JP5292830B2 - 溶接部靭性に優れたラインパイプ向け電縫鋼管 - Google Patents

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Description

本発明は、溶接部靭性に優れたラインパイプ向け電縫鋼管に関し、詳しくは、溶接部靭性を支配する微小欠陥(微小酸化物・介在物)に注目し、溶接部中の前記微小欠陥の面積分率を規定することにより前記溶接部靭性を向上させた、溶接部靭性に優れたラインパイプ向け電縫鋼管に関する。
鋼材の靭性、特に衝撃吸収エネルギーが、鋼中の非金属介在物の増加に伴い減少することは、過去から多く検討されており、例えばMnSについては非特許文献1に記載されている。また、炭化物の場合には非特許文献2で工具鋼中の一次炭化物の影響が述べられている。このような非金属介在物と衝撃吸収エネルギーの関係は、非金属介在物を鋼中の空孔欠陥とみなして一般化され、鋼中の欠陥寸法と衝撃特性の関係として検討され、介在物寸法の増加に伴い衝撃特性が低下するとされている。
一方、電縫溶接部に関しては、ペネトレータと称される酸化物、具体的には電縫溶接の接合面に存在する微小な介在物(長径0.2〜0.5mmの長円形)が報告されている(非特許文献3)。このようなペネトレータの存在により、一般的に電縫溶接部の衝撃特性は劣るといわれてきた。そのため、電縫溶接部の衝撃特性を向上させることを目的に、ペネトレータを減少させる技術開発が進み、例えば経験に頼った入熱制御等がなされてきた。
日本学術振興会製鋼第19委員会編、「鉄鋼と合金元素(下)」:p.165〜274(特にp.191〜208)、昭和41年3月25日、第1版(株)誠文堂新光社発行 日本鉄鋼協会・日本金属学会編、「鋼の強靭性」:p.207、1971年、CLIMAX MOLYBDENUM DEVELOPMENT COMPANY(JAPAN)LDT.発行 日本鉄鋼協会編、「超音波探傷シリーズII 溶接鋼管の超音波探傷」:p.28〜31、1988年、日本鉄鋼協会発行
しかし、前記の従来報告されてきているペネトレータを低減しただけでは、必ずしも衝撃特性が向上しないという課題があった。本発明は、上述の状況に鑑み、電縫溶接部が脆性破壊しないレベルにまで溶接部を高靭性としたラインパイプ向けの電縫鋼管を提供するためになされたものである。
上述の課題を解決するための本発明は以下のとおりである。
1. 質量%で、C:0.01〜0.15%、Si:0.005〜0.9%、Mn:0.2〜1.45%,P:0.01%以下、S:0.01%以下、Al:0.1%以下、Ca:0.005%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、電縫溶接部の投影面内における最大長さ50μm未満の微小欠陥の面積分率が0.028以下0.000006以上であり、ISO/DIS 148−1(JIS Z 2202)に規定される金属材料衝撃試験片(Vノッチシャルピー試験片)のVノッチを電縫溶接部に付与し、ISO148(JIS Z 2242)に規定される金属材料衝撃試験方法に則り測定される−40℃における吸収エネルギーが315J以上であることを特徴とする溶接部靭性に優れたラインパイプ向け電縫鋼管。
2. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.5%以下、Ni:0.5%以下の中から選ばれる1種または2種を含有することを特徴とする前項に記載の溶接部靭性に優れたラインパイプ向け電縫鋼管。
3. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cr:0.21〜3.0、Mo:0.13%以下の中から選ばれる1種または2種を含有することを特徴とする前項またはに記載の溶接部靭性に優れたラインパイプ向け電縫鋼管。
4. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Nb:0.1%以下、V:0.1%以下、Ti:0.1%以下の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする前項のいずれか一項に記載の溶接部靭性に優れたラインパイプ向け電縫鋼管。
5. 前記微小欠陥が、電縫溶接時に溶接面に残存した酸化物、窒化物、炭化物の中の1種または2種以上からなることを特徴とする前項1〜のいずれか一項に記載の溶接部靭性に優れたラインパイプ向け電縫鋼管。
本発明によれば、溶接部の微小欠陥の面積分率を規定することにより、溶接部靭性に優れたラインパイプ向け電縫鋼管が得られる。
発明者らは、強度がAPI規格X60グレード以上のラインパイプ向け電縫鋼管の脆性破壊を抑制する観点から、必要な溶接部靭性とそれを満たす溶接部の微小欠陥の分布形態、成分系の検討を行った。その結果、必要な溶接部靭性としては、溶接部にVノッチを付与したシャルピー衝撃試験で測定される−40℃における吸収エネルギーが100J以上になる高靭性、さらには該吸収エネルギーが母材と同等の250J以上になる高靭性を有することが相応しいこと、そして、かかる高靭性は、電縫溶接部の投影面内における最大長さ50μm未満の微小欠陥の面積分率適正化、さらには化学成分(組成)の最適化により実現することを見出した。なお、電縫溶接部の投影面とは、図1のシーム2の領域を、シーム面に対して垂直方向から観察した面を意味する。
以下、本発明における電縫溶接部の微小欠陥の面積分率、および電縫鋼管の化学成分について説明する。
発明者らは、鋭意研究の結果、電縫鋼管の溶接部に残留する微小欠陥の量が溶接部の靭性に関与していることを突き止めた。前述のように、これまで電縫溶接部のペネトレータとは、接合面に酸化物が残存し、その大きさは0.2〜0.5mmの長円形であるとされている。本発明における微小欠陥とは、そのような大きさの欠陥ではなく、最大長さ50μm未満の酸化物もしくは窒化物、炭化物のことを指す。
発明者らは前記微小欠陥の形態と靭性の関係を、シームスライス材Cスキャン法(略してCスキャン法)による調査実験により求めた。
この実験では、まず、図1に示すように、電縫鋼管1のシーム2から所定の距離(この場合、8mm)だけ離れた位置でスライスした溶接部のサンプル3について、シーム部を、点集束型超音波探触子4でCスキャン(走査方向5に沿って走査)して探傷し、信号強度を測定した。
ここで、実験材としての電縫鋼管の溶接条件は、通常の電縫溶接条件と、微小欠陥量が極力少なくなるように溶接入熱とアプセット量を調整する条件とを含み、種々変化させた。また、点集束型超音波探触子には20MHzビーム径440μmのものを使用し、φ125μmの平底穴からのエコー高さが100%となるように感度を調整して探傷を行った。この感度設定における信号強度(エコー高さ)と欠陥径の関係は図2に示すとおりである。ここで欠陥径は、ビーム内の最大長さ50μm未満の微小欠陥の合計面積に対応する欠陥径(等価欠陥径)を指す。
そして、前記Cスキャンを行った箇所からシャルピー試験片を採取し、シャルピー試験を行なって−40℃における吸収エネルギー(略して−40℃吸収エネルギー)を測定し、該吸収エネルギーと前記信号強度の関係を求めた。その結果を図3に示す。
図3から分かるように、Cスキャンによるエコー高さと−40℃吸収エネルギーには相関があり、エコー高さが27%以下、40%以下、51%以下であれば、−40℃吸収エネルギーはそれぞれ400J以上、200J以上、20J以上であった。一方、図2から、エコー高さ27%、40%、51%は、それぞれ直径が63μm、78μm、90μmの欠陥の存在に対応する。ビーム径が440μmであることを考慮すると、それぞれの−40℃吸収エネルギーにおける微小欠陥密度は表1に示すとおりとなる。
Figure 0005292830
以上の実験結果を図4に整理して示した。この結果から、微小欠陥密度を1mmあたり0.035mm以下(すなわち微小欠陥の面積分率を0.035以下)とすれば、−40℃吸収エネルギー100J以上が得られる。また、微小欠陥密度を1mmあたり0.028mm以下(すなわち微小欠陥の面積分率を0.028以下)とすれば、−40℃吸収エネルギー250J以上が得られる。
なお、微小欠陥の面積分率の下限値については、工業的に生産される清浄度鋼の中に含まれる最小限の酸化物の密度から、0.000006(1mmあたり0.000006mm)とした。
以上、シーム部をスライスしたサンプルのCスキャンによる調査結果について説明したが、同様の測定は鋼管のままで適度な面積に集束したビームを用いたタンデム探傷によっても可能である。ビームの集束には、Cスキャンと同様な点集束型超音波探触子を用いてもよいし、例えば図5に示すように、周方向に配列したアレイ探触子6を用いてもよい。その場合、ビームのサイズは、小さすぎると微小欠陥面積分率を評価するのが困難であり、一方、大きすぎると管の内外面などからのノイズを受け易くなるため、0.5〜2.5mmの範囲が好適である。なお、図5では送信と受信の振動子の位置を電子的に切替えて溶接部を厚み方向に容易に走査可能である。
また、溶接部の微小欠陥面積分率を0.035以下にするためには、電縫溶接時の入熱制御もさることながら、電縫溶接直前の突合せ端面形状が、厚み方向中央部に平行対向部、その両側に傾斜対向部を有する開先形状となるように、ロール成形による幅曲げ加工の前あるいは該幅曲げ加工の途中で、板幅端部を適宜の切削あるいは圧延(好ましくはフィンパス成形圧延)等により成形加工するのが有効である。さらに、溶接部の微小欠陥面積分率を0.028以下にするためには、フィンパス成形圧延において、フィン形状に2段階以上の角度をもたせて、前記開先形状を付与するように成形加工するのが有効である。
次に、本発明の電縫鋼管の好ましい化学成分(組成)について述べる。電縫鋼管の組成は、敷設時の総合的な低コスト化を考慮し、特に鋼管の輸送費低下を重要視している顧客の要求を受けている。したがって、APIのX60グレード以上の高強度を前提として、好適組成範囲を規定した。なお、組成における成分含有量の単位は質量%であり、%と略記される。
C:0.01〜0.15%とする。Cは炭化物として析出強化に寄与する元素であるが、C含有量が0.01%未満では十分な強度が確保できず、一方、0.15%を超えるとパーライト、ベイナイト、マルテンサイト等の第二相の組織分率が増加し、ラインパイプとして必要な優れた素材靭性を確保しにくくなる。このため、0.15%以下とする。より好ましくは0.07%以下である。なお、0.01%未満ではラインパイプとして十分な強度確保が困難となるので、C含有量は0.01%以上とするのが好ましい。
Si:0.005〜0.9%とする。Siは脱酸のため添加するが、0.005%未満では脱酸効果が十分でなく、一方、0.9%を超えると電縫溶接部の酸化物を増加させ、溶接部特性を劣化させるため、Si含有量は0.005〜0.9%とする。
Mn:0.2〜2.0%とする。Mnは強度、靭性を確保するため添加するが、0.2%未満ではその効果が十分でなく、一方、2.0%を超えると第二相分率が増加し、ラインパイプとして必要な優れた素材靭性を確保しにくいため、Mn含有量は0.2〜2.0%とする。
P:0.01%以下とする。Pは電縫溶接性を劣化させる不可避的不純物であるため、P含有量の上限を0.01%とする。
S:0.01%以下とする。Sは一般的には鋼中においてはMnS介在物となり、靭性低下の原因となると共に、水素誘起割れ(HIC)の起点となるため少ないほどよい。しかし、0.01%以下であれば問題ないため、S含有量の上限を0.01%とする。
Al:0.1%以下とする。Alは脱酸剤として添加されるが、0.1%を超えると鋼の清浄度が低下し、靭性を劣化させるため、Al含有量は0.1%以下とする。
本発明では、ラインパイプ向け電縫鋼管の強度や降伏比、靭性をさらに改善する目的で、前記成分に加えてさらに、Cu:0.5%以下、Ni:0.5%以下の中から選ばれる1種または2種、Cr:3.0%以下、Mo:2.0%以下の中から選ばれる1種または2種、Nb:0.1%以下、V:0.1%以下、Ti:0.1%以下の中から選ばれる1種または2種以上、Ca:0.005%以下、を選択して含有できる。
Cu:0.5%以下とする。Cuは靭性の改善と強度の上昇に有効な元素であるが、多く添加すると溶接性が劣化するため、添加する場合は0.5%を上限とする。
Ni:0.5%以下とする。Niは靭性の改善と強度の上昇に有効な元素であるが、多く添加すると硬化第二相が生成し易くなり素材靭性の低下につながるため、添加する場合は0.5%を上限とする。
Cr:3.0%以下とする。CrはMnと同様に低Cでも十分な強度を得るために有効な元素であるが、多く添加すると第二相が生成しやすくなり素材靭性を低下させるため、添加する場合は3.0%を上限とする。
Mo:2.0%以下とする。MoはMn,Crと同様に低Cでも十分な強度を得るために有効な元素であるが、多く添加すると第二相が生成しやすくなり素材靭性を低下させるため、添加する場合は2.0%を上限とする。
Nb:0.1%以下とする。Nbは炭窒化物の微細析出と組織の微細粒化により強度と靭性を向上させる。しかし、0.1%を超えると硬化した第二相が増加しやすくなり、逆に素材靭性が著しく劣化するため、Nb含有量は0.1%以下とする。
V:0.1%以下とする。VもNbと同様に炭窒化物の微細析出により強度上昇に寄与する。しかし、0.1%を超えるとNbと同様に硬化した第二相分率が増加し、素材靭性が著しく劣化するため、V含有量は0.1%以下とする。
Ti:0.1%以下とする。TiもNb,Vと同様に炭窒化物の微細析出により強度上昇に寄与する。しかし、0.1%を超えるとNbと同様に硬化した第二相分率が増加し、素材靭性が著しく劣化するため、Ti含有量は0.1%以下とする。
Ca:0.005%以下とする。Caは、水素誘起割れの起点となり易い伸長したMnSの形態制御に必要な元素である。しかし0.005%を超えて添加すると過剰なCa酸化物、硫化物が生成し、靭性劣化につながるため、Ca含有量は0.005%以下とする。
上記以外の残部は実質的にFeからなる。残部が実質的にFeからなるとは、本発明の作用効果を無くさない限り、不可避的不純物をはじめ、他の微量元素を含有するものが本発明の範囲に含まれうることを意味する。
表2に示す板厚、化学成分の供試鋼(鋼種1〜17)を用い、従来の電縫溶接条件(条件A)と、電縫溶接前のフィンパス圧延にて端部内外面側に開先形状を付与して溶接部に微小欠陥を残存しにくくした電縫溶接条件(条件B)との二通りの条件(ただし、鋼種11〜16は条件Bのみ)で電縫溶接を行い、外径20インチのX65級電縫鋼管を製造した。
Figure 0005292830
いずれの供試鋼も熱間圧延にて所定の板厚に圧延した後、巻き取ってホットコイルとした。表3に母材靭性、および溶接部靭性と溶接部微小欠陥面積分率を示す。ここで、母材靭性は、電縫溶接部のシームから管周方向に180度離れた位置から、溶接部靭性は電縫溶接部から、管周方向にJIS5号の2mmVノッチシャルピー衝撃試験片を各々10本ずつ採取し、−40℃吸収エネルギーを測定した。製造上のばらつきを考慮して、溶接部の−40℃吸収エネルギー125J以上が目標特性を十分満足するもの(○)とし、100J以上125J未満は十分とはいえないが目標特性を一応満足するもの(△)として評価した。溶接部微小欠陥面積分率は、No.1〜20については図5に示すアレイUT方法で測定した。また、No.21〜28については図1に示すCスキャン法で測定した。
Figure 0005292830
C,Sの含有量が好適範囲を大きく外れる鋼種1は、組織がフェライト−ベイナイト系で、母材の靭性自体も低く、電縫溶接条件がA,Bのいずれの場合も溶接部靭性が低い。MnあるいはNbの含有量が好適範囲を大きく外れる鋼種2,3は、母材靭性は十分であるが、溶接部靭性がいずれの溶接条件でも低く、−40℃吸収エネルギー100J以上を満足しない。組成が好適範囲内である鋼種4〜9の場合、従来の電縫溶接(条件A)では、溶接部微小欠陥面積分率が0.035を超え、−40℃吸収エネルギー100Jを下回る試験片が存在するのに対し、微小欠陥を残存しにくくした電縫溶接(条件B)では、いずれも溶接部微小欠陥面積分率が0.035以下であり、安定して高い−40℃吸収エネルギーを示している。また、鋼種10は、Cの含有量が好適範囲を少し外れるが、条件Bでの電縫溶接により、溶接部微小欠陥面積分率が0.035以下となり、溶接部の−40℃吸収エネルギーが100J以上125J未満の範囲に収まっている。
また、組成が好適範囲内である鋼種11〜16は、条件Bでの電縫溶接により溶接部微小欠陥面積分率が0.028以下となり、溶接部の−40℃吸収エネルギーが安定して250J以上の高い値を示す。このことは鋼種4〜9でも同様である。
また、Cの含有量が好適範囲を少し外れる鋼種17は、条件Aで電縫溶接すると、溶接部微小欠陥面積分率が0.035を超えて、溶接部の−40℃吸収エネルギーが100Jを下回る試験片が存在するが、条件Bでの電縫溶接により、溶接部微小欠陥面積分率が0.028以下となり、溶接部の−40℃吸収エネルギーが安定して250J以上の高い値を示す。
Cスキャン法の概要説明図である。 信号強度と欠陥径の関係の1例を示すグラフである。 信号強度と−40℃吸収エネルギーの関係の1例を示すグラフである。 溶接部の微小欠陥面積分率と−40℃吸収エネルギーの関係の1例を示すグラフである。 アレイ探触子を用いた溶接部の超音波探傷(アレイUT)方法の概要説明図である。
符号の説明
1 電縫鋼管
2 シーム
3 サンプル
4 点集束型超音波探触子
5 走査方向
6 アレイ探触子

Claims (5)

  1. 質量%で、C:0.01〜0.15%、Si:0.005〜0.9%、Mn:0.2〜1.45%,P:0.01%以下、S:0.01%以下、Al:0.1%以下、Ca:0.005%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、電縫溶接部の投影面内における最大長さ50μm未満の微小欠陥の面積分率が0.028以下0.000006以上であり、ISO/DIS 148−1(JIS Z 2202)に規定される金属材料衝撃試験片(Vノッチシャルピー試験片)のVノッチを電縫溶接部に付与し、ISO148(JIS Z 2242)に規定される金属材料衝撃試験方法に則り測定される−40℃における吸収エネルギーが315J以上であることを特徴とする溶接部靭性に優れたラインパイプ向け電縫鋼管。
  2. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.5%以下、Ni:0.5%以下の中から選ばれる1種または2種を含有することを特徴とする請求項に記載の溶接部靭性に優れたラインパイプ向け電縫鋼管。
  3. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cr:0.21〜3.0、Mo:0.13%以下の中から選ばれる1種または2種を含有することを特徴とする請求項またはに記載の溶接部靭性に優れたラインパイプ向け電縫鋼管。
  4. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Nb:0.1%以下、V:0.1%以下、Ti:0.1%以下の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の溶接部靭性に優れたラインパイプ向け電縫鋼管。
  5. 前記微小欠陥が、電縫溶接時に溶接面に残存した酸化物、窒化物、炭化物の中の1種または2種以上からなることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の溶接部靭性に優れたラインパイプ向け電縫鋼管。
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