JP5289210B2 - 同軸ケーブル用コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、端子本体内部でのインピーダンスの乱れを抑えて高周波特性を改善する同軸ケーブル用コネクタに関する。
高周波の電気信号を伝送するために高周波対応のシールド電線が用いられている。このシールド電線を伝送する電気信号の高周波化に伴って、このシールド電線を中継し、複数のシールド電線の一端部を接続する同軸ケーブル用コネクタにも高周波対応の要求が高まっている。
このシールド電線の構造として、例えばいわゆる同軸ケーブルと呼ばれるものがある。この同軸ケーブルは、電気信号等の伝送路として複数本の金属素線を束ねた中心導体(芯線)と、同じく複数の素線を編んだ編組線よりなるシールド部材(外部導体)との間に絶縁体(内部被覆)を介在したものからなる。また、そのシールド部材の外周を絶縁性のシース(外部被覆)で覆った構造になっており、シールド部材が絶縁体の外周を覆うことで電磁的にシールドしている。
一方、同軸ケーブルを通して高周波信号を中継接続するシールドコネクタ(コネクタ)には、高周波信号を伝達する信号導体(芯線)と接続するための芯線導通端子と、編組線などのシールド部材と接続すると共に絶縁体の外周を覆って電磁的にシールドするためのシールド端子と、これらの芯線導通端子とシールド端子の間に設けられる所定の比誘電率を有する誘電体(絶縁部材)と、を設けたものがある。このようなシールドコネクタは、中継するシールド電線の絶縁体とシースが剥ぎ取られて露出した前記信号導体とシールド部材を、それぞれ個別に電気的に接続する。
図8はこのシールドコネクタ(同軸ケーブル用コネクタ)の従来例(特許文献1参照)を示す縦断面図である。図示されるように、同軸ケーブル71の絶縁体71dとシース71cを剥ぎ取って信号導体(芯線)71aおよびシールド導体71bを露出させ、剥き出しになった信号導体71aに内導体端子72の圧着部72aを圧着接続する。その後外導体端子73内に予め収容して組み付けられた誘電体74の圧入室74aに先の内導体端子72を押し込んで圧入固定する。また、同軸ケーブル71上に反転されたシールド導体71bを、外導体端子73の圧着部73a上に載置する。そして外導体端子73の圧着部73aにてケーブルのシース71cをシールド導体71bごと圧着することで接続が完了する。
この場合、外導体端子73の圧着部73aで圧着する前の工程である内導体端子72を誘電体74に押し込んで圧入固定する工程のために、外導体端子73の上面を図面上方に開口させている。この開口により形成された開口部73bを内導体端子72の圧入作業スペースとして利用することで、内導体端子72および誘電体74を圧入治具等を用いて簡便に押し込むことが可能になっている。
ところで、高周波信号の伝送における伝送線の特性インピーダンスは、例えば50Ωという値に設定されて、中継接続される電気装置の回路基板やケーブル等の伝送経路との特性インピーダンスの整合(マッチング)が図られている。このような伝送経路に特性インピーダンスが整合していない部分(不整合部)が存在すると、不整合部での信号の反射による伝送効率の低下およびノイズの発生等の不具合が生じる。従って伝送経路の中継接続部であるシールドコネクタにおいても伝送線との特性インピーダンスが整合されている必要がある。
シールドコネクタでは、「外導体端子の本体部の内径と内導体端子の端子部外径の比」および「誘電体の比誘電率」を調整して、伝送路であるシールドケーブルとのインピーダンス整合が図られているが、圧入治具又は圧着治具による作業用のスペースとして、その圧着部72a近傍の外導体端子壁面の一部が開口部73bで開口しているため、内導体端子72の一部は、電磁的にシールドする為の外導体端子73や誘電体74によってその全方位が覆われずに比誘電率εr=1である空気中に開放されてしまっている。このため、この開放部分のインピーダンスが伝送路のインピーダンスに整合されず、同軸ケーブルに比べて高くなってしまう。
このようなシールドコネクタのインピーダンスが同軸ケーブルのそれとは等しくない部分では、前述のように伝送された電気信号の反射や放射が起こり、信号が正しく伝送されなかったりノイズの原因になったりするなどの不具合が生じ、例えばGHz帯域以上の高周波信号の伝送においてはその傾向が著しいものとなる。
これに対して、前記内導体端子の一部が露出する部位近傍において、外導体端子の開口部の口径を電気的に小径化する導電性の小径体を、前記外導体端子の内壁に接触して設けたシールドコネクタが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、シールド端子としての外導体端子の筒状部に収容された誘電体に対し内導体端子(芯線導通端子)が挿入された後に、外導体端子に形成された端子挿入用の開口部に高比誘電率の蓋部材を装着するシールドコネクタが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2000−173725号公報 特開2003−163058号公報 特開2006−310135号公報
しかしながら、特許文献2および特許文献3に記載のシールドコネクタにあっては、同軸ケーブルとシールドコネクタとのインピーダンス整合のために、特殊形状の小径体を用意し、これを誘電体とともに外部導体端子に組み付けたり、特殊形状の蓋部材を用意し、これを前記開口部に嵌め込んだりするための構成および作業が複雑となる。特に、高周波特性を向上するために前記開口部におけるインピーダンス整合を適正化しようとした場合に、組立性並びに加工性が犠牲になり、結果的に同軸ケーブル用コネクタ構成のコストアップを招くという不都合があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、中心導体端子の一部が露出するシールド端子の開放空間のインピーダンスを、同軸ケーブル(伝送線路)のインピーダンスに整合可能にし、これを簡素かつローコストにて実現できる同軸ケーブル用コネクタを提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る同軸ケーブル用コネクタは、下記(1)〜(3)を特徴としている。
(1) 中心導体である芯線と、当該芯線の外周面を包囲しながら当該芯線の長手方向に延長する内部被覆と、当該内部被覆の外周面を包囲しながら前記長手方向に延長するシールド部材と、当該シールド部材の外周面を包囲しながら前記長手方向に延長する外部被覆と、を備え、かつ前記長手方向の一端部において、前記芯線、前記内部被覆および前記シールド部材それぞれの一端部が露出されたシールド電線と、
前記シールド電線の前記一端部において前記芯線に接続された中心導体端子と、
前記芯線に接続された前記中心導体端子を内部に収容する誘電体と、
前記シールド電線の前記一端部において前記シールド部材に接続されるとともに、前記中心導体端子の一部を収容した状態の前記誘電体を内部に収容するシールド端子と、
を備え、
前記誘電体には、当該誘電体を内部に収容した状態の前記シールド端子に形成された、前記中心導体端子の一部が露出する開放空間に、少なくとも一部が露出するようにインピーダンス整合素子が設けられている、
こと。
(2) 上記(1)の構成の同軸ケーブル用コネクタであって、
前記インピーダンス整合素子は、前記誘電体の内部に収容された前記中心導体端子を、該中心導体端子の外周を覆うように、前記誘電体に設けられている
こと。
(3) 上記(2)の構成の同軸ケーブル用コネクタであって、
前記インピーダンス整合素子は、中空筒状の導体部材によって形成され、
該導体部材は、前記中心導体端子によって挿通された状態で、前記誘電体に設けられている、
こと。
上記(1)の構成の同軸ケーブル用コネクタによれば、この高インピーダンス部分となる部位にインピーダンス整合素子としての低インピーダンス素子を配置することで、同軸ケーブル用コネクタ全体のインピーダンスを、例えば同期ケーブルが持つインピーダンスの50Ωや70Ω付近に平均化することが可能になる。これにより、前記開放空間付近とそれ以外の伝送回路とのインピーダンスの整合を図り、この開放空間付近における電気信号の反射や減衰を軽減することができる。従って、品質のよい高周波信号の伝送(中継)が可能になる。
上記(2)の構成の同軸ケーブル用コネクタによれば、中心導体端子の誘電体への装着を阻害することなく、誘電体にインピーダンス整合素子を埋設することができる。
上記(3)の構成の同軸ケーブル用コネクタによれば、中心導体端子の誘電体への装着を阻害することなく、誘電体にインピーダンス整合素子を埋設することができるとともに、その低いインピーダンスによって効果的にインピーダンスの整合を図ることができる。
本発明によれば、外部導体で覆われていない開放空間内での高インピーダンスを低下させることでコネクタ全体でインピーダンスを平均化でき、これにより同軸ケーブル(伝送線路)とのインピーダンス整合を図ることができる。これにより同軸ケーブル用コネクタにおいて伝送される高周波信号の反射や減衰を効果的に回避できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
(A)は本発明に係る実施形態の同軸ケーブル用コネクタの分解斜視図、(B)はその圧着加工後の組み立て完了後の状態を示す斜視図 (A)はシールド電線に装着された状態の、本発明に係る実施形態の同軸ケーブル用コネクタの要部の断面斜視図、(B)はその断面正面図 本発明に係る実施形態の同軸ケーブル用コネクタの縦断面図 図1に示した絶縁部材の斜視図 図1に示した芯線導通端子と絶縁部材を示す図であり、(A)はその斜視図、(B)は(A)のX‐X線断面図 図3に示した導体リングの斜視図 図6に示した導体リングの形状とインピーダンスの下げ量との関係を示す説明図 従来の同軸ケーブル用コネクタを示す縦断面図
以下、本発明に係る好適な実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。 図1(A)および(B)は、それぞれ、本発明の実施形態に係る同軸ケーブル用コネクタの分解斜視図および斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の同軸ケーブル用コネクタに接続される同軸ケーブル(シールド電線)Wは、中心導体である芯線W1と、芯線W1の外周面を包囲しながら該芯線W1の長手方向に延長される絶縁物(内部被覆)W2と、絶縁物W2の外周面を包囲しながら長手方向に延長される外部導体(シールド部材)W3と、外部導体W3の外周面を包囲しながら長手方向に延長されるシース(外部被覆)W4と、を備えている。
また、本実施形態の同軸ケーブル用コネクタ10にあっては、コネクタとしてシールド電線W用のコネクタを用いたものであって、芯線W1に接続される芯線導通端子(中心導体端子)20と、芯線W1に電気的に接続された芯線導通端子20を収容孔31に収容する絶縁部材(誘電体)30と、絶縁部材30を圧着すると共に外部導体W3が接続される、圧着端子の一態様であるシールド端子40とを備える。
芯線導通端子20は、絶縁部材30への挿通方向順側に、接続相手側のシールド電線の芯線に電気的に接続される電気接続部21を有し、他方、絶縁部材30への挿通方向逆側に、シールド電線Wの芯線W1に電気的に接続される、図3に示すような芯線接続部20aを有する。
シールド端子40は、導電性金属板によって形成される。このシールド端子40は、シールド電線Wの軸線方向に沿って長尺な底板部41において、一端部に、絶縁部材30(但し、この絶縁部材30は芯線導通端子20を包囲しながら芯線導通端子20を支持している)の先端側を嵌合させる、円筒部42が設けられているとともに、他端部に、シールド電線Wのシールド部材W3に電気的に接続させるシールド部材接続部43が設けられている。図1に示すシールド端子40のシールド部材接続部43は、シールド電線Wの一端部で外部導体W3を加締めることによって、外部導体W3と電気的に接続させる。
さらに、このシールド端子40には、円筒部42とシールド部材接続部43との中間部に、圧着バレル部44が形成されている。この圧着バレル部44は、絶縁体である絶縁部材30をシールド端子40に固定するために、図2(A)、(B)に示すように、該絶縁部材30を包み込むように後述する天井壁部44B,44Dを内側に曲げることで絶縁部材30(又は導体)を底板部41と側壁部44Aと天井壁部44B,44Dとによって囲まれるように密着状態に加締めて圧着させるものである。
本実施形態のシールド端子40の圧着バレル部44は、相補的な形状に形成された互いに点対称な関係を有する一対の圧着バレル片に所定の折曲げ加工を施すことによって、絶縁部材30に対する圧着前には図1(A)に示すように互いに上方に向けて拡開した断面略C字形の形状を呈しているとともに、圧着後には図1(B)に示すように、先端側の天井壁部44B、44Dが側壁部44A、44Cに対して直角となるところまで、互いに折曲させて閉合させることで、天井壁部44B、44Dどうしが互いに干渉し合うことなく水平に連なった状態となる。
ここで、圧着直前までの圧着バレル部44の圧着バレル片について、さらに説明すると、図1(A)に示すように、それぞれ、底板部41から立ち上がる一対の側壁部44A、44Cと、これらの側壁部44A、44Cの上端から内側方向に傾斜する一対の天井壁部44B、44Dとを備えているとともに、側壁部44Aと天井壁部44Bとの境界部分には、圧着を確実に実行させるために、凹状の溝(又は窪みでもよい)44Eを設けている。
側壁部44A、44Cは、底板部41の両側から上方に所定の第1角度(底板部41に平行な水平方向に対して内方へ所定角度だけ内側方向)に立ち上がっており、その後の圧着作業の際に底板部41に対して直角となる状態に折曲加工される。
天井壁部44B、44Dは、底板部41と側壁部44A、44Cとのそれぞれの境界部分から、一定長さだけ側壁部44A、44Cの先端方向に向けて離れた部分に形成した溝(又は窪みでもよい)44Eを中心にして、互いに相手側の側壁部44A、44Cに向けて所定の角度だけ傾斜させた状態に、折曲させて形成されている。天井壁部44B、44Dを形成するためのこの折曲加工については、予め、圧着加工を施す直前までの間に行うものであるが、その後の圧着加工の際には、底板部41に対して平行な水平状態となるような、さらなる折曲加工が追加的に施される。
また、芯線導通端子20は導電性を有しており、略円筒形状を有するものが細いピン状に形成されている。即ち、この芯線導通端子20は、相手方コネクタのインナー端子に導通する電気接続部21とこの電気接続部21の基端に設けられた、同軸ケーブルWの中心導体W1を加締める芯線接続部20aと、を備えている。この芯線接続部20aは、先端部が挿入された芯線W1を加締めることによって、芯線W1と芯線導通端子20との電気的、機械的な接続を確実にしてもよい。
絶縁部材30は、図4および図5に示すように、略円筒形状を有する本体32の中央部側および基端部側にそれぞれ、他の部分よりも外径が大きい環状大径部32A、32Bが形成されているとともに、それにより環状大径部32A、32Bに囲まれた間に径方向内側に窪んだ絶縁固定部33が形成されている。そして、この絶縁固定部33が、前記圧着バレル44によって前述のように加締められている。
絶縁部材30の芯線導通端子20の挿入側端部には、図6に示すようなインピーダンス整合素子を構成する導体リング34が埋設されている。この導体リング34は、圧着バレル40の嵌合部対応位置まで延設可能な、中空筒状の導体部材からなる環状体であり、その一端が芯線導通端子20の挿入側端の開放空間49に臨んで(露出して)いる。なお、この導体リング34は芯線導通端子20の回りに同芯配置されている。
次に、同軸ケーブルWとシールド端子40の組立手順を説明する。
まず、前述した、一端部において、中心導体W1、絶縁物W2、および外部導体W3のそれぞれが露出された同軸ケーブルWを用意する(即ち、シールド電線用意工程)と共に、前述した芯線導通端子20および導体リング34を持つ絶縁部材30、シールド端子40を用意する。
そして、同軸ケーブルWの一端部に露出された中心導体(芯線)W1に芯線導通端子20を導通接続(即ち、芯線導通端子接続工程)して、芯線導通端子20が一端に接続された同軸ケーブルWを製造する。また、導体リング34は絶縁部材30の一体成形時に装着(モールド)される。
次に、同軸ケーブルWの一端部に接続された芯線導通端子20を、図5に示すように、導体リング34が装着された絶縁部材30の中心孔30a内の所定位置まで挿入する。さらに、同軸ケーブルWの一端部に露出された外部導体(シールド部材)W3をシールド端子40のシールド部材接続部43に、そして絶縁外皮(外部被覆)W4をシールド端子40の外部被覆接続部48に、絶縁部材30を圧着バレル部44に、それぞれ対向配置する。
そして、この結果得られた同軸ケーブル用コネクタ10の組上状態において、プレス機を用いて、シールド部材接続部43、外部被覆接続部48、圧着バレル部44を同時に、シールド端子40の内側に曲げて加締める。このとき、シールド部材接続部43および外部被覆接続部48をそれぞれシールド端子40の内側に曲げることになる。この場合に、各圧着バレル44は互いに重ならないように、つまり各バレル部44の傾斜面44aが互いに接触するように、シールド端子40の内側に曲げられる。
ところで、芯線導通端子20を絶縁部材30の中心孔30a内へ圧入するために、外部導体W3やシースW4等で芯線W1が被覆されない、図3に示すような開放空間49を形成せざるを得ない。この開放空間49では全方位で空気中に開放されており、この開放空間49付近におけるインピーダンスが伝送路のインピーダンスと整合せず、つまり同軸ケーブルWにおける値と比べて高くなる。
このため、このインピーダンスが異なる部分では、伝送される電気信号の反射や減衰が生じ、電気信号が正しく伝送されなくなる。本実施形態では、前記開放空間49に一部が露出するように、且つ、芯線導通端子20の一部の外周を覆うように、導体リング34を設置することで、インピーダンスの平均化を図り、これによって電気信号の前記反射や減衰を回避している。この導体リング34は、図3および図5に示すように、芯線導通端子20によってその内部が挿通された状態になる。
一般に、自由空間の伝送路では、その自由空間内の電界と磁界の比率(E/H)によって特性インピーダンスZ0が決定され、媒質が真空の場合に、媒質の誘磁率をμ、誘電率をεとすると、Z0≒√(μ/ε)となる。また、任意の伝送線路の特性インピーダンスZ0は、Z0≒√(L/C)となり、周知の同軸ケーブルでは50Ω、75Ωが汎用されている。
従って、前記開放空間49付近における高めのインピーダンスを下げるためには、絶縁部材30である前記誘電材料として誘電率εの高い材質のものを用い、一方、導体リング(導体部材)34にはその開放空間付近における誘導性インピーダンスを小さくし、または容量性インピーダンスを大くする材料を用いる。これにより前述のような高めのインピーダンスを低めのインピーダンスの並存によって平均化することができる。図7は、導体リング34の形状(導体リングの長さXおよび内径Y)とインピーダンスの下げ量との関係を実験によって調べた結果の説明図である。この説明図によれば、前記誘電材料の誘電率εを一定とした場合に、導体リング34の長さXが大きいか、または内径Yが小さい場合に、大きなインピーダンスの下げ効果が得られることが分かる。
そこで、かかるサイズの導体リング34を埋設した絶縁部材30を前記開放空間49に露出した芯線導通端子20の一部を取り囲むように配置する。これにより開放空間49におけるインピーダンスの平均化がなされ、伝送路とのインピーダンスの整合を図ることができる。従って、損失が少なく、効率のよい電気信号(高周波信号)の受け渡しが可能になる。
このように、本実施形態の同軸ケーブル用コネクタにあっては、開放空間49に一部が露出するように導体リング34を設置することで、その開放空間49における高めのインピーダンスを同軸ケーブル(伝送線路)のインピーダンスに近い値に平均化することができる。これにより、同軸ケーブル用コネクタを通過する高周波信号の反射や減衰による劣化を未然に回避することができる。
なお、本発明に係る同軸ケーブル用コネクタによりコネクタ接続される同軸ケーブルWは、前述した実施形態に示した同軸ケーブルに限るものではなく、例えば、中心導体W1の他に外部導体W3を備える各種の同軸ケーブルにも応用可能である。例えば、前述した実施形態では、その絶縁物W2とシースW4とに介在する外部導体W3として編組を備えたものを説明したが、これに限らず、外部導体W3は、編組の外周にアルミニウム箔、銅箔、等といった金属箔を更に巻きつけたもの、或いは絶縁物W2の外周に巻きつけられたアルミニウム箔、銅箔、等といった金属箔を更に有するものであってもよい。また、同軸ケーブルWは、編組の代わりにスパイラル状のシールド線を備えたものであってもよい。
また、本発明に係る同軸ケーブル用コネクタは、前述の実施形態に示したプラグ型に限るものではなく、ジャック又はレセプタクル型のものにも適用することができる。
さらに、前述した実施形態では、シールド端子40が板部材から成形されるとしたが、これに限らず、例えば金型等にてそのまま所望の形状を得るようにしてもよく、この場合には、切れ目部を、例えば別途パンチ等を用いて形成するようにしてもよい。
W 同軸ケーブル(シールド電線)
W1 中心導体(芯線)
W2 絶縁物(内部被覆)
W3 外部導体(シールド部材)
W4 シース(外部被覆)
20 芯線導通端子(中心導体端子)
20a 芯線接続部
30 絶縁部材(誘電体)
34 導体リング(インピーダンス整合素子)
40 シールド端子
42 円筒部
43 シールド部材接続部
44 圧着バレル部
49 開放空間

Claims (3)

  1. 中心導体である芯線と、当該芯線の外周面を包囲しながら当該芯線の長手方向に延長する内部被覆と、当該内部被覆の外周面を包囲しながら前記長手方向に延長するシールド部材と、当該シールド部材の外周面を包囲しながら前記長手方向に延長する外部被覆と、を備え、かつ前記長手方向の一端部において、前記芯線、前記内部被覆および前記シールド部材それぞれの一端部が露出されたシールド電線と、
    前記シールド電線の前記一端部において前記芯線に接続された中心導体端子と、
    前記芯線に接続された前記中心導体端子を内部に収容する誘電体と、
    前記シールド電線の前記一端部において前記シールド部材に接続されるとともに、前記中心導体端子の一部を収容した状態の前記誘電体を内部に収容するシールド端子と、
    を備え、
    前記誘電体には、当該誘電体を内部に収容した状態の前記シールド端子に形成された、前記中心導体端子の一部が露出する開放空間に、少なくとも一部が露出するようにインピーダンス整合素子が設けられている、
    ことを特徴とする同軸ケーブル用コネクタ。
  2. 前記インピーダンス整合素子は、前記誘電体の内部に収容された前記中心導体端子を、該中心導体端子の外周を覆うように、前記誘電体に設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の同軸ケーブル用コネクタ。
  3. 前記インピーダンス整合素子は、中空筒状の導体部材によって形成され、
    該導体部材は、前記中心導体端子によって挿通された状態で、前記誘電体に設けられている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の同軸ケーブル用コネクタ。
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