構成を備えたパチンコ機100によれば、一方の遊技制御回路を壊れ易くしたため、パチンコ機100の検査工程が容易になる場合がある。例えば第二の遊技制御回路が壊れ易くなるよう構成した場合、電源異常が発生したときに第二の遊技制御回路を検査して異常がなければ、第一の遊技制御回路に異常が発生している割合が低いと考えられるため、第一の遊技制御回路の検査工程を省略または簡略化できるので、パチンコ機100の検査に要する時間を短縮することができる場合がある。
(2)上記パチンコ機100において、
前記第一の抵抗値は、前記第二の抵抗値より大きいこと
を特徴とする。
当該構成を備えたパチンコ機100によれば、第二の遊技制御回路を第一の遊技制御回路より壊れ易くできる場合がある。
(3)上記パチンコ機100において、
前記第一の遊技制御回路は、前記第二の遊技制御回路を制御すること
を特徴とする。
当該構成を備えたパチンコ機100によれば、制御される側(例えば、第二の遊技制御回路)を壊れ易くして検査が容易になる場合がある。また、制御される側の回路(装置、部品)は制御する側よりも交換が容易な場合が多いため、パチンコ機100のメンテナンス性の向上が図れる場合がある。
(4)上記パチンコ機100において、
前記第一の遊技制御回路は、命令がオフの場合には高レベルの電圧を出力し、
前記第二の遊技制御回路は、命令がオフの場合には高レベルの電圧を入力すること
を特徴とする。
当該構成を備えたパチンコ機100によれば、第二の遊技制御回路を第一の遊技制御回路より壊れ易くして、パチンコ機100の検査が容易になる場合がある。
(5)上記パチンコ機100において、
前記第一の遊技制御回路には表示装置(例えば、装飾図柄表示装置208)が接続され、
前記第二の遊技制御回路には音出力装置(例えば、スピーカ120)が接続されていること
を特徴とする。
遊技店舗のホール内には、種々の音声が鳴り渡っているため、パチンコ機100から異常を知らせる音声が出力されているかどうかを確認し難い場合がある。このため、第一の遊技制御回路の方が壊れ易い構成の場合には、電源異常により例えば表示装置の表示が消えてしまい、この表示装置の動作異常によりパチンコ機100の不具合発生を確認し易い場合がある。また、第二の遊技制御回路の方が壊れ易い構成の場合には、表示装置で遊技の進行を確認できるので、第二の遊技制御回路が壊れていても遊技が続行可能になる場合がある。
本発明は、上記実施の形態に限らず、種々の変形が可能である。
上記実施例1乃至6では、第1副基板160が壊れ難く、第2副基板164が壊れ易くなっているが、本発明はこれに限られない。例えば、パチンコ機100は、主制御部300を構成する主基板156が壊れ易く、第1副基板160が壊れ難いように構成されていてもよい。例えば、電磁波を用いた不正な改造等により電源異常が発生した場合、主制御部300が壊れるので、遊技者は遊技を続行できなくなる。これにより、不正改造の抑止力が働き、パチンコ機100の不正改造を防止できる場合がある。また、遊技の続行ができなくなる不具合の多くは、例えば電源異常や主制御部300の動作異常であるため、不具合箇所の発見が容易になる場合がある。
上記実施の形態では、電圧入力端子802、804、808、810および接続ノード800、806、812に入力する電圧を生成する電圧生成回路は、別個独立に設けられているが、本発明はこれに限られない。例えば、CPU404やバッファIC700等の電源電圧を生成する電圧生成回路は共通化され、プルアップ抵抗701、703、734に印加される電圧を生成する電圧生成回路は共通化されていてもよい。プルアップ抵抗701、703、734に印加する電圧の電圧生成回路に異常が発生した場合、接続部704、706、736の電圧はほぼ同時に高くなるものの、プルアップ抵抗701、703、734の抵抗値R1a、R2a、R3aは所定の値に設定されて破損してよい回路や回路基板に接続された接続部704、706、734の電圧値V704、V706、V736ほど高くなるので、上記実施例1乃至6によるパチンコ機100と同様の効果が得られる。
上記実施例1乃至6によるパチンコ機100は、制御する側の第1副基板160に装飾図柄表示装置208が接続され、制御される側の第2副基板164にスピーカ120が接続されているが、本発明はこれに限られない。例えば、第1副基板160にスピーカ120が接続され、第2副基板164に装飾図柄表示装置208が接続されていてもよい。また、第1副基板160および第2副基板164には、装飾図柄表示装置208やスピーカ120の他に他の装置が接続されていてもよい。
また、第一または第二の電圧降下回路のうちの少なくとも一方は、プルアップ抵抗に用いる抵抗器の抵抗値を表すマークや数値が実際の抵抗値と異ならせていてもよい。例えば見た目上は第一の電圧降下回路としてのプルアップ抵抗の抵抗値より第二の電圧降下回路としてのプルアップ抵抗の抵抗値が高くなっているが、実際には前者のプルアップ抵抗の抵抗値より後者のプルアップ抵抗の抵抗値の方が低くなっている。この場合、遊技制御回路や回路基板が不正に入れ換えられると、本来破損し難い遊技制御回路や回路基板が破損し、本来破損し易い遊技制御回路や基板が破損しなくなる。このように、遊技制御回路は想定された壊れ方と異なる態様で壊れるので、この壊れ方から不正改造を発見し易くなる場合がある。
上記実施の形態では、第1副基板160と第2副基板164とのインタフェース部を例にとって説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、主基板156と第1副基板160とのインタフェース部やCPU404とVDP434とのインタフェース部、その他各回路間や各基板間のインタフェース部にも本発明は適用できる。また、上記実施の形態によるパチンコ機100とは異なる回路構成(例えば、デバイス制御用基板と、当該基板に接続された複数の演出制御用基板)を有しているパチンコ機であっても、当該デバイス制御回路基板と、複数の当該演出制御用基板とのそれぞれのインタフェース部に本発明は適用できる場合がある。
上記実施の形態では、第一および第二の電圧降下回路としてプルアップ抵抗、すなわち抵抗器を例にとって説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、第一および第二の電圧降下回路は、ダイオードやトランジスタであってもよい。例えば、トランジスタをオフ状態とすることにより、当該トランジスタは高抵抗素子として用いることができるので、上記実施の形態と同様の効果が得られる。
上記実施の形態では、インタフェース部にバッファIC700、728を有しているが、本発明はこれに限られない。接続部704と接続部706とが直結されない状態になっていれば、バッファICに代えて、例えば直列接続された2個以上のインバータ回路やその他の所定の電子部品が当該インタフェース部に設けられていてもよい。
また、全てのプルアップ抵抗を全てプルダウン抵抗に代えたり、一部のプルアップ抵抗のみをプルダウン抵抗に代えたりしてもよい。
壊れ易くしたい遊技制御回路は、例えば電源基板等の他の回路基板の近くや遊技者に近い側等の電源異常が発生し易い位置に配置されてもよい。遊技制御回路の配置により壊れ易さを調整して検査が容易になる場合がある。
上記実施の形態では、遊技台の例としてパチンコ機を用いたが本発明はこれに限られない。本発明は、図20に示すようなスロットマシン1000にも適用可能である。
本発明に係る遊技台は、図20に示す「複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール1002と、リールの回転を指示するためのスタートレバー1004と、各々のリールに対応して設けられ、リールの回転を個別に停止させるための停止ボタン1006と、複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段(入賞役内部抽選)と、抽選手段の抽選結果に基づいてリールの回転の停止に関する停止制御を行うリール停止制御手段(リール停止制御処理)と、抽選手段の抽選結果に基づいて停止されたリールによって表示される図柄組合せが、内部当選した役に対応して予め定めた図柄組合せであるか否かの判定をする判定手段(入賞判定処理)と、図柄の停止態様が所定の入賞態様である場合、所定の入賞態様に対応する遊技媒体を払出す遊技媒体払出処理を行う払出制御手段(メダル払出処理1008)と、に加え、抽選手段の抽選結果に基づいて演出を実行する演出手段1010を備え、この演出手段が、所定の遊技領域1012に球を発射する発射装置1014と、発射装置から発射された球を入球可能に構成された入賞口1016と、入賞口1016に入球した球を検知する検知手段1018と、検知手段1018が球を検知した場合に球を払出す払出手段1020と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置1022と、可変表示装置1022を遮蔽する位置に移動可能なシャッタ1024と、所定動作態様で動作する可動体1026と、を備え、入賞口に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置1022が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技を演出するような演出装置1010、であるスロットマシン1000」にも好適である。
本発明に係る遊技台は図21(a)に示す、「紙幣投入口2002に紙幣を投入し、ベット2004およびスタート2006操作に基づいて抽選を実行し、抽選結果を抽選結果表示装置2008で表示し、当選時には特典コイン数を残クレジット数に加算し、キャッシュアウト2009が選択された場合には、レシート発行機2010から残クレジット数に対応するコードが記載されたレシートを発行するカジノマシン2000」であってもよい。
さらには、同図(b)に示すように、本発明を実現する電子データを記憶する記憶部を備えている携帯電話機3000、同図(c)に示すように、本発明を実現する電子データを記憶する記憶部を備えているポータブルゲーム機4000、本発明を実現する電子データを記憶する記憶部を備えている家庭用テレビゲーム機5000、に適用してもよい。
より具体的には、同図(b)における携帯電話機3000は、遊技者によって操作される操作部と、ゲームに関するデータを携帯電話回線を通じで取得するデータ取得部と、取得したゲームに関するデータ(本発明を実現する電子データ)を記憶する記憶部と、記憶部に記憶したデータと操作部の操作とに基づいてゲームの制御を行う制御部を備えている。
同図(c)におけるポータブルゲーム機4000は、遊技者によって操作される操作部と、ゲームに関するデータを所定の記憶媒体(DVD等)から取得するデータ取得部と、取得したゲームに関するデータ(本発明を実現する電子データ)を記憶する記憶部と、記憶部に記憶したデータと操作部の操作とに基づいてゲームの制御を行う制御部を備えている。同図(d)における家庭用テレビゲーム機5000は、遊技者によって操作される操作部と、ゲームに関するデータを所定の記憶媒体(DVD等)から取得するデータ取得部と、取得したゲームに関するデータ(本発明を実現する電子データ)を記憶する記憶部と、記憶部に記憶したデータと操作部の操作とに基づいてゲームの制御を行う制御部を備えている。
さらには、同図(e)に示すように、本発明を実現する電子データを記憶したデータサーバ6000に適用してもよい。このデータサーバ6000からインタネット回線を介して同図(d)に示す家庭用テレビゲーム機5000に本発明を実現する電子データをダウンロードするような場合がある。
また、パチンコ機等の実機の動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、DVD−ROM、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
さらに、本発明は、遊技台としてパチンコ機およびスロットマシンを例にあげたが、これに限るものではなく、アレンジボール遊技機や、じゃん球遊技機、スマートボール等に適用してもよい。