JP5288938B2 - 創外固定器 - Google Patents

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本発明は、例えば骨延長術に使用される創外固定器に関するものである。
例えば骨折した骨同士を癒合させたり、先天的に形態異常のある骨を切離して癒合させたりするなどの骨延長術に用いられる器具として、例えば特開2005−204987号に開示される創外固定器(以下、従来例)が提案されている。
この従来例は、切離された骨夫々に添設され螺子棒を有する添設体と、切離した一方の骨に刺入されたピンを支持し螺子棒に螺着されスライド自在に設けられるスライドピン支持部と、他方の骨に刺入されたピンを支持し添設体に移動不能に設けられる固定ピン支持部とで構成され、スライドピン支持部が固定ピン支持部に対して接離する構成である。
従って、従来例は、切離した骨の脇に添設体を配置し、スライドピン支持部と固定ピン支持部とで骨に刺入させたピンを支持し、螺子棒を回転させることによりスライドピン支持部と固定ピン支持部との間の距離を調整できるから、即ち、対向する骨同士の間隔を調整できるから、当該スライドピン支持部と固定ピン支持部との対向間隔を適宜可変することで骨の癒合を促しながら骨形成を行うことが可能となる。尚、骨の成長によって切離部が癒合した後、骨からピンを除去する。
特開2005−204987公報
ところが、従来例は、前述した骨延長術の途中段階において、広げたはずのスライドピン支持部と固定ピン支持部との対向間隔が狭くなってしまうという問題点がある。
即ち、従来例は、前述したように螺子棒を回動することでスライドピン支持部と固定ピン支持部との対向間隔を広げる構造であるが、実際にスライドピン支持部と固定ピン支持部とで骨に刺入されたピンを支持した状態で両者の対向間隔を広げた際、このピンに対し、筋肉や筋などの組織によって戻り方向(狭める方向)に強い力がかかり、この強い力が螺子孔を具備するスライドピン支持部を固定ピン支持部に対して接近せしめる方向に作用することで螺子棒が逆方向に回動し、よって、螺子孔を具備するスライドピン支持部が固定ピン支持部に対して接近する方向に移動して両の対向間隔が狭くなってしまい、骨延長術が良好に行なわれない場合がある。
本発明は、上述の問題点を解決する、従来にない作用効果を発揮する画期的な創外固定器を提供する。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
切離された骨1A,1B夫々に添設され螺子棒6を有する添設体2と、切離した一方の骨1Aに刺入されたピン3を支持し前記螺子棒6に螺着されスライド自在に設けられるスライドピン支持部4と、他方の骨1Bに刺入されたピン3を支持し前記添設体2に移動不能に設けられる固定ピン支持部5とで構成され、前記スライドピン支持部4が前記固定ピン支持部5に対して接離する創外固定器であって、前記スライドピン支持部4は前記添設体2に設けられた凹条のガイド部2aにスライド自在に設けられ、また、前記ガイド部2aには仕切り部2cが設けられ、前記螺子棒6は前記仕切り部2cに設けられた軸受孔2d及び前記スライドピン支持部4の螺子孔7により軸受けされ、前記螺子棒6を回動させ前記スライドピン支持部4をスライドさせることで該スライドピン支持部4を前記固定ピン支持部5に対して接離する構成とし、更に、前記スライドピン支持部4,固定ピン支持部5及び前記添設体2をポリエーテルエーテルケトン樹脂製、前記螺子棒6を金属製とし、前記螺子棒6と前記スライドピン支持部4の螺子孔7との接触を金属と合成樹脂の接触としたことを特徴とする創外固定器に係るものである。
また、請求項1記載の創外固定器において、前記螺子棒6をチタン合金製としたことを特徴とする創外固定器に係るものである。
また、請求項1,2いずれか1項に記載の創外固定器において、前記螺子棒6の先端部には回動操作部としての六角棒状部6bが設けられていることを特徴とする創外固定器に係るものである。
また、請求項1〜3いずれか1項に記載の創外固定器において、この創外固定器は指を骨折した際、この指に添設されるものであることを特徴とする創外固定器に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、前述した従来例と異なり、例えば骨延長術の途中段階において広げたスライドピン支持部と固定ピン支持部との対向間隔が狭くなってしまうようなことはなく、常に良好な骨延長術が行なえることになるなど従来にない作用効果を発揮する画期的な創外固定器となる。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて簡単に説明する。
例えば骨延長術を行う際、切離した一方の骨1Aに刺入されたピン3をスライドピン支持部4で支持するとともに、他方の骨1Bに刺入されたピン3を固定ピン支持部5で支持し、この状態でスライドピン支持部4の螺子孔7に螺着される螺子棒6を回動させることでスライドピン支持部4と固定ピン支持部5とを離反方向に相対移動せしめ、当該スライドピン支持部4と固定ピン支持部5との対向間隔を適宜可変することで骨1A,1Bの癒合を促しながら骨形成を行う。
ところで、本発明は、螺子棒6と螺子孔7とが互いに接触する接触面のうち螺子棒6を金属とし、螺子孔7を樹脂としたから、極めて画期的な作用効果を発揮することになる。
具体的には、本発明者は、前述した従来例の問題点、即ち、骨延長術の途中段階において、広げたはずのスライドピン支持部4と固定ピン支持部5との対向間隔が狭くなってしまうという問題点(螺子棒が逆方向に回動してしまう問題点)として、螺子棒と該螺子棒とが螺着する面(互いに接触する接触面)における接触抵抗が低いからであると考え(従来例は螺子棒と螺子孔との接触面(螺着面)を金属面としている)、この点に着目して本発明を完成させたものである。
つまり、本発明は、螺子棒6と螺子孔7との接触を、金属と樹脂とによる摩擦抵抗が極めて大きな接触(回動抵抗の大きな接触)とする構成としたから、スライドピン支持部4と固定ピン支持部5とに離反する方向に強い力がかかったとしても螺子棒6が逆方向に回動することがなく、骨延長術の途中段階において広げたスライドピン支持部4と固定ピン支持部5との対向間隔が狭くなってしまうようなことはない。
従って、常に良好な骨延長術が行なえることになる。
本発明の具体的な一実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、切離された骨1A,1B夫々に添設され螺子棒6を有する添設体2と、切離した一方の骨1Aに刺入されたピン3を支持し螺子棒6に螺着されスライド自在に設けられるスライドピン支持部4と、他方の骨1Bに刺入されたピン3を支持し添設体2に移動不能に設けられる固定ピン支持部5とで構成され、スライドピン支持部4が固定ピン支持部5に対して接離する構成である。尚、本実施例では、指の骨の骨延長術に使用される創外固定器として構成しているが、他の骨の骨延長術に使用される構成としても良く、本実施例の特性を発揮する構成であれば適宜採用し得るものである。
具体的には、スライドピン支持部4と固定ピン支持部5を構成する骨固定部本体は、図1〜3に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で一体成形したものであり、本実施例ではこの骨固定部本体を形成する合成樹脂としてポリエーテルエーテルケトン樹脂を採用している。
このポリエーテルエーテルケトン樹脂は、合成樹脂製であるため成形表面は適宜な摩擦抵抗を有し、また、射出成形可能な熱可塑性樹脂であって極めて秀れた耐熱性(融点334℃)及び耐薬品性を有する。
従って、後述する金属製の螺子棒6との接触に秀れた摩擦抵抗を発揮することになり(樹脂と金属との接触により良好な摩擦抵抗が生じる。)、しかも、秀れた耐熱性及び耐薬品性を有するため高熱殺菌処理及び薬品処理にも十分耐え得ることになる。
また、スライドピン支持部4と固定ピン支持部5は、いずれも骨固定部本体の上部に骨1A,1Bに刺入するピン3を支持するピン支持部4B,5Bを具備している。
このピン支持部4B,5Bは、図1〜3に図示したように骨固定部本体の上部周面に貫通形成されピン3を挿通し得る一対のピン挿通孔4a,5aと、このピン挿通孔4a,5aと一端が連通し骨固定部本体の上部上面に他端が開口する螺子孔4b、5bに螺着する螺子部材8,9とで構成されており、当該ピン挿通孔4a,5aに挿通したピン3を螺子部材8,9で押圧することで支持し得るように構成されている。
一方のスライドピン支持部4は、図2に図示したように骨固定部本体の下部に後述する添設体2のガイド部2aをスライドするスライド部4Aが設けられ、このスライド部4Aには後述する螺子棒6に被嵌する螺子孔7が設けられている。
従って、スライドピン支持部4は、螺子棒6の回動によって螺動し、スライド部4A(螺子孔形成部4A)が添設体2のガイド部2aに沿ってスライドすることで他方の固定ピン支持部5に対して切離移動し得ることになる。また、螺子孔7の内面(表面)にして後述する螺子棒6との接触面7a(螺子面)は合成樹脂面であり、よって、この螺子孔7における金属製の螺子棒6との接触は合成樹脂と金属との接触になる
固定ピン支持部5は、図2に図示したように骨固定部本体の下部に後述する添設体2の基端部に設けた連結凹部2bに嵌合する嵌合連結部5Aが設けられ、この嵌合連結部5Aを添設体2の連結凹部2bに嵌合し、この状態で側方から止着ピン10を嵌挿して止着するように構成されている。
従って、固定ピン支持部5は、添設体2に移動不能状態で設けられており、この固定ピン支持部5に対してスライドピン支持部4が切離方向に相対移動することになる。尚、固定ピン支持部5もスライドピン支持部4と同様、添設体2に移動自在に設けるようにしても良い。
添設体2は、図1〜3に図示したように適宜な合成樹脂製の部材(ポリエーテルエーテルケトン樹脂)を一体成形した長尺体であり、先端部から略中央部にかけての部位には前述したスライドピン支持部4のスライド部4Aをガイドする凹条のガイド部2aが設けられ、基端部には前述した固定ピン支持部5の嵌合連結部5Aを連結するための連結凹部2bが切欠状態に設けられている。
また、このガイド部2aと連結凹部2bとの間の仕切り部2cには、後述する螺子棒6を嵌挿して抜け止め係止状態で軸受する軸受孔2dが設けられている。
この添設体2の基端側に設けられた軸受孔2dに挿通した螺子棒6の基端が抜け止め係止すると、螺子棒6の先端部6bは添設体2の先端部に設けた軸受孔2eから外部に突出状態となる。従って、この添設体2の先端部から螺子棒6を回動操作するための回動操作部が突出状態となる。
螺子棒6は、図1〜3に図示したように適宜な金属製の部材(チタン合金)で形成したものであり、周面には螺子溝6aが形成されて前述した骨固定部4に設けた螺子孔7に螺着自在に設けられている。
また、螺子棒6の先端部には六角棒状部6bが設けられており、これは、図示省略の回動操作具に回り止め状態で連結するように構成されている。
また、螺子棒6の基端部には鍔部6cが設けられており、前述した添設体2の軸受孔2dに抜け止め係止するように構成されている
上の構成からなる本実施例に係る創外固定器を用いた骨延長術について説明する。ここでは、図1に図示したように手の小指の骨折した骨1A,1B同士を接合する骨延長術について説明する。
先ず、切離した左右の骨1A,1B夫々に一対のピン3を刺入するとともに、このピン3を骨1A,1Bに添設した添設体2に設けたスライドピン支持部4と固定ピン支持部5で支持する。尚、スライドピン支持部4と固定ピン支持部5で支持された状態のピン3を骨1A,1Bに刺入するようにしても良い。
続いて、螺子棒6を回動すると、この螺子棒6に被嵌する螺子孔7を設けたスライドピン支持部4は螺動して、固定ピン支持部5に対してスライドピン支持部4は離反方向に相対移動し、当該スライドピン支持部4と固定ピン支持部5との対向間隔を適宜可変することで骨1A,1Bの癒合を促しながら骨形成を行う。
このスライドピン支持部4と固定ピン支持部5との対向間隔を広げた際、このスライドピン支持部4と固定ピン支持部5とで支持されるピン3に対し、筋肉や筋などの組織によって戻り方向(狭める方向)に強い力がかかるが、本実施例は、螺子棒6と螺子孔7との接触を、金属と合成樹脂とによる摩擦抵抗が極めて大きな接触(回動抵抗の大きな接触)とする構成であるから、スライドピン支持部4と固定ピン支持部5とに離反する方向に強い力がかかったとしても螺子棒6が逆方向に回動することがなく、骨延長術の途中段階において広げたスライドピン支持部4と固定ピン支持部5との対向間隔が狭くなってしまうようなことはない。尚、本実施例では、スライドピン支持部4と固定ピン支持部5との対向間隔を広げる際にも金属と合成樹脂とによる摩擦抵抗がかかり、この点において螺子棒6の回動に影響するものであるが、このスライドピン支持部4と固定ピン支持部5との対向間隔を広げる作業は操作工具を用いて行なう作業のため問題はない。
本実施例は上述のように構成したから、常に良好な骨延長術が行なえることになる。
また、本実施例は、スライドピン支持部4と固定ピン支持部5をポリエーテルエーテルケトン樹脂で形成したから、金属との接触により良好な摩擦抵抗を生じさせることができ、しかも、秀れた耐熱性及び耐薬品性を有するため高熱殺菌処理及び薬品処理にも十分耐え得ることになる。
また、本実施例は、添設体2をポリエーテルエーテルケトン樹脂で形成したから、創外固定器のほぼ全体が秀れた耐熱性及び耐薬品性を有するため高熱殺菌処理及び薬品処理にも十分耐え得ることになる。
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
本実施例の使用状態説明図である。 本実施例の分解斜視図である。 本実施例を示す正断面図である。
1A 骨片
1B 骨片
2 添設体
3 ピン
スライドピン支持部
固定ピン支持部
6 螺子棒
7 螺子孔

Claims (4)

  1. 切離された骨夫々に添設され螺子棒を有する添設体と、切離した一方の骨に刺入されたピンを支持し前記螺子棒に螺着されスライド自在に設けられるスライドピン支持部と、他方の骨に刺入されたピンを支持し前記添設体に移動不能に設けられる固定ピン支持部とで構成され、前記スライドピン支持部が前記固定ピン支持部に対して接離する創外固定器であって、前記スライドピン支持部は前記添設体に設けられた凹条のガイド部にスライド自在に設けられ、また、前記ガイド部には仕切り部が設けられ、前記螺子棒は前記仕切り部に設けられた軸受孔及び前記スライドピン支持部の螺子孔により軸受けされ、前記螺子棒を回動させ前記スライドピン支持部をスライドさせることで該スライドピン支持部を前記固定ピン支持部に対して接離する構成とし、更に、前記スライドピン支持部,固定ピン支持部及び前記添設体をポリエーテルエーテルケトン樹脂製、前記螺子棒を金属製とし、前記螺子棒と前記スライドピン支持部の螺子孔との接触を金属と合成樹脂の接触としたことを特徴とする創外固定器。
  2. 請求項1記載の創外固定器において、前記螺子棒をチタン合金製としたことを特徴とする創外固定器。
  3. 請求項1,2いずれか1項に記載の創外固定器において、前記螺子棒の先端部には回動操作部としての六角棒状部が設けられていることを特徴とする創外固定器。
  4. 請求項1〜3いずれか1項に記載の創外固定器において、この創外固定器は指を骨折した際、この指に添設されるものであることを特徴とする創外固定器。
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