JP5291684B2 - 成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、エポキシ樹脂、硬化剤及びシリカを含む樹脂組成物、並びに該樹脂組成物を用いた成形体に関する。
従来、積層板及びプリント配線板等の電子部品を形成するために、様々な樹脂組成物が用いられている。
上記樹脂組成物の一例として、下記の特許文献1には、エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤と、フェノキシ樹脂と、平均粒子径が0.01〜2μmである無機充填剤とを含む樹脂組成物が開示されている。さらに、ここでは、エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤と、平均粒子径が0.1〜10μmである無機充填剤とを含む樹脂組成物も開示されている。
特許文献1では、2層の積層構造を有する多層フィルムの各層が、上述の異なる2種類の樹脂組成物を用いて形成されている。この多層フィルムは、基板に設けられた隙間などに良好に埋め込まれることが記載されている。
下記の特許文献2には、複素環基を有する化合物と、エポキシ樹脂と、活性エステル化合物とを含む樹脂組成物が開示されている。この樹脂組成物には、フィラーを添加できる。ここでは、吸水率が低く、誘電特性に優れており、かつ耐熱性及び寸法安定性が高い硬化物を得ることができることが記載されている。
特開2008−302677号公報 特開2006−028498号公報
特許文献1では、2種類の樹脂組成物を用意し、多層フィルムを作製しているため、多層フィルムの作製に手間がかかり、コストが高くつくという問題がある。
特許文献2に記載の樹脂組成物では、該樹脂組成物が穴又は凹凸を表面に有する基板上などに塗布されたときに、穴埋め性又は凹凸追従性が低く、樹脂組成物の上面の平滑性が低いことがある。さらに、仮に特許文献2に記載の樹脂組成物をシート状に成形して、成形体を得た場合にも、得られた成形体の穴埋め性又は凹凸追従性が低く、樹脂組成物の上面の平滑性が低いことがある。
本発明の目的は、穴又は凹凸を表面に有する部材に積層された場合に、表面の平滑性を高めることができる成形体を得ることを可能とする樹脂組成物、並びに該樹脂組成物を用いた成形体を提供することである。
本発明の広い局面によれば、エポキシ樹脂と、活性エステル化合物と、平均粒子径が0.1μm以上、10μm以下の第1のシリカと、平均粒子径が1nm以上、100nm未満の第2のシリカとを含み、上記第1のシリカ100重量部に対する上記第2のシリカの含有量が0.6〜30重量部である、樹脂組成物が提供される。
本発明に係る樹脂組成物のある特定の局面では、樹脂組成物100重量%(樹脂組成物が溶剤を含む場合には溶剤を除く)中、上記第1,第2のシリカの合計の含有量は25〜80重量%であり、樹脂組成物に含まれている樹脂成分の合計100重量部に対して、上記第2のシリカの含有量は0.45〜24.5重量部である。
本発明に係る樹脂組成物の他の特定の局面では、樹脂組成物100重量%(樹脂組成物が溶剤を含む場合には溶剤を除く)中、上記第1,第2のシリカの合計の含有量は45〜75重量%である。
本発明に係る樹脂組成物のさらに他の特定の局面では、樹脂組成物に含まれている樹脂成分の合計100重量部に対して、上記第2のシリカの含有量は4〜18重量部である。
本発明に係る樹脂組成物の他の特定の局面では、上記第1のシリカ100重量部に対して、上記第2のシリカの含有量は0.8〜30重量部である。
本発明に係る樹脂組成物のさらに他の特定の局面では、上記第1のシリカ100重量部に対して、上記第2のシリカの含有量は2〜15重量部である。
本発明に係る樹脂組成物の他の特定の局面では、上記第1のシリカ100重量部に対して、上記第2のシリカの含有量は3〜15重量部である。
上記第1,第2のシリカは、シランカップリング剤により処理されていることが好ましい。上記第1,第2のシリカの内の少なくとも一方は、エポキシシランカップリング剤により処理されていることが好ましい。
本発明に係る成形体は、本発明に従って構成された樹脂組成物がシート状に成形された成形体である。
本発明に係る成形体のある特定の局面では、成形体の厚さは5〜100μmである。
本発明に係る樹脂組成物は、エポキシ樹脂、活性エステル化合物、平均粒子径が0.1μm以上10μm以下の第1のシリカ、及び平均粒子径が1nm以上100nm未満の第2のシリカを含むので、更に第1のシリカ100重量部に対する第2のシリカの含有量が0.6〜30重量部であるので、穴又は凹凸を表面に有する部材に積層された場合に、表面の平滑性を高めることができるシート状の成形体を得ることができる。
以下、本発明の詳細を説明する。
(樹脂組成物)
本発明に係る樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、活性エステル化合物と、平均粒子径が0.1μm以上10μm以下の第1のシリカと、平均粒子径が1nm以上100nm未満の第2のシリカとを含む。本発明に係る樹脂組成物では、第1のシリカ100重量部に対する第2のシリカの含有量が0.6〜30重量部である。
本発明に係る樹脂組成物は上記組成を有するので、樹脂組成物及び樹脂組成物をシート状に成形した成形体が、穴又は凹凸を表面に有する部材に積層された場合に、樹脂組成物又は成形体の表面の平滑性を高めることができる。また、本発明に係る樹脂組成物は上記組成を有するので、形状追従性に優れており、樹脂組成物及び樹脂組成物をシート状に成形した成形体の穴埋め性又は凹凸追従性を高めることができる。例えば、ビアホールもしくはスルーホール等の穴を表面に有する部材、又は配線回路等により凹凸を表面に有する部材に樹脂組成物又は成形体が積層された場合に、穴又は凹部に樹脂組成物又は成形体を充分に埋め込ませることができ、更に樹脂組成物又は成形体の表面の平滑性を高めることができる。さらに、樹脂組成物及び成形体の保存安定性を高めることもできる。
第2のシリカの平均粒子径が1nm以上であると、シリカの2次凝集がそれほど多く生じないため、樹脂組成物又は成形体の埋め込み性を高めることができる。第2のシリカの平均粒子径が100nm未満であると、樹脂組成物又は成形体の埋め込み性を高めることができ、更に樹脂組成物又は成形体の表面の平滑性を高めることができる。第2のシリカの平均粒子径は、より好ましくは、3nm以上であり、50nm未満である。第2のシリカの平均粒子径は、更に好ましくは、25nm未満である。
第1のシリカの平均粒子径が0.1μm以上であると、樹脂組成物又は成形体の埋め込み性を高めることができる。第1のシリカの平均粒子径が10μm以下であると、樹脂組成物又は成形体の表面の平滑性を高めることができる。第1のシリカの平均粒子径は、好ましくは、0.3μm以上であり、5μm未満である。
第1のシリカ100重量部に対する第2のシリカの含有量は0.6〜30重量部である。第2のシリカの含有量が0.6重量部以上であると、樹脂組成物又は成形体の埋め込み性を高めることができ、更に樹脂組成物又は成形体の表面の平滑性を高めることができる。第2のシリカの含有量が30重量部以下であると、配線パターンへの埋め込み性、ビアホールもしくはスルーホール等の穴への充填性を高めることができる。また、樹脂組成物の保存安定性を向上させることができる。第1のシリカ100重量部に対する第2のシリカの含有量の好ましい下限は0.8重量部、より好ましい下限は1重量部、更に好ましい下限は2重量部、特に好ましい下限は2.5重量部、最も好ましい下限は3重量部、好ましい上限は25重量部、より好ましい上限は20重量部、更に好ましい上限は15重量部、最も好ましい上限は12重量部である。
上記第1のシリカ100重量部に対して、上記第2のシリカの含有量は0.8〜30重量部であることが好ましい。また、樹脂組成物又は成形体の埋め込み性及び表面の平滑性をより一層高める観点からは、上記第1のシリカ100重量部に対して、上記第2のシリカの含有量は2〜15重量部であることがより好ましく、3〜15重量部であることが更に好ましい。
樹脂組成物に含まれている樹脂成分の合計100重量部に対して、上記第2のシリカの含有量は0.45〜30重量部であることが好ましい。上記第2のシリカの含有量が0.45重量部以上であると、樹脂組成物又は成形体の埋め込み性をより一層高めることができ、更に樹脂組成物又は成形体の表面の平滑性をより一層高めることができる。上記第2のシリカの含有量が30重量部以下であると、ビアホールもしくはスルーホール等の穴への充填性や配線パターンへの埋め込み性をより一層高めることができる。また、樹脂組成物又は成形体の保存安定性をより一層向上させることができる。樹脂組成物に含まれている樹脂成分の合計100重量部に対して、上記第2のシリカの含有量のより好ましい下限は0.6重量部、更に好ましい下限は1重量部、更に好ましい下限は1.5重量部、最も好ましい下限は4重量部、より好ましい上限は24.5重量部、更に好ましい上限は18重量部、最も好ましい上限は13重量部である。
なお、上記樹脂成分には、エポキシ樹脂及び活性エステル化合物と、必要に応じて配合される他の樹脂成分とが含まれる。上記樹脂成分には、硬化促進剤が含まれる。上記樹脂成分には、第1,第2のシリカは含まれない。樹脂組成物が溶剤を含む場合には、上記樹脂成分には、溶剤は含まれない。
[エポキシ樹脂]
上記エポキシ樹脂は、少なくとも1つのエポキシ基を有する有機化合物をいう。上記エポキシ樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記エポキシ樹脂は特に限定されない。該エポキシ樹脂として、従来公知のエポキシ樹脂を用いることができる。上記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリアジン骨格含有エポキシ樹脂及びアントラセン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
[硬化剤]
本発明に係る樹脂組成物は、硬化剤として活性エステル化合物を含む。
上記活性エステル化合物は、エステル基を2個以上有することが好ましく、エステル基を3個以上有することがより好ましい。上記活性エステル化合物は、例えば、特開2002−12650号公報及び特開2004−169021号公報等に記載されている。上記活性エステル化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記活性エステル化合物は、従来公知の方法により得ることができる。上記活性エステル化合物は、例えば、分子内に2個以上のエステル結合を有するカルボン酸と、芳香族ヒドロキシ化合物とを用いて、ショッテン・バウマン反応により得ることができる。上記分子内に2個以上のエステル結合を有するカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸及び安息香酸等が挙げられる。上記芳香族ヒドロキシ化合物としては、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
上記活性エステル化合物の具体例としては、ジ(α−ナフチル)イソフタレート等が挙げられる。上記活性エステル化合物の市販品としては、DIC社製「EXB−9451」、「EXB−9451−65T」、「EXB−9460S」、及び「EXB−9460S−65T」等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂100重量部に対して、上記活性エステル化合物の含有量は50〜300重量部の範囲内であることが好ましい。上記活性エステル化合物の含有量が50重量部以上であると、樹脂組成物の硬化物の誘電特性を高めることができる。
本発明に係る樹脂組成物は、上記活性エステル化合物に加えて、該活性エステル化合物以外の他の硬化剤を含んでいてもよい。上記他の硬化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記他の硬化剤としては、フェノール化合物、アミン化合物、酸無水物及びジシアンジアミド等が挙げられる。
[硬化促進剤]
樹脂組成物及び成形体を均一に硬化させる観点からは、本発明に係る樹脂組成物は、硬化促進剤を含むことが好ましい。該硬化促進剤は特に限定されない。上記硬化促進剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
樹脂組成物及び成形体をより一層均一に硬化させる観点からは、樹脂組成物は、上記硬化促進剤としてイミダゾール化合物を含むことが好ましく、上記硬化促進剤は、イミダゾール化合物であることが好ましい。
上記イミダゾール化合物の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、及び2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
さらに、樹脂組成物及び成形体の表面の平滑性をより一層高める観点、並びに樹脂組成物及び成形体の硬化物の表面の表面粗さをより一層小さくする観点からは、樹脂組成物は、上記硬化促進剤としてN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP)を含むことが好ましく、上記硬化促進剤は、N,N−ジメチル−4−アミノピリジンであることが好ましい。
本発明者らは、樹脂組成物が、上記各成分に加えて、硬化促進剤としてN,N−ジメチル−4−アミノピリジンを含むことにより、樹脂組成物及び成形体が、穴又は凹凸を表面に有する部材に積層された場合に、樹脂組成物又は成形体の表面の平滑性をより一層高めることができ、更に樹脂組成物及び成形体の硬化物の表面の表面粗さをより一層小さくすることができることを見出した。特に、N,N−ジメチル−4−アミノピリジンの使用により、硬化物の表面の算術平均粗さRaを小さくすることができる。
上記活性エステル化合物100重量部に対して、上記硬化促進剤の含有量は0.01〜2重量部の範囲内であることが好ましい。上記硬化促進剤の含有量が0.01重量部以上であると、樹脂組成物及び成形体をより一層均一に硬化させることができる。上記硬化促進剤の含有量が2重量部以下であると、保管時に樹脂組成物及び成形体の硬化が過度に進まず、樹脂組成物及び成形体の保存安定性を高めることができる。
また、上記活性エステル化合物100重量部に対して、上記N,N−ジメチル−4−アミノピリジンの含有量は0.01〜2重量部の範囲内であることが好ましい。上記N,N−ジメチル−4−アミノピリジンの含有量が上記範囲内であると、樹脂組成物又は成形体の表面の平滑性及び樹脂組成物及び成形体の硬化物の表面の表面粗さをより一層小さくすることができる。
本発明に係る樹脂組成物は、上記イミダゾール化合物及びN,N−ジメチル−4−アミノピリジン以外の他の硬化促進剤を含んでいてもよい。該他の硬化促進剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
[充填剤]
本発明に係る樹脂組成物は、充填剤として、平均粒子径が0.1μm以上10μm以下の第1のシリカと、平均粒子径が1nm以上100nm未満の第2のシリカとを含む。
平均粒子径が比較的大きい上記特定の第1のシリカと、平均粒子径が比較的小さい上記特定の第2のシリカとを組み合わせて、エポキシ樹脂と活性エステル化合物とともに用いることにより、穴又は凹凸を表面に有する部材に積層された場合に、樹脂組成物の表面の平滑性を高めることができる。また、樹脂組成物及び成形体の穴埋め性又は凹凸追従性を高めることができる。例えば、ビアホールもしくはスルーホール等の穴を表面に有する部材、又は配線回路等により凹凸を表面に有する部材に樹脂組成物又は成形体が積層された場合に、穴又は凹部に樹脂組成物又は成形体を充分に埋め込ませることができる。
上記第1,第2のシリカの平均粒子径として、50%となるメディアン径(d50)の値が採用される。上記平均粒子径は、レーザー回折散乱方式の粒度分布測定装置を用いて測定できる。
樹脂組成物における第1,第2のシリカの分散性を高めることによって、穴埋め性又は凹凸追従性をより一層高める観点からは、第1,第2のシリカはそれぞれ、カップリング剤により処理されていることが好ましい。上記カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤及びアルミニウムカップリング剤等が挙げられる。
樹脂組成物における第1,第2のシリカの分散性をより一層高める観点からは、上記カップリング剤は、シランカップリング剤であることが好ましい。上記シランカップリング剤としては、アミノシラン、イミダゾールシラン及びエポキシシラン等が挙げられる。さらに、上記シランカップリング剤として、ビニルシラン、フェニルアミノシラン及びヘキサメチルジシラザン等も挙げられる。ビニルシラン、フェニルアミノシラン又はヘキサメチルジシラザンを用いることで、第1,第2のシリカの分散性がよくなり、表面平滑性及び埋込性により一層優れた成形体を得ることが可能な樹脂組成物が得られる。樹脂組成物における第1,第2のシリカの分散性をさらに一層高める観点からは、上記第1,第2のシリカの内の少なくとも一方は、エポキシシランカップリング剤により処理されていることが好ましく、第1のシリカがエポキシシランカップリング剤により処理されていることがより好ましい。該エポキシシランカップリング剤は、エポキシ基を有するシランカップリング剤であり、例えば、エポキシシランである。エポキシシランを用いた場合は、樹脂組成物の硬化物及び成形体の硬化物の破断強度が、他のシランカップリング剤を用いた場合と比較して大きくなる。
樹脂組成物又は成形体の表面の平滑性、並びに穴埋め性又は凹凸追従性をより一層高める観点からは、樹脂組成物100重量%(樹脂組成物が溶剤を含む場合には溶剤を除く)中、第1,第2のシリカの合計の含有量は25〜80重量%の範囲内であることが好ましい。樹脂組成物100重量%(樹脂組成物が溶剤を含む場合には溶剤を除く)中、第1,第2のシリカの合計の含有量のより好ましい下限は35重量%、更に好ましい下限は45重量%、より好ましい上限は75重量%、更に好ましい上限は65重量%である。
(他の成分)
耐衝撃性、耐熱性、樹脂の相溶性及び作業性等の改善を目的として、樹脂組成物には、着色剤、酸化防止剤、紫外線劣化防止剤、消泡剤、増粘剤、揺変性付与剤及び上記エポキシ樹脂以外の他の樹脂等を添加してもよい。
上記他の樹脂としては、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチラール樹脂、ジビニルベンジルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ベンゾオキサゾール樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネート樹脂及びアクリレート樹脂等が挙げられる。
本発明に係る樹脂組成物は、溶剤を含んでいてもよい。上記溶剤としては、アセトン、メタノール、エタノール、ブタノール、2−プロパノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−アセトキシ−1−メトキシプロパン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、N−メチル−ピロリドン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン及び混合物であるナフサ等が挙げられる。上記溶剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
溶剤を含む樹脂組成物はワニスとして用いることができる。用途に応じて溶剤の含有量を調整することにより、ワニスの粘度を調整できる。上記樹脂組成物の固形分100重量部に対して、上記溶剤の含有量は、10〜1000重量部の範囲内であることが好ましい。
(成形体)
本発明に係る樹脂組成物をシート状に成形することにより、成形体を得ることができる。
上記樹脂組成物をシート状に成形する方法は、特に限定されない。この方法としては、例えば、押出機を用いて、上記樹脂組成物を溶融混練し、押出した後、Tダイ又はサーキュラーダイ等により、シート状に成形する押出成形法、溶剤を含む樹脂組成物をキャスティングしてシート状に成形するキャスティング成形法、又は従来公知のその他のシート成形法等が挙げられる。なかでも、薄型化を進めることができるので、押出成形法又はキャスティング成形法が好ましい。
成形体の取扱い性を高めたり、適度な厚みの硬化物層を形成したりする観点からは、成形体の厚みは5〜100μmの範囲内であることが好ましい。
(樹脂組成物及び成形体の硬化物)
金属層が形成される硬化物の表面に微細な凹凸を形成するために、上記樹脂組成物又は上記成形体を予備硬化させ、半硬化した硬化物を得てもよい。適度に予備硬化させるためには、上記樹脂組成物又は上記成形体を130〜190℃で30分以上加熱し、硬化させることが好ましい。
予備硬化温度が130℃よりも低いと、樹脂組成物及び成形体が充分に硬化されないため、粗化処理後の硬化物の表面の凹凸が大きくなる。予備硬化温度が190℃よりも高いと、樹脂組成物及び成形体の硬化反応が急速に進行しやすい。このため、硬化度が部分的に異なりやすく、粗い部分と密な部分とが形成されやすい。その結果、粗化処理後の硬化物の表面の凹凸が大きくなる。予備硬化時間が30分よりも短いと、樹脂組成物及び成形体が充分に硬化されないため、粗化処理後の硬化物の表面の凹凸が大きくなる。生産性を高めることができるので、予備硬化時間は、1時間以下であることが好ましい。
得られた硬化物の表面に微細な凹凸を形成するために、硬化物が粗化処理される。該粗化処理される前に、硬化物は膨潤処理されることが好ましい。ただし、硬化物は、必ずしも膨潤処理されなくてもよい。
上記膨潤処理方法としては、例えば、エチレングリコールなどを主成分とする化合物の水溶液又は有機溶媒分散溶液などにより、硬化物を処理する方法が用いられる。具体的には、上記膨潤処理は、40重量%エチレングリコール水溶液等を用いて、処理温度30〜85℃で1〜20分間、硬化物を処理することにより行なわれる。
上記粗化処理には、例えば、マンガン化合物、クロム化合物又は過硫酸化合物などの化学酸化剤等が用いられる。これらの化学酸化剤は、水又は有機溶剤が添加された後、水溶液又は有機溶媒分散溶液として用いられる。
上記マンガン化合物としては、過マンガン酸カリウム又は過マンガン酸ナトリウム等が挙げられる。上記クロム化合物としては、重クロム酸カリウム又は無水クロム酸カリウム等が挙げられる。上記過硫酸化合物としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム又は過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
上記粗化処理方法は特に限定されない。上記粗化処理方法として、例えば、30〜90g/L過マンガン酸又は過マンガン酸塩溶液及び30〜90g/L水酸化ナトリウム溶液を用いて、処理温度30〜85℃及び1〜10分間の条件で、1回又は2回、硬化物を処理する方法が好適である。粗化処理の回数が多いと粗化効果も大きい。しかしながら、粗化処理の回数が3回を超えると、粗化効果が飽和することがあり、又は硬化物の表面の樹脂成分が必要以上に削られて、硬化物の表面にシリカ成分が脱離した形状の孔が形成されにくくなる。
(樹脂組成物及び成形体の用途)
本発明に係る樹脂組成物及び成形体の用途は、特に限定されない。上記樹脂組成物は、例えば、多層基板のコア層又はビルドアップ層等を形成する基板用材料、接着シート、積層板、樹脂付き銅箔、銅張積層板、TAB用テープ、プリント基板、プリプレグ又はワニス等に好適に用いられる。
本発明に係る樹脂組成物及び成形体は、例えば、多層プリント基板、部品内蔵型プリント基板などにおいて、凹凸パターン、スルーホール又はビアホールを表面に有する基板用材料に加熱及び加圧して塗布又はラミネートするために用いることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されない。
実施例及び比較例では、以下に示す材料を用いた。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン社製「エピコート154」)
エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、日本化薬社製「RE−410S」)
(硬化剤)
活性エステル化合物溶液(DIC社製「EXB−9460S−65T」、活性エステル化合物(固形分)65重量%、トルエン35重量%)
(硬化促進剤)
イミダゾール化合物(2−フェニル−4−メチルイミダゾール、四国化成社製「2P4MZ」)
イミダゾール化合物(2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、四国化成社製「2P4MHZ−PW」)
DMAP(N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、和光純薬社製)
(シリカ成分)
第1のシリカ含有スラリーA:
第1のシリカ(シリカ(アドマテックス社製「SC2050−MTF」、平均粒子径0.5μm)が、エポキシシラン(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業社製「KBM−403」)により、シリカ100重量%に対してエポキシシラン1.5重量部で表面処理されたもの)を含む第1のシリカ含有スラリー
第1のシリカ含有スラリーB:
第1のシリカ(シリカ(アドマテックス社製「SC2050−MTF」、平均粒子径0.5μm))を含む第1のシリカ含有スラリー
第1のシリカ含有スラリーC:
第1のシリカ(シリカ(アドマテックス社製「SC2050−MTF」、平均粒子径0.5μm)が、ビニルシラン(ビニルトリメトキシシラン、信越化学工業社製「KBM−1003」)により、シリカ100重量%に対してビニルシラン1.5重量部で表面処理されたもの)を含む第1のシリカ含有スラリー
第1のシリカ含有スラリーD:
第1のシリカ(シリカ(アドマテックス社製「SC2050−MTF」、平均粒子径0.5μm)が、フェニルアミノシラン(N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業社製「KBM−573」)により、シリカ100重量%に対してエポキシシラン1.5重量部で表面処理されたもの)を含む第1のシリカ含有スラリー
第1のシリカ含有スラリーE:
第1のシリカ(シリカ(アドマテックス社製「SC2050−MTF」、平均粒子径0.5μm)が、アミノシラン(3−アミノプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業社製「KBM−903」)により、シリカ100重量%に対してエポキシシラン1.5重量部で表面処理されたもの)を含む第1のシリカ含有スラリー
第2のシリカ(シリカ(アドマテックス社製「SX007−MDF」、平均粒子径0.01μm)が、フェニルシラン(フェニルトリメトキシシラン、信越化学工業社製「KBM−103」)により、シリカ100重量部に対してフェニルシラン1.5重量部で表面処理されたものを含む第2のシリカ含有スラリー
(溶剤)
メチルエチルケトン(三協化学社製)
(実施例1)
メチルエチルケトン50重量部に、エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン社製「エピコート154」)15.00重量部と、第1のシリカ含有スラリーを固形分で47.50重量部と、第2のシリカ含有スラリーを固形分で2.50重量部とを加え、撹拌機を用いて1200rpmで1時間撹拌した。
次に、活性エステル化合物(DIC社製「EXB−9460S−65T」)を固形分で34.70重量部をさらに加え、撹拌機を用いて1200rpmで90分間撹拌した。
その後、イミダゾール化合物(2−フェニル−4−メチルイミダゾール、四国化成社製「2P4MZ」)0.30重量部をさらに加え、撹拌機を用いて1200rpmで10分間撹拌し、樹脂組成物を得た。
塗工機を用いて、ポリエチレンテレフタレート製フィルム上に樹脂組成物を塗工した。100℃のギアオーブン内で3分間乾燥し、溶剤を揮発させた。このようにして、PETフィルム上に厚さ50μmのシート状の成形体を得た。
(実施例2〜12及び比較例1〜5)
使用した材料の種類及び配合量を下記の表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物及び成形体を得た。
(評価)
(1)埋め込み性1
銅張り積層板(厚さ150μmのガラスエポキシ基板と厚さ25μmの銅箔との積層体)に、直径150μm及び深さ50μmの25個の穴を、直線上にかつ隣接する穴の中心の間隔が500μmになるように開けて、穴開き基板を得た。
実施例及び比較例で得られた成形体(厚さ50μm)と穴開き基板とを重ねて、名機製作所製真空加圧式ラミネーター機(型番MVLP−500)を用い、ラミネート圧0.4MPaで20秒、プレス圧力0.8MPaで20秒、ラミネート及びプレスの温度90℃で加熱加圧した。常温で冷却した後、ポリエチレンテレフタレート製フィルムを剥離した。このようにして、穴開き基板上に成形体が積層されている積層体を得た。
得られた積層体において、穴開き基板の穴がない部分に対応する成形体部分を標準として、穴開き基板の穴がある部分に対応する成形体部分の上面の凹みの程度を測定した。なお、凹凸の計測は、表面粗さ計(商品名「SJ−301」、ミツトヨ社製)により行った。
穴開き基板の穴がある部分に対応する成形体部分25箇所中、凹みが無い箇所と、凹みがあるものの、穴の中心線上の凹みの深さが1μm以内である箇所との合計数T1を数えて、埋め込み性1を下記の判定基準で判定した。合計数T1が多いほど、穴に対する埋め込み性が優れていることを示す。
[埋め込み性1の判定基準]
A:合計数T1が25
B:合計数T1が23〜24
C:合計数T1が20〜22
D:合計数T1が0〜19
(2)埋め込み性2
銅張り積層板(厚さ150μmのガラスエポキシ基板と厚さ25μmの銅箔との積層体)を用意した。銅箔をエッチング処理し、L/Sが50μm/50μm及び長さが1cmである銅パターンを26本作製し、凹凸基板を得た。
実施例及び比較例で得られた成形体(厚さ50μm)と凹凸基板とを重ねて、名機製作所製真空加圧式ラミネーター機(型番MVLP−500)を用い、ラミネート圧0.4MPaで20秒、プレス圧力0.8MPaで20秒、ラミネート及びプレスの温度90℃で加熱加圧した。常温で冷却した後、ポリエチレンテレフタレート製フィルムを剥離した。このようにして、凹凸基板上に成形体が積層されている積層体を得た。
得られた積層体において、凹凸基板の銅パターンがある部分に対応する成形体部分を標準として、凹凸基板の銅パターン間の銅パターンがない部分に対応する成形体部分の上面の凹みの程度を測定した。なお、凹凸の計測は、表面粗さ計(商品名「SJ−301」、ミツトヨ社製)により行った。
凹凸基板の銅パターンがない部分に対応する成形体部分25箇所中、凹みが無い箇所と、凹みがあるものの、銅パターン間の中央線上の凹みの深さが1μm以内である箇所との合計数T2を数えて、埋め込み性2を下記の判定基準で判定した。合計数T2が多いほど、凹凸に対する埋め込み性が優れていることを示す。
[埋め込み性2の判定基準]
A:合計数T2が25
B:合計数T2が23〜24
C:合計数T2が20〜22
D:合計数T2が0〜19
(3)埋め込み性3
銅張り積層板(厚さ150μmのガラスエポキシ基板と厚さ35μmの銅箔との積層体)を用意した。銅箔をエッチング処理し、L/Sが50μm/50μm及び長さが1cmである銅パターンを26本作製し、凹凸基板を得た。
実施例及び比較例で得られた成形体(厚さ50μm)と凹凸基板とを重ねて、名機製作所製真空加圧式ラミネーター機(型番MVLP−500)を用い、ラミネート圧0.4MPaで20秒、プレス圧力0.8MPaで20秒、ラミネート及びプレスの温度90℃で加熱加圧した。常温で冷却した後、ポリエチレンテレフタレート製フィルムを剥離した。このようにして、凹凸基板上に成形体が積層されている積層体を得た。
得られた積層体において、凹凸基板の銅パターンがある部分に対応する成形体部分を標準として、凹凸基板の銅パターン間の銅パターンがない部分に対応する成形体部分の上面の凹みの程度を測定した。なお、凹凸の計測は、表面粗さ計(商品名「SJ−301」、ミツトヨ社製)により行った。
凹凸基板の銅パターンがない部分に対応する成形体部分25箇所中、凹みが無い箇所と、凹みがあるものの、銅パターン間の中央線上の凹みの深さが1μm以内である箇所との合計数T3を数えて、埋め込み性3を下記の判定基準で判定した。合計数T3が多いほど、凹凸に対する埋め込み性が優れていることを示す。
[埋め込み性3の判定基準]
A:合計数T3が25
B:合計数T3が23〜24
C:合計数T3が20〜22
D:合計数T3が0〜19
(4)保存安定性
粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製「AR2000ex」)を用いて、得られた直後の成形体の80℃における粘度η*を測定した。
次に、成形体を24℃で3日間放置した。放置後の成形体の80℃における粘度η*を測定した。
得られた粘度η*の測定値から、保存安定性を下記の判定基準で判定した。
[保存安定性の判定基準]
A:得られた直後の成形体の粘度η*に対して、放置後の成形体の粘度η*の変化が5%以下
B:得られた直後の成形体の粘度η*に対して、放置後の成形体の粘度η*の変化が5%を超える
結果を下記の表1に示す。
Figure 0005291684
(実施例13及び14)
実施例13,14では、硬化促進剤として、イミダゾール化合物にかえて、DMAP(N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、和光純薬社製)を用いた。
使用した材料の種類及び配合量を下記の表2に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物及び成形体を得た。
(実施例15〜18)
使用した材料の種類及び配合量を下記の表3に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物及び成形体を得た。
(評価)
実施例13〜18で得られた成形体を用いて、上記(1)埋め込み性1、上記(2)埋め込み性2、上記埋め込み性3及び上記(4)保存安定性の評価項目について評価を実施した。さらに、実施例13〜18及び実施例6,7,比較例3,4で得られた成形体について、下記の(5)の算術平均粗さRaについても評価を実施した。さらに、実施例1、実施例15〜18で得られた成形体について、下記の(6)破断強度についても評価を実施した。
(5)算術平均粗さRa(表面粗さ)
〔樹脂シートの未硬化物の作製〕
離型処理された透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(商品名「PET5011 550」、厚み50μm、リンテック社製)を用意した。このPETフィルム上にアプリケーターを用いて、乾燥後の厚みが50μmとなるように、得られた実施例及び比較例の樹脂組成物を塗工した。次に、100℃のギアオーブン内で12分間乾燥して、200mm×200mmの面積を有する厚み50μmの樹脂シートの未硬化物を作製した。作製した樹脂シートの未硬化物を用いて、以下の半硬化体A1を有する積層体A及び半硬化体A2を作製した。
〔半硬化体A1を有する積層体Aの作製〕
ガラスエポキシ基板上に、銅厚みが25μm、パターン長が3cm、かつL/S=75μm/75μmのパターンが10本形成された回路基板を用意した。この回路基板上に、得られた樹脂シートの未硬化物を、真空ラミネートした。真空ラミネートに際し、真空ラミネータ(名機製作所社製、MVLP−500)を用いて、90℃、0.6MPa、真空40秒及び加圧40秒のラミネート条件によりラミネートした。なお、後述の真空ラミネートの際にも、同様の条件によりラミネートした。その後、樹脂シートの未硬化物を150℃で1時間予備硬化させ、樹脂シートの未硬化物が半硬化した半硬化体A1と回路基板とからなる積層体Aを得た。
その後、得られた積層体Aの半硬化体A1の表面を、下記の(a)膨潤処理をした後、下記の(b)過マンガン酸塩処理すなわち粗化処理をした。
(a)膨潤処理:
得られた積層体Aを80℃の膨潤液(スウェリングディップセキュリガントP、アトテックジャパン社製)に入れて、10分間揺動した。その後、純水で洗浄した。
(b)過マンガン酸塩処理(粗化処理):
膨潤処理された積層体Aを80℃の過マンガン酸カリウム(コンセントレートコンパクトCP、アトテックジャパン社製)粗化水溶液に入れて、10分間揺動した。その後、25℃の洗浄液(リダクションセキュリガントP、アトテックジャパン社製)により2分間洗浄し、純水でさらに洗浄した。表面が粗化処理された半硬化体A2を得た。
〔算術平均粗さRaの測定〕
非接触式の表面粗さ計(商品名「WYKO」、ビーコ社製)を用いて、表面が粗化処理されていない上記半硬化体A1と表面が粗化処理された上記半硬化体A2についてそれぞれの表面の算術平均粗さRaを測定した。算術平均粗さRaはJIS B 0601−1994に従った。
(6)破断強度
PETフィルム上の厚さ50μmのシート状の成形体を180℃のギアオーブン内で3時間硬化させた後、PETフィルムを剥離して、厚さ50μmの硬化体を得た。この硬化体を長さ100mm、幅10mmに切断し、短冊状の試験片に加工した。
引っ張り試験機(島津製作所:AGSJ−100)を用いて、JIS K7161の試験方法及びJIS K7127の試験条件に準拠して、試験片の破断強度を測定した。
結果を下記の表2〜3に示す。
Figure 0005291684
Figure 0005291684
なお、樹脂組成物にかえて該樹脂組成物をシート状に成形した成形体を用いて、上記半硬化体A1および上記半硬化体A2を作製した場合でも、実施例及び比較例における算術平均粗さRaの大きさについては、同様の傾向が見られた。

Claims (9)

  1. 多層基板のビルドアップ層を形成する基板用材料として用いられる成形体であって、
    樹脂組成物がシート状に成形された成形体であり、
    前記樹脂組成物が、エポキシ樹脂と、前記エポキシ樹脂の硬化剤である活性エステル化合物と、平均粒子径が0.1μm以上、10μm以下の第1のシリカと、平均粒子径が1nm以上、100nm未満の第2のシリカとを含み、
    前記エポキシ樹脂の硬化剤である活性エステル化合物が、分子内に2個以上のエステル結合を有するカルボン酸と、芳香族ヒドロキシ化合物との反応物であり、
    前記樹脂組成物において、前記第1のシリカ100重量部に対する前記第2のシリカの含有量が0.6〜30重量部であり、
    前記樹脂組成物において、前記樹脂組成物100重量%(前記樹脂組成物が溶剤を含む場合には溶剤を除く)中、前記第1,第2のシリカの合計の含有量が25〜80重量%であり、
    前記樹脂組成物において、前記樹脂組成物に含まれている樹脂成分の合計100重量部に対して、前記第2のシリカの含有量が0.45〜24.5重量部である、成形体
  2. 前記樹脂組成物において、前記樹脂組成物100重量%(前記樹脂組成物が溶剤を含む場合には溶剤を除く)中、前記第1,第2のシリカの合計の含有量が45〜75重量%である、請求項に記載の成形体
  3. 前記樹脂組成物において、前記樹脂組成物に含まれている樹脂成分の合計100重量部に対して、前記第2のシリカの含有量が4〜18重量部である、請求項1又は2に記載の成形体
  4. 前記樹脂組成物において、前記第1のシリカ100重量部に対して、前記第2のシリカの含有量が0.8〜30重量部である、請求項1〜のいずれか1項に記載の成形体
  5. 前記樹脂組成物において、前記第1のシリカ100重量部に対して、前記第2のシリカの含有量が2〜15重量部である、請求項に記載の成形体
  6. 前記樹脂組成物において、前記第1のシリカ100重量部に対して、前記第2のシリカの含有量が3〜15重量部である、請求項に記載の成形体
  7. 前記第1,第2のシリカが、シランカップリング剤により処理されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の成形体
  8. 前記第1,第2のシリカの内の少なくとも一方が、エポキシシランカップリング剤により処理されている、請求項に記載の成形体
  9. 厚さが5〜100μmである、請求項に記載の成形体。
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