以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。まず、図1を用いて、この発明の一実施形態による撮像装置の概略について説明する。
デジタルカメラまたはビデオカメラである撮像装置1は、非接触型ICカード2(以下、ICカード2と称して説明する)と通信するカードリーダ11を有している。このカードリーダ11とICカード2とは、たとえば、FeliCa(登録商標)のような、非接触型の短距離通信ができるリーダ装置とICカードである。
この撮像装置1とICカード2とは、ケース3の内部に、それぞれ収容されている。たとえば、ケース3は、撮像装置1を収容する第1の収容領域(カメラ収納用スペース)と、ICカード2を収容する第2の収容領域(カード収納用スペース)とを、内部に有している。
そして、ユーザは、ケース3のカメラ収納用スペースに撮像装置1を収容するとともに、ケース3のカード収納用スペースにICカード2を収容する。このケース3に撮像装置1とICカード2とがそれぞれ収容されている場合には、撮像装置1とICカード2との間の距離が通信可能な距離であるために、撮像装置1とICカード2とは通信可能である。
その後、たとえば、ユーザが撮像装置1により撮影をする場合には、ユーザは、ケース3から撮像装置1を取り出して撮影をする。この場合、撮像装置1はケース3から取り出されるものの、ICカード2はケース3に収容されたままである。このように、このケース3から撮像装置1が取り出されており、かつ、このケース3にICカード2が収容されている場合には、撮像装置1とICカード2との間の距離が通信可能な距離でないために、撮像装置1とICカード2とは通信不可能である。
ここで本実施形態においては、撮像装置1は、ユーザにより電源ボタンが押下された場合に、カードリーダ11によりICカード2と通信可能であるか否かを判定し、通信可能である場合には、撮像装置1を起動させないようにし、逆に、通信可能でない場合には、撮像装置1を起動させるようにする。
これにより、撮像装置1は、ケース3に収容されている場合には、撮像装置1とICカード2とが通信可能であるために、電源ボタンが押下されたとしても、撮像装置1は起動することがない。逆に、撮像装置1が、例えば、ユーザが撮影を行う場合等のようにケース3から取り出された場合には、撮像装置1とICカード2とが通信不可能であるために、電源ボタンが押下されると、撮像装置1は起動する。
このようにして、本実施形態による撮像装置1によれば、使用者が意図しない誤動作による電源オンを防止するとともに、簡易に、かつ、迅速に、電源オンすることができる。
<第1の実施形態>
次に、図2を用いて、第1の実施形態による撮像装置1の構成について説明する。撮像装置1は、制御部10、カードリーダ11、不揮発性メモリ12、入力装置13、揮発性メモリ14、外部メモリ15、レンズ鏡筒制御部16、CCD部17、画像信号処理部18、識別情報記憶部19、を有している。
CCD部17は、たとえば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサである。不揮発性メモリ12は、たとえば、ROM(Read Only Member)である。この不揮発性メモリ12には、撮像装置1を制御するための制御情報や、予め定められている撮影方法などの撮影情報が予め記憶されている。制御部10は、この不揮発性メモリ12から読み出した制御情報または撮影情報に基づいて、自撮像装置1を制御する。
揮発性メモリ14は、たとえば、RAM(Random Access Memory)である。この揮発性メモリ14は、撮影された画像を一時的に記憶することや、撮像装置1での一時的な処理に用いられる。外部メモリ15は、たとえば、コンパクトフラッシュ(登録商標)やSDメモリーカードであり、撮影された画像を記憶することに用いられる。この外部メモリ15は、たとえば、撮像装置1から脱着可能な不揮発性の記憶装置である。
入力装置13は、電源オンボタン、電源オフボタン、撮影ボタン、ズームボタン、パンボタン、表示されたメニューの中からユーザが項目を選択するための選択キーなどを有している。ここでは、電源オンボタンと電源オフボタンとは、電源ボタンとして一体にされているものとして説明する。
たとえば、入力装置13は、撮像装置1が電源オフ状態で電源ボタンが押下された場合には、電源オン信号(起動信号)を出力し、逆に、撮像装置1が電源オン状態で電源ボタンが押下された場合には、電源オフ信号を出力する。なお、入力装置13、レンズ鏡筒制御部16、CCD部17、画像信号処理部18、および、図示しない表示部に、電源が供給されている状態、すなわち、電源がオフにされている状態が電源オフ状態であり、逆に、電源が供給されていない状態、すなわち電源がオンにされている状態が電源オン状態である。
制御部10は、入力装置13の内のズームボタンまたはパンボタンが押下されたことに応じて、たとえば、レンズ鏡筒制御部16を介してズームレンズ161を制御して、ズームまたはパンする。また、制御部10は、入力装置13の内の撮影ボタンが半押しされたことに応じて、たとえば、レンズ鏡筒制御部16を介してフォーカスレンズ162を制御して、撮影対象にフォーカスする。
また、制御部10は、入力装置13の内の撮影ボタンが完全に押下されたことに応じて、画像信号処理部18を介して撮影をする。たとえば、撮影の処理は、次のようにして実行される。まず、レンズ鏡筒制御部16により制御されたズームレンズ161およびフォーカスレンズ162などのレンズを介して外部から入力された光を、CCD部17が電気信号に変換し、この電気信号を画像信号処理部18が画像に変換する。次に、画像信号処理部18が、この変換した画像を、制御部10を介して、揮発性メモリ14または外部メモリ15に記憶させる。
識別情報記憶部19には、ICカード2を識別する識別情報が予め記憶されている。なお、ICカード2には、内部に自ICカード2を識別するカードID(IDentification)情報である識別情報が予め記憶されており、ICカード2は通信をする場合、この識別情報を含めて送信する。
カードリーダ11は、ICカード2からの情報を読み取る。このカードリーダ11は、たとえば、非接触型認識素子部111と、非接触型認識部112と、を有している。非接触型認識素子部111は、たとえば、ICカード2と通信をするアンテナ部である。非接触型認識部112は、非接触型認識素子部111を制御することにより、ICカード2からの情報を受信し、このICカード2から受信した情報を制御部10へ出力する。
制御部10は、カードリーダ11が読み取った情報を取得し、この取得した情報に基づいて、自撮像装置1で実行される処理を制限する。たとえば、制御部10は、カードリーダ11を介してICカード2からの情報を取得したか否かという判定結果に基づいて、自撮像装置1を起動させるまたは起動させない制御を行う。具体的には、制御部10は、カードリーダ11を介して、ICカード2からの情報を取得しなかった場合には、自撮像装置1を起動させ、ICカード2からの情報を取得した場合には、自撮像装置1を起動させないようにする。
なお、ICカード2とカードリーダ11とは、図1を用いて説明したように、撮像装置1がケース3に収容されている場合におけるICカード2とカードリーダ11との距離においては通信可能であり、撮像装置1がケース3から取り出されている場合におけるICカード2とカードリーダ11との距離においては通信不可能である。
また、制御部10は、入力装置13からの電源オン信号が入力されたことに応じて、カードリーダ11を介してICカード2からの情報を取得する。この電源オン信号とは、上述したように、入力装置13の内の電源ボタンが押下されたことにより、入力装置13から制御部10に出力される信号である。
また、制御部10は、電源オン信号が入力されたことに応じて、カードリーダ11を起動させ、当該起動させたカードリーダ11を介してICカード2からの情報を取得する。また、制御部10は、ICカード2からの情報を取得した後に、カードリーダ11を停止させる。
また、制御部10は、カードリーダ11を介してICカード2から取得した情報に含まれている当該ICカード2を識別する識別情報が、識別情報記憶部19に記憶されている識別情報と一致する場合に、取得した情報に基づいて、自撮像装置1で実行される処理を制限する。たとえば、制御部10は、カードリーダ11がICカード2から取得した情報に含まれている当該ICカード2を識別する識別情報が、識別情報記憶部19に記憶されている識別情報と一致する場合には自撮像装置1を起動させず、逆に、一致しない場合には自撮像装置1を起動させる。
次に、図3を用いて、図2を用いて説明した第1の実施形態による撮像装置1の動作について説明する。
まず、撮像装置1は、電源オフ状態とされている(ステップS301)。この電源オフ状態において、入力装置13の内の電源ボタンが押下されたことにより、入力装置13から制御部10に電源オン信号が入力される(ステップS302)。次に、制御部10は、電源オン信号が入力されたことに応じて、カードリーダ11を起動させ(ステップS303)、当該起動させたカードリーダ11を介してICカード2からの情報を取得する(ステップS304)。
次に、制御部10は、ICカード2からの情報を取得したか否かという判定をする(ステップS305)。このステップ305において、ICカード2からの情報を取得しなかったと判定された場合には、制御部10は、後述するステップS307へ処理を進める。
一方、ステップ305において、ICカード2からの情報を取得したと判定された場合には、制御部10は、カードリーダ11を介してICカード2から取得した情報に含まれている当該ICカード2を識別する識別情報が、識別情報記憶部19に記憶されている識別情報と一致するか否かを判定する(ステップS306)。
このステップS306において、一致すると判定された場合には、制御部10は、自撮像装置1を起動させないようにする。次に、制御部10は、カードリーダ11の電源をオフにする(ステップS312)。その後、撮像装置1は、ステップS301の電源オフ状態に戻る。
一方、ステップS306において、一致しないと判定された場合には、制御部10は、自撮像装置1を起動して電源オンさせ(ステップS307)、その後、カードリーダ11の電源をオフにする(ステップS308)。これにより、撮像装置1は、電源オン状態となる(ステップS309)。
このステップS309の電源オン状態において、ユーザは入力装置13の内の撮影ボタン、ズームボタン、パンボタン、および、選択キーを操作して、撮影などを行う。その後、ユーザが入力装置13の内の電源ボタンを押下したことに応じて、入力装置13が電源オフ信号を制御部10に出力する。この電源オフ信号が入力されたことに応じて(ステップS310)、制御部10は、レンズ鏡筒制御部16を介してズームレンズ161やフォーカスレンズ162などのレンズを、自撮像装置1が収容される場合の状態とした後に、自撮像装置1を電源オフにする(ステップS311)。その後、撮像装置1は、ステップS301の電源オフ状態に戻る。
以上、図2と図3とを用いて説明したように、第1の実施形態による撮像装置1によれば、使用者が意図しない誤動作による電源オンを防止するとともに、簡易に、かつ、迅速に、電源オンすることができる。
また、制御部10は、電源オン信号が入力されたことに応じて、カードリーダ11を起動させるとともに、カードリーダ11がICカード2からの情報を読み取った後には、カードリーダ11を停止させる(図2のステップS303、S308およびS312参照)。これにより、常にカードリーダ11が動作していることがなく、カードリーダ11が動作している期間が限られているために、カードリーダ11で消費される電力を低減することができる。また、カードリーダ11が動作している期間が限られているために、カードリーダ11から出力される通信用の電磁波により他の電子機器に与える影響を低減することができる。
また、制御部10は、カードリーダ11を介してICカード2から取得した情報に含まれている当該ICカード2を識別する識別情報が、識別情報記憶部19に記憶されている識別情報と一致する場合には、自撮像装置1を起動させず、逆に、一致しない場合には、自撮像装置1を起動させるようにする(図3のステップS306参照)。これにより、撮像装置1は、この撮像装置1用でないICカード2によっては制御されないようにし、この撮像装置1用のICカード2により、制御することができるようにすることができる。
また、この識別情報記憶部19に、複数の識別情報が記憶されるようにしてもよい。例えば、1つの撮像装置1に対して、複数のICカード2が対応付けられるようにしてもよい。これにより、後述するように、ICカードを保管用のICカード2と移動用のICカード2のように使い分けることもできる。また、後述するように、ICカードを大人用のICカード2と子供用のICカード2のように使い分けることもできる。
上述した本実施形態による撮像装置1によれば、ユーザは、撮像装置1のホールドスイッチを解除すること無しに、単に、撮像装置1をケース3から取り出すだけで、撮像装置1を電源オンにすることができる。よって、撮影チャンスを逃すことを低減することができる。
また、本実施形態によれば、不用意に電源ボタンがオンされるのを防止するために、例えば、撮像装置の外側にホールドスイッチを設ける必要がないために、撮像装置のデザインにおける自由度が制限されないという効果がある。
ここで、制御部10の処理の一例について説明する。制御部10は、たとえば、通常の処理を実行する通常動作モードと、この通常動作モードよりも消費電力が少ないスタンバイモードとを有している。この場合、制御部10については、このスタンバイモードが上述した電源オフ状態に対応し、通常動作モードが上述した電源オン状態に対応する。
そして、この場合、電源オフモードすなわちスタンバイモードの制御部10は、起動信号が入力されたことにより、まず、自制御部10を、スタンバイモードから通常動作モードに遷移させる。その後、通常動作モードとなった制御部10が、カードリーダ11を起動させて、ICカード2からの情報を取得する。
その後、制御部10が自撮像装置1を起動させる場合には、たとえば、制御部10が、入力装置13、レンズ鏡筒制御部16、CCD部17、画像信号処理部18、および、表示部を、オンさせて、自撮像装置1を起動させる処理を実行する。逆に、制御部10が自撮像装置1を起動させない場合には、制御部10は、入力装置13、レンズ鏡筒制御部16、CCD部17、画像信号処理部18、および、表示部を、オフのままにしておき、自制御部10を、通常動作モードからスタンバイモードに遷移させる。
ここでは、一例として、制御部10が、通常動作モードとスタンバイモードとを有している場合について説明したが、これに限られるものではない。たとえば、制御部10が、通常の動作を行うメイン制御部と、このメイン制御部よりも消費電力が少ないサブ制御部とを有するようにしてもよい。そして、撮像装置1が電源オフ状態においては、サブ制御部のみが動作しているようにする。また、たとえば、サブ制御部は、電源オン状態と電源オフ状態との両方の状態で動作しているものとする。
この場合、たとえば、撮像装置1が電源オフ状態において動作しているサブ制御部が、起動信号が入力されたことに応じて、カードリーダ11を起動させて、ICカード2からの情報を取得する。
その後、制御部10のサブ制御部が自撮像装置1を起動させる場合には、たとえば、制御部10のサブ制御部が、入力装置13、レンズ鏡筒制御部16、CCD部17、画像信号処理部18、および、表示部を、オンさせるとともに、制御部10のメイン制御部をオンさせて自撮像装置1を起動させる。以降の電源オン状態では、制御部10のメイン制御部が処理を実行する。逆に、制御部10のサブ制御部が自撮像装置1を起動させない場合には、制御部10のサブ制御部は、入力装置13、レンズ鏡筒制御部16、CCD部17、画像信号処理部18、および、表示部とともに、制御部10のメイン制御部をオフのままにしておき、自撮像装置1を起動させない処理を実行する。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態による撮像装置1の構成について説明する。ここでは、第2の実施形態による撮像装置1の構成において、図2を用いて説明した第1の実施形態による撮像装置1との相違点のみについて説明する。
まず、第1の実施形態による撮像装置1に対比して、制御部10が、ICカード2からの情報を取得した場合には自撮像装置1を起動させ、ICカード2からの情報を取得しなかった場合には自撮像装置1を起動させない点が異なる。
次に、制御部10が、カードリーダ11を介してICカード2から取得した情報に含まれている当該ICカード2を識別する識別情報が、識別情報記憶部19に記憶されている識別情報と一致する場合には自撮像装置1を起動させ、逆に、一致しない場合には自撮像装置1を起動させない点が異なる。
次に、図4を用いて、第2の実施形態による撮像装置1の動作について説明する。なお、図3と同一の処理については同一の符号を付し、その説明を省略する。また、ここでは、図3と異なる処理についてのみ説明する。
ステップ304に続いて、制御部10は、ICカード2からの情報を取得したか否かという判定をする(ステップS305A)。このステップS305Aにおいて、ICカード2からの情報を取得しなかったと判定された場合には、制御部10は、自撮像装置1を起動させないようにする。その後、制御部10は、カードリーダ11の電源をオフにする(ステップS312)。その後、撮像装置1は、ステップS301の電源オフ状態に戻る。
一方、ステップ305Aにおいて、ICカード2からの情報を取得したと判定された場合には、制御部10は、カードリーダ11を介してICカード2から取得した情報に含まれている当該ICカード2を識別する識別情報が、識別情報記憶部19に記憶されている識別情報と一致するか否かを判定する(ステップS306A)。
このステップS306Aにおいて、一致しなかったと判定された場合には、制御部10は、自撮像装置1を起動させないようにする。その後、制御部10は、カードリーダ11の電源をオフにする(ステップS312)。その後、撮像装置1は、ステップS301の電源オフ状態に戻る。
一方、ステップS306Aにおいて、一致したと判定された場合には、制御部10は、自撮像装置1を起動して電源オンさせ(ステップS307)、その後、カードリーダ11の電源をオフにする(ステップS308)。これにより、撮像装置1は、電源オン状態となる(ステップS309)。このステップS309以降の処理は、図3の場合と同様である。
この第2の実施形態によれば、撮像装置1は、ICカード2と通信できない場合には起動しない。そのため、たとえば、撮像装置1を盗難された場合であっても、撮像装置1を不正に使用されないという効果を奏する。よって、撮像装置1とICカード2とを別に管理しておくことにより、盗難による不正な操作を防止することができる。また、撮像装置1が内蔵する不揮発性メモリ12に記憶されている画像を、不正に利用されることを防止することも可能である。
<第3の実施形態>
次に、図5を用いて、第3の実施形態による撮像装置1の構成について説明する。図5に示す第3の実施形態による撮像装置1の構成において、図2を用いて説明した第1または第2の実施形態による撮像装置1と同一の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略し、相違点についてのみ説明する。なお、図6のステップS307からS312は、図3のステップS307からS312に対応し、図6のステップS407からS412は、図4のステップS307からS312に対応する。
起動モード記憶部21には、ICカード2からの情報を取得した場合に自撮像装置1を起動させるか否かを示す起動モード情報が予め記憶されている。起動モード設定部22は、ユーザによる入力装置13の操作により入力された起動モード情報を、起動モード記憶部21に記憶させる。
この起動モード設定部22は、たとえば、ユーザによる入力装置13の操作により入力された起動モード情報を起動モード記憶部21に記憶させる場合に、更に、パスワードの入力をユーザに要求し、この入力されたパスワードと予め記憶されているパスワードとが一致するか否かを判定することにより認証処理を実行するようにしてもよい。このパスワードは、たとえば、制御部10が、図示しない表示部に、ソフトウェアキーボードを表示する。そして、この表示したソフトウェアキーボード上の文字や数字を、ユーザが、入力装置13の内の選択キーを操作することにより選択して入力する。
制御部10は、起動モード記憶部21から読み出した起動モード情報が、ICカード2からの情報を取得した場合に起動させることを示す場合において、ICカード2からの情報を取得した場合には自撮像装置1を起動させ、ICカード2からの情報を取得しなかった場合には自撮像装置1を起動させない。
逆に、制御部10は、起動モード記憶部21から読み出した起動モード情報が、ICカード2からの情報を取得した場合に起動させないことを示す場合において、ICカード2からの情報を取得した場合には自撮像装置1を起動させず、ICカード2からの情報を取得しなかった場合には自撮像装置1を起動させる。
なお、第1の制限情報記憶部23と、第2の制限情報記憶部24とについては、後述する第4の実施形態において説明する。
次に、図6を用いて、第3の実施形態による撮像装置1の動作について説明する。なお、図3または図4と同一の処理については同一の符号を付し、その説明を省略する。ここでは、図3または図4と異なる処理についてのみ説明する。
ステップ304に続いて、制御部10は、起動モード記憶部21から読み出した起動モード情報が、ICカード2からの情報を取得した場合に起動させることを示すか否かを判定する(ステップS320)。
このステップS320において、起動させないことを示す場合には、制御部10は、ICカード2からの情報を取得したか否かという判定をする(ステップS305)。このステップ305以降の処理は、図3を用いて説明したステップS307からステップS311およびステップS312の処理と同様である(図6のステップS307からステップS311およびステップS312を参照)。
逆に、ステップS320において、起動させることを示す場合には、制御部10は、ICカード2からの情報を取得したか否かという判定をする(ステップS305A)。このステップS305A以降の処理は、図4を用いて説明したステップS307からステップS311およびステップS312の処理と同様である(図6のステップS407からステップS411およびステップS412を参照)。
上記に説明した第3の実施形態による撮像装置1によれば、ユーザは、起動モード設定部22を操作して、起動モード記憶部21に起動モード情報を記憶させることにより、上述した第1の実施形態による撮像装置1による効果と、上述した第2の実施形態による撮像装置1による効果とを、選択して得ることができる。
たとえば、撮像装置1を長期保管する場合には、ユーザは、起動モード設定部22を操作して、ICカード2からの情報を取得した場合に自撮像装置1を起動させることを示す起動モード情報を、起動モード記憶部21に記憶させておく。更に、撮像装置1とICカード2とを別に管理しておく。これにより、第2の実施形態の場合と同様に、盗難による不正な操作を防止することができる。
また、撮像装置1を長期保管している場所から、撮像装置1を持ち出す場合には、ユーザは、起動モード設定部22を操作して、ICカード2からの情報を取得した場合に自撮像装置1を起動させないことを示す起動モード情報を、起動モード記憶部21に記憶させておく。更に、図1に示したように、撮像装置1とICカード2とを、ケース3に収容する。これにより、第1の実施形態の場合と同様に、使用者が意図しない誤動作による電源オンを防止するとともに、簡易に、かつ、迅速に、電源オンすることができる。
なお、撮像装置1を保管する場所に、ユーザは、保管用のICカード2を、この保管する場所から移動不可能なようにして、撮像装置1とともに管理してもよい。そして、ユーザは、移動用のICカード2を、ケース3の中に入れたままで、撮像装置1とは別に管理しておく。
たとえば、起動モード記憶部21に記憶されている起動モード情報が、ICカード2からの情報を取得した場合に自撮像装置1を起動させることを示す状態から、ICカード2からの情報を取得した場合に自撮像装置1を起動させないことを示す状態に変更するためには、ユーザは、一旦、撮像装置1を起動する必要がある。具体的には、ユーザは、撮像装置1を起動させた後、更に、入力装置13を操作して、起動モード設定部22を介して、起動モード記憶部21に記憶されている起動モード情報を変更する。
ここで、起動モード記憶部21に記憶されている起動モード情報が、ICカード2からの情報を取得した場合に自撮像装置1を起動させることを示す状態において、一旦、撮像装置1を起動させるためには、ICカード2が必要である。そのため、保管用のICカード2が、この保管する場所から移動不可能なようにして、撮像装置1とともに管理されていることは、起動モードを変更することに好適である。
また、保管用のICカード2が、この保管する場所から移動不可能なようにしてあるために、撮像装置1が盗難されたとしても、この保管用のICカード2は盗難されることがない。よって、第2の実施形態の場合と同様に、撮像装置1が盗難された場合であっても、撮像装置1を不正に使用されることを防止することができる。また、ユーザは、保管用のICカード2を用いて、撮像装置1の起動モードを変更できる。起動モードを変更した後は、ユーザは、移動用のICカード2とケース3とにより、撮像装置1を持ち歩いて、使用することができる。なお、起動モードには認証が必要であるため、不正なユーザによる起動モードの変更を防止することもできる。
<第4の実施形態>
上述した第1の実施形態から第3の実施形態においては、ICカード2を用いて、撮像装置1の電源オンと電源オフとを制御する場合について説明したが、制御の方法は、これに限られるものではない。次に、第4の実施形態として、電源オンと電源オフとの制御ではない場合の撮像装置1の制御の例について、図5を用いて説明する。
まず、図5に示す第1の制限情報記憶部23について説明する。この第1の制限情報記憶部23には、自撮像装置1で制限する処理を示す情報である第1の制限情報が予め記憶されている。この第1の制限情報とは、たとえば、電源オンは許可するが、レンズ鏡筒制御部16の動作は許可しない、などを示す情報である。また、この第1の制限情報は、自撮像装置1の電源をオンする、または、自撮像装置1の電源をオフするという情報であってもよい。
この第1の制限情報は、ユーザが任意に設定して、第1の制限情報記憶部23に記憶させるようにしてもよい。また、予め定められている複数の第1の制限情報の中から、ユーザが選択して、第1の制限情報記憶部23に記憶させるようにしてもよい。
そして、制御部10は、撮像装置1で実行される処理を制限する場合に、第1の制限情報を第1の制限情報記憶部23から読み出し、当該読み出した第1の制限情報に基づいて、撮像装置1で実行される処理を制限する。たとえば、制御部10は、図3のステップS312の前または後に、第1の制限情報を第1の制限情報記憶部23から読み出し、当該読み出した第1の制限情報に基づいて、撮像装置1で実行される処理を制限する。
ここで、第1の制限情報として、たとえば、自撮像装置1の電源をオンし、レンズ鏡筒制御部16の動作は許可しないことを示す情報であるとする。この場合、制御部10は、図3のステップS312の前または後に、この第1の制限情報に基づいて、自撮像装置1の電源をオンし、レンズ鏡筒制御部16の動作は許可しないようにする。よって、ユーザは、レンズ鏡筒制御部16を動作させることはできない。そのため、レンズ鏡筒などの破損を防止することができる。なお、この場合、ユーザは、レンズ鏡筒制御部16を動作させることはできないものの、自撮像装置1はオン状態となっているために、他の処理をすることができる。ユーザは、他の処理として、たとえば、外部メモリ15に記憶されている画像を見ることができる。その後、電源オフ信号が入力されることにより、自撮像装置1を電源オフして、ステップS301に戻る。
なお、第1の制限情報記憶部23に記憶されている第1の制限情報が、自撮像装置1の電源をオフする、または、自撮像装置1の電源オンを禁止するという情報である場合には、第1の実施形態の場合と同様に、使用者が意図しない誤動作による電源オンを防止することができる。
また、この第1の制限情報による制限処理は、図3のステップS312の前または後と同様に、図4のステップS312、図6のステップS312、または、図6のステップS412の前または後で、実行されるようにしてもよい。
次に、図5に示す第2の制限情報記憶部24について説明する。この第2の制限情報記憶部24には、ICカード2を識別する識別情報と、自撮像装置1で制限する処理を示す情報である第2の制限情報とが関連付けて予め記憶されている。この第2の制限情報とは、上述した第1の制限情報と同様の情報である。
そして、制御部10は、カードリーダ11を介してICカード2から取得した情報に含まれている識別情報、すなわち、当該ICカード2を識別する識別情報に関連付けられている第2の制限情報を、第2の制限情報記憶部24から読み出す。次に、制御部10は、当該読み出した第2の制限情報に基づいて、自撮像装置1で実行される処理を制限する。
たとえば、制御部10は、図3のステップS307において、第2の制限情報を第2の制限情報記憶部24から読み出し、当該読み出した第2の制限情報に基づいて、撮像装置1で実行される処理を制限する。
ここでは、たとえば、大人用のICカード2と子供用のICカード2とがある場合を例として説明する。また、それぞれのICカード2に記憶されている識別情報は異なるものとする。また、第2の制限情報記憶部24には、大人用のICカード2の識別情報と関連付けて第2の制限情報が記憶されているとともに、子供用のICカード2の識別情報と関連付けて第2の制限情報が記憶されているとする。また、大人用のICカード2の識別情報と関連付けられている第2の制限情報は、撮像装置1についての制限がないことを示す情報であるとする。そして、子供用のICカード2の識別情報と関連付けられている第2の制限情報は、撮像装置1についての制限があることを示す情報であり、たとえば、レンズ鏡筒制御部16の動作は許可しない、などを示す情報であるとする。
この場合、大人用のICカード2からの識別情報を取得した場合には、制御部10は、ステップS307において、自撮像装置1を起動して電源オンさせるとともに、大人用のICカード2の識別情報に該当する第2の制限情報を第2の制限情報記憶部24から読み出す。そして、この読み出した第2の制限情報に基づいて、制御部10は、撮像装置1で実行される処理を制限する。この場合には、制限はないため、ユーザは、撮像装置1の全ての機能を用いることができる。
逆に、子供用のICカード2からの識別情報を取得した場合には、制御部10は、ステップS307において、自撮像装置1を起動して電源オンさせるとともに、子供用のICカード2の識別情報に該当する第2の制限情報を第2の制限情報記憶部24から読み出す。そして、この読み出した第2の制限情報に基づいて、制御部10は、撮像装置1で実行される処理を制限する。この場合には、制限があるため、ユーザは、撮像装置1の全ての機能を用いることができない。たとえば、ユーザは、レンズ鏡筒制御部16を動作させることができない。
よって、子供用のICカード2の場合には、上述した第1の制限情報の場合と同様に、ユーザは、レンズ鏡筒制御部16を動作させることはできないものの、自撮像装置1はオン状態となっているために、他の処理をすることができる。他の処理として、たとえば、外部メモリ15に記憶されている画像を見ることや、撮影することができる。ただし、この場合には、レンズ鏡筒制御部16を動作させることはできないため、レンズ鏡筒などの破損は防止することができる。
上述したように、子供用と大人用とでICカード2を使い分けることにより、子供の操作による故障を防止することができる。なお、ここでは、子供用と大人用とでICカード2を使い分ける場合について説明したが、これに限られるものではなく、複数の大人用のユーザ毎に、ICカード2を使い分けるようにしてもよい。また、複数の子供用のユーザ毎に、ICカード2を使い分けるようにしてもよい。
また、1ユーザについても、この1ユーザが複数のICカード2を用いることにより、撮像装置1を使い分けるようにしてもよい。たとえば、第2の制限情報を、シャッター速度や絞り値などの撮影条件を示す情報とする。そして、この第2の制限情報が、ICカード2毎に、第2の制限情報記憶部24に予め記憶されているようにする。このようにすることにより、ICカード2に対応する第2の制限情報を第2の制限情報記憶部24から読み出すことにより、撮像装置1の撮影条件を変更するようにすることも可能である。
なお、この場合には、撮像装置1が起動した後に、任意のタイミングで、制御部10は、起動させたカードリーダ11を介して、ICカード2からの情報を取得するようにしてもよい。たとえば、この場合には、撮像装置1が起動した後に、ユーザが、任意のタイミングで入力装置13を操作して、ICカード2から情報を取得することを示す情報を、制御部10に入力する。そして、制御部10が、このICカード2から情報を取得することを示す情報が入力されたことに応じて、カードリーダ11を起動させ、起動させたカードリーダ11を介してICカード2から情報を取得するようにする。
また、撮影条件を変更する場合と同様に、撮像装置1が起動した後に、任意のタイミングで、たとえば、上述した子供用のICカード2を用いて、レンズ鏡筒制御部16の動作を許可しないようにすることも可能である。
上述した第4の実施形態によれば、第1の制限情報記憶部23または第2の制限情報記憶部24に制限情報を一度記憶しておくことにより、再度、制限情報を設定する必要無しに、制限情報により、撮像装置1を制御することができる。また、第2の制限情報記憶部24に制限情報を記憶しておけば、対応するICカード2により、簡易に制限情報を読み出して、撮像装置1を制御することが可能である。
以上、第1から第4の実施形態により説明した撮像装置1によれば、撮像装置1が、カードリーダ11を介して取得したICカード2からの情報に基づいて、自撮像装置1で実行される処理を制限することにより、使用者が意図しない誤動作による電源オンを防止するとともに、簡易に、かつ、迅速に、電源オンすることができる。更に、撮像装置1の故障を防止することや、撮像装置1の設定を行うこともできる。
なお、ICカード2は、撮像装置1を収容するケース3に取り付けられていてもよい。また、ICカード2をケース3に埋め込むことや、ICカード2とケース3とを一体としてもよい。また、このケース3とは、書類などを入れるカバンであってもよい。この場合には、カバンとしてのケース3は、撮像装置1を収容する領域を有していることが望ましい。
なお、この制御部10は専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、この制御部10はメモリおよびCPU(中央演算装置)により構成され、制御部10の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
1…撮像装置、2…ICカード、3…ケース、10…制御部、11…カードリーダ、12…不揮発性メモリ、13…入力装置、14…揮発性メモリ、15…外部メモリ、16…レンズ鏡筒制御部、17…CCD部、18…画像信号処理部、19…識別情報記憶部、21…起動モード記憶部、22…起動モード設定部、23…第1の制限情報記憶部、24…第2の制限情報記憶部