JP5286914B2 - 光導波路用未硬化シートおよびこれを用いた光導波路用部材ならびに光導波路 - Google Patents

光導波路用未硬化シートおよびこれを用いた光導波路用部材ならびに光導波路 Download PDF

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Description

本発明は光導波路用未硬化シートに関する。より詳しくは、無機粒子が有機物質中に分散した光導波路用未硬化シートおよびこれを用いた光導波路に関する。
無機粒子を樹脂などの有機物質中へ分散させたペースト組成物や、ペースト組成物を硬化させて得られる硬化物は、印刷用塗料、潤滑剤、化粧品、接着剤、離型剤、または、ディスプレイや実装基板の構成材料などに幅広く活用されている。無機粒子を樹脂中に分散させる目的としては、熱機械特性や電磁特性、光学特性など、樹脂のみでは得ることができない優れた特性を付与することや、高価な樹脂を用いている場合には、その含有量を減らし生産コストを抑えることなどが挙げられる。近年、材料の表面平滑性や光透過性を向上させるため、または、半導体などの微小加工に対応するため、分散させる無機粒子の粒子径が数十〜数ナノメートルと微小なものを用いる試みが各技術分野で進められている。なかでも、光配線技術分野では、光導波路材料の屈折率や寸法の温度による変化を抑え、かつ材料の光透過性を確保するため、粒子径が数十〜数ナノメートルの無機粒子を樹脂中に分散させる技術が検討されている。
無機粒子を樹脂中に分散させる方法の一つとして、まず有機溶媒中へ無機粒子を良好に分散させた分散液を製造し、次いで、該分散液と樹脂を混合する方法がある。市販されている、平均粒子径が数十〜数ナノメートルである無機粒子は、個々の粒子(1次粒子)が適度に凝集した平均粒子径が数十μmの粉体状の粒子(2次粒子)として提供されている場合が多い。したがって、平均粒子径が数十〜数ナノメートルである無機粒子の分散液を製造するためには、有機溶媒中でこれら2次粒子の凝集をほぐし、1次粒子が安定に分散した分散液を製造する必要がある。しかしながら、1次粒子の平均粒子径が50nmよりも小さい場合などは、粒子体積に対する表面積の割合が非常に大きいため、一度分散した粒子が再凝集する頻度が高くなり、分散を進めることが難しくなることが多い。
そこで、末端に官能基などを有する分散剤と呼ばれる有機物を添加し、該分散剤の官能基を無機粒子の表面に配位させ、無機粒子同士の接近を阻害することで1次粒子の再凝集を抑え、分散性を向上させる方法が開示されている。これらの例として、平均粒子径20〜40nmのニッケルコロイド粒子、非極性高分子顔料分散剤および有機溶媒を含有するニッケルコロイド溶液が提案されている。(例えば、特許文献1参照)。また、分散剤を用いて硫酸バリウム粒子を有機溶媒中に分散させる方法も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、従来公知の分散剤を用いた無機粒子の分散液と樹脂とを混合してペースト組成物を製造し、続いてこれを硬化させて無機粒子が分散した硬化物を製造する場合、光照射や加熱による樹脂の硬化反応が、無機粒子を用いない場合と比較して不十分となることがあった。このため、得られる硬化物の熱機械特性などが劣化することがあった。また、無機粒子と光により硬化する樹脂を含有するペースト組成物を用いて作製した膜にフォトリソグラフィー法によるパターン加工を行う場合、露光部の硬化不足により現像時に組成物が溶出してパターン形状が不明瞭となることや、未露光部の溶解性が低くて現像時にペースト組成物の残渣が生じることがあった。したがって、フォトリソグラフィー法により製造した光導波路の光伝搬損失が大きくなることがあった。
また、樹脂を硬化させる際に、重合性基を含有するリン酸エステルモノマーを添加すると、硬化物の帯電防止性や難燃性の向上、樹脂中に分散した顔料(粒子)の分散性の向上などの効果を付与できることが知られている(特許文献3参照)。
しかしながら、このようなペースト組成物を用いて凹凸を有する面上に表面が平滑な膜を形成することは困難であった。
特開2004−124237号公報(特許請求の範囲、実施例) 特開2006−106708号公報(特許請求の範囲、実施例) 特開2003−146992号公報(第2頁)
上記のとおり、樹脂に無機粒子を分散させたペースト組成物を用いる場合、凹凸面に表面が平滑な膜を形成するのが難しく、膜表面に凹凸があると配線パターンを形成する際の露光作業で膜とマスクのギャップが不均一となり、パターンのエッジが不明瞭になり、光伝搬損失に悪影響を及ぼすことがあった。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、凹凸面に表面が平滑な膜を形成することが可能である光導波路用未硬化シートを提供することを目的とする。
本発明は、(A)平均粒子径1nm以上50nm以下の硫酸バリウム粒子、(B)重合性基およびカルボキシル基を有する化合物、または重合性基を有するリン酸エステル化合物を含む光導波路用未硬化シートである。また、本発明の別の態様は、上記未硬化シートをコア部として、(C)平均粒子径1nm以上50nm以下のシリカ粒子、(D)脂環式エポキシ樹脂、(E)酸無水物、(F)硬化促進剤を含む光導波路用未硬化シートをクラッディング部として用いた光導波路部材とそれを硬化させてなる光導波路である。
本発明の光導波路用未硬化シートは、凹凸のある基板上に表面が平滑なアンダークラッディングを形成することが可能である。また、平滑なアンダークラッディングを形成することができればアンダークラッディング上に形成するコアの膜厚むらを低減でき低光伝搬損失を得ることができる。さらに、コアパターンの凹凸を覆うオーバークラッディングとして光導波路用未硬化シートを用いることで、オーバークラッディング上面の平滑性も保つことができる。
本発明の光導波路用未硬化シートの第一の形態(以下、「未硬化シートA」と言う)は、(A)硫酸バリウム粒子、(B)重合性基およびカルボキシル基を有する化合物、または重合性基を有するリン酸エステル化合物を含む。以下、特に断らないかぎり、重合性基およびカルボキシル基を有する化合物、または重合性基を有するリン酸エステル化合物を「化合物A」とする。
本発明の未硬化シートAにおいて、化合物Aは硫酸バリウム粒子を分散させる働きを有する。化合物A中のカルボキシル基またはリン酸エステル結合部位が硫酸バリウム粒子と相互作用することにより、化合物Aが硫酸バリウム粒子の表面を覆う。そして、硫酸バリウム粒子の表面を覆う化合物Aの重合性基は硫酸バリウム粒子の外側に向き、未硬化シートA中にある他の化合物などと親和して、硫酸バリウム粒子を安定に分散させると考えられる。
化合物A中の重合性基は、光または熱により、重付加反応やラジカル反応等によって重合を進めることができる有機基である。本発明の未硬化シートAは、化合物Aが重合に関与するため、硬化が速やかにかつ確実に進行する。
本発明においては、化合物A自身が光や熱によって重合し、硬化物中のマトリックス樹脂となる。したがって、本発明で用いる化合物Aは硫酸バリウム粒子の分散剤としての機能と、マトリックス樹脂としての機能を併せ持つものである。重合性基を持たない分散剤により硫酸バリウムを、マトリックスを形成するための重合性基を有する樹脂中に分散させた場合は、マトリックス樹脂が重合する際に、硫酸バリウム粒子が移動して集まり、分散性が低下することが考えられる。これに対し、本発明の未硬化シートAにおいては、化合物Aが硫酸バリウム粒子を捕捉した状態で重合するため、硬化物中においても硫酸バリウム粒子の分散性を良好に保つことができる。このため、硬化物の光透過性や表面平坦性が良好となる。
さらに、未硬化シートAの化合物Aを光により硬化させることで、フォトリソグラフィー法によるパターン加工を行うことができる。この場合、露光部では化合物Aが硫酸バリウム粒子を捕捉した状態で重合するため、硫酸バリウム粒子を起点とした強固なネットワークが形成され、現像時の露光部の膨潤や溶解が抑えられるので、明瞭なパターン形状を実現できる。
化合物Aの重合性基は、硫酸バリウム粒子を良好に分散させる目的から、未硬化シートAに含まれる他の化合物との親和性が良好なものが好ましい。これらのものとしては、ビニル基、アクリレート基、メタクリレート基、エポキシアクリレート基、エポキシメタクリレート基、エポキシ基などが挙げられる。
化合物Aは、前記重合性基とともにカルボキシル基を有する。化合物Aのカルボキシル基が硫酸バリウム粒子と相互作用することにより、化合物Aが硫酸バリウム粒子の表面を覆い、硫酸バリウム粒子を分散させることができる。また、本発明の未硬化シートA中の化合物Aを光により硬化させてフォトリソグラフィー法によるパターン加工を行う場合、化合物Aが極性の高いカルボキシル基を有するため、現像液への溶出が速やかであり、未露光部における現像時の残渣を低減することができる。
本発明に用いられる化合物Aは、下記一般式(1)で示されるものが好ましい。
Figure 0005286914
一般式(1)において、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは下記一般式(2)〜(4)のいずれかで表される2価の基を示す。
Figure 0005286914
一般式(2)〜(4)において、nおよびmはそれぞれ1〜3の整数である。
一般式(1)における重合性基は、Rが水素原子の場合はアクリレート基であり、Rがメチル基の場合はメタクリレート基である。アクリレート基またはメタクリレート基は不飽和結合を有し、光照射や加熱によりラジカル重合をさせることが可能である。光によりラジカル重合をさせる際に、フォトマスクを介して光を照射するフォトリソグラフィー法を適用して、配線パターンなどを形成することができる。Rが水素原子であるアクリレート基の方が、重合性がより良好となり好ましい。
一般式(2)〜(4)におけるnおよびmは、その数が小さいと単位重量当たりの重合性基およびカルボキシル基の数が多くなるため、重合性がより良好となり、かつ、硫酸バリウム粒子の分散性が向上する。一方、nおよびmの数が大きいと化合物Aが硫酸バリウム粒子に配位したときの立体障害となる効果が大きくなるため、分散性が向上する。よって、nおよびmは炭素数が2のエチレン基であることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物の中でも、Rが水素原子でありRが一般式(4)で表される2価の基である化合物が好ましく、その場合、上記の理由からnは2であることがより好ましい。この化合物を用いると、重合性および現像性がより良好となる。また、硫酸バリウム粒子の分散性がより良好となり、分散した硫酸バリウムの平均粒子径をより小さくすることができるので、未硬化シートAから得られる硬化物の光透過性が向上する。このため、光伝搬損失が小さい光導波路を得ることができる。
本発明に用いられる一般式(1)で表される化合物Aの具体例としては、共栄社化学(株)製の“HOA−MS”(商品名、一般式(1)におけるRが水素原子であり、Rが一般式(2)で表されるものであり、n、mは共に2である。)、“HOA−HH”(商品名、一般式(1)におけるRが水素原子であり、Rが一般式(3)で表されるものであり、nは2である。)、“HOA−MPL”(商品名、一般式(1)におけるRが水素原子であり、Rが一般式(4)で表されるものであり、nは2である。)が挙げられる。
一方、下記一般式(5)で示される化合物Aも好ましく用いられる。
Figure 0005286914
一般式(5)において、R〜Rは下記一般式(6)〜(10)のいずれかで表される1価の基または水素原子を示し、R〜Rは同じでも異なっていてもよい。ただし、R〜Rの全部が水素原子になることはない。
Figure 0005286914
一般式(6)〜(10)において、R〜Rは水素原子またはメチル基を示す。R10〜R11は炭素数1〜10の2価の基であり、好ましくは炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、より好ましくは炭素数2個のアルキル基である。R12は水酸基を有する炭素数1〜10の2価の基であり、好ましくは下記一般式(13)〜(15)で示される有機基である。
Figure 0005286914
一般式(5)で表される化合物Aにおいて、R〜Rのいずれか2つが水素原子であるリン酸モノエステルが、R〜Rのいずれか1つが水素原子であるリン酸ジエステルよりも、硫酸バリウム粒子の分散性を向上させるので好ましい。また、リン酸ジエステルが、R〜Rのいずれも水素原子を含まないリン酸トリエステルよりも、硫酸バリウム粒子の分散性を向上させるので好ましい。
一般式(6)〜(9)で表される1価の基はアクリレート基またはメタクリレート基を持っており、光照射や加熱によりラジカル重合を行うことが可能である。また、一般式(10)で表される1価の基は光照射や加熱によりイオン重合をさせることが可能である。R〜Rが水素原子であるアクリレート基の方が、重合性がより良好となり好ましい。
一般式(8)〜(10)のR10〜R12における炭素数は、その数が少ないと単位重量当たりの重合性基およびリン酸エステル結合部位の数が多くなるため、重合性がより良好となり、かつ、硫酸バリウム粒子の分散性が向上する。また、R10〜R12における炭素数が多いと化合物Aが硫酸バリウム粒子に配位したときの立体障害となる効果が大きくなるため、分散性が向上する。よって、R10〜R12における炭素数は1〜4であることが好ましい。
特に、一般式(5)で表される化合物の中でも、R〜Rの少なくとも1つが一般式(8)で表される1価の基であることが好ましく、その場合、R10が炭素数が1〜3である2価の炭化水素基であることがより好ましい。また、一般式(5)のR〜Rの少なくとも1つが一般式(9)で表される1価の基であり、一般式(9)のR12が水酸基を有する炭素数が2〜3である2価の炭化水素基であることが好ましい。
本発明で用いる一般式(5)で表される化合物Aの具体例としては、共栄社化学(株)製の“ライトアクリレートP−1A”(商品名、アクリレート基を有するリン酸モノエステル)、共栄社化学(株)製の“ライトエステルP−1M”(商品名、メタクリレート基を有するリン酸モノエステル)、“ライトエステルP−2M”(商品名、メタクリレート基を有するリン酸ジエステル)、ダイセル・サイテック(株)製のRDX63182(エポキシアクリレート基を有するリン酸ジエステル)が挙げられる。本発明で用いる化合物Aは1種類でもよく、また複数種用いてもよい。
また、本発明の未硬化シートAから得られる硬化物は温度に対する物性の変化が微小であり、例えば、温度による屈折率の変化率や、線膨張率は小さい。無機粒子の分散性を高める分散剤は、未硬化シートA中の樹脂の硬化反応を阻害したり、未硬化シートAから得られる硬化物の温度による屈折率の変化率や線膨張率を増大させるなど、硬化物の特性を劣化させることがある。このため、分散剤含有量はできる限り少量にすることが好ましいとされていた。本発明においては、硫酸バリウム粒子の分散性にも寄与する化合物A自身が重合し、硬化するか、後述する樹脂との重合に関与するため、温度による屈折率変化率や線膨張率を増大させるなどの硬化物の特性劣化を抑えることができる。
上述したように、本発明の未硬化シートAは、化合物Aが重合して硬化物中のマトリックスを形成するが、その他にもマトリックスを形成する樹脂を含有してもよい。このとき用いられる樹脂として、ポリアミック酸、ビニル樹脂、ノルボルネン樹脂、エポキシ樹脂、アクリレート樹脂、メタクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、エポキシメタクリレート樹脂、シアネート樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、シロキサン樹脂などの、重合性基を有する熱硬化型あるいはUV硬化型の樹脂が挙げられる。また、アラミド樹脂、ポリスチレン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンエーテル、熱可塑性ポリイミドなどの、熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂を単独で用いてもよいし、複数種を適当な比にて用いてもよい。
プロセス中で耐熱性などが要求される用途では、上記樹脂の中でも、熱硬化型樹脂やUV硬化型樹脂など重合性基を有する樹脂が好ましい。また、未硬化シートAから得られる硬化物を光透過性が要求される光導波路用材料に用いる場合は、エポキシ樹脂、アクリレート樹脂、メタクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、エポキシメタクリレート樹脂、シロキサン樹脂などが好適に用いられる。特に、これら樹脂においてUV硬化型のものを選定すると、フォトリソグラフィー法による光導波路のパターニングが実現でき好ましい。
本発明において、熱硬化型樹脂あるいはUV硬化型樹脂が有する重合性基同士を重合させてもよいし、あるいはこれらの樹脂が有する重合性基と化合物Aの重合性基とを重合させてもよい。本発明の硬化物中に形成される重合体は、(a)化合物Aからなる重合体、(b)化合物Aと樹脂との重合体、あるいは(c)樹脂のみからなる重合体といった様々な形態の重合体があり、これらの重合体に分散した状態で存在する硫酸バリウム粒子を有する。なお、特に断らないかぎり、未硬化シートAから得られる硬化物に存在する上記の(a)〜(c)の各重合体を単に「重合体」という。
未硬化シートA中に含有する化合物A、樹脂、重合促進剤などの組成によって、未硬化シートAから得られる硬化物中での重合体は、上記(a)〜(c)のいずれか1つの態様であったり、これらが混在した態様であったりする。
例えば、化合物Aの重合性基がアクリレート基であり、樹脂の重合性基もアクリレート基である場合、硫酸バリウム粒子の近傍には化合物Aが多く存在するため、(a)の重合体が多く、硫酸バリウム粒子から離れた領域では(c)の重合体が多く、これらの中間の領域で(b)の重合体が存在する。また、他の一例として、重合性基がアクリレート基である化合物Aと重合性基がエポキシ基である樹脂を含有する未硬化シートAから、(a)の重合体と、(c)の重合体からなる硬化物を製造することができる。また、樹脂を複数種用いた場合は、例えば、重合性基がアクリレート基である化合物Aと、重合性基がエポキシアクリレート基である樹脂と、重合性基がエポキシ基である樹脂を用いて、これら3成分を共重合させ、(b)の重合体を得ることもできる。
本発明の硬化物中の重合体と、硫酸バリウム粒子との屈折率が近いと、硬化物中に入射した光のレイリー散乱が小さいため、硬化物の光透過性が増す。よって、光学材料のように光透過性が求められる場合は、所望の屈折率を有する重合体を得るよう、化合物Aおよび樹脂の種類や混合比を設定することが好ましい。硫酸バリウムの屈折率は1.6であるので、光透過性を上げるために、得られる重合体の屈折率が1.6に近い方が好ましく、さらに好ましくは、重合体の屈折率も1.6であることである。
重合体は分散剤や樹脂など未硬化シートAに含まれる硫酸バリウム粒子以外の物質からなるので、得られる重合体の屈折率が1.6に近くなるように、それぞれの物質の種類や混合量を決めることが好ましい。ただし、屈折率が異なる複数の物質を混合して、ある屈折率を持つ重合体を形成する場合、それぞれの物質の屈折率が目的の屈折率に近い方が、屈折率ばらつきが少ない重合体を容易に得ることができるので好ましい。
先に例示した化合物Aの屈折率は“HOA−MS”が1.46、“HOA−HH”が1.48、“HOA−MPL”が1.52である。また、“ライトアクリレートP−1A”が1.47、“ライトエステルP−1M”が1.47、“ライトエステルP−2M”が1.47、RDX63182が1.54である。光導波路などの光学材料用途では、硫酸バリウムとの屈折率が近い“HOA−MPL” やRDX63182を使用すると未硬化シートAから得られる硬化物の光透過性が良好となりやすいので好ましい。
本発明の未硬化シートAから得られる硬化物を耐熱性と光透過性が要求される光導波路材料に用いる場合、上記の熱硬化型樹脂あるいはUV硬化型樹脂が有する重合性基としてはエポキシ基、アクリレート基、メタクリレート基、エポキシアクリレート基、エポキシメタクリレート基、などが好ましい。ただし、エポキシ樹脂などをカチオン重合させる場合、カチオン活性種が硫酸バリウム粒子に吸着し、重合反応が遅くなることがある。したがって、ラジカル重合に適したアクリレート樹脂、メタクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、エポキシメタクリレート樹脂が好ましい。光配線材料としては、上記のように硫酸バリウム粒子との屈折率が近いものが好ましく、例えば、下記式(11)で表されるアクリレート樹脂(屈折率:1.55)、または、下記式(12)で表されるエポキシアクリレート樹脂(屈折率:1.56)などが挙げられる。未硬化シートAを用いてフォトリソグラフィー法によるパターン加工を行う場合は、樹脂として下記式(11)で表される樹脂を選択すると、現像時の未露光部の残渣を低減することができ好ましい。一方、樹脂として下記式(12)で表される樹脂を選択すると、未硬化シートAから得られる硬化物の屈折率の温度依存性や線膨張率を小さくすることができ好ましい。
Figure 0005286914
本発明の未硬化シートAにおいて、化合物Aの含有量は、硫酸バリウム粒子100重量部に対して5重量部以上20重量部以下であることが好ましい。化合物Aの硫酸バリウム粒子に対する含有量が5重量部以上であると、硫酸バリウム粒子の分散性を高め、硫酸バリウム粒子の分散粒子径を小さくすることができるので、本発明の未硬化シートAから得られる硬化物の光透過性が向上する。このため、光伝搬損失が小さい光導波路を得ることができる。一方、化合物Aと硫酸バリウムの屈折率差を考慮すると、化合物Aの硫酸バリウム粒子に対する含有量が20重量部以下であると、未硬化シートAから得られる硬化物の光透過性を向上させることができる。このため、光伝搬損失が小さい光導波路を得ることができる。
また、本発明の未硬化シートAにおいて、化合物Aの未硬化シートA全体に対する好ましい含有量は、硬化させて得られる重合体が化合物Aのみからなる場合と、化合物Aと樹脂からなる場合によって異なる。例えば、硬化物中の重合体が、化合物Aが単独で重合し硬化する(a)の態様のみの場合、化合物Aの含有量は特に限定されないが、未硬化シートA中の固形成分に対して20重量%以上70重量%以下であることが好ましい。化合物Aの含有量が、未硬化シートA中の固形成分に対して20重量%以上であると、得られる硬化物の耐クラック性や基板との接着性が向上し、凝集破壊に対する耐性も高くなる。化合物Aの含有量が、未硬化シートA中の固形成分に対して30重量%以上であると、これら効果がより高まりさらに好ましい。化合物Aの含有量が、未硬化シートA中の固形成分に対して70重量%以下であると、得られる硬化物の温度による屈折率変化率や線膨張率をより小さくすることができる。化合物Aの含有量が、未硬化シートA中の固形成分に対して50重量%以下であると、これら効果がより高まりさらに好ましい。
他方、硬化物中の重合体が(b)や(c)の態様を含む場合、未硬化シートA中の固形成分に対して、化合物Aと樹脂の含有量の和は20重量%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましい。また、未硬化シートA中の固形成分に対して、化合物Aと樹脂の含有量の和は70重量%以下が好ましく、50重量%以下がより好ましい。この範囲であると好ましい理由は上記(a)の態様における理由と同様である。化合物Aと樹脂の混合比は、製造すべき化合物Aと樹脂との重合体の組成比に合わせて任意に設定することができるが、化合物Aの含有量が、硫酸バリウム粒子に対して1重量%以上であると、硫酸バリウム粒子の分散性を高めることができ好ましい。
また、重合性基を有する樹脂を用いる場合は、化合物Aと樹脂との重合特性を考慮して、これらの混合比を設定することが好ましい。すなわち、(b1)化合物Aと重合性基を有する樹脂がそれぞれ単独で重合する場合と、(b2)1つの化合物Aを起点に重合性基を有する樹脂が鎖状に重合する場合、(b3)化合物Aと重合性基を有する樹脂が交互に重合する場合では、化合物Aと重合性基を有する樹脂との混合比は異なる。例えば、上記(b3)の態様の一例である、重合性基がエポキシアクリレート基である化合物Aとエポキシ樹脂とを交互に重合させる場合は、両者の重合性基を同数にすることが好ましい。
本発明の未硬化シートAは、化合物Aや樹脂の重合を促進するために、ラジカルやカチオン、アニオンなどの活性種を発生する重合促進剤を含有してもよい。重合促進剤としては、光照射や加熱処理により活性化するものがあり、用途に応じて使い分けることが可能である。未硬化シートAをフォトリソグラフィー法によりパターニングをする場合は、光照射により活性化する重合促進剤を用いる。UV光照射によりラジカルを発生する重合促進剤としては、オキシム系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、ベンゾトリアゾール系などが挙げられる。また、UV光照射によりカチオンを発生する重合促進剤としては、ホスフォニウム系、スルフォニウム系、ヨードニウム系などが挙げられる。
本発明の未硬化シートAは、平均粒子径1nm以上50nm以下の硫酸バリウムを含有する。なお、本発明における平均粒子径とは、数平均粒子径を指す。未硬化シートA中の硫酸バリウム粒子は、凝集が完全にほぐれた1次粒子の状態にあるものと、複数個の1次粒子が凝集した状態にあるものが存在する。ここで、未硬化シートA中の硫酸バリウム粒子の粒子径とは、凝集していない1次粒子はその粒子の粒子径であり、1次粒子が凝集したものはその凝集体の粒子径である。分散した硫酸バリウム粒子の平均粒子径が50nm以下である未硬化シートAを製造するためには、使用する硫酸バリウム粒子の1次粒子の平均粒子径は50nm以下である必要がある。これを満たすものとして例えば堺化学工業(株)製のBF−40(平均1次粒子径10nm)が挙げられる。未硬化シートA中の硫酸バリウム粒子の平均粒子径を測定する方法としては、SEM(走査型電子顕微鏡)やTEM(透過型電子顕微鏡)により直接粒子を観察し、粒子径の数平均を計算する方法が挙げられる。このとき、未硬化シートを熱処理または光照射することにより硬化膜を作成してから観察を行うことが好ましい。なお、この硬化過程において未硬化シートA中の硫酸バリウム粒子の数平均粒子径は変化しないため、硬化膜中の硫酸バリウム粒子の数平均粒子径は、未硬化シートA中での硫酸バリウム粒子の数平均粒子径と等しい。
未硬化シートA中の硫酸バリウム粒子の平均粒子径が50nm以下であると、未硬化シートAおよび硬化物の各形態において、均質性が向上し、また、硫酸バリウム粒子による光のレイリー散乱が小さくなるため光透過性も高くなる。このような未硬化シートAを用いて光伝搬損失が小さい光導波路を得ることができる。さらに、未硬化シートA中の硫酸バリウム粒子の平均粒子径が30nm以下であると、この未硬化シートAから得られる硬化物において、硫酸バリウム粒子による光のレイリー散乱が極めて小さくなり、硫酸バリウム粒子を含有していない硬化物の場合とほぼ同等の光透過性を示すようになる。このような材料を用いると、光伝搬損失が非常に小さい光導波路を得ることができる。一方、硫酸バリウム粒子の粒子径が1nm以上であると、粒子の体積に対する比表面積が小さくなるため、粒子の分散性は良好となる。硫酸バリウム粒子の数平均粒子径が5nm以上であると、この効果はさらに大きくなる。
本発明では、未硬化シートAの硫酸バリウム粒子の含有量は、固形成分に対して、30重量%以上80重量%以下であることが好ましい。未硬化シートAの固形成分に対する硫酸バリウム粒子の含有量が30重量%以上であると、未硬化シートAから得られる硬化物の温度による屈折率変化率や線膨張率が低減する。未硬化シートAの固形成分に対する硫酸バリウム粒子の含有量は、より好ましくは50重量%以上である。未硬化シートAの固形成分に対する硫酸バリウム粒子の含有量が80重量%以下であると、耐クラック性や基板との接着性が向上し、凝集破壊に対する耐性も高くなる。また、このような材料を用いると光透過性に優れた硬化物を得ることができるため、光伝搬損失が小さい光導波路を得ることができる。また、フォトリソグラフィー法によるパターン加工を行った場合に、現像時の未露光部の残渣が低減するため、より好ましくは未硬化シートA中の固形成分に対する硫酸バリウム粒子の含有量は70重量%以下である。
本発明の未硬化シートAはシランカップリング剤を含むことが好ましい。シランカップリング剤を含有することにより、フォトリソグラフィー法によるパターン加工において露光部のパターンの細りや剥がれを低減し、クラックの発生を抑制できるため、明瞭なパターン形状を実現できる。また、未露光部の残渣をより低減することもできる。一般に、シランカップリング剤には無機材料と有機材料との接着性を向上させる効果があることが知られている。本発明においても、組成物中の樹脂成分と無機成分との接着性や、組成物中の樹脂成分とシリコンウエハーなどの無機基板との接着性を向上させ、フォトリソグラフィー法によるパターン加工において露光部のパターンの細りや剥がれを低減し、クラックの発生を抑制するという効果が期待できる。一方、フォトリソグラフィー法によるパターン加工における未露光部の残渣を低減する効果に関しては、以下のような理由が考えられる。未露光部に現像液が接触すると、樹脂や化合物Aなどが溶出し、また、化合物Aに捕捉された硫酸バリウム粒子も溶出する。現像時に化合物Aが硫酸バリウム粒子から脱離すると、表面がむき出しになった硫酸バリウム粒子が互いに凝集し、その近傍の樹脂なども凝着し、現像残渣となる。しかし、シランカップリング剤が存在すると、シランカップリング剤が無機成分である硫酸バリウム粒子と有機成分である化合物Aの結合力をより強固にするため、現像時の硫酸バリウム粒子の分散性が保たれ、組成物が速やかに溶出し、残渣が生じにくくなる。
シランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが好ましい。また、未硬化シートAのシランカップリング剤の含有量は、固形成分に対して、0.1重量%以上10重量%以下であることが好ましい。未硬化シートAの固形成分に対するシランカップリング剤の含有量が0.1重量%以上であると、上記シランカップリング剤による十分な効果が得られる。また、上記列挙したものを始め一般のシランカップリング剤は屈折率が1.45以下であり、硫酸バリウム粒子との屈折率差が大きい。したがって、未硬化シートA中の固形成分に対するシランカップリング剤の含有量が10重量%以下であると、レイリー散乱が低減し光透過性を向上させることができ好ましい。
また、本発明の未硬化シートAは、化合物A以外の分散剤を含有してもよい。化合物A以外の分散剤の含有量は、硫酸バリウム粒子100重量部に対して、5重量部以上20重量部以下であることが好ましい。化合物A以外の分散剤の含有量が、5重量部以上であれば、硫酸バリウム粒子の分散性を向上させる効果が顕著であり、20重量部以下であれば、未硬化シートAから得られる硬化物の温度による屈折率変化率や線膨張率が小さくなる。
本発明の未硬化シートAを製造するための基材にはポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムをキャリアとして用いることができる。PETフィルムとしてはその表面を離型処理したもので、その離型材がシリコーン樹脂であるものが好ましい。また、PETフィルムの厚みは特に限定されないが、作業性の観点から、30〜80μmの範囲であることが好ましい。
また、本発明の未硬化シートAは、未硬化膜を保護するために、膜上にカバーフィルムを有してもよい。これにより、大気中のゴミやチリ等の汚染物質から未硬化膜表面を保護することができる。
本発明の未硬化シートAは、PETフィルムと粘着テープの剥離強度が74N/m以上114N/m以下が好ましい。剥離強度が74N/m以上であれば、未硬化シートAをPETフィルム上に形成する際に、均一な膜厚が得られやすく、ピンホールを防止することができる。また、剥離強度が114N/m以下であれば、未硬化シートAの表面状態を損なうことなく、PETフィルムを容易に剥離することができる。ここで、剥離強度は、テンシロンを用いて測定することができる。PETフィルムと粘着テープとの接合面の面幅中央部、端部から約20mm部にそれぞれ粘着テープ(日東電工製 31Bテープ 25mm幅)をゴムローラーを用いて貼り付ける。貼り合わせ後、10〜15分間放置(温度20±2℃、湿度65±5%RH)した後、テンシロンを用いて剥離速度200mm/分で粘着テープの剥離強度を測定し、PETフィルムと粘着テープとの剥離強度とする。PETフィルムへの塗布方法としては、バーコーターを用いる。有機溶媒を除去する方法としては、オーブンやホットプレートによる加熱の他、真空乾燥、赤外線やマイクロ波などの電磁波による加熱などが挙げられる。ここで、有機溶媒の除去が不十分である場合、次の硬化処理により得られる組成物が未硬化状態となったり、熱機械特性が不良となったりすることがある。
次に、本発明の未硬化シートAの製造方法について詳細に説明する。未硬化シートAは、ペースト組成物を用いて製造することができるため、まずペースト組成物の製造方法について説明する。
まず、硫酸バリウム粒子を有機溶媒中で分散した分散液の製造方法を示す。平均1次粒子径が50nm以下の硫酸バリウム粒子(2次粒子、凝集状態のものを含む)、化合物A、有機溶媒、および必要に応じて他の樹脂やpH調整剤、重合禁止剤などを所定の分量で混合し、攪拌する。混合直後は、硫酸バリウム粒子の表面を空気の層が覆っているため、硫酸バリウム粒子と有機溶媒との濡れが十分でなく、粘度が増加する場合がある。その場合は、硫酸バリウム粒子と有機溶媒が完全に濡れるまで、回転羽根などで時間をかけて攪拌することが好ましい。
硫酸バリウム粒子を混合する際に、目的の硬化物製造のために必要な樹脂の全量を、あるいはその一部を加えてもよい。分散処理後に樹脂を加える場合と比較して、分散処理前に樹脂を加える場合では、樹脂と硫酸バリウム粒子とを均一に混合することができる。一方で、分散液の粘度が上がり分散処理の効率が悪くなる、あるいは分散処理後の分散液の保存安定性が悪くなるなどのことが生じる場合がある。化合物Aに関しても分散処理前に必要量を全量入れてもよいし、分散処理前には必要量の一部を入れておき、分散処理後に残りの量を加えてもよい。また、分散処理中の分散液の粘度などの性状を測定しながら、徐々に化合物Aやその他の物質を加えることもできる。
また、目的の硬化物を製造するために必要な重合促進剤、消泡剤、酸化防止剤、重合禁止剤、可塑剤、シランカップリング剤などを添加してもよい。ただし、重合促進剤などは、分散液の保存安定性の観点から、ペースト組成物を製造する直前に添加することが好ましい。
硫酸バリウム粒子(2次粒子、凝集状態のものを含む)、化合物A、有機溶媒、および他の必要な物質を混合、攪拌した後、分散装置にて硫酸バリウム粒子の分散処理を行う。
分散装置としては、例えば、寿工業(株)製の“ウルトラアペックスミル”(商品名)やアシザワ・ファインテック(株)製の“スターミル”(商品名)などのビーズミルが挙げられる。ビーズミルで使用するビーズの平均粒子径は0.01mm以上0.5mm以下であることが好ましい。ビーズの平均粒子径が0.5mm以下である場合、ビーズミル内で硫酸バリウム粒子とビーズとが接触する頻度が高いため、十分な分散効果が得られる。一方、ビーズの平均粒子径が0.01mm以上である場合、個々のビーズの持つ運動量が大きいため、凝集した硫酸バリウム粒子を分散するのに十分なせん断応力が得られる。
ビーズとしては、セラミックやガラス、金属製のものなどが使用できる。ビーズの材質としては、例えば、ソーダガラス、石英、チタニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、ケイ酸ジルコニウム、スチール、ステンレスなどが挙げられる。これらの中でも特に硬度が高いジルコニアビーズが好適に使用できる。
ビーズミルによる分散は小さいビーズを用いた一度の処理で実施してもよく、段階的にビーズの大きさを変えて実施してもよい。例えば、まず粒子径が0.5mmのビーズを用いて硫酸バリウム粒子の分散粒子径が100nm程度になるまで分散処理を行ってから、次に、より微小なビーズを用いて分散処理を施してもよい。
分散処理に費やす時間は硫酸バリウム粒子や、化合物A、有機溶媒などの分散液を構成する物質の種類や組成比により適宜設定する。また、一定時間ごとに分散液をサンプリングし、分散液中での硫酸バリウム粒子の平均粒子径を測定することは、分散状態の経時変化を把握でき、分散処理の終了を判断することができるので好ましい。分散液中の硫酸バリウム粒子の粒子径の測定装置としては、動的光散乱方式であるシスメックス(株)製の“ゼータサイザーナノZS”(商品名)が挙げられる。 次に、上記方法で得られた分散液と、樹脂などを混合し、ペースト組成物を製造する方法について説明する。ただし、分散液製造時に目的の硬化物を製造するために必要な物質を全て混合している場合は、上記方法で得られた分散液がペースト組成物となる。
硫酸バリウム粒子の分散液に樹脂を混合する場合は、分散液中の化合物Aなどの組成に応じて混合する樹脂の種類や混合量を選定する。本発明で得られる硫酸バリウム粒子を分散したペースト組成物を用いて光導波路を製造する場合は、化合物Aと樹脂から得られる重合体の屈折率が硫酸バリウム粒子の屈折率(1.6)と近い値であると、光導波路の光伝搬損失が低減するので、好ましい。前記分散液と樹脂を混合する際は、樹脂中に分散液を所定量となるまで注入してもよいし、分散液中に樹脂を所定量となるまで注入してもよい。ペースト組成物製造時に化合物Aをさらに加え組成調整することもできる。
所定量の分散液と樹脂などを混合して得られたペースト組成物に対し、さらに均質になるようにするために、ボールミルやロールミルを用いた処理を行うことができる。また、混合処理によりペースト組成物中に気泡が混入した場合は、静置する、減圧下に置く、あるいは攪拌脱泡機を用いるなどして気泡を除去すると、ペースト組成物を用いて製造する硬化物中への気泡の混入を避けることができる。
ペースト組成物の粘度を調整するために、さらに有機溶媒を添加したり、加熱や減圧により有機溶媒を適量除去してもよい。また、加熱処理や光照射により化合物Aや樹脂の重合反応を適度に進行させてもよい。
次に本発明の未硬化シートの作製方法の例について説明する。上記のようにして製造したペースト組成物をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗布し、有機溶剤を除去し、未硬化シートを作製する。PETフィルムへの塗布方法としては、バーコーターを用いる。有機溶媒を除去する方法としては、オーブンやホットプレートによる加熱の他、真空乾燥、赤外線やマイクロ波などの電磁波による加熱などが挙げられる。ここで、有機溶媒の除去が不十分である場合、次の硬化処理により得られる組成物が未硬化状態となったり、熱機械特性が不良となったりすることがある。また、ペースト組成物の固形分濃度が低く、厚膜の未硬化シートを作製できない場合は、有機溶媒除去後の未硬化シートを2枚以上貼り合わせても良い。
次に、本発明の未硬化シートの貼り付け方法と硬化方法の例について説明する。まず、未硬化シートを基板にラミネートする。ラミネーターを使用してもホットプレート上で加熱した基板にゴムローラーを用いて手動でラミネートしても良い。ラミネート後、十分に冷却してからPETフィルムを剥離する。
用いた未硬化シートA中の化合物Aあるいは樹脂の硬化機構に応じて、加熱処理や光照射などにより未硬化シートAの硬化反応を進行させる。この場合、光照射後に加熱処理をするなど硬化を完全に進めるために複数の処理を組み合わせてもよい。また、加熱処理を100℃以上の環境下で行う場合は、窒素などの不活性雰囲気下での処理とすると、重合体の酸化を抑制するので好ましい。また、酸素により活性が失われるラジカルを発生させる重合促進剤を用いた組成で光照射により硬化を行う場合も、窒素などの不活性雰囲気下での処理とすると、重合を阻害しないので好ましい。
フォトリソグラフィー法によりパターン加工を行う場合は、基板上に作製した未硬化膜をパターンに対応した必要部分のみ光を通すように設計されたマスクを介して、未硬化シートの硬化波長帯に対応した光を照射する。光源としては超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ、ヘリウム−ネオンレーザー、YAGレーザーなどが挙げられる。露光装置としては、超高圧水銀灯露光装置PEM−6M(ユニオン光学(株)製)などが挙げられる。未硬化シートAの硬化機構がラジカル重合である場合は、ラジカル反応種が酸化により失活することを防ぐために、窒素雰囲気下での露光処理をすることが好ましい。また、パターンの解像度を高めるために、露光装置の照射光の平行度を高くする方が好ましく、さらに、マスクによる回折光の影響を低減するために、マスクと基板を接触させる、またはマスクと基板とのギャップを小さくすることが好ましい。
露光時に照射光が未硬化シートA内部で散乱することにより、パターンエッジが歪むことがある。この場合は、紫外線吸収剤を未硬化シートA中に添加しておくと紫外線吸収剤が露光部から漏れ出る微弱光を吸収して散乱を抑えるため、パターンエッジをシャープに保つことができるので好ましい。未硬化シートA内部の散乱は硫酸バリウム粒子からのレイリー散乱によるものが大きく、短波長の光ほど、その散乱は大きい。よって、短波長の光を選択的に吸収する紫外線吸収剤も好ましく用いることができる。また、光源とマスクとの間に短波長光をカットするフィルターを挿入することにより、散乱を抑えることも可能である。
露光後に硬化反応をさらに進行させるため、一定時間、基板を室温で保存したり熱処理を行うこともできる。露光処理後、基板を現像液に浸し、露光していない部分の未硬化膜を除去し、硬化物のパターンが形成された基板を洗浄し乾燥させる。硬化反応を進めるために、さらに加熱処理をしてもよい。
本発明の未硬化シートAを光導波路に用いる場合は、組み合わせて用いる材料に合わせ、コア部として用いることもクラッディング部として用いることも可能であるが、硫酸バリウムの屈折率が1.6であることから、コア部として用いることが好ましい。未硬化シートAを光導波路のコア部として用いる場合、クラッディング部に用いられる材料としては、屈折率が小さいほど好ましいものであり、特に、(C)シリカ粒子、(D)脂環式エポキシ樹脂、(E)酸無水物および(F)硬化促進剤を含む未硬化シート(以下、「未硬化シートB」と言う)を用いることが好ましい。
脂環式エポキシ樹脂は低屈折率であり、硬化剤として酸無水物を用いることでさらに屈折率を低くすることができる。よって樹脂成分とシリカ粒子の屈折率を近づけることができ、光伝搬損失を小さくすることができる。
脂環式エポキシ樹脂としては例えば“EHPE3150”“EHPE3150CE”“セロキサイド2010P” “セロキサイド2000” “セロキサイド3000”(商品名、ダイセル化学工業(株)製)などが挙げられる。
酸無水物としては無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、クロレンド酸無水物、ポリアゼライン酸無水物などが好ましい。例えば“リカシッドHNA−100”“リカシッドMH−700”“リカシッドHH”“リカシッドSA”“リカシッドTH”(商品名、新日本理化(株))“エピクロンB−650”“エピクロンB−570”“エピクロンEXB−4400”(商品名、大日本インキ化学工業(株))、“カヤハードCD”“カヤハードMCD”“カヤハードCLA”(商品名、日本化薬(株))などが挙げられる。
硬化促進剤としては、アミン塩、イミダゾール、ホスフィン、ホスホニウム塩、有機酸金属塩などが好ましい。例えば、“ヒシコーリンPX−4ET”(商品名、日本化学工業(株)製)、“U−CAT5003”“U−CAT SA102”“U−CAT18X”(商品名、サンアプロ(株))、などが挙げられる。これらは単独もしくは2種以上を併せて用いることが出来る。
上記酸無水物はエポキシ1当量に対して0.6当量以上1.1当量以下の範囲が好ましい。より好ましくは0.8当量以上1当量以下である。硬化促進剤は脂環式エポキシ樹脂と酸無水物の合計量に対して0.1重量%以上10重量%以下の範囲が好ましい。より好ましくは0.5重量%以上5重量%以下である。
シリカ粒子としては、粉末シリカ粒子を用いても、シリカゾルを用いても良い。粉末のシリカ粒子を用いる場合、ビーズミルなどの分散装置を用いて有機溶媒中に分散させたペースト組成物を用いて未硬化シートBを製造する必要がある。市販のシリカゾルとしては、例えば“PMA−ST”“GBL−ST”“MIBK−ST”“MEK−ST”“NBAC−ST”“DMAC−ST”“IPA−ST−S”(商品名、日産化学工業(株)製)、“PL−2L−NMP” “PL−2L−Tol” “PL−2L−PGME”“PL−2L−MEK”(商品名、扶桑化学(株))などが挙げられる。
シリカ粒子の含有量は固形成分に対して、30重量%以上80重量%以下であることが好ましい。未硬化シートBの固形成分に対するシリカ粒子の含有量が30重量%以上であると、未硬化シートBから得られる硬化物の温度による屈折率変化率や線膨張率が低減する。未硬化シートBの固形成分に対するシリカ粒子の含有量は、より好ましくは50重量%以上である。未硬化シートBの固形成分に対するシリカ粒子の含有量が80重量%以下であると、耐クラック性や基板との接着性が向上し、凝集破壊に対する耐性も高くなる。また、このような材料を用いると光透過性に優れた硬化物を得ることができるため、光伝搬損失が小さい光導波路を得ることができる。
また、シリカ粒子の平均粒子径は1〜50nmであることが好ましい。ここでいう平均粒子径とは数平均粒子径を指す。未硬化シートB中のシリカ粒子の平均粒子径を測定する方法としては、未硬化シートAと同様の方法が挙げられる。未硬化シートB中のシリカ粒子の平均粒子径が50nm以下であると、未硬化シートBおよび硬化物の各形態において、均質性が向上し、また、シリカによる光のレイリー散乱が小さくなるため光透過性も高くなる。このような未硬化シートBを用いて光伝搬損失が小さい光導波路を得ることができる。さらに、未硬化シートB中のシリカ粒子の平均粒子径が30nm以下であると、この未硬化シートAから得られる硬化物において、シリカ粒子による光のレイリー散乱が極めて小さくなり、シリカ粒子を含有していない硬化物の場合とほぼ同等の光透過性を示すようになる。このような材料を用いると、光伝搬損失が非常に小さい光導波路を得ることができる。一方、シリカ粒子の粒子径が1nm以上であると、粒子の体積に対する比表面積が小さくなるため、粒子の分散性は良好となる。シリカ粒子の数平均粒子径が5nm以上であると、この効果はさらに大きくなる。
未硬化シートBの製造方法について説明する。未硬化シートBもペースト組成物を用いて製造することができる。シリカゾルまたは粉末シリカ粒子などを含む有機溶媒中に樹脂組成物(脂環式エポキシ樹脂、酸無水物、硬化促進剤)を所定量となるまで注入する。あるいは、樹脂組成物中にシリカゾルまたは粉末シリカ粒子などを含む有機溶媒を所定量となるまで注入してもよい。このようにして得られたペースト組成物に対し、さらに均質になるようにするために、ボールミルやロールミルを用いた処理を行うことができる。また、混合処理によりペースト組成物中に気泡が混入した場合は、静置する、減圧下に置く、あるいは攪拌脱泡機を用いるなどして気泡を除去すると、ペースト組成物を用いて製造する硬化物中への気泡の混入を避けることができる。ペースト組成物の粘度を調整するために、さらに有機溶媒を添加したり、加熱や減圧により有機溶媒を適量除去してもよい。
上記のようにして製造したペースト組成物をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗布し、有機溶剤を除去し、未硬化シートBを作製することができる。PETフィルムとしてはその表面が非シリコーン処理のものが好ましい。例えば“セラピールHP2”(商品名、東レフィルム加工(株))が挙げられる。また、PETフィルムの厚みは特に限定されないが、作業性の観点から、30〜80μmの範囲であることが好ましい。
PETフィルムへの塗布方法としては、バーコーターを用いる。有機溶媒を除去する方法としては、オーブンやホットプレートによる加熱の他、真空乾燥、赤外線やマイクロ波などの電磁波による加熱などが挙げられる。ここで、有機溶媒の除去が不十分である場合、次の硬化処理により得られる組成物が未硬化状態となったり、熱機械特性が不良となったりすることがある。また、ペースト組成物の固形分濃度が低く、厚膜の未硬化シートを作製できない場合は、有機溶媒除去後の未硬化シートを2枚以上貼り合わせても良い。
また、未硬化シートBは、未硬化膜を保護するために、膜上にカバーフィルムを有してもよい。これにより、大気中のゴミやチリ等の汚染物質から感光性樹脂組成物膜表面を保護することができる。
次に、未硬化シートBの貼り付け方法と硬化方法の例について説明する。まず、未硬化シートBを基板にラミネートする。ラミネーターを使用してもホットプレート上で加熱した基板にゴムローラーを用いて手動でラミネートしても良い。ラミネート後、十分に冷却してからPETフィルムを剥離する。基板上に作製した未硬化膜は加熱処理により硬化させる。
次に、本発明の未硬化シートを用いた光導波路の製造方法について説明する。まず、基板にアンダークラッディング部用未硬化シートBをラミネートする。ラミネーターを用いてもホットプレート上でゴムローラーを用いて手動でラミネートしても良い。十分に冷却後、PETフィルムを剥離し、加熱処理を行う。続いて、アンダークラッディング上にコア部を形成する。アンダークラッディング上に未硬化シートAを上記と同様の方法でラミネートした後、PETフィルムを剥離し、コア部を形成する。ここで、フォトリソグラフィー法によりパターニング行うことができる。また、パターン加工を行わなくても良い。最後にオーバークラッディング層を作製する。アンダークラッディング上に作製したコア上面に未硬化シートBを上記と同様の方法でラミネートし、PETフィルムを剥離する。これらを熱硬化させることにより光導波路を形成することができる。
本発明の未硬化シートや硬化物は光導波路に好ましく使用される。光導波路は、電子機器などの回路基板上に形成され、基板上に実装されたIC間の光信号を伝送する働きを持つ。光導波路は光信号が伝搬するコア部と、コア部を囲むコア部よりも屈折率の低いクラッディング部からなる。チャネル型光導波路の構造を図1に、スラブ型光導波路の構造を図2に示す。チャネル型光導波路は、線状のコア部1の周囲をクラッディング部2が囲む構造を有する。スラブ型光導波路は、層状のコア部1の上下を層状のクラッディング部2が覆う構造を有する。本発明の未硬化シートをコア部とクラッディング部の両方に用いてもよいし、どちらか一方のみに用いてもよい。
本発明の未硬化シートAは光照射によるパターン形成が可能であるので、コア部形成用材料として用いると、様々な形状の光導波路を容易に製造することができ、好ましい。また、コア部とクラッディング部との屈折率差が大きい方が、伝搬光の閉じ込め効果が大きく好ましい。
光導波路のクラッディング部およびコア部の屈折率や厚みは、設計する光導波路により任意に選択することができる。マルチモード光導波路の場合は、コア部とクラッディング部の屈折率差を大きくして、コア部を厚くすることが適している。シングルモード光導波路の場合は、コア部とクラッディング部の屈折率差を小さくして、コア部を薄くして、シングルモード伝搬が実現するようにする。
チャネル型光導波路を製造する方法には、例えば以下のようなものがある。ガラスやシリコンウエハー、ガラスエポキシ基板、プラスチックフィルムなどの基板上に、アンダークラッディング部用未硬化シートBをラミネートし、硬化させ、アンダークラッディング部を形成する。さらに、アンダークラッディング部上に、コア部用未硬化シートAをラミネートし、膜状のコア部を形成する。次いで、膜状のコア部を導波路パターンに加工する。コア部用未硬化シートAが光照射により重合する場合は、フォトリソグラフィー法によりパターン形成を行うことができる。また、コア部用未硬化シートAが熱により重合する場合は、リアクティブイオンエッチングなどによりパターン形成を行うことができる。次に、コア部の上にオーバークラッディング部用未硬化シートBをラミネートし、硬化させ、オーバークラッディング部を形成する。
未硬化シートを形成する方法としては特に限定されず、例えば、スクリーン印刷、ブレードコーター、ダイコーターなどの装置を用いる方法が挙げられる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。また実施例で用いた化合物のうち、略語を使用しているものについて以下に示す。
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
THFA:テトラヒドロフルフリルアルコール
硫酸バリウム粒子の分散液、ペースト組成物から得られる硬化物、および光導波路の各特性の測定方法は以下の通りである。
<未硬化シートから得られる硬化物の屈折率の測定方法>
メトリコン社製のプリズムカップラー装置2010と専用のP−1プリズムを用いて、波長850nm、温度25℃にて、未硬化シートから得られる硬化物の屈折率を求めた。また、同装置にて、40℃、60℃、80℃および100℃での屈折率を測定し、最小2乗法によりこれら4点の傾きを求め、屈折率の温度に対する変化(屈折率温度依存性)を算出した。
<光導波路の光伝搬損失の測定方法>
JPCA規格(JPCA−PE02−05−01S−2004)に準じてカットバック法で測定した。入射側および出射側の光ファイバーは、コア径が50μmで開口数が0.28のマルチモードタイプを用いた。測定温度は23℃で、測定光源の波長は850nmであった。
<オーバークラッディング部の表面平坦性の評価>
オーバークラッディング部の表面平坦性は光導波路の断面を走査型電子顕微鏡S−4800((株)日立ハイテクノロジーズ製)にて観察することで評価した。加速電圧は3kVとした。図3に示すように隣り合うコア上のオーバークラッディング部の最高点とこれらのコア間のオーバークラッディング部の最低点の差を測定した。同様の測定を10ヶ所の異なるコア上、コア間に対して行い、その平均値を表面平坦性とした。
<分散液製造前の凝集した原料硫酸バリウム粒子の平均粒子径の測定方法>
以下のように光学顕微鏡を用いて測定した。粒子をガラスなどの透明板上に載せ、粒子が載った透明板を光学顕微鏡の観察ステージ上に置いた。透明板の下側から光を当て、その透過光像を光学顕微鏡の接眼レンズ部の代わりに取り付けたCCDカメラADP−240M((株)フローベル製)を介してデジタル画像としてコンピューターに取り込み、画像処理ソフトFlvFs((株)フローベル製)にて、観察された任意の100個の粒子に対し、球形近似したときの粒子径を求め、数平均粒子径を算出した。
<分散液中の硫酸バリウム粒子の平均粒子径の測定方法>
カーボン蒸着したコロジオン膜上に、分散液を滴下し、有機溶媒を乾燥除去後、透過型電子顕微鏡H−7100FA(日立製作所(株)製)にて硫酸バリウム粒子を観察した。加速電圧は100kVとした。観察像はデジタル画像としてコンピューターに取り込み、画像処理ソフトFlvFs((株)フローベル製)にて、観察された任意の100個の粒子に対し、球形近似したときの粒子径を求め、数平均粒子径を算出した。なお、1次粒子が凝集して存在する場合は、凝集体としての粒子径を測定した。
<未硬化シート中の粒子の平均粒子径の測定方法>
未硬化シートを熱処理または光照射することにより硬化膜を作製した。超薄切片法によってこの硬化膜の試料薄膜(約100nm)を作製した。透過型電子顕微鏡H−7100FA(日立製作所(株)製)にて粒子を観察した。加速電圧は100kVとした。観察像はデジタル画像としてコンピューターに取り込み、画像処理ソフトFlvFs((株)フローベル製)にて、観察された任意の100個の粒子に対し、球形近似したときの粒子径を求め、数平均粒子径を算出した。なお、1次粒子が凝集して存在する場合は、凝集体としての粒子径を測定した。
<未硬化シートから得られる硬化物の線膨張率の測定方法>
エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製のTMA測定装置TMA/SS6100を用いて、窒素雰囲気中で、室温から120℃まで昇温し、再び室温まで降温したときの未硬化シートから得られる短冊状硬化物の寸法の変位を引っ張り荷重10mNで測定し、50℃から70℃における昇降温の平均の線膨張率を算出した。線膨張率の温度履歴を除去するために、昇降温を連続して2度繰り返し、2度目の測定結果を変位値として用いた。
<分散液の製造>
分散液A〜Pを次のように製造した。硫酸バリウム2次粒子BF−40(堺化学工業(株)製、平均2次粒子径15μm、平均1次粒子径10nm)と分散剤、有機溶媒を、表1に示す各混合量で混合し、ホモジナイザー“エクセルオート”(商品名、(株)日本精機製作所製)にて、回転刃先端の周速5m/sで1時間処理し、硫酸バリウム粒子を分散した。
次いで、ホモジナイザーにて処理した上記の分散液を、ビーズミルである“ウルトラアペックスミルUAM−015”(商品名)(寿工業(株)製)を用いて分散処理した。ビーズは材質がジルコニアであり、平均粒子径は0.05mm((株)ニッカトー製、YTZボール)、投入量は400gとした。また、ビーズミルのローターの周速は9.5m/sとし、送液圧力は0.1MPaとした。分散処理時間は分散液A〜Oは10時間、Pは1時間とし、分散処理終了後に液を回収し硫酸バリウム粒子の分散液を得た。分散終了時の分散液中の硫酸バリウム粒子の平均粒子径を表1に示す。
表1中、分散剤として使用した“HOA−MPL”(商品名)、“HOA−HH”(商品名)は共栄社化学(株)製であり、重合性基およびカルボキシル基を有する化合物である。また、“ライトエステルP−1M”(商品名、共栄社化学(株)製)および“RDX63182”(商品名、ダイセル・サイテック(株)製)は重合性基を有するリン酸エステル化合物である。また、“Disperbyk−111”(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製)は重合性基を有していないリン酸エステル化合物である。
Figure 0005286914
実施例1
分散液Aを9.8gと前記式(11)で表される樹脂5g、オキシム系のUV活性型重合促進剤OXE02(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)0.1g、シランカップリング剤“KBM403”(商品名、信越化学工業(株)製、化学名:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)0.2gをボールミルを用いて混合し、未硬化シートA形成用ペースト組成物を製造した。なお、このペースト組成物において有機溶媒を除いた固形成分中の硫酸バリウム粒子の含有量は40重量%であった。
上記未硬化シートA形成用ペースト組成物をバーコーターを用いて、PETフィルム“SR−1”(商品名、大槻工業(株))(厚み38μm)上に塗布し、大気中でオーブンを用いて90℃で15分間乾燥し、乾燥後の膜厚が10μmの未硬化シートAを製造した。80℃のホットプレート上で石英基板にゴムローラーを用いて未硬化シートAをラミネートした。ラミネート後、フィルムを剥離し、硬化処理として超高圧水銀灯露光装置(ユニオン光学(株)製、PEM−6M)を用いて、50mJ/cmの紫外線を露光し、厚さ10μmの膜状の硬化物を製造した。波長850nm、温度25℃における該膜状の硬化物の屈折率は1.556であり、屈折率の温度依存性は51ppm/℃であった。また、ここで作製した未硬化シートAを用いて未硬化シートA中の硫酸バリウムの平均粒子径を測定したところ、16nmであった。
また、上記と同様にして乾燥膜厚が100μmの未硬化シートAを製造した。この未硬化シートAの硬化処理として超高圧水銀灯露光装置(ユニオン光学(株)製、PEM−6M)を用いて、50mJ/cmの紫外線で露光し、硬化物を得た。得られた硬化物をPETフィルムから剥がし、5mm×30mmの短冊状に切断し、線膨張評価用サンプルを作製した。長さ方向の線膨張率を測定したところ、44ppm/℃であった。
他方、“NBAC−ST”(商品名、日産化学工業(株))(固形分濃度30重量%)6.90g、“EHPE3150CE”(商品名、ダイセル化学工業(株)製)1.45g、“リカシッドHNA−100”(商品名、新日本理化(株))1.57g、“ヒシコーリンPX−4ET”(商品名、日本化学工業(株)製)0.090gを混合し、未硬化シートB形成用ペースト組成物を製造した。なおこのペースト組成物において有機溶媒を除いた固形成分のシリカ粒子含有量は40重量%であった。
上記未硬化シートB形成用ペースト組成物をバーコーターを用いてPETフィルム“セラピールHP2”(商品名、東レフィルム加工(株))(厚み75μm)に塗布し、大気中でオーブンを用いて90℃で15分間乾燥し、乾燥後の膜厚が10μmの未硬化シートBを製造した。100℃のホットプレート上で石英基板にゴムローラーを用いて未硬化シートBをラミネートした。ラミネート後、フィルムを剥離し、硬化処理として窒素中175℃で4時間加熱し、厚さ10μmの膜状の硬化物を製造した。波長850nm、温度25℃における該膜状の硬化物の屈折率は1.481であり、屈折率の温度依存性は25ppm/℃であった。また、ここで作製した未硬化シートAを用いて未硬化シートA中の硫酸バリウムの平均粒子径を測定したところ、12nmであった。
また、同様に乾燥膜厚が100μmの未硬化シートBを製造し、硬化処理として窒素中175℃で4時間加熱し、硬化物を得た。得られた硬化物をPETフィルムから剥がし、5mm×30mmの短冊状に切断し、線膨張評価用サンプルを作製した。長さ方向の線膨張率を測定したところ、34ppm/℃であった。
光導波路を以下のように製造した。未硬化シートA形成用ペースト組成物を用いて乾燥後の膜厚が50μmの未硬化シートAを製造し、これをコア部用未硬化シートとして使用した。また、未硬化シートB形成用ペースト組成物を用いて、乾燥後の膜厚が20μmと70μmの未硬化シートBを製造し、それぞれアンダークラッディング部用未硬化シート、オーバークラッディング部用未硬化シートとして使用した。
基板(銅配線付きのガラスエポキシ基板)をホットプレート上で100℃に加熱し、ゴムローラーを用いてアンダークラッディング用未硬化シートをラミネートした。さらにホットプレート上で10分間加熱した後、十分に冷却し、PETフィルムを剥離した。その後、硬化のために窒素中175℃で4時間加熱し、基板上にアンダークラッディング部を形成した。続いて、アンダークラッディング部を形成した基板をホットプレート上で80℃に加熱し、ゴムローラーを用いてコア用未硬化シートをラミネートした。さらにホットプレート上で10分間加熱した後、十分に冷却し、PETフィルムを剥離した。アンダークラッディング上に作製したコア膜に、超高圧水銀灯露光装置(ユニオン光学(株)製、PEM−6M)を用いて、石英製マスクを介して、50mJ/cmの紫外線を露光した。石英製マスクは幅50μmで長さ9cmのスリット部を250μmピッチで有し、スリット部以外の部分で遮光する。露光後の基板を現像液ELM−D(三菱ガス化学(株)製)中に5分間浸し、未露光部の膜を除去し、幅50μmで長さ9cmの形状であるコア部を形成した。現像後のパターンは明瞭な矩形でありクラックの発生もなく、未露光部にも残渣は見られず、現像性は良好であった。
さらにこの上にオーバークラッディング層を形成するため、基板をホットプレート上で100℃に加熱し、オーバークラッディング用未硬化シートをゴムローラーを用いてラミネートした。15分間ホットプレート上で加熱した後、十分に冷却し、PETフィルムを剥離した。硬化のために窒素中175℃で4時間加熱し、光導波路を得た。
ダイシング装置を用いて基板ごと光導波路の両端を切断し、光伝搬損失を求めたところ0.1dB/cmであった。
また、表面平坦性を測定したところ0.5μmであった。
実施例2〜290
表2〜31に示す組成の未硬化シートAを実施例1と同様の方法で製造し、未硬化シートA中の硫酸バリウム粒子の数平均粒子径の測定および現像性の評価を行った。また、これを用いて実施例1と同様の方法で物性値評価用硬化物および光導波路を製造し、硬化物の屈折率、屈折率の温度依存性および線膨張率ならびに光導波路の光伝搬損失およびオーバークラッディング部の表面平坦性を測定した。評価結果を表2〜31に示した。なお、アンダークラッディング部用未硬化シートおよびオーバークラッディング部用未硬化シートは実施例1と同一のものを用いた。また、実施例209〜226においては、ペースト組成物を製造する際に、樹脂を加えずに分散液を製造したときに用いた化合物Aを追加して加えた。評価結果を表2〜31に示した。ここで、樹脂Aは上記式(11)で表されるものであり、樹脂Bは上記式(12)で表されるものである。また、シランカップリング剤“KBM503”(商品名)は信越化学工業(株)製であり、化学名は3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランである。
なお、光導波路を製造する際に、現像後の未露光部の基板表面に薄膜状の残渣が存在した実施例については、表2〜31の現像性の欄に「未露光部に残渣あり」と記した。また、光導波路を製造する際に、現像後のコア部にクラックが存在する箇所が見られた実施例については、表2〜31の現像性の欄に「コア部にクラック発生」と記した。
実施例291〜298
表32〜33に示す組成の未硬化シートBを実施例1と同様の方法で製造し、これを用いて実施例1と同様の方法で物性値評価用硬化物(クラッディング部)を製造し、硬化物の屈折率、屈折率の温度依存性および線膨張率ならびに光導波路の光伝搬損失およびオーバークラッディング部の表面平坦性を測定した。評価結果を表32〜33に示した。なお、コア部用未硬化シートは実施例1と同一のものを用いた。また、硬化促進剤“UCAT5003”(商品名)はサンアプロ(株)製、酸無水物“MH−700”(商品名)は新日本理化(株)製、脂環式エポキシ樹脂“EHPE3150”(商品名)はダイセル化学(株)製、シリカゾル“IPA−ST−S”(商品名)(固形分濃度25.5重量%)は日産化学工業(株)製である。
Figure 0005286914
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比較例1〜2
表34〜35に示す組成の未硬化シートAを実施例1と同様の方法で製造し、未硬化シートA中の硫酸バリウム粒子の数平均粒子径の測定および現像性の評価を行った。また、これを用いて実施例1と同様の方法で物性値評価用硬化物および光導波路を製造し、硬化物の屈折率、屈折率の温度依存性および線膨張率ならびに光導波路の光伝搬損失およびオーバークラッドの表面平坦性を測定した。評価結果を表34〜35に示した。なお、アンダークラッディング部用未硬化シートおよびオーバークラッディング部用未硬化シートは実施例1と同一のものを用いた。得られた硬化物は重合が不十分で柔らかく、屈折率および線膨張率の評価ができなかった。また、光導波路を製造する際の現像時に未露光部が白色化し、5分間の浸漬時間では除去できず、20分間基板を揺動することで未露光部を除去した。未露光部の基板表面に薄膜状の残渣が存在した。また、露光部の光導波路パターンはなだらかな山型であった。光伝搬損失の測定を試みたが、損失が大き過ぎて伝搬光強度が検出限界以下であり、測定できなかった。
比較例3〜4
表34〜35に示す組成の未硬化シートAを実施例1と同様の方法で製造し、未硬化シートA中の硫酸バリウム粒子の数平均粒子径の測定および現像性の評価を行った。また、これを用いて実施例1と同様の方法で物性値評価用硬化物および光導波路を製造し、硬化物の屈折率、屈折率の温度依存性および線膨張率ならびに光導波路の光伝搬損失およびオーバークラッディング部の表面平坦性を測定した。評価結果を表34〜35に示した。なお、アンダークラッディング部用未硬化シートおよびオーバークラッディング部用未硬化シートは実施例1と同一のものを用いた。屈折率の温度依存性、線膨張率共に大きな値であった。光導波路を製造する際の現像時に未露光部が白色化し、現像液中での20分間の揺動を行っても未露光部には厚さ数μmの膜が残存した。光伝搬損失の測定を試みたが、損失が大き過ぎて伝搬光強度が検出限界以下であり、測定できなかった。
比較例5〜10
表34〜35に示す組成の未硬化シートAを実施例1と同様の方法で製造し、未硬化シートA中の硫酸バリウム粒子の数平均粒子径の測定および現像性の評価を行った。また、これを用いて実施例1と同様の方法で物性値評価用硬化物および光導波路を製造し、硬化物の屈折率、屈折率の温度依存性および線膨張率ならびに光導波路の光伝搬損失およびオーバークラッディング部の表面平坦性を測定した。評価結果を表34〜35に示した。なお、アンダークラッディング部用未硬化シートおよびオーバークラッディング部用未硬化シートは実施例1と同一のものを用いた。
比較例11〜16
表34〜35に示す組成の未硬化シートA形成用ペースト組成物を実施例1と同様の方法で製造した。また、未硬化シートB形成用ペースト組成物は実施例1と同様の組成のものを用いた。光導波路はアンダークラッディング部、コア部、オーバークラッディング部すべてペースト組成物をスピナーを用いて塗布することにより作製した。なお、コア部のパターニング、硬化処理は実施例1と同様の条件で行った。評価結果を表34〜35に示した。オーバークラッドの表面平坦性が悪く、光伝搬損失が大きくなった。
Figure 0005286914
Figure 0005286914
チャネル型光導波路の構造を示す概略図 スラブ型光導波路の構造を示す概略図 オーバークラッディングの表面平坦性の評価方法を示す概略図
本発明の光導波路用未硬化シートは、パソコン、ハードディスクレコーダー、DVDレコーダー、ゲーム機、携帯電話などの高速信号伝送を行う情報機器に用いられる配線基板内のLSI間の情報伝送を行う光配線などに好適に利用可能である。
符号の説明
1 コア部
2 クラッディング部

Claims (10)

  1. (A)平均粒子径1nm以上50nm以下の硫酸バリウム粒子、(B)重合性基およびカルボキシル基を有する化合物、または重合性基を有するリン酸エステル化合物を含む光導波路用未硬化シート。
  2. 前記重合性基およびカルボキシル基を有する化合物が、下記一般式(1)で表される化合物を含む請求項1記載の光導波路用未硬化シート。
    Figure 0005286914
    (上記一般式(1)中、Rは水素原子またはメチル基を示す。Rは下記一般式(2)〜(4)のいずれかで表される2価の基を示す。)
    Figure 0005286914
    (上記一般式(2)〜(4)中、nおよびmはそれぞれ1〜3の整数である。)
  3. 前記一般式(1)におけるRが水素原子であり、Rが一般式(4)で表される2価の基であり、nが2である請求項2記載の光導波路用未硬化シート。
  4. 前記重合性基を有するリン酸エステル化合物が、下記一般式(5)で表される化合物を含む請求項1記載の光導波路用未硬化シート。
    Figure 0005286914
    (上記一般式(5)中、R〜Rは下記一般式(6)〜(10)のいずれかで表される1価の基または水素原子を示し、R〜Rは同じでも異なっていてもよい。ただし、R〜Rの全部が水素原子になることはない。)
    Figure 0005286914
    (上記一般式(6)〜(10)中、R〜Rは水素原子またはメチル基を示す。R10〜R11は炭素数1〜10の2価の基であり、R12は水酸基を有する炭素数1〜10の2価の基である。)
  5. 前記一般式(5)におけるR〜Rの少なくとも1つが前記一般式(8)で表される1価の基である請求項4記載の光導波路用未硬化シート。
  6. さらに、重合性基を有する樹脂を含む請求項1〜5のいずれか記載の光導波路用未硬化シート。
  7. 前記重合性基を有する樹脂が、下記式(11)または(12)で表される樹脂を含む請求項6記載の光導波路用未硬化シート。
    Figure 0005286914
  8. さらに、シランカップリング剤を含む請求項1〜7のいずれか記載の光導波路用未硬化シート。
  9. 請求項1〜8いずれか記載の光導波路用未硬化シートをコア部として、(C)シリカ粒子、(D)脂環式エポキシ樹脂、(E)酸無水物および(F)硬化促進剤を含む光導波路用未硬化シートをクラッディング部として用いた光導波路用部材。
  10. 請求項9記載の光導波路用部材を硬化させてなる光導波路。
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