JP5290724B2 - カーテンウォール - Google Patents
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Description
この特許文献1では、断面略L字状のガイドカバーにより屋内空間の内気を内側面体の表面に沿わせて排出させ、屋内からの低温空気の排出による空気の下降流を内側面体の表面に沿って生じさせている。これにより、低温空気の排出による下降流と、ブラインドによる太陽光の吸収熱による空気の上昇流とを中間空間内で分離して、内側面体側の温度を低く保持することを目的としている。
この発明によれば、屋内空間の内気を縦材通気手段と下部通気手段とを介して中間空間の下部に導くので、内気を確実に中間空間の下部に到達させることができ、中間空間の下部から内気を上昇させることで中間空間内を冷却できる。したがって、屋内空間の温度上昇を抑制でき、冷房負荷を低減できる。また、内気を中間空間の下部に導く構成として縦材に設けられた縦材通気手段を適用しているため、従来ある縦材を内気排出手段と中間空間の下部とに連通させるだけの簡単な構成で、前記効果を奏することができる。
さらに、本発明のカーテンウォールでは、前記内側面体は、前記縦材の下部に連結された下横材を備え、前記下部通気手段は、前記下横材の内部と前記下横材の左右方向に沿って設けられた開口部とにより構成され、前記縦材通気手段の下部と前記中間空間の下部とを連通することが好ましい。
図1は、本実施形態に係るカーテンウォール1を備える建物の外観を示す正面図である。図2は、カーテンウォール1の縦断面図であり、図1に矢視II−II線で示す断面図である。図3は、カーテンウォール1を構成するカーテンウォールユニット10の上部を拡大して示す縦断面図であり、図1に矢視III−IIIで示す断面図である。図4は、カーテンウォールユニット10の下部を拡大して示す縦断面図であり、図1に矢視IV−IVで示す断面図である。図5は、カーテンウォール1の要部を示す斜視図である。図6は、カーテンウォール1の横断面図であり、図2に矢視VI−VI線で示す断面図である。
建物の外壁面を構成するカーテンウォール1は、図1に示すように、複数のカーテンウォールユニット10を備えて構成されている。
カーテンウォールユニット10は、図2および図3にも示すように、建物の各フロアの床スラブや梁などの建物躯体に固定されたブラケット3にファスナー(支持具)2を介して支持されている。このカーテンウォールユニット10は、外側面体20と、内側面体40とを備えている。
外側面体20は、外上枠21と、外下枠22と、左右の外縦枠23とを四周枠組みした外枠体と、この外枠体の内部にはめ込まれたガラスパネル24とを備えている。
外上枠21は、図3および図4に示すように、中空状の外上枠本体21Aと、この外上枠本体21Aの屋外側に設けられてガラスパネル24の上端縁を保持するパネル保持部21Bと、外上枠本体21Aから上方に延出する水返し部21Cとを有して形成されている。そして、外上枠21の上側には、複数(本実施形態では、3本)のルーバー材26〜28が左右の外縦枠23間に架け渡されて取り付けられている。複数のルーバー材のうち、最上段のルーバー材26は、後述する内上枠41の延出片部41B先端に連続して固定されている。そして、上から二段目のルーバー材27は、最上段のルーバー材26の下方に隙間を介して設けられ、三段目のルーバー材28は、二段目のルーバー材27の下方に隙間を介しかつ外上枠21の上方に隙間を介して設けられている。
内上枠41は、全体略矩形中空状に形成される内上枠本体41Aと、この内上枠本体41Aから屋外側に延出する延出片部41Bとを有して形成されている。
内下枠42は、障子支持部42B全体略矩形中空状の内下枠本体42Aと、この内下枠本体42Aの上側に設けられて屋内障子46の下端を支持する全体略矩形中空状の下横材としての障子支持部42Bと、内下枠本体42Aの屋外側に設けられてガラスパネル24の下端を保持するパネル保持部材42Cと、内下枠本体42Aとパネル保持部材42Cとを連結する連結部材42Dとを有して構成されている。そして、内上枠本体41Aの上面と内下枠本体42Aの下面との間には、それぞれ一方から他方に向かって突出する水密材41Dが設けられ、この水密材41Dによって水密性が得られるようになっている。また、障子支持部42Bの屋外側の面には、図5に示すように、左右方向に沿って並んだ複数の開口部としてのスリット42Eが設けられている。
また、縦材43Aには、屋内障子46を室内側に向かって開閉自在に支持するヒンジ43Cが設けられている。縦枠延出片43Bの先端には、外下枠22が取り付けられており、ガラスパネル24が固定されている。そして、屋内障子46を開放することで中間空間10Aが屋内空間と連通され、屋内障子46を閉鎖することで中間空間10Aが屋内および屋外空間と遮断されるようになっている。つまり、カーテンウォールユニット10は、ガラスパネル24と屋内障子46との間に中間空間10Aを有したダブルスキンタイプのカーテンウォールユニットである。また、カーテンウォールユニット10の中間空間10Aには、中横材44に吊り下げ支持された遮光手段としての遮光ブラインド10Bが上下開閉可能に設けられている。
また、縦材43Aの上部および下部には、縦材43Aの内部と外部とを連通する略四角形状の縦上開口部43Dおよび縦下開口部43Eが設けられている。そして、縦材43Aには、縦上開口部43Dを囲むように中横材44の後述する中横材本体44Aが取り付けられるとともに、縦下開口部43Eを囲むように障子支持部42Bが取り付けられる。
中横材本体44Aは、左右方向に延びる状態で縦上開口部43Dを囲むように縦材43Aに固定される。この中横材本体44Aの屋外側の面には、遮光ブラインド10Bを保持するブラインド保持部44C(図5では図示せず)が屋外側に延びるように設けられている。また、中横材本体44Aの室内側の面における左右方向端部から所定距離離れた位置は、中横材本体44Aの内部と外部とを連通する略円形状の中横材開口部44Dが設けられており、この中横材開口部44Dを覆うように筒部材としてのフレキシブルダクト51が取り付けられている。このフレキシブルダクト51は、天井50の上に設けられたチャンバーボックス52およびダクト53を介して、図示しない内気排出部に連結されている。そして、内気排出部で取り込まれた室内空間の内気は、ダクト53、チャンバーボックス52、フレキシブルダクト51を介して、中横材本体44A内に導かれる。
障子上端塞ぎ部44Bは、中横材本体44Aの下側において左右方向に延びる状態で縦材43Aに固定される。そして、障子上端塞ぎ部44Bは、閉鎖されたときの屋内障子46の上端を外部から見えないように塞ぐ。
内気排出手段62は、縦上開口部43Dおよび中横材本体44Aの内部空間により構成された第1横経路62Aと、中横材開口部44D、フレキシブルダクト51、チャンバーボックス52およびダクト53の内部空間により構成された第2横経路62Bとにより構成されている。
屋外排気手段65は、延出片部41Bと水返し部21Cとの間の空間と、ルーバー材26〜28の間の空間とにより構成されている。
また、上階のカーテンウォールユニット10の底部である内下枠42位置には、内下枠本体42Aとパネル保持部材42Cとの間にて下方に開口した底部開口42Fが形成され、この底部開口42Fが中間空間10Aに連通されている。これにより屋外空間から底部開口42Fを介して中間空間10Aまで連通された外気導入手段としての外気導入口66が構成され、この外気導入口66によって、上階のカーテンウォールユニット10における中間空間10Aに外気が導入できるようになっている。
例えば、夏場の昼間において、遮光ブラインド10Bを閉じると、太陽光の進行が遮光ブラインド10Bにより妨げられるものの、日射熱が中間空間10Aにたまる。そして、この日射熱の輻射熱により屋内障子46が温められ、その結果、屋内空間も温められる。
このような状態において、屋内空間を冷房装置などにより冷却するとともに、内気排出部により屋内空間の冷やされた内気A1を排出すると、この内気A1は、図3および図5に示すように、内気排出手段62を介して縦材通気手段61に導かれる。そして、内気A1は、縦材通気手段61を介して下方に導かれた後に、下部通気手段63を介して左右方向に導かれ、スリット42Eを介して中間空間10Aの下部に、つまり屋内空間の下部に導かれる。この中間空間10Aに導かれた内気A1は、図4に示すように外気導入口66を介して導入される外気A2とともに中間空間10A内の日射熱の上昇流により、中間空間10A内を上昇して、図3に示すように屋外排気手段65から室外空間に排出される。このとき、屋内空間で冷やされている内気A1は、外気A2とともに遮光ブラインド10Bの表面を上方に移動しつつ遮光ブラインド10Bの表面を冷却し、屋内への輻射熱を軽減させる。このため、外気A2のみを中間空間10A内を上昇させる構成と比べて、中間空間10Aの除去熱量を大幅に増やすことができる。
(1)本発明のカーテンウォールは、屋外側に配置される外側面体と、この外側面体に対向して屋内側に配置される内側面体と、これら外側面体と内側面体との間に形成される中間空間と、前記内側面体を構成する縦材の内部に設けられて上下方向に延びる縦材通気手段と、この縦材通気手段の上部に連通されて屋内空間の内気を排出する内気排出手段と、前記縦材通気手段の下部と前記中間空間の下部とに連通する下部通気手段と、前記中間空間の上部にて屋外空間に連通する屋外排気手段と、を備え、前記内気排出手段で排出された内気を、前記縦材通気手段と前記下部通気手段とを介して前記中間空間の下部に導き中間空間内を上昇させて前記屋外排気手段から排出可能に構成されていればよい。
以上のカーテンウォールによれば、屋内空間の内気を縦材通気手段を介して中間空間の下部に導き中間空間内を冷却させるので、内気を確実に中間空間の下部に到達させることができる。したがって、内気を中間空間内で上昇させ日射熱を除去することで、屋内空間の温度上昇を効率的に抑制でき、冷房負荷を低減できる。また、内気を中間空間の下部に導く構成として縦材の内部空間から構成された縦材通気手段を適用しているため、従来ある縦材を内気排出手段と中間空間の下部とに連通させるだけの簡単な構成で、前記効果を奏することができる。
この発明によれば、建物のレイアウトにより筒部材の配置位置が縦材から離れた位置になった場合でも、内気排出手段を設けることが可能となる。したがって、内気を中間空間の下部に確実に導くことができ、冷房負荷を低減できる。
ここで、開口部は、左右方向に沿って複数設けられていてもよいし、左右方向に延びるスリット状のものが1つだけ設けられていてもよい。
この発明によれば、中間空間の下部における左右方向の広範囲にわたって内気を導くことができ、中間空間の略全体を冷却できる。
この発明によれば、外気を中間空間内で上昇気流にすることができ、内気を上昇気流に乗せて屋外排気手段から効率的に排気することができる。
この発明によれば、遮光手段が太陽光により温められることで、中間空間内に上昇気流を発生させることができ、内気を上昇気流に乗せて屋外排気手段から効率的に排気することができる。
また、屋内障子46を枠体の内部に固定させて設けた場合には、枠体を構成する上枠の内部空間を第1横経路としてもよいし、下枠の内部空間を下部通気手段として利用してもよい。
従って、上記に開示した形状、材質等を限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質等の限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (3)
- 屋外側に配置される外側面体と、
この外側面体に対向して屋内側に配置される内側面体と、
これら外側面体と内側面体との間に形成される中間空間と、
前記内側面体を構成する縦材の内部に設けられて上下方向に延びる縦材通気手段と、
この縦材通気手段の上部に連通されて屋内空間の内気を屋外側に向けて排出する内気排出手段と、
前記縦材通気手段の下部と前記中間空間の下部とに連通する下部通気手段と、
前記中間空間の上部にて屋外空間に連通する屋外排気手段と、を備え、
前記中間空間には、外光を遮蔽可能な遮光手段が設けられ、
前記中間空間の下部には、外気を導入する外気導入手段が設けられ、
前記内気排出手段で排出された内気を、前記縦材通気手段と前記下部通気手段とを介して前記中間空間の下部に導き、中間空間内における前記遮光手段と前記外側面体との間を前記外気導入手段を介して導入された外気とともに上昇させて、前記屋外排気手段から排出可能に構成されているカーテンウォール。 - 前記内側面体は、前記縦材に連結された横材を備え、
前記横材における前記縦材との連結部分から左右方向中央側に所定距離離れた位置には、筒部材が連結され、
前記内気排出手段は、前記横材の内部に設けられて前記縦材通気手段の上部に連通する第1横経路と、前記筒部材の内部に設けられて前記第1横経路および前記屋内空間を連通する第2横経路とから構成されている請求項1に記載のカーテンウォール。 - 前記内側面体は、前記縦材の下部に連結された下横材を備え、
前記下部通気手段は、前記下横材の内部と前記下横材の左右方向に沿って設けられた開口部とにより構成され、前記縦材通気手段の下部と前記中間空間の下部とを連通する請求項1または請求項2に記載のカーテンウォール。
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