以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
まず、図1及び図2を用いて、本発明の実施の形態における画像読取装置を備えるネットワーク複合機の構成の概要について説明する。
図1は、本実施の形態におけるネットワーク複合機を含む通信システムの構成の一例を示す図である。
同図に示すように、この通信システムは、ネットワーク複合機1及び2、端末装置3及び4、PSTN(Public Switched Telephone Networks:公衆電話交換回線網)5、並びにLAN(Local Area Network)6を備えている。
ここで、ネットワーク複合機1は、本実施の形態の画像読取装置を備えるネットワーク複合機の一例である。ネットワーク複合機1は、PSTN5を介してネットワーク複合機2と接続され、またLAN6を介して端末装置3及び4と接続される。
ネットワーク複合機1は、スキャナで読み取った原稿を、例えば、PSTN5を介してネットワーク複合機2へファクシミリ送信すること、及び、LAN6を介して端末装置3及び4へ送信することができる。また、内蔵されるプリンタでプリントアウトすることができる。
図2は、本実施の形態におけるネットワーク複合機1のハードウェア構成を示すブロック図である。
同図に示すように、ネットワーク複合機1は、CPU(Central Processing Unit)10、ROM(Read Only Memory)11、RAM(Random Access Memory)12、モデム13、NCU(Network Control Unit)14、操作パネル15、ディスプレイ16、スキャナ17、プリンタ18、及びLANI/F(LANインターフェース)19を備えている。
CPU10は、ROM11に格納された制御プログラム20を実行することにより、ネットワーク複合機1の全体を制御する。
CPU10は、特徴的な処理として、スキャナ17に読み取られた原稿のサイズを判断する。この原稿のサイズの判断についての具体的な処理内容は、後述する。
ROM11は、CPU10が実行する制御プログラム20を保持する読み出し専用メモリである。
RAM12は、CPU10が制御プログラム20を実行する際に用いられるワークデータ、及びスキャナ17から得られた画像データ等を保持する読み書き可能なメモリである。
モデム13は、RAM12に保持された画像データ等をファクシミリ信号に変調して送信し、また外部から受信されたファクシミリ信号をラインデータに復調する。モデム13は、例えばG3規格に準拠したファックスモデムである。
NCU14は、モデム13とPSTN5との接続を制御する網制御装置である。
操作パネル15は、利用者からの操作を受け付けるタッチパネルである。
ディスプレイ16は、利用者への操作ガイド、又はネットワーク複合機1の動作状態を表示する表示装置であり、例えばLCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)である。
スキャナ17は、画像を読み取る装置であり、CPU10の制御下で、CCDを用いて原稿を光学的に読み取ることによって画像データを生成する。なお、スキャナ17は、本実施の形態の画像読取装置に備えられている。
プリンタ18は、印刷装置であり、CPU10の制御下で、例えばRAM12に保持された画像データによって表される画像イメージを印刷出力する。
LANI/F19は、ネットワーク複合機1とLAN6とを接続する通信アダプタであり、CPU10の制御下で、例えばRAM12に保持された画像データを端末装置3等へ送信する。
次に、本実施の形態における画像読取装置が備えるスキャナ17について、説明する。
図3は、スキャナ17の主要部を示す断面図である。同図を用いて、スキャナ17のハードウェア構成について簡略に説明する。
スキャナ17は、フラットベッドスキャン方式及び自動原稿供給方式で原稿を読み取ることができるスキャナであり、読み取り機構部170、カバー部材180、及び原稿給送部190を備えている。
読み取り機構部170は、原稿載置部171、長手センサ172、フルレートキャリッジ173、ハーフレートキャリッジ178、集光レンズユニット179、CCD175、駆動ベルト176a、駆動ベルト176b、及び移動モータ177を備えている。
原稿載置部171は、原稿を載置するための載置領域を有するコンタクトガラスである。つまり、ユーザによって、原稿載置部171上の当該載置領域内に原稿が載置される。
長手センサ172は、原稿の長手方向(横方向)の長さのサイズを判断するためのセンサである。具体的には、長手センサ172は、原稿載置部171の長手センサ172の上方の位置での、原稿載置部171への原稿の載置状態を示すON又はOFF信号を取得する。この長手センサ172が取得するON又はOFF信号によって原稿の長さのサイズを判断する処理の詳細については、後述する。
フルレートキャリッジ173は、内部に光源174及び第1ミラー173aを有し、移動モータ177に駆動される駆動ベルト176aに取り付けられている。これにより、フルレートキャリッジ173は同図における左右方向に移動する。
光源174は、原稿載置部171の載置領域を照射する。つまり、光源174は、原稿載置部171の下方から、載置領域内に載置された原稿の裏面部を照射する。また、載置領域内の原稿が載置されていない領域では、光源174は、カバー部材180の裏面部に向けて、当該領域を照射する。
ハーフレートキャリッジ178は、内部に互いに90°の角度をなす第2ミラー178a及び第3ミラー178bを有し、移動モータ177に駆動される駆動ベルト176bに取り付けられている。
なお、駆動ベルト176a及び駆動ベルト176bは、同軸的に軸装されかつ径が2:1の駆動プーリにそれぞれ掛け渡され、同一の移動モータ177により駆動される。
従って、駆動ベルト176aに連結されたフルレートキャリッジ173と、駆動ベルト176bに連結されたハーフレートキャリッジ178とは、移動モータ177の回転駆動により、2:1の速度比で、互いに追従するよう往復動する。
集光レンズユニット179及びCCD175は、読み取り機構部170の筐体に固定されている。具体的には、光源174から照射され原稿により反射された反射光が、第1ミラー173a、第2ミラー178a、及び第3ミラー178bの順で反射し、集光レンズユニット179を経て、CCD175に入光し結像される。そして、CCD175で、結像した光情報がデジタルの電気信号に変換され出力される。
カバー部材180は、読み取り機構部170に回動開閉可能に取り付けられる。つまり、カバー部材180は、原稿載置部171の上方から、原稿を覆うように下降する部材である。具体的には、フラットベッドスキャン方式で原稿を読み取る際には、ユーザによって、押え蓋として機能するカバー部材180で、原稿が原稿載置部171に押圧静止される。
原稿給送部190は、自動原稿供給方式で原稿を読み取る際に、原稿載置部171上の載置領域に原稿を移送する。
なお、スキャナ17の構成はこのような構成に限られない。例えば、光源とCCDとが設置された1つのキャリッジが原稿下を移動することにより原稿からの反射光をCCDが直接捉える構成であってもよい。
以上が、本実施の形態のネットワーク複合機1の構成の概要である。
次に、本実施の形態の画像読取装置の機能構成及び動作について説明する。
図4は、本実施の形態における画像読取装置100の機能構成を示すブロック図である。つまり、同図は、図2に示されたハードウェア構成によって発揮されるネットワーク複合機1の機能のうち、主に本実施の形態の画像読取装置100に関わる機能の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、画像読取装置100は、スキャナ17の他に、下降位置検出部101、照射部102、受光信号検出部103、比較値算出部104、半開き判断部105、原稿サイズ判断部106、長手信号検出部107及びデータ記憶部110を備えている。なお、以下に述べる下降位置検出部101、照射部102、受光信号検出部103、比較値算出部104、半開き判断部105、原稿サイズ判断部106及び長手信号検出部107による各種の処理は、具体的には制御プログラム20を実行するCPU10等によって実現される。
下降位置検出部101は、カバー部材180の下降位置を検出するセンサである。具体的には、下降位置検出部101は、カバー部材180が原稿載置部171を閉止する直前のカバー部材180の下降位置を第1下降位置として検出する。また、下降位置検出部101は、カバー部材180が原稿載置部171を閉止した後のカバー部材180の下降位置を第2下降位置として検出する。
なお、下降位置検出部101の検出機構はどのようなものであってもよく、第1下降位置と第2下降位置とをカバー部材180の位置によって検出してもよいし、カバー部材180の原稿載置部171に対する開閉角度によって検出してもよい。また、下降位置検出部101は、1つのセンサで第1下降位置と第2下降位置とを検出してもよいし、第1下降位置と第2下降位置とをそれぞれ検出する2つのセンサを備えていてもよい。
照射部102は、カバー部材180が第1下降位置まで下降した際、及びカバー部材180が第2下降位置まで下降した際に、光源174に、原稿載置部171の下方から原稿又はカバー部材180に向けて載置領域を照射させる。つまり、照射部102は、下降位置検出部101が、カバー部材180の下降位置が第1下降位置であると検出した場合、及び、カバー部材180の下降位置が第2下降位置であると検出した場合に、光源174に載置領域を照射させる。
受光信号検出部103は、カバー部材180が第1下降位置まで下降した際に、照射部102によって光源174に照射された載置領域からの光を受光して第1受光信号を検出する。また、受光信号検出部103は、カバー部材180が第1下降位置よりも下方の第2下降位置まで下降した際に、照射部102によって光源174に照射された載置領域からの光を受光して第2受光信号を検出する。
つまり、受光信号検出部103は、下降位置検出部101が、カバー部材180の下降位置が第1下降位置であると検出した場合に第1受光信号を検出し、カバー部材180の下降位置が第2下降位置であると検出した場合に第2受光信号を検出する。
具体的には、受光信号検出部103は、カバー部材180が第1下降位置まで下降した際に、原稿に反射された光源174の光、又はカバー部材180に反射された光源174の光を受光して第1受光信号を検出する。また、受光信号検出部103は、カバー部材180が第2下降位置まで下降した際に、原稿に反射された光源174の光、又はカバー部材180に反射された光源174の光を受光して第2受光信号を検出する。ここで、受光信号検出部103は、CCD175から出力される電気信号を受光信号として検出する。
比較値算出部104は、受光信号検出部103が検出した第1受光信号と第2受光信号との差分又は比率によって示される比較値を算出する。具体的には、比較値算出部104は、第1受光位置からの光を受光した場合の、第2受光信号から第1受光信号を差し引いた値、又は第2受光信号を第1受光信号で除した値である第1比較値を算出する。また、比較値算出部104は、第2受光位置からの光を受光した場合の、第2受光信号から第1受光信号を差し引いた値、又は第2受光信号を第1受光信号で除した値である第2比較値を算出する。
ここで、第1受光位置は、載置領域のうちの所定の位置であり、具体的には、載置領域のうち、外乱光が入射しない非入射領域外の当該外乱光が入射しない位置である。また、第2受光位置は、載置領域のうちの所定の位置であり、具体的には、非入射領域内の位置である。
半開き判断部105は、受光信号検出部103が検出した第2受光信号を用いて、第2下降位置が半開き状態の下降位置であるか否かを判断する。
具体的には、半開き判断部105は、載置領域のうち、原稿載置部171に載置される原稿の最大原稿幅外の位置からの光を受光した場合の第2受光信号である最大幅信号で示される値が、所定の閾値である受光信号閾値よりも小さいか否かを判断する。
そして、半開き判断部105は、最大幅信号で示される値が受光信号閾値よりも小さいと判断した場合、第2下降位置を、カバー部材180が原稿載置部171を閉止していない半開き状態の下降位置であると判断する。また、半開き判断部105は、最大幅信号で示される値が受光信号閾値以上であると判断した場合、第2下降位置を、カバー部材180が原稿載置部171を閉止した閉止状態の下降位置であると判断する。
長手信号検出部107は、カバー部材180が第1下降位置まで下降した際、及びカバー部材180が第2下降位置まで下降した際に、長手センサ172が取得した、原稿の長手方向の長さのサイズを判断するためのON又はOFF信号である長手信号を検出する。つまり、長手信号検出部107は、下降位置検出部101が、カバー部材180の下降位置が第1下降位置であると検出した場合に第1長手信号を検出し、カバー部材180の下降位置が第2下降位置であると検出した場合に第2長手信号を検出する。
原稿サイズ判断部106は、第1受光位置からの光を受光した場合の比較値である第1比較値と、第2受光位置からの光を受光した場合の比較値である第2比較値とを用いて、原稿のサイズを判断する。ここで、判断する原稿のサイズは、原稿の幅方向(縦方向)の長さのサイズである。
具体的には、原稿サイズ判断部106は、比較値算出部104が算出した第1比較値が所定の第1閾値以下であるか否かによって、原稿のサイズを判断する。つまり、原稿サイズ判断部106は、第1比較値が第1閾値以下である場合、第1受光位置よりも外側に原稿の端部があるとして原稿のサイズを判断し、第1比較値が第1閾値よりも大きい場合、第1受光位置よりも内側に原稿の端部があるとして原稿のサイズを判断する。ここで、この第1閾値は、特許請求の範囲に記載の「比較値閾値」に相当する。
また、原稿サイズ判断部106は、半開き判断部105が、第2下降位置が半開き状態の下降位置であると判断した場合、第1閾値を変化させて、第1比較値が変化後の第1閾値以下であるか否かによって、原稿のサイズを判断する。
具体的には、原稿サイズ判断部106は、第1閾値を低減させて、原稿のサイズを判断する。つまり、原稿サイズ判断部106は、第2下降位置が半開き状態の下降位置であると判断された場合であって、第1比較値が低減後の第1閾値以下であると判断した場合、第1受光位置よりも外側に原稿の端部があるとして原稿のサイズを判断する。
また、原稿サイズ判断部106は、第2受光位置が変化することで、第2比較値の変化量が所定の第2閾値よりも大きくなった第2受光位置に原稿の端部があるとして、原稿のサイズを判断する。具体的には、原稿サイズ判断部106は、第2受光位置が非入射領域の境界位置にある場合を探索開始点として、第2受光位置が非入射領域の内側に向かうように第2受光位置を変化させて、第2比較値の変化量が第2閾値よりも大きくなる変化点を探索し、変化点での第2受光位置に原稿の端部があるとして、原稿のサイズを判断する。
そして、原稿サイズ判断部106は、判断した原稿の幅方向のサイズと、長手信号検出部107が検出した第1長手信号及び第2長手信号から判断される長手方向のサイズとから、原稿のサイズを決定する。
データ記憶部110は、受光位置と第1受光信号と第2受光信号とが対応付けられた受光信号データ111を記憶する記憶手段であり、具体的にはRAM12により実現される。
図5は、本実施の形態における受光信号データ111の一例を示す図である。
同図に示すように、受光信号データ111は、受光位置ごとの、受光信号検出部103が検出した第1受光信号及び第2受光信号を示すデータの集まりである。
つまり、受光信号検出部103は、受光位置ごとの第1受光信号及び第2受光信号を検出し、検出した第1受光信号及び第2受光信号をデータ記憶部110に記憶させることで、受光信号データ111を更新する。
また、比較値算出部104は、受光信号データ111の第1受光信号と第2受光信号とを参照することで、第1受光信号と第2受光信号との差分又は比率によって示される比較値を算出する。
また、半開き判断部105は、受光信号データ111の第2受光信号を参照することで、第2下降位置が半開き状態の下降位置であるか、閉止状態の下降位置であるかを判断する。
次に、画像読取装置100が原稿のサイズを判断する処理の動作について説明する。
図6は、本実施の形態における画像読取装置100の動作の一例を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、受光信号検出部103が、受光信号を検出する(S102)。この受光信号検出部103が受光信号を検出する処理の詳細については、後述する。
そして、半開き判断部105は、受光信号検出部103が検出した第2受光信号を用いて、第2下降位置が半開き状態の下降位置であるか否かを判断する(S104)。この半開き判断部105が半開き状態であるか否かを判断する処理の詳細については、後述する。
そして、原稿サイズ判断部106は、受光信号検出部103が受光した受光信号、及び半開き判断部105が判断した結果から、原稿のサイズを判断する(S106)。この原稿サイズ判断部106が原稿のサイズを判断する処理の詳細については、後述する。
以上により、画像読取装置100が原稿のサイズを判断する処理は終了する。
次に、受光信号検出部103が受光信号を検出する処理(図6のS102)の詳細について、説明する。
図7は、受光信号検出部103が受光信号を検出する処理の一例を示すフローチャートである。
図8A及び図8Bは、受光信号検出部103が受光信号を検出することを説明する図である。
図7に示すように、まず、下降位置検出部101は、第1下降位置を検出する(S202)。具体的には、図8Aに示すように、下降位置検出部101は、カバー部材180が原稿載置部171を閉止する直前のカバー部材180の下降位置を第1下降位置として検出する。
次に、長手信号検出部107は、長手センサ172が取得した第1長手信号を検出する(S204)。
そして、照射部102は、光源174に、原稿載置部171の下方から原稿又はカバー部材180に向けて載置領域を照射させる(S206)。
そして、受光信号検出部103は、照射部102が照射した光をCCD175が受光して出力される電気信号を第1受光信号として検出する(S208)。そして、受光信号検出部103は、検出した第1受光信号をデータ記憶部110に記憶させることで、受光信号データ111を更新する。
次に、下降位置検出部101は、第2下降位置を検出する(S210)。具体的には、図8Bに示すように、下降位置検出部101は、カバー部材180が原稿載置部171を閉止した後のカバー部材180の下降位置を第2下降位置として検出する。
次に、長手信号検出部107は、長手センサ172が取得した第2長手信号を検出する(S212)。
そして、照射部102は、光源174に、原稿載置部171の下方から原稿又はカバー部材180に向けて載置領域を照射させる(S214)。
そして、受光信号検出部103は、照射部102が照射した光をCCD175が受光して出力される電気信号を第2受光信号として検出する(S216)。そして、受光信号検出部103は、検出した第2受光信号をデータ記憶部110に記憶させることで、受光信号データ111を更新する。
以上により、受光信号検出部103が受光信号を検出する処理(図6のS102)は終了する。
次に、半開き判断部105が半開き状態であるか否かを判断する処理(図6のS104)の詳細について、説明する。
図9は、半開き判断部105が半開き状態であるか否かを判断する処理の一例を示すフローチャートである。
図10は、半開き状態を説明する図である。
図9に示すように、まず、半開き判断部105は、最大幅信号を取得する(S302)。具体的には、半開き判断部105は、受光信号データ111の第2受光信号を参照することで、原稿載置部171に載置される原稿の最大原稿幅外の位置からの光を受光した場合の第2受光信号である最大幅信号を取得する。
そして、半開き判断部105は、最大幅信号で示される値が所定の閾値である受光信号閾値よりも小さいか否かを判断する(S304)。半開き判断部105による最大幅信号で示される値が受光信号閾値よりも小さいか否かの判断の詳細については、後述する。
半開き判断部105は、最大幅信号で示される値が受光信号閾値よりも小さいと判断した場合(S304でYES)、図10に示すように、第2下降位置を半開き状態の下降位置であると判断する(S306)。
つまり、図8Aに示したように、紙などの厚みの薄い原稿Z1を原稿載置部171に載置する場合は、図8Bに示すように、カバー部材180を原稿載置部171に完全に閉止することができる。しかし、図10に示すように、本など厚みの厚い原稿Z2を原稿載置部171に載置する場合は、カバー部材180を完全に閉止することはできず、カバー部材180は、半開き状態となる。
図9に戻り、半開き判断部105は、最大幅信号で示される値が受光信号閾値以上であると判断した場合(S304でNO)、第2下降位置を閉止状態の下降位置であると判断する(S308)。
以上により、半開き判断部105が半開き状態であるか否かを判断する処理(図6のS104)は終了する。
次に、半開き判断部105による最大幅信号で示される値が受光信号閾値よりも小さいか否かの判断(図9のS304)について、説明する。
図11は、半開き判断部105による最大幅信号で示される値が受光信号閾値よりも小さいか否かの判断を説明する図である。同図では、横軸が原稿の幅方向の位置を示し、縦軸が当該位置での受光信号の大きさを示している。
また、同図では、実線が、A3幅のサイズの原稿が原稿載置部171に載置されている場合の、カバー部材180が閉止状態での、原稿の幅方向の位置と受光信号の大きさとの関係を示すグラフである。また、点線が、最大原稿幅であるA3幅のサイズの原稿が原稿載置部171に載置されている場合の、カバー部材180が半開き状態での、原稿の幅方向の位置と受光信号の大きさとの関係を示すグラフである。
同図に示すように、原稿領域のうちのA3幅の領域では、原稿が載置されているので、カバー部材180が閉止状態と半開き状態とで、受光信号は、ともに原稿から反射される光を受光した信号であり、同等の値である。
これに対し、原稿領域のうちの最大原稿幅であるA3幅の外側の領域(例えば、同図に示す受光位置Q1)では、原稿が載置されていないので、カバー部材180が閉止状態と半開き状態とで、受光信号は、異なる値になる。
つまり、カバー部材180が閉止状態では、受光信号は、カバー部材180の裏面から反射される光を受光した信号(同図に示すY1)である。そして、カバー部材180が半開き状態では、受光信号は、光がカバー部材180の裏面に完全に反射されないため、カバー部材180が閉止状態での受光信号よりも低い値の信号(同図に示すY2)となる。
このため、半開き判断部105は、当該受光信号で示される値が受光信号閾値(同図に示すW1)よりも小さいか否かを判断し(図9のS304)、受光信号閾値よりも小さいと判断した場合、半開き状態であると判断する(図9のS306)。
次に、原稿サイズ判断部106が原稿のサイズを判断する処理(図6のS106)の詳細について、説明する。
図12は、原稿サイズ判断部106が原稿のサイズを判断する処理の一例を示すフローチャートである。
同図に示すように、原稿サイズ判断部106は、原稿の幅方向のサイズを判断する(S402)。この原稿サイズ判断部106が原稿の幅方向のサイズを判断する処理の詳細については、後述する。
そして、原稿サイズ判断部106は、原稿の長手方向のサイズを判断する(S404)。この原稿サイズ判断部106が原稿の長手方向のサイズを判断する処理の詳細については、後述する。
そして、原稿サイズ判断部106は、判断した原稿の幅方向のサイズと、長手方向のサイズとから、原稿のサイズを決定する(S406)。
以上により、原稿サイズ判断部106が原稿のサイズを判断する処理(図6のS106)は終了する。
次に、原稿サイズ判断部106が原稿の幅方向のサイズを判断する処理(図12のS402)の詳細について、説明する。
ここで、前提として、非入射領域はB4幅よりも大きくA3幅よりも小さい領域であり、カバー部材180が第1下降位置まで下降した際に、外乱光は非入射領域外かつA3幅内の領域に入射する。
図13は、原稿サイズ判断部106が原稿の幅方向のサイズを判断する処理の一例を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、比較値算出部104は、受光信号データ111の第1受光信号と第2受光信号とを参照することで、第1比較値を算出する(S502)。ここでは、第1比較値は、受光信号検出部103が第1受光位置からの光を受光した場合の、第2受光信号を第1受光信号で除した値である。なお、第1比較値は、受光信号検出部103が第1受光位置からの光を受光した場合の、第2受光信号から第1受光信号を差し引いた値であってもよい。
また、第1受光位置は、非入射領域外の外乱光が入射しない、B4幅外かつA3幅内の位置である。
そして、原稿サイズ判断部106は、第2下降位置が半開き状態の下降位置であると半開き判断部105が判断したか否かを判断する(S504)。
原稿サイズ判断部106は、第2下降位置が半開き状態の下降位置であると半開き判断部105が判断したと判断した場合(S504でYES)、原稿のサイズを判断するための閾値である第1閾値を低減させる(S506)。
図14A及び図14Bは、原稿サイズ判断部106が第1閾値を低減させることを説明する図である。図14Aでは、横軸が原稿の幅方向の位置を示し、縦軸が当該位置での受光信号の大きさを示している。また、図14Bでは、横軸が原稿の幅方向の位置を示し、縦軸が当該位置での第1比較値の値を示している。
また、図14Aでは、実線は、A3幅のサイズの原稿が原稿載置部171に載置されている場合の、原稿の幅方向の位置と第1受光信号の大きさとの関係を示すグラフである。また、点線は、A3幅のサイズの原稿が原稿載置部171に載置されている場合の、原稿の幅方向の位置と第2受光信号の大きさとの関係を示すグラフである。
また、図14Aの点線のグラフでは、A3幅よりも外側の受光位置Q1での、第2下降位置が閉止状態の下降位置での第2受光信号の大きさを受光信号Y1で示し、第2下降位置が半開き状態の下降位置での第2受光信号の大きさを受光信号Y2で示している。
また、図14Bでは、原稿の幅方向の位置と図14Aに示された状態での第1比較値の大きさとの関係を示すグラフを示している。つまり、第2下降位置が閉止状態の下降位置での第1比較値の大きさを第1比較値X1で示し、第2下降位置が半開き状態の下降位置での第1比較値の大きさを第1比較値X2で示している。
これらの図に示すように、第2下降位置が半開き状態の下降位置の場合は、第2下降位置が閉止状態の下降位置の場合と比べ、第1比較値は小さくなる。つまり、第2下降位置が閉止状態の下降位置での第1比較値X1と比較するための第1閾値が図14Bに示す第1閾値W2の場合、第1比較値X1と第1閾値W2との大小関係と、第2下降位置が半開き状態の下降位置での第1比較値X2と第1閾値W2との大小関係が逆転してしまう。このため、第1比較値を正確に判断するためには、第1閾値を第1閾値W3に低減させ、第1比較値X2と第1閾値W3とを比較する必要がある。
したがって、原稿サイズ判断部106は、第2下降位置が半開き状態の下降位置である場合に(図13のS504でYES)、原稿のサイズを判断するための閾値である第1閾値を低減させる(図13のS506)。原稿サイズ判断部106は、例えば、第1閾値を半分の値に低減させる。
なお、図14A及び図14Bでは、簡単のため、外乱光を考慮せずに説明を行ったが、外乱光が入射する場合でも同様に、原稿サイズ判断部106は、第2下降位置が半開き状態の下降位置である場合に、第1閾値を低減させる。
図13に戻り、原稿サイズ判断部106は、第2下降位置が閉止状態の下降位置であると半開き判断部105が判断したと判断した場合(S504でNO)、第1閾値を低減させることなく、次の処理(S508)へ進む。
次に、原稿サイズ判断部106は、比較値算出部104が算出した第1比較値が当該第1閾値以下であるか否を判断する(S508)。なお、第1閾値が低減されていれば、原稿サイズ判断部106は、第1比較値が低減後の第1閾値以下であるか否かを判断する。
原稿サイズ判断部106は、第1比較値が第1閾値以下であると判断した場合(S508でYES)、第1受光位置よりも外側に原稿の端部があるとして原稿のサイズを判断する。ここで、第1受光位置は、B4幅外かつA3幅内の位置であるので、第1受光位置よりも外側に原稿の端部がある場合は、原稿のサイズはA3幅のサイズである。
このため、原稿サイズ判断部106は、第1比較値が第1閾値以下であると判断した場合(S508でYES)、原稿のサイズはA3幅のサイズであると判断する(S510)。
図15A及び図15Bは、原稿サイズ判断部106が原稿のサイズをA3幅のサイズであると判断する処理を説明する図である。図15Aでは、横軸が原稿の幅方向の位置を示し、縦軸が当該位置での受光信号の大きさを示している。また、図15Bでは、横軸が原稿の幅方向の位置を示し、縦軸が当該位置での第1比較値の値を示している。
また、図15Aでは、実線は、A3幅のサイズの原稿が原稿載置部171に載置されている場合の、原稿の幅方向の位置と第1受光信号の大きさとの関係を示すグラフである。また、点線は、A3幅のサイズの原稿が原稿載置部171に載置されている場合の、原稿の幅方向の位置と第2受光信号の大きさとの関係を示すグラフである。
なお、外乱光が同図に示す領域Gの部分に入射しているため、同図では、第1受光信号の大きさを示すグラフが、図14Aに示されたグラフと異なっている。
また、図15Bでは、原稿の幅方向の位置と図15Aに示された状態での第1比較値の大きさとの関係を示すグラフを示している。
また、これらの図に示すように、非入射領域の境界位置P1の外側の、外乱光が入射しないB4幅外かつA3幅内の位置に、第1受光位置P2が位置している。
そして、原稿サイズ判断部106は、第1受光位置P2での第1比較値が、第1閾値(W2又はW3)以下であるか否かを判断する(図13のS508)。A3幅のサイズの原稿が原稿載置部171に載置されている場合、第1受光位置P2での第1受光信号と第2受光信号とは同等の値になるために、第1比較値は1に近い小さい値となる。
このため、原稿サイズ判断部106は、第1受光位置P2での第1比較値が第1閾値以下であると判断し(図13のS508でYES)、原稿のサイズはA3幅のサイズであると判断する(図13のS510)。
図13に戻り、原稿サイズ判断部106は、第1比較値が第1閾値よりも大きいと判断した場合(S508でNO)、第1受光位置よりも内側に原稿の端部があるとして原稿のサイズを判断する。つまり、原稿サイズ判断部106は、原稿のサイズはB4幅以下のサイズであると判断する。
図16A及び図16Bは、原稿サイズ判断部106が原稿のサイズをB4幅以下のサイズであると判断する処理を説明する図である。
なお、図15A及び図15BがA3幅のサイズの原稿が原稿載置部171に載置されている場合のグラフを示していたのに対し、図16A及び図16Bは、B4幅のサイズの原稿が原稿載置部171に載置されている場合のグラフを示している。
そして、原稿サイズ判断部106は、第1受光位置P2での第1比較値が、第1閾値(W2又はW3)以下であるか否かを判断する(図13のS508)。ここで、B4幅のサイズの原稿が原稿載置部171に載置されている場合、第1受光位置P2には原稿が載置されていない。つまり、第1受光位置P2では、カバー部材180から反射される強い光が受光される。
このため、これらの図に示すように、第1受光位置P2での第2受光信号は第1受光信号よりも大きな値になるために、第1受光位置P2での第1比較値X4は、第1閾値(W2又はW3)よりも大きな値となる。したがって、原稿サイズ判断部106は、第1受光位置P2での第1比較値X4が第1閾値よりも大きいと判断し(図13のS508でNO)、原稿のサイズはB4幅以下のサイズであると判断する。
図13に戻り、比較値算出部104は、受光信号データ111の第1受光信号と第2受光信号とを参照することで、第2比較値を算出する(S512)。ここでは、第2比較値は、受光信号検出部103が第2受光位置からの光を受光した場合の、第2受光信号から第1受光信号を差し引いた値である。なお、第2比較値は、受光信号検出部103が第2受光位置からの光を受光した場合の、第2受光信号を第1受光信号で除した値であってもよい。また、第2受光位置は、非入射領域内の位置、つまり、A3幅よりも内側の位置である。
そして、原稿サイズ判断部106は、第2受光位置が非入射領域の境界位置にある場合を探索開始点として、変化点の探索を開始する(S514)。具体的には、原稿サイズ判断部106は、第2受光位置が非入射領域の内側に向かうように第2受光位置を変化させて、第2比較値の変化量が所定の第2閾値よりも大きくなる変化点を探索する。
つまり、原稿サイズ判断部106は、変化前後の第2受光位置について、第2比較値の変化量が第2閾値よりも大きいか否かを判断する(S516)。
原稿サイズ判断部106は、第2比較値の変化量が第2閾値よりも大きいと判断した場合(S516でYES)、変化点での第2受光位置に原稿の端部があるとして、原稿のサイズを判断する。ここで、第2受光位置は、A3幅よりも内側の位置であるので、原稿サイズ判断部106は、第2比較値の変化量が第2閾値よりも大きいと判断した場合(S516でYES)、変化点での第2受光位置に対応したB4幅以下のサイズを原稿のサイズと判断する(S518)。
例えば、変化点での第2受光位置が、B4幅のサイズを示す位置である場合は、原稿サイズ判断部106は、原稿のサイズはB4幅のサイズであると判断する。A4幅及びB5幅などについても同様である。
図17A及び図17Bは、原稿サイズ判断部106が原稿のサイズをB4幅のサイズであると判断する処理を説明する図である。
なお、これらの図は、図16A及び図16Bに示されたグラフにおいて、第2受光位置P3を変化させて変化点を探索することを示す図である。つまり、これらの図では、B4幅のサイズの原稿が原稿載置部171に載置されている場合のグラフを示している。
また、図17Bでは、原稿の幅方向の位置と図17Aに示された状態での第2比較値の大きさとの関係を示すグラフを示している。
これらの図に示すように、原稿サイズ判断部106は、第2受光位置P3が非入射領域の境界位置P1にある場合を探索開始点として、変化点の探索を開始する(図13のS514)。そして、原稿サイズ判断部106は、第2受光位置P3が非入射領域の内側に向かうように第2受光位置P3の位置を変化させて、第2比較値の変化量が第2閾値よりも大きくなる変化点を探索する。
そして、図17Bに示すように、原稿サイズ判断部106は、第2受光位置P3がB4幅の端部を示す位置になった場合に、第2比較値の変化量が第2閾値よりも大きいと判断した場合(図13のS516でYES)、原稿のサイズはB4幅のサイズであると判断する(図13のS518)。
ここで、第2比較値の変化量について説明する。例えば、第2受光位置がP5からP6に変化した場合で、第2受光位置P5での第2比較値がX5であり、第2受光位置P6での第2比較値がX6である場合、第2比較値の変化量は、以下の式で計算される。
第2比較値の変化量=(X5−X6)/(P5−P6)
図13に戻り、原稿サイズ判断部106は、第2比較値の変化量が第2閾値以下であると判断した場合(S516でNO)、原稿なしと判断する(S520)。つまり、原稿サイズ判断部106は、第2受光位置が全ての非入射領域内を変化しても、変化点が見つからなかった場合に、原稿載置部171には原稿が載置されていないと判断する。
以上により、原稿サイズ判断部106が原稿の幅方向のサイズを判断する処理(図12のS402)は終了する。
次に、原稿サイズ判断部106が原稿の長手方向のサイズを判断する処理(図12のS404)の詳細について、説明する。
図18は、原稿サイズ判断部106が原稿の長手方向のサイズを判断する処理の一例を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、原稿サイズ判断部106は、長手センサ172を介して長手信号検出部107が検出した第1長手信号及び第2長手信号を取得する(S602)。第1長手信号及び第2長手信号は、原稿載置部171への原稿の載置状態を示すON又はOFF信号である。
次に、原稿サイズ判断部106は、取得した第1長手信号及び第2長手信号が、ともにON信号又はOFF信号か否かを判断する(S604)。
原稿サイズ判断部106は、取得した第1長手信号及び第2長手信号が、ともにON信号又はOFF信号であると判断した場合(S604でYES)、原稿の長手方向のサイズは、「長」であると判断する(S606)。
また、原稿サイズ判断部106は、取得した第1長手信号及び第2長手信号の一方がON信号であり、他方がOFF信号であると判断した場合(S604でNO)、原稿の長手方向のサイズは、「短」であると判断する(S608)。
以上により、原稿サイズ判断部106が原稿の長手方向のサイズを判断する処理(図12のS404)は終了する。
ここで、図18に示した原稿サイズ判断部106が原稿の長手方向のサイズを判断する処理について、詳細に説明する。
図19は、原稿サイズ判断部106が原稿の長手方向のサイズを判断する処理を説明する図である。
同図に示すように、長手センサ172が原稿載置部171の長手センサ172の上方の位置での、原稿載置部171への原稿の載置状態を示すON又はOFF信号を取得する。
そして、原稿サイズ判断部106は、第1下降位置でのON又はOFF信号である第1長手信号と、第2下降位置でのON又はOFF信号である第2長手信号とを取得する(図18のS602)。
ここで、第1長手信号及び第2長手信号がともにON信号又はOFF信号であれば、第1下降位置と第2下降位置では、長手センサ172の上方の位置における原稿載置部171の状態は同じであったことになる。つまり、長手センサ172の上方の位置に原稿が載置されていたために、カバー部材180の開閉によっても、第1長手信号と第2長手信号とが同じ信号を示したことになる。
つまり、第1長手信号及び第2長手信号がともにON信号又はOFF信号であれば、長手センサ172の上方の位置に原稿が載置されていると判断でき、この場合、原稿は長手方向の長さが長い横向きに載置されていることになる。ここでは、この横向きに配置されている場合の原稿の長手方向のサイズを、「長」であるという。
このため、原稿サイズ判断部106は、第1長手信号及び第2長手信号が、ともにON信号又はOFF信号であると判断した場合(図18のS604でYES)、原稿の長手方向のサイズは、「長」であると判断する(図18のS606)。
これに対し、第1長手信号及び第2長手信号の一方がON信号であり他方がOFF信号であれば、第1下降位置と第2下降位置では、長手センサ172の上方の位置における原稿載置部171の状態が違っていたことになる。つまり、長手センサ172の上方の位置に原稿が載置されていなかったために、カバー部材180の開閉により、第1長手信号と第2長手信号とが異なる信号を示したことになる。
つまり、第1長手信号及び第2長手信号の一方がON信号であり他方がOFF信号であれば、長手センサ172の上方の位置に原稿が載置されていないと判断でき、この場合、原稿は長手方向の長さが短い縦向きに載置されていることになる。ここでは、この縦向きに配置されている場合の原稿の長手方向のサイズを、「短」であるという。
このため、原稿サイズ判断部106は、第1長手信号及び第2長手信号の一方がON信号であり、他方がOFF信号であると判断した場合(図18のS604でNO)、原稿の長手方向のサイズは、「短」であると判断する(図18のS608)。
同図に示すように、原稿の幅方向のサイズがA3幅の場合、原稿の長手方向のサイズが「長」であれば、原稿のサイズはA3であり、原稿の長手方向のサイズが「短」であれば、原稿のサイズはA4である。
以上のように、本発明に係る画像読取装置100によれば、カバー部材180の2つの下降位置での受光信号の差分又は比率から、原稿のサイズを判断する。つまり、原稿の色にかかわらず、カバー部材180の2つの下降位置での受光信号は同等の値になるために、当該2つの下降位置での受光信号の差分はゼロ、又は比率は1に近い値となる。このため、原稿の色の違いによる誤判断を低減して、原稿のサイズを判断することができる。
また、第2下降位置が半開き状態の下降位置であると判断した場合に、第1閾値を変化させて、原稿のサイズを判断する。つまり、半開き状態で受光信号が検出された場合に、原稿のサイズを判断するための第1閾値を半開き状態に合った値に変化させて、原稿のサイズを判断することができる。このため、カバーが半開きの状態の場合での誤判断を低減して、原稿のサイズを判断することができる。
また、原稿の最大原稿幅外の位置からの光を受光した場合の第2受光信号である最大幅信号から、第2下降位置が半開き状態の下降位置であるか否かを判断する。ここで、原稿載置部171に原稿が載置されていても、原稿の最大原稿幅外の位置には原稿が載置されないため、原稿の有無によって最大幅信号で示される値は変化しない。このため、原稿の有無にかかわらず、半開き状態であるか否かを判断することができる。
また、半開き状態の場合に、第1閾値を低減させて、第1比較値と第1閾値とを比較して、第1受光位置よりも外側に原稿の端部があるか否かを判断することによって、原稿のサイズを判断する。このため、半開き状態の場合であっても、原稿のサイズを判断するための第1閾値を半開き状態に合った値に低減させて、第1受光位置よりも外側に原稿の端部があるか否かから、原稿のサイズを判断することができる。
また、第1受光位置がB4幅外かつA3幅内の位置にある場合で、第1比較値が低減後の第1閾値以下であると判断した場合、原稿のサイズをA3幅のサイズであると判断する。ここで、第1比較値は、第1受光位置が外側にあるほど半開き状態による影響を受け易いので、半開き状態の場合は、原稿のサイズがA3幅であるか否かを誤判断する可能性が高い。このため、カバーが半開きの状態の場合でのA3幅であるか否かの誤判断を低減して、原稿のサイズを判断することができる。
また、外乱光が入射しない第1受光位置及び第2受光位置での比較値から、原稿のサイズを判断する。つまり、外乱光が入射しない位置での受光信号を用いるので、外乱光の有無にかかわらず、原稿のサイズを判断することができる。また、2つの比較値から原稿のサイズを判断するので、簡易に原稿のサイズを判断することができる。
また、第1比較値の大きさから、第1受光位置よりも外側に原稿の端部があるか否かを判断することによって、原稿のサイズを判断する。具体的には、原稿のサイズがA3幅か否かを判断する。これにより、原稿の色及び外乱光の影響を受けることなく、簡易に原稿のサイズがA3幅か否かを判断することができる。
また、第2比較値の変化量が第2閾値よりも大きくなった第2受光位置に原稿の端部があるとして、原稿のサイズを判断する。具体的には、原稿のサイズがB4幅以下の場合に、原稿の端部を探索することで、当該原稿のサイズを判断する。これにより、原稿の色及び外乱光の影響を受けることなく、簡易にB4幅以下の原稿のサイズを判断することができる。
以上のように、本発明によれば、原稿の色の違いによる誤判断、及びカバーが半開きの状態の場合での誤判断を低減して、原稿のサイズを判断することができる。また、外乱光の影響を受けることなく、簡易に原稿のサイズを判断することもできる。
以上、本発明に係る画像読取装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
つまり、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
たとえば、本実施の形態では、半開き判断部105は、最大原稿幅外の位置からの光を受光した場合の第2受光信号を用いて、第2下降位置が半開き状態の下降位置であるか否かを判断することとした。しかし、半開き判断部105は、最大原稿幅内の位置からの光を受光した場合の第2受光信号を用いて、第2下降位置が半開き状態の下降位置であるか否かを判断することにしてもよい。例えば、最大原稿幅内かつB4幅外の位置からの光を受光した場合の第2受光信号を用いた場合は、原稿載置部171に載置される原稿がB4幅以下のサイズであれば、第2下降位置が半開き状態の下降位置であるか否かを判断することができる。
また、本実施の形態では、原稿サイズ判断部106は、第1閾値を低減させて、原稿のサイズを判断することとした。しかし、原稿サイズ判断部106は、第2閾値を低減させて、原稿のサイズを判断することにしてもよい。
また、本実施の形態では、半開き判断部105による半開き状態か否かの判断結果を用いて、原稿サイズ判断部106は原稿のサイズを判断している。しかし、半開き判断部105によって半開き状態と判断された場合、スキャナ17で原稿の画像データを読み取る際に、外乱光によって生じる黒い画像を低減するマスク量を増加させて、画像データを出力することにしてもよい。
また、本実施の形態では、カバー部材180は、完全に閉止した状態になるように、第2下降位置まで下降することとした。しかし、カバー部材180は、半開き状態になるように、第2下降位置まで下降することにしてもよい。この場合、半開き判断部105は、カバー部材180が予め定められている第2下降位置まで下降していないことを判断することで、原稿サイズ判断部106が第1閾値を低減させて原稿のサイズを判断する。
また、本実施の形態では、原稿サイズ判断部106は、原稿のサイズが、A3幅のサイズか否かを判断し、A3幅のサイズでなければB4幅以下のサイズを探索することとした。しかし、原稿サイズ判断部106は、原稿のサイズが、B4幅以下のサイズか否かを判断し、B4幅以下のサイズでなければA3幅のサイズか否かを判断することにしてもよい。
また、本実施の形態では、外乱光はB4幅外かつA3幅内の位置に入射することとし、原稿サイズ判断部106は、原稿のサイズを、A3幅のサイズか否か、又はB4幅以下のサイズか否かを判断することで、原稿のサイズを判断することとした。しかし、外乱光はB4幅外かつA3幅内の位置に入射せずともよく、例えば、外乱光はA4幅外かつB4幅内の位置に入射することとし、原稿サイズ判断部106は、B4幅以上のサイズか否か、又はA4幅以下のサイズか否かを判断することで、原稿のサイズを判断することにしてもよい。
また、本実施の形態では、原稿サイズ判断部106は、第2受光位置が非入射領域の境界位置にある場合を探索開始点として変化点を探索し、原稿のサイズを判断することとした。しかし、探索開始点は、第2受光位置が非入射領域の境界位置にある場合に限られず、例えば、原稿サイズ判断部106は、第2受光位置がB4幅の端部の位置にある場合を探索開始点として変化点を探索し、原稿のサイズを判断することにしてもよい。