JP2007029657A - 骨切りガイド - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の骨切りガイド1は、骨を略円弧状に骨切りするためのものであり、略円弧状の貫通部5を有する摺動路と、貫通部5に沿って摺動路内を摺動可能な摺動部材7と、骨切りガイド1を骨40に固定するための固定部材50を挿入するための固定部材挿入部13とを備え、摺動部材7は、骨切り刃55を挿入するための骨切り刃挿入部11を備えている。
【選択図】図14
Description
そこで、上記問題を解決するため、図19に示すように、骨切断用のノコギリ刃をガイドするための円弧状の孔部62と、固定部材を挿入するための孔63とを有し、大腿骨を円弧状に切断するための骨切りガイド60が考案された(非特許文献1)。
また、非特許文献1に記載された骨切りガイドを用いて骨切りを行った場合、骨切り刃がガイドに接触して、ガイドを削るおそれがあり金属粉が生体内に残る可能性が大きい。また、この骨切りガイドで骨切りを行うと、長い骨切り刃を用いる必要があり、また、骨切り部を観察することが困難であり、骨切りのコントロールも困難となる。
Z Orthop 2001;139,311〜316頁
(1)骨を略円弧状に切断するための骨切りガイドであって、該ガイドは、略円弧状の貫通部を有する摺動路と、該貫通部に沿って摺動路内を摺動可能な摺動部材と、前記骨切りガイドを骨に固定するための固定部材を挿入するための固定部材挿入部とを備え、該摺動部材は、骨切り刃を挿入するための骨切り刃挿入部を備えていることを特徴とする骨切りガイド。
(2)前記骨切りガイドは、大腿骨の転子より外側部分を略円弧状に切断するためのものである上記(1)に記載の骨切りガイド。
(3)前記骨切りガイドは、脛骨の高位部分を略円弧状に切断するためのものである上記(1)または(2)に記載の骨切りガイド。
(4)前記貫通部は、前記骨切りガイドを貫通する円弧状の孔部である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の骨切りガイド。
(5)前記摺動路には、前記摺動部材が摺動するための被摺動部が設けられ、該摺動部材には、該被摺動部に対して該摺動部材が摺動するための摺動部が設けられ、該被摺動部もしくは該摺動部の一方には摺動用凹部が設けられ、他方には該摺動用凹部に対応する形状を有する摺動用凸部が設けられている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の骨切りガイド。
(6)前記貫通部は、90°以上の円弧として形成されている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の骨切りガイド。
(7)前記摺動路内における前記骨切り刃挿入部の略円弧状移動可能線の曲率半径は、35〜55mmである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の骨切りガイド。
(9)前記骨切り刃挿入部の骨切り刃の厚み方向の長さは、前記骨切り刃の厚みより1〜2mm大きいものとなっている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の骨切りガイド。
(10)前記固定部材挿入部は、前記摺動路内における前記骨切り刃挿入部の略円弧状移動可能線の同心円上に沿って等間隔毎に配置されている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の骨切りガイド。
(11)前記固定部材挿入部は、前記摺動路内における前記骨切り刃挿入部の略円弧状移動可能線の同心円上に沿って、一定間隔離間した前記固定部材挿入部の組が複数組配置されるように設けられている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の骨切りガイド。
(12)前記摺動部材は、前記骨切りガイドを骨に仮固定するための固定部材を挿入するための仮固定用挿入部を備えている上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の骨切りガイド。
(13)前記仮固定用挿入部は、前記摺動路内における前記骨切り刃挿入部の略円弧状移動可能線上に複数配置されている上記(12)に記載の骨切りガイド。
このため、本発明の骨切りガイドによれば、骨切りをスムースに行うことができる。
摺動路4は、図1から図4に示すように、貫通部5と、貫通部5に沿って設けられ摺動部材7が摺動するための被摺動部6とを備えている。貫通部5は、本発明の実施例では、本体部3を貫通する略円形状の孔部である。貫通部5が略円弧状に形成されていることにより、摺動部材7が摺動路4に沿って略円弧状に摺動するものとなる。また、貫通部としては、図5に示すように、摺動部材7が摺動路に沿って摺動可能なものであれば、円弧状の孔部の一部が切り欠きされているものであってもよい。図5に示す実施例において、貫通部8は、円弧状の孔部の一端が切り欠きされた形状となっている。また、貫通部は、図6に示すように、摺動部材7を摺動路から出し入れ可能な円弧状の切り込み9であってもよい。これらのような構成であっても、貫通部5と同様の効果を発揮する。
貫通部(孔部)5は、手術中の取り扱い性及び一度の操作で切断可能な骨切り距離を考慮して90°〜120°の円弧として形成されていることが好ましい。 摺動部材7は、図1,図2,図3に示すように、骨切り刃55を挿入するための骨切り刃挿入部11を有する摺動部材本体10と、摺動路4を摺動するための摺動部12とを備えている。また、本発明の実施例において、摺動部材7は、骨切りガイド1を骨に仮固定するための固定部材52を挿入するための仮固定用挿入部21を備えている。骨切り刃挿入部11は、本発明の実施例では挿入孔となっている。また、摺動部材本体10は円弧状に形成されている。
また、骨切り刃挿入部11は、貫通部5の中央線18付近に形成されていることが好ましい。また、骨切り刃挿入部11の骨切り刃の厚み方向の長さは、骨切り刃55の厚みより若干大きいものとなっていることが好ましい。具体的に、骨切り刃挿入部11の骨切り刃の厚み方向の長さは、骨切り刃55の厚みより1〜2mm大きいものとなっていることが好ましい。このような構成により、骨切りの際、骨切り刃55は貫通部(孔部)5内において滑らかな曲線を描いて進行するものとなる。
図1,図4に示す実施例では、被摺動部6は、貫通部5の内側面に設けられた摺動用凹部6aを備えている。具体的に、摺動用凹部6aは、貫通部5の内側面に設けられた溝部6aである。また、摺動部12には摺動用凸部12aが設けられている。具体的に、摺動用凸部は、摺動部材本体部10の上面及び下面に設けられた突条部12aである。溝部6aの底面及び突条部12aの上面及び下面は、略円弧状の曲面となっている。被摺動部6の溝部6aの両側部分6bは、摺動部12の突条部12aの両側部分12bに対応した形状となっている。被摺動部6の両側部分6bは、円弧状の曲面となっており、摺動部12の両側部分12bは、円弧状の曲面となっている。このような構成により、摺動部材7は、略円弧状の貫通部5に沿ってスムースに摺動する。なお、摺動用凸部としては、上述したような突条部に限定されず、突条部より長さの短い凸部により構成されていてもよい。
この骨切りガイド15の摺動路14は、貫通部5と、貫通部5に沿って設けられ摺動部材17が摺動するための被摺動部16とを備えている。また、摺動部材17は、摺動部材本体部10と、骨切り刃を挿入するための骨切断用刃挿入部11と、仮固定挿入部21と、摺動路14を摺動するための摺動部22とを備えている。
被摺動部16は、貫通部5の内側面に設けられた突条部16a(摺動用凸部)を備えている。また、摺動部22は、摺動部材本体部10の外面に設けられた溝部22a(摺動用凹部)を備えている。被摺動部16の突条部16aの両側部分16bは、円弧状の曲面となっている。また、摺動部22の溝部22aの両側部分22bは、円弧状の曲面となっている。このような構成によっても、摺動部材17は、略円弧状の摺動路14に沿ってスムースに摺動する。
また、骨切り刃挿入部11の移動可能角度は、90°以上、特に、90〜120°であることが好ましい。移動可能角度とは、本発明の実施例においては、摺動部材7が貫通部5の一方の端部に位置した状態における挿入部11の一端と、他方の端部に位置した状態における挿入部11の他端との間の貫通部5の中央線18に対する角度である。このような角度であれば、骨切りガイド1の取り扱い性を保ちつつ十分な骨切り距離を確保することができる。
固定部材挿入部13は、骨切りガイド1を骨に固定する際にキルシュナーワイヤー、ステインマン鋼線などの固定部材50を挿入する部分である。固定部材挿入部13を有することにより、骨切りガイド1を所定位置に安定した状態で固定することができる。
また、固定部材挿入部13は、図1,図2に示すように、摺動路4内における骨切り刃挿入部11の略円弧状移動可能線18の同心円上に沿って等間隔に配置されていることが好ましい。また、固定部材挿入部13は、図10に示すように、摺動路4内における骨切り刃挿入部11の略円弧状移動可能線18の同心円上に沿って、一定距離離間した固定部材挿入部13の組が複数組配置されるように設けられていてもよい。図10に示す固定部材挿入部13は、一定距離離間して形成された固定部材挿入部13の組が2組同心円上に沿って配置されるように設けられている。例えば、固定部材挿入部13は、左から1番目と2番目の挿入部13からなる組と、左から3番目と4番目の挿入部13からなる組が同心円上に沿って配置されるように設けられている。
骨切りガイド1の構成材料としては、レントゲン透視で骨切り部を確認することができるX線不透過性素材であることが好ましく、特に、ステンレス鋼などの金属、または金属と樹脂による組み合わせであることが好ましい。
骨切り刃55としては、長さ50mm程度の比較的短い鋸刃を用いることができる。骨切り刃55としては、図15に示すように、気動もしくは電動工具57に取り付けて使用されるものであることが好ましい。
本発明の骨切りガイド1を用いれば、骨切りの際に、骨切り刃55が貫通部(孔部)5内の適当な位置に保たれながら貫通部5内を進行する。具体的に、本発明のガイド1を用いれば、骨切断の際に骨切り刃55は滑らかな円弧を描きながら進行する。よって、本発明の骨切りガイド1によれば、骨の切断がスムースに行われる。また、本発明の骨切りガイド1を用いれば、切断面が従来のガイドを用いた場合より滑らかなものとなるので、切断面同士の癒合が良好なものとなる。
図11から図14は、本発明の実施例の骨切りガイドの使用方法を説明するための説明図である。ここでは、彎曲内反骨切り術を例にとり本発明の実施例の骨切りガイド1の使用方法を説明する。図11から図14は、右脚の大腿骨40を背面側から見た図である。この骨切りガイドの使用方法は、一度の切断操作で骨切りが完了しない場合である。
まず、X線等を用いて、大腿骨骨頭の内反角度、切骨曲面のサイズ、骨切り位置(骨切り予定線)を決定する。そして、麻酔下、患者を完全側臥位として、大転子43を中心に約10〜15cm外側縦切開を加え、大腿筋膜も同一線上で切開する。この後、膝関節を60°〜90°屈曲し、股関節を最大内旋位に保持する。大転子部を展開し、小転子45を骨膜下に剥離してエレバトリユムで展開する。この状態で、大転子後面から小転子にかけて転子間稜を含め骨切り部分が展開されることになる。
次に、骨切りガイド1の本体部3を大腿骨40に対して正確に位置決めした状態で、キルシュナーワイヤー50を固定部材挿入部13に挿入して大腿骨40にガイド1を固定(本固定)する。そして、仮固定用挿入部21からキルシュナーワイヤー52を取り外す。
まず、X線、MR等を用いて、膝関節矯正角度、骨切り位置(骨切り予定線)等を決定する。そして、麻酔下、患者を仰臥位する。そして、関節鏡を用いて関節内の状態を把握し、軟骨、半月板の損傷を確認し、必要があれば適宜処置する。その後、腓骨の骨切りを行う。腓骨の骨切りは腓骨中央部において行われる。次に、脛骨結節から約一横指中枢で、横一直線の皮切をする。そして、脛骨の高位部分の内外側から筋肉組織、骨膜、靱帯等を十分に剥離する。そして、脛骨の高位部分の内外側から筋肉組織等を十分に剥離した後、筋鉤やレトラクターで確実に神経血管束が防御されていることを確認する。その後、膝蓋腱を剥離し、骨切りの際に邪魔にならないようにする。脛骨が十分に剥離できたら創外固定器用のピンの挿入を行う。創外固定器用のピンは、脛骨中枢側と末梢側に挿入される。
次に、骨切りガイド1を脛骨に対して正確に位置決めした状態で、キルシュナーワイヤー50を固定部材挿入部13に挿入して脛骨47にガイド1を固定(本固定)する。そして、仮固定用挿入部21からワイヤー52を取り外す。
そして、工具57に取り付けた骨切り刃55を骨切り刃挿入部11に挿入し、図17、図18に示すように、貫通部5に沿って骨切り刃55を進行させ円弧状に脛骨47を切断する。骨切り後、骨切り刃55、骨切りガイド1、ワイヤー50を脛骨47から取り外す。そして、骨切り終了後、脛骨高位側部分の骨切り面と脛骨低位側部分の骨切り面とを互いにずらし、所定の矯正角度において創外固定器の装着を行うことにより骨切り面同士を固定する。
4 摺動路
5 貫通部
7 摺動部材
11 骨切り刃挿入部
13 固定部材挿入部
40 骨
50 固定部材
Claims (13)
- 骨を略円弧状に切断するための骨切りガイドであって、該ガイドは、略円弧状の貫通部を有する摺動路と、該貫通部に沿って摺動路内を摺動可能な摺動部材と、前記骨切りガイドを骨に固定するための固定部材を挿入するための固定部材挿入部とを備え、該摺動部材は、骨切り刃を挿入するための骨切り刃挿入部を備えていることを特徴とする骨切りガイド。
- 前記骨切りガイドは、大腿骨の転子より外側部分を略円弧状に切断するためのものである請求項1に記載の骨切りガイド。
- 前記骨切りガイドは、脛骨の高位部分を略円弧状に切断するためのものである請求項1または2に記載の骨切りガイド。
- 前記貫通部は、前記骨切りガイドを貫通する円弧状の孔部である請求項1ないし3のいずれかに記載の骨切りガイド。
- 前記摺動路には、前記摺動部材が摺動するための被摺動部が設けられ、該摺動部材には、該被摺動部に対して該摺動部材が摺動するための摺動部が設けられ、該被摺動部もしくは該摺動部の一方には摺動用凹部が設けられ、他方には該摺動用凹部に対応する形状を有する摺動用凸部が設けられている請求項1ないし4のいずれかに記載の骨切りガイド。
- 前記貫通部は、90°以上の円弧として形成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の骨切りガイド。
- 前記摺動路内における前記骨切り刃挿入部の略円弧状移動可能線の曲率半径は、35〜55mmである請求項1ないし6のいずれかに記載の骨切りガイド。
- 前記骨切りガイドは、該骨切りガイドを担持するための担持部を備えている請求項1ないし7のいずれかに記載の骨切りガイド。
- 前記骨切り刃挿入部の骨切り刃の厚み方向の長さは、前記骨切り刃の厚みより1〜2mm大きいものとなっている請求項1ないし8のいずれかに記載の骨切りガイド。
- 前記固定部材挿入部は、前記摺動路内における前記骨切り刃挿入部の略円弧状移動可能線の同心円上に沿って等間隔毎に配置されている請求項1ないし9のいずれかに記載の骨切りガイド。
- 前記固定部材挿入部は、前記摺動路内における前記骨切り刃挿入部の略円弧状移動可能線の同心円上に沿って、一定間隔離間した前記固定部材挿入部の組が複数組配置されるように設けられている請求項1ないし10のいずれかに記載の骨切りガイド。
- 前記摺動部材は、前記骨切りガイドを骨に仮固定するための固定部材を挿入するための仮固定用挿入部を備えている請求項1ないし11のいずれかに記載の骨切りガイド。
- 前記仮固定用挿入部は、前記摺動路内における前記骨切り刃挿入部の略円弧状移動可能線上に複数配置されている請求項12に記載の骨切りガイド。
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