JP5703678B2 - 拡管性に優れる油井用電縫鋼管及びその製造方法 - Google Patents
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Description
そこで、一般的に肉厚精度が良好である、電縫鋼管を用いる技術として、特許文献4には、質量%で、C:0.01〜0.3%、Si:0.01〜0.7%、Mn:0.5〜2.0%、Nb:0.005〜0.1%、残部がFe及び不可避的不純物からなることを特徴とする拡管性能及び耐食性に優れた拡管油井用電縫鋼管が記載されている。
電縫鋼管は、通常、冷間で鋼帯を管形状にロール成形して帯幅両端同士を衝合させてなる被溶接部を電縫溶接することにより製造される。この製造にあたり、従来、溶接部品質向上の観点から、経験に頼った溶接入熱や、被溶接部の成形方法の調整等が行われてきた。本発明者らの調査結果によると、このようにして製造された電縫鋼管の電縫溶接部には、稀ではあるにしても素材性の介在物や電縫溶接時に生成する酸化物等の異物が存在し、それを含む欠陥は250μm以下の微小なもので、管長さ方向のランダムな位置に存在し、通常のUT検査では見落とされて、製品中に残存する。
前記の従来報告されてきている定性的な対応方法で製造された電縫鋼管では、通常のUT検査で見落とされた微小な欠陥が製品に残存してしまうため、油井用電縫鋼管の電縫溶接条件を確保すること、すなわち拡管加工時の割れを完全に防止することは困難であるという課題があった。
(4)前記組成に加えてさらに、質量%で、Cr:0.001〜1.50%、Mo:0.001〜0.49%、Nb:0.0001〜0.14%、V:0.0001〜0.14%、Ti:0.0001〜0.14%、W:0.0001〜0.14%、B:0.0001〜0.0030%、Ca:0.0001〜0.0030%、REM:0.0001〜0.10%のうち1種又は2種以上を含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の拡管性に優れる油井用電縫鋼管。
記
A群…Cu:0.001〜1.00%、Ni:0.001〜1.00%のうち1種又は2種
B群…Cr:0.001〜1.50%、Mo:0.001〜0.49%、Nb:0.0001〜0.14%、V:0.0001〜0.14%、Ti:0.0001〜0.14%、W:0.0001〜0.14%、B:0.0001〜0.0030%、Ca:0.0001〜0.0030%、REM:0.0001〜0.10%のうち1種又は2種以上
(6)前記判定した輝度低下部分を、アレイ探触子を用いた超音波集束ビームによるタンデム探傷法であるアレイUTによるエコー高さが30%超の電縫溶接部部分の切断除去の際に、同時に切断することを特徴とする(5)に記載の拡管性に優れる油井用電縫鋼管の製造方法。
ここで、欠陥面積率とは、図6に示すような、衝撃破壊試験による破面20中の、劈開もしくは擬劈開領域22以外のディンプル領域23のうち、ディンプルの内側に酸化物等の異物21を含む部分(斜線部分)の面積率を意味する。この欠陥面積率は、次の方法M1にて求めた。(方法M1:)電縫溶接部(被溶接部が溶接結合したその結合界面であり管周方向にほぼ直交している)が破面となるようにノッチを設けたシャルピー試験により脆性破面率(肉眼判定)が100%になる試験温度域の上限付近の温度で破断させてなる破面を、走査電子顕微鏡(SEM)で、倍率500倍以上で少なくとも10視野観察し、破面内のディンプル領域から酸化物等の異物を含んだディンプルを選別してその総面積を測定し、これの、視野総面積に対する百分率を欠陥面積率とした。
電縫溶接部に存在する酸化物等の異物は、通常数十μm以下の微小なものが多い。このような酸化物等の異物を含んだ欠陥の存在面積率(欠陥面積率)が小さい場合には、欠陥の周囲の鋼は十分に接合されており、欠陥を起点とした割れは伝播し難く、冷間加工性は低下しない。しかし、欠陥面積率が増加するに伴い、欠陥の周辺にも別の欠陥が存在するようになるため、冷間加工中に欠陥を起点とした亀裂が伝播しやすくなり、割れを生じやすい。
次に本発明に係る電縫鋼管の組成限定理由について説明する。組成における成分含有量の単位は質量%であり、%と略記される。
Cは所望の原管強度(TS,YS)を確保させ、かつ母材部ならびに電縫溶接部に所望の微視組織(Cが0.4%以上に濃化した第2相)を所望の面積率(0.1〜12%)だけ形成させ、良好な拡管性を獲得させる元素である。0.05%未満では所望の強度と微視組織を得ることができず、一方、0.25%超では鋼管の低温靭性が低下する。したがってCは0.05〜0.25%とした。なお、好ましくは0.06〜0.13%である。
Siは熱延工程でのフェライト変態を促進する元素であり、必要な拡管性を確保するための元素である。0.001%未満では拡管性が不足し、一方、2.00%超では電縫溶接部に酸化物が残存し、電縫溶接部の低温靭性が劣化する。したがってSiは0.001〜2.00%とした。なお、好ましくは0.81〜1.45%である。
Mnは所望の原管強度(TS,YS)を確保させ、かつ母材部ならびに電縫溶接部に所望の微視組織(Cが0.4%以上に濃化した第2相)を所望の面積率(0.1〜12%)だけ形成させ、良好な拡管性を得させる元素である。0.50%未満では所望の強度と微視組織を得ることができず、一方、2.50%超では拡管性が低下する。したがってMnは0.50〜2.50%とした。なお、好ましくは0.84〜1.25%である。
Alは製鋼時の脱酸元素であると共に、熱間圧延工程でのオーステナイト粒の成長を抑制し、結晶粒を微細とし、良好な拡管性を獲得させる元素である。0.01%未満ではこれらの効果が得られず、一方、0.100%を超えると効果は飽和し、酸化物系介在物の増大により拡管性が低下する。したがってAlは0.010〜0.100%とした。なお、好ましくは0.030〜0.080%である。
PはMnとの凝固共偏析を介し、低温靭性を低下させるとともに、拡管性を劣化させる。0.019%を超えると悪影響が顕著となるため0.019%を上限とする。なお、好ましくは0.009%以下である。
Sn:0.10%以下
Snは低融点固溶金属として鋼中に存在し、拡管性を劣化させる。0.10%を超えると悪影響が顕著となるため、0.10%を上限とする。なお、好ましくは0.05%以下である。
SはMnSなどの鋼中介在物として存在し、拡管性を低下させる。0.005%を超えるとこの悪影響が顕著となるため、0.005%を上限とする。なお、好ましくは0.003%以下である。
N:0.0049%以下
Nは固溶Nとして残存すると拡管性を低下させる。0.0049%を超えるとこの悪影響が顕著となるため、0.0049%を上限とする。なお、好ましくは0.0040%以下である。
Oは酸化物系介在物として存在し、拡管性、低温靭性を低下させる。0.0030%を超えるとこの悪影響が顕著となるため、0.0030%を上限とする。尚、好ましくは0.0020%以下である。
30*C+100*(P+Sn)+1000*(S+N+O):16.0%未満
Cは炭化物や硬質第2相の面積率上昇を通して、PとSはメタルフロー部への偏析を通して、Snは低融点固溶元素として、Nは時効硬化を通して、Oは電縫溶接部の酸化物系介在物としていずれも拡管性と低温靭性を相乗的に低下させる。所望の拡管性と低温靭性を確保するためには、これら元素の成分含有量を個別に規定するだけでは不十分で、各元素の影響度を勘案した30*C+100*(P+Sn)+1000*(S+N+O)値を特定の閾値未満に抑える必要がある。30*C+100*(P+Sn)+1000*(S+N+O)値が16.0%以上となると、拡管性と低温靭性の低下が大きくなるため、これを16.0%未満とする。なお、好ましくは13.0%未満である。
A群:Cu:0.001〜1.00%、Ni:0.001〜1.00%のうち1種又は2種
Cu:0.001〜1.00%
Cuは腐食保護皮膜を形成し、これを強固にすることで鋼中への水素の侵入を抑制し、耐硫化物応力腐食割れ性を向上させるとともに、電縫溶接時に再固溶した鋼中SをCuサルファイドとして捕捉し、電縫溶接部の選択腐食を抑制する効果がある。これら効果は0.001%以上の含有で発現するが、1.00%を超える含有は拡管性を低下させ、また、素材の熱間圧延時にCuが液相となり、熱間割れや表面疵の要因となるため、含有する場合は0.001〜1.00%とするのが好ましい。なお、より好ましくは0.001〜0.049%である。
NiはCuと同様鋼中への水素の侵入を抑制し、耐硫化物応力腐食割れ性を向上させる効果がある。さらに母材部及び電縫溶接部の低温靭性を向上させる効果がある。これら効果は0.001%以上の含有で発現するが、1.00%を超える含有は拡管性を低下させるため、含有する場合は0.001〜1.00%とするのが好ましい。なお、より好ましくは0.001〜0.049%である。
Cr:0.001〜1.50%
Crは耐炭酸ガス腐食性、耐炭酸ガス応力腐食割れ性等の耐食性を向上させる元素である。さらに、熱延あるいは電縫溶接後の電縫溶接部熱処理時のオーステナイト相からの冷却過程において、組織の2相分離を促進し、母材部ならびに電縫溶接部に所望の微視組織(Cが0.4%以上に濃化した第2相)を所望の面積率(0.1〜12%)だけ形成させるのに有効な元素である。これらの効果は0.001%以上の含有で発現するが、1.50%を超える含有は電縫溶接部に酸化物が残存し、拡管性ならびに電縫溶接部の低温靭性を低下させるため、含有する場合は0.001〜1.50%とするのが好ましい。なお、より好ましくは0.01〜0.49%である。
Moは硫化水素が存在する環境下での耐硫化物応力腐食割れ性を向上させる元素であり、さらに、熱延あるいは電縫溶接後の電縫溶接部熱処理時のオーステナイト相からの冷却過程において、組織の2相分離を促進し、母材部ならびに電縫溶接部に所望の微視組織(Cが0.4%以上に濃化した第2相)を所望の面積率(0.1〜12%)だけ形成させるのに有効な元素である。これらの効果は0.001%以上の含有で発現するが、0.49%を超えると拡管性を低下させるため、含有する場合は0.001〜0.49%とするのが好ましい。なお、より好ましくは0.01〜0.09%である。
Nbは結晶粒の微細化を通して、低温靭性の向上に寄与する。0.0001%未満ではこの効果が得られず、一方、0.14%を超えると拡管性低下が顕著となるため、含有する場合は0.0001〜0.14%とするのが好ましい。なお、より好ましくは0.022〜0.080%である。
V:0.0001〜0.14%
Vは焼入れ性の向上を通して、母材部ならびに電縫溶接部に所望の微視組織(Cが0.4%以上に濃化した第2相)を所望の面積率(0.1〜12%)だけ形成させるのに有効な元素である。0.0001%未満ではこの効果が得られず、一方0.14%を超えると拡管性低下が顕著となるため、含有する場合は、0.0001〜0.14%とするのが好ましい。なお、より好ましくは0.011〜0.080%である。
Tiは拡管性に悪影響を及ぼす固溶NをTiNとして固定し、拡管性の向上に有効な元素である。0.0001%未満ではこの効果が得られず、一方0.14%を超えると析出炭化物による拡管性低下が顕著となるため、含有する場合は、0.0001〜0.14%とするのが好ましい。なお、より好ましくは0.0001〜0.0049%である。
Wは炭化物として析出し、強度確保に有効な元素である。この効果は0.0001%以上の含有で発現するが、0.14%を超える含有では拡管性が低下するため、含有する場合は0.0001〜0.14%とするのが好ましい。なお、より好ましくは0.0001〜0.06%である。
B:0.0001〜0.0030%
Bは焼入れ性の向上を通して、強度確保に有効な元素である。この効果は0.0001%以上の含有で発現するが、0.0030%を超える含有は拡管性を低下させるため、含有する場合は0.0001〜0.0030%とするのが好ましい。なお、より好ましくは0.0001〜0.0005%である。
Caは展伸したMnSを粒状のCa(Al)S(O)とする所謂形態制御硬化があり、特に拡管成形時の電縫溶接部近傍のメタルフロー立ち上がり部での割れを抑制し、拡管性の向上に有効な元素である。この効果は0.0001%以上の含有で発現するが、0.0030%を超える含有は、非金属介在物の増大によってかえって拡管性が低下するため、含有する場合は0.0001〜0.0030%とするのが好ましい。なお、より好ましくは0.0001〜0.0019%である。
REMはCaと同様、展伸したMnSを粒状とする所謂形態制御効果があり、特に拡管成形時の電縫溶接部近傍のメタルフロー立ち上がり部での割れを抑制し、拡管性の向上に有効な元素である。この効果は0.0001%以上の含有で発現するが、0.10%を超える含有では拡管性が低下するため、含有する場合は0.0001〜0.10%とするのが好ましい。なお、より好ましくは0.01〜0.05%である。
母材部及び電縫溶接部の微視組織に占める、Cが0.4%以上に濃化した第2相:0.1〜12面積%
本発明の電縫鋼管は、電縫溶接部を除き、基本的に熱間圧延鋼帯を管状に成形したままで適正なYS/TS比(0.74以上0.92以下)と所望の拡管性を有すべく、母材部及び電縫溶接部の微視組織としてCが0.4%以上に濃化した第2相:0.1〜12面積%を含む微視組織を有するものとするのが好ましい。Cが0.4%以上に濃化した第2相は、熱延あるいは電縫溶接後の電縫溶接部熱処理時のオーステナイト相からの冷却過程において変態時に周囲の軟質相に可動転位を生起せしめ、成形ままでYS/TS比が高くなりすぎなくする効果がある。さらに、冷却過程以降、例えば拡管成形時に変態することにより、拡管成形時の応力集中を緩和し、拡管性を大きく向上させる効果がある。これらの効果は0.1面積%以上で発現し、一方、12面積%を超えると反対に拡管性が低下するため、0.1〜12面積%とする。なお、より好ましくは2.0〜10.0面積%である。
また、微視組織の残部は、ポリゴナルフェライト、アシキュラーフェライト、ウィッドマンステッテンフェライト:合計で75面積%以上、及び、カーバイド、微細パーライト、ベイナイトなど炭化物と鉄の混合組織:0.0〜15.1面積%、で構成される。
なお、欠陥面積率と相関づけられるエコー高さは、電縫溶接部から切り出したサンプルの超音波Cスキャン(超音波の正面像を画像として検出することの意)によっても測定可能であるが、アレイUTを用いることによりサンプルを切り出す必要なく管の全長にわたって測定が可能である。
また、さらに好適な形態のアレイUT装置としては、前記AUT1において、前記送波部は、管体の管軸方向溶接部の溶接面と前記管体の内面に対し、それぞれ33.2°〜56.8°の範囲内の角度で超音波を入射し、前記受波部は、前記溶接面における正反射方向に対して-12°〜16°すなわち、の範囲内の方向に反射した一部又は全部の反射波を受波し、前記制御部は、前記アレイ探触子上で前記送波部及び前記受波部に対応する振動子群を変更する、又は前記アレイ探触子の角度を変更するように制御して、超音波を前記管体の厚さ方向に走査するとともに、前記溶接面と前記内面への入射角度及び前記溶接面での反射波の角度が前記それぞれの範囲に維持されるように、各送波及び受波における管体に対する超音波の入射角を制御するようにしたもの(特許文献5の請求項5に記載の発明に相当;便宜上AUT2と称する)が挙げられる。
(実施例1)
表1に示す組成を有する電縫鋼管(肉厚6.5mm、外径130mm)を造管し、次いで、製造条件のケース2[電縫溶接部のアレイUT(前記AUT1を用いて管全長にわたり探傷した)によるエコー高さが30%超であった箇所を切断除去する]で処理して製品管とした。
(実施例2)
表1に示す組成を有する電縫鋼管(肉厚6.5mm、外径130mm)を造管し、次いで、製造条件のケース3[電縫溶接部のアレイUT(前記AUT1を用いて管全長にわたり探傷した)によるエコー高さが30%超であった箇所を切断除去し、かつ輝度センサにより輝度低下部分であると判定した電縫溶接部箇所をも切断除去する]で処理して製品管とした。
(比較例)
表1に示す組成を有する電縫鋼管(肉厚7.5mm、外径90mm)を造管し、次いで、製造条件のケース1[電縫溶接部のアレイUT(前記AUT1を用いて管全長にわたり探傷した)によるエコー高さが30%超であった箇所を含む管とする]で処理して製品管とした。
5 スクイズロール
6 ビード切削機
8 管(油井用電縫鋼管)
10 輝度センサ
11 アレイUT装置(アレイ探触子を用いた超音波集束ビームによるタンデム探傷法を実行する装置)
12 監視領域
13 溶接点(被溶接部が溶接結合する点)
14 電縫溶接部
15 アレイ探触子
20 衝撃破壊試験による破面
21 酸化物等の異物
22 劈開あるいは擬劈開領域
23 ディンプル領域
Claims (6)
- 質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.001〜2.00%、Mn:0.50〜2.50%、Al:0.010〜0.100%を含有し、P:0.019%以下、Sn:0.10%以下、S:0.005%以下、N:0.0049%以下、O:0.0030%以下で、かつ30*C+100*(P+Sn)+1000*(S+N+O):16.0%未満を満たし、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成を有する電縫鋼管であって、該電縫鋼管の母材部及び電縫溶接部の微視組織中に質量%でCが0.4%以上に濃化した第2相を面積率で0.1〜12%含み、電縫溶接部の全長にわたり、アレイ探触子を用いた超音波集束ビームによるタンデム探傷法であるアレイUTによるエコー高さから求めた欠陥面積率が5%以下であることを特徴とする、拡管性に優れる油井用電縫鋼管。
- 前記電縫鋼管は、電縫溶接後熱間状態の電縫溶接部の輝度低下部分を輝度センサで判定し、該判定した輝度低下部分を切断除去して製造されたものであることを特徴とする請求項1に記載の拡管性に優れる油井用電縫鋼管。
- 質量%で、Cu:0.001〜1.00%、Ni:0.001〜1.00%のうち1種又は2種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の拡管性に優れる油井用電縫鋼管。
- 質量%で、Cr:0.001〜1.50%、Mo:0.001〜0.49%、Nb:0.0001〜0.14%、V:0.0001〜0.14%、Ti:0.0001〜0.14%、W:0.0001〜0.14%、B:0.0001〜0.0030%、Ca:0.0001〜0.0030%、REM:0.0001〜0.10%のうち1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の拡管性に優れる油井用電縫鋼管。
- 請求項1〜4の何れか1項に記載の拡管性に優れる油井用電縫鋼管を製造する方法であって、質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.001〜2.00%、Mn:0.50〜2.50%、Al:0.010〜0.100%を含有し、P:0.019%以下、Sn:0.10%以下、S:0.005%以下、N:0.0049%以下、O:0.0030%以下で、かつ、30*C+100*(P+Sn)+1000*(S+N+O):16.0%未満を満たし、或いは更に下記A群、B群のうちのいずれか1群又は2群を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成を有する鋼帯を管形状にロール成形して帯幅両端同士を衝合させてなる被電縫溶接部を電縫溶接して鋼管となし、該鋼管の前記電縫溶接後の輝度低下部分を輝度センサで判定し、該判定した輝度低下部分を切断除去することを特徴とする、拡管性に優れる油井用電縫鋼管の製造方法。
記
A群…Cu:0.001〜1.00%、Ni:0.001〜1.00%のうち1種又は2種
B群…Cr:0.001〜1.50%、Mo:0.001〜0.49%、Nb:0.0001〜0.14%、V:0.0001〜0.14%、Ti:0.0001〜0.14%、W:0.0001〜0.14%、B:0.0001〜0.0030%、Ca:0.0001〜0.0030%、REM:0.0001〜0.10%のうち1種又は2種以上 - 前記判定した輝度低下部分を、アレイ探触子を用いた超音波集束ビームによるタンデム探傷法であるアレイUTによるエコー高さが30%超の電縫溶接部部分の切断除去の際に、同時に切断することを特徴とする請求項5に記載の拡管性に優れる油井用電縫鋼管の製造方法。
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