JP5293050B2 - 自動車部材 - Google Patents
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Description
(1) 金属材の少なくとも片面に、導電性粒子(α)及び防錆顔料(β)を含有する有機塗膜(A)を有し、前記有機塗膜(A)中のバインダー成分がウレタン結合を含む樹脂を含有し、さらに、前記有機塗膜(A)の上層に鉛を実質的に含まない電着塗料から形成される電着塗膜(B)を有し、前記防錆顔料(β)がクロムを含有せず、かつ、リン酸イオン、バナジン酸イオンを同時に放出できる化合物及びシリカを含むことを特徴とする、自動車部材、
(2) 前記自動車部材の上層に更に一層以上の塗膜を有することを特徴とする、(1)に記載の自動車部材、
(3) 前記有機塗膜(A)の厚みをTAとし、前記電着塗膜(B)の厚みをTBとしたときに、TA≧2μm、TB≧3μm、TA+TB≧8μmを満足することを特徴とする、(1)もしくは(2)に記載の自動車部材、
(4) 前記電着塗膜(B)の膜厚TBの最小値が10μm以下であることを特徴とする、(1)から(3)のいずれかに記載の自動車部材、
(5) 前記導電性粒子(α)がフェロシリコンを含有することを特徴とする、(1)から(4)のいずれかに記載の自動車部材、
(6) 前記フェロシリコンに含まれるSiの含有量が70質量%以上であることを特徴とする、(5)に記載の自動車部材、
(7) 前記有機塗膜(A)に含まれる前記導電性粒子(α)の含有量が15〜60体積%であることを特徴とする、(1)から(6)のいずれかに記載の自動車部材、
(8) 前記有機塗膜(A)に含まれる前記防錆顔料(β)の含有量が2〜25体積%であることを特徴とする、(1)から(7)のいずれかに記載の自動車部材、
(9) 前記金属材が亜鉛系もしくはアルミニウム系めっき鋼板であることを特徴とする、(1)から(8)のいずれかに記載の自動車部材
である。
アルミニウム系めっき鋼板としては、アルミニウムまたはアルミニウムとシリコン、亜鉛、マグネシウムの少なくとも1種とからなる合金、例えば、アルミニウム−シリコンめっき鋼板、アルミニウム−亜鉛めっき鋼板、アルミニウム−シリコン−マグネシウムめっき鋼板等が挙げられる。更には以上のめっきと他の種類のめっき、例えば鉄めっき、鉄−リンめっき、ニッケルめっき、コバルトめっき等と組み合わせた複層めっきにも適用可能である。めっき方法は特に限定されるものではなく、公知の電気めっき法、溶融めっき法、蒸着めっき法、分散めっき法、真空めっき法等のいずれの方法でもよい。
(1)金属材
使用した金属材の種類を、表1に示す。金属材の基材には、板厚0.8mmの軟鋼板を使用した。
下地処理層の内容を、表2に示す。下地処理層を形成するための水性の処理液を所定の付着量になるようにバーコートし、到達板温度70℃の条件で乾燥させた。
有機塗膜を構成する樹脂の内容を表3に、導電性粒子の内容を表4に、防錆顔料の内容を表5にそれぞれ示す。下地処理層を形成した金属材上に有機塗膜を形成するための溶剤系塗料を所定の乾燥膜厚になるようにバーコートし、到達板温度200℃の条件で焼付けた後、直ちに水冷した。
上記(3)で作製した塗装金属材を以下の試験片に加工した。
試験片A:70×150mmサイズの平板(平面部、端面部調査用試験片)
試験片B:70×150mmサイズの平板(傷部調査用試験片)
試験片C:円筒カップ成形加工品(加工部調査用試験片)
試験片Cの円筒カップ成形はポンチ径50mmφ、ポンチ肩半径3mm、ダイス径50mmφ、ダイス肩半径3mm、絞り比1.8、しわ押さえ圧1トン、加工油(PG3080/日本工作油社製)塗布の条件で実施した。
上記(4)で作製した試験片A、B、CをサーフクリーナーEC92(日本ペイント社製)の2質量%水溶液で40℃、2分間スプレー処理(脱脂)した後、水道水で30秒間スプレー処理(水洗)した。
上記(5)で洗浄した試験片A、B、Cをサーフファイン5N−8(日本ペイント社製)の0.1質量%水溶液で40℃、30秒間スプレー処理(表面調整)し、続いてSD5350(日本ペイント社製)の6質量%水溶液で35℃、2分間スプレー処理(化成処理)した後、水道水で30秒間スプレー処理(水洗)した。
上記(6)の化成処理工程を経た試験片A、B、Cをパワーニクス110(日本ペイント社製、鉛を実質的に含まない塗料)を用いて所定の乾燥膜厚になるように電着塗装し、水道水で30秒間スプレー処理(水洗)した後、170℃で20分間加熱して焼付けを行った。
上記(7)で電着塗装を施した試験片Aについては下半分にカッターナイフでクロスカットを入れた後、上下左右端面、裏面を塗装シールした(上半分は平面部、下半分は傷部調査用)。試験片Bについては、上下端面、裏面のみ塗装シールした(左右端面で端面部を調査)。試験片Cについては、端面、裏面を塗装シールした(成形品肩部、側面部で加工部を調査)。
上記(7)で電着塗装を施した試験片について、OP−2(日本ペイント社製)を用いて乾燥膜厚35μmになるように、スプレー塗装し、140℃で20分間加熱して焼付けを行い、中塗り塗膜を形成した。次いで、中塗り塗膜上にOP−058(日本ペイント社製)を用いて乾燥膜厚35μmになるように、スプレー塗装し、140℃で20分間加熱して焼付けを行い、上塗り塗膜を形成した。
上記(9)で中塗り・上塗り塗装を施した試験片Aについては下半分にカッターナイフでクロスカットを入れた後、上下左右端面、裏面を塗装シールした(上半分は平面部、下半分は傷部調査用)。試験片Bについては、上下端面、裏面のみ塗装シールした(左右端面で端面部を調査)。試験片Cについては、端面、裏面を塗装シールした(成形品肩部、側面部で加工部を調査)。
塩水噴霧2時間、乾燥4時間、湿潤2時間の合計8時間を1サイクルとしたサイクル腐食試験を実施した。塩水噴霧の条件は、JIS Z 2371のとおりとした。乾燥条件は、温度60℃、湿度30%RH以下とし、湿潤条件は、温度50℃、湿度95%RH以上とした。平面部、クロスカット部(試験片A)、端面部(試験片B)、加工部(試験片C)の赤錆発生状況を、以下の評価基準により評価した。
評点4:450サイクルで赤錆発生なし
評点3:300サイクルで赤錆発生なし
評点2:150サイクルで赤錆発生なし
評点1:150サイクルで赤錆発生あり
40℃の純水に240時間浸漬した後、試験片Bの中央部にカッターナイフで2mm間隔の碁盤目(100個)を形成し、その面に粘着テープを貼り付けた後、そのテープを剥離して、剥離した塗膜の数を測定した。
上記(1)〜(3)と同じ要領で有機塗膜(A)を両面に施した金属材を作製し、以下の試験片に加工した。
試験片D:袋状加工品(電着付きまわり不良部調査用試験片)
試験片Dの袋状加工品は、角筒成形加工品を2個作製し、各々の凸形状が上下になるように合わせ、フランジ部をレーザー溶接で接合することで作製した。袋状部品の上下に20mmφの電着孔を開けた。角筒成形はポンチサイズ65mm×115mm、ポンチ肩半径10mm、ダイス肩半径:5mm、成形速度:40spm、成形高さ:50mm、しわ押さえ圧:4トン、加工油(PG3080/日本工作油社製)塗布の条件でクランクプレス成形機を用いて実施した。
Claims (9)
- 金属材の少なくとも片面に、導電性粒子(α)及び防錆顔料(β)を含有する有機塗膜(A)を有し、前記有機塗膜(A)中のバインダー成分がウレタン結合を含む樹脂を含有し、さらに、前記有機塗膜(A)の上層に鉛を実質的に含まない電着塗料から形成される電着塗膜(B)を有し、
前記防錆顔料(β)がクロムを含有せず、かつ、リン酸イオン、バナジン酸イオンを同時に放出できる化合物及びシリカを含むことを特徴とする、自動車部材。 - 前記自動車部材の上層に更に一層以上の塗膜を有することを特徴とする、請求項1に記載の自動車部材。
- 前記有機塗膜(A)の厚みをTAとし、前記電着塗膜(B)の厚みをTBとしたときに、TA≧2μm、TB≧3μm、TA+TB≧8μmを満足することを特徴とする、請求項1もしくは2に記載の自動車部材。
- 前記電着塗膜(B)の膜厚TBの最小値が10μm以下であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の自動車部材。
- 前記導電性粒子(α)がフェロシリコンを含有することを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の自動車部材。
- 前記フェロシリコンに含まれるSiの含有量が70質量%以上であることを特徴とする、請求項5に記載の自動車部材。
- 前記有機塗膜(A)に含まれる前記導電性粒子(α)の含有量が15〜60体積%であることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の自動車部材。
- 前記有機塗膜(A)に含まれる前記防錆顔料(β)の含有量が2〜25体積%であることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の自動車部材。
- 前記金属材が亜鉛系めっき鋼板もしくはアルミニウム系めっき鋼板であることを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の自動車部材。
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