JP5288574B2 - 表示素子と表示装置 - Google Patents

表示素子と表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5288574B2
JP5288574B2 JP2012512647A JP2012512647A JP5288574B2 JP 5288574 B2 JP5288574 B2 JP 5288574B2 JP 2012512647 A JP2012512647 A JP 2012512647A JP 2012512647 A JP2012512647 A JP 2012512647A JP 5288574 B2 JP5288574 B2 JP 5288574B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polarizing plate
light
hole
organic
light emitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012512647A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2011135799A1 (ja
Inventor
修司 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2012512647A priority Critical patent/JP5288574B2/ja
Publication of JPWO2011135799A1 publication Critical patent/JPWO2011135799A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5288574B2 publication Critical patent/JP5288574B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/80Constructional details
    • H10K59/8791Arrangements for improving contrast, e.g. preventing reflection of ambient light
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/30Polarising elements
    • G02B5/3025Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state
    • G02B5/3033Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state in the form of a thin sheet or foil, e.g. Polaroid

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Description

本発明は、エレクトロルミネッセンス素子(EL素子)について、特に高輝度発光が可能な有機EL素子などの表示素子の技術に関するものである。
電極間に発光層を設け、これに電圧を印加して発光する有機EL素子は、発光効率、低電圧駆動、軽量、薄型という点で優れており、近年極めて注目を浴びている表示素子である。
有機EL素子は、陰極から電子を、陽極から正孔を注入し、両者が発光層で再結合することによって、発光層の発光特性に対応した可視光線の発光を生じさせるものである。
陽極には、現状使用することのできる透明導電性材料の中では最も電気伝導度が高く、比較的仕事関数が大きく、高い正孔注入効率が得られるという点からITO(Indium Tin Oxide)が使用される。
陰極には、通常、金属電極が使用されるが、電子注入効率を考慮し、仕事関数の観点から、Mg、MgAg、MgIn、Al、LiAl等の材料が使用される。これらの金属材料は、可視光の反射率が高く、電極(陰極)としての機能の他に、発光層で発光した光を反射し、出射光量(発光輝度)を高める機能も担っている。すなわち、発光層から陰極方向に発光した光は、陰極である金属表面で鏡面反射し、透明なITO電極(陽極)から出射光として取り出されることになる。
このような構造を有する有機EL素子は、陰極が光反射性の強い鏡面となっているため、発光していない状態では外光反射が著しく目立つことになる。すなわち室内照明の映り込みなどが激しくなるため、明所では黒色が表現できなくなり、ディスプレイとして用いる場合にはコントラスト比が極端に低いという致命的な問題点を有する。
しかし、有機EL素子の陰極表面が平滑な鏡面反射面であることを逆に利用すれば、陰極での外光反射を著しく抑制することができる。
このような観点における陰極表面からの外光反射を削減する方法として、例えば、特許文献1〜4に開示された方法が知られている。
特許文献1では、1対の電極のうちで光取出し面側に位置する電極の外側に偏光層を設けて、偏光層として位相差補償板または位相差補償フィルムとを組み合わせた方法が提案されている。
特許文献2では、吸収型直線偏光板と1つ又は複数の位相差板から構成された1/4波長板とを積層した円偏光板を備えており、発光層と円偏光板との間に形成された光拡散層を設けた方法が提案されている。
特許文献3では、反射電極を有する有機EL素子の光取り出し側に、1/4波長板と偏光板とを有する円偏光板を設けており、この1/4波長板の直交するそれぞれの方向の屈折率が異なる方法のものが提案されている。
特許文献4では、屈折率特性が異なる複屈折板を貼り合わせて構成する1/4波長板と直線偏光板により構成した円偏光手段を設けた方法が提案されている。
上記のような円偏光板は、陽極面側に直線偏光板と、偏光板の光軸に対して45度傾いた光軸の1/4波長板として機能する位相差板を貼り合して構成するもので、次のように作用する。すなわち、有機EL素子に入射する外光があると、外光が偏光板を通過する際、特定の方向に偏光面を持つ直線偏光が通過し、これと偏光面が直交する直線偏光は吸収される。さらに偏光板を通過した光は位相差板の作用を受け、偏光面が回転する円偏光となる。位相差板を通過した光は陰極表面で反射する際、回転方向が逆向きの円偏光となる。陰極表面で反射した光は再び位相差板に入射し、位相差板を通過する時にその作用を受けて、入射時とは直交する直線偏光に変換される。このように偏光された直線偏光は、偏光板に吸収されるので陰極表面での外光反射を防止することができる。これによってコントラスト比が大きく改善されディスプレイの表示品質が向上する。
ところが、陰極表面の外光反射を防止するために前述のような円偏光板を設置すると、発光層から出射した光の約半分は、円偏光板を構成する直線偏光板によって吸収されるので、有機EL素子から射出される光の利用効率が大きく低下し、高輝度化の達成が困難となる。また、このような有機EL素子を縦横に配列して構成する表示装置も同様に、高輝度化が難しくなる。
そこで、有機EL素子の高輝度化を実現する方法として、例えば、特許文献5〜9に開示された方法が提案されている。特許文献5では、EL素子を構成する基板自体が集光性を有するようにして取り出し効率を向上させる方法、特許文献6では、有機EL素子を構成する電極を凹面形状にして輝度を高める方法、特許文献7では、有機EL素子を構成する電極に傾斜面を持たせて輝度を高める方法、特許文献8では、有機EL素子を構成する電極に回折格子等を形成して輝度を高める方法が提案されている。
しかしながら、これらの方法は有機EL素子が複雑な構成になり、また発光層自体の発光効率が悪くなってしまう等の問題がある。特許文献9では、透光性有機ELパネル(表、裏側の両方向から表示画像が見える両面パネル)の両面に設けられている円偏光板に、発光画素ごとに開口部を設けたものが提示されている。開口部を設けることにより発光輝度の向上が図れるが、透光性有機ELパネルの両面に円偏光板があるために、透光性のある発光画素領域の開口部以外では、円偏光板の作用が消失し、反対側の外光が円偏光板を通して直接透けて見えるため、コントラスト比が大幅に低下するという大きな問題がある。また特許文献9の図5Aの図面では、筒型(開口部のそれぞれの端面における孔の大きさが同じ)の開口部が示されている。筒型構造では発光画素の輝度分布が一様でなくなるため、表示画像にざらつき感が生じて画質が低下するという問題もある。
特許第2761453号公報 特開2003−332068号公報 特開2009−21408号公報 特開平9−127885号公報 特開昭63−314795号公報 特開平11−214162号公報 特開平11−214163号公報 特開平11−283751号公報 特開2005−39578号公報
森北出版2008年2月29日発行,ディスプレイデバイス,p12. テレビジョン学会誌Vol41,No5(1987),p473.
このように、従来の有機EL素子は外光反射を防止するために円偏光板を設けているので、発光層から出射した光の約半分が円偏光板を構成する直線偏光板によって吸収される。これによって有機EL素子から射出される光の利用効率が大きく低下し、高輝度化の達成が困難であった。
また、種々提案されている高輝度化方法では、有機EL素子の構成が複雑になり、発光層自体の発光効率が悪くなることや、大幅なコントラスト比の低下を招くなどの欠点があった。
上記状況に鑑みて、本発明は、円偏光板を用いる有機EL素子などの表示素子において、発光層の光の利用効率を上げて高輝度化を図ることができる表示素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明の第1の観点の表示素子は、直線偏光板と位相差板を積層して構成される円偏光板と、円偏光板に対向配置された透明基板上に形成された陽極,陰極および有機EL発光層と、陽極,陰極および有機EL発光層を跨いで、透明基板と並行に配設される絶縁基板と、円偏光板に設けられた複数の貫通孔と、を備え、有機EL発光層の光を透明基板側単方向に効率的に射出させたことを特徴とする。
円偏光板に複数の貫通孔を設けることにより、円偏光板の貫通孔の位置に対応する有機EL素子から射出される光が、円偏光板に当たることなく円偏光板を通過するので、発光輝度の低下がなく、従来のような貫通孔のない円偏光板を設けた有機EL素子より輝度を高くすることができ、有機EL発光層の光を透明基板側単方向に効率的に射出させることができる。
また、本発明の第2の観点の表示素子は、直線偏光板と位相差板を積層して構成される円偏光板と、円偏光板に対向配置された透明基板上に形成された陽極,陰極および有機EL発光層と、陽極,陰極および有機EL発光層を跨いで、透明基板と並行に配設される絶縁基板と、直線偏光板のみに設けられた複数の貫通孔と、を備え、有機EL発光層の光を透明基板側単方向に効率的に射出させたことを特徴とする。
直線偏光板のみに複数の貫通孔を設けることにより、直線偏光板の貫通孔の位置に対応する有機EL素子から射出される光が、直線偏光板に当たることなく直線偏光板を通過するので、発光輝度の低下がなく、従来のような貫通孔のない直線偏光板を設けた有機EL素子より輝度を高くすることができ、有機EL発光層の光を透明基板側単方向に効率的に射出させることができる。
ここで、直線偏光板のみに貫通孔を設けることで、円偏光板に貫通孔を設けた場合よりも、若干、輝度は低くなり、コントラスト比が低下するが、貫通孔にゴミや埃の入り込みを抑制する効果がある。
また、本発明の第3の観点の表示素子は、偏光子と保護フィルムにより構成される直線偏光板と、直線偏光板と位相差板を積層して構成される円偏光板と、円偏光板に対向配置された透明基板上に形成された陽極,陰極および有機EL発光層と、陽極,陰極および有機EL発光層を跨いで、透明基板と並行に配設される絶縁基板と、偏光子のみに設けられた複数の貫通孔と、を備え、有機EL発光層の光を透明基板側単方向に効率的に射出させたことを特徴とする。
偏光子のみに複数の貫通孔を設けることにより、偏光子の貫通孔の位置に対応する有機EL素子から射出される光が、偏光子に当たることなく偏光子を通過するので、発光輝度の低下がなく、従来のような貫通孔のない偏光子を設けた有機EL素子より輝度を高くすることができ、有機EL発光層の光を透明基板側単方向に効率的に射出させることができる。
ここで、偏光子のみに貫通孔を設けることで、円偏光板に貫通孔を設けた場合よりも、若干、輝度は低くなり、コントラスト比が低下するが、貫通孔にゴミや埃の入り込みを防ぐ効果があり、また保護フィルムを透明にすることにより、直線偏光板のみに貫通孔を設けたものと同等の輝度とコントラスト比とすることができる。
ここで、貫通孔の形状は、円錐台形状、逆円錐台形状、或いは、円錐台形状と逆円錐台形状の組み合わせであることが好ましい。このような貫通孔の形状とすることで、貫通孔を通る円偏光板などの断面がテーパー状、もしくは逆テーパー状となり、貫通孔のテーパー側面による光の異なる方向への反射が抑制され、輝度の均一性が保たれると共に、輝度の向上が図れる。
ここで、貫通孔は、有機EL発光層の光の入射孔の大きさと出射孔の大きさが異なることが好ましい。すなわち、貫通孔のそれぞれの端面における孔の大きさを異なる構造にする。貫通孔を有機EL発光層の光の入射側の孔の大きさと出射側の孔の大きさが異なる構造とすることで、貫通孔のテーパー側面による光の異なる方向への反射が抑制され、輝度の均一性が保たれると共に、輝度の向上が図れる。
また、貫通孔を、かならずしも画素毎に設けない構成にすることが好ましい。または、特定色の画素のみに設ける構成にすることが好ましい。
円偏光板に貫通孔が設けられている所については、発光画素から射出される光が円偏光板に当たることなく円偏光板を通過するので、発光輝度の低下がなく、貫通孔がない発光画素より相対的に輝度が高くなる。すなわち、たとえば青色発光画素が赤色発光画素と緑色発光画素より輝度寿命が短い場合、青色発光画素に対応する円偏光板の位置にだけ貫通孔を設けることにより、青色発光画素は円偏光板による発光輝度の低下がないので、赤色発光画素と緑色発光画素より相対的に輝度が高くなる。これにより青色発光画素の輝度が高くなった分だけ輝度を抑えることができるので、青色発光画素の輝度寿命を長くすることができ、長時間色バランスの良い表示が可能となる。
また、上記の表示素子の表面に少なくとも一層以上のフィルムを設けたことが更に好ましい態様である。
表示素子の表面に例えば反射防止フィルムや防眩フィルムを設けることにより、外光による反射や眩しさを防止することができると共に、円偏光板の貫通孔にゴミや埃の入り込みを防ぐことができる。
また、上記のフィルムは、貫通孔の部分が貫通孔の無い部分に比べて明るく光って生じる輝点の明るさを抑制できるニュートラルデンシティーフィルタ(あるいは、ニュートラルデンシティーフィルムと呼ばれる。以下、NDフィルタと称する。)を少なくとも含むことが更に好ましい態様である。ここで、NDフィルタとは、ある波長域において入射光量を一定の割合で減衰させるフィルムである。
NDフィルタがない場合、貫通孔の部分が貫通孔の無い部分に比べて明るく光って生じる星空のような輝点により、表示面を近くから見た時にざらつき感のある表示画面となり画質の低下が懸念される。しかしながら、適当な濃度を有するNDフィルタを用いることにより、輝点の明るさが抑制されるので、ざらつき感が解消され画質の低下が無くなる。さらに、円偏光板の貫通孔にゴミや埃の入り込みを防ぐこともできる。
また、本発明の表示装置は、上述の表示素子を一次元あるいは二次元に配列して構成される。
従来のように円偏光板、直線偏光板、偏光子に貫通孔が無い有機EL素子を配列して成る表示装置より輝度の高い表示装置や、長寿命の表示装置が得られる。
本発明に係る表示素子によれば、貫通孔の位置に対応する有機EL素子から射出される光が円偏光板や直線偏光板あるいは偏光子に当たることなく円偏光板や直線偏光板あるいは偏光子を通過するので、貫通孔のある位置では発光輝度の低下がなく円偏光板や直線偏光板あるいは偏光子に貫通孔がない従来の有機EL素子より輝度の向上が図ることができる。
また、貫通孔を有機EL発光層の光の入射側の孔の大きさと出射側の孔の大きさが異なる構造とすることにより、貫通孔のテーパー側面による異なる方向への反射が抑制され、輝度の均一性を維持することができる。
更に、発光画素の輝度寿命の特性に応じて発光画素に対応して貫通孔の有無を制御することにより、長時間色バランスの良い表示が可能となる。
また、本発明の表示素子を一次元、あるいは二次元に配列して構成して成る表示装置によれば、高輝度化と色バランスの良い表示が可能となる。
実施例に係る有機EL素子の全体斜視図である。 実施例1に係る有機EL素子において、直線偏光板1と位相差板2の表面の一部分が見えるようにした斜視図である。 図1における直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13を横切る部分の断面図である。 図3において有機EL発光層7からの光と、外光11による反射光の様子を示した図である。 有機EL素子10の表示面積に対する直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13の面積の割合Aと、有機EL素子の発光輝度の関係を示した図である。 有機EL素子10の表示面積に対する直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13の面積の割合Aと、有機EL素子のコントラスト比の関係を示した図である。 有機EL素子10の表示面積に対する直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13の面積の割合Aと、有機EL素子の最小コントラスト比の関係を示した図である。 実施例1に係る有機EL素子において、貫通孔の一方面側の孔の大きさと他方面側の孔の大きさが同じ場合の、壁面の反射の様子を示した図である。 実施例1に係る有機EL素子において、貫通孔の一方面側の孔の大きさと他方面側の孔の大きさが異なる場合の、テーパー側面の反射の様子を示した図である。 実施例1に係る有機EL素子において、貫通孔の一方面側の孔の大きさと他方面側の孔の大きさが異なる場合の、テーパー側面の反射の様子を示した図である。 実施例1に係る有機EL素子において、円偏光板に貫通孔が画素毎に設けられていない様子を示した図である。 実施例1に係る有機EL素子において、有機EL素子の表面にNDフィルタを設けた図である。 実施例2に係る有機EL素子において、直線偏光板1と位相差板2の表面の一部分が見えるようにした斜視図である。 実施例3に係る有機EL素子において、直線偏光板1の一部分が見えるようにした斜視図である。 実施例4に係る有機EL素子10を二次元に並べて構成した表示装置である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
以下、図1〜図12を用いて本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る有機EL素子の構成を示す全体斜視図である。
有機EL素子10は、直線偏光板1と位相差板2を積層して構成される円偏光板3に対向配置された透明基板4と、透明基板4上に形成された陽極5と、陽極5に対向配置された陰極6と、陽極5及び陰極6の間に配置された有機EL発光層7(以下、発光層7と略記)とを備えている。陽極5、陰極6、発光層7は、透明基板4と絶縁基板9に挟まれた構成となる。絶縁基板9は、通常、ガラス基板が用いられる。また絶縁基板9のベースが透明の基板であって、その透明の基板の表面上に不透明な絶縁層を形成して絶縁基板としても良いし、絶縁基板9のベースが透明の基板であって、その透明の基板の内側に設けられている陰極6が光をすべて反射させることによって絶縁基板としての体をなしても良い。また、基板9が金属性の基板であって、その金属性の基板の表面上に絶縁層を形成して絶縁基板とみなしても良い。
このような構成を有する有機EL素子10において、陰極6から電子を、陽極5から正孔を注入し、両者が発光層7で再結合することにより、発光層7の発光特性に対応した可視光線の発光が生じる。発光層7で生じた光は、直接又は陰極6で反射した後、陽極5、透明基板4、円偏光板3、反射防止フィルム8を介して外部に取り出されることになる。
一方、室内照明等により有機EL素子10の外部から入射した外光11は、直線偏光板1によって半分は吸収され残りの半分は直線偏光として透過し、位相差板2に入射する。位相差板2に入射した光は、直線偏光板1と位相差板2とは、それらの光軸が45度又は135度で交差するように配置されているので、位相差板2によって円偏光に変換されることになる。
このように、直線偏光板1と位相差板2との光軸が45度又は135度で交差するように配置されているため、位相差板2を透過することにより円偏光に変換されるので、位相差板2からでる円偏光は陰極6で鏡面反射する際に、位相が180度反転し逆廻りの円偏光として反射される。この反射光は再度位相差板2に入射することにより、直線偏光板1の吸収軸に平行な直線偏光に変換されるため、直線偏光板1で全て吸収され外部に出射されない。
直線偏光板1としては、吸収型の直線偏光板である限りにおいて限定されるものではなく、種々の形態のものを適用可能である。一般的には、ポリビニルアルコールのような親水性高分子からなるフィルムを、ヨウ素のような二色性染料で処理して延伸したものや、ポリ塩化ビニルのようなプラスチックフィルムを処理してポリエンを配向させたもの等からなる偏光フィルムの他、当該偏光フィルムを封止フィルムでカバーして保護したもの、さらにワイヤーグリッド偏光子のようなものでもよい。
位相差板2はプラスチックフィルムを特定方向に延伸処理することによって作製することが可能である。具体的な材料は、特に限定されるものではなく、高分子フィルムを1軸又は2軸等の適宜な方式で延伸処理等することにより形成することができる。透明性に優れ、延伸処理が可能な材料である限り、種々のものを適用することができる。このような材料としては、例えば、ポリカーボネート系高分子、ポリエステル系高分子、ポリスルホン系高分子、ポリエーテルスルホン系高分子、ポリスチレン系高分子、ポリオレフィン系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、酢酸セルロース系高分子、ポリ塩化ビニル系高分子、ポリメチルメタクリレート系高分子、ポリアリレート系高分子、ポリアミド系高分子などを挙げることができる。なお、位相差板2は、一層の複屈折フィルムで形成することも可能であるが、位相差の波長依存性を小さくし、全可視光波長領域に亘って1/4波長板として機能するように複数の複屈折フィルムを積層して形成してもよい。
また、直線偏光板1と位相差板2の貼り合わせは、光学的異方性の無いアクリル系透明粘着剤や接着剤を用いて行うことができる。
なお、外光反射防止に万全を期すべく、円偏光板3の表面に反射防止フィルム8を設けている。反射防止フィルム8は、例えば、円偏光板3の表面に多層膜を直接形成することの他、反射防止フィルムを貼着することも可能である。また、モスアイ構造のような微細構造のものを設けても良いし、さらに適切なアンチグレア処理を施しても良い。また、円偏光板の貫通孔にゴミや埃の入り込みが強く懸念されるところでは、ゴミや埃の入り込みを防ぐために透明フィルムや透明シートを用いても良い。さらに、円偏光板の貫通孔のエッジ部分での機械強度の低下が懸念される場合は、円偏光板の上に機械強度の低下を補うために保護膜を設けても良い。
図2は、図1に示す実施の形態1に係る有機EL素子10において、直線偏光板1と位相差板2の表面の一部分が見えるようにした有機EL素子10の斜視図である。図2は、直線偏光板1に複数個の直線偏光板貫通孔12を、位相差板2にも複数個の位相差板貫通孔13をそれぞれ同じ位置に設けた様子を示している。直線偏光板貫通孔12と位相差板貫通孔13が在る位置では、発光層7からの直接光と発光層7の陰極6にて反射された反射光のいずれの光も円偏光板3の作用を受けることがないので、これらの光の全てが有機EL素子10の前方に取り出すことができる。
すなわち、有機EL素子10の前方側に射出される光は、円偏光板3で作用を受けた光と、直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13を通過してきた円偏光板3にて作用を受けない光とが混在する。
図2の本発明による有機EL素子10は、透明基板4側に射出される光のすべてが円偏光板3の作用を受けて輝度が半減する従来の有機EL素子に比べて、直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13を通過する円偏光板3の作用を受けない光の分だけ輝度が高くなる。
このように本発明の特徴は、直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13を設けて輝度を高めるところにあるが、外光11による反射については直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13の位置では円偏光作用を受けないので、陰極6からの反射によりコントラスト比の低下が生じ、画質劣化につながることが懸念される。
そこで、コントラスト比の大きさについて簡単なモデル式を立て、直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13を設けることによる画質劣化への影響について調べてみることにする。
図3は、図2における直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13を横切る部分の断面図である。ここでは、直線偏光板1の一方側の面には保護膜14を設けた例を示している。図4は、図3において発光層7からの光と、外光11による反射光の様子を示した図である。
1.外光による反射輝度L
外光11による有機EL素子10からの反射光は、保護膜14の表面反射による反射光22と、陰極6からの反射光25が混在したものである。また、陰極6に到達する外光11は、反射光22を差し引いた外光11のうち、直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13を通過する外光23と、直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13が存在しない部分、すなわち円偏光板3を通過してきた外光24に分かれる。
外光23は、陰極6により反射し反射光25として直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13を通過し、有機EL素子10の前面に射出される。ここで、陰極6により反射して外部に射出される外光25は、保護膜14の内面に当たるが内面にあたった光は多重反射しないものとしている。したがって、反射光25のすべてが有機EL素子10の前面に射出される。
外光24は、反射光22を差し引いた外光11の円偏光板3を通過した分の光であるが、円偏光板3を構成する直線偏光板1によって通過する光の半分が吸収されていると共に、位相差板2に入射することによって直線偏光板1と位相差板2の光軸が45度又は135度で交差するように配置されているので、位相差板2から射出される外光24は円偏光に変換された光となっている。このような円偏光された外光24は、陰極6により反射され逆回転した円偏光の反射光26となる。反射光26は円偏光板3を構成する直線偏光板1により、吸収軸に平行な直線偏光に変換されるので、直線偏光板1により全てが吸収され外部に出射されることはない。ここで、円偏光板3を通過してきた外光24は、陰極6により反射して反射光26となるが直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13の方向には射出されずに、すべてが円偏光板3の位置に戻るものとしている。
さて、通常、外光11の明るさは照度で表現されている。ここでは、照度と反射輝度の関係について説明する。
保護膜14の拡散反射率がρ1であって、保護膜14が均等拡散面(すべての波長の光が水平、垂直180度の範囲で均等に反射する面)であるとすると、照度Eで照らされた時の保護膜14の反射光22に対応する反射輝度L1cd/m2は、下記数式1で与えられる。
(数1)
反射輝度L1(反射光22の輝度に対応)=(ρ1・E)/π ・・・(式1)
例えば、照度が1000ルクス(Lx)の空間における保護膜14からの反射輝度L1は、保護膜14の拡散反射率ρ1を0.04とすると13cd/m2になる。
また、陰極6の反射率をρ2とすると反射光25に対応する反射輝度L2cd/m2は、有機EL素子10の発光面積に対する直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13の面積の割合をAとすると、下記数式2で与えられる。
(数2)
反射輝度L2(反射光25の輝度に対応)=A〔ρ2・E(1−ρ1)〕/π・・・(式2)
例えば、照度が1000ルクス(Lx)の空間における陰極6からの軸上の反射輝度L2は、陰極6の反射率ρ2を0.90、有機EL素子10の表示面積に対する直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13の面積の割合を0.5、保護膜14の拡散反射率ρ1を0.04とすると138cd/m2になる。
上記式1と上記式2から有機EL素子10の反射輝度Lは、下記数式3のようになる。
(数3)
反射輝度L=反射輝度L1+反射輝度L2
=(ρ1・E)/π+A〔ρ2・E(1−ρ1)〕/π・・・(式3)
したがって、空間照度が1000ルクス(Lx)、保護膜14の拡散反射率ρ1を0.04、陰極6の反射率ρ2を0.90、有機EL素子10の表示面積に対する直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13の面積の割合を0.5とすると、反射輝度L1が13cd/m2、反射輝度L2が138cd/m2となるので、有機EL素子10の表示面の外光11による反射輝度Lは151cd/m2となる。
2.発光輝度B
発光層7からの光は、円偏光板3の内面に向かう発光光18と、直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13に向かう発光光19がある。直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13が無い部分、すなわち円偏光板3に向かう発光光18は、円偏光板3を通過する際に円偏光板3を構成する直線偏光板1によって光の半分が吸収されるので、その発光輝度20は発光層7の発光輝度の1/2となる。
直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13に向かう発光光19は、直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13を通過することになるので円偏光板3による輝度の低下がなく、発光輝度21は発光層7の輝度と等しい。
ここで、有機EL素子10の発光輝度Bcd/m2は、有機EL素子10の発光面積に対する直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13の面積の割合をAとすると、下記数式4で与えられる。
(数4)
発光輝度B=〔発光輝度20×(1−A)〕+発光輝度21×A
=〔(発光層7の輝度/2)×(1−A)〕+(発光層7の輝度×A)・・・(式4)
例えば、発光層7の発光輝度が3000cd/m2、有機EL素子10の表示面積に対する直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13の面積の割合Aを0.5とすると、発光輝度20は750cd/m2、発光輝度21は1500cd/m2となり、有機EL素子10の発光輝度Bは、それらの合計となるので2250cd/m2となる。
図5は、式4を用いて計算して作成したものである。横軸が有機EL素子10の表示面積に対する直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13の面積の割合Aであり、縦軸が発光輝度Bを示している。有機EL素子10の発光面積に対する直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13の面積の割合Aが0.5の場合、発光層7の発光輝度が3000cd/m2、2000cd/m2、1000cd/m2とすると、有機EL素子10の発光輝度Bは、それぞれ2250cd/m2、1500cd/m2、750cd/m2となることを示している。
3.コントラスト比C
コントラスト比Cは上記数式3と上記数式4より下記数式5のように表すことができる。
(数5)
コントラスト比C=(発光輝度B+反射輝度L)/反射輝度L ・・・(式5)
図6は、上記式5を用いて作成した図である。横軸が有機EL素子10の表示面積に対する直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13の面積の割合Aであり、縦軸がコントラスト比Cを表している。
発光層7の発光輝度が3000cd/m2、2000cd/m2、1000cd/m2とし、照度(Lx)をそれぞれ10000Lx、1000Lx、100Lxにおけるコントラスト比Cを求めている。照度10000Lxは屋外、1000Lxは明るい屋内、100Lxは暗い屋内を想定した明るさとしている。
まず、図5より、有機EL素子10の表示面積に対する直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13の面積の割合Aを大きくすると発光輝度Bは高くなるが、図6に示すようにコントラスト比Cは低下する。コントラスト比Cと表示画像の見やすさについては、非特許文献1と2ではコントラスト比Cの大きさが50以上であれば、見やすい表示画像が提供できると報告されている。非特許文献1によれば、テレビ用ディスプレイの見やすさは、最高輝度が250cd/m2以上、コントラスト比Cが30〜50程度が好ましいと報告されている。
また、非特許文献2によれば、CRT(Cathode Ray Tube)の可読文字数とコントラストの関係を調査したところ、文字の読みやすさはコントラスト比Cが10以上あれば良いとしている。
このような観点から、コントラスト比Cが50以上あれば見やすいディスプレイ画像の提供が可能となる。尚、コントラスト比Cが50の値を、ここでは最小コントラスト比Cmと定義する。
従来の有機EL素子は、円偏光板3に直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13がない、すなわち有機EL素子10の表示面積に対する直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13の面積の割合Aが0の時に対応するが、このような有機EL素子では、例えば発光層7の発光輝度が3000cd/m2、周囲の明るさが照度1000Lxのように明るい屋内の場合においては、コントラスト比Cが100に達するので見やすいディスプレイ画像が提供できる。ところが円偏光板を構成する直線偏光板により、発光層7からの光を半分吸収されるので有機EL素子の発光輝度Bは1500cd/m2と半減し大幅な輝度の低下が伴う。
本発明では、円偏光板3に直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13を設けているので、直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13を通過する光は円偏光板3の作用を受けないので、その分従来の有機EL素子より輝度を高めることができる。例えば発光層7の発光輝度を3000cd/m2、周囲の明るさが照度1000Lxのように明るい屋内の場合においては、有機EL素子10の表示面積に対する直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13の面積の割合Aが0.5の場合、図6に示すように発光輝度Bは、2250cd/m2を得ることができる。すなわち直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13の無い従来のような円偏光板を設けた有機EL素子の発光輝度Bが1500cd/m2となるものに比べて、1.5倍の輝度のものが得られる。
併せて、図7に示すように最小コントラスト比Cmも確保できるので、見やすいディスプレイ画像の提供も可能となる。
以上のように本発明では、直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13を備えた円偏光板3を設けると共に、有機EL素子10の表示面積に対する直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13の面積の割合Aをうまく設定することによって、最小コントラスト比Cmの確保、すなわち見やすいディスプレイ画像を確保しながら、直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13の無い従来のような円偏光板を設けた有機EL素子では達成できなかった高輝度化を実現することができる。
また、本発明では図5に示すように、有機EL素子10の表示面積に対する直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13の面積の割合Aが0.5の場合の例で示すように、発光層7の発光輝度が2000cd/m2であっても発光輝度Bが1500cd/m2得られることができると共に、図7に示すように周囲の明るさが照度1000Lxのように明るい屋内の場合においても、コントラスト比Cが最小コントラスト比Cmの近辺にあるので、見やすいディスプレイ画像を提供することができる。すなわち、従来の有機EL素子では発光輝度Bを1500cd/m2を得るためには発光層7の発光輝度を3000cd/m2にする必要があったが、本発明によれば見やすいディスプレイ画像を提供しつつ発光層7の発光輝度が2000cd/m2であっても1500cd/m2の発光輝度Bが得られるので、発光層の負担が軽減され長寿命化も可能となる。
図8は、直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13の断面形状が筒構造のものである。筒構造は、直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13の一方面側の孔の大きさと他方面側の孔の大きさが同一の場合である。このような筒構造では、発光した発光画素32のたとえば発光点33からの光線35は、直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13の壁面30にて反射され、その結果、前方に射出される光線35は一様な分布にならず、輝度分布34が不均一になり、表示面を近くから見た時にざらつき感が生じ画質の低下を招く。
図9は、直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13の断面形状がテーパー構造、図10は、逆テーパー構造の場合を示したものである。すなわち、直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13の一方面側の孔の大きさと他方面側の孔の大きさが異なる。このような断面形状がテーパー構造、あるいは逆テーパー構造では、発光した発光画素32のたとえば発光点33からの光線35が、直線偏光板貫通孔12および位相差板貫通孔13のテーパー側面36にて反射される割合が少なくなり、発光点33からの光線35が偏りなく前方に射出され、その結果、前方に射出される光線35は一様に近い分布になるので、輝度分布34が均一化され、ざらつき感のない表示画像が提供できる。
図11は、円偏光板3に貫通孔(開口部31)を画素毎に設けていない一例を示している。これは、開口部31を特定色の画素に設けたものと同等になる。図11(a)は、青色発光画素42のみに開口部31を設けたものである。図11(b)は、緑色発光画素41と青色発光画素42に開口部31を設けたものである。ここで、図11(a)を例にとると、開口部31の位置するところでは、青色発光画素42から射出される光が円偏光板3に当たることがなく円偏光板3を通過するので、その位置においては青色発光画素42の輝度の低下がないので、開口部31のない赤色発光画素40と緑色発光画素41より相対的に輝度が高くなる。すなわち、青色発光画素42が赤色発光画素40と緑色発光画素41より輝度寿命が短い場合、開口部31を設けて青色発光画素42の発光輝度を赤色発光画素40と緑色発光画素41より相対的に高くすることにより、その分だけ青色発光画素42の輝度を抑えることができるので、青色発光画素42の輝度寿命を長くすることができ、長時間色バランスの良い表示が可能となる。
図11(b)も同様に、開口部31の位置するところでは、緑色発光画素41と青色発光画素42から射出される光が円偏光板3に当たることがなく円偏光板3を通過するので、その位置においては緑色発光画素41と青色発光画素42の輝度の低下がないので、開口部31のない赤色発光画素40より相対的に輝度が高くなる。すなわち、緑色発光画素41と青色発光画素42が赤色発光画素40より輝度寿命が短い場合、開口部31を設けて緑色発光画素41と青色発光画素42の発光輝度を赤色発光画素40より相対的に高くすることにより、その分だけ緑色発光画素41と青色発光画素42の輝度を抑えることができるので、緑色発光画素41と青色発光画素42の輝度寿命を長くすることができ、長時間色バランスの良い表示が可能となる。
このように、赤色発光画素40、緑色発光画素41、青色発光画素42の輝度寿命に応じて、開口部31の設定を適宜行うことによって、長時間にわたり色バランスの良い表示を得ることができる。
図12は、図1に示す有機EL素子に使用されている反射防止フィルム8の代わりに、NDフィルタ49を用いた例を示している。直線偏光板貫通孔12と位相差板貫通孔13が設けられているところは、直線偏光板貫通孔12と位相差板貫通孔13が無いところに比べて明るく光るので星空のような輝点により、表示面を近くから見た時にざらつき感のある表示画面となり画質の低下が懸念されるが、適当な濃度を有するNDフィルタ49を用いることにより、輝点の明るさが抑制されるので、ざらつき感が解消され画質の低下が無くなる。なお、NDフィルタ49の代わりに分光透過率特性を調整したカラーフィルタや、拡散特性を調整した拡散性シートを設けてもよい。また、NDフィルタ49は、円偏光板の貫通孔にゴミや埃の入り込みを防ぐこともできる。さらにNDフィルタ49は、円偏光板3との間に空間があっても、その効果は変わらない。
図13は有機EL素子10において、直線偏光板1と位相差板2の表面の一部分が見えるようにした有機EL素子10の斜視図であり、直線偏光板1のみに直線偏光板貫通孔12を設けた様子を示している。直線偏光板貫通孔12の位置では、発光層7からの直接光と発光層7の陰極6にて反射された反射光のいずれの光も円偏光板3の作用を受けることがないので、これらの光の全てが有機EL素子10の前方に取り出すことができる。実施の形態2が実施の形態1と異なる点は、位相差板2に位相差板貫通孔13が無いことであり、位相差板2の全光線透過率を1とすれば発光層7の発光輝度や外光11の条件が同じであれば、実施の形態1にて示した同様の効果が得られる。位相差板2の全光線透過率が1より小さい場合は、若干、輝度は低くなるが、貫通孔の深さが実施例1に比べて位相差板2がある分だけ浅くなるので、その分ゴミや埃の入り込みを抑制することができる。
以上のように本発明では、実施の形態1と同様な効果を持つので、有機EL素子10の表示面積に対する円偏光板3を構成する直線偏光板貫通孔12の面積の割合Aをうまく設定することによって、最小コントラスト比Cmの確保、すなわち見やすいディスプレイ画像を確保しながら、直線偏光板貫通孔12の無い従来のような円偏光板を設けた有機EL素子では達成できなかった高輝度化を実現することができる。
さらに、直線偏光板貫通孔12の断面がテーパー構造や逆テーパー構造を取ることによって、効果は実施例1で述べたものと同様となる。また、発光画素毎に開口部31を設けないことによる効果も実施例1で述べたものと同様となる。
有機EL素子10の表面にNDフィルタを設けることについての効果も、実施例1で述べたものと同様である。
図14は有機EL素子10において、直線偏光板1の表面の一部分が見えるようにした有機EL素子10の斜視図である。直線偏光板1は、一定方向に振動する光のみを通す偏光子51を保護フィルム50、52とするTAC(トリアセチルセルロース)フィルムで挟んだサンドイッチ構造をとる。偏光子51は,たとえばヨウ素で染色したPVA(ポリビニルアルコール)フィルムを一軸延伸加工することによって偏光特性を持たせているが,薄く強度面で弱いため,両面からTACフィルムで挟むことによって強度面で支持したものである。
偏光子51には偏光子貫通孔53を設けており、偏光子貫通孔53の位置では、発光層7からの直接光と発光層7の陰極6にて反射された反射光のいずれの光も偏光子51の作用を受けることがないので、これらの光の全てが有機EL素子10の前方に取り出すことができる。実施の形態3が実施の形態1と異なる点は、位相差板2に位相差板貫通孔13が無いことと、保護フィルム50、52にも貫通孔が無いことであり、位相差板2と保護フィルム50、52の全光線透過率を1とすれば発光層7の発光輝度や外光11の条件が同じであれば、実施の形態1にて示した同様の効果が得られる。位相差板2や保護フィルム50、52の全光線透過率が1より小さい場合は、若干、輝度は低くなるが、保護フィルム50、52に貫通孔がないので、貫通孔にゴミや埃の入り込みを防ぐ効果がある。
以上のように本発明では、実施の形態1と同様な効果を持つので、有機EL素子10の表示面積に対する直線偏光板1を構成する偏光子貫通孔53の面積の割合Aをうまく設定することによって、最小コントラスト比Cmの確保、すなわち見やすいディスプレイ画像を確保しながら、偏光子貫通孔53の無い従来のような円偏光板を設けた有機EL素子では達成できなかった高輝度化を実現することができる。
さらに、偏光子貫通孔53の断面がテーパー構造や逆テーパー構造を取ることによって、効果は実施例1で述べたものと同様となる。また、発光画素毎に開口部31を設けないことによる効果も実施例1で述べたものと同様となる。
有機EL素子10の表面にNDフィルタを設けることについての効果も、実施例1で述べたものと同様である。
図15は、本発明の有機EL素子10を二次元に並べて構成した表示装置60を示す。表示装置60は、本発明の有機EL素子10を設けて構成するので、輝度の高い表示装置60を提供することができる。また、本発明の有機EL素子10を一次元に並べて構成した表示装置においても、同様な効果を得ることができる。
本発明は、有機EL表示パネルに有用である。
1 直線偏光板
2 位相差板
3 円偏光板
4 透明基板
5 陽極
6 陰極
7 有機EL発光層
8 反射防止フィルム
9 絶縁基板
10 有機EL素子
11 外光
12 直線偏光板貫通孔
13 位相差板貫通孔
14 保護膜
18、19 発光光
20、21 発光輝度
22、25、26 反射光
30 壁面
31 開口部
32 発光画素
33 発光点
34 輝度分布
35 光線
36 テーパー側面
40 赤色発光画素
41 緑色発光画素
42 青発光画素
49 NDフィルタ
50、52 保護フィルム
51 偏光子
60 表示装置


Claims (10)

  1. 直線偏光板と位相差板を積層して構成される円偏光板と、
    前記円偏光板に対向配置された透明基板上に形成された陽極,陰極および有機EL発光層と、
    陽極,陰極および有機EL発光層を跨いで、前記透明基板と並行に配設される絶縁基板と、
    前記円偏光板に設けられた複数の貫通孔と、
    を備え、
    有機EL発光層の光を透明基板側単方向に射出させ、
    前記貫通孔の位置に対応する有機EL素子から射出される光を、前記貫通孔を通過させて透明基板側単方向に出射させることを特徴とする表示素子。
  2. 直線偏光板と位相差板を積層して構成される円偏光板と、
    前記円偏光板に対向配置された透明基板上に形成された陽極,陰極および有機EL発光層と、
    陽極,陰極および有機EL発光層を跨いで、前記透明基板と並行に配設される絶縁基板と、
    前記直線偏光板のみに設けられた複数の貫通孔と、
    を備え、
    有機EL発光層の光を透明基板側単方向に射出させ、
    前記貫通孔の位置に対応する有機EL素子から射出される光を、前記貫通孔を通過させて透明基板側単方向に出射させることを特徴とする表示素子。
  3. 偏光子と保護フィルムにより構成される直線偏光板と、
    前記直線偏光板と位相差板を積層して構成される円偏光板と、
    前記円偏光板に対向配置された透明基板上に形成された陽極,陰極および有機EL発光層と、
    陽極,陰極および有機EL発光層を跨いで、前記透明基板と並行に配設される絶縁基板と、
    前記偏光子のみに設けられた複数の貫通孔と、
    を備え、
    有機EL発光層の光を透明基板側単方向に射出させ、
    前記貫通孔の位置に対応する有機EL素子から射出される光を、前記貫通孔を通過させて透明基板側単方向に出射させることを特徴とする表示素子。
  4. 前記貫通孔の形状は、円錐台形状、逆円錐台形状、或いは、円錐台形状と逆円錐台形状の組み合わせであり、前記貫通孔のテーパー側面による光の異なる方向への反射を抑制して輝度の均一性を保たせることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表示素子。
  5. 前記貫通孔は、有機EL発光層の光の入射孔の大きさと出射孔の大きさが異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表示素子。
  6. 前記貫通孔は、特定の画素に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の表示素子。
  7. 前記貫通孔は、特定色の画素のみに設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の表示素子。
  8. 表示素子の表面に、少なくとも一層以上のフィルムを設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の表示素子。
  9. 前記フィルムは、前記貫通孔の部分が貫通孔の無い部分に比べて明るく光って生じる輝点の明るさを抑制し得るニュートラルデンシティーフィルタを少なくとも含むことを特徴とする請求項8に記載の表示素子。
  10. 請求項1〜9に記載のいずれかの表示素子を一次元あるいは二次元に配列して構成した表示装置。
JP2012512647A 2010-04-30 2011-04-18 表示素子と表示装置 Expired - Fee Related JP5288574B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012512647A JP5288574B2 (ja) 2010-04-30 2011-04-18 表示素子と表示装置

Applications Claiming Priority (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010105691 2010-04-30
JP2010105691 2010-04-30
JPPCT/JP2010/005627 2010-09-15
PCT/JP2010/005627 WO2011135638A1 (ja) 2010-04-30 2010-09-15 表示素子と表示装置
JP2012512647A JP5288574B2 (ja) 2010-04-30 2011-04-18 表示素子と表示装置
PCT/JP2011/002263 WO2011135799A1 (ja) 2010-04-30 2011-04-18 表示素子と表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2011135799A1 JPWO2011135799A1 (ja) 2013-07-18
JP5288574B2 true JP5288574B2 (ja) 2013-09-11

Family

ID=44860985

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012512647A Expired - Fee Related JP5288574B2 (ja) 2010-04-30 2011-04-18 表示素子と表示装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5288574B2 (ja)
WO (2) WO2011135638A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20200411609A1 (en) * 2018-03-16 2020-12-31 Fujifilm Corporation Electroluminescent display device

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101953171B1 (ko) * 2014-03-26 2019-02-28 주식회사 엘지화학 국지적으로 편광 해소 영역을 갖는 편광자 제조방법, 이를 이용하여 제조된 편광자, 편광판 및 화상표시장치
CN104659075B (zh) * 2015-03-19 2017-08-08 京东方科技集团股份有限公司 Oled显示面板及其制造方法、显示装置
JP7223874B2 (ja) * 2019-11-21 2023-02-16 日東電工株式会社 偏光板、位相差層付偏光板、および、該偏光板または該位相差層付偏光板を用いた画像表示装置
WO2021157228A1 (ja) * 2020-02-03 2021-08-12 富士フイルム株式会社 偏光板、円偏光板、および、偏光板の製造方法
JP2021144128A (ja) * 2020-03-11 2021-09-24 双葉電子工業株式会社 表示装置
CN111415975A (zh) * 2020-04-30 2020-07-14 武汉华星光电半导体显示技术有限公司 一种显示面板
CN111628111B (zh) * 2020-06-30 2022-09-13 湖北长江新型显示产业创新中心有限公司 一种显示面板及其制备方法、显示装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005039578A (ja) * 2003-07-16 2005-02-10 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 撮像機能付き表示装置、及び双方向コミュニケーションシステム
JP2006018187A (ja) * 2004-07-05 2006-01-19 Sharp Corp 有機el表示装置
JP2007025643A (ja) * 2005-06-14 2007-02-01 Fujifilm Corp 偏光板、その加工製造方法及び液晶表示装置
JP2009163085A (ja) * 2008-01-09 2009-07-23 Seiko Epson Corp 電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器
JP2009223123A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Ricoh Co Ltd 偏光制御素子、偏光制御装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005039578A (ja) * 2003-07-16 2005-02-10 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 撮像機能付き表示装置、及び双方向コミュニケーションシステム
JP2006018187A (ja) * 2004-07-05 2006-01-19 Sharp Corp 有機el表示装置
JP2007025643A (ja) * 2005-06-14 2007-02-01 Fujifilm Corp 偏光板、その加工製造方法及び液晶表示装置
JP2009163085A (ja) * 2008-01-09 2009-07-23 Seiko Epson Corp 電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器
JP2009223123A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Ricoh Co Ltd 偏光制御素子、偏光制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20200411609A1 (en) * 2018-03-16 2020-12-31 Fujifilm Corporation Electroluminescent display device
US11665950B2 (en) * 2018-03-16 2023-05-30 Fujifilm Corporation Electroluminescent display device

Also Published As

Publication number Publication date
WO2011135638A1 (ja) 2011-11-03
JPWO2011135799A1 (ja) 2013-07-18
WO2011135799A1 (ja) 2011-11-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5288574B2 (ja) 表示素子と表示装置
US8243230B2 (en) Image display apparatus, and disguising device
US9093398B2 (en) Brightness enhanced self-luminous display
JP2003332068A (ja) エレクトロルミネッセンス素子
JP5311654B2 (ja) 映像鑑賞設備
JP2003058069A (ja) 自発光型画像表示装置
US11726247B2 (en) Display device and method for selecting optical film of display device
JP2007273275A (ja) 有機el発光装置
KR102120808B1 (ko) 색 변화 저감용 광학 필름 및 이를 채용한 유기 발광 표시 장치
WO2009104414A1 (ja) 表示装置
JP2006309956A (ja) 有機el表示装置
KR20140090989A (ko) 다층 이미지 디스플레이 장치 및 방법
CN100530676C (zh) 一种可增大对比度的透明显示器
WO2017150302A1 (ja) 表示装置、及び表示装置の光学フィルムの選定方法
KR101868476B1 (ko) 편광판을 포함하는 유기전계 발광소자 디스플레이
JP5624014B2 (ja) 液晶表示装置
JP2006350873A (ja) 表示装置
Cok et al. P‐155: Ambient Contrast for OLED Displays
JP2004191450A (ja) 自発光型表示装置
JP2003058070A (ja) 自発光型画像表示装置
JP2013047745A (ja) 表示パネルおよび表示装置
JP2004226795A (ja) 立体画像表示装置
US8454179B2 (en) Video image appreciation system
US20220181528A1 (en) Display device
KR200368470Y1 (ko) 컬러 유기 발광 다이오드의 패널

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130427

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130523

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130531

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5288574

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees