JP5289030B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関し、さらに詳しくは、像担持体上に形成されたトナー像を転写ニップ部において転写材に転写する方式の画像形成装置に関するものである。
電子写真技術を使用する複写機、プリンタ等の画像形成装置では、帯電ローラ等により感光体ドラムを均一に帯電させ画像データに基づいた画像信号により、例えばレーザ光を感光体ドラムに露光することにより感光体ドラム上に静電潜像を形成する。この形成された静電潜像は現像器によりトナーで現像され、現像されたトナー画像は転写ローラ等により転写材に転写される。そして、トナー画像が転写された転写材は、定着器によりトナー画像が永久固着され、機外に排出される。
この様な画像形成装置においては、画像データに応じて感光体ドラム上に形成されるベタ画像部とライン画像部とでは、現像されたトナー画像の単位面積あたりのトナーの載り量(高さ)が異なる。これはライン画像部ではエッジ強調などの処理を行うため、ベタ画像部とライン画像部とで画像データの濃度が等しくてもその処理を加えた分だけ載り量が増えるためである。図28は、転写材Pの画像形成装置内での搬送方向Xと直行する方向にライン状に形成されるライン画像を搬送方向Xに複数配列したライン画像を転写材P上に転写して形成した画像と、その画像を局所的に拡大してみた場合の模式図である。この様なライン画像を形成した場合、点線で囲った箇所を拡大してみると、ライン画像の搬送方向Xの上流側(転写材Pの後端側)にトナーが飛び散って画像品位を低下させる、いわゆる飛び散り・爆発という現象が起きているのがわかる。尚、転写材の搬送方向Xとは、感光体ドラムの回転軸の方向を主走査方向とした場合、この主走査方向と直行する方向である副走査方向と等しく、また転写ローラの回転軸と直行する方向でもある。
この問題は図29に示すような原理で発生している。ライン画像が搬送方向Xに複数配列された場合1本目のライン画像L1が転写ニップ部Tを通過する際に転写材Pがトナーの高さ(層厚)の分だけ転写ローラRと共に図面の下方向(転写ニップ部Tでのニップが減少する方向)に押し付けられる。さらに転写材Pが搬送され1本目のライン画像L1が転写ニップ部Tを通過した後、転写ローラRを加圧しているバネBの圧力により転写ニップを保とうと転写材Pと転写ローラRは元の位置に戻ろうとする。その際、次の2本目のライン画像L2が転写ニップ部Tに突入してくる場合には、その2本目のライン画像に急激に転写ニップ部Tの圧力がかかる為、2本目のライン画像L2を乱していた。
近年、画質の一層の向上を図るために感光体ドラム上に形成したトナー画像を転写材としての中間転写ベルトに一次転写した後、中間転写ベルトから用紙などの転写材に二次転写する画像形成装置などが提案されている。このような画像形成装置においては、感光体ドラムと中間転写ベルトとの間での一次転写部で図29の現象が発生する場合が多い(この場合図29での転写材Pを中間転写ベルトとした関係となる)。
図30は、ライン画像とライン画像との間隔(ライン間隔)が1.5mmと6.0mmの場合には、飛び散り・爆発現象は発生せず、3.0mmの時に飛び散り・爆発現象が発生していることを模式的に示す図である。
またいずれのライン間隔においても一本目のライン画像では飛び散り・爆発現象が発生していない。その理由は、先に述べたように、ライン画像が通過した際に感光体ドラムと転写材や中間転写ベルト間に生じたギャップを埋めようと一気に圧力がかるので、転写ニップ部に進入したライン画像がその影響を受けて後方にトナーが飛び散ってしまう為と考えられる。その結果、ライン間隔によっては飛び散り・爆発の現象が発生しないが、あるライン間隔では飛び散り・爆発の現象が発生してしまうのである。
もちろん、感光体ドラムと転写材や中間転写ベルト間に発生する圧力という観点を考慮すると、飛び散り・爆発現象の発生は高速な画像形成装置ほど悪化し、ライン画像の載り量も多ければより現象の発生が悪化することは言うまでもない。
そこでライン画像の飛び散り・爆発を抑制するためにライン画像に画像処理を施す画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−80112号公報
上記特許文献1では、ライン画像の飛び散り・爆発を抑制する為に、予め画像処理を行うライン画像の条件を決めておき、画像データに含まれるライン画像がこの条件を満たしている場合にはライン画像の非エッジ部の画像データに間引き処理を施す。この間引き処理により飛び散り・爆発を抑制している。このライン画像に間引き処理を行う条件とは、ライン画像の主走査方向のライン長(長さ)が5mm以上で、ライン幅が150〜300μmの時としている。
その目的は、間引き処理を行うライン画像のライン長(長さ)とライン幅に関して条件を予め決めておくことで、過剰な間引き処理によるライン画像の濃度低下やラインの細りといったライン画像の品位の低下を防止する事である。
そこで発明者は、図31に示すような主走査方向のライン長が5mm、ライン幅が200μmのライン画像を各々ライン間隔を1.0mm〜4.9mm程度まで0.3mmづつ変化させて画像形成を行った。その結果、一次転写部で発生するライン画像の飛び散り・爆発現象は、決まったライン間隔(2.5〜3.4mm)で発生した。
そこで、画像の飛び散り・爆発現象を防止する為、上記特許文献1で提案されている間引き処理を施した。上記特許文献1の方法では、間引き処理を施す対象のライン画像(主走査方向のライン長が5mm以上でライン幅が150〜300μmのライン画像)に対して一律に間引き処理を施すものである。これによりライン画像に飛び散り・爆発が発生したライン間隔(2.5〜3.4mm)のライン画像では、飛び散り・爆発現象を抑制することができた。
しかしながら、そもそもライン画像の飛び散り・爆発が発生していなかったライン間隔のライン画像(ライン間隔1〜2.2mm/3.7〜4.9mm)でも間引き処理を行うことになる。このため図32に示すようなライン画像に欠けや細りといった、ライン画像の品位の低下を同時に招いてしまうことがわかった。図32は、ライン間隔が1.6mmのライン画像を形成した場合の上記特許文献1の処理を施していないライン画像(間引き処理前)と処理を施したライン画像(間引き処理後)を示す図である。いずれのライン画像においても飛び散り・爆発は発生していないが、間引き処理後は間引き処理によってさらにライン画像の欠けが発生していることがわかる。
そこで、本発明は、過剰な間引き処理によるライン画像の欠け及びライン幅の細りを抑制しつつ、転写ニップで発生する飛び散り・爆発現象の発生を防止する画像形成装置を提供することである。
かかる課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、回転駆動される像担持体に、入力される画像データに基づいて形成されたトナー像を前記像担持体と記録材とによってニップすることにより前記トナー像を前記記録材に転写する画像形成装置であって、前記像担持体の回転方向に交差する方向に形成する複数ラインのライントナー像の前記像担持体の回転方向におけるライン間隔を画像データに基づいて判定する判定手段と、前記判定手段によって判定された前記ライン間隔が、先行ライントナー像が前記像担持体と前記記録材とによってニップされることによって前記像担持体に対する前記記録材の位置が変動している間に後続のライントナー像が前記像担持体と前記記録材とによってニップされる間隔に相当する場合、当該後続のライントナー像を形成するための画像データに対して当該後続のライントナー像に含まれる画素に対応する画素データを削除する間引き処理を実行し、前記判定手段によって判定された前記ライン間隔が、先行ライントナー像が前記像担持体と前記記録材とによってニップされることによって前記像担持体に対する前記記録材の位置が変動している間に後続のライントナー像が前記像担持体と前記記録材とによってニップされない間隔に相当する場合、当該後続のライントナー画像に対して前記間引き処理を実行しない画像処理手段と、を備えることを特徴とする。また、本発明の画像形成装置は、回転駆動される感光ドラム上に、入力される画像データに基づいて形成されたトナー像を前記感光ドラムと中間転写ベルトとによってニップすることによって前記中間転写ベルトに転写し、当該中間転写ベルト上のトナー像を記録材に転写する画像形成装置であって、前記感光ドラムの回転方向に交差する方向に形成する複数ラインのライントナー像の前記感光ドラムの回転方向におけるライン間隔を画像データに基づいて判定する判定手段と、前記判定手段によって判定される前記ライン間隔が、先行ライントナー像が前記感光ドラムと前記中間転写ベルトとによってニップされることによって前記感光ドラムに対する前記中間転写ベルトの位置が変動している間に後続のライントナー像が前記感光ドラムと前記中間転写ベルトとによってニップされる間隔に相当する場合、当該後続のライントナー像を形成するための画像データに対して当該後続のライントナー像に含まれる画素に対応する画素データを削除する間引き処理を実行し、前記判定手段によって判定される前記ライン間隔が、先行ライントナー像が前記感光ドラムと前記中間転写ベルトとによってニップされることによって前記感光ドラムに対する前記中間転写ベルトの位置が変動している間に後続のライントナー像が前記感光ドラムと前記中間転写ベルトとによってニップされない間隔に相当する場合、当該後続のライントナー画像に対して前記間引き処理を実行しない画像処理手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ライン画像の欠けやライン画像のライン幅の細り等の問題を発生させず、かつ飛び散り・爆発現象を発生させないように画像形成することが可能になる。
以下、図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。なお、本発明は、以下の実施例にのみ限定されるものではない。
<第1の実施形態>
<画像形成装置の概略構成>
図1は、本発明の一実施形態としての画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。画像形成装置(プリンタ)100は、画像データの送信源であるホストコンピュータ200と入出力I/F(インターフェース)300を介して接続されている。画像形成装置100は、入出力I/F300、CPU(中央演算処理装置)400、操作パネル410、メインメモリ420、ビットマップメモリ500、画像処理部600、プリンタエンジン部700を有している。
入出力I/F300は、ホストコンピュータ200から画像データを受信すると共に、画像形成装置100のステータス情報をホストコンピュータ200に送信するものである。CPU400は、画像形成装置100全体の制御を司るものである。操作パネル410は、画像形成装置100の各種操作を行うための操作ボタン及び各種情報を表示する表示部を有する操作パネルである。
メインメモリ420は、CPU400の動作処理手順や文字パターン等を記憶しているメモリである。ビットマップメモリ500は、ホストコンピュータ200から受信した画像データをプリンタエンジン部700で印字するために1ページ分のドットイメージを展開可能なメモリである。画像処理部600は画像データに画像処理を施すもので、本発明の特徴的な構成であってその詳細は後述する。プリンタエンジン部700は、画像データに基づいて像担持体上に形成したトナー画像を転写材に転写し定着させるものである。
<プリンタエンジン部の概略構成>
図2は、プリンタエンジン部700の概略構成図である。プリンタエンジン部700は、像担持体としての感光体ドラム1の周囲に、感光体ドラム1の回転方向である矢印R1の方向の上流から下流へ向けて順番に帯電部2、露光部3、現像部4、一次転写ローラ5、クリーニング部6を順番に配置している。またプリンタエンジン部700は、中間転写ベルト7、駆動ローラ8、ステアリングローラ9、バックアップローラ10、二次転写外ローラ11、ベルトクリーナ12、定着部13を備える。
像担持体としての感光体ドラム1の外径はφ108mmで帯電極性がプラスのアモルファスシリコンドラムで、図示せぬ駆動モータにより矢印R1方向に一定の速度で回転駆動される。先ず、帯電部2は、感光体ドラム1が回転している状態で、不図示の電源部によってバイアス電圧が印加され、これにより、感光体ドラム1表面を一様・均一に帯電させるように構成されている。そして、露光部3は、帯電部2に対して感光体ドラム1の回転方向の下流側に配設されている。
露光部3は、例えば光ビームLを画像データに基づいてON/OFF制御しながら、回転駆動される像担持体としての感光体ドラム1の軸方向に繰り返し走査して感光体ドラム1を露光するもので、感光体ドラム1上に画像データに応じた静電潜像を形成する。現像部4は、感光体ドラム1の回転方向において露光部3の下流側かつ一次転写ローラ5の上流側に配設され、一成分現像剤(ブラックのトナー)を収容する容器4a、その容器4aの感光体ドラム1に面した開口部内に現像スリーブ4bが回転自在に設置される。また現像スリーブ4b内には現像スリーブ4b上に現像剤を担持させるマグネットローラ4cが、現像スリーブ4bの回転に対して非回転に固定配置される。
現像剤(負極性)は、マグネットローラ4cの現像領域に位置された現像主極の磁気力によって穂立ちし、感光体ドラム1の面上に擦られる。それと共に、不図示の電源によって現像スリーブ4bに現像バイアスを印加することで、現像剤が感光体ドラム1上に形成された静電潜像の暗部に付着して現像され、感光体ドラム1上にトナー像tが形成される。
一方、感光体ドラム1の下方には、無端状の中間転写ベルト7が張設されている。また、中間転写ベルト7の寄りを制御するステアリングローラ9が一次転写下流に配設され、このような複数の架橋ローラによって支持され、中間転写ベルト7は感光体ドラム1と同等な速度で搬送される。中間転写ベルト7は、例えばポリイミド、ポリカーボネート等の樹脂で構成されている。中間転写ベルト7の搬送路上には、一次転写部Tと二次転写部T2とがある。
一次転写部Tでは、感光体ドラム1と一次転写ローラ5とのニップ部間に中間転写ベルト7が搬送される。一次転写ローラ5は、φ16mmで感光体ドラム1に対して対向(オフセット量0mm)に配置され、両端部がスプリング等の押圧部材によって中間転写ベルト7を介して感光体ドラム1表面に圧接されニップ部が形成される。また一次転写ローラ5は、感光体ドラム1の矢印R1方向の回転に伴って矢印R2方向に従動回転する。ここでは押圧部材としてのスプリングによる押圧の総和は約1000g重である。一次転写ローラ5には、電源V1のプラス端子より所定の電圧が印加される。これにより一次転写ローラ5の表面電位により決定される転写電荷が、充電され、像担持体としての感光体ドラム1上のトナー像tが中間転写ベルト7の表面に一次転写される。
また一次転写後の感光体ドラム1は、クリーニング部6によって一次転写されずに残留したトナー等の付着物が除去される。クリーニング部6は、クリーナブレード6aからなり、クリーナブレード6aは、不図示の加圧手段により所定の角度及び圧力で感光体ドラム1に対し当接されており、感光体ドラム1表面に残留したトナー等を回収する。
一方、二次転写部T2では、バックアップローラ10との対向位置に二次転写外ローラ11が配置され、この二次転写外ローラ11とバックアップローラ10との間に中間転写ベルト7が搬送される。
二次転写外ローラ11の両端部がスプリング等の押圧部材によって中間転写ベルト7を介してバックアップローラ10に圧接されている。二次転写外ローラ11には、電源V2のプラス端子より所定の電圧が印加されるようになっている。これにより、二次転写外ローラ11の表面電位により決定される転写電荷が充電され、中間転写ベルト7上に一次転写されたトナー像tが記録材P表面に二次転写される。
ベルトクリーナ12は、クリーナブレード12aを備え、クリーナブレード12aは、不図示の加圧手段により所定の角度及び圧力で駆動ローラ8に架け回された中間転写ベルト7に対し当接されており、中間転写ベルト7表面に残留したトナー等を回収する。トナー像tが転写された転写材Pは、定着部13へ導入されて加熱、加圧され、トナー像tが転写材Pの表面に定着される。
本発明では、以上のような画像形成装置のプリンタエンジン部700で発生するライン画像の飛び散り・爆発を抑制する為に、入力される画像データに対して画像処理部600(判別手段)で画像処理(間引き処理)が必要なライン間隔であるかを判別する。判別の結果、画像処理が必要なライン間隔の場合には画像処理の実行を行うものである。
<画像処理部の概略構成>
図3は、本願発明の特徴部である、ライン画像の欠けやライン幅の細り等の問題を発生させずに飛び散り・爆発現象を抑制する画像処理を行う画像処理部600の回路構成を示すブロック図である。ここでライン画像とは、転写材Pや中間転写ベルト7の搬送方向(副走査方向)Xと直行する方向にライン状に形成される画像であり、感光体ドラム1の軸方向(主走査方向)にライン状に形成される画像と定義する。またライン間隔とはこのライン画像とこのライン画像と平行に形成されるライン画像との副走査方向における間隔をさす。
この画像処理部600は、画像データに含まれるライン画像を検出し、検出したライン画像が所定の条件に当てはまる場合、つまり、各々平行に形成されるライン画像とライン画像の間隔(ライン間隔)が所定の間隔である場合に画像処理(間引き処理)を施す。
この際、ライン画像部の特定位置にある画素を画像データから抽出し、特定位置にある画素に間引きなどの処理を施す。これにより、特定位置の画素は、画像データをビデオ信号へ変換する際に元のオン状態(黒または色画素)からオフ状態(白画素)に変換される。
図3において、画像処理部600は、遅延回路610、特徴抽出部620、特徴パターンメモリ630、パターンマッチング部640、画素置換部650、置換画素メモリ660、置換画素入力部670を備える。各構成の動作については後述する。特定位置とは、図11で示すオフ状態(白画素)に変換される画素の位置をさす。
<画像処理(間引き処理)が必要なライン間隔>
本実施形態では、ライン間隔に応じて画像処理(間引き処理)を施すか否かの判別を行っているが、ここで画像処理が必要なライン間隔について説明する。
ライン画像の飛び散り・爆発現象は、ある一定のライン間隔で発生することが実験により判っている。
図4は、ライン画像の飛び散り・爆発現象が発生する原理を示す模式図である。図4のようにトナーの載り量(高さ)hのライン画像(第1のライン画像)が一次転写位置P1に進入すると、トナーの載り量(高さ)hの作用により搬送方向Xに搬送される中間転写ベルト7が一次転写ローラ5側に、つまり図面の下方に押し下げられる。この中間転写ベルト7が押し下げられる量は、図4におけるライン画像(第1のライン画像)が通過する搬送方向(X方向)の基準点A〜Cにおいて各々異なり、図5で示されるよう変化する。基準点A〜Bの領域でトナーの載り量hの一次転写位置Tへの進入の影響で徐々に中間転写ベルトは押し下げられる。
ここで図4、図5に示す基準点A、B、Cの位置は転写ニップを形成する一次転写部T内において、トナーの載り量hのライン画像(第1のライン画像)が一次転写部(転写ニップ)Tに進入した位置を基準点Aとする。また一次転写部(転写ニップ)Tの中央部を基準点B、一次転写部(転写ニップ)Tを抜ける位置を基準点Cとする。尚、図4では、本実施形態の構成をもとに一次転写ローラ5の感光体ドラム1とのX方向のオフセット量が0mm、つまり対抗位置に配置されている場合を示している。
ライン画像(第1のライン画像)が一次転写位置T内の基準点Bに到達した場合に中間転写ベルト7はトナーの載り量h分だけ最も押し下げられることになる。ライン画像が一次転写部(転写ニップ)T内の基準点Bを通過すると押し下げられた中間転写ベルト7は再び感光体ドラム1の方向へ戻ろうとする。その際に、感光体ドラム1と中間転写ベルト7との間には中間転写ベルト7が感光体ドラム1の方向へ戻ろうとする方向(搬送方向Xと直行するY方向)に圧力がかかる。
このY方向に圧力がかかる領域は、図5に示す基準点B〜Cの領域である。このライン画像の飛び散り・爆発現象が発生するのは、基準点B〜C内にライン画像がいる間に新たに転写ニップP1内に次のライン画像が進入してくる場合である。
従って、ライン画像の飛び散り・爆発現象が発生するライン間隔Wは、図4によれば、(B−A)<W<(C−A)となる。尚、画像形成装置の構成から予めA、B、Cの値は分かっており、本実施形態では画像処理(間引き処理)を施すライン間隔Wの範囲があらかじめ画像処理部600に登録されている。
<画像処理を施す領域(ライン画像)の選定方法>
ホストコンピュータ200から出力された画像データD1は入出力I/F300を介して画像形成装置100に出力される。画像形成装置100は、ホストコンピュータ200から1画素を256階調(8bit)の多値のデジタル画像信号D1が入力される。画像形成装置100は、入力された多値のデジタル画像信号D1を2値信号に変換してビットマップメモリ500へ記憶する。その際、入力された画像信号の階調が擬似的に再現されるよう2値化される。例えば、誤差拡散処理が施される。2値化された2値画像信号は画像信号D2として画像処理部600へ出力される。画像信号D2は、図3に示す画像処理部600で画像処理が施される。
ビットマップメモリ500から出力された2値画像信号D2は、遅延回路610により特徴抽出処理(ライン画像の部分を抽出するパターンマッチング)に必要なだけの信号が記憶される。また、特徴抽出部620は、遅延回路610に記憶された2値画像信号を用いて、あらかじめ定められたマッチングパターンのマトリクスサイズで、この2値画像信号と特徴抽出部620に記憶されていたマッチングパターンに基づいてライン画像部の抽出を行う。パターンマッチングとは、M×N画素の検出パターンを用いて、ある画像から検出パターンと同じパターンを抽出する手法である。
この特徴抽出処理で、画像信号とマッチングパターンが合致した場合、特徴抽出部620は、その合致したマッチングパターンに対応した画素を読み出し、それをパターンマッチング部640に出力する。しかし、画像が、マッチングパターンに合致しなかった場合は、2値化したそのままの信号を画素置換部650に出力する。
ここでは説明の簡略化のため、パターンマッチングのマトリクスサイズを9×9画素とし、入力の解像度を600×600dpi、出力の解像度を600×600dpiとして説明する。またマッチングパターンのマトリクスサイズを4×1画素とする。また、特徴抽出部620は、当業者に周知な、像域情報の参照、フィルタ処理等の処理を適用してもよい。尚、像域情報の参照は画像データ中の文字部、細線部と自然画等のハーフトーンを含む多値情報を分離し、文字部、細線部にパターンマッチング、フィルタ処理等の処理を適用するために使用する。
図6は、本実施の形態における特徴抽出処理を説明するための図である。図6は、遅延回路610に記憶された2値画像信号の一例であり、パターンマッチングのマトリクスサイズである9×9画素を示したものである。
図7は、特徴抽出部620に記憶されているマッチングパターンの一例である。ここでのマッチングパターンは、図7に示すように4×1画素で形成され、それが2値画像信号D2と比較されるが、原画像の黒画素の位置とマッチングパターンの黒画素の位置が一致した場合、マッチングパターンとの合致があったとして、画素の抽出が行なわれる。
図8は、特徴抽出部620に記憶されている、図7のマッチングパターンとの合致があったとして、画素の抽出が行なわれた画素である。図6に示す画像上には、図7のマッチングパターンと合致する箇所があるため、図8で示すように特徴部であるライン画像が抽出され画像信号D3として出力される。
図9は、パターンマッチングの一例で、注目画素付近を拡大したものである。注目画素に対して、隣接する画素が1については画像があるという部分で、0については画像が無い部分を示す。注目画素の周囲がこのような条件である場合には、注目画素はライン画像の画素であり、また画素置き換えの対象画素となる。
図10は、特徴パターンメモリ630に予め登録(格納)された一次転写部Tのニップ部相当のライン間隔のパターンである。パターンマッチング部640は、間引き処理が必要なライン画像がどうかを判別する。パターンマッチング部640は、特徴抽出部620で抽出されたライン画像とライン画像とのライン間隔が特徴パターンメモリ630に格納されたマッチングパターンと合致するか判別する。合致した場合、その合致したマッチングパターンに対応した画素を読み出し、それを置換画素入力部670に出力する。
しかし、ライン間隔がマッチングパターンに合致しなかった場合は、2値化したそのままの信号を画素置換部650に出力する。ここで特徴的な点は、ライン画像の副走査方向の先端ラインエッジ部に着目し、その注目画素よりも副走査方向上流に画像がある(1)部分までのライン間隔がWであるかどうか判別する点である。
先端ラインエッジ部に着目したのは、ライン画像の飛び散り・爆発現象は先に述べたように、副走査方向に複数並んだライン画像のうち、一本目のラインは飛び散り・爆発現象は発生せず、二本目以降で発生するからである。先端ラインエッジ部に着目すれば、一本目のライン画像に間引く処理を施すこともない。
<間引きパターン>
図11に、置換画素メモリ660で記憶しているパターンの一覧を示す。本実施形態では、ラインの太さ、トナーの載り量(高さ)hに応じて、図11の間引きレベル1〜4の処理を各々施したテスト画像を出力し、予めライン画像の評価(ライン画像の欠けやライン画像のライン幅の細り等の度合いの確認)を行った。そしてその評価の結果、ラインの太さ、トナーの載り量(高さ)hに応じた最適な間引き処理のパターンをセットする。
本実施形態で扱うものは図11のように、各々間引きの量(全体のラインに対して3%から17%)とそのパターンを変更している。その他の特徴的な部分として、ライン画像のエッジとなる部分には間引き処理を実行しない。これはライン画像のがたつきが悪くなり、品位が低下するためである。
図12は、ライン画像の間引いた箇所を拡大したものであり、同図において、ライン画像Aは画像データに間引きレベル1の間引き処理を行った画像データを示す。ライン画像Bはライン画像Aの画像データを本実施形態における画像形成装置を用いて印字した場合の画像である。ライン画像Cはライン画像の欠けやライン画像のライン幅の細り等がない理想的なライン画像である。
ライン画像Aではライン画像内部の欠陥が目立ち、画像データ上では画像品位の低下が見受けられるが、実際に本実施例で用いた間引き処理を施して出力したライン画像Bの場合、ほぼ画像Cと同等の画像になっていることがわかる。これは、ライン画像Aで間引き処理した箇所が実際に画像形成装置で出力した場合、トナーの飛び散りによって埋められることがわかる。
これらの間引き量は画像形成装置において発明者らが主観評価を行い、ライン画像の飛び散り・爆発現象を抑制しつつ、ライン画像の欠けや細りが見られなかった間引き量をもとに作成している為、画像形成装置の構成によって変更(設定)されるものである。このため予め主観評価を行い、後述のようなテーブルを作成する必要がある。
本実施形態では、実際に間引き量はライン画像の太さ(ライン幅)、ライン画像のトナーの載り量によって決める。具体的には、図13に示すようなライン幅とトナーの載り量に応じて間引き量(図11の間引きレベル1〜4のパターンを)を設定するテーブルにより間引き量を決定している。本発明では、ライン載り量については、図2の現像スリーブ4bに印加する現像バイアス(現像Vcont)により決定している。
間引き量(間引きパターン)が決定されると、そのパターンが置換画素メモリ660から置換画素入力部670へ出力され、画素置換部650で間引き処理が実行される。
<動作手順>
図19は、上記構成された画像形成装置において、画像処理のアルゴリズムを説明するフローチャートで、画像処理部600が実行する処理であり、図1のCPU400により制御される。
CPU400は、ビットマップメモリ500から出力された画像データD2を遅延回路610に出力し、特徴抽出部620でライン画像を抽出する(S001)。次にCPU400は、抽出されたライン画像が間引き対象のライン画像かを判別する。つまり抽出されたライン画像のライン間隔と特徴パターンメモリ630に格納されたライン間隔が一致するか否かをパターンマッチング部640で判定する(S002)。ここでは実際にライン画像の先端エッジ部から搬送方向Xの上流側のライン画像とのライン間隔が、画像形成装置内のニップ部Tとの関係で、予めパターンマッチング部640に登録されているの間隔(B−A)<W<(C−A)を満たすかを判別する。ここでライン間隔が、間隔(B−A)<W<(C−A)の場合には、間引き処理対象のライン画像と判別される(S002でYes)。一致しない場合には(S002でNo)、処理をステップS005へ進める。
CPU400は、間引き処理対象のライン画像と判別されると、プリンタエンジン部700で設定されている画像形成条件、詳しくは現像器4に印加する現像バイアス(現像Vcont)とライン画像の太さとに応じた間引き処理レベルで画像処理を施す。具体的には、図3に示す置換画素メモリ660に収納された図13で示した間引き量テーブルを参照して間引きレベル1〜4を選択して設定し(S003)、画素置換部650で間引き処理を実行する(S004)。
CPU400は、画素置換部650で画素の置換を実行した画像データとS001で間引き対象としなかった画像データとを合成して(S005)、プリンタエンジン部700へ出力する(S006)。
<効果の確認>
本実施形態の画像形成装置の構成を用いて本願発明の効果の確認を行った。
まず、先に示すプリンタエンジン部700の一次転写部Tの構成より画像処理(間引き処理)が必要なライン画像のライン間隔を決める。本構成において、感光体ドラム1の径はφ108mm、一次転写ローラ5の径はφ16mmで、感光体ドラム1に対して対向(オフセット量0mm)に配置され、かつ約1000g重の押し圧で当接されているものとする。この構成において、一次転写ニップ部Tの転写ニップ領域を調べたところ約2.5〜3.5mmであった。また、使用するトナーのトナー粒径は約7μmで、最大濃度のライン画像を形成した際のトナーの載り量(高さ)hは、約20μmである。
以上より、間引き処理が必要なライン間隔を算出したところ、2.5mm〜3.5mmであった。よって、ライン間隔が2.5mm〜3.5mmの場合に、画像処理(間引き処理)を実行する。
本発明では転写ニップ幅を測定して間引き処理が必要なライン間隔を算出したが、図31のようなライン間隔を変化させたテスト画像を用いて予めライン画像の飛び散り・爆発が発生するライン間隔を把握しても良い。
本発明の効果を示す為に、図31に示すような画像を出力した。具体的には、主走査方向にライン画像の長さが約5mmで、ライン画像の太さが約170μm程度のライン画像を副走査方向のライン間隔を1.0mm〜4.9mm程度まで0.3mm毎に変化させたライン画像を複数配列させた画像出力した。この際、ここでのライン画像の濃度は最大濃度としている。
コピースタートボタンを押し、画像形成動作がスタートされると画像処理部600におけるパターンマッチング部640は、ライン間隔が2.5mm〜3.4mmのライン画像について間引き処理が必要だと判断する。また上記ライン画像を形成する為の必要な現像コントラスト電位は、200Vであると認識された。
よって、図13に示す予め用意された間引き量のテーブルより画像処理を行う対象のライン画像の間引き量は、図11の間引きレベル3:10%と判定され、間引き処理(画素の置き換え)が実行され、プリンタエンジン部700へ画像データが送られる。この画像データに基づいて、画像形成装置では実際に画像形成が行われた。
図15は、実際にライン画像の飛び散り・爆発が発生するライン間隔3.4mmにおける上記画像処理(間引き処理)が行われた出力画像と画像処理(間引き処理)が行われていない出力画像の結果を示すものである。図15を見てわかるように、本願発明の間引き処理によってライン画像の飛び散り・爆発が抑制されているのがわかる。
また図16は、ライン画像の飛び散り・爆発が発生しないライン間隔1mmにおける、従来行われていたような一律に間引き処理を行った場合のライン画像の出力結果と本願発明を適用して間引き処理を行わなかった場合の出力結果を示す図である。図16を見て分かるように、本実施形態においては、そもそもライン画像の飛び散り・爆発が発生しないライン画像で間引き処理は行わない為、ライン画像に欠けがなくかつライン画像の飛び散り・爆発が発生していないことが分かる。
以上のように、本実施形態において、ライン画像の飛び散り・爆発を抑制しつつ、ライン画像に欠けを抑止しライン画像の品位を維持することが可能となった。
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、ある決まった範囲のライン間隔について間引き処理を施していた。つまりその範囲内のライン間隔においては間引き量は一定で、現像バイアス(現像Vcont)とライン画像の太さとに応じて間引き量を決定した。
しかし、近年に見られる更なる画像形成装置の高速化によって、転写ニップ領域が小さいと十分な転写行為が行われない為、下記の構成が提案されてきている。つまり、転写ニップ領域を増やす為に、感光体ドラムに対する一次転写ローラのオフセット量を増やし、一次転写ローラの外径を大きくすることで転写ニップ領域を広げる方法である。もちろん、高速化によって、本発明で説明したような転写ニップでライン画像が受ける圧力も増大傾向にある。
このように一次転写ニップ部の領域が広がると、ライン画像の飛び散り・爆発が発生するライン間隔の範囲も広がり、ライン間隔によって、ライン画像が受ける圧力も変化する。第1の実施形態のようにライン間隔によって間引き量を変化させない系においては、間引き量が足りず、飛び散り・爆発を抑制できない事や逆に過剰な間引きを行ったことにより、ラインの欠けが発生してしまう懸念がある。
実際に本発明者が第1の実施形態の画像形成装置の構成で、図17のような画像を印刷した。それによるとライン画像の飛び散り・爆発が発生するライン間隔領域内でも比較的ライン間隔が小さい場合は、ライン間隔が大きい場合よりもライン画像の飛び散り・爆発レベルが良く(少なく)、過剰に間引き処理がされていることが確認された。
これは、ライン間隔が小さい場合は、前のライン画像が完全に転写ニップ部を通過していない場合で、中間転写ベルトが感光体ドラム方向へ戻る量も小さい為、後方のライン画像が受ける圧力が小さくなる為である。
本実施形態では、このような課題を解決する為の構成を提案する。実際には第1の実施形態の画像形成装置の画像処理部600において、ライン画像の間引き量を決定する際にライン間隔のパラメータをさらに追加する。従って、本実施形態では画像形成装置の概略説明は省略する。
図18は、本実施形態における間引き処理のフローチャートである。このフローチャートは第1の実施形態で述べた図14の手順とほぼ同等であり、ステップS010が追加されている点が異なる。このため図14で説明したのと同様の手順についての説明は省略する。
第2の実施形態では、パターンマッチング部640で間引き処理が必要だと判別されたライン画像の間引き量を現像バイアス(現像Vcont)とライン画像の太さとライン間隔とに応じて間引き処理レベルを決定して間引き処理を施す点にある。CPU400は、間引き処理対象のライン画像と判別されると、プリンタエンジン部700で設定されている画像形成条件、詳しくは現像器4に印加する現像バイアス(現像Vcont)とライン画像の太さとに応じた間引き処理レベルで画像処理を施す。具体的には、図3に示す置換画素メモリ660に収納された図13で示した間引き量テーブルを参照して間引きレベル1〜4を選択して設定する(S009)。さらに次の工程でライン間隔に応じてS009で決定した間引き量を調整する。そのテーブルを図19に示す。
本実施形態で調整する間引き量は、ライン間隔に応じて、現像バイアス(現像Vcont)とライン画像の太さから図13のテーブルをもとに決められた間引き量よりレベルを1つ上げるか、レベルを1つ下げるか、もしくは変えないことをしている。
例えば、図17のようなライン画像を処理する場合、第1の実施形態の条件で画像形成を行ったので、現像コントラスト200V、ライン太さ170μmであるため、図13のテーブルに基づいて間引き量は10%(間引きレベル3)となる。ここでさらに図17におけるライン間隔2.5mmの部分は、図19にテーブルより間引き量レベルは1つ下げ(−1)、このライン画像の間引き量は6%(間引きレベル2)が選択されるのである。また図17におけるライン間隔3.5mmの部分は、図19にテーブルより間引き量レベルは変えずに(0)、このライン画像の間引き量は17%(間引きレベル4)が選択されたままとなる。ここでは1つ下げる(−1)と変えない(0)のテーブルであるが、レベルを1つ上げる(+1)を設定するケースも存在する。
本実施形態では、発明者らの検討結果より図19のようなテーブルを作成したが、画像形成装置によっては、ライン間隔による間引き補正量を増加させる必要がある場合がある為、予めライン間隔とライン画像の飛び散り・爆発レベルを検討する必要がある。
以上のように、間引き量を決定するパラメータにライン間隔を追加することで、更なるライン画像の品位を高めることが可能となった。
<第3の実施形態>
第1、第2の実施形態では、単色の画像形成装置について述べたが、本実施形態では、複数の画像形成部を有したフルカラー画像形成装置におけるライン画像の処理方法について述べる。
図20は、本実施形態における画像形成装置のプリンタエンジン部の概略構成図である。
プリンタエンジン部7000は、4色すなわち、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像形成ステーションを一列に配列させたタンデム方式の画像形成装置である。
図20に示すような画像形成装置において、静電潜像を形成する感光体ドラム1Y、1M、1C、1K、帯電部2Y、2M、2C、2K、露光部3Y、3M、3C、3K、現像部4Y、4M、4C、4Kである。また、各感光体ドラム上に形成されたトナー像を中間転写ベルト7上に転写する一次転写ローラ5Y、5M、5C、5K、クリーニング部6Y、6M、6C、6K、二次転写外ローラ11、ベルトクリーナ12、定着部13を備える。一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kは、第1の実施形態で使用した転写ローラ5と同一のものである。
各色の各々の画像形成ユニットでは、帯電部2Y〜2Kにおいて、感光体ドラム1Y〜1Kが各々帯電され、その後画像信号に応じて露光部3Y〜3Kによって走査されることで感光体ドラム1Y〜1K上に静電潜像が形成される。その後、現像部4Y〜4Kにおいて、トナー像に現像される。本実施形態では、2成分現像剤が収容されており、第1の実施形態と同じ原理でトナー像が感光体ドラム1Y〜1K上に形成される。
本実施形態における現像バイアスは、DC成分が可変な現像バイアスによって現像が行われる。感光体ドラム1Y〜1K上に形成されたトナー像は、一次転写ローラ5Y〜5Kに一次転写バイアスが印加され、中間転写ベルト7上に順次重ね合わさるように転写される。一次転写後に感光体ドラム1Y〜1K上に残った転写残トナーは、クリーニング部6Y〜6Kによって除去される。
中間転写ベルト7上に転写されたトナー像は、二次転写部T2において記録材上に二次転写される。本実施形態で用いた二次転写ローラ11は、第1の実施形態と同様のものを使用している。二次転写部T2において、記録材に転写されたトナー像は、定着部13で定着されることにより、フルカラー画像を得る。二次転写部T2において、転写されなかった転写残トナーはベルトクリーナ12によって除去される。
以上のような複数の画像形成ユニットを有する画像形成装置において、ライン画像の飛び散り・爆発の発生を防ぐ、ライン画像の画像処理について説明する。画像処理部600の概略構成は第1の実施形態と同様である。
今、第1の実施形態の画像処理方法を用いて、図21に示すようなイエローとマゼンタ単色で構成されたライン画像を出力する。図21は、ライン画像として、イエローとマゼンタの各々の単色ライン画像が2.5mm間隔で交互に副走査方向に並んで形成されている。
このようなフルカラー画像形成装置では、入力された画像信号をC、M、Y、K各々の色成分に変換し、それぞれの画像形成ステーションで画像形成を行う。つまり、図26のライン画像は、イエローとマゼンタのライン画像に分類され、それぞれの画像形成ステーションでライン画像として形成されるのである。
まず、イエローSt(第1の像担持体を備える画像形成手段)では図22に示すようなライン画像を、マゼンタSt(第2の像担持体を備える画像形成手段)では図23に示すライン画像をそれぞれ作成することになる。各画像形成ステーションでは、第1の実施形態と同様にライン画像の判別、間引き処理の有無の判別をライン間隔に応じて行う。すると各画像形成ステーションで形成されるライン画像の間隔は各々5mmである為、間引き処理をしないという判断になる。
このようにして第1の実施形態の画像処理部600を用いて出力した画像サンプルを図24に示す。図24に示すように、ライン画像の間引き処理が各画像形成ステーションで実行されていなかった為、マゼンタ色の横ライン画像で飛び散り・爆発が発生してしまった。
この原因について説明する。図21の画像を形成する際に、まずイエローステーションYStで5mm間隔のライン画像が形成される。そして中間転写ベルト7上に形成されたイエローのライン画像はそのままマゼンタステーションMStの一次転写ニップ部に進入する。その時の様子を図25に示す。図25は、マゼンタステーションMStの一次転写ニップ部を示した模式図である。マゼンタステーションMStの転写ニップ部では、イエローステーションYStで形成されたライン画像が既に中間転写ベルト上に存在する。このため感光体ドラム1M上(第2の像担持体)に形成されたライン画像が転写ニップ部に到達する前に既に中間転写ベルト7がイエローのライン画像によって押し下げられている。つまり、既にマゼンタステーションの一次転写ニップ部をイエローのライン画像が通過している時にマゼンタ色のライン画像が一次転写ニップ部に進入すると感光体ドラム・中間転写ベルト間に発生する圧力を受けてしまうのである。
このように、第3の実施形態のような画像形成装置では、最上流ステーションにおける画像処理方法は第1の実施形態と同様で問題はないが、二番目以降のステーション(本実施形態では、M,C、Kステーション)では新たな画像処理方法を取らなければならない。
よって本実施形態では、フルカラー画像を作成する画像形成装置においても、ライン画像の飛び散り・爆発を抑制できる画像処理方法を提案する。特徴的な点は、YMCK各画像形成ステーションで二番目以降に画像形成される画像形成ステーションでは、上流に配置されたステーションで形成されるライン画像の情報も加味して画像処理を行う点である。
つまり、第3の実施形態においては、マゼンタステーションMStでは、イエローステーションYSt+マゼンタステーションMStで形成されるライン画像を入力画像として画像処理を行う。シアンステーションCStでは、イエローステーションYSt+マゼンタステーションMSt+シアンステーションCStで形成されるライン画像情報をもとに画像処理を行う。もちろん、ブラックステーションでも同様である。
本実施形態では、マゼンタステーションMStにおけるライン画像の画像処理について説明するが、その他のステーションにおいても同様の原理で実行される。
図26は、画像処理部600における画像処理の手順を示すフローチャートである。まず、マゼンタステーションMStに送られてくる入力画像を第1の実施形態で説明したようにCPU400は、遅延回路610、特徴抽出部620でライン画像を抽出する(S014)。ライン画像と判別されると、イエローステーションYStで形成されるライン画像とマゼンタステーションMStで形成されるライン画像が合成される(S015)。そしてCPU400は、パターンマッチング部640で、その合成したパターンによりマゼンタ色のライン画像(第2のライン画像)と図27に示すようなイエローのライン画像(第1のライン画像)とのライン間隔を判別する。さらにマゼンタのライン画像(第2のライン画像)とライン画像(第1のライン画像)とのライン間隔を判別する(S016)。
もし、マゼンタステーションMstで形成される一次転写ニップ領域(ニップ幅)とそれらのライン画像とのライン間隔Wの関係が、(B−A)<W<(C−A)を満たす場合は、マゼンタのライン画像に間引き処理を行うと判別する(S016のYes)。間引き処理が必要だと判断されたライン画像は、現像コントラスト電位、ライン画像の太さとライン間隔により間引き量が決定される(S017、S018)。
CPU400は、画素置換部650で間引き処理を実行し(S019)、間引き処理された画像は間引き処理されない画像と画措置幹部650で合成され(S020)、マゼンタステーションMstへ画像データを出力し(S021)画像形成が行われるのである。
以上のように、フルカラー画像形成装置において本実施形態のような画像処理手段を設けることで、ライン画像の飛び散り・爆発を抑制しつつ、ライン画像に欠けを抑止しライン画像の品位を維持することが可能となる。
以上説明してきたように、本発明によれば、入力画像を画像処理部でライン画像であるか認識し、ライン画像のライン間隔を検出し、その結果に応じて間引き処理を行うか判断する。これにより過剰な間引き処理によるライン画像の欠けという課題を防止し、特定のライン間隔で発生する横ライン画像の飛び散り・爆発を抑制できるのである。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るプリンタエンジン部の概略構成図である。 本発明の実施形態に係る画像処理部の回路構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係るライン画像の飛び散り・爆発現象のメカニズムを示した模式図である。 第1の実施形態における転写ニップ内をライン画像が通過したときに中間転写ベルトが押し下げられる量を示した図である。 パターンマッチング処理方法を説明する図である。 パターンマッチング処理方法を説明する図である。 パターンマッチング処理方法を説明する図である。 本発明の実施形態に係るライン画像の判別方法を示した図である。 本発明の実施形態に係るライン間隔の判別方法を示した図である。 本発明の実施形態に係る間引き処理パターンを示した図である。 本発明の実施形態に係る間引き処理の効果を示した図である。 第1の実施形態に係る間引き量(間引きパターン)を決定するテーブルを示す図である。 第1の実施形態に係る画像処理部で行われる画像処理手順を示したフローチャート図である。 第1の実施形態で実際に出力した印刷画像(ライン間隔3.4mm)を示す図である。 第1の実施形態で実際に出力した印刷画像(ライン間隔1.0mm)を示す図である。 ライン間隔が不規則に並んだライン画像を示す図である。 第2の実施形態に係る画像処理部で行われる画像処理手順を示したフローチャート図である。 第2の実施形態に係るライン間隔に応じて間引き量を変更するテーブルを示す図である。 第3の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。 第3の実施形態で出力したライン画像を示す図である。 第3の実施形態で出力するイエローステーションで形成されるライン画像を示す図である。 第3の実施形態で出力するマゼンタステーションで形成されるライン画像を示す図である。 第1の実施形態における画像処理方法で出力したカラーライン画像を示す図である。 第3の実施形態に係るカラー画像のライン画像の飛び散り・爆発現象のメカニズムを示した模式図である。 第3の実施形態に係る画像処理部で行われる画像処理手順を示したフローチャート図である。 第3の実施形態に係るライン間隔の判別方法を示した図である。 本発明に係るライン画像の飛び散り・爆発現象を表したものである。 ライン画像の飛び散り・爆発現象のメカニズムを示した模式図である。 本発明に係るライン画像の飛び散り・爆発現象を表したものである。 本発明で使用したテスト画像のサンプルである。 従来手法における間引き処理を行ったときのライン画像の拡大図である。
符号の説明
400 CPU
500 ビットマップメモリ
600 画像処理部
610 遅延回路
620 特徴抽出部
640 パターンマッチング部
650 画素置換部

Claims (2)

  1. 回転駆動される像担持体に、入力される画像データに基づいて形成されたトナー像を前記像担持体と記録材とによってニップすることにより前記トナー像を前記記録材に転写する画像形成装置であって、
    前記像担持体の回転方向に交差する方向に形成する複数ラインのライントナー像の前記像担持体の回転方向におけるライン間隔を画像データに基づいて判定する判定手段と、
    前記判定手段によって判定された前記ライン間隔が、先行ライントナー像が前記像担持体と前記記録材とによってニップされることによって前記像担持体に対する前記記録材の位置が変動している間に後続のライントナー像が前記像担持体と前記記録材とによってニップされる間隔に相当する場合、当該後続のライントナー像を形成するための画像データに対して当該後続のライントナー像に含まれる画素に対応する画素データを削除する間引き処理を実行し、前記判定手段によって判定された前記ライン間隔が、先行ライントナー像が前記像担持体と前記記録材とによってニップされることによって前記像担持体に対する前記記録材の位置が変動している間に後続のライントナー像が前記像担持体と前記記録材とによってニップされない間隔に相当する場合、当該後続のライントナー画像に対して前記間引き処理を実行しない画像処理手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 回転駆動される感光ドラム上に、入力される画像データに基づいて形成されたトナー像を前記感光ドラムと中間転写ベルトとによってニップすることによって前記中間転写ベルトに転写し、当該中間転写ベルト上のトナー像を記録材に転写する画像形成装置であって、
    前記感光ドラムの回転方向に交差する方向に形成する複数ラインのライントナー像の前記感光ドラムの回転方向におけるライン間隔を画像データに基づいて判定する判定手段と、
    前記判定手段によって判定される前記ライン間隔が、先行ライントナー像が前記感光ドラムと前記中間転写ベルトとによってニップされることによって前記感光ドラムに対する前記中間転写ベルトの位置が変動している間に後続のライントナー像が前記感光ドラムと前記中間転写ベルトとによってニップされる間隔に相当する場合、当該後続のライントナー像を形成するための画像データに対して当該後続のライントナー像に含まれる画素に対応する画素データを削除する間引き処理を実行し、前記判定手段によって判定される前記ライン間隔が、先行ライントナー像が前記感光ドラムと前記中間転写ベルトとによってニップされることによって前記感光ドラムに対する前記中間転写ベルトの位置が変動している間に後続のライントナー像が前記感光ドラムと前記中間転写ベルトとによってニップされない間隔に相当する場合、当該後続のライントナー画像に対して前記間引き処理を実行しない画像処理手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
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