以下に、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる様態で実施しうる。なお、以下の実施形態と請求項の関係は次の通りである。
実施形態1は、主に請求項1、および、3などについて説明する。
実施形態2は、主に請求項2、および、4などについて説明する。
<<実施形態1>>
<実施形態1の概要>
本実施形態は、装着者の上腕部および前腕部の動きを補助する腕運動支援装置であって、利用者の腕部分を装置自体に固定することなく操縦することができるものに関する。
<実施形態1の機能的構成>
図1は、本実施形態に係る腕運動支援装置の機能ブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る腕運動支援装置(0109)は、スパン(0101)と、上腕支持部(0102)と、前腕支持部(0103)と、かまぼこ型センサー(0104)と、連結部(0105)と、第一駆動部(0106)と、第二駆動部(0107)と、制御部(0108)と、からなる。
(スパンについての説明)スパン(0101)は、利用者の肩に相対的に固定される。図2は、本実施形態に係る腕運動支援装置の機械的機構の一例を示す図である。図2において、スパンは、おもに、背面部装着リンク(0201、0202)と、前記2つの背面部装着リンクを橋掛けするように溶接などにより固定される背面部橋掛リンク(0203、0204)と、前記2つの背面部装着リンクの各上端部と溶接などにより固定されている基本リンク(0205)と、からなる。また、図2においては、スパンは、右内側垂直軸(0206)、左内側垂直軸(0207)と、右肩甲骨リンク(0208)、左肩甲骨リンク(0209)と、右外側垂直軸(0210)、左外側垂直軸(0211)と、右L字リンク(0212)、左L字リンク(0213)と、右外側前後軸(0214)、左外側前後軸(0215)と、右遊星リンク(0216)、左遊星リンク(図示せず)と、右駆動ギアボックス(0217)、左駆動ギアボックス(0218)と、からなる。右内側垂直軸(0206)は、基本リンク(0205)右端に溶接などにより固定されている。右肩甲骨リンク(0208)は、右内側垂直軸(0206)を回転軸として基本リンク(0205)に対し上下回転運動可能である。右外側垂直軸(0210)は、右L字リンク(0212)上端部に溶接などにより固定され、右肩甲骨リンク(0208)の右内側垂直軸(0206)が接続している側の逆側端部と接続し、右L字リンク(0212)と右肩甲骨リンク(0208)とを相対的に回転させることができる。右外側前後軸(0214)は、右遊星リンク(0216)左側端部に溶接などにより固定され、右L字リンク(0212)の下端部と接続し、右遊星リンク(0216)と右L字リンク(0212)とを相対的に回転させることができる。右駆動ギアボックス(0217)は、右遊星リンク(0216)右側端部と溶接などにより固定されている。また、左内側垂直軸(0207)と、左肩甲骨リンク(0209)と、左外側垂直軸(0211)と、左L字リンク(0213)と、左外側前後軸(0215)と、左遊星リンク(図示せず)と、左駆動ギアボックス(0218)と、の構成についても、右内側垂直軸(0206)と、右肩甲骨リンク(0208)と、右外側垂直軸(0210)と、右L字リンク(0212)と、右外側前後軸(0214)と、右遊星リンク(0216)と、右駆動ギアボックス(0217)と、がなす構成と同様の構成をなす。そして、図2におけるスパンを構成する各パーツには、一例としてアルミ材質のものを用いることが可能である。また、右駆動ギアボックス(0217)および左駆動ギアボックス(0218)の内部に第一駆動部(0106)および第二駆動部(0107)にかかる駆動装置を格納する。
なお、図2にかかるスパンの装着方法については、一例として、背面部装着リンク(0201、0202)にベルトなどの固定具を取り付け、その固定具を利用者の上半身に固定することなどが可能である。あるいは、前記背面部装着リンク(0201、0202)を車いす背もたれ部分に固定することで、利用者に装着させることも可能である。また、図2に示すスパン(0101)の構成は飽くまでも一例である。本実施形態にかかるスパン(0101)の構成については、本実施形態にかかる腕運動支援装置の利用者が装着するのに差し支えない限りでいかなる構成のものを用いてもかまわない。たとえば、図2にかかる右駆動ギアボックス(0217)および左駆動ギアボックス(0218)が直接基本リンク(0205)に固定されているような構成のものを用いてもかまわない。
(上腕支持部についての説明)上腕支持部(0102)は、スパン(0101)に対して回転可能に連結される。図2において、上腕支持部(0239、0240)は、右外側水平軸(0219)、左外側水平軸(0220)と、右上腕アーム(0221)、左上腕アーム(0222)と、右上腕部支持体固定具(0223)、左上腕部支持体固定具(0224)と、右上腕部支持体(0225)、左上腕部支持体(0226)と、からなる。図2に示すように、右上腕アーム(0221)は、右外側水平軸(0219)を介して、スパンの構成要件の一つである右駆動ギアボックス(0217)と連結している。また、右上腕アーム(0221)には右上腕部支持体固定具(0223)が固定されており、右上腕部支持体固定具(0223)には右上腕部支持体(0225)が取り付けられている。この右上腕部支持体(0225)は、利用者が本実施形態に係る腕運動支援装置を利用する際、利用者の右上腕部分を利用者背面方向から挟み込むような形で支持する。ここで、右外側水平軸(0219)は、右上腕アーム(0221)の右外側水平軸(0219)用の軸受けに固定されている。また、右外側水平軸(0219)は、右駆動ギアボックス(0217)の軸受けに支持され、前記軸受けに対し自転することができる。そして、右外側水平軸(0219)は、第一駆動部の動力源からの動力をうけて回転運動する。したがって、前記回転運動に伴い、右上腕アーム(0221)と、右上腕部支持体固定具(0223)と、右上腕部支持体(0225)と、が一体となって、右外側水平軸(0219)を軸中心に回転する。そして、右上腕部支持体(0225)の回転に伴い、右上腕部支持体(0225)に支持されている利用者の右上腕部分が右外側水平軸(0219)を軸中心に回転させられる。これが、上腕支持部の右側部分における、利用者右上腕部分の駆動の様態である。そして、上腕支持部の左側部分における、利用者左上腕部分の駆動の様態も、前記利用者右上腕部分の駆動の様態と同様である。ちなみに、右上腕部支持体固定具(0223)は、右上腕アーム(0221)表面長手方向略中央部に固定される。右上腕部支持体(0225)は、基本的には、アルファベッドの「U」のような形や片仮名の「コ」のような形をしている。また、右上腕アーム(0221)の、右外側水平軸(0219)が固定されている方とは逆側の端部には、連結部を構成している右肘関節軸(0227)を支持し、右肘関節軸(0227)を回転させることのできる右肘関節軸(0227)用の軸受けが設けられている。なお、左外側水平軸(0220)と、左上腕アーム(0222)と、左上腕部支持体固定具(0224)と、左上腕部支持体(0226)と、の構成についても、右外側水平軸(0219)と、右上腕アーム(0221)と、右上腕部支持体固定具(0223)と、右上腕部支持体(0225)と、がなす構成と同様の構成をなす。そして、図2における上腕支持部を構成する各パーツについては、左右上腕部支持体(0225、0226)を除き、一例としてアルミ材質性のものを用いることが可能である。また、左右上腕部支持体(0225、0226)については、一例としてポリエチレン製の筺体にポリエステル−綿50%−50%の布を張ったものが好ましい。また、右上腕アーム(0221)および左上腕アーム(0222)の内部は空洞上であることが好ましい。第一駆動部(0106)および第二駆動部(0107)にかかる駆動装置を各上腕アーム(0221、0222)内部に格納するためである。
なお、図2に示す上腕支持部(0102)の構成は飽くまでも一例である。本実施形態にかかる上腕支持部(0102)の構成については、本実施形態にかかる腕運動支援装置の利用者が装着し、操作するのに差し支えない限りでいかなる構成のものを用いてもかまわない。
また、本実施形態にかかる腕運動支援装置の駆動制御の都合上、前腕支持部に設けられるかまぼこ型センサー(0235、0236)とは別に、右上腕部支持体(0225)および左上腕部支持体(0226)に、それぞれ右上腕部感圧センサー(0237)、左上腕部感圧センサー(0238)を設けることも可能である。この点に関する詳細については、後述する。
(前腕支持部についての説明)前腕支持部(0103)は、利用者の前腕部分を支持する。図2において、前腕支持部(0241、0242)は右前腕アーム(0229)、左前腕アーム(0230)と、右前腕部支持体固定具(0231)、左前腕部支持体固定具(0232)と、右前腕部支持体(0233)、左前腕部支持体(0234)と、右かまぼこ型センサー(0235)、左かまぼこ型センサー(0236)と、からなる。図2に示すように、右前腕アーム(0229)は、右肘関節軸(0227)を介して、右上腕アーム(0221)と連結している。また、右前腕アーム(0229)には右前腕部支持体固定具(0231)が固定されており、右前腕部支持体固定具(0231)には右前腕部支持体(0233)が取り付けられている。この右前腕部支持体(0233)は、利用者が本実施形態に係る腕運動支援装置を利用する際、利用者の右前腕部分を利用者背面方向から挟み込むような形で支持する。ここで、右肘関節軸(0227)は、右前腕アーム(0229)の右肘関節軸(0227)用の軸受けに固定されている。また、右肘関節軸(0227)は、右上腕アーム(0221)の右肘関節軸(0227)用の軸受けに支持され、前記軸受けに対し自転することができる。そして、右肘関節軸(0227)は、第二駆動部の動力源からの動力をうけて回転運動する。したがって、前記回転運動に伴い、右前腕アーム(0229)と、右前腕部支持体固定具(0231)と、右前腕部支持体(0233)と、が一体となって、右肘関節軸(0227)を軸中心に回転する。そして、右前腕部支持体(0233)の回転に伴い、右前腕部支持体(0233)に支持されている利用者の右前腕部分が右肘関節軸(0227)を軸中心に回転させられる。これが、前腕支持部の右側部分における、利用者右前腕部分の駆動の様態である。そして、前腕支持部の左側部分における、利用者左前腕部分の駆動の様態も、前記利用者右前腕部分の駆動の様態と同様である。ちなみに、右前腕部支持体固定具(0231)は、右前腕アーム(0229)表面長手方向略中央部に固定される。右前腕部支持体(0233)は、基本的には、アルファベッドの「U」のような形や片仮名の「コ」のような形をしている。また、右前腕部支持体(0233)には、右かまぼこ型センサー(0235)が取り付けられている。この右かまぼこ型センサー(0235)も、前記右前腕部支持体(0233)の回転に伴い、右前腕部支持体(0233)と一体になって回転する。なお、左肘関節軸(0228)と、左前腕アーム(0230)と、左前腕部支持体固定具(0232)と、左前腕部支持体(0234)と、左かまぼこ型センサー(0236)と、の構成についても、右肘関節軸(0227)と、右前腕アーム(0229)と、右前腕部支持体固定具(0231)と、右前腕部支持体(0233)と、右かまぼこ型センサー(0235)と、がなす構成と同様の構成をなす。そして、図2における前腕支持部を構成する各パーツについては、左右前腕部支持体(0233、0234)および左右かまぼこ型センサー(0235、0236)を除き、一例としてアルミ材質性のものを用いることが可能である。また、左右前腕部支持体(0233、0234)については、一例としてポリエチレン製の筺体にポリエステル−綿50%−50%の布を張ったものが好ましい。また、右前腕アーム(0229)および左前腕アーム(0230)の内部は空洞上であることが好ましい。第一駆動部(0106)および第二駆動部(0107)にかかる駆動装置を各前腕アーム(0229、0230)内部に格納するためである。
なお、図2に示す前腕支持部(0103)の構成は飽くまでも一例である。本実施形態にかかる前腕支持部(0103)の構成については、本実施形態にかかる腕運動支援装置の利用者が装着し、操作するのに差し支えない限りでいかなる構成のものを用いてもかまわない。
(かまぼこ型センサーについての説明)かまぼこ型センサー(0104)は、前腕支持部に備えられ、装着者の前腕から加えられる押圧力を検知し、前腕支持部での装着者の腕の略すべり方向に弧を描くものである。図3は、利用者の手の甲および前腕部分を、かまぼこ型センサーのかまぼこ形状のクッションの上を滑らせることができる様子を示す図である。「前腕支持部での装着者の腕の略すべり方向」とは、利用者の前腕部分の長手方向のことをいう。また、「弧を描く」とは、図3に示すかまぼこ型センサーのように、かまぼこ型形状をなしている、ということである。なお、図2において、かまぼこ型センサーは、右かまぼこ型センサー(0235)および左かまぼこ型センサー(0236)からなり、それぞれ左右前腕部支持体(0233、0234)表面上側中央部分に配置される。
かまぼこ型センサー(0104)は、感圧センサの表面上にかまぼこ形状のクッションを設けたものからなる。前記かまぼこ形状のクッションは、かまぼこ形状のコルク材質のものの表面にクッションゴムを貼り付ける。そして、前記クッションゴム上にポリエステル−綿50%−50%の布など、滑りやすい材質の繊維を張る。このような構成をとることにより、図3(a)および(b)に示すように、利用者の手(0301)および前腕部分(0302)を前記かまぼこ形状のクッション(0303、0304)の上を滑らせることができる。このように、利用者の手の甲および前腕部分を前記かまぼこ形状のクッションの上を滑らせることにより、スパン(0101)に対し、上腕支持部(0102)および前腕支持部(0103)がどのような配置をとっていても、利用者は自身の手の甲もしくは前腕部分でかまぼこ型センサー(0104)に触れることが出来、本実施形態にかかる腕運動支援装置の操作を行うことができる。その様子を図4に示す(なお、図4においては、利用者の上腕部分および前腕部分を半固定的に支持するパーツ(図2における左右上腕支持体(0225、0226)および左右前腕支持体(0233、0234))の描写については省略した)。まず、図4(a)においては、前腕支持部のアーム部分(0402)長手方向すなわち前腕アーム方向は、上腕支持部のアーム部分(0401)の長手方向すなわち上腕アーム方向に対し垂直をなし、装置前面方向を向いている。この状態下、利用者は自身の肘近傍(0403)でかまぼこ型センサー(0405)に触れている。この状態から、図4(b)に示すような、上腕支持部および前腕支持部がそれぞれ利用者前面方向に動かされた状態に移行したとする。前記移行の間、かまぼこ型センサー(0411)の上を利用者の前腕部分が滑らかに移動する。そして、利用者の上腕部分(0406)および前腕部分(0409)は前記両アーム部分(0407、0408)に引き付けられる。図4(b)に示す状態においては、上腕アーム方向は、鉛直方向よりもやや装置前面方向を向いている。また、前腕アーム方向は、上腕アーム方向に対し、装置前面側に90°から180°の間の角度をなしている。そして、利用者は、自身の前腕部分(0409)でかまぼこ型センサー(0411)に触れることとなる。この状態からさらに、図4(c)に示すような、上腕アーム方向と、前腕アーム方向とが水平方向に延びた状態へと移行したとする。前記移行の間、かまぼこ型センサー(0417)の上を利用者の前腕部分から手の甲にかかる部分が滑らかに移動する。前記移行に伴い、利用者の上腕部分(0414)および前腕部分(0415)も水平方向に延びた状態となる。そして利用者は、自身の手の甲(0416)でかまぼこ型センサー(0417)に触れることとなる。
次に、前記感圧センサーの機構の一例、および、前記感圧センサーにおける押圧力の検知の機構の一例について説明する。前記感圧センサーは、両面を銅箔で挟んだ感圧導電ゴムからなる。前記銅箔はそれぞれ汎用的なコネクタケーブルと接続している。そして、前記感圧導電ゴムは、押圧力を受けることで自身の電気抵抗が下がる。この抵抗値の変化により生じる前記銅箔間の電圧変化を前記各銅箔がとらえ、前記コネクタケーブルへと伝達する。以上が前記感圧センサーの機構の一例、および、前記感圧センサーにおける押圧力の検知の機構の一例である。なお、前記コネクタケーブルはA/D変換機と接続している。前記A/D変換機は、前記感圧センサから伝達された電圧変化をデジタル変換し、かまぼこ型センサー(0104)からの押圧力によって生じる信号すなわち前腕押圧力信号を生成する。この前腕押圧力信号は、前記A/D変換機と制御部(0108)とをつなぐUSBケーブルを介して、制御部(0108)へと伝達される。また、ここに示した押圧力の検知機構は飽くまでも一例である。前記機構について、その他有効な機構例があれば、その機構をとることも可能である。また、ここに示した、前記押圧力の制御部(0108)への伝達機構も、飽くまでも一例である。前記伝達機構について、その他有効な機構例があれば、その機構をとることも可能である。
なお、前述したかまぼこ型センサー(0104)の材質については、あくまでも一例である。本実施形態にかかるかまぼこ型センサー(0104)の材質については、図3および図4に示すような動作を可能とするものであれば、いかなるものを用いてもかまわない。
(連結部についての説明)連結部(0105)は、上腕支持部(0102)と前腕支持部(0103)とを回転可能に連結する。図2において、連結部は右肘関節軸(0227)、左肘関節軸(0228)からなる。前述したが、図2において、右肘関節軸(0227)は右前腕アーム(0229)上端部に、右前腕アーム(0229)と一体になって回転するよう、固定されている。また、右肘関節軸(0227)は右上腕アーム(0221)下端部に回動可能に取り付けられている。従って、右肘関節軸(0227)は、自身を軸中心として、自身の回転と一緒に、右前腕アーム(0229)を、右上腕アーム(0221)に対し相対的に回転させることができる。また、左肘関節軸(0228)についても、左前腕アーム(0230)および左上腕アーム(0222)とともに、右肘関節軸(0227)と同様の構成をとる。なお、連結部(0105)の材質については、一例として、アルミ材質であることが好ましい。
(第一駆動部および第二駆動部についての説明)第一駆動部(0106)は、上腕支持部(0102)をスパン(0101)に対して回転駆動するためのものである。また、第二駆動部(0107)は、前腕支持部(0103)を連結部(0105)付近で上腕支持部(0102)に対して回転駆動するためのものである。
図5に、図2に示す各駆動ギアボックス(0217、0218)内部および各上腕アーム(0221、0222)内部および各前腕アーム(0229、0230)内部に格納され、第一駆動部および第二駆動部を構成する駆動装置の一例を示す。前記駆動装置において、第一駆動部は、第一駆動モータ(0501)と、第一駆動プーリ(0502)と、第一タイミングベルト(0503)と、第一回転プーリ(0505)と、からなる。また、第二駆動部は、第二駆動モータ(0506)と、第二駆動プーリ(0507)と、第二タイミングベルト(0508)と、中継プーリ(0509)と、中継タイミングベルト(0510)と、第二回転プーリ(0512)と、からなる。上記機構を構成する各パーツは、左右駆動ギアボックス(0513)および左右上腕アーム(0514)および左右前腕アーム(0515)内部に格納されている。
図5において、第一駆動プーリ(0502)は第一駆動モータ(0501)回転軸上に取り付けられており、第一駆動モータ(0501)の回転軸と一体になって回転する。第一回転プーリ(0505)は左右外側水平軸(0504)に溶接などにより固定されている。したがって、左右外側水平軸(0504)は第一回転プーリ(0505)と一体になって回動可能である。そして、第一駆動プーリ(0502)および第一回転プーリ(0505)は第一タイミングベルト(0503)により連動可能に連結されている。また、第二駆動プーリ(0507)は第二駆動モータ(0506)回転軸上に取り付けられており、第二駆動モータ(0506)の回転軸と一体になって回転する。中継プーリ(0509)は左右外側水平軸(0504)上に互いの回転軸が同一になるように備えられている。なお、中継プーリ(0509)と左右外側水平軸(0504)とはたがいに独立に回動する。第二駆動プーリ(0507)および中継プーリ(0509)は第二タイミングベルト(0508)により連動可能に連結されている。第二回転プーリ(0512)は左右肘関節軸(0511)に溶接などにより固定されている。したがって、左右肘関節軸(0511)は第二回転プーリ(0512)と一体になって回動可能である。そして、中継プーリ(0509)および第二回転プーリ(0512)は中継タイミングベルト(0510)により連動可能に連結されている。
図5において、第一駆動モータ(0501)回転軸が回転することにより、第一駆動プーリ(0502)も前記回転軸と一体になって回転する。第一駆動プーリ(0502)の回転は、第一タイミングベルト(0503)を介して第一回転プーリ(0505)に伝達される。前記回転の伝達に伴い、第一回転プーリ(0505)も回転する。前記第一回転プーリ(0505)の回転に伴い、第一回転プーリ(0505)を固定している左右外側水平軸(0504)、および、左右外側水平軸(0504)に固定されている左右上腕アーム(0514)が、左右外側水平軸(0504)を軸中心として回動する。このようにして、左右上腕アーム(0514)などからなる上腕支持部は第一駆動モータ(0501)により回動可能である。
また、図5において、第二駆動モータ(0506)回転軸が回転することにより、第二駆動プーリ(0507)も前記回転軸と一体になって回転する。第二駆動プーリ(0507)の回転は、第二タイミングベルト(0508)を介して中継プーリ(0509)に伝達される。前記回転の伝達に伴い、中継プーリ(0509)は左右外側水平軸(0504)の回動とは独立に、左右外側水平軸(0504)上を回転する。前記中継プーリの回転は、中継タイミングベルト(0510)を介して第二回転プーリ(0512)に伝達される。前記回転の伝達に伴い、第二回転プーリ(0512)も回転する。第二回転プーリ(0512)の回転に伴い、第二回転プーリ(0512)を固定している左右肘関節軸(0511)、および、左右肘関節軸(0511)に固定されている左右前腕アーム(0515)が左右上腕アーム(0514)に対し回動する。このようにして、左右前腕アーム(0515)などからなる前腕支持部は第二駆動モータ(0506)により回動可能である。
第一駆動モータ(0501)および第二駆動モータ(0506)はそれぞれ汎用的なコネクタケーブルなどにより制御部(0108)と接続している。また、第一駆動モータ(0501)および第二駆動モータ(0506)については、一例として、DCモータなどを用いる。なお、上記および図5に示した第一駆動部(0106)および第二駆動部(0107)の機構は飽くまでも一例である。本実施形態にかかる第一駆動部(0106)および第二駆動部(0107)については、その他有効な機構例があれば、その機構をとることも可能である。
(制御部についての説明)制御部(0108)は、かまぼこ型センサー(0104)からの押圧力によって生じる信号を取得するとともに、取得した信号に応じて第一駆動部(0106)と、第二駆動部(0107)とを制御する。前記制御については、利用者の上腕部分および前腕部分を自由に動かすことができない場合にその利用者の上腕部分および前腕部分の動きを補助する追従モード、および、利用者が重いものを持ち上げる場合にその利用者の持ち上げ動作を補助する補助モードなどの制御パターンに基づいて行われる。
図6は、前記追従モードにおける、前記前腕押圧力信号に対する、第一駆動部および第二駆動部の駆動制御の様子の例を示す図である。図6(a)に示すグラフは時間ごとのかまぼこ型センサー(0104)が検知する押圧力の値を示すものであり、前記押圧力の値の挙動は図6(a)に示すグラフ中の関数f2(t)で表わされる。また、図6(a)中の(1)〜(6)および(1')〜(6')は、図6(a)に示すグラフ中の時間ごとの、上腕支持部のアーム部分および前腕支持部のアーム部分の位置を示すものである。ちなみに、図6(a)中の(1)〜(6)については、上腕支持部のアーム部分の長手方向すなわち上腕アーム方向および前腕支持部のアーム部分の長手方向すなわち前腕アーム方向が双方とも真下方向を向いている状態、を始状態(時間t0における状態)として制御を開始する際の様子の例を示したものである。また、図6(a)中の(1')〜(6')については、上腕アーム方向が真下方向を向き、前腕アーム方向が上腕支持部に対し装置前面側に90°の角度をなした状態を始状態(時間t0における状態)として制御を開始する際の様子の例を示したものである。また、図6(a)中の(1)〜(6)および(1')〜(6')に示すθ1は、上腕アーム方向が鉛直方向に対し装置前面側になす角度である。また、図6(a)中の(1)〜(6)および(1')〜(6')に示すθ2は、前腕アーム方向が上腕アーム方向に対し装置前面側になす角度である。
一例として、図6(a)中の(1)〜(6)に示す駆動制御の様子について説明する。まず、時間t0からt1の間、図6(a)中の(1)に示すように、利用者は自身の腕を鉛直方向に向けた状態をとり続ける。したがって、時間t0からt1の間は、利用者はかまぼこ型センサーに対し一定の押圧力をかけ続ける。その際かまぼこ型センサーが検知し続ける押圧力の値はS0のままである。この間、制御部は、θ1が0°、θ2が180°の値をとり続けるよう、第一および第二駆動部を制御する。次に、時間t1において、利用者が自身の前腕部を上方向に持ち上げる。この際かまぼこ型センサーが検知する押圧力の値は、始状態の値S0よりも低い値になる。前記押圧力の値が閾値S2よりも低くなった際に、θ1の値が大きく、θ2の値が小さくなるよう、制御部は第一および第二駆動部を制御する。図6(a)中の(2)は、図6(a)のグラフ中の時間t2近傍において上腕アーム方向および前腕アーム方向がどちらを向いているかを示すものである。また、前記時間t2にかかる状態は、前記制御の途中の状態でもある。時間t1からt3の間において、利用者はかまぼこ型センサーに対しS2よりも小さい値の押圧力をかけ続ける。そして、時間t3においてθ1およびθ2の値が90°になった際に、利用者がかまぼこ型センサーに対し力を加える。ここでかまぼこ型センサーが検知する押圧力の値がS0になった際に、制御部は第一および第二駆動部の駆動を停止するよう制御する。次に、今度は、時間t4において、利用者が自身の前腕部を自身の前面方向に押し出す。この際かまぼこ型センサーが検知する押圧力の値は、始状態の値S0よりも高い値になる。前記押圧力の値が閾値S1よりも大きくなった際に、θ1の値が小さく、θ2の値が大きくなるよう、制御部は第一および第二駆動部を制御する。図6(a)中の(5)は、図6(a)のグラフ中の時間t5近傍において上腕アーム方向および前腕アーム方向がどちらを向いているかを示すものである。また、前記時間t5にかかる状態は、前記制御の途中の状態でもある。時間t4からt6の間において、利用者はかまぼこ型センサーに対しS1よりも大きい値の押圧力をかけ続ける。そして、時間t6においてθ1の値が0°、θ2の値が180°になった際に、利用者がかまぼこ型センサーに対し力を緩める。ここでかまぼこ型センサーが検知する押圧力の値がS0になった際に、制御部は第一および第二駆動部の駆動を停止するよう制御する。以上が図6(a)中の(1)〜(6)に示す駆動制御の様子についての説明である。
なお、図6(a)中の(1)〜(6)に示すような駆動制御と、図6(a)中の(1')〜(6')に示すような駆動制御とを、前記前腕押圧力信号にのみ基づいて行う場合、前記両駆動制御のうちいずれを行うかを選択するためのスイッチング機構などが必要となる。
制御部(0108)における各駆動部の駆動制御については、第二駆動部(0107)を前記前腕押圧力信号により、第一駆動部(0106)を上腕支持部に設けられた感圧センサーからの押圧力によって生じる信号すなわち上腕押圧力信号により、それぞれ独立に制御することも可能である。このような制御方法をとることにより、上腕支持部(0102)および前腕支持部(0103)を個々別々に動かすことができる。この場合、一例として、図6(b)に示すグラフと図6(a)中の(1)〜(6)および(1')〜(6')とにより示される関係に基づいて、制御部(0108)は各駆動部を制御することができる。ここで、かまぼこ型センサー(0104)が検知した押圧力の挙動は図6(b)に示すグラフ中の関数f2'(t)で表わされ、また、上腕支持部(0102)に設けられた感圧センサーが検知した押圧力の挙動は図6(b)に示すグラフ中の関数f1'(t)で表わされる。また、各駆動部を独立に駆動できるようにすることで、図6(a)中の(1')〜(6')に示すような駆動制御のモードから、図6(a)中の(1')〜(6')に示すような駆動制御のモードへの移行を、第二駆動部(0107)のみを駆動制御することだけで、簡単に行うこともできる。なお、前記感圧センサーの機構については、前述のかまぼこ型センサーにかかる感圧センサーと同様の機構をとることなどが可能である。また、前記各上腕部感圧センサーから前記上腕押圧力信号を生成する機構および前記上腕押圧力信号を制御部(0108)へ伝達する機構については、前述の前記前腕押圧力信号の生成機構および前記前腕押圧力信号の制御部への伝達機構と同じ機構などを用いることが可能である。
なお、図6に示した駆動制御の様子は飽くまでも一例である。本実施形態に係る追従モード時の駆動制御においては、必ずしも図6に例示した駆動制御を完全に遂行する必要はない。たとえば、利用者が図6(a)に例示する駆動制御において、図6(a)中の(2)に示す状態においてかまぼこ型センサーに値S0の押圧力を与えることで、図6(a)中の(3)に示す状態に到達する前に駆動制御を終了することなども可能である。また、駆動制御を図6(a)中の(2)に示す状態から開始することなども可能である。
図7は前記補助モードにおける、前記前腕押圧力信号に対する第一駆動部および第二駆動部の駆動制御の様子の例を示す図である。図7における前記駆動制御の様子は、基本的には、図6において説明する該駆動制御の様子とほぼ同様であるが、図7においては、各センサーに対して押圧力が加えられた際に、各支持部が前記押圧力の加えられる方向とは逆の方向に動くよう制御部は各駆動部を駆動制御する。また、図7(a)においてかまぼこ型センサー(0104)が検知する押圧力の値の挙動は図7(a)に示すグラフ中の関数F2(t)で表わされる。同様に、図7(b)において、かまぼこ型センサー(0104)が検知した押圧力の挙動は図7(b)に示すグラフ中の関数F2'(t)で表わされ、また、上腕支持部(0102)に設けられた感圧センサーが検知した押圧力の挙動は図7(b)に示すグラフ中の関数F1'(t)で表わされる。
前記補助モードにおける駆動制御の様子の一例を、図7(a)に示すグラフ中の関数F2(t)、および、図7(a)中の(1')〜(6')を用いて説明する。まず、時間t0からt1の間、図7(a)中の(1')に示すように、利用者は自身の腕をL字型状に曲げた状態をとり続ける。したがって、時間t0からt1の間は、利用者はかまぼこ型センサーに対し一定の押圧力をかけ続ける。その際かまぼこ型センサーが検知し続ける押圧力の値はS0のままである。この間、制御部は、θ1が0°、θ2が90°の値をとり続けるよう、第一および第二駆動部を制御する。次に、時間t1において、利用者が物体を持つ。この際かまぼこ型センサーが検知する押圧力の値は、前記物体からのさらなる加重によりS0よりも高い値になる。前記押圧力の値が閾値S1よりも高くなった際に、θ1およびθ2の値が大きくなるよう、制御部は第一および第二駆動部を制御する。図7(a)中の(2')は、図7(a)のグラフ中の時間t2近傍において上腕アーム方向および前腕アーム方向がどちらを向いているかを示すものである。また、前記時間t2にかかる状態は、前記制御の途中の状態でもある。時間t1からt3の間において、利用者はかまぼこ型センサーに対しS1よりも大きい値の押圧力をかけ続ける。そして、時間t3においてθ1が90、θ2が180°になった際に、利用者が前記物体を棚の上などに置くことで、前記加重はかまぼこ型センサーに掛からなくなり、押圧力値はS0になる。ここで、制御部は第一および第二駆動部の駆動を停止するよう制御する。次に、今度は、時間t4において、利用者が自身の前腕部を自身の上方向に持ち上げる。この際かまぼこ型センサーが検知する押圧力の値は、S0よりも低い値になる。前記押圧力の値が閾値S2よりも低くなった際に、θ1およびθ2の値が小さくなるよう、制御部は第一および第二駆動部を制御する。図7(a)中の(5')は、図7(a)のグラフ中の時間t5近傍において上腕アーム方向および前腕アーム方向がどちらを向いているかを示すものである。また、前記時間t5にかかる状態は、前記制御の途中の状態でもある。時間t4からt6の間において、利用者はかまぼこ型センサーに対しS2よりも小さい値の押圧力をかけ続ける。そして、時間t6においてθ1が0°、θ2が90°になった際に、利用者がかまぼこ型センサーに対し力を加える。ここでかまぼこ型センサーが検知する押圧力の値がS0になった際に、制御部は第一および第二駆動部の駆動を停止するよう制御する。以上が図7(a)中の(1')〜(6')に示す駆動制御の様子についての説明である。
なお、図7に示した駆動制御の様子は飽くまでも一例である。本実施形態に係る補助モード時の駆動制御においては、必ずしも図7に例示した駆動制御を完全に遂行する必要はない。たとえば、利用者が図7(a)に例示する駆動制御において、図7(a)中の(2')に示す状態においてかまぼこ型センサーに値S0の押圧力を与えることで、図7(a)中の(3')に示す状態に到達する前に駆動制御を終了することなども可能である。また、駆動制御を図7(a)中の(2')に示す状態から開始することなども可能である。
なお、以上に示した該駆動制御は飽くまでも一例である。前記駆動制御について、その他有効な手段があれば、その手段をとることも可能である。
本実施形態にかかる制御部(0108)は、コンピュータ、および、前記コンピュータ中の記憶装置に記憶されているプログラムなどにより構成される。図8は、本実施形態に係る制御部を実現するためのデータが、CPU(0801)、HDD(0802)、メインメモリ(0803)、I/O(0804)などからなる計算機に、どのように格納されているかを示すものである。たとえば、本実施形態にかかる制御部が、第二駆動部(0107)を前記前腕押圧力信号により、第一駆動部(0106)を前記上腕押圧力信号により、それぞれ独立に制御する場合、図8にかかる制御部は前記上腕押圧力信号および前記前腕押圧力信号をI/O(0804)を介して取得する。この図にあるように、メインメモリ(0803)のワーク領域には駆動情報生成プログラム(0805)、駆動部制御プログラム(0807)が展開される。また、メインメモリ(0803)のデータ領域には駆動情報生成テーブル(0806)が格納されている。
駆動情報生成テーブル(0806)は、図6および図7に例示するような、各センサーにて感知した各押圧力の値に対し、前腕支持部および上腕支持部をどちらの方向に回動させるか、についての情報を有するテーブルである。駆動情報生成プログラム(0805)は、I/O(0804)を介して各センサー側から入力された前腕押圧力信号(および上腕押圧力信号)に基づき、駆動情報生成テーブル(0806)に従って、駆動情報(0808)を生成し、メインメモリ(0803)のデータ領域に格納する。この駆動情報(0808)は、各駆動部のモータの回転軸をどの方向へ回すか、に関する情報である。そして、駆動部制御プログラム(0807)は、駆動情報(0808)に基づき、第一駆動信号(0811)および第二駆動信号(0812)を生成する。第一駆動信号(0811)は第一駆動部のモータを駆動する信号である。第二駆動信号(0812)は第二駆動部のモータを駆動する信号である。第一駆動信号(0811)および第二駆動信号(0812)はそれぞれ汎用的なコネクタケーブルなどを介して、第一駆動部(0813)および第二駆動部(0814)へと送られる。
なお、図8に示す制御部の構成は飽くまでも一例である。前記制御部の構成について、その他有効な構成例があれば、その構成をとることも可能である。
図9に、本実施形態にかかる制御部(0108)での、各駆動部(0106、0107)の駆動制御の流れの一例を示す。まず、かまぼこ型センサー(および上腕支持部に別途設けられた感圧センサー)が利用者からの押圧力を検知し、押圧力信号を生成する(S0901)。次に、制御部が、前記押圧力信号に基づき、駆動情報を生成する(S0902)。次に、制御部が、前記駆動情報に基づき、駆動信号を生成する(S0903)。次に、前記駆動信号を各駆動部に伝達することで、制御部が、前記駆動信号に基づいて各駆動部の駆動制御を行う(S0904)。
<実施形態1の処理の流れ>
図10は、本実施形態にかかる腕運動支援装置の動作方法(S1001)における処理の流れを示す図である。図10に示すように、前記処理は押圧力信号取得ステップ(S1002)、制御ステップ(S1003)の二段階のステップからなる。
まず、押圧力信号取得ステップ(S1002)は、かまぼこ型センサーからの押圧力によって生じる信号を取得するステップである。すなわち、制御部(0108)における、かまぼこ型センサー(0104)からの押圧力によって生じる信号を取得する機能においてなされる処理と同様の処理を行うステップである。
次に、制御ステップ(S1003)は、取得した信号に応じて第一駆動部と、第二駆動部とを制御するステップである。すなわち、制御部(0108)における、取得した信号に応じて第一駆動部(0106)と、第二駆動部(0107)とを制御する機能においてなされる処理と同様の処理を行うステップである。
<実施形態1の効果>
本実施形態にかかる腕運動支援装置により、利用者の腕部分を装置自体に固定することなく、利用者の前腕部分を支持する部位に、利用者が自身の腕をのせるだけで操縦できる、腕運動支援装置が実現する。
<<実施形態2>>
<実施形態2の機能的構成>
本実施形態の機能的構成は、基本的には実施形態1における機能的構成と同じである。ただし、本実施形態の腕運動支援装置(1101)にかかるかまぼこ型センサー(1102)が、第一面センサー(1103)および第二面センサー(1104)を有する点で異なる。
(第一面センサーおよび第二面センサーについての説明)第一面センサー(1103)および第二面センサー(1104)は、かまぼこ型センサー(1102)の曲面に加えられる押圧力を異なる法線方向の二面に加えられる力としてベクトル検知するためのものである。図12は、本実施形態にかかるかまぼこ型センサーの機構例、および、本実施形態にかかる駆動制御の様子の一例を示す図である。
図12(a)は本実施形態にかかるかまぼこ型センサーの断面図である。図12(a)においてかまぼこ型センサーは、本体前方側(1202)と、本体後方側(1203)と、本体上側(1204)と、前方側感圧導電ゴム(1205)と、後方側感圧導電ゴム(1206)と、前方上側銅箔(1207)と、前方下側銅箔(1208)と、後方上側銅箔(1209)と、後方下側銅箔(1210)と、からなる。図11における第一面センサー(1103)は、図12においては後方側感圧導電ゴム(1206)と、後方上側銅箔(1209)と、後方下側銅箔(1210)からなる。また、図11における第二面センサー(1104)は、図12においては前方側感圧導電ゴム(1205)と、前方上側銅箔(1207)と、前方下側銅箔(1208)からなる。なお、本実施形態にかかるかまぼこ型センサーが配置される位置については、実施形態1にかかるかまぼこ型センサーが配置される位置と同様である。
本実施形態の第一面センサー(1103)および第二面センサー(1104)における押圧力の検知の機構については、実施形態1のかまぼこ型センサーにおける押圧力の検知機構とほぼ同様である。また、第一面センサー(1103)が検知した押圧力は、それぞれA/D変換機により、デジタル信号である前記上腕押圧力信号へと変換され、制御部へと伝達される。また、第二面センサー(1104)が検知した押圧力は、それぞれA/D変換機により、デジタル信号である前記前腕押圧力信号へと変換され、それぞれ制御部へと伝達される。すなわち、第一面センサー(1103)は、実施形態1において上腕支持部(0102)に設けられる感圧センサーとほぼ同じ役割を果たす。また同様に、第二面センサー(1104)は、実施形態1におけるかまぼこ型センサー(0104)とほぼ同じ役割を果たす。
図12(b)は本実施形態にかかる制御部(1105)が図6(b)に示す追従モードに従って各駆動部を駆動制御する際の様子を示すものである。前述したように、図6に示す追従モードにおいて、制御部は、上腕押圧力信号にかかる押圧力の値が大きくなる場合には、θ1が小さくなるように駆動制御を行う。これにより、上腕支持部は垂直方向を向くようにプーリに対し回動する。また逆に、制御部は、上腕押圧力信号にかかる押圧力の値が小さくなる場合には、θ1が大きくなるように駆動制御を行う。これにより、上腕支持部は水平方向を向くようにプーリに対し回動する。同様に、図6に示す追従モードにおいて、制御部は、前腕押圧力信号にかかる押圧力の値が大きくなる場合には、θ2が大きくなるように駆動制御を行う。これにより、前腕支持部は上腕支持部と同じ方向を向くように上腕支持部に対し回動する。また逆に、制御部は、前腕押圧力信号にかかる押圧力の値が小さくなる場合には、θ2が小さくなるように駆動制御を行う。これにより、前腕支持部は上腕支持部と垂直になるように上腕支持部に対し回動する。したがって、図12(b1)において利用者が、第二面センサーにより多くの力がかかるようかまぼこ型センサーに力を加えた場合、上腕支持部の回動よりも前腕支持部の回動の方が大きくなるよう制御部は駆動制御を行う。逆に、図12(b2)において利用者が、第一面センサーにより多くの力がかかるようかまぼこ型センサーに力を加えた場合、前腕支持部の回動よりも上腕支持部の回動の方が大きくなるよう制御部は駆動制御を行う。
なお、図12に示した、本実施形態にかかるかまぼこ型センサーの機構例、および、本実施形態にかかる駆動制御の様子は飽くまでも一例である。前記機構例および駆動制御の方法について、その他有効な機構および方法があれば、その機構および方法をとることも可能である。
<実施形態2の処理の流れ>
図13は、本実施形態にかかる腕運動支援装置の動作方法(S1301)における処理の流れを示す図である。本実施形態にかかる腕運動支援装置の動作方法(S1301)は、基本的には実施形態1にかかる該動作方法とほぼ同様である。ただし、押圧力信号取得ステップ(S1302)がベクトル信号取得サブステップ(S1303)を有する点において、異なる。
ベクトル信号取得サブステップ(S1303)は、第一面センサーおよび第二面センサーからの押圧力によって生じるベクトル信号を取得する。すなわち、第一面センサー(1103)および第二面センサー(1104)が、かまぼこ型センサー(1102)の曲面に加えられる押圧力を異なる法線方向の二面に加えられる力としてベクトル検知する際に行う処理と同様の処理を行うステップである。
<実施形態2の効果>
本実施形態にかかる腕運動支援装置により、前腕支持部に取り付けられたセンサのみを用いて、前腕支持部と、上腕支持部と、の双方の駆動を制御できる腕運動支援装置が実現する。