JP5288166B2 - 電池のインピーダンス評価方法およびインピーダンス評価装置 - Google Patents

電池のインピーダンス評価方法およびインピーダンス評価装置 Download PDF

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Description

本発明は、電池のインピーダンス特性を評価するインピーダンス特性評価方法等に関する。
負荷電流に重畳する交流の周波数(測定周波数)を変えながら燃料電池セルのインピーダンスを測定する方法が知られている。この方法では、負荷電流として直流成分(Idc)に加えて十分振幅の小さな交流成分(Iac)を重畳した電流(Idc+Iac)を与える。一般的には、この交流成分として正弦波が使用される。インピーダンス計測器により、この電流摂動に対する電池電圧(Vdc+Vac)の変化を測定し、交流成分のゲイン特性、位相遅れを得る。測定周波数を順次変えながら、それぞれの周波数でのゲインおよび位相を測定することで、燃料電池セルのインピーダンス特性を得ることができる。
特開2007−265885号公報
燃料電池セルインピーダンスは、膜抵抗および反応抵抗から構成されると考えられる。このうち、膜抵抗はイオン伝導体の抵抗と考えられているが、燃料電池においては、その抵抗値は発電状態に大きく依存する。発電負荷の大小や、供給される燃料ガス(水素)や酸化ガス(エア)の加湿状態、発電の際に発生する生成水の影響などにより、膜抵抗は変化する。一方、反応抵抗はそれらの原因も含め、触媒状態や触媒へのガス供給など、様々な他の要因で変化すると考えられている。
しかし、現在行われているインピーダンス計測では、上記の膜抵抗と反応抵抗とを分けて測定することが行われておらず、2種類の抵抗の変化をまとめて解析しようとしているため、特に反応抵抗の解析が遅れている。
本発明の目的は、測定されたインピーダンス特性から膜抵抗を除去し、反応抵抗を詳細に解析することができる電池のインピーダンス特性評価方法およびインピーダンス特性評価装置を提供することにある。また、反応抵抗のインピーダンス特性を用いて適切な制御を実行できる電池の制御方法および制御装置を提供することにある。
本発明のインピーダンス特性評価方法は、電池のインピーダンス特性を評価するインピーダンス特性評価方法において、測定周波数を変えながら電池のインピーダンスを取得するステップと、前記測定周波数を上昇させたときの前記インピーダンスの実数成分の収束値を前記電池の膜抵抗として算出するステップと、前記電池のインピーダンスから前記膜抵抗を減算することで前記電池の反応抵抗を算出するステップと、前記反応抵抗を算出するステップで算出された前記反応抵抗を示すボード線図を出力するステップと、を備えることを特徴とする。
このインピーダンス特性評価方法によれば、測定周波数を上昇させたときのインピーダンスの実数成分の収束値を電池の膜抵抗として算出し、電池のインピーダンスから上記膜抵抗を減算することで電池の反応抵抗を算出するので、反応抵抗を詳細に解析することができる。
本発明のインピーダンス特性評価方法は、電池のインピーダンス特性を評価するインピーダンス特性評価方法において、測定周波数を変えながら電池のインピーダンスを取得するステップと、前記測定周波数を上昇させたときの前記インピーダンスの実数成分の収束値を前記電池の膜抵抗として算出するステップと、前記電池のインピーダンスから前記膜抵抗を減算することで前記電池の反応抵抗を算出するステップと、前記反応抵抗を算出するステップの算出結果に基づいて、前記反応抵抗における電流値と電圧値の比、および電流と電圧の位相差を前記測定周波数に対応付けたデータを出力するステップと、を備えることを特徴とするインピーダンス特性評価方法。
このインピーダンス特性評価方法によれば、測定周波数を上昇させたときのインピーダンスの実数成分の収束値を電池の膜抵抗として算出し、電池のインピーダンスから上記膜抵抗を減算することで電池の反応抵抗を算出するので、反応抵抗を詳細に解析することができる。
前記インピーダンスを取得するステップでは、直流的な動作点の下で、交流が重畳される電流が取り出される正側本電極および負側本電極それぞれの電位と、電流が取り出されない正側参照電極および負側参照電極それぞれの電位と、を独立して計測することで、正側と負側に分離してインピーダンスを取得し、前記反応抵抗を算出するステップでは、前記反応抵抗を正側と負側に分離して算出してもよい。
前記膜抵抗を算出するステップでは、コールコールプロットにおける実軸との交点を用いて前記膜抵抗を算出してもよい。
前記膜抵抗を算出するステップでは、等価回路に対するフィッティングを用いて前記膜抵抗を算出してもよい。
本発明のインピーダンス特性評価装置は、電池のインピーダンス特性を評価するインピーダンス特性評価装置において、測定周波数を変えながら電池のインピーダンスを取得する測定手段と、前記測定周波数を上昇させたときの前記インピーダンスの実数成分の収束値を前記電池の膜抵抗として算出する膜抵抗算出手段と、前記電池のインピーダンスから前記膜抵抗を減算することで前記電池の反応抵抗を算出する反応抵抗算出手段と、前記反応抵抗算出手段で算出された前記反応抵抗を示すボード線図を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
このインピーダンス特性評価装置によれば、測定周波数を上昇させたときのインピーダンスの実数成分の収束値を電池の膜抵抗として算出し、電池のインピーダンスから上記膜抵抗を減算することで電池の反応抵抗を算出するので、反応抵抗を詳細に解析することができる。
本発明のインピーダンス特性評価装置は、電池のインピーダンス特性を評価するインピーダンス特性評価装置において、測定周波数を変えながら電池のインピーダンスを取得する測定手段と、前記測定周波数を上昇させたときの前記インピーダンスの実数成分の収束値を前記電池の膜抵抗として算出する膜抵抗算出手段と、前記電池のインピーダンスから前記膜抵抗を減算することで前記電池の反応抵抗を算出する反応抵抗算出手段と、前記反応抵抗算出手段の算出結果に基づいて、前記反応抵抗における電流値と電圧値の比、および電流と電圧の位相差を前記測定周波数に対応付けたデータを出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
このインピーダンス特性評価装置によれば、測定周波数を上昇させたときのインピーダンスの実数成分の収束値を電池の膜抵抗として算出し、電池のインピーダンスから上記膜抵抗を減算することで電池の反応抵抗を算出するので、反応抵抗を詳細に解析することができる。
本発明のインピーダンス特性評価方法によれば、測定周波数を上昇させたときのインピーダンスの実数成分の収束値を電池の膜抵抗として算出し、電池のインピーダンスから上記膜抵抗を減算することで電池の反応抵抗を算出するので、反応抵抗を詳細に解析することができる。
本発明のインピーダンス特性評価装置によれば、測定周波数を上昇させたときのインピーダンスの実数成分の収束値を電池の膜抵抗として算出し、電池のインピーダンスから上記膜抵抗を減算することで電池の反応抵抗を算出するので、反応抵抗を詳細に解析することができる。
以下、図1〜図8を参照して、本発明による電池のインピーダンス特性評価方法の実施形態について説明する。




図1は、電池セルのインピーダンス特性を計測する際の接続状態を示す図である。
図1に示すように、燃料電池セル1は、アノード12、電解質膜11およびカソード13を順次積層して構成される。
インピーダンス特性の計測時には、アノード12およびカソード13の間に、インピーダンス計測器2および電子負荷3が直列に接続される。また、演算装置4は、インピーダンス計測器2および電子負荷3の動作を制御するとともに、インピーダンス特性の計測、表示のための演算処理を実行する。
図1に示すように、演算装置4は、測定周波数を変えながら燃料電池セル1のインピーダンスを測定する測定手段41と、測定周波数を上昇させたときのインピーダンスの実数成分の収束値を燃料電池セル1の膜抵抗として算出する膜抵抗算出手段42と、燃料電池セル1のインピーダンスから膜抵抗を減算することで燃料電池セル1の反応抵抗を算出する反応抵抗算出手段43と、反応抵抗算出手段43で算出された反応抵抗を示すボード線図を出力する出力手段44と、を構成する。
図2は、インピーダンス特性を計測する手順を示すフローチャートである。
図2のステップS1では、測定手段41の制御に基づき、電子負荷3の負荷電流に重畳する交流の周波数(測定周波数)を変えながら燃料電池セル1のインピーダンスを測定する。ここでは、電池セルの発電条件、環境条件、構成要素変更など、電池セルを評価する際の条件が1つ選択され、この条件下での測定が行われる。
ここでは、負荷電流として直流成分(Idc)に加えて十分振幅の小さな交流成分(Iac)を重畳した電流(Idc+Iac)を与える。一般的には、この交流成分として正弦波が使用される。インピーダンス計測器2は、この電流摂動に対する電池電圧(Vdc+Vac)の変化を測定し、交流成分のゲイン特性、位相遅れを得る。測定周波数を順次変えながら、それぞれの周波数でのゲインおよび位相を測定することで、燃料電池セル1のインピーダンス特性を得ることができる。
図3(a)は、このようにして測定されたインピーダンス特性を複素平面図により示す図である。
次に、ステップS2では、膜抵抗算出手段42により、ステップS1において測定されたインピーダンス特性に基づいて、膜抵抗Zmemを算出する。
ここでは、インピーダンス特性のグラフ(図3(a))と実軸との交点の座標を燃料電池セル1の膜抵抗Zmemとして算出することができる。グラフ(図3(a))と実軸との交点は、測定周波数を上昇させたときのインピーダンスの実数成分の収束値に相当している。このように、膜抵抗Zmemは実数部だけをもち、虚数成分をもたない。
グラフ上の交点を用いる代わりに、図4に示すような燃料電池セル1の等価回路の素子の定数をフィッティングにより求め、抵抗R1の値を膜抵抗Zmemとしてもよい。なお、図4において、抵抗R2、コンデンサC2、抵抗R3、コンデンサC3、抵抗R4、コンデンサC4、抵抗R5およびコンデンサC5からなる回路は、反応抵抗に相当する。等価回路は図4に示すものに限定されず、燃料電池セルのインピーダンス特性に応じて適切な等価回路が選択される。
次に、ステップS3では、反応抵抗算出手段43において燃料電池セル1のインピーダンスから膜抵抗Zmemを減算することにより、燃料電池セル1の反応抵抗Zracを算出する。
ここで、燃料電池セル1の実数部をZreal、虚数部をZimg、反応抵抗Zracの実数部をZ´real、虚数部をZ´img、位相角をθ´とすると、
Figure 0005288166
が成立する。
図3(b)は、燃料電池セル1のインピーダンスを膜抵抗Zmemおよび反応抵抗Zracに分離した様子を示す図である。また、図3(c)は、膜抵抗Zmemを減算することにより得られた反応抵抗Zracのインピーダンス特性を示す図である。
次に、ステップS4では、出力手段44により、反応抵抗Zracのインピーダンス特性を示すボード線図を出力し、モニタ5に表示する。また、ボード線図はデータファイルおよび印刷物として出力されるとともに、必要に応じてデータファイルが保存される。
ステップS5では、処理の終了が指示されているか否か判断し、判断が肯定されれば処理を終了し、判断が否定されればステップS6へ進む。
ステップS6では、電池セルの発電条件、環境条件、構成要素変更など、電池セルを評価する際の条件を変更し、ステップS1へ戻る。
このように、本実施形態のインピーダンス特性評価方法によれば、膜抵抗と反応抵抗を分離することで、周波数に依存する特性を有する反応抵抗について、膜抵抗の挙動に影響されることなく、その周波数特性を単独で再計算することが可能となる。これにより、反応抵抗のみを抽出して詳細な解析・評価を行うことができる。また、ボード線図を見ることにより、ゲイン変化と位相変化を区別できる。
さらに、本実施形態のインピーダンス特性評価方法によれば、電池セルに与える条件を変えながら、繰り返し反応抵抗Zracを算出し、そのインピーダンス特性をボード線図として表示させるため、異なる条件下で反応抵抗Zracが変化する様子を比較することができる。例えば、ボード線図に表れるゲイン変化は反応過電圧の変化として捉えることができ、ボード線図に表れる位相変化は反応速度の変化として捉えることで、電池セルを評価することができる。したがって、反応に必要な過電圧が変化したのか、またはその反応速度が変化したのか、あるいは双方が共に変化したのか、等を正確に調べることが可能となる。
本発明によるインピーダンス特性評価方法は、参照電極を用いてインピーダンス特性をアノード側およびカソード側で分離して計測する手法に適用することもできる。
図5は、参照電極を利用して燃料電池のインピーダンス特性をアノード側およびカソード側で分離して計測する方法を示す図である。
図5に示すように、燃料電池1Aは、固体高分子膜11と、固体高分子膜11と電気的に絶縁されたカソード電極12と、カソード電極12と同様に固体高分子膜11と電気的に絶縁され、固体高分子膜11を挟んでカソード電極12と対向するアノード電極13とを備える。
カソード電極12は、固体高分子膜11の側から外側に向けて順次、触媒層、拡散層、およびセパレータ(不図示)を積層して構成される。同様に、アノード電極13は、固体高分子膜11の側から外側に向けて順次、触媒層、拡散層、およびセパレータ(不図示)を積層して構成される。カソード電極12およびアノード電極13を構成する上記セパレータには、それぞれ燃料ガスを供給するガス流路が形成されている。
図5に示すように、カソード電極12は、互いに絶縁されたカソード本電極12Aおよびカソード参照電極12Bに分割され、アノード電極13は、互いに絶縁されたアノード本電極13Aおよびアノード参照電極13Bに分割されている。図5に示すように、カソード参照電極12Bおよびアノード参照電極13Bは、同一領域で互いに対向して配置されている。
図5に示す計測手法では、カソード本電極12Aとカソード参照電極12Bの間の電圧(カソード過電圧Vca)を計測する電圧計測モジュール501と、アノード本電極13Aとアノード参照電極13Bの間の電圧(アノード過電圧Van)を計測する電圧計測モジュール502と、カソード本電極12Aとアノード本電極13Aの間の電圧(燃料電池電圧Vfc)を計測する電圧計測モジュール503と、電子負荷装置3に流れる電流(負荷電流I)を計測する電流計測モジュール504とを用いる。電圧計測モジュール501,502,503および電流計測モジュール504の計測値は、演算装置4(図1)の測定手段41に与えられる。
次に、インピーダンス計測の手順について説明する。
インピーダンス計測時には、電子負荷装置3に対して、インピーダンス計測を行う周波数、直流電流値、重畳交流電流振幅を設定し、燃料電池への電流負荷を制御する。交流成分が重畳された電流負荷に対して、燃料電池電圧Vfc、カソード過電圧Vca、およびアノード過電圧Vanのそれぞれの波形を電圧モジュール503、501および502で計測し、計測手段41において、交流電流負荷に対する各3つの電圧(燃料電池電圧Vfc、カソード過電圧Vca、およびアノード過電圧Van)の交流成分のゲインおよび位相に基づきインピーダンスZan、ZcaおよびZfcを求める。ここで、インピーダンスZan、ZcaおよびZfcは、それぞれ、アノード過電圧Van、カソード過電圧Vca、および燃料電池電圧Vfcに対応する燃料電池の内部インピーダンスに相当する。
順次、重畳交流電流振幅の周波数を変えてインピーダンス計測を行い、図6に示すようなインピーダンス(Zan、Zca、Zfc)のコールコールプロットを得ることができる。
図6に示す複素平面図において、燃料電池の固体高分子膜1のプロトン伝導抵抗を表すものが、「Rmem_fc」である。同様に、カソード過電圧(Vca)に対応するインピーダンス(Zca)から「Rmem_ca」、アノード過電圧(Van)に対応するインピーダンス(Zan)から「Rmem_an」を求めることができる。上記アノード、カソードのインピーダンスの高周波側のゼロクロスの抵抗値Rmem_an、Rmem_caを、それぞれ燃料電池の固体高分子膜のアノード側の膜抵抗値Zan_memおよびカソード側の膜抵抗値Zca_memとして算出することができる。また、燃料電池全体の膜抵抗値Zfc_memは、アノード側の膜抵抗値Zan_memおよびカソード側の膜抵抗値Zca_memの和として算出される。
また、カソード側のインピーダンスZcaからカソード側の膜抵抗値Zca_memを減算することにより、カソード側の反応抵抗Zca_ractが算出される。さらに、アノード側のインピーダンスZanからアノード側の膜抵抗値Zan_memを減算することにより、アノード側の反応抵抗Zan_ractが算出される。
以下、膜抵抗および反応抵抗の算出方法を詳細に説明する。カソード側、アノード側および電池全体について同一手法が適用できるため、ここでは、Zca_mem、Zan_memおよびZfc_memをZmemにより、Zca_ract、Zan_ractおよびZfc_racをZracにより、それぞれ代表する。
図7(a)は、測定されたインピーダンス特性を複素平面図により示す図である。
まず、測定されたインピーダンス特性に基づいて、膜抵抗Zmenを算出する。ここでは、インピーダンス特性のグラフ(図7(a))と実軸との交点の座標を膜抵抗Zmemとして算出することができる。グラフ(図7(a))と実軸との交点は、測定周波数を上昇させたときのインピーダンスの実数成分の収束値に相当している。このように、膜抵抗Zmemは実数部だけをもち、虚数成分をもたない。
次に、燃料電池セルのインピーダンスから膜抵抗Zmemを減算することにより、燃料電池セル各部の反応抵抗Zractを算出する。
ここで、燃料電池セルの実数部をZreal、虚数部をZimg、反応抵抗Zractの実数部をZ´real、虚数部をZ´img、位相角をθ´とすると、
Figure 0005288166
が成立する。
図7(b)は、燃料電池セル各部のインピーダンスを膜抵抗Zmemおよび反応抵抗Zracに分離した様子を示す図である。また、図7(c)は、膜抵抗Zmemを減算することにより得られた反応抵抗Zractのインピーダンス特性を示す図である。
グラフ上の交点を用いる代わりに、図4に示すような等価回路の素子の定数をフィッティングにより求めてもよい。この場合、抵抗R1の値が膜抵抗Zmemとなる。また、図4において、抵抗R2、コンデンサC2、抵抗R3およびコンデンサC3からなる回路は、アノード側の反応抵抗に相当し、抵抗R4、コンデンサC4、抵抗R5およびコンデンサC5からなる回路は、カソード側の反応抵抗に相当する。等価回路は図4に示すものに限定されず、燃料電池セル各部のインピーダンス特性に応じて計測時の電流値ごとに適切な等価回路が選択される。
反応抵抗Zracの算出結果は、出力手段44からボード線図として出力され、モニタ5に表示される。また、ボード線図はデータファイルおよび印刷物として出力されるとともに、必要に応じてデータファイルが保存される。
このように、図5に示す計測手法によれば、膜抵抗、カソード側の反応抵抗およびアノード側の反応抵抗を独立して求めることができるとともに、カソード側の反応抵抗およびアノード側の反応抵抗を独立したボード線図により表現することができる。このため、カソード側の反応抵抗およびアノード側の反応抵抗の周波数特性を独立して評価することが可能となり、電池セルをより詳細に評価することができる。
図5に示す計測手法では、電池セルに与える条件を変えながら、繰り返し反応抵抗Zracを算出し、そのインピーダンス特性をボード線図として表示させるため、異なる条件下でカソード側およびアノード側の反応抵抗Zracが変化する様子を比較することができる。また、カソード側およびアノード側における条件を独立して変化させることで、カソード側およびアノード側それぞれの最適条件等を容易に探索することも可能となる。
また、等価回路によるフィッティングを行う場合には、複雑な反応抵抗についても、選択した等価回路要素の変化だけを取り出して評価することができるため、異なる条件下でインピーダンスの比較をする場合でも、等価回路要素ごとの比較ができ、より詳細な解析が可能となる。
本発明のインピーダンス特性評価方法により得られた反応抵抗のインピーダンス特性を、電池の制御に利用することもできる。予め電池セルの反応抵抗のインピーダンス特性を算出しておくことにより、稼働中の電池の反応抵抗に応じた制御が可能となる。
図8は、反応抵抗のインピーダンス特性を利用した制御を行うための制御ブロックを示している。
稼働中の電池セル1には負荷6が接続され、電池セル1から負荷6に直流電流Idc1が供給される。また、電子負荷3により交流電流Iac1が重畳される。インピーダンス計測器21は、交流成分のゲインおよび位相(フェーズ)に基づき稼働中の電池セル1のインピーダンス計測を行う。
図8に示す制御手段7は、制御アルゴリズムに従い、インピーダンス計測器21による計測値に応じた制御を実行する。制御手段7により、例えば、電池セル1のドライ状態等を制御することができる。
制御アルゴリズムは、本発明のインピーダンス特性評価方法を用いて予め電池セル1の反応抵抗を算出し、その算出結果に基づいて作成する。
次に、上記制御アルゴリズムに従う制御手段7の動作について説明する。
電池1の稼働中、電子負荷3により負荷電流である直流電流Idc1に交流電流Iac1を重畳させ、インピーダンスのゲイン変化および位相変化を抽出する。予備的なインピーダンス計測により、電池セル1の反応抵抗と電池セル1の状態(測定条件)との関係は予め判っているため、交流電流Iac1の周波数は制御に必要な数に限定することができる。例えば、反応抵抗のゲイン変化および位相変化を捉えることができる固定周波数としてもよい。また、膜抵抗を抽出し分離するための高い周波数を加えることで、膜抵抗成分を減算することにより反応抵抗を正確に抽出することができる。
また、制御アルゴリズムを作成するための測定時、および電池セルの稼動時における測定時に、参照電極を用いてインピーダンス特性をアノード側およびカソード側で分離して計測する手法(図5)を適用することで、アノード側およびカソード側をそれぞれ独立して制御することも可能となる。
本発明の適用範囲は上記実施形態に限定されることはない。本発明は、電池のインピーダンス特性を評価するインピーダンス特性評価方法に対し、広く適用することができる。

電池セルのインピーダンス特性を計測する際の接続状態を示す図。 図2は、インピーダンス特性を計測する手順を示すフローチャート。 インピーダンス特性を示す図であり、(a)は、燃料電池セルのインピーダンス特性を示す図、(b)は、燃料電池セルのインピーダンスを膜抵抗Zmemおよび反応抵抗Zracに分離した様子を示す図、(c)は、膜抵抗Zmemを減算することにより得られた反応抵抗Zracのインピーダンス特性を示す図。 フィッティングの方法を示す図であり、(a)は燃料電池セルの等価回路を例示する図、(b)は測定系のインピーダンスの影響で、測定周波数を上昇させたときにインピーダンスが実数成分に収束しない場合を例示する図、(c)は測定系のインピーダンスを加えた等価回路を示す図。 参照電極を利用して燃料電池の過電圧をアノード側およびカソード側で分離して計測する方法を示す図。 インピーダンス(Zan、Zca、Zfc)の複素平面図(コールコールプロット)を示す図。 複素平面図を用いたインピーダンスの導出方法を示す図であり、(a)は、測定されたインピーダンス特性を複素平面図により示す図、(b)は、燃料電池セル各部のインピーダンスを膜抵抗Zmenおよび反応抵抗Zracに分離した様子を示す図、(c)は、膜抵抗Zmemを減算することにより得られた反応抵抗Zracのインピーダンス特性を示す図。 反応抵抗のインピーダンス特性を利用した制御を行うための制御ブロックを示す図。
符号の説明
7 制御手段
41 測定手段
42 膜抵抗算出手段
43 反応抵抗算出手段
44 出力手段

Claims (7)

  1. 電池のインピーダンス特性を評価するインピーダンス特性評価方法において、
    測定周波数を変えながら電池のインピーダンスを取得するステップと、
    前記測定周波数を上昇させたときの前記インピーダンスの実数成分の収束値を前記電池の膜抵抗として算出するステップと、
    前記電池のインピーダンスから前記膜抵抗を減算することで前記電池の反応抵抗を算出するステップと、
    前記反応抵抗を算出するステップで算出された前記反応抵抗を示すボード線図を出力するステップと、
    を備えることを特徴とするインピーダンス特性評価方法。
  2. 電池のインピーダンス特性を評価するインピーダンス特性評価方法において、
    測定周波数を変えながら電池のインピーダンスを取得するステップと、
    前記測定周波数を上昇させたときの前記インピーダンスの実数成分の収束値を前記電池の膜抵抗として算出するステップと、
    前記電池のインピーダンスから前記膜抵抗を減算することで前記電池の反応抵抗を算出するステップと、
    前記反応抵抗を算出するステップの算出結果に基づいて、前記反応抵抗における電流値と電圧値の比、および電流と電圧の位相差を前記測定周波数に対応付けたデータを出力するステップと、
    を備えることを特徴とするインピーダンス特性評価方法。
  3. 前記インピーダンスを取得するステップでは、直流的な動作点の下で、交流が重畳される電流が取り出される正側本電極および負側本電極それぞれの電位と、電流が取り出されない正側参照電極および負側参照電極それぞれの電位と、を独立して計測することで、正側と負側に分離してインピーダンスを取得し、
    前記反応抵抗を算出するステップでは、前記反応抵抗を正側と負側に分離して算出することを特徴とする請求項1または2に記載のインピーダンス特性評価方法。
  4. 前記膜抵抗を算出するステップでは、コールコールプロットにおける実軸との交点を用いて前記膜抵抗を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインピーダンス特性評価方法。
  5. 前記膜抵抗を算出するステップでは、等価回路に対するフィッティングを用いて前記膜抵抗を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインピーダンス特性評価方法。
  6. 電池のインピーダンス特性を評価するインピーダンス特性評価装置において、
    測定周波数を変えながら電池のインピーダンスを取得する測定手段と、
    前記測定周波数を上昇させたときの前記インピーダンスの実数成分の収束値を前記電池の膜抵抗として算出する膜抵抗算出手段と、
    前記電池のインピーダンスから前記膜抵抗を減算することで前記電池の反応抵抗を算出する反応抵抗算出手段と、
    前記反応抵抗算出手段で算出された前記反応抵抗を示すボード線図を出力する出力手段と、
    を備えることを特徴とするインピーダンス特性評価装置。
  7. 電池のインピーダンス特性を評価するインピーダンス特性評価装置において、
    測定周波数を変えながら電池のインピーダンスを取得する測定手段と、
    前記測定周波数を上昇させたときの前記インピーダンスの実数成分の収束値を前記電池の膜抵抗として算出する膜抵抗算出手段と、
    前記電池のインピーダンスから前記膜抵抗を減算することで前記電池の反応抵抗を算出する反応抵抗算出手段と、
    前記反応抵抗算出手段の算出結果に基づいて、前記反応抵抗における電流値と電圧値の比、および電流と電圧の位相差を前記測定周波数に対応付けたデータを出力する出力手段と、
    を備えることを特徴とするインピーダンス特性評価装置。
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