以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(実施形態1)
図1に、本実施形態における液晶表示装置100を示す。図1は、液晶表示装置100を模式的に示す断面図である。
液晶表示装置100は、図1に示すように、第1基板10と、第1基板10に対して観察者とは反対側に配置された第2基板20と、第1基板10および第2基板20の間に設けられた液晶層30とを備えており、マトリクス状に配列された複数の画素を有する。以下では、相対的に前面側(観察者側)に位置する第1基板10を「前面基板」と呼び、相対的に背面側(観察者とは反対側)に位置する第2基板20を「背面基板」と呼ぶ。
前面基板10は、第1透光性基板11と、偏光板12と、光源13と、遮光層14と、第1電極15とを有する。
第1透光性基板11は、透明で絶縁性を有する材料から形成されている。第1透光性基板11は、例えば、ガラス基板である。
偏光板12は、第1透光性基板11よりも観察者側に(つまり第1透光性基板11に対して液晶層30とは反対側に)配置されている。偏光板12としては、公知の吸収型偏光板を広く用いることができる。吸収型偏光板は、所定の方向に平行な透過軸(偏光軸)を有し、偏光方向(電場の振動方向)が透過軸に平行な直線偏光成分を透過させ、偏光方向が透過軸に直交する直線偏光成分を吸収する。
光源13は、第1透光性基板11よりも液晶層30側に配置されている。つまり、光源13は、液晶セル内に配置されたセル内光源である。図1には、光源13が、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子である場合が例示されている。有機EL素子である光源13は、有機EL層13aと、有機EL層13aに電圧を印加するための陽極13bおよび陰極とを有する。有機EL層13aは、電子輸送層、正孔輸送層および発光層を含む。陽極13bは、例えば、金属材料から形成されている。また、ここでは、第1電極15が、陰極として機能する。後述するように、第1電極15は、液晶層30に電圧を印加するための電極である。
遮光層14は、第1透光性基板11と光源13との間に設けられている。遮光層14の材料としては、一般的な液晶表示装置のカラーフィルタ基板に設けられるブラックマトリクスの材料として公知の種々の材料を用いることができる。
第1電極15は、透明な導電材料(例えばITO)から形成されている。第1電極15は、後述する第2電極25とともに、液晶層30に所定の電圧を印加するために用いられる。また、既に述べたように、図1に示す例では、第1電極15は、光源13の有機EL層13aに電圧を印加するための陰極としても機能する。
第2基板20は、第2透光性基板21と、偏光選択反射層22と、光吸収層23と、第2電極25とを有する。また、本実施形態における第2基板20は、さらに、支持基板29を有する。
第2透光性基板21は、透明で絶縁性を有する材料から形成されている。第2透光性基板21は、例えば、ガラス基板である。
偏光選択反射層22は、第1の偏光状態の光を透過し、且つ、第1の偏光状態とは異なる第2の偏光状態の光を反射する。より具体的には、偏光選択反射層22は、所定の方向に平行な透過軸と、透過軸に直交する反射軸とを有し、偏光方向が透過軸に平行な直線偏光成分を透過させ、偏光方向が反射軸に平行な(つまり透過軸に直交する)直線偏光成分を反射する。
光吸収層23は、偏光選択反射層22に対して観察者とは反対側に配置されている。光吸収層23は、偏光選択反射層22を透過した光を吸収する。光吸収層23の材料としては、黒色の材料を広く用いることができ、例えばカーボンブラックを用いることができる。また、光吸収層23は、層全体として光を弱くすることができればよく、多層薄膜による干渉現象を利用してもよい。
第2電極25は、透明な導電材料(例えばITO)から形成されている。第2電極25の電位と第1電極15の電位との差に相当する電圧が液晶層30に印加され、印加された電圧に応じて液晶層30の配向状態が変化する。液晶表示装置100がアクティブマトリクス方式で駆動される場合、第1電極15および第2電極25のうちの一方の電極は、画素ごとに設けられたスイッチング素子(例えば薄膜トランジスタ)に電気的に接続され、画素ごとに独立に電位を与えられる画素電極であり、他方の電極は、共通の電位を与えられる共通電極である。
支持基板29は、光吸収層23や偏光選択反射層22などを支持するために設けられており、例えばガラス基板である。なお、第2透光性基板21のみで光吸収層23や偏光選択反射層22などを十分に支持できる場合には、支持基板29を省略してもよい。以降の図面では、支持基板29は省略されている。
液晶層30は、黒表示時に液晶層30内を通過する光に対して与える位相差と、白表示時に液晶層30内を通過する光に対して与える位相差との差が略π(つまり略λ/2)であるようにその配向状態を制御される。典型的には、液晶層30のプレチルト方向を規定するために、前面基板10および背面基板20のそれぞれの液晶層30側の表面に、配向膜(水平配向膜や垂直配向膜)が設けられている(ここでは不図示)。
続いて、図2(a)および(b)を参照しながら、本実施形態における液晶表示装置100の表示原理を説明する。図2(a)は、暗表示(最低階調表示)時の表示状態(暗状態)を模式的に示す図であり、図2(b)は、明表示(最高階調表示)時の表示状態(明状態)を模式的に示す図である。なお、図2(a)および(b)に示す例では、偏光板12の透過軸12taと、偏光選択反射層22の透過軸22taとが略平行である。具体的には、表示面を時計の文字盤に見立て、方位角の0°を3時方向とし、反時計回りを正とすると、偏光板12の透過軸12taは0°方向である。これに対し、偏光選択反射層22の透過軸22taは0°方向であり、偏光選択反射層22の反射軸22raは+90°方向である。
まず、外光(周囲光)Loを用いた反射表示の原理を説明する。
暗状態において、図2(a)の右側に示すように、まず、無偏光である外光Loが偏光板12を通過することによって直線偏光となる。ここで、偏光板12の透過軸12taは0°方向であるので、外光Loは、偏光板12を通過することによって、偏光方向が0°方向に平行な直線偏光となる。この0°方向の直線偏光に対して、液晶層30は、2mπ(mは0以上の整数)の位相差を与えるような配向状態をとっている。例えばmが0の場合、液晶層30は、液晶層30を通過する直線偏光に対してほとんど位相差を与えない。従って、液晶層30に入射した直線偏光は、液晶層30を通過しても偏光状態が変化しない(つまり0°方向の直線偏光のままである)。この0°方向の直線偏光は、0°方向の透過軸22taを有する偏光選択反射層22を透過して、光吸収層23で吸収される。そのため、暗表示が行われる。
明状態において、図2(b)の右側に示すように、まず、無偏光である外光Loが偏光板12を通過することによって直線偏光となる。ここでも、偏光板12の透過軸12taは0°方向であるので、外光Loは、偏光板12を通過することによって、偏光方向が0°方向に平行な直線偏光となる。この0°方向の直線偏光に対して、液晶層30は、(2m+1)πの位相差を与えるような配向状態をとっている。例えばmが0の場合、液晶層30が液晶層30を通過する直線偏光に対して与える位相差はπである。従って、液晶層30に入射した直線偏光は、液晶層30を通過することによって偏光方向が+90°方向に平行な直線偏光となる。この+90°方向の直線偏光は、+90°方向の反射軸22raを有する偏光選択反射層22で反射され、再び液晶層30を通過することによって0°方向の直線偏光となる。この0°方向の直線偏光は、0°方向の透過軸12taを有する偏光板12を透過する。そのため、明表示が行われる。
次に、光源(セル内光源)13から発せられた光Liを用いた反射表示の原理を説明する。
暗状態において、図2(a)の左側に示すように、まず、光源13から、無偏光である光Liが液晶表示装置100の背面側に向けて(つまり液晶層30に向けて)出射する。液晶層30を通過して偏光選択反射層22に到達した光のうち、0°方向の直線偏光成分は、偏光選択反射層22を透過して、光吸収層23で吸収される。また、偏光選択反射層22に到達した光のうちの+90°方向の直線偏光成分は、偏光選択反射層22で観察者側に反射される。観察者側に反射された+90°方向の直線偏光成分は、液晶層30を通過しても偏光状態が変化しない(つまり+90°方向の直線偏光のままである)ので、偏光板12で吸収される。そのため、暗表示が行われる。
明状態において、図2(b)の左側に示すように、まず、光源13から、無偏光である光Liが液晶表示装置100の背面側に向けて出射する。液晶層30を通過して偏光選択反射層22に到達した光のうち、0°方向の直線偏光成分は、偏光選択反射層22を透過して、光吸収層23で吸収される。また、偏光選択反射層22に到達した光のうちの+90°方向の直線偏光成分は、偏光選択反射層22で観察者側に反射される。観察者側に反射された+90°方向の直線偏光成分は、液晶層30を通過することによって0°方向の直線偏光となる。この0°方向の直線偏光は、偏光板12を透過する。そのため、明表示が行われる。
上述した原理により、外光Loを用いた反射表示と、セル内光源13から発せられた光Liを用いた反射表示とを行うことができる。
本実施形態における液晶表示装置100では、光源13が設けられていることにより、暗所での視認性を確保することができる。また、光源13は、前面基板10の第1透光性基板11よりも液晶層30側に配置されている。つまり、光源13は、液晶セル内に配置されている。そのため、液晶表示装置100では、フロントライトを備えた反射型液晶表示装置において発生する、フロントライトの表面反射に起因したコントラスト比の低下が発生しないので、強い外光下でも高品位の反射表示を行うことができる。
また、特許文献2の表示装置800では、偏光層826および位相差層827を液晶セル内に配置する必要がある。これに対し、液晶表示装置100では、偏光板12を液晶セル内に配置する必要はなく、また、位相差補償素子(例えば位相差板)が設けられる必要もない。そのため、液晶表示装置100は、比較的簡易な構造で高いプロセス耐性を有する。
なお、従来の反射型液晶表示装置に単純にセル内光源を設けると、外光を用いた反射表示の明暗と、セル内光源からの光を用いた反射表示の明暗とを一致させることができない。以下、この理由を具体的に説明する。
図3(a)および(b)に、比較例の液晶表示装置900を示す。比較例の液晶表示装置900は、従来の反射型液晶表示装置の液晶セル内に光源913が設けられた構成を有する。図3(a)および(b)においては、液晶表示装置100の構成要素と実質的に同じ機能を有する構成要素には同じ参照符号が付されている。
液晶表示装置900では、背面基板20が光反射層901を有する。図3(a)および(b)に示す例では、光反射層901は、第2透光性基板21に対して液晶層30とは反対側に配置されている。また、液晶表示装置900の背面基板20は、偏光選択反射層や光吸収層を有していない。
液晶表示装置900における、外光(周囲光)Loを用いた反射表示の原理を説明する。
暗状態において、図3(a)の右側に示すように、まず、無偏光である外光Loが偏光板12を通過することによって0°方向の直線偏光となる。この直線偏光に対して、液晶層30は、π/2の位相差を与えるような配向状態をとっている。従って、液晶層30に入射した直線偏光は、液晶層30を通過することによって円偏光となる。この円偏光は、光反射層901で反射されて再び液晶層30を通過し、+90°方向の直線偏光となる。この+90°方向の直線偏光は、偏光板12で吸収される。そのため、暗表示が行われる。
明状態において、図3(b)の右側に示すように、まず、無偏光である外光Loが偏光板12を通過することによって0°方向の直線偏光となる。この0°方向の直線偏光に対して、液晶層30は、ほとんど位相差を与えない(つまり位相差がほぼ0である)ような配向状態をとっている。従って、液晶層30に入射した直線偏光は、液晶層30を通過しても偏光状態が変化しない(つまり0°の直線偏光のままである)。この0°方向の直線偏光は、光反射層901で反射されて再び液晶層30を通過し、0°方向の直線偏光のまま偏光板12を透過する。そのため、明表示が行われる。
次に、光源(セル内光源)913から発せられた光Liを用いた反射表示の原理を説明する。
液晶表示装置900では、偏光選択反射層が設けられていない。そのため、図3(a)および(b)の左側に示しているように、暗表示を行うべき状態においても、明表示を行うべき状態においても、光源913から発せられた無偏光である光Liは、液晶層30を通過した後に光反射層901で反射され、再び液晶層30を通過して偏光板12に到達し、偏光板12に到達した光Liのうちの0°方向の直線偏光成分が偏光板12を透過する。従って、暗表示を行うべき状態においても、明表示を行うべき状態においても、光が観察者側に出射されてしまう。そのため、光源913からの光Liを用いた反射表示の明暗を制御することはできず、外光Loを用いた反射表示と、光源913からの光Liを用いた反射表示とで明暗を一致させることができない。なお、図3(a)および(b)には、光反射層901が第2透光性基板21に対して液晶層30とは反対側に配置されている例を示したが、光反射層901が第2透光性基板21に対して液晶層30側に配置されている場合についても同様である。
これに対し、本実施形態における液晶表示装置100では、背面基板20が偏光選択反射層22および光吸収層23を有していることにより、既に説明したように、外光Loを用いた反射表示と、光源13からの光Liを用いた反射表示とで明暗を一致させることができる。
なお、本実施形態では、第1電極15が、有機EL素子である光源13の陰極としても機能する構成を例示したが、第1電極15とは別途に陰極が設けられていてもよい。本実施形態のように、第1電極15が有機EL素子である光源13の陰極を兼ねることにより、構成の簡略化を図ることができる。なお、第1電極15は、液晶層30に電圧を印加するための電極であるので、通常交流駆動される。第1電極15を光源13の陰極として用いる場合には、陽極13bを、第1電極15よりも常に高電位で交流駆動すればよい。また、陽極13bを直流駆動しても、光源13の発光強度が第1電極15の周波数に応じて増減するもののほとんど問題とはならない。
また、本実施形態では、光源13として有機EL素子を例示したが、光源13として有機EL素子以外の発光素子を用いてもよい。例えば、光源13として、無機EL素子やその他の薄膜発光素子を用いてもよい。有機EL素子は、無機EL素子に比べて発光効率が高い、寿命が長いなどの点で、液晶セル内に設ける光源13として優れている。
また、本実施形態のように、前面基板10が、第1透光性基板11と光源13との間に設けられた遮光層14を有していると、観察者側にも光を出射し得るような光源13を用いた場合でも、観察者側への光漏れを防止することができる。
(実施形態2)
図2(a)および(b)には、偏光板12の透過軸12taと、偏光選択反射層22の透過軸22taとが略平行である例を示した。しかしながら、偏光板12の透過軸12taおよび偏光選択反射層22の透過軸22taの配置は、この例に限定されるものではない。図4(a)および(b)に示す液晶表示装置200のように、偏光板12の透過軸12taと、偏光選択反射層22の透過軸22taとが略直交していてもよい。
図4(a)および(b)を参照しながら、本実施形態における液晶表示装置200の表示原理を説明する。図4(a)は、明表示時の表示状態(明状態)を模式的に示す図であり、図4(b)は、暗表示時の表示状態(暗状態)を模式的に示す図である。なお、図4(a)および(b)に示す例では、偏光板12の透過軸12taは0°方向である。これに対し、偏光選択反射層22の透過軸22taは+90°方向であり、偏光選択反射層22の反射軸22raは0°方向である。
まず、外光(周囲光)Loを用いた反射表示の原理を説明する。
明状態において、図4(a)の右側に示すように、まず、無偏光である外光Loが偏光板12を通過することによって0°方向の直線偏光となる。この0°方向の直線偏光に対して、液晶層30は、2mπの位相差を与えるような配向状態をとっている。従って、液晶層30に入射した直線偏光は、液晶層30を通過しても偏光状態が変化しない(つまり0°方向の直線偏光のままである)。この0°方向の直線偏光は、0°方向の反射軸22raを有する偏光選択反射層22で反射され、再び液晶層30を通過して0°方向の直線偏光のまま偏光板12に到達して偏光板12を透過する。そのため、明表示が行われる。
暗状態において、図4(b)の右側に示すように、まず、無偏光である外光Loが偏光板12を通過することによって0°方向の直線偏光となる。この0°方向の直線偏光に対して、液晶層30は、(2m+1)πの位相差を与えるような配向状態をとっている。従って、液晶層30に入射した直線偏光は、液晶層30を通過することによって偏光方向が+90°方向の直線偏光となる。この+90°方向の直線偏光は、+90°方向の透過軸22taを有する偏光選択反射層22を透過して、光吸収層23で吸収される。そのため、暗表示が行われる。
次に、光源(セル内光源)13から発せられた光Liを用いた反射表示の原理を説明する。
明状態において、図4(a)の左側に示すように、まず、光源13から、無偏光である光Liが液晶表示装置200の背面側に向けて出射する。液晶層30を通過して偏光選択反射層22に到達した光のうち、+90°方向の直線偏光成分は、偏光選択反射層22を透過して、光吸収層23で吸収される。また、偏光選択反射層22に到達した光のうちの0°方向の直線偏光成分は、偏光選択反射層22で観察者側に反射される。観察者側に反射された0°方向の直線偏光成分は、液晶層30を通過しても偏光状態が変化しない(つまり0°方向の直線偏光のままである)ので、偏光板12を透過する。そのため、明表示が行われる。
暗状態において、図4(b)の左側に示すように、まず、光源13から、無偏光である光Liが液晶表示装置200の背面側に向けて出射する。液晶層30を通過して偏光選択反射層22に到達した光のうち、+90°方向の直線偏光成分は、偏光選択反射層22を透過して、光吸収層23で吸収される。また、偏光選択反射層22に到達した光のうちの0°方向の直線偏光成分は、偏光選択反射層22で観察者側に反射される。観察者側に反射された0°方向の直線偏光成分は、液晶層30を通過することによって+90°方向の直線偏光となる 。この+90°方向の直線偏光は、偏光板12で吸収される。そのため、暗表示が行われる。
上述した原理により、液晶表示装置200では、外光Loを用いた反射表示と、セル内光源13から発せられた光Liを用いた反射表示とを行うことができる。
図4(a)および(b)に示した液晶表示装置200のように、偏光板12の透過軸12taと、偏光選択反射層22の透過軸22taとが略直交している配置を採用すると、暗状態においては、光源13から発せられた光Liおよび外光Loの両方とも液晶層30の波長依存性の影響を受けて(波長分散と呼ばれる)光漏れが生じやすくコントラスト比が低くなるものの、明状態においては、波長分散が小さいので反射率が高くなるという利点が得られる。一方、図2(a)および(b)に示した液晶表示装置100のように、偏光板12の透過軸12taと、偏光選択反射層22の透過軸22taとが略平行である配置を採用すると、明状態においては、光源13から発せられた光Liおよび外光Loの両方とも液晶層30の波長依存性の影響を受けて反射率が低下するものの、暗状態においては、波長分散が小さいので光漏れが生じ難く、コントラスト比が向上するという利点が得られる。
(実施形態3)
図5に、本実施形態における液晶表示装置300を示す。図5は、液晶表示装置300を模式的に示す断面図である。
本実施形態における液晶表示装置300は、赤を表示する赤画素、緑を表示する緑画素および青を表示する青画素を含む複数の画素を有する。図5の左側には、明状態における赤画素が示されており、図5の右側には、暗状態における緑画素が示されている。
液晶表示装置300の前面基板10は、第1透光性基板11と光源13との間に設けられたカラーフィルタ層16を有する。カラーフィルタ層16は、赤画素に対応して設けられた赤カラーフィルタ16Rと、緑画素に対応して設けられた緑カラーフィルタ16Gと、青画素に対応して設けられた青カラーフィルタ(不図示)とを含む。
光源13は、複数の画素のうちの互いに異なる色を表示する2つの画素の境界部に配置されている。また、光源13は、白色光を発する。
明状態における赤画素では、無偏光である外光Lo(白色光でもある)は、0°方向の透過軸12taを有する偏光板12を通過することによって0°方向の直線偏光となり、さらに赤カラーフィルタ16Rを通過することによって赤色光となる。この0°方向の直線偏光(赤色光)に対して、液晶層30は、(2m+1)πの位相差を与えるような配向状態をとっている。従って、液晶層30に入射した直線偏光は、液晶層30を通過することによって+90°方向の直線偏光となる。この+90°方向の直線偏光は、+90°方向の反射軸22raを有する偏光選択反射層22で反射され、再び液晶層30を通過することによって0°方向の直線偏光となる。この0°方向の直線偏光は、赤カラーフィルタ16Rを通過し、その後、偏光板12を透過する。そのため、明表示が行われる。
また、明状態における赤画素では、赤画素と緑画素との境界部に配置された光源13から、無偏光である光Li(白色光でもある)が液晶表示装置300の背面側に向けて出射する。液晶層30を通過して偏光選択反射層22に到達した光のうち、0°方向の直線偏光成分は、0°方向の透過軸22taを有する偏光選択反射層22を透過して、光吸収層23で吸収される。また、偏光選択反射層22に到達した光のうちの+90°方向の直線偏光成分は、偏光選択反射層22で観察者側に反射される。観察者側に反射された+90°方向の直線偏光成分は、液晶層30を通過することによって0°方向の直線偏光となり、さらに赤カラーフィルタ16Rを通過することによって赤色光となる。この0°方向の直線偏光(赤色光)は、偏光板12を透過する。そのため、明表示が行われる。
暗状態における緑画素では、無偏光である外光Lo(白色光でもある)が偏光板12を通過することによって0°方向の直線偏光となり、さらに緑カラーフィルタ16Gを通過することによって緑色光となる。この0°方向の直線偏光(緑色光)に対して、液晶層30は、2mπの位相差を与えるような配向状態をとっている。従って、液晶層30に入射した直線偏光は、液晶層30を通過しても偏光状態が変化しない(つまり0°方向の直線偏光のままである)。この0°方向の直線偏光は、偏光選択反射層22を透過して、光吸収層23で吸収される。そのため、暗表示が行われる。
また、暗状態における緑画素では、赤画素と緑画素との境界部に配置された光源13から、無偏光である光Li(白色光でもある)が液晶表示装置300の背面側に向けて出射する。液晶層30を通過して偏光選択反射層22に到達した光のうち、0°方向の直線偏光成分は、偏光選択反射層22を透過して、光吸収層23で吸収される。また、偏光選択反射層22に到達した光のうちの+90°方向の直線偏光成分は、偏光選択反射層22で観察者側に反射される。観察者側に反射された+90°方向の直線偏光成分は、液晶層30を通過しても偏光状態が変化せず(つまり+90°方向の直線偏光のままであり)、さらに、緑カラーフィルタ16Gを通過して緑色光となる。この+90°の直線偏光(緑色光)は、偏光板12で吸収される。そのため、暗表示が行われる。
このように、赤画素と緑画素との境界部に配置された光源13からは、赤画素および緑画素の両方の液晶層30に白色光が出射されるが、赤画素および緑画素のそれぞれで独立に暗表示および明表示を(つまり明暗の制御を)行うことができる。
(実施形態4)
図6に、本実施形態における液晶表示装置400を示す。図6は、液晶表示装置400を模式的に示す断面図である。
本実施形態における液晶表示装置400は、赤を表示する赤画素、緑を表示する緑画素および青を表示する青画素を含む複数の画素を有する。図6の左側には、明状態における赤画素が示されており、図6の右側には、暗状態における緑画素が示されている。
液晶表示装置400の背面基板20は、液晶層30と偏光選択反射層22との間に設けられたカラーフィルタ層26を有する。なお、ここでは、カラーフィルタ層26は、第2透光性基板21に対して液晶層30側に配置されているが、第2透光性基板21に対して液晶層30とは反対側に配置されていてもよい。カラーフィルタ層26は、赤画素に対応して設けられた赤カラーフィルタ26Rと、緑画素に対応して設けられた緑カラーフィルタ26Gと、青画素に対応して設けられた青カラーフィルタ(不図示)とを含む。
光源13は、複数の画素のうちの互いに異なる色を表示する2つの画素の境界部に配置されている。また、光源13は、白色光を発する。
明状態における赤画素では、無偏光である外光Lo(白色光でもある)は、0°方向の透過軸12taを有する偏光板12を通過することによって0°方向の直線偏光となる。この0°方向の直線偏光に対して、液晶層30は、(2m+1)πの位相差を与えるような配向状態をとっている。従って、液晶層30に入射した直線偏光は、液晶層30を通過することによって+90°方向の直線偏光となり、さらに赤カラーフィルタ26Rを通過することによって赤色光となる。この+90°方向の直線偏光(赤色光)は、+90°方向の反射軸22raを有する偏光選択反射層22で反射され、再び液晶層30を通過することによって0°方向の直線偏光となる。この0°方向の直線偏光は、偏光板12を透過する。そのため、明表示が行われる。
また、明状態における赤画素では、赤画素と緑画素との境界部に配置された光源13から、無偏光である光Li(白色光でもある)が液晶表示装置400の背面側に向けて出射する。液晶層30を通過した光Liは、赤カラーフィルタ26Rを通過して赤色光となり、偏光選択反射層22に到達する。偏光選択反射層22に到達した光のうち、0°方向の直線偏光成分は、0°方向の透過軸22taを有する偏光選択反射層22を透過して、光吸収層23で吸収される。また、偏光選択反射層22に到達した光のうちの+90°方向の直線偏光成分は、偏光選択反射層22で観察者側に反射される。観察者側に反射された+90°方向の直線偏光成分は、赤カラーフィルタ26Rを通過し、その後、液晶層30を通過することによって0°方向の直線偏光となる。この0°方向の直線偏光は、偏光板12を透過する。そのため、明表示が行われる。
暗状態における緑画素では、無偏光である外光Lo(白色光でもある)が偏光板12を通過することによって0°方向の直線偏光となる。この0°方向の直線偏光に対して、液晶層30は、2mπの位相差を与えるような配向状態をとっている。従って、液晶層30に入射した直線偏光は、液晶層30を通過しても偏光状態が変化しない(つまり0°方向の直線偏光のままである)。この0°方向の直線偏光は、緑カラーフィルタ26Gを通過して緑色光となり、偏光選択反射層22を透過して光吸収層23で吸収される。そのため、暗表示が行われる。
また、暗状態における緑画素では、赤画素と緑画素との境界部に配置された光源13から、無偏光である光Li(白色光でもある)が液晶表示装置400の背面側に向けて出射する。液晶層30を通過した光は、緑カラーフィルタ26Gを通過して緑色光となり、偏光選択反射層22に到達する。偏光選択反射層22に到達した光のうち、0°方向の直線偏光成分は、偏光選択反射層22を透過して光吸収層23で吸収される。また、偏光選択反射層22に到達した光のうちの+90°方向の直線偏光成分は、偏光選択反射層22で観察者側に反射される。観察者側に反射された+90°方向の直線偏光成分は、緑カラーフィルタ26Gを通過し、その後、液晶層30を通過しても偏光状態が変化しない(つまり+90°方向の直線偏光のままである)。この+90°の直線偏光は、偏光板12で吸収される。そのため、暗表示が行われる。
このように、赤画素と緑画素との境界部に配置された光源13からは、赤画素および緑画素の両方の液晶層30に白色光が出射されるが、赤画素および緑画素のそれぞれで独立に暗表示および明表示を(つまり明暗の制御を)行うことができる。
また、本実施形態における液晶表示装置400は、実施形態3における液晶表示装置300に比べ、以下の利点を有する。
実施形態3の液晶表示装置300では、明状態において、外光Loがカラーフィルタ層16を2回通過するのに対し、光源13からの光Liはカラーフィルタ層16を1回だけ通過する。そのため、光源13からの光Liを用いた反射表示の色再現範囲は、外光Loを用いた反射表示の色再現範囲よりも狭くなる。
これに対し、本実施形態の液晶表示装置400では、背面基板20が、液晶層30と偏光選択反射層22との間に設けられたカラーフィルタ層26を有していることにより、明状態において外光Loおよび光源13からの光Liのいずれもがカラーフィルタ層26を2回通過することになる。そのため、外光Loを用いた反射表示と、光源13からの光Liを用いた反射表示とでほぼ同じ色再現範囲を実現することができる。
(実施形態5)
図7に、本実施形態における液晶表示装置500を示す。図7は、液晶表示装置500を模式的に示す断面図である。
液晶表示装置500は、互いに異なる色を表示する2つの画素の境界部に配置された光源13から発せられる光Liが白色光ではない点において、実施形態3における液晶表示装置300と異なる。
液晶表示装置500の光源13は、その両側に位置する2つの画素のいずれかが表示する色の波長域内にスペクトルピークを有する。具体的には、赤画素と緑画素との境界部に配置された光源13は、赤色光または緑色光を発する。また、緑画素と青画素との境界部に配置された光源13は、緑色光または青色光を発し、青画素と赤画素との境界部に配置された光源13は、青色光または赤色光を発する。
図7の左側には、明状態における赤画素が示されており、図7の右側には、暗状態における緑画素が示されている。また、図7では、赤画素と緑画素との境界部に配置された光源13が赤色光を発する場合を例示している。
明状態における赤画素では、無偏光である外光Lo(白色光でもある)は、0°方向の透過軸12taを有する偏光板12を通過することによって0°方向の直線偏光となり、さらに赤カラーフィルタ16Rを通過することによって赤色光となる。この0°方向の直線偏光(赤色光)に対して、液晶層30は、(2m+1)πの位相差を与えるような配向状態をとっている。従って、液晶層30に入射した直線偏光は、液晶層30を通過することによって+90°方向の直線偏光となる。この+90°方向の直線偏光は、+90°方向の反射軸22raを有する偏光選択反射層22で反射され、再び液晶層30を通過することによって0°方向の直線偏光となる。この0°方向の直線偏光は、赤カラーフィルタ16Rを通過し、その後、偏光板12を透過する。そのため、明表示が行われる。
また、明状態における赤画素では、赤画素と緑画素との境界部に配置された光源13から、無偏光である光Li(赤色光でもある)が液晶表示装置500の背面側に向けて出射する。液晶層30を通過して偏光選択反射層22に到達した光のうち、0°方向の直線偏光成分は、0°方向の透過軸22taを有する偏光選択反射層22を透過して、光吸収層23で吸収される。また、偏光選択反射層22に到達した光のうちの+90°方向の直線偏光成分は、偏光選択反射層22で観察者側に反射される。観察者側に反射された+90°方向の直線偏光成分は、液晶層30を通過することによって0°方向の直線偏光となり、さらに赤カラーフィルタ16Rを通過した後に偏光板12を透過する。そのため、明表示が行われる。
暗状態における緑画素では、無偏光である外光Lo(白色光でもある)が偏光板12を通過することによって0°方向の直線偏光となり、さらに緑カラーフィルタ16Gを通過することによって緑色光となる。この0°方向の直線偏光(緑色光)に対して、液晶層30は、2mπの位相差を与えるような配向状態をとっている。従って、液晶層30に入射した直線偏光は、液晶層30を通過しても偏光状態が変化しない(つまり0°方向の直線偏光のままである)。この0°方向の直線偏光は、偏光選択反射層22を透過して、光吸収層23で吸収される。そのため、暗表示が行われる。
また、暗状態における緑画素では、赤画素と緑画素との境界部に配置された光源13から、無偏光である光Li(赤色光でもある)が液晶表示装置500の背面側に向けて出射する。液晶層30を通過して偏光選択反射層22に到達した光のうち、0°方向の直線偏光成分は、偏光選択反射層22を透過して、光吸収層23で吸収される。また、偏光選択反射層22に到達した光のうちの+90°方向の直線偏光成分は、偏光選択反射層22で観察者側に反射される。観察者側に反射された+90°方向の直線偏光成分は、液晶層30を通過しても偏光状態が変化せず(つまり+90°方向の直線偏光のままであり)、緑カラーフィルタ16Gを通過した後に偏光板12で吸収される。そのため、暗表示が行われる。
本実施形態における液晶表示装置500では、明状態において、外光Loがカラーフィルタ層16を2回通過するのに対し、光源13からの光Liはカラーフィルタ層16を1回しか通過しない。しかしながら、光源13から発せられる光自体が発色しているので、光源13からの光Liを用いた反射表示の色再現範囲を広くすることができる。
なお、互いに異なる色を表示する2つの画素の境界部に配置された光源13から発せられる光Liは、その光Liと同色の表示を行う一方の画素の液晶層30だけでなく、異なる色の表示を行う他方の画素の液晶層30にも入射する。しかしながら、図7を参照しながら行った説明からもわかるように、他方の画素が暗状態であれば、その光Liは他方の画素から観察者側にはほとんど出射しないので、混色の発生を防止することが可能である。
また、図7に示したように赤画素と緑画素との境界部に配置された光源13が赤色光を発する場合、緑画素と青画素との境界部に配置された光源13は、緑色光を発し、緑画素は、その緑色光または外光Loを用いて明表示を行う。
(セル内光源の配置)
実施形態3、4および5における液晶表示装置300、400および500では、光源13は、複数の画素のうちの互いに異なる色を表示する2つの画素の境界部に配置されている。しかしながら、光源13の配置は、これに限定されるものではない。
光源13は、互いに異なる色を表示する2つの画素の境界部以外の領域に各画素に対応して配置されていてもよい。そのような領域の例を図8に示す。
図8には、行方向に並ぶ3つの画素(赤画素、緑画素および青画素)が示されており、さらに、異なる色を表示する2つの画素(行方向に隣接する2つの画素)の境界部に位置する第1の遮光領域SR1、同じ色を表示する2つの画素(列方向に隣接する2つの画素)の境界部に位置する第2の遮光領域SR2および各画素の中央に位置する第3の遮光領域SR3が示されている。光源13は、第1の遮光領域SR1ではなく、第2の遮光領域SR2や、第3の遮光領域SR3に配置されてもよい。その場合、光源13は、白色光を発してもよいし、対応する画素が表示する色の波長域内にスペクトルピークを有する光を発してもよい。
光源13が、互いに異なる色を表示する2つの画素の境界部に配置されていると、偏光選択反射層22が十分な性能を有していない(つまり偏光選択反射層22の偏光度がそれほど高くない)場合、偏光選択反射層22で反射された本来とは異なる偏光方向の直線偏光成分により表示品位が低下するおそれがある。同じ色の画素内での不必要な光漏れは、表示色の彩度への影響はあるものの、色相への影響は小さいのに対し、異なる色の画素への不必要な光漏れは、彩度だけでなく色相への影響も大きくなるからである。
これに対し、光源13を、互いに異なる色を表示する2つの画素の境界部以外の領域(例えば上述した第2の遮光領域SR2および第3の遮光領域SR3)に配置することにより、上述した問題を回避することができる。
第1の遮光領域SR1、第2の遮光領域SR2および第3の遮光領域SR3は、例えば、カラーフィルタが設けられている基板に形成されたブラックマトリクスによって遮光されている。アクティブマトリクス方式の場合、例えば、第1の遮光領域SR1は信号配線に重なる領域であり、第2の遮光領域SR2は走査配線に重なる領域であり、第3の遮光領域SR3は補助容量配線に重なる領域である。
(偏光選択反射層の配置)
図9(a)、(b)および(c)を参照しながら、偏光選択反射層22の配置のバリエーションや、偏光選択反射層22の具体例を説明する。
図9(a)に示す液晶表示装置100Aでは、図1に示した液晶表示装置100などと同様に、偏光選択反射層22および光吸収層23は、第2透光性基板21に対して液晶層30とは反対側に配置されている。
このように配置されている偏光選択反射層22としては、例えば、偏光をリサイクルするタイプの輝度上昇フィルムを用いることができる。偏光をリサイクルするタイプの輝度上昇フィルムは、例えば、異なる屈折率特性を有する複数の誘電体層が積層された構造を有する。このような輝度上昇フィルムとしては、具体的には、住友3M社製DBEFを用いることができる。
また、図9(b)に示す液晶表示装置100Bでは、第2透光性基板21Aが偏光選択反射層として機能する。例えば、第2透光性基板21Aは、偏光選択反射機能を付与されたプラスチックフィルム基板やガラス基板である。例えば、旭化成イーマテリアル社製のAsahi Kasei WGFを用いることによって、プラスチックフィルム基板やガラス基板に偏光選択反射機能を付与することができる。
また、図9(c)に示す液晶表示装置100Cでは、偏光選択反射層22は、第2透光性基板21に対して液晶層30側に配置されている。このように配置されている偏光選択反射層22としては、例えば、ワイヤーグリッド型偏光子を用いることができる。ワイヤーグリッド型偏光子は、光反射性を有する金属材料(例えばアルミニウム)で形成されたワイヤーグリッドを含む。ワイヤーグリッドを構成する複数のワイヤーは、表示に用いられる光の波長以下の間隔(例えば150nm)で周期的に配置されている。
なお、図9(a)に示したように偏光選択反射層22を配置する場合には、第2透光性基板21の厚さは、以下の理由から、複数の画素の配列ピッチ(画素ピッチ)の2倍以下であることが好ましい。ここでいう画素ピッチは、行方向に沿った画素ピッチと列方向に沿った画素ピッチとが異なる場合には、行方向の画素ピッチである。
第2透光性基板21の厚さが無視できるほどに十分小さい場合、図10(a)に示すように、第2透光性基板21の遮光部(配線等が形成された領域)21b以外の領域(開口部)21aを通過した光は、偏光選択反射層22によって反射されても、遮光部21bで遮られることがない。そのため、第2透光性基板21の開口率と、偏光選択反射層22の開口率とがほぼ同じとなる。
これに対し、第2透光性基板21の厚さが画素ピッチよりも著しく大きいと、図10(b)に示すように、第2透光性基板21の開口部21aを通過した光は、偏光選択反射層22によって反射した後、その一部が遮光部21bにより遮られてしまうので、偏光選択反射層22による反射率が低下してしまう。
そのため、偏光選択反射層22が第2透光性基板21に対して液晶層30とは反対側に配置されている場合には、第2透光性基板21の厚さは、ある程度小さいことが好ましく、具体的には、画素ピッチの2倍以下であることが好ましい。第2透光性基板21の厚さが画素ピッチの2倍を超えると、偏光選択反射層22の反射率がほぼ開口率(第2透光性基板21の開口率)の二乗となり、暗い反射表示となってしまう。
また、図9(b)に示したように、液晶表示装置100Bが、偏光選択反射層として機能する第2透光性基板21Aを備えていると、第2透光性基板21の厚さを無視できる場合と同様に反射率の低下を抑制できるという利点が得られる。
また、図9(c)に示したように、偏光選択反射層22が第2透光性基板21に対して液晶層30側に配置されている構成を採用すると、第2透光性基板21に形成された遮光性を有する構成要素(配線等:図10(a)および(b)における遮光部21bに相当)の上に偏光選択反射層22を設けることができるので、偏光選択反射層22の開口率を高くすることができる。例えば偏光選択反射層22としてワイヤーグリッド型偏光子を用いる場合、配線等を覆うように絶縁層を形成し、その上にワイヤーグリッドを形成すればよい。
偏光選択反射層22の偏光度Pは、2つの同じ偏光選択反射層22を用意して、それらを直交位(それぞれの透過軸22taが直交する配置)にしたときの透過率Tpと、平行位(それぞれの透過軸22taが平行になる配置)にしたときの透過率Tcとを用いて、下記式で表される。
P={(Tp−Tc)/(Tp+Tc)}0.50×100(%)
反射表示の表示品位を向上させる観点からは、偏光選択反射層22の偏光度は93%以上であることが好ましく、偏光選択反射層22の偏光度は96%以上であることがより好ましい。