JP5293443B2 - フィルム基板の移載装置 - Google Patents

フィルム基板の移載装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5293443B2
JP5293443B2 JP2009145101A JP2009145101A JP5293443B2 JP 5293443 B2 JP5293443 B2 JP 5293443B2 JP 2009145101 A JP2009145101 A JP 2009145101A JP 2009145101 A JP2009145101 A JP 2009145101A JP 5293443 B2 JP5293443 B2 JP 5293443B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film substrate
lifting
film
transfer device
mounting surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009145101A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011003701A (ja
Inventor
慎司 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP2009145101A priority Critical patent/JP5293443B2/ja
Publication of JP2011003701A publication Critical patent/JP2011003701A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5293443B2 publication Critical patent/JP5293443B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Description

本発明は、載置面上に平置された薄膜太陽電池などのフィルム基板を吸着して持ち上げ他所に移載する装置に関する。
光電変換層を構成する半導体膜としてアモルファスシリコン系薄膜を用いた薄膜太陽電池は、気相成長法で形成でき容易に大面積化できるとともに、形成温度が低いためにプラスチックフィルムのような可撓性基板に形成でき、さらに集積型の直列接続構造、即ち、フィルム基板の表面側に多数の太陽電池単位セルが並設され、それらが基板背面側の接続用電極層と、基板を貫通する孔を介して直列接続された構造により、1枚の基板で高電圧を取り出すこともでき、また、低電圧/大電流型の太陽電池モジュールを構成するのにも適している(特許文献1参照)。
上記直列接続構造をなす薄膜太陽電池は、所定の配列で貫通孔を穿設した長尺のフィルム基板の両面に電極層を形成する一次成膜工程、およびその表面側の電極層上に光電変換層および透明電極層を積層形成する二次成膜工程を経た後、フィルム基板を各太陽電池単位セルに分割するレーザ加工工程、フィルム基板の各面を封止する封止材のラミネート工程を経て、製品部分の裁断工程に送られる。
裁断工程では、薄いフィルム基板の製品部分(太陽電池モジュール)を型抜き加工部に正確に位置決めしかつ確実に裁断するために、供給ロールから巻出された長尺フィルム基板を樹脂製の下敷きシート上に重ね、それらをグリップフィーダで一体的に前進させて型抜き加工部に位置決めし、トムソン刃などの裁断刃で型抜きする。型抜き加工部を通過したフィルム基板は、下敷きシートに載置された状態で製品搬出部に送られ、移載装置の吸着部によって製品部分のみが吸着され、フィルム基板の残余の部分から分離して持ち上げられて、トレイなどに移載されて次工程に移送される。
フィルム基板の移載装置としては、例えば、特許文献2に記載されるような全面吸着式の吸着部を備えたものが公知であるが、樹脂製の下敷きシート上に重ねて型抜きされたフィルム基板の製品部分は、下敷きシートの表面に密着しているため、下敷きシートから剥がれ難く、フィルム基板が軽量であるにも拘わらず、大きな吸着力を必要とする問題があった。しかも、過大な吸着力は、製品部分に悪影響を及ぼすことも懸念されるので、製品毎に適正な吸着力に調整するのが困難であった。
特開平6−342924号公報 特開2000−118714号公報
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、フィルム基板を小さい吸着力で確実に吸着して移載できる装置を提供することにある。
上記従来技術の有する課題を解決するため、本発明は、載置面に平置されたフィルム基板を吸着して持ち上げる移載装置であって、同一仮想平面上に配列された複数の吸着パッドと、それらを支持する共通の昇降枠と、該昇降枠を昇降させる昇降手段とを備えるものにおいて、前記昇降手段が、前記載置面の拡がり方向に離れた2つの連結部にて、前記載置面に平行かつ相互に平行な軸線回りの回動を許容した状態で、前記昇降枠にそれぞれ連結された2つの昇降部材と、それらを相対的な速度差および/または時間差をもって上昇させる制御手段および駆動手段を含むことを特徴とする。
本発明において、前記駆動手段が、前記各連結部に配設された2つの流体圧シリンダであり、前記2つの昇降部材が、前記2つの流体圧シリンダの出力ロッドであるかまたは前記出力ロッドに固定されており、前記制御手段が、前記2つの流体圧シリンダに接続された流量制御弁を含むことが好適である。また、前記各連結部が、球状関節からなることが好ましい。さらに、前記各連結部が、前記複数の吸着パッドが配列された前記仮想平面に対して上方に配置されていることが好適である。
上記本発明において、前記昇降枠および前記昇降手段が、前記載置面に隣接して平置された複数のフィルム基板に対応して複数配設され、前記各昇降手段をそれぞれ支持する複数の支持体と、前記複数の支持体に共通の移動体と、前記移動体を前記各フィルム基板の移載位置との間で往復移動させる手段と、前記複数の支持体を前記フィルム基板の隣接方向に接離させる手段とをさらに備えることが好適である。
本発明に係る移載装置は、上述の通り構成されているので、以下に記載されるような作用および効果を有する。
載置面に平置されたフィルム基板を、共通の昇降枠により同一仮想平面上に配列された複数の吸着パッドで吸着し、前記昇降枠に連結された2つの昇降部材を相対的な速度差および/または時間差をもって上昇させることにより、上昇開始時に、フィルム基板の一方の縁端部に持ち上げ力が集中的に付与され、それにより、前記一方の縁端部において、載置面(または別のフィルム基板)からの剥離が比較的容易に開始され、一度剥離が開始された後には、載置面との間に生じた隙間への空気の流入によって、フィルム基板全体が載置面から容易に離脱可能となる。
したがって、フィルム基板を吸着して持ち上げるのに大きな吸着力を必要とせず、過大な吸着力による製品部分への影響もない。また、吸着力の適用範囲が拡大され、吸着エラーが起こり難くなり、フィルム基板表面の平坦度やパターンなどに応じた厳密な吸着力の調整が不要になる利点もある。
さらに、吸着されたフィルム基板が上昇する際に、上記速度差および/または時間差に伴い、フィルム基板全体が傾斜姿勢となり、それにより、フィルム基板上面の空気が傾斜に沿って低位側に誘導されるので、上昇初期の空気抵抗を軽減でき、空気抵抗によるバタツキや吸着エラーを抑制できる。
上記のような傾斜姿勢を伴う上昇動作を行いながらも、フィルム基板は常に平面に維持されており、吸着動作により皺や曲げが発生することがない。また、2つの昇降部材を相対的な速度差および/または時間差をもって上昇させるのみであるため、2つの昇降部材の基本構造や昇降ストロークを同一または対称に構成可能であり、装置の構造が複雑化することもない。
また、前記駆動手段が、前記各連結部に配設された2つの流体圧シリンダであり、前記2つの昇降部材が、前記2つの流体圧シリンダの出力ロッドであるかまたは前記出力ロッドに固定されており、前記制御手段が、前記2つの流体圧シリンダに接続された流量制御弁を含む態様では、流量制御弁により、2つの流体圧シリンダの作動流体の流量を調整するのみで、各出力ロッドの上昇動作に速度差および/または時間差を容易に設定でき、かつ、低コストで実施できる。
さらに、前記各連結部が球状関節からなる態様では、上記のような傾斜姿勢を伴う昇降枠の上昇動作を、各連結部に拗れなど生じることなく円滑に行うことができ、かつ、昇降枠および各吸着パッドの載置面上での位置を正確に規定できる利点もある。
さらに、前記各連結部が、前記複数の吸着パッドが配列された前記仮想平面に対して上方に配置されている態様では、上記昇降枠の傾斜姿勢を伴った上昇動作の開始時に、各吸着パッドと各連結部との上下方向のオフセットによって、フィルム基板の一方の縁端部の上昇に伴い、遅れて上昇する他方の縁端部側では、載置面の拡がり方向への微小変位が生じ、この微小変位によって、フィルム基板の他方の縁端部側が、載置面や裁断されたフィルム残部から確実に分離される利点がある。
さらに、前記昇降枠および前記昇降手段が、前記載置面に隣接して平置された複数のフィルム基板に対応して複数配設され、前記各昇降手段をそれぞれ支持する複数の支持体と、前記複数の支持体に共通の移動体と、前記移動体を前記各フィルム基板の移載位置との間で往復移動させる手段と、前記複数の支持体を前記フィルム基板の隣接方向に接離させる手段とをさらに備える態様では、載置面に隣接して平置された複数のフィルム基板を一斉に吸着して移載でき、移載効率を向上可能であるとともに、各フィルム基板を共通の移動体によって移載位置まで搬送する際に、支持体を相互に離隔させることで、各フィルム基板の間に適宜間隔を有して移載でき、移載後における各フィルム基板の分配など取扱いを容易に行える。
本発明実施形態に係る移載装置が併設されたフィルム基板の型抜き加工ラインを示す平面図である。 本発明実施形態の移載装置を示す図1のA−A断面図である。 本発明実施形態の移載装置を示す図1のB−B断面図である。 本発明実施形態の移載装置によるフィルム基板の吸着状態を示す図1のB−B断面図である。 本発明実施形態の移載装置によるフィルム基板の持ち上げ動作を示す図1のB−B断面図である。 本発明実施形態の移載装置によるフィルム基板の搬送動作を示す図1のB−B断面図である。 本発明実施形態の移載装置によるフィルム基板の移載動作を示す図1のC−C断面図である。 本発明実施形態の移載装置によるフィルム基板の持ち上げ動作を示す図5の拡大図である。 (a)は本発明実施形態に係る連結部のレイアウトを示す平面図、(b)は別の実施形態に係る連結部のレイアウトを示す平面図である。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る移載装置1が併設された薄膜太陽電池の型抜き加工ラインを示す平面図であり、図において、薄膜太陽電池の型抜き加工ラインには、型抜き加工部13を通って周回される無端ベルト状の下敷きシート14が配設されている。下敷きシート14は、PET樹脂などの可撓性シート材料で構成され、フィルム基板10の搬送経路両端部に配置された一対のガイドロール14a,14bを含む複数のガイドロールにエンドレスに巻き掛けられている。
成膜工程、レーザ加工工程、および封止材のラミネート工程を経た薄膜太陽電池のフィルム基板10は、図示しない供給ロールから巻出され、型抜き加工部13の搬送方向上流側で下敷きシート14上に供給され、下敷きシート14に載置された状態で、型抜き加工部13において、トムソン刃などの裁断刃により太陽電池モジュールを構成する製品部分11が型抜きされる。本実施形態におけるフィルム基板10は、その幅方向に列設されかつ相互に直列接続された多数の太陽電池単位セルで構成された単位モジュールが、フィルム基板10の長手方向に間欠的に配置された矩形の加工領域毎に6列並設されており、型抜き加工部3では、各加工領域が単位モジュールの2列を1組にした3つの製品部分11に型抜きされる。
型抜き加工部13の搬送方向下流側には、型抜き加工部13に位置決めされたフィルム基板10を下敷きシート14と共に把持する固定グリップ15が設けられ、さらにその搬送方向下流側には、型抜き加工されたフィルム基板10を下敷きシート4と共に把持して一体的に前進させるグリップフィーダ16が設置されている。グリップフィーダ16の間欠的な搬送動作の休止期間中に、型抜き加工部13で製品部分11が型抜きされ、型抜き加工されたフィルム基板10は、下敷きシート14に載置された状態で、順次、搬送方向下流側の製品吸着ステージ17に搬送される。
上述した型抜き加工ライン(13〜17)の側方には、製品部分11をトレイ20に積載して次工程に移送するトレイ搬送コンベア181,182が平行に延設されており、移載装置1は、製品吸着ステージ17にてフィルム基板10の製品部分11のみを吸着して持ち上げ、トレイ搬送コンベアの移載ステーション18(181)に移載するものである。
移載装置1は、図2および図3に示すように、フィルム基板の3つの製品部分11に割り当てられた複数の吸着パッド2、各吸着パッド2を3つの製品部分11毎に支持する共通の昇降枠3、該各昇降枠3を昇降させるエアシリンダ6(6a,6b)、各エアシリンダ6を支持する支持体7,70、これら支持体7,70に共通の移動体8、該移動体8を製品吸着ステージ17と移載ステーション18との間で往復移動させる送り機構9を備えている。
各吸着パッド2は、支持プレート31に固定された吸引管の下端部に下向きに取付けられており、フィルム基板の製品部分11を平坦に維持した状態で吸着するために、例えば図9(a)に示すような格子状のレイアウトで同一仮想平面上に配列されている。各吸引管の上端部は図示しない配管および電磁弁を介して真空エジェクタや真空ポンプなどの真空発生装置に接続されている。図示例では、1つの支持プレート31に7つの吸着パッド2が支持されており、4列の支持プレート31が支持枠32の下面に固定されることで1つの昇降枠3を構成している。
各昇降枠3(支持枠32)は、フィルム基板10および下敷きシート14の幅方向に相当する長手方向の各端部において、それぞれ2つの球状関節からなる連結部4を介して昇降部材5a,5bに連結されている。各昇降部材5a,5bは、エアシリンダ6a,6bの出力ロッド61の先端に固定されるとともに、エアシリンダ6a,6bのハウジングで直動案内されている各一対のガイドロッド51,51の下端に固定され、さらに各ガイドロッド51,51の上端が端板52で剛接合されることで、各昇降部材5a,5bに連結された各2つの球状関節(連結部4)が水平に保持されるようにしてある。
エアシリンダ6a,6bは、図3に示すように、支持体7,70の側板7a,7bの外面側に固定されており、その内面側において、側板7a,7bは梁7dを介して互いに剛接合されている。3つの支持体7,70,7のうち、中央の支持体70(側板7a,7b)は、その上端部において移動体8に固定されている。一方、両側の支持体7,7は、側板7a,7bの上端部に剛接合された天板7cが、移動体8の上面に設けたガイドレール80,80に摺動可能に支持され、図示しない送り手段により移動可能であり、中央の支持体70に対して接離可能となっている。この送り手段には、エアシリンダなどのリニアアクチュエータ、送りねじ機構やラックピニオン機構を介したロータリーアクチュエータ、直動カムなど周知の送り手段を用いることができる。
移動体8は、製品吸着ステージ17の上方から移載ステーション18の上方にかけて平行に延設された一対のガイドビーム90,90に架設され、かつ、移動体8の端部に、ガイドビーム90,90の上面に転接する車輪82,82を備えるとともに、移動体8の上面に設けたナット部材81に螺合する送りねじ軸91を、その一端に連結されたモータ92で正逆回転させることで、ガイドビーム90,90に沿って往復移動可能である。
なお、本実施形態では、移動体8の走行手段に車輪82を用いているが、これには限定されず、LMガイドなど、走行できるものであれば、様々な形態を利用できる。
移載ステーション18(181)に空トレイを供給する空トレイ供給装置180は、駆動ロールを用いた供給コンベア(ローラコンベア)と、その上方に複数のトレイ20を段積み状態で支持するとともに、最下段のトレイ20のみを供給コンベア上に投下する分離供給機構を備えている。また、移載ステーション18に設置されたトレイ搬送コンベア181,182は、何れも製品を積載したトレイを下流に移動するための駆動ロールを用いたローラコンベアである。
搬送コンベア181は、図示しない高さ調整機構(昇降手段)を備えており、製品部分11を積載するトレイ位置(高さ)を積載枚数に応じて調整することで、積載時に製品部分11との垂直距離が常に一定に保たれるようにしてある。さらに、搬送コンベア181は、水平姿勢から搬送方向に向かう下り傾斜を有するように傾動可能に構成されている。また、図示を省略するが、搬送コンベア182の下流側には、製品部分11を収容したトレイ20を複数段のローラコンベアに収納可能な収納ラックが設置されている。搬送コンベア182は、前記各段のローラコンベアに合わせて昇降可能なスタッカーとして構成され、位置決めされたローラコンベアに対してトレイ20を押送するためのトレイ押出し機構を備えている。
次に、上記実施形態に基づく作用について説明する。
型抜き加工されたフィルム基板10が下敷きシート14に載置されて製品吸着ステージ17に搬送されるのと並行して、移載装置1の移動体8は、移載ステーション18から製品吸着ステージ17の上方に復帰している。製品吸着ステージ17には、図2に示すように、フィルム残部12の間に3つの製品部分11が隣接配置されている。これに合わせて、移載装置1の両側の支持体7,7は、中央の支持体70寄りに移動しており、この状態から、図4に矢印z,zで示すように、両側のエアシリンダ6a,6bの出力ロッド61a,61bが一斉に突出して昇降枠3を水平姿勢のまま降下させ、各吸着パッド2で製品部分11を吸着する。
次いで、図5に矢印za,zbで示すように、一方のエアシリンダ6aを他方のエアシリンダ6bに先行してかつ相対的に高速度で作動させることにより、昇降枠3の昇降部材5a側が先に上昇し、同一平面上に配列された各吸着パッド2に吸着された製品部分11は、平坦に維持されつつも前記一方の昇降部材a側からめくるように持ち上げられる。このようなめくる動作により、昇降枠3の上昇開始時に、製品部分11の一方の縁端部に吸着パッド2を介した持ち上げ力が集中的に付与され、この縁端部において下敷きシート14からの剥離がより少ない力で開始されることになり、一旦剥離が始まれば、下敷きシート14との間に生じた隙間への空気の流入により、製品部分11全体の下敷きシート14からの離脱が促進されことになる。
さらに、実施形態の移載装置1では、図8に示すように、球状関節による連結部4a,4bが、下敷きシート14上の載置面に対して上方に高さhだけオフセットして配置されているので、各側の昇降部材4a,5bの速度差および時間差を伴った上昇動作za,zbにより昇降枠3全体が僅かに傾斜姿勢となる際に、遅れて上昇する連結部4bの下方の載置面上では、矢印βに示されるような微小変位を生じ、この僅かにずらす動作によって下敷きシート14からの剥離やフィルム残部12からの分離が促進される。
上述したエアシリンダ6a,6bの速度差および時間差もった動作は、流量制御弁(速度制御弁)による圧縮空気の流量調整によって設定可能である。例えば、図8に示すように、エアシリンダ6a,6bの上昇時に排気側となる速度制御弁63a,63bの開度に差を持たせ、一方の速度制御弁63aの開度を相対的に大きくし、他方の速度制御弁63bの開度を相対的に小さくすることで、一方のエアシリンダ6aを他方のエアシリンダ6bより速く上昇させることができる。
当然ながら、各エアシリンダ6a,6bに同回路の圧縮空気を用いることができ、各エアシリンダ6a,6bの電磁弁は同タイミングで作動させる。各エアシリンダ6a,6bは上昇速度のみが異なり、ストロークは一定であるので、上昇動作の完了後には昇降枠3は再び水平姿勢となる。各速度制御弁62a,62b,63a,63bはチェック弁を備えており、エアシリンダ6a,6bの下降時には、速度制御弁62a,62bの開度を同設定にすることで同速度かつ同タイミングで降下させることができる。
また、速度制御弁63a,63bおよび/または速度制御弁62a,62bの開度設定により、あるいは、速度制御弁62bのチェック弁のクラッキング圧を大きくするか、チェック弁を電磁開閉弁とすることにより、他方のエアシリンダ6bの上昇時の始動を遅らせることもできる。電磁弁の開閉タイミングなどで時間差を設定することもできるが、実施形態のように速度制御弁63a,63bの設定のみで速度差や時間差を設定する方が、既存の部品を利用して安価に装置を構成できる。
上記のように各吸着パッド2で吸着され、各昇降枠3と共に載置面(14)から持ち上げられた各製品部分11は、図6に示すように、送りねじ機構(81,91,92)により移動体8と共に水平y方向に搬送され、移載ステーション18へと移送される。この搬送過程で、図7に示すように、両側の支持体7,7が、移載ステーション18におけるトレイ20の配列ピッチに対応すべく、ガイドレール80,80に沿って中央の支持体70から離れるx方向に移動するので、移載ステーション18に停止した時点で、直ちに昇降枠3を下降させ、3つの製品部分11をトレイ20に移載可能である。
以上、本発明の実施形態につき述べたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいてさらに各種の変形および変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、図9(a)に示すように、製品部分11の両側に各2箇所の連結部4a,4bが設置される場合について述べたが、連結部が他の方向、例えば、図9(b)に示すように、製品部分11の対角線2c方向に連結部4a′,4b′が設置されていても良く、その場合、対角線2c方向の一側に位置した角部に吸着力を集中して製品部分11をめくり上げるような動作で持ち上げ可能となる。昇降枠3によって各吸着パッド2の配列が固定されているので、一方の連結部4a′は一箇所のみでも良い。このような非対称の連結部4a′,4b′の配置であっても、球状関節は相互の位置関係のみ考慮すればよく、エアシリンダなどの取付け部は、回動軸線方向とは無関係に搬送方向や移送方向を基準とした機器配置の通りに設置可能である。また、吸着パッドは格子状以外の配列であっても良い。
また、上記実施形態では、昇降部材5を昇降動作させる駆動手段としてエアシリンダを用いる場合について述べたが、油圧シリンダやエアハイドロシリンダなど、他の流体圧シリンダを用いることもでき、流量制御弁の種類や配置なども、速度差または時間差を設定可能な他の構成とすることができる。さらに、駆動手段として、流体圧シリンダの代わりに電動アクチュエータを用い、パルス制御や遅延回路などを用いた電気的制御手段により移載装置を構成するか、あるいは、カム機構などの機械的制御手段により移載装置を構成することもできる。
さらに、上記実施形態では、本発明に係る移載装置を、薄膜太陽電池の製品部分をフィルム基板から型抜きする加工ラインに実施する場合について述べたが、本発明に係る移載装置は、複数枚積載されたフィルム基板から最上位のフィルム基板のみを吸着して持ち上げる分離供給装置を始め、フィルム基板の搬出装置、供給装置を問わず、フィルム基板を吸着して持ち上げる各種移載装置に実施できる。
1 移載装置
2 吸着パッド
3 昇降枠
4,4a,4b 連結部(球状関節)
5,5a,5b 昇降部材
6,6a,6b エアシリンダ
7,70 支持体
8 移動体
9 送り機構
10 フィルム基板
11 製品部分(フィルム基板)
12 フィルム残部
13 型抜き加工部
14 下敷きシート(載置面)
17 製品吸着ステージ
18 移載ステーション
20 トレイ
61,61a,61b 出力ロッド
62a,62b,63a,63b 速度制御弁

Claims (5)

  1. 載置面に平置されたフィルム基板を吸着して持ち上げる移載装置であって、同一仮想平面上に配列された複数の吸着パッドと、それらを支持する共通の昇降枠と、該昇降枠を昇降させる昇降手段とを備えるものにおいて、
    前記昇降手段が、前記載置面の拡がり方向に離れた2つの連結部にて、前記載置面に平行かつ相互に平行な軸線回りの回動を許容した状態で、前記昇降枠にそれぞれ連結された2つの昇降部材と、それらを相対的な速度差および/または時間差をもって上昇させる制御手段および駆動手段を含むことを特徴とするフィルム基板の移載装置。
  2. 前記駆動手段が、前記各連結部に配設された2つの流体圧シリンダであり、前記2つの昇降部材が、前記2つの流体圧シリンダの出力ロッドであるかまたは前記出力ロッドに固定されており、前記制御手段が、前記2つの流体圧シリンダに接続された流量制御弁を含むことを特徴とする請求項1に記載のフィルム基板の移載装置。
  3. 前記各連結部が、球状関節からなることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルム基板の移載装置。
  4. 前記各連結部が、前記複数の吸着パッドが配列された前記仮想平面に対して上方に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のフィルム基板の移載装置。
  5. 前記昇降枠および前記昇降手段が、前記載置面に隣接して平置された複数のフィルム基板に対応して複数配設され、前記各昇降手段をそれぞれ支持する複数の支持体と、前記複数の支持体に共通の移動体と、前記移動体を前記各フィルム基板の移載位置との間で往復移動させる手段と、前記複数の支持体を前記フィルム基板の隣接方向に接離させる手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィルム基板の移載装置。
JP2009145101A 2009-06-18 2009-06-18 フィルム基板の移載装置 Expired - Fee Related JP5293443B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009145101A JP5293443B2 (ja) 2009-06-18 2009-06-18 フィルム基板の移載装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009145101A JP5293443B2 (ja) 2009-06-18 2009-06-18 フィルム基板の移載装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011003701A JP2011003701A (ja) 2011-01-06
JP5293443B2 true JP5293443B2 (ja) 2013-09-18

Family

ID=43561436

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009145101A Expired - Fee Related JP5293443B2 (ja) 2009-06-18 2009-06-18 フィルム基板の移載装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5293443B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102012877B1 (ko) * 2019-01-24 2019-08-21 주식회사 디에스이엔티 랙용 인쇄회로기판 적재장치

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102019112867A1 (de) * 2019-05-16 2020-11-19 Homag Automation Gmbh Robotergreifer, Industrieroboter, Handhabungssystem und Verfahren zur Entnahme plattenförmiger Werkstücke von einem Stapel
JP7149238B2 (ja) * 2019-08-09 2022-10-06 Towa株式会社 樹脂成形装置及び樹脂成形品の製造方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4947785B1 (ja) * 1970-05-12 1974-12-18
JPS5815110Y2 (ja) * 1980-12-10 1983-03-26 株式会社 山田製作所 リ−ドフレ−ム用真空吸着装置
JPS5969291A (ja) * 1982-10-14 1984-04-19 日産自動車株式会社 工業用ロボツトのメカニカルハンド
JPS60228093A (ja) * 1984-04-26 1985-11-13 凸版印刷株式会社 積載板状材料自動移送装置
JPS6180779U (ja) * 1984-11-02 1986-05-29
JPS62157728U (ja) * 1986-03-24 1987-10-07
JPH05139554A (ja) * 1991-11-21 1993-06-08 Fuji Seisakusho:Kk 板材積層体の板材剥離用吸着盤
JPH06255814A (ja) * 1993-02-27 1994-09-13 Taiyo Yuden Co Ltd セラミックグリーンシート搬送方法及びそれに使用するマニプレーター
JPH07228370A (ja) * 1994-02-18 1995-08-29 Takeshi Horikoshi シートの吸引吸着機構
JP3923790B2 (ja) * 2001-11-27 2007-06-06 株式会社アマダ 一枚取り装置
US7364616B2 (en) * 2003-05-13 2008-04-29 Mimasu Semiconductor Industry Co. Ltd Wafer demounting method, wafer demounting device, and wafer demounting and transferring machine

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102012877B1 (ko) * 2019-01-24 2019-08-21 주식회사 디에스이엔티 랙용 인쇄회로기판 적재장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011003701A (ja) 2011-01-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102290486B (zh) 用于加载或卸载基板的基板处理装置
JP6383152B2 (ja) 移載方法、保持装置及び移載システム
JP5751378B2 (ja) シート材の接着剤塗布方法
JP2012171057A (ja) 切断装置
JP6484734B2 (ja) 基板搬送装置および方法
JP2012056648A (ja) シート積層装置
CN212639041U (zh) 一种翻面抓取机构及上料装置
JP5749953B2 (ja) 太陽電池モジュールの製造装置及びその製造方法
JP5293443B2 (ja) フィルム基板の移載装置
JP4950297B2 (ja) 基板搬送システム
CN111312861A (zh) 电池片印刷装置及方法、太阳能电池生产系统
JP5272048B2 (ja) シート体の搬送装置及び積層電池の製造装置
US20180222706A1 (en) Method for Unstacking Veneer Sheets
KR101047098B1 (ko) 자동레이업 장치
JP6744451B2 (ja) 成形品トリミングの分離積載装置およびトリミング方法
CN111071791A (zh) 一种pcb板自动上料机
CN216996617U (zh) 包胶装置和具有其的板材加工设备
CN113682524B (zh) 一种玻璃基板包装系统及包装方法
KR101692902B1 (ko) 연료전지 스택 자동 적층 장치
JP3317280B2 (ja) 基板の整列移載システム及び整列移載方法
CN115055340A (zh) 一种电池片施胶装置及电池片施胶设备
TWM467170U (zh) 用於多列傳送平坦物體的裝置
KR102164037B1 (ko) 다중 기판 처리 장치
KR20130105848A (ko) 라미네이트 장치 및 라미네이트 방법
CN113651122A (zh) 一种酒盒卸垛取盖装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20110422

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120514

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130514

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130516

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130527

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees