JP3150666B2 - 創外固定器 - Google Patents

創外固定器

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JP3150666B2 JP03592399A JP3592399A JP3150666B2 JP 3150666 B2 JP3150666 B2 JP 3150666B2 JP 03592399 A JP03592399 A JP 03592399A JP 3592399 A JP3592399 A JP 3592399A JP 3150666 B2 JP3150666 B2 JP 3150666B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】この発明は、創外固定技術に関する
ものであり、特に、創外固定器使用時の関節の運動の確
保、取り扱いの容易化、固定の確実化等に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図14に、特公平7−34806号公報
に記載された従来の創外固定器を示す。骨折部位B0を
またいで、折損骨B1、B2に対し、その側方から複数の
ネイル1をねじ込んで植設する。複数のネイル1は、連
結部材4を介して支持ロッド3に固定されている。した
がって、折損骨B1、B2は、骨接合のために固定される
こととなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の創外固定器では、外形が大きく、側方から
装着するものであるため、手や足の指に装着すると、指
を動かすことが困難となるという問題があった。さら
に、固定器を装着する操作が容易ではなく、手術に時間
を要することとなっていた。また、上記のような従来の
創外固定器では、骨の延長方向の骨折に対して確実な固
定を行うことができず、使用しにくいという問題があっ
た。
【0004】この発明は、上記のような問題点を解決し
て、小型でありながら確実な固定を行うことができる創
外固定器、固定方法を提供することを目的とする。
【0005】また、装着時においても、関節や指を動か
すことに支障の少ない創外固定器、固定方法を提供する
ことを目的とする。
【0006】さらに、装着の容易な創外固定器、固定方
法を提供することを目的とする。
【0007】さらにまた、骨の延長方向の骨折に対して
も固定力を有する創外固定器、固定方法を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】請求項
1の創外固定器は、軸と、軸に回転可能に保持された第
一片と第二片を有する刺入部材と、刺入部材の外部に装
着して、刺入部材の広がりを防止するための保持部材と
を備え、刺入部材の第一片に設けられた先鋭部と、第二
片に設けられた先鋭部とによって、骨を挟み込むように
して、該先鋭部を骨に挿入して固定するようにしてい
る。
【0009】回転可能に保持された刺入部材によって、
骨を両側から挟み込んで、その先鋭部を骨に挿入するよ
うにしているので、小型でありながら、確実な固定を行
うことができる。また、骨の延長方向の骨折に対しても
固定を行うことができる。さらに、軸部分を上部に配置
すれば、骨の両側方から挟み込むことができ、指などの
部位に対しても装着時に指の運動等を妨げることが少な
い。
【0010】請求項2の創外固定器は、先鋭部が、2つ
の爪部を有していることを特徴としている。したがっ
て、2つの爪部によって、骨折したそれぞれの骨片を確
実に保持することができる。
【0011】請求項3の創外固定器は、保持部材が突出
部を有しており、突出部が、前記先鋭部の2つの爪部の
間の空間にはまり込むことによって、保持部材が刺入部
材に装着されるように構成されていることを特徴として
いる。したがって、保持部材を確実に装着することがで
きる。
【0012】請求項4にかかる創外固定器は、先鋭部
が、3つ以上の爪部を有してることを特徴としている。
したがって、斜骨折のような場合でも、骨折したそれぞ
れの骨片を確実に保持することができる。
【0013】請求項5にかかる創外固定器は、第一片お
よび第二片は、2以上の爪部が一群に形成された、爪郡
部を複数有している。これにより、横骨折の場合、骨折
部位をまたぐように各爪郡部を配置し、その爪部をそれ
ぞれの骨片に挿入することができる。したがって、横骨
折の場合に、それぞれの骨片をより確実に保持すること
ができる。
【0014】請求項6にかかる創外固定器は、保持部材
が、刺入部材の大きさに応じて、互いの間隔を調整する
ことができる第1カバーおよび第2カバーを有すること
を特徴としている。したがって、大きさの異なる刺入部
材毎に保持部材を用意する必要がなくなる。
【0015】請求項7にかかる創外固定器は、保持部材
を移動可能となるように保持し、かつ、保持部材を所望
の位置で固定する位置決め部材を有していることを特徴
とする。したがって、保持部材を簡単に移動させること
ができる。
【0016】請求項8にかかる創外固定器は、位置決め
部材が、位置決め部材に保持された保持部材の位置を示
す位置表示手段を有していることを特徴とする。これに
より、保持部材の位置決めを簡単に行なうことができ
る。
【0017】請求項9にかかる創外固定器は、刺入部材
が、少なくとも先鋭部の骨に挿入する部分以外の部分
は、X線を透過する材質で形成されていることを特徴と
する。したがって、例えば、刺入部材がどのように骨に
挿入されているのかを確認する際等に、X線を使用して
も、創外固定器の影がX線画像上に写ることがないの
で、創外固定器と骨との相対関係をX線画像上で確実に
確認することができる。
【0018】請求項10の創外固定器は、軸と、軸に回
転可能に保持された第一片と第二片を有する第1の刺入
部材と、軸に回転可能に保持された第一片と第二片を有
する第2の刺入部材と、刺入部材の外部に装着して、刺
入部材の広がりを防止するための保持部材とを備え、第
1の刺入部材および第2の刺入部材の第一片に設けられ
た先鋭部と、第二片に設けられた先鋭部とによって、骨
を挟み込むようにして、該先鋭部を骨に挿入して固定す
るようにしている。
【0019】したがって、回転可能に保持された刺入部
材によって、骨を両側から挟み込んで、その先鋭部を骨
に挿入するようにしているので、小型でありながら、確
実な固定を行うことができる。また、骨の延長方向の骨
折に対しても固定を行うことができる。さらに、軸部分
を上部に配置すれば、骨の両側方から挟み込むことがで
き、指などの部位に対しても装着時に指の運動等を妨げ
ることが少ない。さらに、第1の刺入部材と第2の刺入
部材との間に、骨折部が位置するように装着すること
で、骨接合のための固定を行うことができる。
【0020】請求項11の創外固定器は、第1の刺入部
材または第2の刺入部材が、軸の延長方向に移動可能に
形成されていることを特徴としている。したがって、骨
折部位や骨折状況に応じて、第1の刺入部材と第2の刺
入部材との間隔を調整し、適切な固定を行うことができ
る。
【0021】請求項12の創外固定器は、第1の刺入部
材または第2の刺入部材が軸と螺合しており、軸の回転
によって、第1の刺入部材または第2の刺入部材が、軸
の延長方向に移動可能に形成されていることを特徴とし
ている。したがって、軸を回転するだけで、容易に、第
1の刺入部材と第2の刺入部材の間隔を調整することが
できる。さらに、創外固定器を装着した後に、軸を回転
させて第1の刺入部材と第2の刺入部材の間隔を狭める
ようにすることにより、骨折部に圧迫力をかけることが
できる。
【0022】請求項13にかかる創外固定器は、保持部
材が、刺入部材の大きさに応じて、互いの間隔を調整す
ることができる第1カバーおよび第2カバーを有するこ
とを特徴としている。したがって、大きさの異なる刺入
部材毎に保持部材を用意する必要がない。
【0023】請求項14にかかる創外固定器は、保持部
材を移動可能となるように保持し、かつ、保持部材を所
望の位置で固定する位置決め部材を有していることを特
徴とする。したがって、簡単に保持部材を移動させるこ
とができるとともに、保持部材同志の間隔を簡単に決定
することができる。
【0024】請求項15にかかる創外固定器は、位置決
め部材が、位置決め部材に保持された保持部材の位置を
示す位置表示手段を有していることを特徴とする。これ
により、保持部材の位置決めおよび保持部材同志の間隔
を簡単に決定することができる。
【0025】請求項16にかかる創外固定器は、刺入部
材が、少なくとも先鋭部の骨に挿入する部分以外の部分
は、X線を透過する材質で形成されていることを特徴と
する。したがって、例えば、刺入部材がどのように骨に
挿入されているのかを確認する際等に、X線を使用して
も、創外固定器の影がX線画像上に写ることがないの
で、創外固定器と骨との相対関係をX線画像上で確実に
確認することができる。
【0026】請求項17にかかる創外固定器は、軸と、
軸に回転可能に保持された第一片と第二片を有する刺入
部材、刺入部材の外部に装着して、刺入部材を保持する
ための保持部材、複数の刺入部材を連結する連結手段、
を有する創外固定器であって、連結手段は、刺入部材の
第一片に設けられた先鋭部と、第二片に設けられた先鋭
部とによって形成される挟み込み線が、任意の方向を採
ることができるような構造有していることを特徴とす
る。したがって、骨折部位の位置に制限されることなく
刺入部材を固定することができる。
【0027】請求項18にかかる創外固定器は、連結手
段が、第1ブロックおよび第2ブロックを有し、当該第
1ブロックと第2ブロックとが互いに回転可能なように
構成されているジョイント部材、ジョイント部材の第1
ブロックもしくは第2ブロックに刺入部材を固定する第
1の固定部材、ジョイント部材同志を接続するための接
続部材、ジョイント部材の第1ブロックもしくは第2ブ
ロックに接続部材を固定するための第2の固定部材を有
していることを特徴とする。したがって、ジョイント部
材、接続部材、刺入部材の位置関係を、骨折部位の位置
に制限されることなく簡単に決定することができる。
【0028】この発明において、「骨折部位」とは、本
来連続しているべき骨が分離された状態における当該分
離された境界をいうものであり、通常の意味における骨
折によって生じる部位だけでなく、手術等によって作為
的に骨を切断したような部位(骨切り部)も含む概念で
ある。
【0029】また、「挟み込み線」とは、第一片が有す
る水平部の中で、最外郭に存在する2つの水平部の頂点
同志を結んだ線の中点と、第二片が有する水平部の中
で、最外郭に存在する2つ水平部の頂点同志を結んだ線
の中点とを結んだ線を「挟み込み線(L1)」としてい
る。図21、図22における直線L1が「挟み込み線」
となる。
【0030】
【発明の実施の形態】図1に、この発明の一実施形態に
よる創外固定器10の外観を示す。この創外固定器10
は、ネジの刻まれた軸12と、第1の刺入部材14と、
第2の刺入部材16と、第1の保持部材18と、第2の
保持部材20とを備えている。これらの部材において、
この実施形態においてはステンレス材を用いたが、チタ
ン材等を用いることも可能である。
【0031】図2に、図1の創外固定器10(保持部材
18、20を除く)の縦断面を示す。軸12には、ネジ
の刻まれたネジ部分12aと、ネジが刻まれておらずネ
ジ部分12aよりも直径の小さい小径部12bが設けら
れている。また、ネジ部分12aの先端部には、外周部
にローレット加工のなされたつまみ部12cが設けられ
ている。このつまみ部12cは、ネジ部分12aよりも
大きな直径を持つように形成されており、第2の刺入部
材16の抜け止めも兼ねている。
【0032】一方、小径部12bの先端部には、小径ネ
ジ12dが形成されている。外周部にローレット加工の
なされたつまみ部12eには、小径ネジ12dに螺合す
るネジが形成されている。図に示すように、小径ネジ1
2dを螺入することにより、つまみ部12eが固定され
ている。
【0033】小径部12bには、第1の刺入部材14が
回転可能に保持されている。図4に、第1の刺入部材1
4を構成する、第一片140と第二片150を示す。第
一片140は、空間143によって分岐された先鋭部で
ある2つの爪部141、142を備えている。爪部14
1は、垂下部分141bと、これに対してほぼ垂直に曲
げられて形成された水平部141aとを備えている。同
様に、爪部142は、垂下部分142bと、これに対し
てほぼ垂直に曲げられて形成された水平部142aとを
備えている。爪部141、142の先端は、くさび状に
尖っており、骨に差し込みやすいように構成されてい
る。なお、この実施形態では、2つの爪部141、14
2を設けているが、1つのみの爪部としてもよく、3つ
以上の爪部を設けても良い。
【0034】垂下部分141b、142bから斜めに延
長するように斜方部材147が設けられている。斜方部
材147の先端部には、空間144によって分岐された
ボス部145、146が形成されている。ボス部145
には貫通穴145aが設けられ、ボス部146には貫通
穴146aが設けられている。この貫通穴145a、1
46aの内径は、図2に示すように、軸12の小径部1
2bの外形よりも大きく、ネジ部12aの外形よりも小
さく形成されている。
【0035】第二片150も、第一片140とほぼ同様
の構造となっており、空間153によって分岐された爪
部151、152を有している。ただし、斜方部材15
7の先端部に、1つのボス部155が設けられている点
が異なる。このボス部155には、軸12の小径部12
bの外形よりも大きく、ネジ部12aの外形よりも小さ
い内径の貫通穴155aが形成されている。また、この
ボス部155は、第一片140の空間144に挿入でき
るように、その幅が形成されている。
【0036】図4に示す第1の刺入部材14(第一片1
40、第二片150)は、図2に示すように、軸12の
小径部12bを、貫通穴145a、146a、155a
に挿入することにより、軸12に回転可能に保持され
る。参考のため、図3Aに、図2の線IIIA−IIIAにお
ける断面図を示す。
【0037】図5に、第2の刺入部材16を構成する第
一片160と第二片170を示す。これらは、第1の刺
入部材14の第一片140、第二片150とほぼ同じ構
成である。ただし、第一片160のボス部148、14
9に形成された貫通穴148a、149aの内径は、図
2に示す軸12のネジ部12aの外径よりも大きく形成
されている。また、第二片170のボス部158には、
ネジ部12aに螺合するネジ穴158aが形成されてい
る。参考のため、図3Bに、図2の線IIIB−IIIBにお
ける断面図を示す。
【0038】図1に戻って、第1の保持部材18、第2
の保持部材20は、バネ材によって構成されている。そ
の形状は、ほぼ、第1の刺入部材14、第2の刺入部材
16の外形にそうように形成されている。第1の保持部
材18には、内部方向に向かって突出する突出部18
a、18bが形成されている。また、突出部18aの端
部には貫通穴18cが設けられ、突出部18bの端部に
は貫通穴18dが設けられている。第2の保持部材20
においても、同様に、突出部20a、20b、貫通穴2
0c、20dが設けられている。
【0039】次に、この創外固定器10の使用方法を説
明する。ここでは、手の指に装着しようする場合を例と
して説明する。まず、図6Aに示すように、骨折部位3
0の両側の骨片32、34の大きさが、創外固定器10
の刺入部材14、16の爪部141、151を刺入する
のに適した大きさであるかどうかを判断する。つまり、
使用部位を考慮して、大きさの異なる創外固定器10を
複数用意しておく。この際、創外固定器10の爪部14
1、151の垂下部分141b、142b、151b、
152b、斜行部分147、157、ボス部145、1
46、155(図4参照)が、指の皮膚に触れないよう
な大きさの創外固定器を選択することが好ましい。
【0040】次に、図6Aに示すように、骨折部30を
またぐように、第1の刺入部材14、第2の刺入部材1
6を位置決めした後(つまり、第1の刺入部材14と第
2の刺入部材16との間に骨折部が位置するように位置
決めした後)、爪部141、151を軽く指に当ててマ
ーク36を付ける。図6Bにこれによって付されたマー
ク36を示す。さらに、このマーク36にしたがって、
小切開を行う。
【0041】次に、図7Aに示すように、X線透視を行
って、骨折部30を手によって整復し(徒手整復)、固
定かん子(プライヤー)38によって挟み込み、第1の
刺入部材14、第2の刺入部材16の爪部141、15
1を、骨片32、34に刺入する。これにより、骨片3
2、34が、側方の両側より刺入部材14、16によっ
て挟み込むようにして確実に保持される。
【0042】次に、第1の保持部材18、第2の保持部
材20を、それぞれ、第1の刺入部材14、第2の刺入
部材16の外側に被せるようにして固定する。これによ
り、刺入した第1の刺入部材14、第2の刺入部材16
が、骨片32、34から抜けるのを防止している。な
お、第1の保持部材18、第2の保持部材20の突出部
18a、18b、20a、20bを、第1の刺入部材1
4、第2の刺入部材16の空間143、153に填り込
むようにして、固定を確実にしている(図1参照)。
【0043】その後、図7Bに示すように、つまみ部1
2cを回転し、第2の刺入部材16を矢印αの方向に移
動させて、骨折部30に圧力をかける。このように、骨
折部30に圧力をかけることにより、骨癒合を早くする
ことができる。
【0044】保持部材18、20によって保持した状態
を、図8に示す。なお、図8では、指の骨のみを示して
いる。
【0045】この実施形態による創外固定器10によれ
ば、それぞれの骨片32、34の側方の両側から爪部1
41、151を刺入するようにしている。したがって、
図9Aに示すような骨の短軸方向の骨折30だけでな
く、図9Bに示すような長軸方向(延長方向)の骨折3
1についても、確実な固定を行うことができる。
【0046】また、指の側方には、わずかな厚みの刺入
部材の垂下部141b、142b、151b、152b
が位置するだけであるから、指を動かす際に、創外固定
器10による干渉が少ない。さらに、第1、第2の刺入
部材14、16を、強度のある細いピン状(断面円形
等)のものとすれば、より小型化を図ることができる。
【0047】さらに、創外固定器10の装着が容易であ
るため、結果として、従来に較べてX線被爆を少なくす
ることができる。
【0048】図10に、他の実施形態による創外固定器
10を示す。この実施形態では、第1の刺入部材14と
第2の刺入部材16とが、軸12によって連結されてい
ない。この創外固定器10においては、まず、第1の刺
入部材14、第2の刺入部材16を、それぞれ独立し
て、所望の位置に刺入して固定する(第1の刺入部材1
4、第2の刺入部材16は、図13に示す刺入部材14
と基本的に同様の構造である)。その後、保持部材1
8、20を被せる。さらに、その後、保持部材18の上
部に設けられた係合部19(この実施形態ではピン状の
もの)と、保持部材20の上部に設けられた係合部21
(この実施形態ではピン状のもの)との間に、ワイヤー
70(線状部材)を張架して、骨折部30に圧力をかけ
る。次に、図11に示すように、ワイヤー70の周囲
に、レジン等(硬化性樹脂材)を巻き付けるように貼り
付け、硬化剤によって硬化させる。
【0049】この実施形態によれば、第1の刺入部材1
4と第2の刺入部材16との位置関係が、軸12によっ
て固定されていないので、第1の刺入部材14と第2の
刺入部材16を自由に配置することができる。たとえ
ば、第2の刺入部材16を第1の刺入部材14に対し
て、並行ではなく傾けて固定したり(図12A)、回転
した位置に固定したりすることが可能となる(図12
B)。
【0050】なお、ワイヤー70は、保持部材18、2
0に直接的に巻き付けるようにしても良い。また、保持
部材18、20を用いずに、刺入部材14、16に直接
的にワイヤー70を巻き付けるようにしても良い。
【0051】ところで、関節をまたいで、創外固定器1
0を装着することは、関節可動のために好ましくない。
したがって、図9Cに示すように骨折部30が関節近傍
にある場合や、図9Dに示すように末接骨の延長方向の
骨折の場合には、図1に示すような創外固定器10を使
用することは困難である。
【0052】そこで、このような場合には、図13に示
すような、刺入部材14を一つにした創外固定器11を
用いることが好ましい。爪部141と爪部142との間
(爪部151と爪部152との間)に、骨折部30がく
るように刺入を行う。これにより、関節近傍の骨折にお
いても、関節可動を確保しつつ創外固定器11を用いる
ことができる。
【0053】
【0054】また、上記の説明では、手の指について説
明したが、足の指等の他の部位の骨折についても用いる
ことができる。
【0055】さらに、上記では、骨折の場合について説
明したが、骨切りの場合についても同様に、この創外固
定器を用いることができる。
【0056】[第2の実施形態]図15に、この発明に
おける第2の実施形態となる創外固定器200の外観を
示す。この創外固定器200は、目盛りM1が刻まれて
いる位置決めプレート212と、刺入部材214と、保
持部材216と、挟着部材218とを備えている。
【0057】これにより、創外固定器200では、大き
さの異なる刺入部材毎に保持部材を用意する必要がな
い。また、簡単に保持部材を移動させることができると
ともに、保持部材同志の間隔を簡単に決定することがで
きる。さらに、保持部材の位置決めおよび保持部材同志
の間隔を簡単に決定することができる。
【0058】ここで、本実施形態にかかる構成要素と各
請求項における構成要素との対応関係を示す。位置決め
プレート212および挟着部材218は位置決め部材に
対応する。また、目盛りM1は位置表示手段に対応す
る。
【0059】図16に、位置決めプレート212、保持
部材216および挟着部材218を構成している部品の
斜視図を示す。保持部材216は、第1カバー216L
および第2カバー216Rから構成されている。挟着部
材218、軸ネジ218a、保持部材用ナット218b
および位置決めプレート用ナット218cから構成され
ている。
【0060】位置決めプレート212には、長手方向に
長溝222が形成されている。この長溝222は、軸ネ
ジ218aを通すことができる程度の幅を有している。
また、長溝222と平行に目盛りM1が形成されてい
る。
【0061】保持部材用ナット218bは、第1カバー
216Lに形成されている長溝220Lおよび第2カバ
ー216Rに形成されている長溝220Rの幅よりも大
きい外径を有している。また、第1カバー216Lと第
2カバー216Rとを確実に固定できるだけの押圧力お
よび摩擦力を与えることが大きさを有している。
【0062】プレート用ナット218cは、位置決めプ
レート212に形成されている長溝222の幅よりも大
きい外径を有している。また、位置決めプレート212
と保持部材216とを確実に固定できるだけの押圧力お
よび摩擦力を与えることが大きさを有している。
【0063】第1カバー216Lは、上板S1L、押圧
板S2L、前固定板S3Lおよび後固定板S4Lから構
成されている。上板S1Lには、長溝220Lが形成さ
れている。押圧板S2Lは、上板S1Lに対して垂直に
形成されている。前固定板S3Lおよび後固定板S4L
は、上板S1Lおよび押圧板S2Lに対して垂直に、か
つ、上板S1Lおよび押圧板S2Lと接するように形成
されている。
【0064】第2カバー216Rは、上板S1R、押圧
板S2R、前固定板S3Rおよび後固定板S4Rから構
成されている。上板S1Rには、長溝220Rが形成さ
れている。押圧板S2Rは、上板S1Rに対して垂直に
形成されている。前固定板S3Rおよび後固定板S4R
は、上板S1Rおよび押圧板S2Rに対して垂直に、か
つ、上板S1Rおよび押圧板S2Rと接するように形成
されている。
【0065】図16に示すように、押圧板S2L、前固
定板S3Lおよび後固定板S4Lは、コの字形状を形成
している。同様に、押圧板S2R、前固定板S3Rおよ
び後固定板S4Rも、コの字形状を形成している。
【0066】このように、この字形状を有する第1カバ
ー216Lおよび第2カバー216Rによって、刺入部
材214を左右から保持することによって、刺入部材2
14と保持部材216とがずれないようにすることがで
きる。また、押圧板S2L、S2Rは刺入部材214を
左右から押圧する。これによって、骨に差込まれた刺入
部材214が左右に広がることを防止することができ
る。
【0067】次に、第1カバー216Lと第2カバー2
16Lとの固定方法を説明する。まず、第1カバー21
6Lの長溝220Lと第2カバー216Rの長溝220
Rとが重なるように、第1カバー216と第2カバー2
16Rを合わせる。そして、固定用ナット218aを長
溝220L、220Rに通す。
【0068】そして、第1カバー216Lおよび第2カ
バー216Rで刺入部材214を左右から挟み込む。こ
の時、第1カバー216Lの押圧板S2Lが、刺入部材
214の垂下部分241b、242bに当接するように
する。また、第2カバー216Rの押圧板S2Rが、刺
入部材214の垂下部分251b、252bに当接する
ようにする。ここで、保持部材用ナット218bを締め
つけ、第1カバー216Lおよび第2カバー216Rを
固定する。
【0069】次に、位置決めプレート212の長溝22
2を軸ネジ218aに差込む。そして、2つの保持部材
216の間隔を目盛りM1で確認し、両保持部材216
の位置決めを行なう。最後に、位置決めプレート用ナッ
ト218cを取付けて、位置決めプレート212および
保持部材216を固定する。
【0070】図16に示すように、位置決めプレート2
12および保持部材216(第1カバー216L、第2
カバー216R)に長溝を形成し、軸ネジ218aを中
心として、各部材を固定している。したがって、各部材
を長溝の方向に移動させることができる。また、軸ネジ
218aを中心として、保持部材214を回転させるこ
とができる。
【0071】図17に、保持部材216の第1カバー2
16Lおよび第2カバー216Rを長溝方向に移動させ
た様子を示す。図17Αは、第1カバー216Lおよび
第2カバー216Rを長溝方向に移動させ、幅Wを広げ
た時の様子を示している。図17Bは幅Wを狭くした時
の様子を示している。なお、図17は、図15の創外固
定器200(刺入部材18を除く)のX−X縦断面を示
したものである。
【0072】図17Αに示すように長溝220L、22
0Rの重なり合う部分を少なくすると、保持部材216
の幅Wを大きくすることができる。一方、図17Bに示
すように長溝220L、220Rの重なり合う部分を多
くすると、保持部材216の幅Wを小さくすることがで
きる。
【0073】図18に、保持部材216を回転させた様
子を示す。図18Αは、保持部材216の一方を回転さ
せて、位置決めプレート212に固定した様子を示して
いる。また、図18Bは、保持部材216の両方を回転
させ、さらに、図18Αに示すよりも両者の間隔を広げ
て、位置決めプレート212に固定した様子を示してい
る。
【0074】このように、本実施形態における創外固定
器200では、保持部材216の幅Wを矢印a1、a
2、a3、a4方向に調節することができるだけでな
く、矢印a5、a6方向へ回転させることも可能であ
る。さらに、保持部材216を矢印a7、a8方向へ移
動させることも可能である。
【0075】したがって、これまでの創外固定器が有し
ていた刺入部材の位置関係に対する制限を、かなり取り
払うことができる。
【0076】図19に、刺入部材214を構成する、第
一片240、第二片250、軸ネジ225およびナット
227を示す。第一片240は、空間243によって分
岐された先鋭部である2つの爪部241、242を備え
ている。
【0077】爪部241は、垂下部分241bと、これ
に対してほぼ垂直に曲げられて形成された水平部241
aとを備えている。同様に、爪部242は、垂下部分2
42bと、これに対してほぼ垂直に曲げられて形成され
た水平部242aとを備えている。
【0078】水平部241a、242aの先端は、くさ
び状に尖っており、骨に差し込みやすいように構成され
ている。なお、この実施形態では、2つの爪部241、
242を設けているが、1つのみの爪部としてもよく、
3つ以上の爪部を設けても良い。
【0079】垂下部分241b、242bから斜めに延
長するように斜方部材247が設けられている。斜方部
材247の先端部には、空間244によって分岐された
ボス部245、246が形成されている。ボス部245
には貫通穴245aが設けられ、ボス部246には貫通
穴246aが設けられている。
【0080】第二片250も、第一片240とほぼ同様
の構造となっており、空間253によって分岐された爪
部251、252を有している。ただし、斜方部材25
7の先端部に、1つのボス部255が設けられている点
が異なる。ボス部255には貫通口255aが設けられ
ている。なお、このボス部255は、第一片240の空
間244に挿入できるように、その幅が形成されてい
る。
【0081】軸ネジ225は、ネジが刻まれている先端
部225a、ネジが刻まれていない軸部225bおよび
ヘッド部225cを備えている。ヘッド部225cの外
径は、貫通穴245a、255a、246aの径よりも
大きくなるように形成されている。軸部225bの外径
は、貫通穴245a、255a、246aの径と同等も
しはそれより若干小さくなるように形成されている。さ
らに、軸部225bの長さは、ボス部245、246、
255を合わせた長さ程度となるように形成されてい
る。
【0082】ボス部255を第一片240の空間244
に挿入し、貫通穴245a、255a、246aを合わ
せて、軸ネジ225を通す。そして、ナット227を締
めて第1片240と第2片250とを一体とする。
【0083】次に、水平部241a付近を拡大した図を
図20に示す。水平部241aには、凹部241cが形
成されている。また、垂下部分241bには、凸部24
1dが形成されている。この凸部241cと凹部241
dとを係合させることによって、水平部241aと垂下
部分242bとを一体としている。
【0084】なお、本実施形態においては、刺入部材2
14は強化プラスッチクによって形成されている。ただ
し、水平部241a、242a251a、251bは、
第1の実施形態と同様に、ステンレスやチタン等によっ
て形成されている。
【0085】このように水平部241a、242a25
1a、251b以外の刺入部材214を強化プラスチッ
クによって形成しているのは、以下のような理由によ
る。一般に、創外固定器を用いる場合、創外固定器が所
定の位置に取付けられている過否かをX線によって確認
する。ステンレスやチタン等の金属はX線の透過率が悪
いため、創外固定器の影がX線像上に残ってしまう。
【0086】そこで、刺入部214をX線透過率のよい
強化プラスチックで形成することとした。ただし、水平
部241a、242a251a、251bは骨に差し入
れるためにある程度の強度が必要となるため、ステンレ
スやチタン等によって形成している。
【0087】[第3の実施形態]本発明にかかる創外固
定器の第3の実施例を図21に示す。創外固定器300
は、補助棒付き刺入部材310、保持部材312、固定
ボルト314、固定ナット316、ジョイント部材31
8、接続棒320を有している。なお、補助棒付き刺入
部材310は、「挟み込み線(L1)」を有している。
挟み込み線については、後述する。
【0088】これにより、骨折部位の位置に制限される
ことなく補助棒付き刺入部材310を固定することがで
きる。また、骨折部位の位置に制限されることなく、ジ
ョイント部材318、接続棒320、補助棒付き刺入部
材310の治療に最適な位置関係を簡単に決定すること
ができる。
【0089】ここで、本実施形態にかかる構成要素と各
請求項における構成要素との対応関係を示す。補助棒付
き刺入部材310は刺入部材に、固定ボルト314およ
び固定ナット316は第1の固定部材および第2の固定
部材に、接続棒320は接続部材に、それぞれ対応す
る。また、固定ボルト314、固定ナット316、ジョ
イント部材318、接続棒320は、連結手段に対応す
る。
【0090】以降において、創外固定器300の各構成
要素を個別に説明する。図22は補助棒付き刺入部材3
10を構成する、第一片240、第二片250、補助棒
付き軸ネジ325およびナット227を示す。第一片2
40、第二片250およびナット227については第2
の実施形態と同様である。
【0091】なお、本実施形態においては、第一片が有
する水平部の中で、最外郭に存在する2つの水平部の頂
点を同志を結んだ線の中点と、第二片が有する水平部の
中で、最外郭に存在する2つ水平部の頂点を同志を結ん
だ線の中点とを結んだ線を「挟み込み線(L1)」とし
ている。図22を用いて挟み込み線を説明すると、第一
片が有する水平部で、最外郭に存在するものは水平部2
41aおよび水平部241bである。一方、第二片が有
する水平部で、最外郭に存在するものは水平部251a
および水平部251bである。水平部241aおよび水
平部241bの頂点同志を結んだ線L2の中点P2と、
水平部251aおよび水平部251bの頂点同志を結ん
だ線L3の中点P3とを結んだ線L1が「挟み込み線」
となる。
【0092】補助棒付き軸ネジ325は、ネジが刻まれ
ている先端部325a、ネジが刻まれていない軸部32
5bおよび補助棒325cを備えている。ネジが刻まれ
ている先端部325a、ネジが刻まれていない軸部32
5bについては、第2の実施形態におけるネジが刻まれ
ている先端部225a、ネジが刻まれていない軸部22
5bと同様である。補助棒325cは、軸部325bに
対してほぼ垂直となるように形成されている。
【0093】図23に固定ボルト314、固定ナット3
16、ジョイント部材318および接続棒320を示
す。ジョイント部材318は、第1ブロックB1、第2
ブロックB2を有している。第1ブロックB1と第2ブ
ロックB2とは、互いに回転可能なように構成されてい
る。
【0094】第1ブロックB1は、固定ボルト314を
差込むことができる孔H1を有している。第2ブロック
B2は、接続棒320を差込むことができる孔H2を有
している。また、第2ブロックB2は、接続棒320を
固定するための固定ネジ322を差込むことができる孔
H3を有している。
【0095】固定ボルト314および固定ナット316
は、ジョイント部材318の第1ブロックB1もしくは
第2ブロックB2に補助棒付き刺入部材310を固定す
る。さらに、ジョイント部材318の第1ブロックB1
もしくは第2ブロックB2に接続棒320を固定する。
固定ボルト314は、接続棒320もしくは補助棒付き
刺入部材310の補助棒325cを差込むことができる
孔H11を有している。
【0096】次に、各部材の固定方法を示す。固定ボル
ト314の孔H11に接続棒320もしくは補助棒32
5cを差込んだ後、固定ボルト314をジョイント部材
318の第1ブロックB1に形成されている孔H1に挿
入する。そして、固定ナット316を取付ける。固定ナ
ット316を締めつけることによって、孔11に挿入し
た接続棒320等を固定する。
【0097】接続棒320を第2ブロックB2の孔H2
に挿入する。そして、固定ネジ322を孔H3に挿入す
る。固定ネジ322を締めつけ、接続棒320を固定す
る。
【0098】このように、本実施形態においては、補助
棒付き刺入部材310および接続棒を固定ボルト31
4、固定ナット316および固定ネジ322を用いてジ
ョイント部材318に固定するようにしている。したが
って、図24に示すように、補助棒付き刺入部材310
は矢印a10、a11方向および矢印a12、a13に
回転可能、かつ矢印a14、a15方向に移動可能であ
る。また、接続棒320は、矢印a16、a17の方向
に回転可能、かつ、矢印a18、a19方向に移動可能
である。
【0099】このように、創外固定器300は、複数の
位置調節機能有している。したがって、固定しようとす
る骨の状況に制約を受けることなく、治療に最適な位置
に創外固定器300を取付けることができる。
【0100】なお、本実施形態における固定ボルト31
4、固定ナット316、ジョイント部材318および接
続棒320については、ステンレス材を用いたが、チタ
ン材等を用いることも可能である。
【0101】さらに、これらの部材についてはカーボン
材を用いることも可能である。カーボン材は、ステンレ
スやチタン等よりもX線の透過率がかなり高い。これら
の部材にカーボン材を用いることによって、ステンレス
やチタン等を用いた場合よりも、各部材の影がX線像上
に写らないようにすることができる。
【0102】[その他の実施形態]前述の第2の実施形
態および第3の実施形態においては、刺入部材214お
よび補助棒付き刺入部材310に形成される爪部241
の水平部241aは、の先端は、くさび状に形成してい
た。通常、水平部241aを骨に挿入する場合、まず皮
膚を切開し、その部分に水平部241aを挿入する。
【0103】したがって、水平部241aが大きいと、
切開する量も多くしなければならない。これは、手術後
に大きな傷を残すこととなり、美観の点からあまり好ま
しくはない。特に、形成外科の観点からは問題である。
【0104】そこで、図25Αに示すように、水平部2
41aの先端のみをくさび状に形成する。これによっ
て、挿入する部分が細くなるので、切開する量も少なく
することができる。手術後の傷も小さくすることができ
る。
【0105】図25Αにおいては、水平部341aのみ
をステンレス等の比較的強い材質で形成している。その
他の部分は、強化プラスチック等のX線透過率のよい材
質で形成している。
【0106】なお、第1の実施形態における第1の刺入
部材14および第2の刺入部材16と同様に、刺入部材
全体をステンレス等の材質で形成し、水平部の先端のみ
をくさび状とすることも可能である。このような水平部
を図25Bに示す。
【0107】また、第1の実施形態において、図13に
示すような、刺入部材14が一つであり、かつ、第一片
に2つの爪部141と爪部142と(第二片に2つの爪
部151と爪部152)を有する創外固定器11を示し
たが、片方の片に爪部が3つ以上であってもよい。爪部
が3つある創外固定器400を図26に示す。創外固定
器400は、第一片に爪部441、442、443(爪
部443は図示せず)を、第二片に爪部451、45
2、453を有している。
【0108】創外固定器400の幅は、図13に示した
創外固定器11よりも広く、創外固定器11を2つ接合
したぐらいの長さを有している。このように、爪部を増
やし、幅を広げることによって、斜骨折のような場合に
でも、対応することができる。
【0109】前述の第2の実施形態および第3の実施形
態においては、刺入部材の爪部を2つとしたが、図26
に示す創外固定器400のように刺入部材の爪部を3
つ、もしくはそれ以上設けるようにしてもよい。
【0110】さらに、図27に示す創外固定器500の
ように、刺入部材の爪部を4つ設けるようにしてもよ
い。なお、図27においては、保持器を省略している。
創外固定器500は、第一片540に爪部541、54
2、543、544を、第二片550に爪部551、5
52、553、554を有している。
【0111】創外固定器500では、第1片540の各
爪部同志の間隔は一定ではない。爪部541と爪部54
2との間隔は、爪部543と爪部544との間隔とは、
ほぼ等しい。しかし、爪部542と爪部543との間隔
は、爪部541と爪部542との間隔よりも広く形成さ
れている。
【0112】つまり、第一片540は、爪部541と爪
部542とが一群に形成された、爪郡部を有している。
また、第一片540は、爪部543と爪部544とが一
群に形成された、爪郡部を有している。つまり、第一片
540は、2以上の爪部が一群に形成された、爪郡部を
複数有している。第二片550についても同様である。
【0113】なお、第2片550についても同様に、爪
部551と爪部552との間隔は、爪部553と爪部5
54との間隔とは、ほぼ等しい。しかし、爪部542と
爪部543との間隔は、爪部541と爪部542との間
隔よりも広く形成されている。
【0114】このように、爪部542と爪部543との
間隔(爪部552と爪部553との間隔)を、爪部54
1と爪部542との間隔もしくは爪部543と爪部54
4との間隔(爪部551と爪部552との間隔もしくは
爪部553と爪部554との間隔よりも広く形成するこ
とによって、横骨折に対してより確実に、骨折したそれ
ぞれの骨を保持することができる。横骨折に対して、創
外固定器500を使用する場合は、骨折部位が爪部54
2と爪部543との間に位置するように創外固定器50
0を位置させ、爪部541と爪部542および爪部55
1と爪部552とを骨折した骨の一方に、そして爪部5
43と爪部544および爪部553と爪部554とを骨
折した骨のもう一方に差込み、骨折したそれぞれの骨を
確実に保持する。
【0115】なお、創外固定器500においては、爪部
を第一片および第二片それぞれに、4つ設けることとし
たが、これに限定されない。また、第一片について、爪
部542と爪部543との間隔を爪部541と爪部54
2および爪部543と爪部544との間隔より広くした
が、これに限定されない。例えば、爪部541と爪部5
42との間隔を爪部542と爪部543および爪部54
3と爪部544との間隔より広くしてもよい。第二片に
ついても同様である。
【0116】前述の第1の実施形態においては、つまみ
部12cを回転し、第2の刺入部材16を矢印αの方向
に移動させて、骨折部30に圧力をかけている(図7B
参照)。これとは逆につまみ部12cを逆に回転させる
ことによって、第2の刺入部材16を矢印αとは反対の
方向に移動させて、骨部30を引き離すことができる。
このときに、骨部30を引き離す量を適当に調節するこ
とによって、骨延長が可能となる。
【0117】例えば、つまみ部12cを1回転させる毎
に、刺入部材16が1ミリ移動するようにネジ切りを行
なうことによって、骨延長の際に採用する骨の引き離し
量を簡単に調節することができる。なお、第2の実施形
態においても、位置決めプレート212に形成する目盛
りを、例えば1ミリ毎に刻むことによって、骨延長に対
応させることができる(図15参照)。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による創外固定器10の
構成を示す斜視図である。
【図2】図1の縦断面を示す図である。
【図3】図3Aは図2の線IIIA−IIIAにおける断面
図、図3Bは図2の線IIIB−IIIBにおける断面図であ
る。
【図4】第1の刺入部材14の詳細を示す図である。
【図5】第2の刺入部材16の詳細を示す図である。
【図6】創外固定器10の装着手順を示す図である。
【図7】創外固定器10の装着手順を示す図である。
【図8】装着した創外固定器10を示す図である。
【図9】骨折状況を示す図である。
【図10】他の実施形態による創外固定器10を示す図
である。
【図11】他の実施形態による創外固定器10を示す図
である。
【図12】図10の創外固定器10の固定例を示す図で
ある。
【図13】他の実施形態による創外固定器11を示す図
である。
【図14】従来の創外固定器を示す図である。
【図15】この発明の一実施形態による創外固定器20
0の構成を示す斜視図である。
【図16】位置決めプレート212、保持部材216お
よび挟着部材218の構成を示す図である。
【図17】保持部材216の幅Wの変化の様子を示す図
であり、Αは幅Wを広くした場合、Bは幅Wを狭くした
場合を示す。
【図18】保持部材216の回転および移動を示す図で
あり、Αは保持部材216の一方を回転させた状態、B
は両方を回転させ、さらに両保持部材216の間隔を広
げた状態を示す図である。
【図19】刺入部材214の構成を示す図である。
【図20】刺入部材214の水平部241aを示す図で
ある。
【図21】この発明の一実施形態による創外固定器30
0の構成を示す斜視図である。
【図22】補助棒付き刺入部材310の構成を示す図で
ある。
【図23】固定ボルト314、固定ナット316、ジョ
イント部材318、接続棒320を示す図である。
【図24】刺入部材314および接続棒320の移動可
能方向を示す図である。
【図25】刺入部材214の水平部341aを示す図で
ある。
【図26】この発明の一実施形態による創外固定器40
0の構成を示す斜視図であり、爪部を3つ有する創外固
定器を示している。
【図27】この発明の一実施形態による創外固定器50
0の構成を示す斜視図であり、第一片540および第二
片550が、2以上の爪部が一群に形成された、爪郡部
を複数有する創外固定器を示している。
【符号の説明】
12・・・軸 14・・・第1の刺入部材 16・・・第2の刺入部材 18・・・第1の保持部材 20・・・第2の保持部材 216L・・・第1カバー 216R・・・第2カバー 212・・・位置決めプレート 218・・・挟着部材 M1・・・目盛り 318・・・ジョイント部材 L1・・・挟み込み線 B1・・・第1ブロック B2・・・第2ブロック 314・・・固定ボルト 316・・・固定ナット 320・・・接続棒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 17/56 - 17/66

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸と、 軸に回転可能に保持された第一片と第二片を有する刺入
    部材と、 刺入部材の外部に装着して、刺入部材の広がりを防止す
    るための保持部材と、 を備えた創外固定器であって、 刺入部材の第一片に設けられた先鋭部と、第二片に設け
    られた先鋭部とによって、骨を挟み込むようにして、該
    先鋭部を骨に挿入して固定する創外固定器。
  2. 【請求項2】請求項1の創外固定器において、 前記先鋭部は、2つの爪部を有していることを特徴とす
    る創外固定器。
  3. 【請求項3】請求項2の創外固定器において、 前記保持部材は、突出部を有しており、 当該突出部が、前記先鋭部の2つの爪部の間の空間には
    まり込むことによって、前記保持部材が刺入部材に装着
    されるように構成されていることを特徴とするもの。
  4. 【請求項4】請求項1にかかる創外固定器において、 前記先鋭部は、3つ以上の爪部を有してる、 ことを特徴とする創外固定器。
  5. 【請求項5】請求項4にかかる創外固定器において、 前記第一片および第二片は、2以上の爪部が一群に形成
    された、爪郡部を複数有している、 ことを特徴とする。
  6. 【請求項6】請求項1にかかる創外固定器において、 前記保持部材は、刺入部材の大きさに応じて、互いの間
    隔を調整することができる第1カバーおよび第2カバー
    を有する、 ことを特徴とする創外固定器。
  7. 【請求項7】請求項1または請求項6にかかる創外固定
    器において、 前記保持部材を移動可能となるように保持し、かつ、前
    記保持部材を所望の位置で固定する位置決め部材、 を有する創外固定器。
  8. 【請求項8】請求項7にかかる創外固定器において、 前記位置決め部材は、 前記位置決め部材に保持された保持部材の位置を示す位
    置表示手段、 を有することを特徴とする創外固定器。
  9. 【請求項9】請求項1ないし請求項8のいずれかの創外
    固定器において、 前記刺入部材は、少なくとも先鋭部の骨に挿入する部分
    以外の部分は、X線を透過する材質で形成されている、 ことを特徴とする創外固定器。
  10. 【請求項10】軸と、 軸に回転可能に保持された第一片と第二片を有する第1
    の刺入部材と、 軸に回転可能に保持された第一片と第二片を有する第2
    の刺入部材と、 刺入部材の外部に装着して、刺入部材の広がりを防止す
    るための保持部材と、 を備えた創外固定器であって、 第1の刺入部材および第2の刺入部材の第一片に設けら
    れた先鋭部と、第二片に設けられた先鋭部とによって、
    骨を挟み込むようにして、該先鋭部を骨に挿入して固定
    する創外固定器。
  11. 【請求項11】請求項10の創外固定器において、 第1の刺入部材または第2の刺入部材が、軸の延長方向
    に移動可能に形成されていることを特徴とするもの。
  12. 【請求項12】請求項11の創外固定器において、 第1の刺入部材または第2の刺入部材が軸と螺合してお
    り、軸の回転によって、第1の刺入部材または第2の刺
    入部材が、軸の延長方向に移動可能に形成されているこ
    とを特徴とするもの。
  13. 【請求項13】請求項10にかかる創外固定器におい
    て、 前記保持部材は、刺入部材の大きさに応じて、互いの間
    隔を調整することができる第1カバーおよび第2カバー
    を有する、 ことを特徴とする創外固定器。
  14. 【請求項14】請求項10または請求項13にかかる創
    外固定器において、さらに、 前記保持部材を移動可能となるように保持し、かつ、前
    記保持部材を所望の位置で固定する位置決め部材、 を有する創外固定器。
  15. 【請求項15】請求項14にかかる創外固定器におい
    て、 前記位置決め部材は、 前記位置決め部材に保持された保持部材の位置を示す位
    置表示手段、 を有していることを特徴とする創外固定器。
  16. 【請求項16】請求項10ないし請求項15のいずれか
    の創外固定器において、 前記刺入部材は、少なくとも先鋭部の骨に挿入する部分
    以外の部分は、X線を透過する材質で形成されている、 ことを特徴とする創外固定器。
  17. 【請求項17】軸と、 軸に回転可能に保持された第一片と第二片を有する刺入
    部材、 刺入部材の外部に装着して、刺入部材を保持するための
    保持部材、 複数の前記刺入部材を連結する連結手段、 を有する創外固定器であって、 前記連結手段は、 刺入部材の第一片に設けられた先鋭部と、第二片に設け
    られた先鋭部とによって形成される挟み込み線が、任意
    の方向を採ることができるような構造有している、 ことを特徴とする創外固定器。
  18. 【請求項18】請求項17にかかる創外固定器におい
    て、 前記連結手段は、 第1ブロックおよび第2ブロックを有し、当該第1ブロ
    ックと第2ブロックとが互いに回転可能なように構成さ
    れているジョイント部材、 前記ジョイント部材の第1ブロックもしくは第2ブロッ
    クに前記刺入部材を固定する第1の固定部材、 前記ジョイント部材同志を接続するための接続部材、 前記ジョイント部材の第1ブロックもしくは第2ブロッ
    クに前記接続部材を固定するための第2の固定部材、 を有している、 ことを特徴とする創外固定器。
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