JP7142820B2 - 手指用のガイド一体型創外固定器および手指用のガイド一体型創外固定器の製造方法 - Google Patents

手指用のガイド一体型創外固定器および手指用のガイド一体型創外固定器の製造方法 Download PDF

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この発明は、手指に創外固定器を設置するための鋼線を手指の骨に刺入する作業を容易に行なうことを可能とする手指用のガイド一体型創外固定器と、そのガイド一体型創外固定器の製造方法とに関する。
手指の骨折や関節拘縮および関節リウマチによる手指の変形などの治療に、創外固定器を用いることがある。創外固定器は、骨に刺入した複数の鋼線を体外で固定することで、骨や関節などの矯正や支持性を高める医療機器である。各鋼線の一端は体内の骨に刺入するが、他端は体外に出たままとする。創外固定器は、体外に出ている鋼線の間を橋渡しするように取り付けて使用される(例えば、特許文献1,2参照)。
鋼線を刺入する骨は体内にあり体外から直接視認することができない。そのため、鋼線を骨に刺入する際は、手術現場でレントゲン撮影などの透過撮影を行ない、その透過画像で骨の位置を確認しながら鋼線の刺入作業を行なう。
特開2010-42143号公報 実用新案登録第3204228号公報
手指の骨は、腕や脚の骨など他の部位の骨に比べて細いため、鋼線を刺入する至適範囲が狭い。そのため、手指の骨は、あらかじめ設定した位置に正確に鋼線を刺入するのが難しい。また、設定した位置から外れて鋼線を刺入した場合、その鋼線を抜いて刺入作業をやり直す必要がある。しかし、多数回に及ぶ鋼線の刺入作業は、手指の骨は細いため、骨が割れるおそれがある。そのため、手指の骨に鋼線を刺入する際は、失敗せずに一度で正確な位置に鋼線を刺入することが望ましい。しかしながら、上述のとおり、鋼線を刺入する骨は体内にあるため、体外から直接視認することができず、しかも手指の骨は細いため、一度で正確な位置に鋼線を刺入するのは難しかった。
この発明が解決しようとする課題は、創外固定器を取り付けるための鋼線を手指の骨に刺入する操作に際し、レントゲン撮影などの透過撮影を用いずに正確な位置に鋼線を刺入することが可能な手指用のガイド一体型創外固定器を提供することである。
この発明では、上記課題を解決するため、以下の構成のガイド一体型創外固定器を提供する。
手指の表面に沿った形状の手指支持面をもち、その手指支持面を手指に接触させた状態で手指に取り付けられる手指ガイドと、前記手指の骨に刺入する複数の鋼線を挿通させる複数の鋼線刺入孔をもつ創外固定器と、を有し、前記手指ガイドと前記創外固定器は、切り離し可能な連結部を介して一体に形成されている手指用のガイド一体型創外固定器である。
手指の骨に鋼線を刺入する際に、手指支持面が手指に接触した状態となるようにガイド一体型創外固定器を手指に取り付け、そのガイド一体型創外固定器の鋼線刺入孔に鋼線を挿通させることで、手指の骨のあらかじめ設定した位置に正確に鋼線を刺入することが可能となる。この操作において、レントゲン撮影などの透過撮影は必要としない。その後、ガイド一体型創外固定器の手指ガイドと創外固定器の連結部を切り離し、手指ガイドを手指から取り外すことで、手指の骨に刺入された鋼線に取り付けた創外固定器として使用することが可能である。
前記手指支持面は、前記手指ガイドを前記手指に取り付けたときに手指の背側部分に接触するように設けると好ましい。
このようにすると、手指の背側部分の軟部組織の厚みは、手指の掌側部分の軟部組織の厚みよりも薄いので、ガイド一体型創外固定器の位置決めが容易となる。手指の背側部分に接触するように手指ガイドを取り付けると、創外固定器の鋼線刺入孔に鋼線を挿通する際、手指の骨に対する鋼線の位置精度を確保しやすく、手指の骨のあらかじめ設定した位置に正確に鋼線を刺入することが可能である。
前記創外固定器の複数の前記鋼線刺入孔に嵌め込まれ、前記鋼線の外周を回転可能に支持する金属製のガイドスリーブを設ける。
このようにすると、鋼線を骨に刺入する手術の際に鋼線を高速で回転させても、鋼線との接触部分で生じる摩擦熱によって創外固定器の一部が溶けたり、創外固定器の摩耗粉が生じたりするのを防止することができる。
前記連結部を、手指の長軸方向に間隔をおいて複数設ける場合、その複数の連結部は、手指の長軸方向に交差する方向に交互にずれて配置すると好ましい。
このようにすると、手指の長軸方向に間隔をおいて設けられた複数の連結部が、手指の長軸方向に交差する方向に交互にずれているので、連結部の部分での曲げ剛性に優れ、手指ガイドと創外固定器の相対位置精度が安定している。そのため、手指ガイドを設置し、創外固定器の鋼線刺入孔に鋼線を挿通させたときに、正確に鋼線を刺入することができる。
前記骨が、関節を介してつながる第1の骨と第2の骨である場合、前記創外固定器は、前記第1の骨に刺入する鋼線を挿通させる鋼線刺入孔をもつ第1部分と、前記第2の骨に刺入する鋼線を挿通させる鋼線刺入孔をもつ第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とを、前記手指の関節の曲がる方向と同じ方向に回動可能に連結するヒンジ部分とからなる構成のものを採用することができる。
このようにすると、手指の骨折や関節拘縮および関節リウマチによる手指の変形などの治療を行なうときに、手指の骨に一度で正確に鋼線を刺入することが可能となる。しかも、創外固定器のヒンジ部分と手指の関節とが正確に一致するように創外固定器を取り付けることが可能となる。
さらにこの発明では、上記のガイド一体型創外固定器の製造方法として、以下の構成のものを提供する。
前記手指を透過撮影することで前記手指の骨と前記手指の表面とを含む前記手指の透過画像を取得し、その手指の透過画像に基づいて前記手指支持面と前記鋼線刺入孔とを含む前記ガイド一体型創外固定器の3次元形状データを作成し、その3次元形状データに基づいて前記ガイド一体型創外固定器の成形を行なう手指用のガイド一体型創外固定器の製造方法。
このようにすると、創外固定器の鋼線刺入孔の位置や手指ガイドの手指支持面の形状を、実際の患者の手指の骨の形状や手指の表面形状に応じて最適化することができるので、個々の患者に対して、その患者の手指の骨のあらかじめ設定した位置に一度で正確に鋼線を刺入することが可能となる。
この発明のガイド一体型創外固定器を使用すると、手指の骨に鋼線を刺入する手術をするに際し、手指支持面が手指に接触した状態となるようにガイド一体型創外固定器を手指に取り付け、そのガイド一体型創外固定器の創外固定器の部分の鋼線刺入孔に鋼線を挿通させることで、手指の骨のあらかじめ設定した位置に正確に鋼線を刺入することが可能である。その後、連結部を切り離し、ガイド一体型創外固定器の手指ガイドの部分を手指から取り外すことで、創外固定器の部分を、手指の骨に刺入された鋼線に取り付けた創外固定器としてそのまま使用することが可能である。
この発明の実施形態のガイド一体型創外固定器を手指の背側から見た斜視図 図1のガイド一体型創外固定器を手指の掌側から見た斜視図 図1のガイド一体型創外固定器を手指の側面の側から見た図 図3のIV-IV線に沿った断面図 図3のV-V線に沿った断面図 (a)は、図3に示す連結部を切断することで手指ガイドと創外固定器とを切り離し、手指ガイドを取り外した状態を示す図、(b)は、(a)のVI-VI線に沿った断面図 図6(a)の鋼線のスリーブからの突出部分を切断し、その鋼線の末端を折り曲げた状態を示す図 図6(a)のVIII-VIII線に沿った断面図 図8のねじ部材を緩め、位置決めワッシャを移動させることで、位置決めワッシャの係止楔と、第1係止溝および第2係止溝との係合を解除した状態を示す図 位置決めワッシャの係止楔を、第1係止溝および第2係止溝に係合させることで、創外固定器の第1部分と第2部分のなす角度を固定した状態を示す部分断面図 図10に示す位置決めワッシャを移動させることで、係止楔と、第1係止溝および第2係止溝との係合を解除した状態を示す部分断面図 図11に示す創外固定器の第1部分と第2部分のなす角度を変化させた後、位置決めワッシャの係止楔を、第1係止溝および第2係止溝に係合させた状態を示す部分断面図 図6(a)の創外固定器の第1部分と第2部分のなす角度を変化させた状態を示す図 図6(a)に示す創外固定器の分解斜視図
図1、図2に、この発明の実施形態のガイド一体型創外固定器1を示す。このガイド一体型創外固定器1は、手指2に取り付けられる手指ガイド3と、複数の鋼線刺入孔4(図4参照)をもつ創外固定器5と、手指ガイド3と創外固定器5を連結する複数の連結部6とを有する。
手指ガイド3と創外固定器5は、連結部6を介して一体に形成されている。すなわち、手指ガイド3と創外固定器5とその両者を連結する連結部6とは、継ぎ目のない一体に形成されている。手指ガイド3と創外固定器5と連結部6は、例えば、3次元プリンターで熱可塑性樹脂を積層造形することで得ることができる。
図3、図5に示すように、手指ガイド3は、手指2の表面に沿って湾曲した形状の手指支持面7をもち、その手指支持面7を手指2に接触させた状態で手指2に取り付けられるようになっている。手指2の骨8は、関節を介してつながる第1の骨8aと第2の骨8bと第3の骨8cとで構成されている。ここで、手指支持面7は、手指ガイド3を手指2に取り付けたときに、少なくとも手指2の背側部分(図3の手指2の上面部分)に接触するように設けられている。手指2は、第1の骨8aと第2の骨8bの間の関節を支点に曲げ伸ばし可能であり、手指2を曲げたときに角度が狭まる側が掌側であり、その反対側が背側である。
手指ガイド3は、手指2の背側部分に沿って手指2の長軸方向に延びる背壁部9と、手指2の両側の側面のうち一方の側面に沿って手指2の長軸方向に延びる側壁部10とを有する。創外固定器5は、手指2の両側の側面のうち他方の側面に沿って手指2の長軸方向に延びるように設けられている。連結部6は、創外固定器5と手指ガイド3の背壁部9とを連結している。
図3に示すように、連結部6は、手指2の長軸方向に間隔をおいて複数設けられている。図5に示すように、複数の連結部6は、手指2の長軸方向に交差する方向に交互にずれて配置されている。各連結部6は、手動工具(ニッパー等)で切断できるように、断面積が4mm以下(好ましくは2mm以下)の柱状に形成されている。また、各連結部6の長さは、各連結部6の両側に手動工具(ニッパー等)を挿入する空間が得られるように3.0mm以上(好ましくは3.5mm以上)に設定されている。
図3、図4に示すように、創外固定器5の各鋼線刺入孔4は、手指2の骨8に刺入する鋼線11を挿通させる孔である。鋼線11は、真っ直ぐに延びる鋼線であり、先端(骨8に刺入する側の端)が尖った形状とされている。鋼線11は、例えば、外径が0.5mm以上1.8mm以下のもの(好ましくは0.6mm以上1.0mm以下のもの、より好ましくは0.7mm以上1.0mm以下のもの)を使用することができる。鋼線11の材質は、ステンレススチールである。そのような鋼線11として、いわゆるキルシュナー鋼線を使用することができる。
図4に示すように、鋼線刺入孔4は、創外固定器5の手指2への対向面に開口するように創外固定器5を貫通して形成された貫通孔である。各鋼線刺入孔4には、金属製のガイドスリーブ12が嵌め込まれている。
図5に示すように、ガイドスリーブ12は、両端が開口する筒体であり、鋼線刺入孔4の内周に嵌合する小外径部13と、鋼線挿入孔の内径よりも大きい外径をもつ大外径部14とで構成されている。大外径部14は、鋼線挿入孔の手指2から遠い側の縁に当接している。各ガイドスリーブ12の内周には、鋼線11の外周を回転可能に支持する円筒面15が設けられている。
図4、図5に示すように、手指ガイド3の側壁部10は、手指2を間に挟んで創外固定器5と対向するように配置されている。側壁部10には、創外固定器5の各鋼線刺入孔4と対向する位置に対向孔16が設けられている。対向孔16は、側壁部10の手指2への対向面に開口するように側壁部10を貫通して形成されている。対向孔16の内径は、鋼線11の外径の2倍以上に設定されている。
図1、図3に示すように、手指ガイド3には、手指2の先端部を掌側から支持する指先支持部17と、指先支持部17で手指2の先端部を支持した状態で手指2の先端部を背側から露出させる窓部18とが設けられている。指先支持部17は、手指ガイド3を患者の手指2に取り付けた状態において、手指2の先端部の動きを規制することで、手指2の手指支持面7からの浮き上がりを防止する。またこのとき、窓部18から手指2の先端部を視認することで、正確に手指ガイド3が手指2に取り付けられているか否かを確認することが可能となっている。さらに、図2、図4に示すように、指先支持部17に、手指2の長軸方向に直交する方向に指先支持部17を分断するスリット19を形成すると、手指2の先端部の視認性を更に向上させることが可能である。
図4に示すように、創外固定器5は、第1の骨8aに刺入する鋼線11を挿通させる鋼線刺入孔4をもつ第1部分21と、第2の骨8bに刺入する鋼線11を挿通させる鋼線刺入孔4をもつ第2部分22と、第1部分21と第2部分22とを手指2の関節の曲がる方向と同じ方向に回動可能に連結するヒンジ部分23とからなる。すなわち、図3に示すように、連結部6を切断する前の状態では、第1部分21と第2部分22がいずれも連結部6を介して手指ガイド3に連結されているため、第1部分21と第2部分22を相対的に回動させることはできないが、図6(a)に示すように、連結部6を切断した後の状態では、第1部分21と第2部分22は、ヒンジ部分23を支点として相対的な回動を許容するようになっている。
図6(b)、図14に示すように、ヒンジ部分23は、創外固定器5の第1部分21と一体に形成された第1円環板24と、創外固定器5の第2部分22と一体に形成された第2円環板25と、第1円環板24と第2円環板25を締め付けるねじ部材26とを有する。第1円環板24と第2円環板25は、手指2に近い側と手指2から遠い側とで対向配置され、第1円環板24と第2円環板25のうち、手指2に近い側に配置された第2円環板25にナット部材27が組み込まれ、そのナット部材27に第1円環板24の側からねじ部材26がねじ込まれている。そして、このねじ部材26を締め込むことで、創外固定器5の第1部分21と第2部分22の相対的な回動を阻止し、一方、ねじ部材26を緩めることで、創外固定器5の第1部分21と第2部分22の相対的な回動を許容することが可能となっている。
図14に示すように、第1円環板24と第2円環板25の対向面間には、位置決めワッシャ28が組み込まれている。位置決めワッシャ28は、ねじ部材26を挿通させる長穴29と、長穴29の長軸上に配置された係止楔30とを有する。係止楔30は、第1円環板24の外周を軸方向に延びる第1係止溝31と、第2円環板25の外周に形成された第2係止溝32とに同時に係合することで、第1円環板24と第2円環板25の相対的な回動を阻止する。第2係止溝32は、第2円環板25の外周に周方向に等ピッチに複数設けられており、係止楔30を、複数の第2係止溝32に選択的に係合させることで、第1円環板24と第2円環板25の固定角度を調節することが可能となっている。
上記ガイド一体型創外固定器1の使用例を説明する。
まず、図3に示すように、手指支持面7が手指2に接触した状態となるように、ガイド一体型創外固定器1を手指2に取り付ける。次に、図4に示すように、ガイド一体型創外固定器1の創外固定器5の部分の鋼線刺入孔4に鋼線11を挿通させる。このとき、あらかじめ鋼線刺入孔4にガイドスリーブ12を嵌め込んでおき、そのガイドスリーブ12に鋼線11を通過させることで、鋼線11を鋼線刺入孔4に挿通させる。そして、鋼線11の先端を手指2に突き刺し、その鋼線11を高速で回転させながら鋼線11の先端を手指2の骨8に刺入する。このとき、いったん鋼線11を骨8に貫通させ、その鋼線11の先端が対向孔16内に位置するか否かを視認することで、鋼線11が手指2の骨8のあらかじめ設定した位置に正確に刺入されていることを確かめることが可能である。続いて、図6(a)に示すように、工具で連結部6を切り離すことで、ガイド一体型創外固定器1の手指ガイド3の部分を手指2から取り外し、その後、図6(b)に示すように、鋼線11の先端が手指2の内部に入り込むまで鋼線11の位置を後退させる。金属製のガイドスリーブ12は、樹脂製スリーブ12’に置き換える。鋼線11の樹脂製スリーブ12’からの突出部分をワイヤーカッター(図示せず)で切断し、鋼線11の末端をワイヤーベンダー(図示せず)で曲げる。このように金属製のガイドスリーブ12を樹脂製スリーブ12’に置き換えると、金属製のガイドスリーブ12を繰り返し使用することができるので、経済的である。
ガイド一体型創外固定器1の手指ガイド3の部分を手指2から取り外した後、創外固定器5の部分は、鋼線11を体外で固定する創外固定器としてそのまま使用することができる。特に、この実施形態の創外固定器5は、第1部分21と第2部分22のなす角度を変化させることにより、手指2の関節の曲げ角度を変化させ、その変化後の曲げ角度で手指2を固定することができるようになっている。すなわち、図8、図10に示すねじ部材26を緩め、図9、図11に示すように、係止楔30と、第1係止溝31および第2係止溝32との係合が解除されるように、位置決めワッシャ28を径方向に移動させることで、第1部分21と第2部分22のなす角度を変化させることが可能となる。そして、図12、図13に示すように、第1部分21と第2部分22のなす角度を変化させ、係止楔30と、第1係止溝31および第2係止溝32とが係合するように、位置決めワッシャ28を径方向に移動させる。これにより、再び、第1部分21と第2部分22のなす角度を固定することができる。
以上のように、このガイド一体型創外固定器1は、手指2の骨8に鋼線11を刺入する手術をするに際し、手指支持面7が手指2に接触した状態となるようにガイド一体型創外固定器1を手指2に取り付け、そのガイド一体型創外固定器1の創外固定器5の部分の鋼線刺入孔4に鋼線11を挿通させることで、手指2の骨8のあらかじめ設定した位置に正確に鋼線11を刺入することが可能である。この操作において、レントゲン撮影などの透過撮影は必要としない。その後、工具で連結部6を切り離し、ガイド一体型創外固定器1の手指ガイド3の部分を手指2から取り外すことで、創外固定器5の部分を、手指2の骨8に刺入された鋼線11に取り付けた創外固定器としてそのまま使用することができる。このとき、各鋼線11の一端は体内の骨8に刺入され、他端は体外に位置し、創外固定器5は、それら複数の鋼線11の間を橋渡しするように鋼線11の体外部分に取り付けられた状態となっている。
また、このガイド一体型創外固定器1は、手指ガイド3を手指2に取り付けたときに手指2の背側部分に接触するように手指支持面7を設けているので、手指2の骨8のあらかじめ設定した位置に正確に鋼線11を刺入することが可能である。すなわち、手指2の背側部分の軟部組織の厚みは、手指2の掌側部分の軟部組織の厚みよりも薄いので、手指ガイド3の手指支持面7を手指2に接触させたときに、手指2の骨8に対して創外固定器5を正確に位置決めすることができる。そのため、創外固定器5の鋼線刺入孔4に鋼線11を挿通し、その鋼線11を手指2の骨8に刺入したときに、手指2の骨8に対する鋼線11の位置精度を確保しやすく、手指2の骨8のあらかじめ設定した位置に正確に鋼線11を刺入することが可能である。
また、このガイド一体型創外固定器1は、手指ガイド3と創外固定器5を連結する連結部6が樹脂で形成されているので、連結部6を工具で切断するのが容易である。また、創外固定器5の鋼線刺入孔4に金属製のガイドスリーブ12を嵌め込み、そのガイドスリーブ12で鋼線11を回転可能に支持するようにしているので、鋼線11を骨8に刺入する手術の際に鋼線11を高速で回転させても、鋼線11との接触部分で生じる摩擦熱によって樹脂製の創外固定器5の一部が溶けたり、創外固定器5の摩耗粉が生じたりするのを防止することが可能である。
また、このガイド一体型創外固定器1は、手指2の長軸方向に間隔をおいて設けられた複数の連結部6が、手指2の長軸方向に交差する方向に交互にずれているので、連結部6の部分での曲げ剛性に優れ、手指ガイド3と創外固定器5の相対位置精度が安定している。そのため、手指ガイド3を手指2に取り付け、創外固定器5の鋼線刺入孔4に鋼線11を挿通させたときに、正確に鋼線11を刺入することができる。
また、このガイド一体型創外固定器1は、手指2の骨折や関節拘縮および関節リウマチによる手指2の変形などの治療を行なうときに、その手指2の骨8に一度で正確に鋼線11を刺入することが可能である。しかも、創外固定器5のヒンジ部分23と手指2の骨8の関節とが正確に一致するように創外固定器5を取り付けることが可能である。
上記のガイド一体型創外固定器1の製造方法の一例を説明する。
まず、CTスキャンで患者の手指2を透過撮影することで、手指2の骨8と手指2の表面とを含む手指2の透過画像を取得し、その透過画像に基づいて手指2の骨8と手指2の表面の3次元情報を得る。次に、骨8の3次元情報に基づいて手指2の骨8の鋼線11を刺入する位置を設定し、その位置に鋼線11が刺入されるように、手指支持面7と鋼線刺入孔4とを含むガイド一体型創外固定器1の3次元形状データを作成する。その後、ガイド一体型創外固定器1の3次元形状データに基づき、3次元プリンターでガイド一体型創外固定器1の成形を行なう。このようにしてガイド一体型創外固定器1を製造すると、創外固定器5の鋼線刺入孔4の位置や手指ガイド3の手指支持面7の形状を、実際の患者の手指2の骨8の形状や手指2の表面形状に応じて最適化することができるので、個々の患者に対して、その患者の手指2の骨8のあらかじめ設定した位置に一度で正確に鋼線11を刺入することが可能となる。
上記実施形態のように、ガイド一体型創外固定器1を樹脂製の一体成形品とすると、連結部6を切断するのが容易であり、また創外固定器5の強度を容易に確保することができるので好ましいが、ガイド一体型創外固定器1として、3次元プリンターで金属や石膏を積層することにより造形したものを採用してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ガイド一体型創外固定器
2 手指
3 手指ガイド
4 鋼線刺入孔
5 創外固定器
6 連結部
7 手指支持面
8 骨
8a 第1の骨
8b 第2の骨
11 鋼線
12 ガイドスリーブ
21 第1部分
22 第2部分
23 ヒンジ部分

Claims (8)

  1. 手指(2)の表面に沿った形状の手指支持面(7)をもち、その手指支持面(7)を手指(2)に接触させた状態で手指(2)に取り付けられる手指ガイド(3)と、
    前記手指(2)の骨(8)に刺入する複数の鋼線(11)を挿通させる複数の鋼線刺入孔(4)をもつ創外固定器(5)と、を有し、
    前記手指ガイド(3)と前記創外固定器(5)は、手指(2)の長軸方向に間隔をおいて設けられ、かつ断面積が4mm 以下の柱状に形成された切り離し可能な複数の連結部(6)を介して一体に形成されている、
    手指用のガイド一体型創外固定器。
  2. 前記手指支持面(7)は、前記手指ガイド(3)を前記手指(2)に取り付けたときに手指(2)の背側部分に接触するように設けられている請求項1に記載の手指用のガイド一体型創外固定器。
  3. 前記創外固定器(5)の複数の前記鋼線刺入孔(4)に嵌め込まれ、前記鋼線(11)の外周を回転可能に支持する金属製のガイドスリーブ(12)を更に有する請求項1または2に記載の手指用のガイド一体型創外固定器。
  4. 前記連結部(6)は、手指(2)の長軸方向に間隔をおいて複数設けられ、その複数の連結部(6)は、手指(2)の長軸方向に交差する方向に交互にずれて配置されている請求項1から3のいずれかに記載の手指用のガイド一体型創外固定器。
  5. 前記骨(8)は、関節を介してつながる第1の骨(8a)と第2の骨(8b)であり、
    前記創外固定器(5)は、前記第1の骨(8a)に刺入する鋼線(11)を挿通させる鋼線刺入孔(4)をもつ第1部分(21)と、前記第2の骨(8b)に刺入する鋼線(11)を挿通させる鋼線刺入孔(4)をもつ第2部分(22)と、前記第1部分(21)と前記第2部分(22)とを、前記手指(2)の関節の曲がる方向と同じ方向に回動可能に連結するヒンジ部分(23)とからなる請求項1から4のいずれかに記載の手指用のガイド一体型創外固定器。
  6. 手指(2)の表面に沿った形状の手指支持面(7)をもち、その手指支持面(7)を手指(2)に接触させた状態で手指(2)に取り付けられる手指ガイド(3)と、
    前記手指(2)の骨(8)に刺入する複数の鋼線(11)を挿通させる複数の鋼線刺入孔(4)をもつ創外固定器(5)と、を有し、
    前記手指ガイド(3)と前記創外固定器(5)は、切り離し可能な連結部(6)を介して一体に形成され
    前記連結部(6)は、手指(2)の長軸方向に間隔をおいて複数設けられ、その複数の連結部(6)は、手指(2)の長軸方向に交差する方向に交互にずれて配置されている、
    手指用のガイド一体型創外固定器。
  7. 手指(2)の表面に沿った形状の手指支持面(7)をもち、その手指支持面(7)を手指(2)に接触させた状態で手指(2)に取り付けられる手指ガイド(3)と、
    前記手指(2)の骨(8)に刺入する複数の鋼線(11)を挿通させる複数の鋼線刺入孔(4)をもつ創外固定器(5)と、を有し、
    前記手指ガイド(3)と前記創外固定器(5)は、切り離し可能な連結部(6)を介して一体に形成され、
    前記骨(8)は、関節を介してつながる第1の骨(8a)と第2の骨(8b)であり、
    前記創外固定器(5)は、前記第1の骨(8a)に刺入する鋼線(11)を挿通させる鋼線刺入孔(4)をもつ第1部分(21)と、前記第2の骨(8b)に刺入する鋼線(11)を挿通させる鋼線刺入孔(4)をもつ第2部分(22)と、前記第1部分(21)と前記第2部分(22)とを、前記手指(2)の関節の曲がる方向と同じ方向に回動可能に連結するヒンジ部分(23)とからなる、
    手指用のガイド一体型創外固定器。
  8. 請求項1からのいずれかに記載のガイド一体型創外固定器(1)を製造する手指用のガイド一体型創外固定器の製造方法であって、
    前記手指(2)を透過撮影することで前記手指(2)の骨(8)と前記手指(2)の表面とを含む前記手指(2)の透過画像を取得し、その手指(2)の透過画像に基づいて前記手指支持面(7)と前記鋼線刺入孔(4)とを含む前記ガイド一体型創外固定器(1)の3次元形状データを作成し、その3次元形状データに基づいて前記ガイド一体型創外固定器(1)の成形を行なう手指用のガイド一体型創外固定器の製造方法。
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