JP5292275B2 - 開き戸装置における開放規制装置 - Google Patents
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Description
ところで、外開き式の窓装置に設けられた開放規制装置として、躯体側部材である窓枠下部の戸先側部位に固定される躯体側固定部材と、窓体下端面の戸尻側部位に固定される窓体側固定部材と、これらのあいだを連結するベース部材とアーム部材とを用いて構成されたものが提唱されており、このものでは、窓体の開放揺動に伴い、ベース部材とアーム部材とが所定の範囲内においてスライド変位および揺動変位をすることにより窓体の開放規制をするようにしている。
一方、トイレブースを構成するような軽量なドア体は、例えばMDFボード(中密度繊維板)等の比較的強度の低い材質を用いて形成されることがあり、このものに前記従来のような開放規制装置を設けた場合では、ドア体のドア厚方向の端面にプレート状のドア体側固定部材が螺子止め等により固定されることになるが、ドア体の強度が比較的低く固定部における螺着力を大きく確保することができない。このため、ドア体が強く開放されるような衝撃的な大きな負荷(力)が作用したときに、前記ドア体側の固定部に作用する負荷がドア体の端面に集中して、螺子が外れてドア体側固定部材が脱落してしまう惧れがあるばかりでなく、前記ドア体の端面が破損して、再度開放規制装置を取り付けることができないような惧れもあり、このような構成の開放規制装置を軽量なドア体に採用することには問題がある。そこで、ドア体側固定部材をプレート状のものから断面コ字状に折曲したものに構成し、前記ドア体への負荷をドア体のドア厚方向の端面だけでなく、ドア体の表裏面にも分散して受けることができるように構成することが考えられる。しかるに、このようにしたものでは、板厚の異なる複数の仕様のドア体を設ける場合に、各ドア体の板厚に対応する複数の仕様のドア体側固定部材を用意しなければならないという問題が生じ、ここに本発明の解決すべき課題がある。
請求項2の発明において、一対のL字部材のうち少なくとも一方のL字部材は、第一、第二脚片が異なる長さに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の開き戸装置における開放規制装置である。
請求項3の発明において、ドア体上端面において上側に積層するL字部材は、外側面に、ドア体への固定部と、作動ピンの固定部とを位置決めするライン状の浅溝がドア体の幅方向に所定間隙を存して形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の開き戸装置における開放規制装置である。
請求項2の発明とすることにより、さらなる部材の兼用化を図ることができる。
請求項3の発明とすることにより、ドア体側固定部材の取付け作業の作業性を向上できる。
図面において、1は広い空間に左右方向に並列して設けられる複数のトイレブースのうち左側端に位置するトイレブースであって、該トイレブース1の出入り口側の部位は、躯体側に固定される上下の金属製のフレーム体2、3(躯体側部材)に支持される左右のパネル体1a、1b(MDFボード製)により、通路とトイレブース1との間が仕切られるように構成されている。そして、これらパネル体1a、1bと上フレーム体2により囲繞される空間が、トイレブース1への出入り口部H(開口部)を構成している。
尚、4cはドア体4を開閉操作するときの把手である。
前記開放規制装置Sを構成する躯体側固定部材5は、金属製の四角形状のプレート板で構成されており、全閉姿勢のドア体4に対向する上フレーム体2下面の戸尻側部位に、一対の螺子5aを用いて一体的に固定されている。そして、躯体側固定部材5の一対の螺子5aの左右方向中間部(ドア体4の幅(以後、ドア幅)方向中間部)には、下方に突出する連結ピン6の上端部が固定支持されて、連結ピン6の下方部位が下方に向けて突出配設されている。
7は躯体側固定部材5に連結されるアーム体であって、該アーム体7は、ドア体4のドア厚よりも幅狭な板幅を有した長尺状の金属製プレート板で構成されている。そして、アーム体7の長尺方向一端部(戸尻側部位)には板厚方向に貫通する貫通孔7aが形成されており、該貫通孔7aを、躯体側固定部材5から突出する連結ピン6に遊嵌させ、連結ピン6の下端部にストッパ片6aを嵌着することにより、アーム体7が連結ピン6から抜止めされる状態で躯体側固定部材5に枢支連結されている。これによって、アーム体7は、板面がドア体4の上端面に沿う状態で連結ピン6を枢軸としてドア体4の開閉方向(室内外方向)への回転揺動が自在となるように構成されている。さらに、前記アーム体7の長尺方向他端部(戸先側部)には、長尺方向に長く、板厚方向に貫通する長孔7bが開設されている。
さらに、外側第二脚片10bの上面には、ドア厚方向に長い四本の第一、第二、第三、第四位置決め溝10e、10f、10g、10hが、それぞれドア幅方向に所定間隙を存して浅溝状に形成されている。そして、ドア幅方向両端部の第一、第四位置決め溝10e、10hのドア厚方向適宜位置において、一対のドア体固定用螺子11を螺入することによりドア体側固定部材8がドア体上端面4dに螺着されるが、このとき、第一、第四位置決め溝10e、10hにおいてドア体固定用螺子11を螺入することにより、これらドア体固定用螺子11の螺着位置が位置決めされて、ドア体4に対してバランスよく固定することができるように構成されている。
ここで、外側L字部材10の第二脚片10bに形成される第一、第二、第三、第四位置決め溝10e、10f、10g、10hは、ドア体固定用螺子11や作動ピン固定用螺子13を位置決め状に螺合することができるばかりでなく、外側第二脚片10bの板厚を薄くすることができるので、これら螺子11、13の螺入作業(螺合作業)が容易になって作業性が向上するという利点がある。しかも、工具を用いて螺子11、13を螺入する際に、工具の強い回転力が作用しても螺子11、13の螺入位置がずれてしまうようなことがなく、正確な位置決め状態で螺入できるという利点もある。
そして、ドア体4が強い力で開放されたような場合に、作動ピン12がアーム体7の長孔7bの先端縁部に強く押し付けられて、ドア体側固定部材8にも大きな負荷が作用するが、該負荷は、ドア体上端面4dに当接する内外側第二脚片9b、10bだけでなく、ドア体内外面4c、4eに当接する内外側第一脚片9a、10a側にも作用することになって、負荷がドア体上端面4dに集中することがなく、ドア体固定用螺子11が脱落したり、ドア体上端面4dが破損するようなことを防止できるように構成されている。
前記第二の実施の形態のドア体側固定部材14を構成する一対のL字部材は、それぞれ内外側L字部材15、16として構成され、ドア体4の内外面4c、4eに突当てられる内外側第一脚片15a、16aと、ドア体4の上端面4dに突当てられる内外側第二脚片15b、16bを備えて構成されていることは前記第一の実施の形態と同様である。そして、このものでは、外側L字部材16をドア体外面4eと上端面4dとに突当てる状態で組込み、次いで内側L字部材15をドア体内面4cと外側第二脚片16bの上面に突当てて積層する状態で組込むように構成されている。前記外側L字部材16の板厚は内側L字部材15の板厚の略二倍に形成され、外側L字部材16のドア幅方向長さが内側L字部材15のドア幅方向長さよりも長く形成されている。そして、外側第二脚片16bは、上側に内側第二脚片15bを積層したとき内外側第二脚片15b、16bの上面が面一状となるように凹部16cが形成されている。
このように構成された内外側L字部材15、16において、上側に積層される内側L字部材15の第一、第二脚片15a、15bの外面に、浅溝状の第一、第二、第三、第四位置決め溝15c、15d、15e、15fが形成されており、これら位置決め溝15c、15d、15e、15fを基準としてドア体固定用螺子11と図示しない作動ピン固定用螺子とを螺入することにより、これらの螺着位置をドア幅方向に位置決めできてバランスの良い固定状態とすることができるように構成されている。
さらに、このものでも、内側L字部材15の第一、第二脚片15a、15bを異なる長さに形成し、第一、第二脚片15a、15bを逆転してドア体4に組込むことにより、図7(A)、(B)、(C)に示すように、複数のドア厚の異なるドア体のドア体側固定部材14とすることができ、部材の兼用化をさらに図ることができる。
2 上フレーム体
4 ドア体
4c 内面
4d 上端面
4e 外面
5 躯体側固定部材
6 連結ピン
7 アーム体
7b 長孔
8 ドア体側固定部材
9 内側L字部材
9a 内側第一脚片
9b 内側第二脚片
10 外側L字部材
10e 第一位置決め溝
11 ドア体固定用螺子
12 作動ピン
13 作動ピン固定用螺子
Claims (3)
- 躯体開口部を開閉揺動するドア体からなる開き戸装置において、ドア体が所定の開放位置を越えて開放揺動するのを規制する開放規制装置を、躯体側部材の戸尻側部位に固定される躯体側固定部材と、基端部が躯体側固定部材に枢支連結される長尺状のアーム体と、アーム体の長尺方向先端側部位に開設された長孔に上端部が移動自在に貫通する作動ピンと、ドア体上端部の戸尻側部位に固定され、前記作動ピンの下端部が固定されるドア体側固定部材とを備えて構成するにあたり、前記ドア体側固定部材を、第一、第二脚片を備えた一対のL字部材で構成し、一方の脚片同士をドア体上部の内外面に突当て、他方の脚片同士をドア体上端面において上下方向に積層してドア体に固定する構成としたことを特徴とする開き戸装置における開放規制装置。
- 一対のL字部材のうち少なくとも一方のL字部材は、第一、第二脚片が異なる長さに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の開き戸装置における開放規制装置。
- ドア体上端面において上側に積層するL字部材は、外側面に、ドア体への固定部と、作動ピンの固定部とを位置決めするライン状の浅溝がドア体の幅方向に所定間隙を存して形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の開き戸装置における開放規制装置。
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