JP4341100B2 - 液晶表示素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶を使用して文字等を表示する液晶表示素子に関し、特に、バックライトを使用する液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子は、時計や電卓の文字表示等に使用される。液晶で表示された文字等を暗い場所で見るためのバックライトには、無機EL(エレクトロルミネッセンス)素子や有機EL素子等が使用される。
有機EL素子をバックライトとして使用する液晶表示素子は、例えば、図9(a)に模式的に示すように、有機EL素子100と、偏光板200と、液晶パネル300と、偏光板400と、から構成されている。
【0003】
有機EL素子100は、ガラス等の基板500上に透明なアノード電極501、有機EL層502、反射性のカソード電極503が順次積層された構造であり、アノード電極501とカソード電極503との間に電圧を印加することによって発光体が発光する。この有機EL素子100が発する光は、上記したように、液晶表示素子のバックライト等に使用される。なお、カソード電極503は金属電極であり、発光体が放射した光や外光を反射する。また、アノード電極501は光を透過する透明電極である。
【0004】
偏光板200は、有機EL素子100の基板500上に設けられ、所定の偏光方向を有する光のみを透過させる偏光軸を持つ。即ち、有機EL素子100が発した様々に偏光している光が偏光板200に入射すると、偏光板200を通過した光は、ある1つの方向、即ち、偏光軸の方向に光の振動面がある直線偏光となる。
【0005】
液晶パネル300は、偏光板200上に設けられ、対向面に透明電極が形成された図示せぬ一対の基板間に液晶が封入されて形成されている。また、この液晶はTN(ツイストネマティック)液晶である。液晶パネル300の電極間に所定の電圧が印加されていない場合、直線偏光している光が液晶パネル300を透過すると、その偏光方向は90度変化する。一方、液晶パネル300の電極間に所定の電圧が印加されている場合、直線偏光している光が液晶パネル300を通過しても、その偏光方向は変化しない。
【0006】
偏光板400は、液晶パネル300上に設けられ、偏光板200と同様に、所定の偏光方向を有する光のみを透過させる。即ち、偏光板400に入射した外光は、偏光板400を透過すると、直線偏光する。なお、偏光板400及び偏光板200は、それぞれを透過する光の偏光方向が互いに直交するように配置されている。
【0007】
上記構成の液晶表示素子では、偏光板400、偏光板200を透過する光の偏光方向は互いに直交するので、液晶パネル300に所定の電圧を印加すると、一方の偏光板を透過して液晶パネル300に入射した光の偏光方向は変化せず、その光は他方の偏光板によって遮断され、その部分が黒く見える。
従って、このような液晶表示素子では、例えば液晶パネル300の一方の基板上に形成される電極を複数のセグメントに分割し、所定の電圧を印加するセグメントの組み合わせを変えることによって文字等を表示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記した液晶表示素子では、有機EL素子100に電圧を印加していない場合は、外光を使用して文字等を表示する。
図9(a)中の矢印は、外光の伝わり方を模式的に示している。なお、図9(a)中の左側が、液晶パネル300に所定の電圧を印加していない(OFF)状態(部分)を、右側が、液晶パネル300に所定の電圧を印加している(ON)状態(部分)を示している。
【0009】
液晶パネル300がOFFの部分では、液晶表示素子に入射した外光は、偏光板400によって直線偏光した光となる。直線偏光の偏光方向は、液晶パネル300を透過することによって90度変化し、その光は偏光板200を透過する。偏光板200を透過した光は、有機EL素子100のカソード電極503によって反射され、上記と逆のプロセスを経て外部に出射する。
【0010】
一方、液晶パネル300がONの部分では、図に示すように、液晶表示素子に入射した外光は、上記したように、偏光板200によって遮断される。この遮断によって、有機EL素子100及び偏光板200の内、液晶パネル300がONである部分に相当する部分(図9(a)中の斜線で示した部分)では、光が入射しない。従って、有機EL素子100のカソード電極503上に影が生じる。
なお、文字等を表示しない部分、即ち液晶パネル300の電極が形成されていない部分は、液晶パネル300がOFFの場合と同様に、入射した外光は有機EL素子100のカソード電極503によって反射されて外部へ出射する。
【0011】
通常、外光により時計や計算機等の文字を見る場合、外光が液晶表示素子に入射する角度は液晶表示素子の表面に対して正確に垂直な角度のみではない。すなわち、視認者が液晶表示素子の表面に対して垂直な方向から液晶表示素子を見ると、液晶表示素子が主に表示に利用する外光は、垂直方向以外の方向から入射される光に限定される。この斜めから液晶表示素子に入射された光は、液晶表示素子から出射する際には、入射された箇所とは異なる位置から出射されるために液晶表示素子に表示されている文字等とともに、最も利用されている斜め方向の光による文字の影が発生し、例えば図9(b)に示すように、文字が2重に映る。このように反射型表示モード時に発生する視差は、外光が入射された角度や外光の経路である液晶パネル300、偏光板200、400及び有機EL素子100の厚さに依存し、これら部材100、200、300、400が厚くなるにしたがい増大する傾向があった。そして、外光の反射光という外的要因により輝度が決定される表示光は、バックライト光と異なり輝度を任意に明るくして影を隠したり、バックライト光のように真後ろから液晶パネル300に向けて直進することができないため、この2重に映る映像が特に目立っていた。なお有機EL素子100は、無機EL素子の無機発光層に比べ発光する有機EL層502を極めて薄く形成することができるため、素子自体の厚さはほぼガラス等の基板500の厚さとなる。
以上のように、2重像が発生すると、文字等が不鮮明になり、表示素子としては性能が悪いという問題がある。
従って、本発明は、簡単な方法で像を明確に表示する液晶表示素子を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の液晶表示素子は、所定方向に偏光軸を有する第1の直線偏光板と、前記第1の直線偏光板に隣接して設けられ、対向面に電極が形成された一対の基板間に液晶が封入され、該電極間に印加された電圧によって変化する液晶の配向状態に応じて、該電極間に電圧が印加されていない場合、前記第1の直線偏光板によって生成された光の偏光方向が略90°変化し、該電極間に電圧が印加された場合、前記第1の直線偏光板によって生成された光の偏光方向が変化しない液晶パネルと、前記液晶パネルに隣接して設けられ、前記第1の直線偏光板と同一の所定方向に偏光軸を有し、前記所定方向以外の方向に反射軸を有する第2の直線偏光板と、前記第2の直線偏光板に隣接して設けられたλ/4位相差板と、前記位相差板に隣接して設けられ、前記位相差板を透過した光を反射する反射電極を有し、電圧印加されている部分が発光する発光手段と、を備え、前記第2の直線偏光板により直線偏光された光が前記λ/4位相差板を透過することによって円偏光され、この円偏光された光が前記発光手段の前記反射電極で反射され、この反射された光が前記λ/4位相差板を透過することによって直線偏光された光の偏光方向と、前記第2の直線偏光板により直線偏光された光の偏光方向と、が互いに直交することを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、液晶パネルに印加する電圧の大きさに応じて、第1の直線偏光板から第2の直線偏光板の方向へ入射した光を、第2の直線偏光板によって反射させることができる。このため、この光は発光手段を介すること無しに出射されるので、発光手段の厚さによる視差が生じることがない。従って、発光手段上に影が生じることがなく、表示された像が2重に見えてしまうことがないので、像を明確に表示することができる。また、液晶パネルに印加する電圧の大きさに応じて第1の直線偏光板及び第2の直線偏光板を順次透過した偏光された光は、位相差板で円偏光された後に発光手段で反射され、再び位相差板に透過する際に元とは直交方向に偏光されているため、第2の直線偏光板で反射され、位相差板での偏光、発光手段での反射を繰り返した後、第2の直線偏光板及び第1の直線偏光板を経由するため、出射するまでには光量が十分ないため、階調表示を得ることができる。
【0014】
そして、発光手段で発光した光は、位相差板で円偏光された後、第2の直線偏光板をそのまま透過する成分と、第2の直線偏光板で反射される成分とに分けられるが、反射された光成分は、再び位相差板の透過、発光手段での反射、位相差板の透過を繰り返し、元の光成分の偏光方向と直交した偏光方向になっているので、再び第2の直線偏光板に入射されるときには、そのまま透過することができる。
【0016】
前記液晶表示素子は、前記位相差板と前記発光手段との間に、所定波長の光のみを選択的に透過させるフィルタを、さらに備えてもよい。
前記フィルタが透過させる光の波長域は、前記発光手段が発する光の波長域を含んでもよい。
このフィルタによって、外部に出射する光の波長(色)を選択することができる。即ち、発光手段が発する光の色純度を向上することができる。
【0017】
前記液晶表示素子は、前記第2の直線偏光板と前記位相差板との間に、該第2の直線偏光板を透過する光と実質的に同一方向に直線偏光している光のみを透過させる第3の直線偏光板を、さらに備えてもよい。
外光を利用した反射型表示モードで暗表示を行う際に、直線偏光している光が、この第3の直線偏光板によって、若干吸収されるために減衰され、像の部分は光が外部へ出射しない。即ち、像のコントラストを向上することができる。
【0018】
記発光手段は、前記位相差板側に形成された透明電極と、前記位相差板の反対側に前記透明電極と対向するように形成され、光を反射する反射電極と、前記透明電極及び反射電極間に挟持されている発光体と、を備えてもよい。前記発光体は、有機エレクトロルミネッセンス材料で構成されていてもよい。このような有機エレクトロルミネッセンス材料は、無機エレクトロルミネッセンス材料に比べて極めて薄くても十分な輝度の光を発光でき、しかも可視光の透過率が高い。このため、例えば、有機エレクトロルミネッセンス材料からの光を利用する透過型表示モードに比べて一般に暗い外光を利用する反射型表示モードにおいて、全体として明るい表示を行うことができる。前記液晶はツイストネマティック液晶であってもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の第1の実施の形態にかかる液晶表示素子について図面を参照して説明する。
この液晶表示素子は、例えば、時計や携帯電話等の文字表示等を行う携帯用情報機器に最適である。
図1は、液晶表示素子の構造を模式的に示す図である。
液晶表示素子は、図1に示すように、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子10と、位相差板20と、反射型偏光板30と、液晶パネル40と、偏光板50と、がこの順で配置されて構成されている。
【0020】
まず、有機EL素子10の構成について説明する。有機EL素子10は、例えばガラスでなる基板11上の全面にアノードとして機能する透明電極12が形成されている。この透明電極12は、外光および有機EL素子10で発光される可視光に対して透過性を有する電極材料、例えばITO或いはIn(ZnO)x(ただしx>0)で形成され、その膜厚は約0.05〜0.2μmに設定されている。
【0021】
透明電極12上には、N,N'-di(α-naphthyl)-N,N'-diphenyl-1,1'-biphenyl-4,4'-diamineからなる正孔輸送層13が形成されている。正孔輸送層13はディップコートまたはスピンコート法等の湿式成膜により形成され、膜厚は、20nm〜100nm程度に設定されている。
【0022】
正孔輸送層13上には、それぞれ赤色、緑色、青色に発光する領域に応じた電子輸送兼発光層14が形成されている。電子輸送兼発光層14は、電子輸送兼発光層の単層の場合でもよく、電子輸送層と発光層に分かれていてもよい。赤色発光領域の電子輸送兼発光層14は、赤色色素のcoumarin6がドープされたberyllium-bis(10-hydroxybenzo[h]quinolinate)からなり、緑色発光領域の電子輸送兼発光層14は、beryllium-bis(10-hydroxybenzo[h]quinolinate)からなり、青色発光領域の電子輸送兼発光層14では、正孔輸送層13に接合された青色発光領域の青色発光層は、96wt%の4,4'-bis(2,2-diphenylvinylene)biphenylと4wt%の4,4'-bis((2-carbazole)vinylene)biphenylの混合物からなり、青色発光層に接合された青色電子輸送層はaluminum-tris(8-hydroxyquinolinate)からなる。正孔輸送層13と電子輸送兼発光層14を合わせた層厚は50nm〜200nm程度であり、可視光に対し透過性を示す。これら電子輸送兼発光層14上には、カソードとして機能する、光反射性の金属、例えばAlLiやMgInでなる反射電極15が形成されている。なお反射電極15の材料としては、電子放出性の観点から仕事関数が低い材料が望ましい。また、光反射性の観点から、より可視光(400nm以上800nm以下の電磁波)に対し反射性のある材料が望ましい。この反射電極15は、液晶パネル40の表示領域と対応する形状並びに面積をもつ。また、反射電極15は、任意の膜厚となるようにスパッタ法などを用いて成膜することができ、反射面が凹凸構造であり、入射された光を散乱して反射する。
【0023】
そして、図示しないが透明電極12、正孔輸送層13、電子輸送兼発光層14及び反射電極15を覆い、外部からの酸素及び水の浸入を防止する封止膜が形成されている。
以上、液晶表示素子の有機EL素子10の構成について説明したが、従来の技術で説明したように、正孔輸送層13と電子輸送兼発光層14の層厚を薄くできる理由は、有機膜の成膜制御性が良いことと、材料の電荷注入性特性に起因するものであり、特に有機EL素子とすることにより実現し得たものである。そして、正孔輸送層13と電子輸送兼発光層14に透明電極12を合わせた膜厚も、厚くても0.3μm程度と薄いものであるため、入射する外光の吸収による減衰を極僅かとすることができる。
【0024】
位相差板20は、λ/4位相差板であり、有機EL素子10の基板11上に設けられ、透過する光の位相差を変化させる。具体的には、直線偏光している光が位相差板20を1回透過すると円偏光の光になり、その光が有機EL素子10のアノード電極で反射されて、2回目に透過すると再び直線偏光の光となる。ただし、位相差板20を透過する前の偏光方向と、位相差板20を2回透過した後の偏光方向とは、互いに直交する。
【0025】
反射型偏光板30は、位相差板20上に設けられ、所定の方向に沿った偏光軸が設定され、この偏光軸と平行である偏光方向を有する光を最も透過させる性質を備え、同時にこの偏光軸と直交する方向に沿った反射軸が設定され、この反射軸と平行である偏光方向を有する光を最も入射側に反射する性質を有する反射型直線偏光板である。
【0026】
次に、液晶パネル40の構成の概略を説明する。図1に示すように、液晶パネル40は、反射型偏光板30上に設けられ、対をなす透明基板401側および透明基板412側と、図示しないシール材と、で形成される間隙に、例えば略90°にツイストネマティック配向されたTN液晶407が封止されて構成されている。
【0027】
透明基板401の対向内側面(図の下面)には、黒色のブラックマスク402、カラーフィルタ403が適宜配置されている。カラーフィルタ403は赤色、緑色、青色の各色をそれぞれ分光するRフィルタ、Gフィルタ、Bフィルタから構成され、Rフィルタ、Gフィルタ、Bフィルタはそれぞれストライプ状または、後述する画素電極411に対応したドット配列をしている。そして、Rフィルタ、Gフィルタ、Bフィルタは、それぞれ、有機EL素子10の赤色発光領域、緑色発光領域、青色発光領域に対応しているので、有機EL素子の特定の色の発光を効率よく透過できるので明るい表示を行うことができる。ブラックマスク402は、互いに分離しているカラーフィルタ403間に形成されている。
【0028】
また、これらブラックマスク402およびカラーフィルタ403の上には、透明な保護膜404が形成され、保護膜404上にITOからなる可視光に対し70%以上の透過性を有する共通電極405が表示領域全面にわたって形成され、共通電極405上には配向処理されたポリイミドからなる配向膜406が形成されている。一方、透明基板412の対向内側面(図の上面)には、ITOでなる画素電極411および画素電極411に接続されたスイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT)408が、画素配列に従って多数配列されている。配列パターンは、行方向及びそれに直交する列方向に並んで配列されたマトリクス配列や、対応するカラーフィルタのR、G、Bを1周期とした画素電極411の列に隣接する列の画素電極411が半周期ずらした、いわゆるデルタ配列等がある。TFT408は、そのゲート電極が選択電圧を出力するゲートラインに接続され、そのドレイン電極が信号電圧を出力するドレインラインに接続されている。これらTFT408を含む非画素領域には、窒化シリコンからなる層間絶縁膜409がパターン形成され、画素電極411上及び層間絶縁膜409上にはポリイミドからなり、配向処理が施された配向膜410が形成されている。
配向膜406、410は、所定の距離に離間されており、共通電極405と画素電極411との間に電界が生じないときの液晶407の初期配向を略90゜に制御している。
液晶パネル40の電極405、411間に所定の電圧が印加されていない場合、直線偏光している光が液晶パネル40を透過すると、その偏光方向は90度変化する。一方、液晶パネル40の電極間に所定の電圧が印加されている場合、直線偏光している光が液晶パネル40を通過しても、その偏光方向は変化しない。なお、液晶パネル40と反射型偏光板30は、拡散粘着層等を介して接着されている。
【0029】
偏光板50は、液晶パネル40上に設けられ、所定の方向に偏光軸が設定され、この偏光軸に平行な偏光方向を有する光のみを透過させる直線偏光板である。即ち、様々に偏光している光(例えば、太陽光)が偏光板50に入射すると、偏光板50を通過した光は、ある1つの方向に直線偏光している。なお、偏光板50が光を透過させる偏光軸の方向は、反射型偏光板30が透過させる光の偏光軸の方向と実質的に同一である。以下では、偏光板50及び反射型偏光板30を透過する直線偏光の光が有する偏光方向をP1で表し、P1に垂直な直線偏光の方向をP2で表す。また、円偏光はCPで表す。
【0030】
次に、上記構成の液晶表示素子を使用して文字等を表示する場合の動作について説明する。
上記したように、液晶表示素子の有機EL素子10及び液晶パネル40は、それぞれ所定の電圧が印加されている状態と印加されていない状態とで作用が異なる。すなわち、周囲が明るい環境で外光を利用した反射型表示モードと周囲が暗い環境で有機EL素子10をバックライトとして適用したときの透過型表示モードとでは偏光作用により同じ電圧を印加した場合に表示光の階調反転が起きる。有機EL素子10及び液晶パネル40をそれぞれEL、LCと表し、所定の電圧を印加して、有機EL素子10を発光するか又は液晶407の分子を電界方向に配向させる場合をON、印加せず、有機EL素子10を発光しないか又は液晶407の分子を初期配向の状態にする場合をOFFで表すと、電圧印加には、反射型表示モードの(1)EL(OFF)/LC(OFF)、(2)EL(OFF)/LC(ON)と、透過型表示モードの(3)EL(ON)/LC(OFF)、(4)EL(ON)/LC(ON)の4つの場合がある。以下では、以上の4つの場合についてそれぞれ説明する。
【0031】
(1)EL(OFF)/LC(OFF)の場合
これは、例えば明るい場所で文字等を表示していない画素の状態である。すなわち、非表示画素の色及び輝度が画素領域以外の背景の色及び輝度と一致している状態である。また、この場合、有機EL素子10は電圧を印加されておらず、発光していないので、外光のみを考える。
図2は、液晶表示素子に入射した外光の偏光が、どのように変化するかを示す模式図である。図2中の矢印は光の進行方向を示している。
【0032】
様々な偏光方向を有する外光は、初めに偏光板50を透過する。偏光板50は、P1方向に直線偏光している光のみを選択的に透過させるので、偏光板50を透過した外光(入射光)は、P1方向に直線偏光した入射光となる。
直線偏光P1の入射光は、液晶パネル40を透過する。この場合、液晶パネル40には所定の電圧が印加されていないので、入射光の偏光方向は90度回転する。即ち、液晶パネル40を透過した入射光は、P2方向に直線偏光する。
直線偏光P2の入射光は、次に反射型偏光板30に入射するが、反射型偏光板30はP1方向に直線偏光している光のみを透過させ、その他の光を反射させるので、入射光は反射型偏光板30によって反射され、出射光となる。
【0033】
直線偏光P2の出射光は、液晶パネル40に入射する。そして、上記入射光と同様に、液晶パネル40によって偏光方向が90度回転する。従って、液晶パネル40を透過した出射光はP1方向に直線偏光する。
直線偏光P1の出射光は、偏光板50をそのまま透過し、外部へ出射される。
【0034】
以上のようにして、液晶表示素子に入射した外光は、液晶パネル40と偏光板50を2回ずつ透過するだけ外部へ出射するので、入射光の光量に対して出射光の光量に大きな減衰はない。そして、この光は有機EL素子10を通過していないので視差が極めて小さい。
【0035】
なお、液晶パネル40の電極が形成されていない部分、即ち文字等を表示しない背景では、上記と同様に入射した外光は反射型偏光板30によって反射され、外部に出射するため、非表示画素は背景と同色で等しい輝度になるため何も映らない状態になる。
【0036】
(2)EL(OFF)/LC(ON)の場合
これは、例えば明るい場所で文字等を表示している画素の状態である。また、この場合も、有機EL素子10は電圧を印加されておらず、発光していないので、外光のみを考える。
図3は、液晶表示素子に入射した外光の偏光が、どのように変化するかを示す模式図である。図3中の矢印等は、上記と同一のものを表す。図3中のCPは、上記したように、光が円偏光であることを示す。
様々な偏光方向を有する外光(入射光)は、上記と同様に偏光板50を透過し、P1方向に直線偏光した入射光となる。
【0037】
次に、直線偏光P1の入射光は、液晶パネル40を透過する。この場合、液晶パネル40には所定の電圧が印加されているので、液晶407の分子が電界方向に配向し、入射光の偏光方向はほとんど変化しない。即ち、液晶パネル40を透過した入射光はP1方向に直線偏光したままである。
そして、入射光は、反射型偏光板30に入射する。この場合、反射型偏光板30はP1方向に直線偏光している光のみを透過させるので、入射光は反射型偏光板30を透過し、位相差板20に入射する。
【0038】
入射光は、位相差板20を透過すると、その偏光がP1方向の直線偏光から円偏光CPに変化する。そして、円偏光CPの入射光は、有機EL素子10のカソード電極(反射電極15)で反射され、第1の反射光となる。
円偏光CPである第1の反射光は、位相差板20に入射する。そして、位相差板20を透過すると、第1の反射光はP2方向に直線偏光した光、即ち、位相差板20を透過する前の入射光の偏光方向(P1)に垂直な方向に直線偏光した光となる。
【0039】
偏光方向P2は反射型偏光板30を透過可能な偏光方向(P1)に垂直であるので、第1の反射光は、反射型偏光板30によって反射され、第2の反射光となる。
【0040】
直線偏光P2である第2の反射光は、上記入射光と同様に、位相差板20を透過し、その偏光が円偏光CPとなり、有機EL素子10のカソード電極で再び反射されて出射光となる。
円偏光CPの出射光は、位相差板20を透過すると、P1方向に直線偏光した光となる。従って、反射型偏光板30を透過することができる。
【0041】
反射型偏光板30を透過した出射光は、液晶パネル40に入射する。液晶パネル40はONであるので、液晶パネル40を透過した出射光の偏光方向(P1)は、変化しない。
そして、直線偏光P1の出射光は、偏光板50を透過し、外部へ出射される。
【0042】
以上のようにして、液晶表示素子に入射した外光は、外部へ出射するが、上記したように、反射型偏光板30、液晶パネル40、及び、偏光板50を2回ずつ透過し、位相差板20を4回透過するので、出射光の光量は入射光の光量に比べて少なくなる。例えば、位相差板20を1回透過することによって、光量が80%にまで減少する場合、光が位相差板20を4回透過するだけで、その光量は透過前の約40%にまで減少する。この場合の出射光の光量は、図2で示した(1)EL(OFF)/LC(OFF)での出射光の光量よりも少ない。即ち、液晶パネル40に所定の電圧を印加すると、電圧を印加した部分の出射光量が減少して、そこだけより暗い像として見える。従って、液晶パネル40に所定の電圧を印加する電極を、文字の形にパターニングしておけば、文字を表示することができる。
【0043】
また、液晶パネル40に電圧を印加していない部分では、図2に示したように、外光が有機EL素子10まで到達しないので、輝度が光の経路の長さと入射角に依存している出射光の、入射してから出射するまでの経路が短いため、従来のように、表示された文字が2重に見えることがない。このようにEL(OFF)/LC(OFF)の非表示画素とEL(OFF)/LC(ON)の表示画素は、明るい背景に暗い(色の付いた)像の表示を行う。
【0044】
(3)EL(ON)/LC(OFF)の場合
これは、例えば暗い場所で文字等を表示していない画素の状態である。また、この場合、有機EL素子10は電圧を印加されており、発光している。即ち、バックライトが点灯している。
【0045】
図4は、液晶表示素子に入射した外光、及び、有機EL素子10から放射されたEL光の偏光が、どのように変化するかを示す模式図である。図4中の矢印、P1、P2、及び、CPは、それぞれ上記と同一のものを表す。
液晶表示素子に入射した外光は、図2に示した外光と同様に、反射型偏光板30によって反射され、外部に出射する。
【0046】
一方、有機EL素子10から放射されたEL光は、様々な偏光方向を有しており、初めに位相差板20を透過する。
位相差板20を透過したEL光はそれぞれ互いに異なる特定の振動面を有する光がそれぞれ円偏光されるが、透過する前の偏光方向があらゆる方向の光なので特定の円偏光のみを透過することがなく結果的に特徴的な偏光強度を持たず、反射型偏光板30に入射する。
【0047】
反射型偏光板30はP1方向に直線偏光している光を透過させるので、入射したEL光の内、偏光方向がP1である成分は、反射型偏光板30を透過して、第1の透過光となる。偏光方向がP1でない、即ち実質的にP2方向に直線偏光している成分は、反射型偏光板30によって反射され、反射光となる。
【0048】
反射型偏光板30を透過した第1の透過光は、液晶パネル40に入射する。液晶パネル40はOFFであるので、第1の透過光の偏光方向は、液晶パネル40を透過すると、90度変化する。即ち、液晶パネル40を透過した第1の透過光はP2方向に直線偏光した光となる。
直線偏光P2である第1の透過光は、偏光板50に入射するが、偏光板50を透過可能な偏光方向がP1であるので、偏光板50を透過せずに吸収されてしまう。
【0049】
一方、反射型偏光板30で反射されたP2方向に直線偏光している反射光は、位相差板20を透過する。位相差板20を透過した反射光の偏光は円偏光CPとなり、有機EL素子10のカソード電極によって反射され、第2の透過光となる。
【0050】
円偏光CPである第2の透過光は、位相差板20を透過し、P1方向に直線偏光した光となる。従って、第2の透過光は、反射型偏光板30を透過する。
以降、第2の透過光は、上記第1の透過光と同様に、液晶パネル40を透過して偏光板50で吸収され、外部には出射しない。
【0051】
以上のようにして、液晶表示素子に入射した外光は、液晶パネル40と偏光板50を2回ずつ透過して外部へ出射する。このとき入射光となる外光が暗ければ、より暗い出射光となるので、実質的には非表示画素は暗くなる。そして、有機EL素子10から放射されたEL光は、偏光板50で吸収され、外部へはほとんど出射しない。従って、(3)EL(ON)/LC(OFF)の状態では、実質的に、上記した(1)EL(OFF)/LC(OFF)の状態と同じであり、文字等は表示されない。
【0052】
なお、液晶パネル40の電極が形成されていない部分、即ち文字等を表示しない部分では、上記と同様に、入射した外光は反射型偏光板30によって反射されて外部へ出射し、有機EL素子10からのEL光は偏光板50によって遮断される。
【0053】
(4)EL(ON)/LC(ON)の場合
これは、例えば暗い場所で文字等を表示している画素の状態であり、(2)EL(OFF)/LC(ON)の場合の表示画素の状態と異なり、背景よりも明るい表示になる。また、この場合も、有機EL素子10は電圧を印加されており、発光している。即ち、バックライトが点灯している。
【0054】
図5は、液晶表示素子に入射した外光、及び、有機EL素子10から放射されたEL光の偏光が、どのように変化するかを示す模式図である。図5中の矢印、P1、P2、及び、CPは、それぞれ上記と同一のものを表す。
液晶表示素子に入射した外光は、図3に示した外光と同様に、位相差板20を4回透過して、外部へ出射する。外光が暗ければこの出射光は無視してよい程度になる。
【0055】
一方、有機EL素子10から放射されたEL光は、図4で示したEL光と同様に、位相差板20を透過し、反射型偏光板30に入射する。
反射型偏光板30に入射したEL光の内、偏光方向がP1である成分は、反射型偏光板30を透過して、第1の放射光となる。偏光方向がP1でない、即ち実質的にP2方向に直線偏光している成分は、反射型偏光板30によって反射され、反射光となる。
【0056】
反射型偏光板30を透過した第1の放射光は、液晶パネル40に入射する。液晶パネル40はONであるので、第1の放射光の偏光方向は、液晶パネル40を透過しても変化しない。即ち、液晶パネル40を透過した第1の放射光は、P1方向に直線偏光したままである。従って、第1の放射光は、偏光板50を透過し、外部へ出射する。この第1の放射光の輝度及び色合いは、有機EL素子10及び位相差板20等の設定により任意に制御することができる。
【0057】
一方、反射型偏光板30で反射された反射光は、位相差板20を透過する。位相差板20を透過した反射光の偏光は円偏光CPとなり、有機EL素子10のカソード電極によって反射され、第2の放射光となる。
円偏光CPである第2の放射光は、位相差板20、反射型偏光板30を透過し、P1方向に直線偏光した光となる。
【0058】
以降は、上記第1の放射光と同様に、第2の放射光は、液晶パネル40、偏光板50を透過して、外部に出射する。この第2の放射光の輝度及び色合いは、有機EL素子10及び位相差板20等の設定により任意に制御することができる。
【0059】
以上のようにして、液晶表示素子に入射した外光は、外部へ出射するが、上記した(2)EL(OFF)/LC(ON)の場合と同様に、反射型偏光板30、液晶パネル40、及び、偏光板50を2回ずつ透過し、位相差板20を4回透過するので、出射光の光量は入射光の光量に比べて少なくなる。また、外光による出射光の光量は、図4で示した(3)EL(ON)/LC(OFF)での出射光の光量よりも少ない。しかしこの場合は、有機EL素子10が発光しており、そのEL光が外部に第1の放射光及び第2の放射光として出射するので、電圧が印加されている部分はEL光によって光って見える。従って、液晶パネル40に所定の電圧を印加する電極を、文字の形にパターニングしておけば、文字をEL光で表示することができる。なお、暗い場所では、外光が弱いので、外光の出射光はほとんど無視でき、実質的にEL光のみによって文字等が表示されることになる。この場合、有機EL素子10が、例えば緑色の光を発する場合、文字等は緑色の光で表示されることになる。
【0060】
また、液晶パネル40に所定の電圧を印加していない部分では、図4に示したように、外光が有機EL素子10まで到達せず、液晶パネル40に所定の電圧を印加している部分では、図5に示したように、光が遮断される所がない。即ち、有機EL素子10のカソード電極上には光が照射されている。従って、従来のように、光が遮断された部分の影によって、表示された文字が2重に見えることがない。また液晶パネル40に所定の電圧を印加している部分では、図5に示すように光が有機EL素子10で反射するが、有機EL素子10が液晶パネル40の直下に配置されているため、反射型モードで最も利用される斜め方向の光と違い、2重像になりにくい。しかも有機EL素子10を高い輝度で発光させると影が薄くなり、さらに像は2重になりにくくなる。
【0061】
次に、本発明の第2の実施の形態にかかる液晶表示素子について図面を参照して説明する。
この液晶表示素子は、液晶パネル40からカラーフィルタ403を排し、図6に示すように、第1の実施の形態で示した液晶表示素子の有機EL素子10及び位相差板20の間に、カラーフィルタ60を設けている。
【0062】
カラーフィルタ60は、所定波長域の光のみを選択的に透過させる。なお、第1の実施の形態にかかる液晶表示素子の有機EL素子10の電子輸送兼発光層14を緑色を発光するberyllium-bis(10-hydroxybenzo[h]quinolinate)のみにすると、カラーフィルタ60に入射する光の波長とその光の透過率との関係が、例えば、図7の実線で示されるとき、有機EL素子10が発する光のスペクトルは、図7の白丸でプロットした線で示されるとなる。即ち、カラーフィルタ60を透過する光の波長域と、有機EL素子10が発する光の波長域とは、ほぼ同一であるとする。
上記のような液晶表示素子中を透過する光(外光及びEL光)の偏光方向は、第1の実施の形態と同様に変化する。
【0063】
(1)EL(OFF)/LC(OFF)、及び、(3)EL(ON)/LC(OFF)の状態では、カラーフィルタ60を透過して、外部へ出射する光はないので、第1の実施の形態と同様の結果となる。一方、(2)EL(OFF)/LC(ON)、及び、(4)EL(ON)/LC(ON)の状態での光の入射、出射等は、第1の実施の形態と同様であるが、出射光の色(波長)がカラーフィルタ60によって選択されている。
【0064】
なお、(2)EL(OFF)/LC(ON)の状態で、外光は、ある波長領域(図7では緑色)だけがカラーフィルタ60を透過するので、その他の波長域の光が吸収され全体として光量が減少する。さらに、上記したように、反射型偏光板30、液晶パネル40、及び、偏光板50を2回ずつ透過し、位相差板20を4回透過することによって、その光量が減少する。従って、外光の出射光は、実質的にゼロとなり、液晶パネル40の所定電圧を印加されている部分がより暗い像として見ることができる。また、(4)EL(ON)/LC(ON)の状態では、外光とEL光の両方が外部に出射する。この場合も、外光の出射光は、実質的にゼロとなるので、カラーフィルタ60を透過したEL光によって、文字等が表示されるが、有機EL素子10の発光スペクトルとカラーフィルタ60の透過スペクトルが近似しているため、表示光としてのロスが少ない。
【0065】
以上のように、カラーフィルタ60を使用すると、(2)EL(OFF)/LC(ON)の状態では、外光の出射光量が大きく減少し、表示される像のコントラストを向上することができる。また、外光の入射、反射、出射は、第1の実施の形態と同様であるので、カラーフィルタ60を使用した場合も、従来のように、光が遮断された部分の影によって、表示された文字が2重に見えることがない。
【0066】
また、カラーフィルタ60を透過する光の波長域が、有機EL素子10が発するEL光の波長域と実質的に同一である場合、(4)EL(ON)/LC(ON)の状態で、有機EL素子10からのEL光は、カラーフィルタ60によって遮断されることなく出射し、外光は上記のように遮断される。従って、有機EL素子10のEL光が効率よく放射され、像が明るく表示される。即ち、表示される像のコントラストが向上される。なお、この場合も、外光及びEL光の入射、反射、出射は、第1の実施の形態と同様であるので、従来のように、光が遮断された部分の影によって、表示された文字が2重に見えることがない。
【0067】
次に、第3の実施の形態にかかる液晶表示素子について図面を参照して説明する。
この液晶表示素子は、図8に示すように、第1の実施の形態で示した液晶表示素子の位相差板20及び反射型偏光板30の間に、偏光板70を設けている。
【0068】
偏光板70は、反射型偏光板30や偏光板50の偏光軸方向と同じ偏光方向、即ち、直線偏光P1の光のみを透過させる。
上記のように、偏光板70が、位相差板20と反射型偏光板30の間にあるので、液晶表示素子中を透過する光は、その変更方向が位相差板20と反射型偏光板30の間で直線偏光P1でなければ、偏光板70に遮断されてしまう。
【0069】
具体的には、(2)EL(OFF)/LC(ON)の場合、図3に示したように、外光の入射光は、有機EL素子10のカソード電極によって反射され、第1、第2の反射光となり、位相差板20を4回透過する。しかし、位相差板20を透過した第1の反射光の偏光方向は、直線偏光P2であるので、偏光板70で吸収される。このとき、偏光板70に若干の反射漏れがあっても、反射型偏光板30が漏れ光を反射し、さらに偏光板70が吸収する。従って、(2)EL(OFF)/LC(ON)の場合、液晶パネル40に所定の電圧を印加した部分では、光が外部へより出射されにくく、その部分がより暗い像として見える。従って、液晶パネル40に所定の電圧を印加する電極を、文字の形にパターニングしておけば、文字を表示することができる。また、この場合は、外部へ光が出射しないので、図3に示した場合よりも、文字等がはっきりと表示される。即ち、表示される像のコントラストが向上される。
【0070】
さらに、液晶パネル40に所定の電圧を印加していない部分では、外光が反射型偏光板30で十分反射されずに透過しても、偏光板70によって吸収される。このため、有機EL素子10の厚さによる文字の2重像が解消できる。
【0071】
また、(4)EL(ON)/LC(ON)の場合、外光の入射光は、上記(2)EL(OFF)/LC(ON)の場合と同様に、位相差板20と反射型偏光板30の間にある偏光板70によって吸収される。一方、有機EL素子10から放射されたEL光は、様々な偏光方向を含んだまま位相差板20を透過する。そして、偏光方向が直線偏光P1の成分は偏光板70を透過して反射型偏光板30に入射し、それ以外の成分は偏光板70によって遮断される。即ち、図5中に示した、反射型偏光板30によって反射された反射光が存在しない。偏光板70を透過したEL光は、そのまま反射型偏光板30、液晶パネル40、及び、偏光板50を透過して外部へ出射する。従って、(4)EL(ON)/LC(ON)の場合、有機EL素子10から放射された光によって、文字等が表示される。
【0072】
なお、この場合も、液晶パネル40に所定の電圧を印加していない部分では、図4に示したように、外光が反射型偏光板30を透過せず、液晶パネル40に所定の電圧を印加している部分では、EL光が外部へ出射する。即ち、図4に示したように有機EL素子10には外光がほとんど入射されず、また、図5に示したように液晶パネル40の直下からEL光が出射されるので、表示された文字が2重に見えることがない。
【0073】
なお、上記第1及び第2の実施の形態で示した反射型偏光板30と偏光板50を、それぞれを透過する光の偏光軸が互いに直交するように配置しても、上記と同様の結果を得ることができる。ただしこの場合は、液晶パネル40に所定の電圧を印加するか否かを上記実施の形態とは逆にしなければならない。例えば、偏光板50を透過する光の偏光方向を直線偏光P1、反射型偏光板30を透過する光の偏光方向を直線偏光P2とすると、図2に示したのと同様の結果を得るためには、EL(OFF)/LC(ON)としなければならず、図3と同様の結果を得るためには、EL(OFF)/LC(OFF)としなければならない。また、図5に示したのと同様の結果を得るためには、EL(ON)/LC(OFF)としなければならず、図4と同様の結果を得るためには、EL(ON)/LC(ON)としなければならない。
【0074】
上記第2の実施の形態で示したカラーフィルタ60を透過する光の波長域が、有機EL素子10が発する光の波長域よりも広い場合、(4)EL(ON)/LC(ON)の状態では、上記と同様に、外光の多くは遮断され、有機EL素子10のEL光が効率よく放射される。従って、像を明るく表示し、像のコントラストを向上することができる。また、カラーフィルタ60を透過する光の波長域が、有機EL素子10が発する光の波長域よりも狭い場合、(4)EL(ON)/LC(ON)の状態では、カラーフィルタ60によって、外部に出射させるEL光の色純度を向上することができる。
【0075】
上記した有機EL素子10のアノード電極は、表示する文字等の形にパターニングされていてもよい。
また、有機EL素子10の代わりに、無機EL素子、アクリル樹脂等の拡散板とそれに隣接した発光素子等を使用してもよいが、ハーフミラー等の反射体を備えて、位相差板20を透過した光を反射しなければならない。
偏光板50は、透過する光を直線偏光させる偏光フィルムや偏光プリズム等でもよい。
【0076】
上記第1及び第2の実施の形態では、透過型表示モード及び反射型表示モードのいずれも二階調のみの説明であったが、これに限らず共通電極405と画素電極411との電圧を制御して三階調以上の表示を行うことができる。また、TFT408によるアクティブマトリクス駆動に限らず単純マトリクス駆動にも適用できる。
【0077】
液晶パネル40は、TN液晶以外でもよい。ただし、液晶パネル40に所定の電圧を印加している部分を像として表示する場合、反射型偏光板30は、透過させる光の偏光方向が、液晶パネル40がONの時に液晶パネル40を透過した光の偏光方向と一致するように配置されなければならない。また、液晶パネル40に電圧を印加していない部分を像として表示する場合、反射型偏光板30は、透過させる光の偏光方向が、液晶パネル40がOFFの時に液晶パネル40を透過した光の偏光方向と一致するように配置されなければならない。
【0078】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によって、液晶パネルに印加する電圧の大きさに応じて、第1の直線偏光板から第2の直線偏光板の方向へ入射した光を、第2の直線偏光板によって反射させることができる。このため、この光は発光手段を介すること無しに出射されるので、発光手段の厚さによる視差が生じることがない。従って、発光手段上に影が生じることがなく、表示された像が2重に見えてしまうことがないので、像を明確に表示することができる。また、液晶パネルに印加する電圧の大きさに応じて第1の直線偏光板及び第2の直線偏光板を順次透過した偏光された光は、位相差板で円偏光後に発光手段で反射され、再び位相差板に透過する際に元とは直交方向に偏光されているため、第2の直線偏光板で反射され、位相差板での偏光、発光手段での反射を繰り返した後、第2の直線偏光板及び第1の直線偏光板を経由するため、出射するまでには光量が十分ないため、階調表示を得ることができる。
【0079】
そして、発光手段で発光した光は、位相差板で円偏光された後、第2の直線偏光板をそのまま透過する成分と、第2の直線偏光板で反射される成分とに分けられるが、反射された光成分は、再び位相差板の透過、発光手段での反射、位相差板の透過を繰り返し、元の光成分の偏光方向と直交した偏光方向になっているので、再び第2の直線偏光板に入射されるときには、そのまま透過することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる液晶表示素子の構成を模式的に示す図である。
【図2】有機EL素子及び液晶パネルに電圧が印加されていない状態での、外光の進行及び偏光を示す模式図である。
【図3】有機EL素子に電圧が印加されておらず、液晶パネルに電圧が印加されている状態での、外光の進行及び偏光を示す模式図である。
【図4】有機EL素子に電圧が印加されており、液晶パネルに電圧が印加されていない状態での、光の進行及び偏光を示す模式図である。
【図5】有機EL素子及び液晶パネルに電圧が印加されている状態での、光の進行及び偏光を示す模式図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態にかかる液晶表示素子の構成を模式的に示す図である。
【図7】カラーフィルタを透過する光の透過率と、有機EL素子の発する光のスペクトルを示す図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態にかかる液晶表示素子の構成を模式的に示す図である。
【図9】従来の液晶表示素子の構成と、文字が2重に見えている状態を模式的に示す図である。
【符号の説明】
10・・・有機EL素子、11・・・基板、12・・・透明電極、13・・・正孔輸送層、14・・・電子輸送兼発光層、15・・・反射電極、20・・・位相差板、30・・・反射型偏光板、40・・・液晶素子、50・・・偏光板、60・・・カラーフィルタ、70・・・偏光板、01・・・透明基板、402・・・ブラックマスク、403・・・カラーフィルタ、404・・・保護膜、405・・・共通電極、406・・・配向膜、407・・・液晶、408・・・TFT(薄膜トランジスタ)、409・・・層間絶縁膜、410・・・配向膜、411・・・画素電極、412・・・透明基板

Claims (7)

  1. 所定方向に偏光軸を有する第1の直線偏光板と、
    前記第1の直線偏光板に隣接して設けられ、対向面に電極が形成された一対の基板間に液晶が封入され、該電極間に印加された電圧によって変化する液晶の配向状態に応じて、該電極間に電圧が印加されていない場合、前記第1の直線偏光板によって生成された光の偏光方向が略90°変化し、該電極間に電圧が印加された場合、前記第1の直線偏光板によって生成された光の偏光方向が変化しない液晶パネルと、
    前記液晶パネルに隣接して設けられ、前記第1の直線偏光板と同一の所定方向に偏光軸を有し、前記所定方向以外の方向に反射軸を有する第2の直線偏光板と、
    前記第2の直線偏光板に隣接して設けられたλ/4位相差板と、
    前記位相差板に隣接して設けられ、前記位相差板を透過した光を反射する反射電極を有し、電圧印加されている部分が発光する発光手段と、
    を備え
    前記第2の直線偏光板により直線偏光された光が前記λ/4位相差板を透過することによって円偏光され、この円偏光された光が前記発光手段の前記反射電極で反射され、この反射された光が前記λ/4位相差板を透過することによって直線偏光された光の偏光方向と、前記第2の直線偏光板により直線偏光された光の偏光方向と、が互いに直交することを特徴とする液晶表示素子。
  2. 前記液晶表示素子は、前記位相差板と前記発光手段との間に、所定波長の光のみを選択的に透過させるフィルタを、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 前記フィルタが透過させる光の波長域は、前記発光手段が発する光の波長域を含むことを特徴とする請求項に記載の液晶表示素子。
  4. 前記液晶表示素子は、前記第2の直線偏光板と前記位相差板との間に、前記第2の直線偏光板を透過する光と実質的に同一方向に直線偏光している光のみを透過させる第3の直線偏光板を、さらに備えることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の液晶表示素子。
  5. 前記発光手段は、前記位相差板側に形成された透明電極と、前記位相差板の反対側に前記透明電極と対向するように形成され、光を反射する反射電極と、前記透明電極及び反射電極間に挟持されている発光体と、を備えることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の液晶表示素子。
  6. 前記発光体は、有機エレクトロルミネッセンス材料で構成されていることを特徴とする請求項に記載の液晶表示素子。
  7. 前記液晶はツイストネマティック液晶であることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の液晶表示素子。
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