JP2007128153A - 電子カメラ - Google Patents

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Abstract

【課題】認証されない使用者へ記録データが流出することを防止する電子カメラを提供する。
【解決手段】電子カメラ1は、認証動作において撮像した使用者の瞳(虹彩)の画像信号が不揮発性メモリ3に格納されている登録内容と合致すれば(認証OK)カメラモードを起動し、合致しなければ(認証NG)カメラモードを起動しない。電子カメラ1は、認証NGの場合にメモリカバー8cの開扉がメモリカバー開扉センサ14で検出されると、記録媒体8に高圧発生回路13bによる高電圧を印加する。これにより、記録媒体8が破壊されて読み出し不能にされる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子カメラ内のデータの不正使用を防止する技術に関する。
電子カメラは小型軽量化によって携帯性が向上した反面、落としたり置き忘れたりすることも多い。遺失された電子カメラが他人に拾得された場合、記録画像が読み出されて不正使用されたり、記録媒体がカメラ本体から抜き取られるおそれが生じる。特許文献1には、このような電子カメラの不正使用を防止する技術が開示されている。特許文献1によれば、電子カメラは使用者の掌紋を登録可能に構成される。電子カメラは、認証処理において撮像した使用者の掌紋が登録内容と合致すれば電子カメラの使用や記録媒体に記録されている画像へのアクセスを許可し、使用者の掌紋が登録内容と合致しなければ電子カメラの使用や記録媒体に記録されている画像へのアクセスが禁止される。禁止時には、あらかじめ形成されている記録媒体の切り欠きにロック部材が係合され、当該記録媒体のイジェクトが阻止される。
特開2001−326841号公報
切り欠きが形成されていない記録媒体の場合にはイジェクトが阻止されず、記録媒体のデータが悪用されるおそれを排除できない。
本発明による電子カメラは、撮影光学系を通して被写体像を撮影し、画像信号を出力する撮像手段と、画像信号を記録媒体に記録する記録手段と、正規の使用者を示す情報を記憶する記憶手段と、使用者を撮影した場合に撮像手段から出力される画像信号と記憶手段に記憶されている情報とを比較することにより、撮影された使用者が正規の使用者か否かを判定する使用者認証手段と、使用者認証手段によって否定判定されている場合、記録媒体にアクセスする信号が検出されると記録媒体を破壊する記録媒体破壊手段とを備えることを特徴とする。
請求項1に記載の電子カメラにおいて、記録媒体にアクセスする信号は、記録媒体を覆う蓋部材の開扉信号、もしくは記録媒体に対する信号としてもよい。
請求項1に記載の電子カメラにおいて、記録媒体破壊手段は、高電圧を印加することによって記録媒体を破壊することもできる。
請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子カメラにおいて、記憶手段に記憶されている情報は、正規の使用者を撮影した場合に撮像手段から出力される画像信号であって、正規の使用者の虹彩部分に対応する信号を含み、使用者を撮影した場合に撮像手段から出力される画像信号は、使用者の虹彩部分に対応する信号を含むことが好ましい。
請求項4に記載の電子カメラにおいて、撮像手段が正規の使用者および使用者を撮影するそれぞれの場合に、撮影光学系のズーム倍率を瞳撮影用の倍率にするレンズ駆動手段を備えると好ましい。
請求項4に記載の電子カメラにおいて、
撮像手段が正規の使用者および使用者を撮影するそれぞれの場合に、撮影光学系のフォーカスレンズを過焦点位置へ駆動するレンズ駆動手段を備えると好ましい。
本発明による電子カメラでは、認証されない使用者へ記録データが流出することを防止できる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
(第一の実施形態)
図1は、本発明の第一の実施形態による電子カメラの構成を説明するブロック図である。図1において電子カメラ1は、CPU2と、不揮発性メモリ3と、レンズ駆動機構4と、レンズ群5と、シャッタ6と、撮像素子7と、信号処理回路9と、表示装置10と、操作部材11と、スピーカー12と、照明装置13と、メモリカバー開扉センサ14と、表示装置15と、外部インターフェイスコネクタ16とを有し、記録媒体8を着脱可能に構成されている。
操作部材11は、メインスイッチ、認証スイッチ、レリーズスイッチなどを含み、各操作に応じた操作信号を発生してCPU2へ送出する。CPU2は、入力される操作信号に応じて電子カメラ1内の各部へ指令を送出し、電子カメラ1による撮影動作、再生動作、および認証動作を制御する。不揮発性メモリ3は、後述する認証動作に必要な登録データの保存用メモリとして使用される。
撮影レンズは、レンズ群5によって構成される。レンズ群5はズームレンズおよびフォーカスレンズを含み、それぞれが個別にレンズ駆動機構4によってレンズ群5の光軸Ax方向に進退駆動される。ズームレンズが進退駆動されることで撮影画角が変化する。フォーカスレンズが進退駆動されることでフォーカス調節が行われる。レンズ駆動機構4によるフォーカスレンズおよびズームレンズの駆動量はCPU2から指示される。
撮影レンズ5を通過した被写体光束は、シャッタ6を介して撮像素子7へ入射される。撮像素子7はCCDイメージセンサなどによって構成され、その撮像面上に結像される被写体20の像を撮像して画像信号を出力する。信号処理回路9は、アナログ画像信号をディジタル信号に変換した上で所定の信号処理(たとえば、色補間処理、γ補正処理、ホワイトバランス処理、輪郭強調処理など)を施す。信号処理後のデータは、CPU2を介して表示装置10へ送出されたり、所定のデータ形式にフォーマット変換されたりする。
表示装置10はカラー液晶表示パネルによって構成され、撮影レンズ5と反対側に配設されている。表示装置10は、CPU2から入力される表示データによる画像などを再生表示する。表示画像は、静止画撮影指示前に撮像素子7で逐次撮像されるスルー画、静止画撮影指示後に撮像素子7で撮像される静止画、動画撮影時の動画、記録媒体8に記録されている画像データによる再生画などがある。
スピーカー12は、CPU2から送信される信号による音声を再生する。再生音は、記録媒体8に記録されている音声信号の他、使用者に注意を喚起するための効果音などがある。
記録媒体8はメモリーカードなどによって構成され、メモリカバー8c(蓋部材)が開扉された状態で電子カメラ1内のメモリスロット(不図示)に装着される。撮影モードにおいて、記録媒体8は信号処理回路9でフォーマット変換された画像データを記録する。再生モードにおいて、記録媒体8に記録されている画像データが読み出され、CPU2を介して信号処理回路9へ送られる。この場合の信号処理回路9は、再生画像を表示するための表示データを生成する。なお、電子カメラ1は静止画撮影モード、および動画撮影モードのそれぞれを選択可能に構成されている。
メモリカバー8cは、メモリスロットに装着された記録媒体8を覆った状態で不図示のソレノイドによってロック可能に構成されている。ソレノイドは、電子カメラ1がカメラモードを起動する場合にメモリカバー8cのロックを解除し、電子カメラ1が電源オフ処理を行う場合にメモリカバー8cをロックする。メモリカバー開扉センサ14は、メモリカバー8cが開扉されると開扉信号をCPU2へ送信し、メモリカバー8cが閉扉された状態では開扉信号を出力しない。
照明装置13は、キセノン放電管13aと高圧発生回路13bとを有する。高圧発生回路13bは、CPU2からの指令に応じて電池電圧を昇圧し(例えば300V)、回路内のメインコンデンサ(不図示)を充電する。CPU2から発光開始を指示する信号が送信されると、高圧発生回路13bはメインコンデンサ内の蓄積エネルギーをキセノン放電管13aに放出し、キセノン放電管13aを閃光発光させる。
高圧発生回路13bの蓄積エネルギーは、記録媒体8にも印加可能に構成される。記録媒体8に対する高電圧の印加は、CPU2からの指令に応じて高圧発生回路13bが行う。
表示装置15は液晶表示パネルによって構成され、撮影レンズ5側の筐体面に配設される。表示装置15は、CPU2から入力されるテキストデータによるメッセージを表示する。
外部インターフェイスコネクタ16は、電子カメラ1と外部機器とを接続するためのコネクタである。電子カメラ1は、外部インターフェイスコネクタ16に接続されるケーブル(不図示)を介してコンピュータなどとの間で通信可能に構成される。
(メイン処理)
本実施形態の電子カメラ1は、使用者を認証する動作に特徴を有するので、この点を中心に説明する。図2は、CPU2が行うメイン処理の流れを説明するフローチャートである。図2によるメイン処理は、カメラの操作部材11を構成するメインスイッチがON操作されると起動される。
図2のステップS1において、CPU2は、セキュリティONか否かを判定する。CPU2は、セキュリティONが設定されている場合にステップS1を肯定判定してステップS2へ進み、セキュリティOFFが設定されている場合にはステップS1を否定判定してステップS19へ進む。電子カメラ1に対するセキュリティON設定およびセキュリティOFF設定は、直近に電源OFF処理を行った時点で電子カメラ1に設定されていた内容である。
セキュリティONが設定されている電子カメラ1は、使用者があらかじめ登録されている使用者と合致する場合はカメラモードを起動し、使用者があらかじめ登録されている使用者と合致しない場合はカメラモードを起動しない。セキュリティOFFが設定されている電子カメラ1は、使用者にかかわらずカメラモードを起動する。
図2のステップS2において、CPU2は表示装置15に指令を送り、「認証を行います。レンズを見つめて下さい。」というメッセージを表示させてステップS3へ進む。ステップS3において、CPU2はレンズ駆動機構4へ指令を送り、ズームレンズを瞳(虹彩)撮影用の位置へ、フォーカスレンズを過焦点位置へ駆動させてステップS4へ進む。
瞳撮影用の位置は、認証処理に必要な大きさで瞳を撮影するズーム倍率に対応する。過焦点位置は、レンズ群5の過焦点距離に対応するフォーカスレンズの位置である。過焦点距離は、いわゆるパンフォーカス撮影において被写界深度に含まれる撮影距離(カメラから被写体までの距離)のうち、最短の撮影距離である。本説明では、パンフォーカス撮影時に撮像素子7上に尖鋭像を結ぶ(像ぼけが許容錯乱円のサイズより小さい)至近側のフォーカスレンズの位置を過焦点位置と呼ぶ。
ステップS4において、CPU2は、必要な被写界深度を確保するための絞りおよびシャッター速度を設定してステップS5へ進む。具体的には、不図示の絞り制御機構へ所定絞りを指示し、不図示のシャッター制御機構に所定シャッター速度を指示する。ステップS5において、CPU2は虹彩検出A処理(図3)を行ってステップS6へ進む。虹彩検出A処理については後述する。この時点の電子カメラ1は、認証動作に必要な回路が起動しているだけで、撮影動作も再生動作も行うことができない(カメラモードで起動していない)。
ステップS6において、CPU2は虹彩検出したか否かを判定する。CPU2は、虹彩検出A処理(図3)において非検出フラグがセットされていなければステップS6を肯定判定してステップS7へ進み、非検出フラグがセットされている場合にはステップS6を否定判定してステップS13へ進む。
ステップS7において、CPU2は認証OKか否かを判定する。CPU2は、虹彩検出A処理(図3)において成功フラグがセットされている場合にステップS7を肯定判定してステップS8へ進む。CPU2は、虹彩検出A処理(図3)において失敗フラグがセットされている場合にはステップS7を否定判定し、ステップS15へ進む。
ステップS8において、CPU2は表示装置15に指令を送り、「認証しました。カメラを起動します。」というメッセージを表示させてステップS9へ進む。ステップS9において、CPU2はカメラモードを起動してステップS10へ進む。これにより、電子カメラ1は、操作部材11からの操作信号に応じて、撮影動作、再生動作、登録動作、およびセキュリティOFFへの切替えが可能になる。なお、カメラモード起動後はステップS8による表示を消す。
ステップS10において、CPU2はセキュリティOFF操作されたか否かを判定する。CPU2は、操作部材11を構成するセキュリティON/OFFスイッチからOFF操作信号が入力された場合にステップS10を肯定判定してステップS11へ進み、セキュリティON/OFFスイッチからOFF操作信号が入力されない場合にはステップS10を否定判定し、ステップS12へ進む。ステップS11において、CPU2はセキュリティOFFを設定してステップS12へ進む。
ステップS12において、CPU2は電源OFF操作されたか否かを判定する。CPU2は、操作部材11を構成するメインスイッチからOFF操作信号が入力された場合にステップS12を肯定判定し、この時点におけるセキュリティON/OFFの設定状態を不揮発性メモリ3に格納してから所定の電源オフ処理を行って図2による処理を終了する。電源オフ処理では、ズームレンズ位置、フォーカスレンズ位置、および絞りがそれぞれ所定の状態へ駆動される。一方、CPU2は、メインスイッチからOFF操作信号が入力されない場合にはステップS12を否定判定し、ステップS10へ戻る。この場合の電子カメラ1は、撮影動作、再生動作、登録動作、およびセキュリティOFFへの切替えが可能である。
上述したステップS6を否定判定して進むステップS13において、CPU2は表示装置15に指令を送り、「検出できませんでした。認証をやり直しています。」というメッセージを表示させてステップS14へ進む。
ステップS14において、CPU2は所定回数繰り返したか否かを判定する。CPU2は、虹彩検出A処理(図3)をあらかじめ指定されている回数(たとえば2回)繰り返した場合にステップS14を肯定判定してステップS15へ進み、繰り返していない場合にはステップS14を否定判定してステップS5へ戻る。ステップS5へ戻る場合は虹彩検出A処理を繰り返す。
ステップS15において、CPU2は表示装置15に指令を送り、「認証できません。カメラを起動できません。」というメッセージを表示させてステップS16へ進む。CPU2はさらに、高圧発生回路13bへ指令を送り、メインコンデンサ内にエネルギーを蓄積させる。ステップS16において、CPU2は、メモリカバー8cが開扉されたか否かを判定する。この時点においてメモリカバー8cはロックされているので、メモリカバー8cの開扉が検出される場合は、こじ開けなどの不正なものである。
CPU2は、メモリカバー開扉センサ14から開扉信号が入力されるとステップS16を肯定判定してステップS17へ進み、開扉信号が入力されない場合にはステップS16を否定判定し、ステップS19へ進む。
ステップS17において、CPU2は高圧発生回路13bへ指令を送り、記録媒体8に高電圧を印加させてステップS18へ進む。これにより、記録媒体8内の回路が破壊される。ステップS18において、CPU2は、所定の電源オフ処理を行って図2による処理を終了する。電源オフ処理では、ズームレンズ位置、フォーカスレンズ位置、および絞りがそれぞれ所定の状態へ駆動される。
ステップS19において、CPU2は解除操作されたか否かを判定する。解除操作は、電子カメラ1の使用者が記録媒体8の破壊を避けるために行う回避操作である。CPU2は、操作部材11を構成するスイッチからあらかじめ登録されている解除操作信号が入力された場合にステップS19を肯定判定してステップS18へ進み、あらかじめ登録されている解除操作信号が入力されない場合にはステップS19を否定判定し、ステップS15へ戻る。
ステップS1を否定判定して進むステップS20において、CPU2はカメラモードを起動してステップS21へ進む。これにより、電子カメラ1は、操作部材11からの操作信号に応じて、撮影動作、再生動作、登録動作、およびセキュリティONへの切替えが可能になる。
ステップS21において、CPU2は、登録指示されたか否かを判定する。CPU2は、操作部材11を構成する認証スイッチから操作信号が入力された場合にステップS21を肯定判定してステップS22へ進み、認証スイッチから操作信号が入力されない場合にはステップS21を否定判定し、ステップS23へ進む。
ステップS22において、CPU2はデータ登録処理(図4)を行ってステップS23へ進む。データ登録処理の詳細については後述する。ステップS23において、CPU2はセキュリティON操作されたか否かを判定する。CPU2は、操作部材11を構成するセキュリティON/OFFスイッチからON操作信号が入力された場合にステップS23を肯定判定してステップS24へ進み、セキュリティON/OFFスイッチからON操作信号が入力されない場合にはステップS23を否定判定し、ステップS25へ進む。
ステップS24において、CPU2はセキュリティONを設定してステップS25へ進む。なお、不揮発性メモリ3内に登録データが存在しない場合には、セキュリティOFF設定を維持する。
ステップS25において、CPU2は電源OFF操作されたか否かを判定する。CPU2は、操作部材11を構成するメインスイッチからOFF操作信号が入力された場合にステップS25を肯定判定し、セキュリティON/OFFの設定状態を不揮発性メモリ3に格納してから所定の電源オフ処理を行って図2による処理を終了する。電源オフ処理では、ズームレンズ位置、フォーカスレンズ位置、および絞りがそれぞれ所定の状態へ駆動される。一方、CPU2は、メインスイッチからOFF操作信号が入力されない場合にはステップS25を否定判定し、ステップS21へ戻る。この場合の電子カメラ1は、撮影動作、再生動作、登録動作、およびセキュリティONへの切替えが可能である。
(虹彩検出A処理)
虹彩検出A処理の詳細について、図3のフローチャートを参照して説明する。図3のステップS51において、CPU2は信号処理回路9へ指令を送り、撮像素子7の所定画素領域から蓄積電荷を読み出させてステップS52へ進む。この時点において、使用者は、撮影レンズ5が自らの顔に向くように電子カメラ1を把持して構える。電子カメラ1は、レリーズ操作されなくても自動的に使用者の瞳を撮影する。
ステップS52において、CPU2は、読み出された画像信号の中から瞳(虹彩)の抽出を行う。抽出方法としては、公知の「特定色」を抽出する方法、「特定形状パターン」を抽出する方法等、複数の異なる抽出方法をあらかじめ評価して重みを定め、各抽出方法で瞳(主要部)を抽出して、抽出された主要部を定めた重みで重み付けし、その結果に応じて主要部を判定、抽出する。
CPU2は、瞳抽出した場合にステップS52を肯定判定してステップS53へ進み、瞳抽出できなかった場合にステップS52を否定判定してステップS63へ進む。ステップS63において、CPU2は非検出フラグをセットして図3による処理を終了して図2のステップS6へ進む。
ステップS53において、CPU2は、位置がOKか否かを判定する。CPU2は、抽出した瞳(虹彩)を示す信号が上記所定画素領域に含まれている場合にステップS53を肯定判定してステップS54へ進み、抽出した瞳(虹彩)を示す信号が上記所定画素領域からはみ出している場合にはステップS53を否定判定し、ステップS62へ進む。
ステップS54において、CPU2は、大きさがOKか否かを判定する。CPU2は、抽出した瞳(虹彩)を示す信号数が適正範囲(つまり、上記所定画素領域の所定割合を占める)の場合にステップS54を肯定判定してステップS55へ進み、適正範囲外である場合にはステップS54を否定判定し、ステップS55へ進む。
ステップS55において、CPU2は、抽出した瞳(虹彩)を示す信号、および不揮発性メモリ3にあらかじめ登録されている瞳(虹彩)を示す信号について、公知のパターンマッチング技術を用いた比較処理を行い、ステップS56へ進む。
ステップS56において、CPU2は、比較処理において合致判定したか否かを判定する。CPU2は、合致判定した場合にステップS56を肯定判定してステップS57へ進み、合致判定しなかった場合にはステップS56を否定判定し、ステップS58へ進む。
ステップS57において、CPU2は成功フラグをセットして図3による処理を終了して図2のステップS6へ進む。この場合の使用者は、登録されている正規の使用者とみなす。ステップS58において、CPU2は失敗フラグをセットして図3による処理を終了して図2のステップS6へ進む。この場合の使用者は、登録されている正規の使用者でないとみなす。
ステップS54を否定判定して進むステップS59において、CPU2は、ステップS54の否定判定の理由が大き過ぎることにあるか否かを判定する。CPU2は、抽出した瞳(虹彩)を示す信号数が多すぎる場合にステップS59を肯定判定してステップS60へ進み、抽出した瞳(虹彩)を示す信号数が少なすぎる場合にはステップS59を否定判定してステップS61へ進む。
ステップS60において、CPU2は表示装置15に指令を送り、「眼をレンズから離して下さい。」というメッセージを表示させ、ステップS51へ戻る。
ステップS61において、CPU2は表示装置15に指令を送り、「眼をレンズに近づけて下さい。」というメッセージを表示させ、ステップS51へ戻る。
ステップS53を否定判定して進むステップS62において、CPU2は表示装置15に指令を送り、「眼の位置をレンズに対して○○方向へ移動して下さい。」というメッセージを表示させ、ステップS51へ戻る。○○には上下左右の向きを示す文字を入れる。たとえば、抽出した瞳(虹彩)を示す信号が上記所定画素領域から左下方向に外れている場合、「眼の位置をレンズに対して左上方向へ移動して下さい。」というメッセージを表示させる。
(データ登録処理)
データ登録処理の詳細について、図4のフローチャートを参照して説明する。図4のステップS81において、CPU2は表示装置15に指令を送り、「登録を行います。レンズを見つめて下さい。」というメッセージを表示させてステップS82へ進む。ステップS82において、CPU2はレンズ駆動機構4へ指令を送り、ズームレンズを瞳撮影用位置へ、フォーカスレンズを過焦点位置へ駆動させてステップS83へ進む。
ステップS83において、CPU2は必要な被写界深度を確保するための絞りおよびシャッター速度を設定してステップS84へ進む。ステップS84において、CPU2は虹彩検出B処理(図5)を行ってステップS85へ進む。虹彩検出B処理については後述する。
ステップS85において、CPU2は虹彩検出したか否かを判定する。CPU2は、虹彩検出B処理(図5)において非検出フラグがセットされていなければステップS85を肯定判定してステップS86へ進み、非検出フラグがセットされている場合にはステップS85を否定判定してステップS89へ進む。
ステップS86おいて、CPU2は登録データがOKか否かを判定する。CPU2は、虹彩検出B処理(図5)において成功フラグがセットされている場合にステップS86を肯定判定してステップS87へ進む。CPU2は、虹彩検出B処理(図5)において登録フラグがセットされていない場合にはステップS86を否定判定し、ステップS91へ進む。
ステップS87において、CPU2は表示装置15に指令を送り、「登録しました。」というメッセージを表示させてステップS88へ進む。ステップS88において、CPU2はレンズ駆動機構4へ指令を送り、ズームレンズおよびフォーカスレンズをステップS82で駆動する前の位置へ駆動させて図4による処理を終了し、図2のステップS23へ進む。
上述したステップS85を否定判定して進むステップS89において、CPU2は表示装置15に指令を送り、「検出できませんでした。やり直しています。」というメッセージを表示させてステップS90へ進む。
ステップS90において、CPU2は所定回数繰り返したか否かを判定する。CPU2は、虹彩検出B処理(図5)をあらかじめ指定されている回数(たとえば2回)繰り返した場合にステップS90を肯定判定してステップS91へ進み、繰り返していない場合にはステップS90を否定判定してステップS84へ戻る。
ステップS91において、CPU2は表示装置15に指令を送り、「登録できません。もう一度行いますか?」というメッセージを表示させてステップS92へ進む。ステップS92において、CPU2は、もう一度行うように操作されたか否かを判定する。CPU2は、操作部材11から操作信号が入力されるとステップS92を肯定判定してステップS81へ戻る。操作信号が入力されない場合には、ステップS92を否定判定し、図4による処理を終了して図2のステップS23へ進む。
(虹彩検出B処理)
虹彩検出B処理の詳細について、図5のフローチャートを参照して説明する。図3における処理と同様の処理には同一ステップ番号を付して説明を省略する。図5のステップS54を否定判定して進むステップS55Bにおいて、CPU2は、抽出した瞳(虹彩)を示す画像信号を不揮発性メモリ3に記録する。CPU2はさらに、上述した回避操作用の解除操作信号を示す情報を瞳(虹彩)を示す信号に関連づけて記録する。解除操作信号は、データ登録中の使用者が、例えば、操作部材11の中から任意の3つの操作部材を任意の順番で操作することによって生成される。CPU2は、入力された解除操作信号を構成する信号の種類(どのスイッチからの操作信号かを示す)および順番(3つの操作信号の発生順序を示す)を、解除操作信号の情報として記録する。
ステップS56Bにおいて、CPU2は、登録フラグをセットして図4による処理を終了し、図2のステップS23へ進む。
以上説明した実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。
(1)電子カメラ1は、認証動作において撮像した使用者の瞳(虹彩)の画像信号が不揮発性メモリ3に格納されている登録内容と合致すれば(認証OK)カメラモードを起動し(ステップS9)、合致しなければ(認証NG)カメラモードを起動しないようにした。カメラモードを起動しない場合は撮影動作や再生動作が行えない。したがって、他人による電子カメラ1の無断使用を防止できる。
(2)上記(1)に加えて、電子カメラ1は、認証NG(ステップS7を否定判定)の場合にメモリカバー8cの開扉を検出すると記録媒体8に高電圧を印加する(ステップS17)。これにより、記録媒体8が破壊されて読み出し不能にされるので、記録媒体8内のデータが不正に流出するおそれを排除できる。カメラモードを起動していない状態(メモリカバー8cがロックされている状態)で検出されるメモリカバー8cの開扉を示す信号は、メモリカバー8cのこじ開けなどによって記録媒体8に不正にアクセスする信号である。
(3)上記(2)の破壊は、照明装置13の高圧発生回路13b内の蓄積エネルギーを使用するので、記録媒体8を破壊するために新たな回路を設ける必要がない。
(4)認証動作を開始すると(ステップS2)、自動的にズームレンズを瞳撮影位置へ移動させる(ステップS3)ようにしたので、使用者は認証動作時にズーム操作をしなくてよく、使い勝手がよい。
(5)認証動作を開始すると(ステップS2)、自動的にフォーカスレンズを過焦点位置へ移動させる(ステップS3)ようにしたので、使用者は認証動作時にフォーカス調節操作をしなくてよく、使い勝手がよい。
(6)認証動作を開始した後(ステップS2以降)、認証OKを判定するまで(ステップS7)は認証動作に必要な回路を起動するだけで、カメラモードを起動していないので、電力の消費を抑えることができる。
(変形例1)
以上の説明では、電子カメラ1にセキュリティONが設定された上でメインスイッチがオン操作された場合にステップS2以降の認証動作を開始するようにしたが、以下のように構成してもよい。電子カメラ1は、メインスイッチがオン操作される前に認証スイッチから操作信号が入力されると認証動作を開始する。電子カメラ1は、認証OKの状態でメインスイッチがオン操作されると、カメラモードを起動する(ステップS9)。認証NGの場合は、メインスイッチ操作を無効にしてステップS15へ進む。
(変形例2)
ステップS14およびステップS90では所定回数繰り返すようにしたが、所定回数繰り返す代わりに、所定時間が経過するまで繰り返す構成にしてもよい。
(変形例3)
ステップS3のレンズ駆動では、フォーカスレンズを過焦点位置へ移動させる例を説明したが、最至近の撮影距離から1mまでの範囲の被写体に合焦する位置へフォーカスレンズを移動させてもよい。
(変形例4)
また、フォーカスレンズを最至近の撮影距離(たとえば10cm)に対応する位置へ移動させてもよい。この場合、最至近の撮影距離から1mを調節範囲としてオートフォーカス(AF)調節処理を常時行うAF動作モードを合わせて設定すると好適である。
(変形例5)
ステップS16では、メモリカバー8cの開扉を判定条件にしたが、電子カメラ1に対する外部機器からのアクセス信号を判定条件にしてもよい。また、開扉判定とアクセス判定とを組み合わせてもよい。たとえば、電子カメラ1がコンピュータとの間でケーブル接続(もしくは無線接続)され、コンピュータから電子カメラ1内のデータに対するアクセスが行われた場合、電子カメラ1はステップS16を肯定判定する。カメラモードを起動していない状態で検出される外部機器からのデータを要求する信号は、記録媒体8に不正にアクセスする信号である。外部機器からのアクセス信号を判定条件にすることにより、電子カメラ1に装着したままの記録媒体8内のデータが不正に外部機器へ流出するおそれを排除できる。
(変形例6)
上記の説明では、表示装置15によってメッセージを表示するようにしたが、スピーカー12を用いることにより、メッセージの内容を音声再生によって通知するように構成してもよい。また、表示による視覚を通した通知と、音声による聴覚を通した通知を併用したり、表示のみの通知、音声のみの通知、表示および音声による通知など通知手段を切替え可能に構成してもよい。
(第二の実施形態)
図6は、第二の実施形態による構成を説明する図である。図6において、電子カメラ1の外部インターフェイスコネクタ16に、ネットワークカメラなどの外部カメラ30が接続される。カメラ30によって撮像された画像は、ケーブルを介して電子カメラ1に送信可能に構成される。
第二の実施形態では、カメラ30によって被写体20の瞳(虹彩)の画像を取得する。電子カメラ1のCPU2は、外部カメラ30が接続され、撮影画像が送信されたことを検出すると、図2のステップS21を肯定判定してステップS22へ進み、データ登録処理(図4)を行う。
第二の実施形態のCPU2は、図4の処理においてステップS82、ステップS83、およびステップS88の処理を省略する。また、図5の処理においてステップS51の代わりに以下の処理を行う。CPU2は、信号処理回路9へ指令を送り、外部カメラ30から送信された画像のうち、所定画素領域に対応する画像信号を抽出してステップS52へ進む。この時点において、使用者は、外部カメラ30が自らの顔に向くように外部カメラ30を把持して構える。外部カメラ30は、自動的に使用者の瞳を撮影し、撮影画像を電子カメラ1へ送信する。
以上説明した第二の実施形態によれば、電子カメラ1と使用者20とが離れている場合でも、外部カメラ30を介してデータ登録を行うことができる。
上述した電子カメラ1は、一眼レフタイプでも一眼レフタイプでないカメラでもよい。一眼レフタイプと異なる電子カメラであって、撮影レンズを筐体内へ沈胴するタイプのカメラの場合の撮影レンズの繰り出しは、上述したステップS3およびステップS82におけるレンズ駆動時に行えばよい。また、撮影レンズの沈胴は、ステップS18における電源オフ処理時、およびステップS12、ステップS25において電源オフ操作を判定した場合のレンズ駆動時に行えばよい。
以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係に何ら限定されるものではない。
本発明の第一の実施形態による電子カメラの構成を説明するブロック図である。 メイン処理の流れを説明するフローチャートである。 虹彩検出A処理の流れを説明するフローチャートである。 データ登録処理の流れを説明するフローチャートである。 虹彩検出B処理の流れを説明するフローチャートである。 第二の実施形態による構成を説明する図である。
符号の説明
1…電子カメラ
2…CPU
3…不揮発性メモリ
5…撮影レンズ(レンズ群)
7…撮像素子
8…記録媒体
8c…メモリカバー
9…信号処理回路
10、15…表示装置
11…操作部材
13b…高圧発生回路
14…メモリカバー開扉センサ

Claims (6)

  1. 撮影光学系を通して被写体像を撮影し、画像信号を出力する撮像手段と、
    前記画像信号を記録媒体に記録する記録手段と、
    正規の使用者を示す情報を記憶する記憶手段と、
    使用者を撮影した場合に前記撮像手段から出力される画像信号と前記記憶手段に記憶されている情報とを比較することにより、前記撮影された使用者が正規の使用者か否かを判定する使用者認証手段と、
    前記使用者認証手段によって否定判定されている場合、前記記録媒体にアクセスする信号が検出されると前記記録媒体を破壊する記録媒体破壊手段とを備えることを特徴とする電子カメラ。
  2. 請求項1に記載の電子カメラにおいて、
    前記記録媒体にアクセスする信号は、前記記録媒体を覆う蓋部材の開扉信号、もしくは前記記録媒体に対する信号であることを特徴とする電子カメラ。
  3. 請求項1に記載の電子カメラにおいて、
    前記記録媒体破壊手段は、高電圧を印加することによって前記記録媒体を破壊することを特徴とする電子カメラ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子カメラにおいて、
    前記記憶手段に記憶されている情報は、前記正規の使用者を撮影した場合に前記撮像手段から出力される画像信号であって、前記正規の使用者の虹彩部分に対応する信号を含み、
    前記使用者を撮影した場合に前記撮像手段から出力される画像信号は、前記使用者の虹彩部分に対応する信号を含むことを特徴とする電子カメラ。
  5. 請求項4に記載の電子カメラにおいて、
    前記撮像手段が前記正規の使用者および前記使用者を撮影するそれぞれの場合に、前記撮影光学系のズーム倍率を瞳撮影用の倍率にするレンズ駆動手段をさらに備えることを特徴とする電子カメラ。
  6. 請求項4に記載の電子カメラにおいて、
    前記撮像手段が前記正規の使用者および前記使用者を撮影するそれぞれの場合に、前記撮影光学系のフォーカスレンズを過焦点位置へ駆動するレンズ駆動手段をさらに備えることを特徴とする電子カメラ。
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