図1は、本発明の実施形態に係る液圧ブレーキユニット20を示す系統図である。図1に示す液圧ブレーキユニット20は、各車輪に対応して設けられたディスクブレーキユニット21FR、21FL、21RRおよび21RLと、マスタシリンダユニット27と、動力液圧源30と、液圧アクチュエータ40とを備える。以下、図1を用いて液圧ブレーキユニット20の構成について詳述する。
ディスクブレーキユニット21FR、21FL、21RRおよび21RLは、車両の右前輪、左前輪、右後輪、および左後輪のそれぞれに制動力を付与する。マニュアル液圧源としてのマスタシリンダユニット27は、ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル24の運転者による操作量に応じて加圧されたブレーキフルードを、ディスクブレーキユニット21FR、21FL、21RRおよび21RL(以下、適宜ディスクブレーキユニット21FR〜21RLと称する)に対して送出することが可能である。動力液圧源30は、モータ等による動力の供給により加圧されたブレーキフルードを、運転者によるブレーキペダル24の操作から独立してディスクブレーキユニット21FR〜21RLに対して送出することが可能である。
また、液圧アクチュエータ40は、動力液圧源30またはマスタシリンダユニット27から供給されたブレーキフルードの液圧を適宜調整してディスクブレーキユニット21FR〜21RLに送出する。
ディスクブレーキユニット21FR〜21RL、マスタシリンダユニット27、動力液圧源30、および液圧アクチュエータ40のそれぞれについて以下で更に詳しく説明する。各ディスクブレーキユニット21FR〜21RLは、それぞれブレーキディスク22と、不図示のブレーキキャリパに内蔵されたホイールシリンダ23FR、23FL、23RRおよび23RLとを含む。そして、各ホイールシリンダ23FR、23FL、23RRおよび23RLは、それぞれ異なる流体通路を介して液圧アクチュエータ40に接続されている。なお以下では適宜、ホイールシリンダ23FR、23FL、23RRおよび23RLを総称して「ホイールシリンダ23」と称するものとする。
ディスクブレーキユニット21FR〜21RLにおいては、ホイールシリンダ23に液圧アクチュエータ40からブレーキフルードが供給されると、ホイールシリンダ23のピストンが液圧により伸張して車輪と共に回転するブレーキディスク22に、摩擦部材としてのブレーキパッドが押し付けられる。これにより、各車輪に制動力が付与される。なお、本実施形態においてはディスクブレーキユニット21FR〜21RLを用いて説明しているが、例えばドラムブレーキ、ドラムインディスクブレーキ、ドラムインドラムブレーキ等のホイールシリンダ23を備える他の制動力付与機構を用いてもよい。
マスタシリンダユニット27は、本実施形態では液圧ブースタ付きマスタシリンダであり、液圧ブースタ31、マスタシリンダ32、レギュレータ33、およびリザーバ34を含む。また、液圧ブースタ31は、ブレーキペダル24に加えられたペダル踏力を増幅してマスタシリンダ32に伝達する。動力液圧源30からレギュレータ33を介して液圧ブースタ31にブレーキフルードが供給されることにより、ペダル踏力は増幅される。そして、マスタシリンダ32は、ペダル踏力に対して所定の倍力比を有するマスタシリンダ圧を発生する。
マスタシリンダ32とレギュレータ33との上部には、ブレーキフルードを貯留するリザーバ34が配置されている。マスタシリンダ32は、ブレーキペダル24の踏み込みが解除されているときにリザーバ34と連通する。一方、レギュレータ33は、リザーバ34と動力液圧源30のアキュムレータ35との双方と連通しており、リザーバ34を低圧源とすると共に、アキュムレータ35を高圧源とし、マスタシリンダ圧とほぼ等しい液圧を発生する。レギュレータ33における液圧を以下では適宜、「レギュレータ圧」という。
動力液圧源30は、ポンプ36およびアキュムレータ35を備える。ポンプ36は、駆動源としてモータ36aを有し、その吸込口がリザーバ34に接続される一方、その吐出口がアキュムレータ35に接続されてブレーキフルードを昇圧する。アキュムレータ35は、ポンプ36により昇圧されたブレーキフルードの圧力エネルギを窒素等の封入ガスの圧力エネルギ、例えば14〜22MPa程度に変換して蓄える蓄圧装置である。なお、図1においてはポンプ36とモータ36aとが別途独立した構成であるものとして記載するが、以下の説明においてはモータ36aはポンプ36に内包されるものとする。
また、アキュムレータ35は、マスタシリンダユニット27に設けられたリリーフバルブ35aにも接続されている。アキュムレータ35におけるブレーキフルードの圧力が異常に高まって例えば25MPa程度になると、リリーフバルブ35aが開弁し、高圧のブレーキフルードはリザーバ34へと戻される。
上述のように、液圧ブレーキユニット20においては、マスタシリンダ32とレギュレータ33とアキュムレータ35とが、ホイールシリンダ23に対するブレーキフルードの供給源となる。また、マスタシリンダ32にはマスタ配管37が、レギュレータ33にはレギュレータ配管38が、アキュムレータ35にはアキュムレータ配管39が接続される。
これらのマスタ配管37、レギュレータ配管38およびアキュムレータ配管39は、それぞれ液圧アクチュエータ40に接続される。つまり、マスタシリンダ32、レギュレータ33およびアキュムレータ35は、ホイールシリンダ23への液圧供給源として液圧アクチュエータ40に各々並列に接続されている。
本実施形態における作動液(ブレーキフルード)供給系統としての液圧アクチュエータ40は、複数の流路が形成されるアクチュエータブロックと、複数の電磁制御弁とを有する。アクチュエータブロックに形成された流路には、個別流路41、42、43および44(以下、適宜個別流路41〜44と称する)と、主流路45とが含まれる。
また、個別流路41〜44は、それぞれ主流路45から分岐されて、対応するディスクブレーキユニット21FR、21FL、21RR、21RLのホイールシリンダ23FR、23FL、23RR、23RLに接続される。個別流路41〜44により、各ホイールシリンダ23は、各々主流路45と独立して連通可能となる。
また、個別流路41、42、43および44の中途には、各々ABS保持弁51、52、53および54(以下、適宜ABS保持弁51〜54と称する)が設けられる。各ABS保持弁51〜54は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングをそれぞれ有しており、何れもソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型電磁制御弁である。
開状態とされた各ABS保持弁51〜54は、ブレーキフルードを双方向に流通させることができる。典型的には、主流路45からホイールシリンダ23へとブレーキフルードを供給して液圧を供給することができる。また、逆にホイールシリンダ23から主流路45へもブレーキフルードを流すこともできる。ソレノイドに通電されて各ABS保持弁51〜54が閉弁されると、個別流路41〜44におけるブレーキフルードの流通は遮断され、典型的には液圧の供給が遮断される。
更に、ホイールシリンダ23は、個別流路41〜44にそれぞれ接続された減圧用流路46、47、48および49(以下、適宜減圧用流路46〜49と称する)を介して、リザーバ34へと還流させるリザーバ流路55に接続される。減圧用流路46、47、48および49の中途には、各々ABS減圧弁56、57、58および59(以下、適宜ABS減圧弁56〜59と称する)が設けられる。
また、各ABS減圧弁56〜59は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングをそれぞれ有しており、何れもソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。各ABS減圧弁56〜59が閉状態であるときには、減圧用流路46〜49におけるブレーキフルードの流通は遮断される。
また、ソレノイドに通電されて各ABS減圧弁56〜59が開弁されると、減圧用流路46〜49におけるブレーキフルードの流通が許容され、ブレーキフルードがホイールシリンダ23から減圧用流路46〜49およびリザーバ流路55を介してリザーバ34へと還流する。これにより、典型的にはホイールシリンダ23の液圧が増圧状態から低減されて減圧状態となる。なお、リザーバ流路55は、リザーバ配管77を介してマスタシリンダユニット27のリザーバ34に接続される。
主流路45は、中途に分離弁60を有する(なお、分離弁を連通弁とも称呼するが、実施形態においては分離弁と称する)。分離弁60により、主流路45は、個別流路41および42と接続される第1流路45aと、個別流路43および44と接続される第2流路45bとに区分けされる。第1流路45aは、個別流路41および42を介して前輪側のホイールシリンダ23FRおよび23FLに接続され、第2流路45bは、個別流路43および44を介して後輪側のホイールシリンダ23RRおよび23RLに接続される。すなわち、分離弁60は、前輪側のホイールシリンダ23FRおよび23FLと、後輪側のホイールシリンダ23RRおよび23RLとを連通/遮断する機能を有する電磁制御弁である。
分離弁60は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、ソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。分離弁60が閉状態であるときには、主流路45におけるブレーキフルードの流通は遮断される。ソレノイドに通電されて分離弁60が開弁されると、第1流路45aと第2流路45bとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。
また、液圧アクチュエータ40においては、主流路45に連通するマスタ流路61およびレギュレータ流路62が形成されている。より詳細には、マスタ流路61は主流路45の第1流路45aに接続され、レギュレータ流路62は主流路45の第2流路45bに接続される。また、マスタ流路61は、マスタシリンダ32と連通するマスタ配管37に接続される。レギュレータ流路62は、レギュレータ33と連通するレギュレータ配管38に接続される。
マスタ流路61は、中途にマスタカット弁64を有する。マスタカット弁64は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、ソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型電磁制御弁である。開状態とされたマスタカット弁64は、マスタシリンダ32と主流路45の第1流路45aとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。ソレノイドに通電されてマスタカット弁64が閉弁されると、マスタ流路61におけるブレーキフルードの流通は遮断され、典型的にはマスタシリンダ32から第1流路45aの液圧供給が遮断される。
また、マスタ流路61には、マスタカット弁64よりも上流側において、シミュレータカット弁68を介してストロークシミュレータ69が接続される。すなわち、シミュレータカット弁68は、マスタシリンダ32とストロークシミュレータ69とを接続する流路に設けられる。シミュレータカット弁68は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、ソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。
また、シミュレータカット弁68が閉状態であるときには、マスタ流路61とストロークシミュレータ69との間のブレーキフルードの流通は遮断される。ソレノイドに通電されてシミュレータカット弁68が開弁されると、マスタシリンダ32とストロークシミュレータ69との間でブレーキフルードが双方向に流通できる。
また、ストロークシミュレータ69は、複数のピストンやスプリングを有しており、シミュレータカット弁68の開放時に運転者によるブレーキペダル24の踏力に応じた反力を創出する。ストロークシミュレータ69は、運転者によるブレーキ操作のフィーリングを向上させるために、多段のバネ特性を有することが好ましい。
また、レギュレータ流路62は、中途にレギュレータカット弁65を有する。レギュレータカット弁65も、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、ソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型電磁制御弁である。開状態とされたレギュレータカット弁65は、レギュレータ33と主流路45の第2流路45bとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。ソレノイドに通電されてレギュレータカット弁65が閉弁されると、レギュレータ流路62におけるブレーキフルードの流通は遮断され、典型的にはレギュレータ33から第2流路45bへの液圧供給が遮断される。
液圧アクチュエータ40には、マスタ流路61およびレギュレータ流路62に加えて、アキュムレータ流路63も形成される。アキュムレータ流路63の下流側の一端は、主流路45の第2流路45bに接続され、上流側の他端はアキュムレータ35と連通するアキュムレータ配管39に接続される。
アキュムレータ流路63は、中途に増圧リニア制御弁(「リニア増弁」と称する場合もある)66を有する。また、アキュムレータ流路63および主流路45の第2流路45bは、減圧リニア制御弁(「リニア減弁」と称する場合もある)67を介してリザーバ流路55に接続される。増圧リニア制御弁66と減圧リニア制御弁67とは、それぞれリニアソレノイドおよびスプリングを有し、何れもソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。増圧リニア制御弁66と減圧リニア制御弁67とは、それぞれのソレノイドに供給される電流に比例して弁の開度が調整される。
増圧リニア制御弁66は、各車輪に対応して複数設けられた各ホイールシリンダ23に対して共通の増圧用制御弁として設けられている。また、減圧リニア制御弁67も同様に、各ホイールシリンダ23に対する共通の減圧用制御弁として設けられている。つまり、本実施形態においては、増圧リニア制御弁66と減圧リニア制御弁67とが、動力液圧源30から送出される作動流体を、各ホイールシリンダ23へ給排制御する1対の共通の制御弁として設けられる。典型的には増圧リニア制御弁66を開とすれば、アキュムレータ35からの液圧を第2流路45bに供給して、第2流路45bの液圧を増大させることができる。また、典型的には減圧リニア制御弁67を開とすれば、第2流路45bのブレーキフルードを排出して、第2流路45bの液圧を低減することができる。
増圧リニア制御弁66の上流側と下流側との間の差圧(いわゆる出入口間の差圧)は、アキュムレータ35におけるブレーキフルードの圧力と主流路45におけるブレーキフルードの圧力との差圧にほぼ対応する。また、減圧リニア制御弁67の上流側と下流側との間の差圧は、主流路45におけるブレーキフルードの圧力とリザーバ34におけるブレーキフルードの圧力との差圧に対応する。なお現実には、増圧リニア制御弁66の開閉に伴いブレーキフルードが流通する過渡期においては、増圧リニア制御弁66にオリフィス抵抗等に起因する減圧要因が作用する。
また、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67のリニアソレノイドへの供給電力に応じた電磁駆動力をF1とし、スプリングの付勢力をF2とし、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67の出入口間の差圧に応じた差圧作用力をF3とすると、F1+F3=F2という関係が成立する。従って、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67のリニアソレノイドへの供給電力を連続的に制御することにより、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67の出入口間の差圧を制御することができる。
液圧ブレーキユニット20において、動力液圧源30および液圧アクチュエータ40は、本実施形態における電子制御部としてのブレーキECU70により制御される。ブレーキECU70は、CPUを含むマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に各種プログラムを記憶するROM、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポートおよび通信ポート等を備える。また、ブレーキECU70は、記憶部として各種プログラム等を書き換え可能なフラッシュメモリ等を備えることとし、ファームアップなどのメンテナンス時にバージョンアップやアップデート可能としてもよい。
そして、ブレーキECU70は、上位のハイブリッドECUなどと通信可能であり、ハイブリッドECUからの制御信号や、各種センサからの信号に基づいて動力液圧源30のポンプ36や、液圧アクチュエータ40を構成する電磁制御弁51〜54、56〜59、60、64〜68を制御して、液圧制動力を制御可能である。
また、ブレーキECU70には、レギュレータ圧センサ71、アキュムレータ圧センサ72、および制御圧センサ73が接続される。レギュレータ圧センサ71は、レギュレータカット弁65の上流側でレギュレータ流路62内のブレーキフルードの圧力、すなわちレギュレータ圧を所定のサンプリング周期で検知し、検知した値を示すレギュレータ圧検知信号をブレーキECU70に与える。
また、アキュムレータ圧センサ72は、増圧リニア制御弁66の上流側でアキュムレータ流路63内のブレーキフルードの圧力、すなわちアキュムレータ圧を所定のサンプリング周期で検知し、検知した値を示すアキュムレータ圧検知信号をブレーキECU70に与える。
また、制御圧センサ73は、主流路45の第1流路45a内のブレーキフルードの圧力を所定のサンプリング周期で検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU70に与える。また、分離弁60が開となって第1流路45aと第2流路45bとが連通している場合には、制御圧センサ73は主流路45内のブレーキフルードの圧力を検知する。各圧力センサ71〜73の検出値は、各々所定時間おき(例えば3ミリ秒毎)にサンプリングされてブレーキECU70に与えられ、ブレーキECU70の所定の記憶領域に所定量ずつ格納保持される。
従って、分離弁60が開状態とされて主流路45の第1流路45aと第2流路45bとが互いに連通している場合、制御圧センサ73の出力値は、増圧リニア制御弁66の低圧側(下流側)の液圧を示すと共に減圧リニア制御弁67の高圧側(上流側)の液圧を示す。このため、制御圧センサ73の出力値を増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67の制御に利用することができる。
また、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67が閉鎖され第1流路45aと第2流路45bとが遮断されていると共に、マスタカット弁64が開状態とされている場合、制御圧センサ73の出力値は、マスタシリンダ32の液圧(以下、適宜マスタシリンダ圧と称する)を示す。更に、分離弁60が開弁されて主流路45の第1流路45aと第2流路45bとが互いに連通しており、各ABS保持弁51〜54が開放される一方、各ABS減圧弁56〜59が閉鎖されている場合、制御圧センサの73の出力値は、各ホイールシリンダ23に作用する作動流体圧、すなわちホイールシリンダ圧を示す。
ブレーキECU70に接続されるセンサには、ブレーキペダル24に設けられたストロークセンサ25も含まれる。ストロークセンサ25は、運転者によるブレーキペダル24の操作量としてのペダルストロークを検知し、検知したストローク量を示す信号をブレーキECU70に与える。ストロークセンサ25の出力値は、所定時間おきにサンプリングされてブレーキECU70に与えられ、ブレーキECU70の所定の記憶領域に所定量ずつ格納保持される。
なお、ブレーキ操作状態検出手段はストロークセンサ25に限られるものではなく、他のブレーキ操作状態検出手段をストロークセンサ25に加えて、あるいはストロークセンサ25に替えてブレーキECU70に接続して設けてもよい。ブレーキ操作状態検出手段としては、例えばブレーキペダル24の操作力を検出するペダル踏力センサや、ブレーキペダル24が踏み込まれたことを検出するブレーキスイッチなどでもよい。また、ブレーキECU70には図示されない車輪速度センサ等も接続され、所定時間おきにサンプリングされた車輪速度の検知信号がブレーキECU70に与えられ、ブレーキECU70の所定の記憶領域に格納保持される。
また、ブレーキ操作入力手段は、ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル24に限定されることはなく、例えば押圧ボタンによるブレーキ操作入力手段とすることもできる。押圧ボタンによるブレーキ操作入力手段とした場合においても、押圧ボタンのストローク量の検知に加え、押圧ボタンの操作力を検出する押圧力センサや、押圧ボタンが所定量だけ押し込まれたことを検出する押圧ボタンスイッチなどとしてもよい。
上述のように構成された液圧ブレーキユニット20は、リニア制御モード、走行中レギュレータ増圧モード、停止中レギュレータ増圧モードの少なくとも3つの制御モードを取ることとしてもよい。いずれの制御モードにおいても、液圧ブレーキユニット20はブレーキECU70により制御される。なお、以下では、停止中レギュレータ増圧モードを停止中Reg増モードと称し、走行中レギュレータ増圧モードを走行中Reg増モードと称することとする。
リニア制御モードは、典型的には走行時からの通常の減速制動時に用いられる。リニア制御モードにおいては、各ホイールシリンダ23は、マスタシリンダユニット27から遮断される。すなわち、ブレーキECU70は、レギュレータカット弁65を閉状態とし、レギュレータ33から送出されるブレーキフルードが主流路45へ供給されないようにする。またブレーキECU70は、マスタカット弁64を閉状態とし、マスタシリンダ32から送出されるブレーキフルードが主流路45へ供給されないようにする。また、ブレーキECU70は、シミュレータカット弁68を開状態とする。ブレーキECU70がシミュレータカット弁68を開状態とするのは、運転者によるブレーキペダル24の操作に伴ってマスタシリンダ32から送出されるブレーキフルードが、ストロークシミュレータ69へと供給されるようにするためである。またブレーキECU70は、分離弁60を開状態とする。
また、リニア制御モードにおいては、ブレーキECU70は、典型的には運転者からブレーキペダル24の踏み込みにより指示された要求制動力から回生制動力を減じることにより、液圧ブレーキユニット20により発生させるべき液圧制動力(典型的には摩擦による制動力)を算出する。回生制動力の値は、ハイブリッドECUからブレーキECU70に付与される。
そして、ブレーキECU70は、算出した液圧制動力に基づいて各ホイールシリンダ23FR〜23RLの目標液圧を算出する。ブレーキECU70は、ホイールシリンダ圧が目標液圧となるように、フィードバック制御則により増圧リニア制御弁66及び減圧リニア制御弁67に対する供給電流の値(増圧指令電流値または減圧指令電流値)を決定する。
その結果、液圧ブレーキユニット20においては、動力液圧源30から増圧リニア制御弁66を介してブレーキフルードが各ホイールシリンダ23に供給されて車輪に所定目標の液圧制動力が付与される。また、ブレーキフルードが各ホイールシリンダ23から減圧リニア制御弁67を介して必要に応じて排出され、車輪に付与される液圧制動力が適宜調整される。このようにして、リニア制御モードにおいては、液圧制動と回生制動とを併用して、要求制動力を発生させるブレーキ回生協調制御が実行される。走行時からの通常のブレーキ制御の場合におけるモードが、リニア制御モードである。
また、走行中Reg増モード(Regアシストモードとも称する)においては、ブレーキECU70は、リニア制御モード時の増圧処理に加えてレギュレータ33の液圧もホイールシリンダ23に供給して、ホイールシリンダ23の液圧を迅速に増大させる処理をする。すなわち、走行中Reg増モードでは、増圧リニア制御弁66へ制御電流を供給して増圧リニア制御弁66を開状態とし、各ホイールシリンダ23と動力液圧源30とを連通する。更にブレーキECU70は、マスタカット弁64を閉状態とするとともに、レギュレータカット弁65及びシミュレータカット弁68を開状態とする。またブレーキECU70は、分離弁60を開状態とする。
さらに、停止中Reg増モードにおける各電磁制御弁の開閉状態は、上述の走行中Reg増モードとは増圧リニア制御弁66の開閉状態が異なり、他の電磁制御弁の開閉状態は同様である。つまり、停止中Reg増モードにおいては、増圧リニア制御弁66が閉状態とされて、マスタカット弁64も閉状態とされるという点で、走行中Reg増モードとは異なる。その結果、停止中Reg増モードにおいては、レギュレータ圧がそのままホイールシリンダ23に伝達されるので、運転者によるブレーキペダル24の操作量に応じた液圧制動力を発生させることができる。
ブレーキECU70は、これらのリニア制御モード、走行中Reg増モード、及び停止中Reg増モードのいずれかを、車両の走行速度、あるいは回生制動力の値などの車両の状態、または運転者からの指示に応じて適宜選択してもよい。なお、以下の説明では、走行中Reg増モードをRegアシストモードと称することとする。
図2は、Regアシストモードの油圧供給状態を説明する概念図である。図2に示す液圧ブレーキユニット20の構成及び基本的な動作処理は、既に図1で説明しているので説明の重複を避けるためにここでは詳述を避ける。図2に破線で示す第一経路210は、増圧リニア制御弁66で連通/遮断制御されて通常のブレーキ制御の場合に用いられる液圧供給経路である。換言すれば、第一経路210は、リニア制御モード時に用いられる液圧供給経路である。
また、図2に破線で示す第二経路220は、レギュレータカット弁65で連通/遮断制御されてRegアシストモード時に、第一経路210とともにホイールシリンダ23への液圧供給に用いられる液圧供給経路である。
Regアシストモードにおいては、第一経路210と第二経路220とでホイールシリンダ23へ液圧供給するので、第一経路210のみでホイールシリンダ23へ液圧供給する場合に比較して、ホイールシリンダ23を迅速に昇圧可能である。
このため、典型的にはブレーキペダル24が瞬間的に強く踏み込まれたような状況において、ブレーキECU70はRegアシストモードとして速やかに制動力を増大させる処理をする。ブレーキECU70は、典型的にはブレーキペダル24がいわゆるスパイク踏み込みされたような場合に、Regアシストモードとする。スパイク踏み込みとは、例えば100ミリ秒より短い時間内にフルストローク(例えばストローク長60ミリメートルの全て)まで踏み込まれた場合をいう。
一方、ブレーキペダル24がいわゆるスパイク踏み込みされた場合には、ブレーキECU70がRegアシストモードとして、第一経路210と第二経路220とでホイールシリンダ23へ液圧供給するので、動力液圧源30の液圧が一時的に多大に消費されることとなりアキュムレータ35の蓄圧量が減少する場合が想定される。一時的にでもアキュムレータ35の蓄圧量が減少している場合には、ブレーキペダル24からの制動要求入力等に対するホイールシリンダ23の昇圧応答が遅延する虞がある。
図3は、動力液圧源30からの液圧ブレーキユニット20の昇圧原理を説明する概念図である。図3に示すように、ブレーキフルードの供給経路において上流領域310a,310bと下流領域320との差圧が大きい程、増圧リニア制御弁66とレギュレータカット弁310bとの増圧能力(例えば弁のストローク長)の範囲内で、ブレーキフルードの供給量は増大する。
第一経路210のみによりブレーキフルードを供給する場合には、増圧リニア制御弁66のオリフィス抵抗やバルブストロークの制限上から、ブレーキペダル24がいわゆるスパイク踏み込みされた場合等には増圧リニア制御弁66を全開としても昇圧能力が不足する場合が生じる。
このため、いわゆるスパイク踏み込み時等比較的短い時間に大きな昇圧能力が必要な場合には、第一経路210に加えて第二経路220も用いてブレーキフルードをホイールシリンダ23に供給する。第一経路210と第二経路220とを用いてブレーキフルードを供給すれば、動力液圧源30のブレーキフルードが比較的短い時間で多く消費されてアキュムレータ35の圧力が一時的に低減することとなる。
アキュムレータ35の圧力が一時的に低減している場合には、上流領域310a,310bと、下流領域320との差圧が小さくなるので、その後ブレーキペダル24の踏み込みがあった場合等に、差圧が大きい場合に比して、ブレーキフルードをホイールシリンダ23に供給するのに比較的大きな時間を要する状況が生じ得る。ブレーキフルードをホイールシリンダ23に供給するのに比較的大きな時間を要すると、車両の制動距離が増大することとなる。
このため実施形態においては、第一経路210と第二経路220とを用いてブレーキフルードを供給する場合においても、上流領域310a,310bと下流領域320との差圧の一時的な低減を抑制し、昇圧能力が低下することを抑制可能な液圧ブレーキユニット20とする。
(第一の実施形態)
第一の実施形態で説明する液圧ブレーキユニット20は、液圧源からの液圧をホイールシリンダに単独経路による供給と複数経路による供給との二つの液圧供給モードを有する電子制御ブレーキ(ECBR)において、単独経路による液圧供給の場合よりも複数経路による液圧供給の場合のほうが液圧源で発生させる液圧を高くするものである。これにより、制御モードにより液圧供給する経路が異なる制動システムにおいて、複数経路による液圧供給をした場合でも充分な液圧源の圧力を確保可能となる。
このため、液圧ブレーキユニット20は、第一経路210と第二経路220とを用いてブレーキフルードを供給する場合、典型的にはRegアシストモード時には、ポンプ36を連続で稼働する。これにより、動力液圧源30のアキュムレータ35はより高圧に保たれるので、制動距離に影響を及ぼすような液圧の一時的な低減を回避可能となる。また、液圧ブレーキユニット20は、上流領域310a,310bと下流領域320との差圧の低減を抑止し、差圧を比較的大きく保つことが可能となるので、ホイールシリンダ23の昇圧能力を向上させることができる。
図4は、第一の実施形態にかかる液圧ブレーキユニット20の動作と処理とを説明するフロー概念図である。そこで、図4に示す各ステップごとに、順次第一の実施形態にかかる液圧ブレーキユニット20の動作と処理とを説明する。
(ステップS410)
ブレーキECU70は、車両の運転者からブレーキペダル24の踏み込みがあったか否かを検知する。車両の運転者からブレーキペダル24の踏み込みがあった場合には、ステップS420へと進む。また、車両の運転者からブレーキペダル24の踏み込みがなかった場合には、ステップS410で待機する。
ここで、図5は第一の実施形態のアキュムレータ圧の状態を説明するチャート概念図である。図5において、時間Tpでブレーキペダル24の踏み込みが為されるものとし、時間Tpまでは車両の運転者からブレーキペダル24の踏み込みが無くストローク量510が実質的にゼロである状態に対応するものとする。なお、以下の説明においては、図4に加えて図5を参照してブレーキECU20の動作及び処理を詳述する。
(ステップS420)
ブレーキECU420は、増圧リニア制御弁66に制御電流を流して開弁状態とする。このステップS420の状態は、図5の時間Tpから時間Tassisの間に対応し、ストローク量510の立ち上がりに対応して、増圧リニア制御弁66の増圧指令制御電流520が立ち上がるように時間Tpから時間Tassisの間に増大される。
(ステップS430)
ブレーキECU70は、車両の運転者からのブレーキペダル24の踏み込みがいわゆるスパイク踏みであるか否かを判断する。すなわちブレーキECU70は、車両の運転者からのブレーキペダル24の踏み込みが、例えば100ミリ秒以内でフルストローク(60ミリ)まで踏み込まれた踏み込み状態であるか否かを判断する。車両の運転者からブレーキペダル24の踏み込みがいわゆるスパイク踏みである場合には、ステップS440へと進む。また、車両の運転者からブレーキペダル24の踏み込みがいわゆるスパイク踏みでない場合には、ステップS480へと進む。なお、ブレーキECU70は、ステップS410の処理とステップS430の処理とを同じステップS410の工程において処理してもよい。
(ステップS440)
ブレーキECU70は、レギュレータカット弁65への制御電流を遮断して開状態とする。レギュレータカット弁65は、常開型電磁制御であるので制御電流を遮断すると開弁状態となる。これにより、第一経路210と第二経路220とからホイールシリンダ23へ液圧が供給されるので、迅速に昇圧されることとなる。
図5に示すように、ブレーキECU70は時間Tassisにおいて、レギュレータカット弁65の開閉状態530を開状態とする。これにより、液圧ブレーキユニット20は、時間Tassis以降においてRegアシストモードとなる。
(ステップS450)
ブレーキECU70は、ポンプ36のモータ36aを連続的に通電開始して、時間Tassisからモータ36aの連続駆動を開始する。モータ36aを連続駆動することにより、アキュムレータ35に連続的に蓄圧処理がされることとなる。
ここで、図5に示すように、実線で示す第一の実施形態にかかるアキュムレータ圧540は、破線で示す連続駆動が無い場合のアキュムレータ圧550に比較して、時間Tassis後の圧力低下が抑制されている。第一の実施形態では、ブレーキECU70は、Regアシストモードとなる時間Tassisからポンプ36のモータ36aを連続的に通電開始して、モータ36aの連続駆動を開始する。このため、時間Tassisからアキュムレータ35への蓄圧が開始されて、時間Tassisから次第にアキュムレータ35の蓄圧量が増大する。
一方、破線で示すアキュムレータ圧550においては、アキュムレータ35の圧力が、予め設定されたポンプ36のモータ36aが駆動されるポンプオン圧(典型的には16MPa)となるまで蓄圧が開始されない。このため、破線で示すアキュムレータ圧550においては、アキュムレータ35の圧力が一時的に16MPa以下にまで低下するだけではなく、その後、時間Tpまでの元の圧力17MPaに戻るまでの時間も比較的長く要することとなる。第一の実施形態においては、アキュムレータ35の圧力の一時的な低下を抑制できると共に、ブレーキペダル24の踏み込み開始前の元の圧力に速やかに昇圧できるので、その後のブレーキ操作に速やかに対応可能な液圧ブレーキユニット20となる。
(ステップS460)
ブレーキECU70は、レギュレータカット弁65が閉制御ではないか否かを判断する。レギュレータカット弁65が閉制御ではない場合には、ステップS470へと進む。また、レギュレータカット弁65が閉制御である場合には、ステップS480へと進む。レギュレータカット弁65が閉制御である場合には、いわゆるRegアシストモードが解除された状態である。なお、ブレーキECU70は、レギュレータカット弁65と増圧リニア制御弁66との各々の開閉制御状態を、各弁への制御電流指示値により検知することができる。
(ステップS470)
ブレーキECU70は、増圧リニア制御弁66が閉制御であるか否かを判断する。増圧リニア制御弁66が閉制御である場合には、ステップS480へと進む。また、増圧リニア制御弁66が閉制御ではない場合には、ステップS450へと戻る。増圧リニア制御弁66が閉制御である場合には、いわゆるRegアシストモードが解除された状態である。すなわち、ステップS460とステップS470とにおいて、Regアシストモードが解除されたと判断されない限り、第一の実施形態のブレーキECU70は、ステップS450のモータ連続駆動処理を継続するものとする。
(ステップS480)
ブレーキECU70は、例えばモータ36aを連続駆動から解除して、通常のオンオフ動作処理とする。通常のオンオフ動作処理とは、例えばポンプオン圧が予め16MPaと設定されポンプオフ圧が予め18MPaと設定されている場合には、ブレーキECU70は、アキュムレータ35の圧が16MPaとなればポンプ36を駆動させアキュムレータ35の圧が18MPaになればポンプ36を停止させる駆動制御をする。
第一の実施形態の液圧ブレーキユニット20は、Regアシストモードによりアキュムレータ35の圧力、典型的にはアキュムレータ圧センサ72の検出値がポンプオン圧まで低下する前にモータ36aを連続駆動させて、アキュムレータ35の圧力、典型的にはアキュムレータ圧センサ72の検出値の落ち込み低下を抑制できるので好ましい。
(第二の実施形態)
第二の実施形態においては、液圧ブレーキユニット20が、Regアシストモードとなる前の時点において、ポンプ36を連続で稼働してアキュムレータ35の圧を高圧に保つ。典型的には液圧ブレーキユニット20は、図6に示す増圧リニア制御弁66の増圧指令制御電流620が、所定の閾値電流X1となった時点TMから、ポンプ36を連続で駆動してアキュムレータ35の圧を高圧に保つ。また、液圧ブレーキユニット20は、図6に示す増圧リニア制御弁66の増圧指令制御電流620が、所定の閾値勾配aとなった時点から、ポンプ36を連続で稼働してアキュムレータ35の圧を高圧に保ってもよい。図6は、第二の実施形態のアキュムレータ圧の状態を説明するチャート概念図である。
図6に示すように、時間Tpでのブレーキペダル24のスパイク踏み込みによりストローク量610が立ち上がり増大する。また、立ち上がり増大するストローク量610に対応して、ブレーキECU70は、増圧リニア制御弁66の増圧指令制御電流620を増大させる。また、ブレーキECU70は、レギュレータカット弁65の開閉状態630を、時刻Tassisで開状態とする。
第二の実施形態のブレーキECU70は、RegアシストモードとなるTassisよりも早い時点、例えば時間TMで、ポンプ36を連続で駆動してアキュムレータ35の圧を高圧に保つことができる。このため、図6に実線で示す第二の実施形態にかかるアキュムレータ圧640は、破線で示す連続駆動が無い場合のアキュムレータ圧650に比較して、時間Tassis後の圧力低下がさらに抑制されるので好ましい。
また、第二の実施形態のブレーキECU70は、車両の運転者からのブレーキペダル24の踏み込み後、Regアシストモードとする迄の間において第一経路210のみでホイールシリンダ23の昇圧処理をする期間(例えばTM−Tassis間)においても、ポンプ36を連続で駆動してアキュムレータ35の圧力低下を抑制できるので好ましい。ブレーキECU70は、第一経路210と第二経路220とでブレーキフルードを供給する前から、アキュムレータ35に蓄圧開始して高圧を保持するので、レギュレータカット弁65と増圧リニア制御弁66との昇圧能力を最大限に引き出すことが可能である。
図7は、第二の実施形態にかかる液圧ブレーキユニット20の動作と処理とを説明するフロー概念図である。そこで、以下図7に示す各ステップごとに液圧ブレーキユニット20の動作と処理とを順次説明することとする。
(ステップS710)
ブレーキECU70は、車両の運転者からブレーキペダル24の踏み込みがあったか否かを検知する。車両の運転者からブレーキペダル24の踏み込みがあった場合には、ステップS720へと進む。また、車両の運転者からブレーキペダル24の踏み込みがなかった場合には、ステップS710で待機する。なおブレーキECU70は、このステップS710において、車両の運転者からブレーキペダル24のスパイク踏み込みがあったか否かを検知してもよい。
(ステップS720)
ブレーキECU70は、増圧リニア制御弁66の増圧指令制御電流620が上述の所定の条件を満たすか否かを判断する。増圧リニア制御弁66の増圧指令制御電流620が上述の所定の条件を満たす場合には、ステップS730へと進む。増圧リニア制御弁66の増圧指令制御電流620が上述の所定の条件を満たさない場合には、ステップS760へと進む。
ブレーキECU70が、増圧リニア制御弁66の増圧指令制御電流620が満たすか否かを判断する所定の条件は、増圧指令制御電流620が所定の閾値電流X1となったか否かであってもよい。所定の閾値電流X1とは、典型的には増圧リニア制御弁66が全開となる直前の増圧指令制御電流620であって、例えば700ミリアンペアから1アンペア程度とすることができる。
また、ブレーキECU70が、増圧リニア制御弁66の増圧指令制御電流620が満たすか否かを判断する所定の条件は、増圧指令制御電流620が所定の閾値勾配aとなったか否かであってもよい。所定の閾値勾配aとは、サンプリング周期ごとに検知される増圧指令制御電流620において、ある周期において0アンペアであった制御電流が、次の周期で1アンペアであった場合に対応する勾配としてもよい。また、所定の閾値勾配aとは、車両の運転者が走行中に急ブレーキをかけた場合に対応する70乃至80アンペア/秒程度以上の勾配とすることが好ましい。これにより、液圧ブレーキユニット20が現実にRegアシストモードとなるより前に、間もなくRegアシストモードとなることを確実かつ迅速に検知することが可能となる。
(ステップS730)
ブレーキECU70は、モータ36aを連続駆動制御とする。すなわち、ブレーキECU70は、ポンプ36のモータ36aを連続的に通電制御して、モータ36aの連続駆動を開始する。モータ36aを連続駆動することにより、その後アキュムレータ35に連続的に蓄圧処理がされることとなる。
ここで、図6に示すように、実線で示す第二の実施形態にかかるアキュムレータ圧640は、破線で示す連続駆動が無い場合のアキュムレータ圧650に比較して、時間Tassis後の圧力低下が第一の実施形態に比較してさらに抑制されている。第二の実施形態では、ブレーキECU70は、Regアシストモードとなる時間Tassisの前からポンプ36のモータ36aを連続的に通電制御して、モータ36aの連続駆動を開始する。このため、時間Tassis前(例えば時間TM)からアキュムレータ35への蓄圧が開始されて、時間Tassisの前からアキュムレータ35の蓄圧量を予め増大させることも可能である。
一方、破線で示すアキュムレータ圧650においては、アキュムレータ35の圧力が、予め設定されたポンプ36のモータ36aが駆動されるポンプオン圧(典型的には16MPa)となるまで蓄圧が開始されない。このため、破線で示すアキュムレータ圧650においては、アキュムレータ35の圧力が16MPa以下にまで一時的に低下するだけではなく、時間Tpまでの元の圧力17MPaに戻るまでの時間も比較的長く要することとなる。すなわち、第二の実施形態においては、アキュムレータ35の圧力の一時的な低下を第一の実施形態よりもさらに抑制できると共に、ブレーキペダル24の踏み込み開始前の元の圧力にさらに速やかに昇圧できるので、その後のブレーキ操作に速やかに対応可能な液圧ブレーキユニット20となる。
(ステップS740)
ブレーキECU70は、レギュレータカット弁65が閉制御ではないか否かを判断する。レギュレータカット弁65が閉制御ではない場合には、ステップS750へと進む。また、レギュレータカット弁65が閉制御である場合には、ステップS760へと進む。レギュレータカット弁65が閉制御である場合には、いわゆるRegアシストモードが解除された状態である。なお、ブレーキECU70は、レギュレータカット弁65と増圧リニア制御弁66との各々の開閉制御状態を、各弁への制御電流指示値により検知することができる。
(ステップS750)
ブレーキECU70は、増圧リニア制御弁66が閉制御であるか否かを判断する。増圧リニア制御弁66が閉制御である場合には、ステップS760へと進む。また、増圧リニア制御弁66が閉制御ではない場合には、ステップS730へと戻る。増圧リニア制御弁66が閉制御である場合には、いわゆるRegアシストモードが解除された状態である。すなわち、ステップS740とステップS750とにおいて、Regアシストモード(典型的には、第一経路210と第二経路とでホイールシリンダ23を増圧する状態)が解除されたと判断されない限り、ブレーキECU70は、ステップS730のモータ連続駆動処理を継続するものとする。
(ステップS760)
ブレーキECU70は、例えばモータ36aを連続駆動から解除して、通常のオンオフ動作処理とする。通常のオンオフ動作処理とは、例えばポンプオン圧が予め16MPaと設定されポンプオフ圧が予め18MPaと設定されている場合には、ブレーキECU70は、アキュムレータ35の圧が16MPaとなればポンプ36を駆動させ、アキュムレータ35の圧が18MPaになればポンプ36を停止させる制御処理である。
第二の実施形態の液圧ブレーキユニット20は、アキュムレータ35の圧力、典型的にはアキュムレータ圧センサ72の検出値がポンプオン圧まで低下する前かつRegアシストモードとなる前にモータ36aを連続駆動させて、アキュムレータ35の圧力、典型的にはアキュムレータ圧センサ72の検出値の落ち込み低下をさらに抑制して比較的高圧に保持できるので好ましい。なお、第二の実施形態においては、増圧指令制御電流620が満たす所定の条件として、所定の閾値電流X1を用いることが好ましい。所定の閾値電流X1による条件充足判断は、電流の絶対値を監視するだけで比較的容易な演算処理となるので、誤判定を回避して迅速かつ正確な判断処理とできる。
(第三の実施形態)
第三の実施形態で説明する液圧ブレーキユニット20は、第一の実施形態と第二の実施形態とで説明したポンプ36を連続することに替えて、Regアシストモード時に、予め設定されたポンプオン圧(モータ36aを駆動開始させるアキュムレータ圧)とポンプオフ圧(モータ36aを駆動停止させるアキュムレータ圧)とを通常より増大させる。これにより、ポンプ36は連続駆動することはなく、増大されたポンプオン圧とポンプオフ圧との間で間欠的に駆動されることとなるので、モータ36aの発熱や故障等が発生する懸念を低減できる。第三の実施形態により、典型的にはモータ36aのコイル巻き線のショートによる過電流やヒューズ溶断等の故障発生を抑止しつつ、アキュムレータ35の圧の低減を抑制して比較的高圧に保つことが可能となる。
図8に示すように、時間Tpでのブレーキペダル24のスパイク踏み込みによりストローク量810が立ち上がり増大する。図8は、第三の実施形態のアキュムレータ圧の状態を説明するチャート概念図である。また、立ち上がり増大するストローク量810に対応して、ブレーキECU70は、増圧リニア制御弁66の増圧指令制御電流820を増大させる。また、ブレーキECU70は、レギュレータカット弁65の開閉状態830を、時刻Tassisで開状態とする。
また、ブレーキECU70は、Regアシストモードとなる時間Tassisからポンプ36のモータ36aに高圧要求指令(典型的には、予め設定されたポンプオン圧とポンプオフ圧とを通常より増大させる制御処理)を指示して、モータ36aのオンオフ圧を増大してもよい。これにより、典型的には時間Tassisからアキュムレータ35への蓄圧が開始されて、時間Tassisから次第にアキュムレータ35の蓄圧量を増大させることができる。また、ブレーキECU70は、RegアシストモードとなるTassisよりも早い時点、例えば上述の時間TMで、ポンプ36に高圧要求指令を指示してアキュムレータ35の圧を高圧に保つこととしてもよい。
また、第三の実施形態におけるブレーキECU70は、車両の運転者によるブレーキペダル24の踏み込み後、Regアシストモードとする迄の間において第一経路210のみでホイールシリンダ23の昇圧処理をする期間においても、ポンプ36に高圧要求指令を出力してアキュムレータ35の圧力低下を抑制することも可能となるので好ましい。
またブレーキECU70は、第一経路210と第二経路220とでブレーキフルードを供給する前から、アキュムレータ35の圧を高圧にしてレギュレータカット弁65と増圧リニア制御弁66との昇圧能力を最大限に引き出すことも可能である。
ECBRにおいては、図8に示すように通常時には予め設定されたポンプオン圧NPonとポンプオフ圧NPoffとの間NPにアキュムレータ35の圧力が維持されるように、ブレーキECU70がポンプ36を駆動制御する。第三の実施形態においては、ブレーキECU70が、例えばRegアシストモードとする時間Tassisに、ポンプオン圧NPonとポンプオフ圧NPoffとを、ポンプオン圧HPonとポンプオフ圧HPoffとに各々増大させる。これにより、ブレーキECU70は、アキュムレータ35の圧力が、ポンプオン圧HPonとポンプオフ圧HPoffとの間HPに維持されるように、ポンプ36を駆動制御する。
このため、図8に実線で示す第三の実施形態にかかるアキュムレータ圧840は、破線で示す高圧要求指令が無い場合のアキュムレータ圧850に比較して、典型的には時間Tassis後の圧力低下がさらに抑制されるので好ましい。これにより、アキュムレータ圧を高圧に維持しながら、ポンプ36がオフとなる時間も確保されることとなるので、ポンプ36の過剰駆動等を回避できる。
図9は、第三の実施形態にかかる液圧ブレーキユニット20の動作と処理とを説明するフロー概念図である。そこで、以下図9に示す各ステップごとに液圧ブレーキユニット20の動作と処理とを順次説明することとする。
(ステップS910)
ブレーキECU70は、車両の運転者からブレーキペダル24の踏み込みがあったか否かを検知する。車両の運転者からブレーキペダル24の踏み込みがあった場合には、ステップS920へと進む。また、車両の運転者からブレーキペダル24の踏み込みがなかった場合には、ステップS910で待機する。なおブレーキECU70は、このステップS910において、典型的には車両の運転者からブレーキペダル24のスパイク踏み込みがあったか否かを検知してもよい。
(ステップS920)
ブレーキECU70は、増圧リニア制御弁66が開状態であるか否かを判断する。増圧リニア制御弁66が開状態である場合には、ステップS930へと進む。また、増圧リニア制御弁66が開状態でない場合には、ステップS950へと進む。
増圧リニア制御弁66が開状態であるか否かは、ブレーキECU70が自身の増圧リニア制御弁66の指示制御電流値を監視することで検知できる。ブレーキECU70が、例えば増圧指令制御電流820を700ミリアンペア以上とした場合に、増圧リニア制御弁66が開状態、典型的にはほぼ全開状態であるとして、ステップS930へと進んでもよい。
(ステップS930)
ブレーキECU70は、レギュレータカット弁65が開状態であるか否かを判断する。レギュレータカット弁65が開状態である場合には、ステップS940へと進む。また、レギュレータカット弁65が開状態でない場合には、ステップS950へと進む。ブレーキECU70は、ステップS920とステップS930とにより、液圧ブレーキユニット20がRegアシストモードであるか否かを検知することとなる。換言すれば、典型的にはステップS910で運転者からブレーキペダル24のスパイク踏み込みがされたと判断されて、ステップS920とステップS930とでRegアシストモードであると判断された場合には、ステップS940へと進む。
(ステップS940)
ブレーキECU70は、ポンプオン圧とポンプオフ圧とを増大させる。例えば、予め設定された通常のポンプオン圧が16MPaでありポンプオフ圧が18MPaである場合に、ブレーキECU70は、ポンプオン圧を17.5MPaとしポンプオフ圧を20MPaと増大処理する。
この場合にブレーキECU70は、ポンプオフ圧のみを増大処理してもよい。ポンプオフ圧のみを増大処理しても、アキュムレータ圧は全体として平均的に増大化されるので、上流領域310a,310bと下流領域320との差圧を大きく保つことが可能となる。
(ステップS950)
ブレーキECU70は、アキュムレータ圧が増大化されたポンプオン圧より小さいか否かを判断する。アキュムレータ圧が増大化されたポンプオン圧より小さい場合は、ステップS960へと進む。また、アキュムレータ圧が増大化されたポンプオン圧より小さくない場合には、このステップS950で待機する。典型的には、アキュムレータ圧が増大化されたポンプオン圧17.5MPaより小さければ、ステップS960へと進む。
(ステップS960)
ブレーキECU70は、モータ36aを通電制御してモータ駆動によるアキュムレータ圧の昇圧をする。典型的にはブレーキECU70は、アキュムレータ圧が17.5MPaより小さくなればポンプ36を駆動開始する。このため、通常のモータ駆動時のポンプオン圧16MPa以下にまでアキュムレータ圧が低下することがなく、Regアシストモードにより消費液量が多い場合でも、アキュムレータ35の高圧を確保できる。
(ステップS970)
ブレーキECU70は、アキュムレータ圧が増大化されたポンプオフ圧より大きいか否かを判断する。アキュムレータ圧が増大化されたポンプオフ圧より大きい場合は、ステップS980へと進む。また、アキュムレータ圧が増大化されたポンプオフ圧より大きくない場合には、このステップS960へと戻る。典型的には、アキュムレータ圧が増大化されたポンプオフ圧20MPaより大きければ、ステップS980へと進む。
(ステップS980)
ブレーキECU70は、モータ36aの駆動を停止する。すなわち、ブレーキECU70は、アキュムレータ圧が、典型的には17.5MPaから20MPaの範囲内に維持されるように、ポンプ36を駆動制御する。これにより、液圧ブレーキユニット20は、アキュムレータ圧が20MPaより大きくなった場合に17.5MPaに低下するまでの間にポンプ36の駆動停止時間を確保することが可能であり、モータ36aの過剰な駆動による障害等の発生を回避しつつ、アキュムレータ35の高圧保持が可能となる。
(第四の実施形態)
第四の実施形態においては、ブレーキECU70はRegアシストモードとなった場合に、ポンプ36を駆動するポンプオン時間(例えばY1秒)とポンプ36を駆動停止するポンプオフ時間(例えばY2秒)とを時分割で交互に駆動する時分割制御として、アキュムレータ圧を高圧に保つ。
これにより、液圧ブレーキユニット20がアキュムレータ圧センサ72(Pacc)を備えない場合においても、ポンプ36の過剰駆動による故障を回避し、アキュムレータ圧の高圧維持とを両立可能となる。また、低コストで制御が容易な液圧ブレーキユニット20とできる。
また、アキュムレータ圧センサ72を備える液圧ブレーキユニット20である場合でも、アキュムレータ圧センサ72の検出値に基づいたポンプ36の駆動制御とせず、時分割制御によるポンプ36の駆動制御とする。このため、アキュムレータ圧センサ72の出力を検知する必要がなく、ポンプオフ時間例えばY2秒に相当するだけの駆動停止時間を確実に確保することが可能となり、ポンプ36の故障を回避してより安全に駆動することができる。
モータ36aは、一般に保証デューティーとして例えば20%というデューティー比が決められている。保証デューティーより小さいデューティー比でモータ36aを駆動すれば、過剰駆動とならず安全かつ確実に駆動継続することができる。従って、ブレーキECU70は、「ポンプオン時間Y1秒」と「ポンプオン時間Y1秒とポンプオフ時間Y2秒との和」との比を、保証ディユーティー比(典型的には20%)より小さくなるように最大値で駆動制御する。また、ブレーキECU70は、モータ36aをPWM制御する場合のデューティー比が、保証ディユーティー比(典型的には20%)より小さくなるように最大値で駆動制御することが好ましい。
なお、第四の実施形態においては、モータ36aの時分割制御によるアキュムレータ35の高圧処理を実現する液圧ブレーキユニット20であるので、時分割制御を開始するタイミングは、第一の実施形態乃至第三の実施形態で説明したいずれのタイミングとしてもよい。例えば、ブレーキECU70は、RegアシストモードとなるTassisから時分割制御としてもよく、TMから時分割制御としてもよく、増圧指令制御電流が所定の閾値勾配aとなった場合に時分割制御としてもよい。
(第五の実施形態)
第五の実施形態では、液圧ブレーキユニット20がABS制御をしている場合には、Regアシストモードが終了したとしても、動力液圧源30への高圧要求指令を継続する。そして、ABS制御が終了すれば、ブレーキECU70は動力液圧源30への高圧要求指令を解除する。
これにより、ABSバルブの作動音によりポンプ作動音を顕在化させることがなく、かつアキュムレータ35の圧力を高く保つことが可能となる。また、高圧要求指令を解除した後も、ポンプ作動音が発生する機会を低減させることができるので好ましい。また、ABS制御終了後のブレーキペダル24の踏み込みに対しても、迅速に昇圧対応が可能な液圧ブレーキユニット20とできる。なお、第五の実施形態は高圧要求指令を終了する条件に関するものであるので、高圧要求指令に対するアキュムレータ35の高圧化処理は、上述した第一の実施形態乃至第四の実施形態のいずれか任意の方法とすることができ、各方法を組み合わせて用いることとしてもよい。
図10は、第五の実施形態にかかる液圧ブレーキユニット20の動作タイミングを概念的に説明するチャート図である。図10に示すように、時刻T1でRegアシストモードが終了し、典型的には増圧リニア制御弁66とレギュレータカット弁65とが共に閉状態に制御されても、ABS制御がオン状態であるので、ブレーキECU70は動力液圧源30に対する高圧要求指令を継続する。その後、ABS制御が解除される時刻T2になると、ブレーキECU70は動力液圧源30に対する高圧要求指令を解除する。
また、図11は、第五の実施形態にかかる液圧ブレーキユニット20の動作と処理とを説明するフロー図である。そこで、以下図11に示す各ステップに基づいて説明する。
(ステップS1110)
ブレーキECU70は、車両の運転者からのブレーキペダル24の踏み込みが、スパイク踏みであったか否かを判断する。車両の運転者からのブレーキペダル24の踏み込みが、スパイク踏みであった場合にはステップS1120へと進む。また、車両の運転者からのブレーキペダル24の踏み込みが、スパイク踏みでなかった場合には、ステップS1180へと進む。
(ステップS1120)
ブレーキECU70は、増圧リニア制御弁66を開状態、典型的には全開状態へとなるように制御する。
(ステップS1130)
ブレーキECU70は、レギュレータカット弁65に開指令を出したか否かを検知する。レギュレータカット弁65に開指令を出した場合には、ステップS1140へと進む。また、レギュレータカット弁65に開指令を出していない場合には、ステップS1180へと進む。
(ステップS1140)
ブレーキECU70は、動力液圧源30に対して高圧要求指令を出す。これにより、アキュムレータ圧35に蓄圧が開始されて高圧に保たれる。なお、高圧要求指令に対する具体的な制御処理は、上述したいずれの実施形態の処理としてもよく、高圧要求指令を出す条件も上述したいずれの実施形態の処理としてもよい。
(ステップS1150)
ブレーキECU70は、Regアシストモードが終了したか否かを判断する。Regアシストモードが終了した場合には、ステップS1160へと進む。Regアシストモードが終了しない場合には、ステップS1140へと戻る。なお、Regアシストモードの終了については、既に詳述しているので重複を避けるためここでは説明を避ける。
(ステップS1160)
ブレーキECU70は、ABS制御がされていないことを検知する。ABS制御がされていない場合には、ステップS1170へと進む。また、ABS制御がされている場合には、ステップS1140へと進む。
(ステップS1170)
ブレーキECU70は、動力液圧源30に対する高圧要求指令を解除する。
(ステップS1180)
ブレーキECU70は、通常のブレーキ制御すなわち典型的にはリニア制御モードによるブレーキ制御をする。
第五の実施形態においては、ポンプ36の作動音をあまり目立たせることがない液圧ブレーキユニット20の高圧化制御とすることができるので好ましい。
上述した各実施形態の液圧ブレーキユニットは、実施形態ごとに説明した構成と機能とを有するものに限定されず、開示された任意の構成と機能とを適宜組み合わせた液圧ブレーキユニットとすることができる。また、本発明は、実施形態で説明した液圧ブレーキユニットの構成と動作及び制御とに限定されることはなく、自明な範囲で適宜構成を変更した液圧ブレーキユニットとしてもよく、自明な範囲で適宜その動作と処理とを変更した液圧ブレーキユニットとしてもよい。