JP5703678B2 - 拡管性に優れる油井用電縫鋼管及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、拡管性に優れる油井用電縫鋼管及びその製造方法に関する。
地表から地下まで油井管を敷設するには、まず地表から所定の深さまで掘削し、その中にケーシングと呼ばれる鋼管を埋設し壁の崩壊を防止する。その後、ケーシングの先端からさらに地下を掘削してより深い井戸とし、先に埋設したケーシング内を通して新たなケーシングを埋設する。この作業を繰り返して、最終的に油田に到達する油井管(チュービング)が敷設される。大深度の井戸を掘削する掘削する場合には、径方向における掘削面積を広くする必要があり、この必要を最小限となしうる手段が強く要望されている。
このような要望に対し、例えば特許文献1、特許文献2には、井戸内でケーシング(鋼管)を、押拡げ加工等により拡管する方法が記載されている。特許文献1、特許文献2に記載された技術によれば、井戸内でケーシング(鋼管)を半径方向に膨張させることにより、多段構造になったケーシング毎の直径を小さく抑えることができ、井戸上部のケーシングサイズを小さく抑えて、油井の掘削費を低減することが可能となるとしている。
特許文献3には、質量%で、C:0.05〜0.30%、Si:0.2〜2%、Mn:0.7〜4.0%、P:0.03%以下、S:0.015%以下、N:0.007%以下、O:0.005%以下を含有し、あるいはさらに、Al、Cr、Ni、Cu、Nb、V、Ti、Mo、B、Caの1種または2種以上を規定量だけ含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなり、組織中に相分率5体積%以上の残留γ相を有する、引張強度(TS)600MPa以上の高強度でありながら、拡管率30%超の拡管加工に対し優れた拡管性を示す、拡管性に優れる油井用継目無鋼管が記載されている。
しかし、特許文献3に記載された技術では、ビレットを穿孔圧延して製造される継目無鋼管であるため、肉厚精度が所望の値(±10%)を満たすのが困難という課題があった。
そこで、一般的に肉厚精度が良好である、電縫鋼管を用いる技術として、特許文献4には、質量%で、C:0.01〜0.3%、Si:0.01〜0.7%、Mn:0.5〜2.0%、Nb:0.005〜0.1%、残部がFe及び不可避的不純物からなることを特徴とする拡管性能及び耐食性に優れた拡管油井用電縫鋼管が記載されている。
なお、特許文献5は、本発明に好ましく用いうる、アレイ探触子を用いた超音波集束ビームによるタンデム探傷法(以下、アレイUTという)に関する記載があり、本発明の参考文献としてここに挙げた。
特表平7−507610号公報 国際公開W098/00626号公報 特許第4367259号公報 特開2008−202128号公報 特開2008−209364号公報
油井用の電縫鋼管には少なくとも継目無鋼管と同程度に優れた拡管性が必要であり、電縫溶接部においても優れた拡管性に資する機械的特性が求められる。ところが、現状の電縫鋼管では、電縫溶接部の機械的特性が管長さ方向で不均一となりがちなため、優れた拡管性を管の全長にわたって確保することは困難であった。以下にその理由を述べる。
電縫鋼管は、通常、冷間で鋼帯を管形状にロール成形して帯幅両端同士を衝合させてなる被溶接部を電縫溶接することにより製造される。この製造にあたり、従来、溶接部品質向上の観点から、経験に頼った溶接入熱や、被溶接部の成形方法の調整等が行われてきた。本発明者らの調査結果によると、このようにして製造された電縫鋼管の電縫溶接部には、稀ではあるにしても素材性の介在物や電縫溶接時に生成する酸化物等の異物が存在し、それを含む欠陥は250μm以下の微小なもので、管長さ方向のランダムな位置に存在し、通常のUT検査では見落とされて、製品中に残存する。
これらの酸化物等の異物を含む欠陥は、拡管加工時には割れの起点になりやすい。すなわち、電縫溶接部に通常では問題にならない大きさの酸化物等の異物を含む欠陥(前述の如く通常のUT検査で見落とされた欠陥)が存在する場合においても、油井用電縫鋼管のように高い拡管性が要求される場合には、加工中に電縫溶接部に割れを生じることがあった。
これらの微小な酸化物等の異物を含む欠陥が溶接部に生じる原因としては、溶接条件の不良や、被衝合端面の疵、被電縫溶接部へのスパッタ粒や空中浮遊物の飛び込みなど多岐にわたるため、これらについて、系統立った研究が行われておらず、前述のような定性的な溶接条件の管理が実施されてきたのみであった。
前記の従来報告されてきている定性的な対応方法で製造された電縫鋼管では、通常のUT検査で見落とされた微小な欠陥が製品に残存してしまうため、油井用電縫鋼管の電縫溶接条件を確保すること、すなわち拡管加工時の割れを完全に防止することは困難であるという課題があった。
本発明者らは、上述の事情に鑑み、電縫鋼管の拡管性が良好となる熱延素材の組成について鋭意研究した。さらに、電縫溶接部の割れ起点となる微小な酸化物等を含んだ欠陥に着目し、管の全長にわたってその面積率を規定することにより、拡管性を向上させた油井用電縫鋼管を提供できることを見出した。本発明はこのような知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1)質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.001〜2.00%、Mn:0.50〜2.50%、Al:0.010〜0.100%を含有し、P:0.019%以下、Sn:0.10%以下、S:0.005%以下、N:0.0049%以下、O:0.0030%以下で、かつ、30*C+100*(P+Sn)+1000*(S+N+O):16.0%未満を満たし、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成を有する電縫鋼管であって、該電縫鋼管の母材部及び電縫溶接部の微視組織中に質量%でCが0.4%以上に濃化した第2相を面積率で0.1〜12%含み、電縫溶接部の全長にわたり、アレイ探触子を用いた超音波集束ビームによるタンデム探傷法であるアレイUTによるエコー高さから求めた欠陥面積率が5%以下であることを特徴とする、拡管性に優れる油井用電縫鋼管。
(2)前記電縫鋼管は、電縫溶接後熱間状態の電縫溶接部の輝度低下部分を輝度センサで判定し、該判定した輝度低下部分を切断除去して製造されたものであることを特徴とする(1)に記載の拡管性に優れる油井用電縫鋼管。
(3)質量%で、Cu:0.001〜1.00%、Ni:0.001〜1.00%のうち1種又は2種を含有することを特徴とする (1)または(2)に記載の拡管性に優れる油井用電縫鋼管。
(4)前記組成に加えてさらに、質量%で、Cr:0.001〜1.50%、Mo:0.001〜0.49%、Nb:0.0001〜0.14%、V:0.0001〜0.14%、Ti:0.0001〜0.14%、W:0.0001〜0.14%、B:0.0001〜0.0030%、Ca:0.0001〜0.0030%、REM:0.0001〜0.10%のうち1種又は2種以上を含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の拡管性に優れる油井用電縫鋼管。
(5)(1)〜(4)のいずれか1つに記載の拡管性に優れる油井用電縫鋼管を製造する方法であって、質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.001〜2.00%、Mn:0.50〜2.50%、Al:0.010〜0.100%を含有し、P:0.019%以下、Sn:0.10%以下、S:0.005%以下、N:0.0049%以下、O:0.0030%以下で、かつ、30*C+100*(P+Sn)+1000*(S+N+O):16.0%未満を満たし、或いは更に下記A群、B群のうちのいずれか1群又は2群を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成を有する鋼帯を管形状にロール成形して帯幅両端同士を衝合させてなる被電縫溶接部を電縫溶接して鋼管となし、該鋼管の前記電縫溶接後の輝度低下部分を輝度センサで判定し、該判定した輝度低下部分を切断除去することを特徴とする、拡管性に優れる油井用電縫鋼管の製造方法。

A群…Cu:0.001〜1.00%、Ni:0.001〜1.00%のうち1種又は2種
B群…Cr:0.001〜1.50%、Mo:0.001〜0.49%、Nb:0.0001〜0.14%、V:0.0001〜0.14%、Ti:0.0001〜0.14%、W:0.0001〜0.14%、B:0.0001〜0.0030%、Ca:0.0001〜0.0030%、REM:0.0001〜0.10%のうち1種又は2種以上
(6)前記判定した輝度低下部分を、アレイ探触子を用いた超音波集束ビームによるタンデム探傷法であるアレイUTによるエコー高さが30%超の電縫溶接部部分の切断除去の際に、同時に切断することを特徴とする(5)に記載の拡管性に優れる油井用電縫鋼管の製造方法。
本発明の油井用電縫鋼管は、電縫溶接部の全長にわたり欠陥面積率が5%以下とされたものであるから、拡管等の冷間加工時に電縫溶接部の割れが生じにくく、当該冷間加工の加工能率、加工歩留りの向上に大いに寄与するという効果を奏する。
電縫溶接部の欠陥面積率と限界拡管率の関係を示すグラフ 電縫溶接部の欠陥面積率とアレイUTによるエコー高さの関係の1例を示すグラフ アレイUTの原理を従来UTと比較して示す説明図 輝度センサによる電縫溶接部監視状況を示す模式図 輝度分布監視データの推移を示す模式図 欠陥面積率の定義説明図
本発明者らは、油井用電縫鋼管の電縫溶接部の品質向上の観点から、電縫溶接部における酸化物等の異物を含んだ欠陥の分散状態を種々変化させ、素材としての鋼帯の組成も同様に変化させた電縫鋼管を実験的に作製した。作製した管の電縫溶接部から試験片を採取し、限界拡管率を評価するとともに、電縫溶接部に存在する欠陥の分散状態を詳細に調査した。その結果、電縫溶接部における欠陥の分散状態が、欠陥の存在面積率(すなわち欠陥面積率)にして5%以下となる分散状態とされること、及び、組成の最適化が達成されることにより、優れた電縫溶接部特性が実現することを見出した。
さらに、アレイUTを用いて、油井用電縫鋼管の電縫溶接部のエコー高さについて詳細に調査した結果、エコー高さは欠陥面積率と良好な相関関係を示すこと、よってエコー高さを用いて電縫溶接部の欠陥面積率が5%超となっている管長さ部分を特定し、該特定された管長さ部分を排除して、電縫溶接部の全長にわたり欠陥面積率が5%以下である電縫鋼管が得られることを見出した。
図1は、電縫溶接部の欠陥面積率と限界拡管率の関係を示すグラフである。
ここで、欠陥面積率とは、図6に示すような、衝撃破壊試験による破面20中の、劈開もしくは擬劈開領域22以外のディンプル領域23のうち、ディンプルの内側に酸化物等の異物21を含む部分(斜線部分)の面積率を意味する。この欠陥面積率は、次の方法M1にて求めた。(方法M1:)電縫溶接部(被溶接部が溶接結合したその結合界面であり管周方向にほぼ直交している)が破面となるようにノッチを設けたシャルピー試験により脆性破面率(肉眼判定)が100%になる試験温度域の上限付近の温度で破断させてなる破面を、走査電子顕微鏡(SEM)で、倍率500倍以上で少なくとも10視野観察し、破面内のディンプル領域から酸化物等の異物を含んだディンプルを選別してその総面積を測定し、これの、視野総面積に対する百分率を欠陥面積率とした。
また、限界拡管率は次の方法M2にて求めた。(方法M2:)外径の2倍長さの鋼管を切り出し、両管端を平行に▽▽▽仕上げ(Ra:1.6a相当仕上げ、日本機械学会編「機械工学便覧」新版第6刷(1993.7.30丸善発行)B1-22頁参照)を行った後、齧りを防ぐためプレス油を塗布後、頂角60°の円錐をプレス機で押込み、管端部を押し拡げ、管端に亀裂が生じたところで押込みを止め、除荷後の外径Dbを測定し、原管の外径Doから (Db-Do)/Do×100(%) により拡管率を求める試験を3回行い、得られた3つの拡管率データの平均値を限界拡管率とした。
図1に示すように、欠陥面積率が増加するに伴い、限界拡管率は低下した。
電縫溶接部に存在する酸化物等の異物は、通常数十μm以下の微小なものが多い。このような酸化物等の異物を含んだ欠陥の存在面積率(欠陥面積率)が小さい場合には、欠陥の周囲の鋼は十分に接合されており、欠陥を起点とした割れは伝播し難く、冷間加工性は低下しない。しかし、欠陥面積率が増加するに伴い、欠陥の周辺にも別の欠陥が存在するようになるため、冷間加工中に欠陥を起点とした亀裂が伝播しやすくなり、割れを生じやすい。
図1に示すように、電縫溶接部において欠陥面積率を5%以下にすれば、限界拡管率は50%以上となり、十分な冷間加工性を有することから、本発明では、電縫溶接部の全長にわたり欠陥面積率が5%以下であることに限定した。
次に本発明に係る電縫鋼管の組成限定理由について説明する。組成における成分含有量の単位は質量%であり、%と略記される。
C:0.05〜0.25%
Cは所望の原管強度(TS,YS)を確保させ、かつ母材部ならびに電縫溶接部に所望の微視組織(Cが0.4%以上に濃化した第2相)を所望の面積率(0.1〜12%)だけ形成させ、良好な拡管性を獲得させる元素である。0.05%未満では所望の強度と微視組織を得ることができず、一方、0.25%超では鋼管の低温靭性が低下する。したがってCは0.05〜0.25%とした。なお、好ましくは0.06〜0.13%である。
Si:0.001〜2.00%
Siは熱延工程でのフェライト変態を促進する元素であり、必要な拡管性を確保するための元素である。0.001%未満では拡管性が不足し、一方、2.00%超では電縫溶接部に酸化物が残存し、電縫溶接部の低温靭性が劣化する。したがってSiは0.001〜2.00%とした。なお、好ましくは0.81〜1.45%である。
Mn:0.50〜2.50%
Mnは所望の原管強度(TS,YS)を確保させ、かつ母材部ならびに電縫溶接部に所望の微視組織(Cが0.4%以上に濃化した第2相)を所望の面積率(0.1〜12%)だけ形成させ、良好な拡管性を得させる元素である。0.50%未満では所望の強度と微視組織を得ることができず、一方、2.50%超では拡管性が低下する。したがってMnは0.50〜2.50%とした。なお、好ましくは0.84〜1.25%である。
Al:0.010〜0.100%
Alは製鋼時の脱酸元素であると共に、熱間圧延工程でのオーステナイト粒の成長を抑制し、結晶粒を微細とし、良好な拡管性を獲得させる元素である。0.01%未満ではこれらの効果が得られず、一方、0.100%を超えると効果は飽和し、酸化物系介在物の増大により拡管性が低下する。したがってAlは0.010〜0.100%とした。なお、好ましくは0.030〜0.080%である。
P:0.019%以下
PはMnとの凝固共偏析を介し、低温靭性を低下させるとともに、拡管性を劣化させる。0.019%を超えると悪影響が顕著となるため0.019%を上限とする。なお、好ましくは0.009%以下である。
Sn:0.10%以下
Snは低融点固溶金属として鋼中に存在し、拡管性を劣化させる。0.10%を超えると悪影響が顕著となるため、0.10%を上限とする。なお、好ましくは0.05%以下である。
S:0.005%以下
SはMnSなどの鋼中介在物として存在し、拡管性を低下させる。0.005%を超えるとこの悪影響が顕著となるため、0.005%を上限とする。なお、好ましくは0.003%以下である。
N:0.0049%以下
Nは固溶Nとして残存すると拡管性を低下させる。0.0049%を超えるとこの悪影響が顕著となるため、0.0049%を上限とする。なお、好ましくは0.0040%以下である。
O:0.0030%
Oは酸化物系介在物として存在し、拡管性、低温靭性を低下させる。0.0030%を超えるとこの悪影響が顕著となるため、0.0030%を上限とする。尚、好ましくは0.0020%以下である。
30*C+100*(P+Sn)+1000*(S+N+O):16.0%未満
Cは炭化物や硬質第2相の面積率上昇を通して、PとSはメタルフロー部への偏析を通して、Snは低融点固溶元素として、Nは時効硬化を通して、Oは電縫溶接部の酸化物系介在物としていずれも拡管性と低温靭性を相乗的に低下させる。所望の拡管性と低温靭性を確保するためには、これら元素の成分含有量を個別に規定するだけでは不十分で、各元素の影響度を勘案した30*C+100*(P+Sn)+1000*(S+N+O)値を特定の閾値未満に抑える必要がある。30*C+100*(P+Sn)+1000*(S+N+O)値が16.0%以上となると、拡管性と低温靭性の低下が大きくなるため、これを16.0%未満とする。なお、好ましくは13.0%未満である。
上記した成分が基本組成をなすが、本発明ではこの基本組成に加えて、さらにA群、B群のうちから選ばれた1群及び/又は2群を含有できる。
A群:Cu:0.001〜1.00%、Ni:0.001〜1.00%のうち1種又は2種
Cu:0.001〜1.00%
Cuは腐食保護皮膜を形成し、これを強固にすることで鋼中への水素の侵入を抑制し、耐硫化物応力腐食割れ性を向上させるとともに、電縫溶接時に再固溶した鋼中SをCuサルファイドとして捕捉し、電縫溶接部の選択腐食を抑制する効果がある。これら効果は0.001%以上の含有で発現するが、1.00%を超える含有は拡管性を低下させ、また、素材の熱間圧延時にCuが液相となり、熱間割れや表面疵の要因となるため、含有する場合は0.001〜1.00%とするのが好ましい。なお、より好ましくは0.001〜0.049%である。
Ni:0.001〜1.00%
NiはCuと同様鋼中への水素の侵入を抑制し、耐硫化物応力腐食割れ性を向上させる効果がある。さらに母材部及び電縫溶接部の低温靭性を向上させる効果がある。これら効果は0.001%以上の含有で発現するが、1.00%を超える含有は拡管性を低下させるため、含有する場合は0.001〜1.00%とするのが好ましい。なお、より好ましくは0.001〜0.049%である。
B群:Cr:0.001〜1.50%、Mo:0.001〜0.49%、Nb:0.0001〜0.14%、V:0.0001〜0.14%、Ti:0.0001〜0.14%、W:0.0001〜0.14%、B:0.0001〜0.0030%、Ca:0.0001〜0.0030%、REM: 0.0001〜0.10%のうち1種又は2種以上
Cr:0.001〜1.50%
Crは耐炭酸ガス腐食性、耐炭酸ガス応力腐食割れ性等の耐食性を向上させる元素である。さらに、熱延あるいは電縫溶接後の電縫溶接部熱処理時のオーステナイト相からの冷却過程において、組織の2相分離を促進し、母材部ならびに電縫溶接部に所望の微視組織(Cが0.4%以上に濃化した第2相)を所望の面積率(0.1〜12%)だけ形成させるのに有効な元素である。これらの効果は0.001%以上の含有で発現するが、1.50%を超える含有は電縫溶接部に酸化物が残存し、拡管性ならびに電縫溶接部の低温靭性を低下させるため、含有する場合は0.001〜1.50%とするのが好ましい。なお、より好ましくは0.01〜0.49%である。
Mo:0.001〜0.49%
Moは硫化水素が存在する環境下での耐硫化物応力腐食割れ性を向上させる元素であり、さらに、熱延あるいは電縫溶接後の電縫溶接部熱処理時のオーステナイト相からの冷却過程において、組織の2相分離を促進し、母材部ならびに電縫溶接部に所望の微視組織(Cが0.4%以上に濃化した第2相)を所望の面積率(0.1〜12%)だけ形成させるのに有効な元素である。これらの効果は0.001%以上の含有で発現するが、0.49%を超えると拡管性を低下させるため、含有する場合は0.001〜0.49%とするのが好ましい。なお、より好ましくは0.01〜0.09%である。
Nb:0.0001〜0.14%
Nbは結晶粒の微細化を通して、低温靭性の向上に寄与する。0.0001%未満ではこの効果が得られず、一方、0.14%を超えると拡管性低下が顕著となるため、含有する場合は0.0001〜0.14%とするのが好ましい。なお、より好ましくは0.022〜0.080%である。
V:0.0001〜0.14%
Vは焼入れ性の向上を通して、母材部ならびに電縫溶接部に所望の微視組織(Cが0.4%以上に濃化した第2相)を所望の面積率(0.1〜12%)だけ形成させるのに有効な元素である。0.0001%未満ではこの効果が得られず、一方0.14%を超えると拡管性低下が顕著となるため、含有する場合は、0.0001〜0.14%とするのが好ましい。なお、より好ましくは0.011〜0.080%である。
Ti:0.0001〜0.14%
Tiは拡管性に悪影響を及ぼす固溶NをTiNとして固定し、拡管性の向上に有効な元素である。0.0001%未満ではこの効果が得られず、一方0.14%を超えると析出炭化物による拡管性低下が顕著となるため、含有する場合は、0.0001〜0.14%とするのが好ましい。なお、より好ましくは0.0001〜0.0049%である。
W:0.0001〜0.14%
Wは炭化物として析出し、強度確保に有効な元素である。この効果は0.0001%以上の含有で発現するが、0.14%を超える含有では拡管性が低下するため、含有する場合は0.0001〜0.14%とするのが好ましい。なお、より好ましくは0.0001〜0.06%である。
B:0.0001〜0.0030%
Bは焼入れ性の向上を通して、強度確保に有効な元素である。この効果は0.0001%以上の含有で発現するが、0.0030%を超える含有は拡管性を低下させるため、含有する場合は0.0001〜0.0030%とするのが好ましい。なお、より好ましくは0.0001〜0.0005%である。
Ca:0.0001〜0.0030%
Caは展伸したMnSを粒状のCa(Al)S(O)とする所謂形態制御硬化があり、特に拡管成形時の電縫溶接部近傍のメタルフロー立ち上がり部での割れを抑制し、拡管性の向上に有効な元素である。この効果は0.0001%以上の含有で発現するが、0.0030%を超える含有は、非金属介在物の増大によってかえって拡管性が低下するため、含有する場合は0.0001〜0.0030%とするのが好ましい。なお、より好ましくは0.0001〜0.0019%である。
REM: 0.0001〜0.10%
REMはCaと同様、展伸したMnSを粒状とする所謂形態制御効果があり、特に拡管成形時の電縫溶接部近傍のメタルフロー立ち上がり部での割れを抑制し、拡管性の向上に有効な元素である。この効果は0.0001%以上の含有で発現するが、0.10%を超える含有では拡管性が低下するため、含有する場合は0.0001〜0.10%とするのが好ましい。なお、より好ましくは0.01〜0.05%である。
上記した成分以外の残部はFe及び不可避的不純物である。
母材部及び電縫溶接部の微視組織に占める、Cが0.4%以上に濃化した第2相:0.1〜12面積%
本発明の電縫鋼管は、電縫溶接部を除き、基本的に熱間圧延鋼帯を管状に成形したままで適正なYS/TS比(0.74以上0.92以下)と所望の拡管性を有すべく、母材部及び電縫溶接部の微視組織としてCが0.4%以上に濃化した第2相:0.1〜12面積%を含む微視組織を有するものとするのが好ましい。Cが0.4%以上に濃化した第2相は、熱延あるいは電縫溶接後の電縫溶接部熱処理時のオーステナイト相からの冷却過程において変態時に周囲の軟質相に可動転位を生起せしめ、成形ままでYS/TS比が高くなりすぎなくする効果がある。さらに、冷却過程以降、例えば拡管成形時に変態することにより、拡管成形時の応力集中を緩和し、拡管性を大きく向上させる効果がある。これらの効果は0.1面積%以上で発現し、一方、12面積%を超えると反対に拡管性が低下するため、0.1〜12面積%とする。なお、より好ましくは2.0〜10.0面積%である。
なお、C濃度が0.4%以上の第2相の面積率は、研磨した円周方向断面領域400μm×400μmにビーム寸法2μm×2μmでEPMA面分析を行うことでC濃度を定量分析し、0.4%以上に濃化している部分の面積を測定面積で除して求めた。
また、微視組織の残部は、ポリゴナルフェライト、アシキュラーフェライト、ウィッドマンステッテンフェライト:合計で75面積%以上、及び、カーバイド、微細パーライト、ベイナイトなど炭化物と鉄の混合組織:0.0〜15.1面積%、で構成される。
次に、アレイUTを用いて求めた油井用電縫鋼管の電縫溶接部のエコー高さと、該電縫溶接部の欠陥面積率の関係の1例を図2にグラフで示す。エコー高さは、φ1.6mmのドリルホールを探傷した場合のエコー高さを基準(80%)とした相対値で表した。図2より、欠陥面積率が増加するに伴い、エコー高さは増加する。図2において、エコー高さが30%以下であれば、欠陥面積率は5%以下となり、結果として、電縫溶接部の機械的特性は良好になる。
図3は、アレイUTの原理を従来UTと比較して示す説明図である。アレイUTを用いることで、検出可能な欠陥サイズ範囲が、従来UTの0.5〜1.0mm程度に比べ、例えば250μm以下と格段に微細な範囲にまで拡大する。
なお、欠陥面積率と相関づけられるエコー高さは、電縫溶接部から切り出したサンプルの超音波Cスキャン(超音波の正面像を画像として検出することの意)によっても測定可能であるが、アレイUTを用いることによりサンプルを切り出す必要なく管の全長にわたって測定が可能である。
図3に例示したアレイUT装置11は、管体(管8)の溶接部14の溶接面に対して超音波を入射(送信)する送波部と、溶接面で反射した反射波の一部または全部を受信する受波部とを有し、前記送波部及び受波部が、管体周方向に配置された一又は二以上の探傷用アレイ探触子上の異なる振動子群からなる送受信部を備えた超音波探傷装置であり、超音波の点集束する溶接面内位置でのビームサイズ(ビーム幅)の好適範囲は0.5〜2.5mmであり、あるいはさらに、ビーム幅が前記好適範囲に維持されるように、各送波に用いる超音波の開口幅を制御する制御部を備える(特許文献1の請求項1乃至2に記載の発明に相当;便宜上、AUT1と称する)。
なお、図2のエコー高さは、前記AUT1を用い、超音波の周波数10MHz、ビームサイズ1mmの条件で測定された。
また、さらに好適な形態のアレイUT装置としては、前記AUT1において、前記送波部は、管体の管軸方向溶接部の溶接面と前記管体の内面に対し、それぞれ33.2°〜56.8°の範囲内の角度で超音波を入射し、前記受波部は、前記溶接面における正反射方向に対して-12°〜16°すなわち、の範囲内の方向に反射した一部又は全部の反射波を受波し、前記制御部は、前記アレイ探触子上で前記送波部及び前記受波部に対応する振動子群を変更する、又は前記アレイ探触子の角度を変更するように制御して、超音波を前記管体の厚さ方向に走査するとともに、前記溶接面と前記内面への入射角度及び前記溶接面での反射波の角度が前記それぞれの範囲に維持されるように、各送波及び受波における管体に対する超音波の入射角を制御するようにしたもの(特許文献5の請求項5に記載の発明に相当;便宜上AUT2と称する)が挙げられる。
前記AUT1さらには前記AUT2などを用いたアレイUTにより、欠陥径は微小であるが、広い領域に分散している形態の散在型欠陥を検出できるようになるため、電縫鋼管等溶接鋼管の溶接部の機械的特性に影響を及ぼす微小欠陥が発生しないように溶接プロセスを改善したり、微小欠陥を含む管が流出しないように製造工程で選別できるようになり、溶接鋼管の品質を飛躍的に高めることができ、従来以上に過酷な使用条件で使用できるようになる(特許文献5の[0046]参照)。
さらに、油井用電縫鋼管の製造時に、電縫溶接後の熱間状態の電縫溶接部の輝度低下部分を輝度センサで判定し、アレイUTによるエコー高さが30%超の電縫溶接部部分の切断除去の際に、同時に切断除去することにより、電縫溶接部の機械的特性に優れる油井用電縫鋼管をより確実に提供することができる。その根拠として次の調査結果がある。すなわち、長さ1000mの油井用電縫鋼管について、管の全長にわたり電縫溶接部の欠陥を調査した結果、アレイUTによるエコー高さは全長にわたって30%以下を示したのであるが、欠陥面積率が5%を超える箇所は、輝度センサによる輝度低下部の判定を実施しなかった場合は7箇所存在したのに対し、輝度センサによる輝度低下部の判定および該判定した輝度低下部の切断除去を実施した場合は全く存在しなかった。このように、輝度センサで輝度低下部を判定・切断除去することにより、顕著に欠陥面積率を低減することが可能となり、電縫溶接部の冷間加工性に優れた油井用電縫鋼管をより確実に提供することができる。
なお、輝度センサによる電縫溶接部の監視状況の1例を図4に示す。輝度センサ10は輝度カメラとも呼ばれ、溶接点13からビード切削機6までの間の電縫溶接部14の外面側長手方向を横切るように設けた監視領域12を撮影し、該撮影した画面内の輝度分布を導出する機能を有している。このような輝度センサとしては、例えば市販のラインスキャンカメラなどが挙げられる。輝度センサ10の撮影コマごとの輝度情報(瞬時輝度)はPC(パソコン)等に取り込んで画像処理することで、図5に模式的に示すように、瞬時輝度の分布曲線に相当する画像信号の経時変化データとして監視することができる。そして、この監視される経時変化データから、粉塵やスパッタの稀な飛び込みや素材(鋼帯)端部の微小な疵による溶接欠陥発生に対応するDS(ダークスポット)を検出(すなわち輝度低下部を判定)することができ、該DS検出時点情報を、通常用いられるトラッキング機能により、対応する造管長位置情報に変換して、前記溶接欠陥が発生した造管長位置を特定でき、その位置情報を造管工程の下流の精整工程に通知して、この溶接欠陥部を含む管長さ部分を製品管から確実に排除することができる。なお、図4において、1b,1cはV字状ギャップの縁部、iは高周波電流である。
以下の実施例乃至比較例において、電縫鋼管は、鋼帯を冷間で管形状にロール成形して帯幅両端同士を衝合させてなる被電縫溶接部を電縫溶接することにより造管され、次いで、実施例又は比較例の各製造条件で処理されることで製造された。
(実施例1)
表1に示す組成を有する電縫鋼管(肉厚6.5mm、外径130mm)を造管し、次いで、製造条件のケース2[電縫溶接部のアレイUT(前記AUT1を用いて管全長にわたり探傷した)によるエコー高さが30%超であった箇所を切断除去する]で処理して製品管とした。
得られた製品管(この管は、全長にわたりエコー高さが30%以下である)から試験片を採取し、前述の方法M2にて限界拡管率を求めるとともに、前述の方法M1にて電縫溶接部の欠陥面積率を測定した。その結果を表2に示す。これら実施例1では、欠陥面積率が5%以下であり、限界拡管率が50%以上となって、拡管性が十分良好である。
(実施例2)
表1に示す組成を有する電縫鋼管(肉厚6.5mm、外径130mm)を造管し、次いで、製造条件のケース3[電縫溶接部のアレイUT(前記AUT1を用いて管全長にわたり探傷した)によるエコー高さが30%超であった箇所を切断除去し、かつ輝度センサにより輝度低下部分であると判定した電縫溶接部箇所をも切断除去する]で処理して製品管とした。
得られた製品管(この管は、全長にわたりエコー高さが30%以下であり、かつ電縫溶接部に輝度低下部分は存在しない)から試験片を採取し、前述の方法M2にて限界拡管率を求めるとともに、前述の方法M1にて電縫溶接部の欠陥面積率を測定した。その結果を表2に示す。これら実施例2では、欠陥面積率が実施例1の場合よりも低く、拡管性は実施例1の場合よりもさらに良好である。
(比較例)
表1に示す組成を有する電縫鋼管(肉厚7.5mm、外径90mm)を造管し、次いで、製造条件のケース1[電縫溶接部のアレイUT(前記AUT1を用いて管全長にわたり探傷した)によるエコー高さが30%超であった箇所を含む管とする]で処理して製品管とした。
得られた製品管の前記箇所(エコー高さが30%超の箇所)から試験片を採取し、前述の方法M2にて限界拡管率を求めるとともに、前述の方法M1にて電縫溶接部の欠陥面積率を測定した。その結果を表2に示す。これら比較例では、欠陥面積率が5%を上回り、限界拡管率が50%を下回って、拡管性が不十分である。
Figure 0005703678
Figure 0005703678
4 高周波加熱装置
5 スクイズロール
6 ビード切削機
8 管(油井用電縫鋼管)
10 輝度センサ
11 アレイUT装置(アレイ探触子を用いた超音波集束ビームによるタンデム探傷法を実行する装置)
12 監視領域
13 溶接点(被溶接部が溶接結合する点)
14 電縫溶接部
15 アレイ探触子
20 衝撃破壊試験による破面
21 酸化物等の異物
22 劈開あるいは擬劈開領域
23 ディンプル領域

Claims (6)

  1. 質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.001〜2.00%、Mn:0.50〜2.50%、Al:0.010〜0.100%を含有し、P:0.019%以下、Sn:0.10%以下、S:0.005%以下、N:0.0049%以下、O:0.0030%以下で、かつ30*C+100*(P+Sn)+1000*(S+N+O):16.0%未満を満たし、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成を有する電縫鋼管であって、該電縫鋼管の母材部及び電縫溶接部の微視組織中に質量%でCが0.4%以上に濃化した第2相を面積率で0.1〜12%含み、電縫溶接部の全長にわたり、アレイ探触子を用いた超音波集束ビームによるタンデム探傷法であるアレイUTによるエコー高さから求めた欠陥面積率が5%以下であることを特徴とする、拡管性に優れる油井用電縫鋼管。
  2. 前記電縫鋼管は、電縫溶接後熱間状態の電縫溶接部の輝度低下部分を輝度センサで判定し、該判定した輝度低下部分を切断除去して製造されたものであることを特徴とする請求項に記載の拡管性に優れる油井用電縫鋼管。
  3. 質量%で、Cu:0.001〜1.00%、Ni:0.001〜1.00%のうち1種又は2種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の拡管性に優れる油井用電縫鋼管。
  4. 質量%で、Cr:0.001〜1.50%、Mo:0.001〜0.49%、Nb:0.0001〜0.14%、V:0.0001〜0.14%、Ti:0.0001〜0.14%、W:0.0001〜0.14%、B:0.0001〜0.0030%、Ca:0.0001〜0.0030%、REM:0.0001〜0.10%のうち1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の拡管性に優れる油井用電縫鋼管。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の拡管性に優れる油井用電縫鋼管を製造する方法であって、質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.001〜2.00%、Mn:0.50〜2.50%、Al:0.010〜0.100%を含有し、P:0.019%以下、Sn:0.10%以下、S:0.005%以下、N:0.0049%以下、O:0.0030%以下で、かつ、30*C+100*(P+Sn)+1000*(S+N+O):16.0%未満を満たし、或いは更に下記A群、B群のうちのいずれか1群又は2群を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成を有する鋼帯を管形状にロール成形して帯幅両端同士を衝合させてなる被電縫溶接部を電縫溶接して鋼管となし、該鋼管の前記電縫溶接後の輝度低下部分を輝度センサで判定し、該判定した輝度低下部分を切断除去することを特徴とする、拡管性に優れる油井用電縫鋼管の製造方法。

    A群…Cu:0.001〜1.00%、Ni:0.001〜1.00%のうち1種又は2種
    B群…Cr:0.001〜1.50%、Mo:0.001〜0.49%、Nb:0.0001〜0.14%、V:0.0001〜0.14%、Ti:0.0001〜0.14%、W:0.0001〜0.14%、B:0.0001〜0.0030%、Ca:0.0001〜0.0030%、REM:0.0001〜0.10%のうち1種又は2種以上
  6. 前記判定した輝度低下部分を、アレイ探触子を用いた超音波集束ビームによるタンデム探傷法であるアレイUTによるエコー高さが30%超の電縫溶接部部分の切断除去の際に、同時に切断することを特徴とする請求項に記載の拡管性に優れる油井用電縫鋼管の製造方法。
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