以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、携帯と電子看板(サイネージ)を連携させた情報配信システムの構成図である。図1に示すシステムは、40Aから40Hの複数の携帯端末と50Aから50Cの複数の電子看板と登録端末60が携帯ネットワーク20及びネットワーク30を介して配信サーバ10と接続しており、配信サーバ10から携帯端末40Aから40H及び電子看板50Aから50C及び登録端末60へ広告情報及び一般情報などのコンテンツを配信する。配信サーバ10とCP(Contents Provider、コンテンツプロバイダー)サーバ70はネットワーク30を介して接続しており、配信対象コンテンツをCPサーバ70から配信サーバ10へ送信する。携帯端末40Aから40Hは、移動体端末全般を指しており、電子看板50Aから50Cは、駅や街や公共の場に設置している小型から大型ディスプレイなどの表示装置を想定している。登録端末60は、事前にコンテンツ受信端末として登録した自宅のPCやその他ネットワーク接続した端末を想定している。携帯端末の位置情報は、GPS( Global Positioning System、全地球測位システム)による情報や基地局80A、80Bとの通信情報によって把握する。図1では、配信サーバ10が40Aから40F及び電子看板50A、50Bを同一エリアのエリアA1に存在する端末、携帯端末40Gから40H及び電子看板50Cを同一エリアのエリアA2に存在する端末として把握して管理する。
同一エリアの同定方法の一つとして、例えばエリアA1の範囲をGPS座標で指定し、その範囲内の値に携帯端末40Aが取得したGPS座標と電子看板50Aに設定された座標が含まれることで判断する方法がある。電子看板50AがGPS機能搭載型の場合は自分で取得したGPS座標を利用することもできる。また、基地局情報を利用する場合は、基地局通信範囲を座標化して管理し同様にして判定する方法がある。
エリアA1とエリアA2の区分基準として、例えば、電子看板50Aが存在するエリア1の商圏範囲と電子看板50Cが存在するエリアA2の商圏範囲のそれぞれの座標を手動で設定することができる。または、地図情報をあらかじめ一定間隔のセルで区切って管理し、エリアA1やエリアA2の商圏範囲をそれぞれセルを選択して範囲を設定することもできる。その際、そのセルはそれぞれ固定座標が定義されている。または、電子看板50A及び電子看板50Cからの一定距離範囲を座標でそれぞれ設定してもよい。また、エリアA1の定義方法として、例えば基準となる携帯端末40Aを中心として、一定距離範囲を座標で設定してもよい。これにより携帯端末間隔の設定が可能となり、例えば、後述する家族と認定するための情報に関連する複数ユーザーについて、「家族」と認識するための位置的範囲をユーザ自身が調整することも可能となる。
また、ここではエリアA1とエリアA2は物理的に隣接するエリアとする。基地局情報から位置を特定する方法を活用する場合、事業者が持つ設備の機能を使って比較的容易に情報を取得することができる。また、地理的な妨害を受けにくいという特徴があり、ある程度の広域範囲でエリアを特定する場合にも効果的である。一方、GPSを活用して位置情報を取得する場合、より精度の高い位置を把握することが出来る。対象とするエリアの広さや、広告の狙いなどに応じて双方を併用することで柔軟なサービスを提供することができる。配信サーバ10は、特にユーザ属性情報を活用することにより、携帯端末40Aと40Bが近くに存在する一つの集団として認識して管理する。集団としての認定は、例えば、携帯端末40Aと40Bの双方のユーザ属性情報が同一(家族)であり、かつエリアA1として定めた座標範囲内に、双方のGPS座標が含まれている場合に家族という集団として存在していると判断する。または、携帯端末40Aと40Bのユーザ属性情報が同一(家族)であり、かつ双方間のGPS座標距離が予め定めた距離範囲内に存在したときに家族という集団を形成していると判断する。携帯端末40Cと40Dも同様に近くに存在する一つの集団として認識して管理する。携帯端末40Eから40Hは個人で行動している携帯端末として認識して管理する。配信サーバ10は、例えばエリアA1において、集団を形成している携帯端末40Aから40Dに配信するコンテンツと集団を形成していない携帯端末40Eから40Fに配信するコンテンツを、時間及び場所そして集団及び個人などを考慮して適切な内容のものを配信する。
エリアA1とエリアA2とは、形成している集団が異なるため、通常、各々毎に異なるコンテンツを配信する。配信サーバ10は、例えばエリアA1において集団を形成する携帯端末の数を把握し、その存在が一定数を超えたら電子看板50A、50Bと携帯端末40Aから40Dに配信するコンテンツを変化させて配信する。
図2は、配信サーバ10の詳細構成を示すブロック図である。配信サーバ10は、さらに管理部13、制御部12、配信部11から構成されている。
管理部13は、配信サーバが通信する携帯端末のユーザーの契約情報を随時反映管理する。管理部13は、ユーザ情報管理部131とユーザ情報格納132によって構成されている。ユーザ情報管理部131は、携帯端末の契約及び解約に応じたユーザの契約者情報を更新するための管理機能を持ち、各種情報をユーザ情報格納部132に記録する。ユーザ情報格納部132はユーザ情報テーブル1321を有する。
ユーザ情報管理部131は、携帯ネットワーク20及びネットワーク30を通じてユーザ情報契約情報の更新を受け付けてユーザ情報格納部132に記録することもできる。ユーザ契約情報の活用にはユーザの同意が必要な場合もあるが、この場合でも同意したユーザ契約情報を活用することで、ユーザがプロファイル情報などを積極的に登録せずとも、ユーザに負担を掛けずに適合した情報配信サービスを受けることができるようになる。ユーザカスタマイズのニーズがある場合は、個別にユーザプロファイルを追加登録することで対応可能となる。ユーザ情報格納部132が配信サーバの中にある場合には、配信サーバを管理する各種事業者が、各分野におけるユーザ情報を保持しているため、ユーザ情報を活用したサービスをスムーズに提供することができる。
制御部12は、時間、端末の位置する場所、携帯端末のユーザーが個人で居るのか集団で居るのかなどの状況に応じて、適合したコンテンツを携帯端末や電子看板などへ配信制御する。制御部12は、位置制御部121と状況管理制御部122と配信制御部123と状況格納部124によって構成されている。位置制御部121は、携帯端末40Aから40Hや基地局80A、80Bより位置情報を随時取得してリアルタイムでどのエリアに居るか把握する。位置制御部121が直接GPS情報を取得する機能を有しても良い。
状況管理制御部(状況情報管理部)122は、位置情報を取得できた携帯端末の契約情報をユーザ情報格納部から読み出し、読み出した契約情報(ユーザ情報)から、複数の端末の各々のユーザーの関係情報(例えば同じ家族に属するかどうか)を検索する。所定の関係(例えば携帯端末契約上で家族に該当する関係)の場合、それらの端末が同一エリア内に存在するかどうかを、位置制御部が取得する情報に基づいて判別する。同一エリア内に存在しないと判断された端末は、特定集団を形成していないと判断し、個人でいる(集団を形成しない)端末として判断する。また、エリア毎のアクセスの多いコンテンツの携帯端末との通信記録からの検索や、エリア毎の集団の存在状況の管理をする機能を有する。
配信制御部123は、コンテンツ毎に定められた配信条件に基づいて、ユーザ状況やエリア状況に応じたコンテンツの配信指示を行なう。例えば、各エリアでの集団の数が一定数以上超えたことを検出した場合に、コンテンツの配信指示を行うことにより、そのエリアに存在する多くの人に効率よく広告情報の配信出来る。また、家族と一緒にいる場合は、家族向け情報として管理された情報が配信されるなど、個人プロファイルだけに依存しない、都度移り変わる状況に応じた柔軟なコンテンツの配信指示が可能になる。
状況格納部124は、各状況に応じたコンテンツ配信を実施する上で重要な情報をリアルタイムで管理しており、ユーザ状況テーブル1241とエリア状況テーブル1242とコンテンツ状況テーブル1243を保有している。夫々については別途説明する。
配信部11は、指定された各種メディアに対してコンテンツの配信を実行する。配信部11は、通信部111とコンテンツ配信部112とコンテンツ格納部113によって構成されている。通信部111は、携帯ネットワーク20とネットワーク30との接続機能を果たし、携帯端末40Aから40Hや電子看板50Aから50Cと登録端末60にコンテンツを送出する。コンテンツ配信部112は、配信部12の配信指示を受けて、コンテンツ格納部113からコンテンツを選択して通信部に送信する。コンテンツ配信部は、各種コンテンツを携帯端末向け、電子看板向け、登録端末向けなどに形式を適合させて配信しても良い。コンテンツ格納部113には、広告情報や各種情報コンテンツデータが保存されており、メディアに対応したコンテンツフォーマットが格納されている。コンテンツは既存コンテンツに加え、CPサーバ70を通じて追加登録される。
図3は、管理部13のユーザ情報格納部132の中に存在する、ユーザ情報テーブル1321の構成を示したものである。
ユーザ情報テーブル1321は、サービス事業者が保有している情報であり、各端末ごとにユーザの関係情報を格納したものである。当該テーブルは、状況管理制御部(状況情報を制御する情報制御部に該当する)122により複数の端末の各々のユーザーの関係情報を読み出され、図4にあるユーザ状況テーブル1241の基本情報となる。端末ID13211、契約者ID、家族IDなどの各フィールドを備えている。契約者ID13212は、携帯端末を家族で複数契約するなどする際の代表者のIDである。契約者IDが同じでも、実際の使用者が異なる場合がある。家族ID13213は、端末契約情報のうちの家族毎(複数ユーザー)の一括契約情報や各種契約情報、登録情報などを活用して所属集団毎(複数ユーザ毎)に識別子を与えて管理するものである。家族毎(複数ユーザー)の一括契約情報などを利用することにより、複数端末を一つの括りとした新たな属性で取り扱うことができるようになり、複数端末に対して共通に情報を配信することや、同一集団の端末が同じエリアに存在することにより一緒に行動していると判断する情報として活用することができる。
図4は、制御部12の状況格納部124の中に存在するユーザ状況テーブル1241の構成を示したものである。
端末ID12411、契約者ID12412,家族ID12413,エリア情報12414、集団種別情報12415などの各フィールドを備えている。
例えば、端末ID12411が40Aと40Bは同一エリアA1に存在し、且つ家族ID12413がF1で同一の為、集団種別情報12415に家族と記載されている。例えば、端末ID12411が40Fと40Gは、家族ID12413が同一であるが、エリア12414が異なるため、集団種別情報12415に個人と記載されている。集団種別情報12451は、ユーザ契約情報を同一のものに関連するユーザーを関連付けることにより区別ができるため、家族以外の種別も存在する。例えば、年齢による種別(シニアなど)、職業による種別(学生など)であっても良い。また他のサービスでの登録情報を活用してバリエーションを増やすことも考えられる。集団種別情報12415により、同一端末において様々なプロファイルをあてがうことによって、従来型の初期登録のユーザプロフィールだけに縛られない柔軟な情報配信サービスを提供することができる。
図5は、制御部12の状況格納部124の中に存在するエリア状況テーブル1242の構成を示したものである。エリア情報12421、個人集団しきい値12422、個人集団情報12423、家族集団しきい値12424、家族集団数情報12425などの各フィールドを備えている。
個人集団数しきい値12422は、当該エリア内における個人集団数の上限値を示しており、場所の規模や時間帯に合わせて自由に変更設定することができる。家族集団数しきい値12424についても同様に設定変更できる。またより詳細な属性毎に設定することもできる。
図6は、制御部12の状況格納部124の中に存在するコンテンツ状況テーブル1243の構成を示したものである。コンテンツID12431、エリア情報12432、ターゲット集団種別情報12433、直近の単位時間あたりの視聴数情報12434などの各フィールドを備えている。エリア情報12432は、各コンテンツの配信エリアを示している。ターゲット集団種別情報12433は、コンテンツの配信先ターゲット(対象)になる集団種別を示している。ここでは家族及び個人が設定されているが、図4のユーザ状況テーブルにおける集団種別情報の種類に準じてその他の属性を設定することが可能である。直近単位時間当たりの視聴数情報12434は、該コンテンツが携帯端末など視聴数がカウントできるメディアにおいて視聴された回数(アクセスされた回数)を示している。回数が多いほどたくさんのユーザに見られたことを示し、ターゲティング効果があったコンテンツとして判断することができる。例えば、コンテンツC1はエリアA1とエリアA2の家族に対して配信されており、現時点においては、エリアA1においての方がよく見られていることを示す。また、コンテンツC2はエリアA1において顕著によく閲覧されていることが分かり、隣接するエリアA2に対してもコンテンツC2を配信して、エリアA2からエリアA1に人を集客する効果が期待できる。また、個人向けコンテンツC4とC5を比較した場合には、コンテンツ4の閲覧数が顕著に多いことから、コンテンツC4を優先的に配信することが有効であることが把握できる。さらに、エリア毎のユーザ嗜好傾向を把握することなどが可能となり、CPや広告代理店などに地域メディア情報として提供することができる。このようにコンテンツIDとエリアとターゲット集団種別との各々の条件に照らして、効果的なコンテンツ配信条件を選択することができる。
図7は、携帯端末と電子看板が連携した通信システムの基本動作に関するシーケンスの例を示す。
同一エリアに存在する携帯端末40Aと40Bが存在し、まず携帯端末40Aの位置情報をGPS情報や携帯基地局情報により配信サーバ10へ送信する(S101)。続いて、携帯端末40Bの位置情報を同様の方式で配信サーバ10へ送信する(S102)。配信サーバ10では、リアルタイムで各種携帯端末から収集した位置情報を収集して集団種別判定処理を行なう(S103)。判定処理の結果、同一エリア内に、同一の集団種別情報に対応する携帯端末40Aと40Bとが存在すると判断した場合、当該終端種別情報に対応する集団種別向けコンテンツを配信サーバ10から携帯端末40Aと40Bに配信する(S104及びS105)。ここでは、家族毎(複数ユーザー)の一括契約情報を用いて集団を家族として特定している。特定する集団は無作為集団でも良いが、家族などの複数ユーザーで契約情報を共有している関係の集団を扱うことで、その集団の各々のユーザーの端末に対して集団が集まっているときにその集団の種別に対応して効果的な情報の配信が可能となる。例えば、家族間でのコミュニケーションを促し購買活動を誘発することが期待できる。
一方、携帯端末40Cから位置情報をGPS情報や携帯基地局情報により配信サーバ10へ送信する(S106)。同様に携帯端末40Dから位置情報を配信サーバ10へ送信する(S107)。さらに多くの携帯端末から位置情報が同時に配信サーバ10に送信されてもよく、その場合は、配信サーバ10はリアルタイムに各々について集団種別判定を行なう。また以上における位置情報取得手段については、これに限らず、ICカード、ICタグ、無線LAN、あらゆるセンサーなどを活用することも可能である。
配信サーバ10は、リアルタイムで各携帯端末から収集した位置情報を集計して集団判別判定処理を行なう(S108)。判定処理の結果、同一エリア内に同一の集団種別情報に対応する携帯端末40Cと40Dが存在すると判断した場合、当該終端種別情報に対応する集団種別向けコンテンツを配信サーバ10から携帯端末40Cと40Dに配信する(S109及びS110)。ここでは、家族毎(複数ユーザー)の一括契約情報を用いて集団を家族として特定している。
配信サーバ10は、随時各携帯端末から位置情報や端末情報を取得して処理をすると共に各エリアの特定集団数を判定処理する(S111)。配信サーバは種別を特定された特定集団(上記例では家族)の数がエリアA1において一定数のしきい値を越えた状態になる場合に、そのエリアA1に存在する電子看板50Aに特定集団向けコンテンツを配信する(S112)。電子看板は、近傍エリアに存在する複数の人に一度に知らせることができるメディアであり、たくさんの特定集団が集まったことをトリガーにして情報を配信することは効率的である。エリアA1には2つ以上の電子看板が存在することも考えられ、その2つ以上の電子看板にそれぞれ異なるコンテンツを配信することも可能である。また、携帯端末と電子看板に配信するコンテンツの内容を集団種別情報に基づいて関連性を持たせることで、より効果的な広告配信が可能である。
配信サーバ10は、エリアA1において特定集団が一定数のしきい値を越えた状態になった状態情報(レポート)をCPサーバ70へ送信するか、もしくはインターフェイスを通じて閲覧可能状態とする(S113)。CPサーバ70は、特定のコンテンツを指定して配信サーバ10へ配信依頼を行なう(S114)。配信サーバ10は、CPサーバ70から受けた、新コンテンツを割込み情報として、特定集団向け割込み配信を電子看板50Aへ行う(S115)。割込みコンテンツはCPが手動で指定して配信することも可能であるが、事前にしきい値を超えた状態の時に配信するコンテンツを設定しておいて自動的に配信することもできる。また、割り込みコンテンツは新規に登録するものでなくても良く、既に登録済みのものを指定する場合であってもよい。配信サーバ10は、携帯端末40Aに割込みコンテンツを配信する(S116)。また配信サーバ10は、携帯端末40Bにも割込みコンテンツを配信してもよい(S117)。割込みコンテンツは、配信希望確認を事前に行なう機能を有してもよい。携帯端末40Aが割込み配信コンテンツの配信を希望する場合は、配信依頼通知を配信サーバ10へ送信する(S118)。配信サーバ10は、配信依頼通知を受信した後、割込みコンテンツを携帯端末40Aへ送信する。携帯端末40Aが配信拒否を設定している場合は、配信サーバ10へは何も送信されないため、携帯端末40Aは割込みコンテンツを受け取ることはない。
以上において、電子看板50Aは特定エリアでの固定端末として記述しているが、位置を移動できる電子看板であってもよい。例えば、移動式のGPS機能を兼ね備えた電子看板であっても良い。その場合、電子看板50Aから随時上記同様の方式で位置情報を配信サーバ10へ発信し、電子看板50Aはその都度、更新された位置情報に対応するエリア情報に基づいて管理される。例えば、現在電子看板50AがエリアA1に存在する場合は、配信サーバ10から電子看板50AにエリアA1に設定されたコンテンツが配信されるが、次にエリアA2に移動した場合は、エリアA2を対象としたコンテンツが電子看板50Aに配信されることになる。エリアの設定については、例えば、エリアA1を地理的に範囲として指定する場合のほかに、移動式電子看板の存在地点を中心とした一定範囲内をエリアA1として指定する方法でもよい。移動電子看板には自走式や巡回式もある。巡回式とは電車やバス、巡回式宣伝自動車などが考えられる。自走式は、自ら人が多いところなどへ移動するものであり、例えば施設内で移動するディスプレイ端末を保有したロボットなどが考えられる。自走式ディスプレイは、施設内において特定集団の携帯端末から発せられる位置情報に基づいて、施設内のユーザー密度のを算出・監視する機能、家族などの特定集団の密度が高まっている範囲を認定する機能、当該範囲を目的地エリアとして設定する機能、及び当該目的地エリアに向かってGPS情報を利用しながら移動する機能とを有する。設定したエリアに到達した時点で、特定集団向けの情報を自走式ディスプレイに表示させる。
移動電子看板の周辺にいる特定集団に向けた情報を携帯端末へより効率的に配信するサービスが可能となる。これによりユーザは自分の属性に沿った電子看板での表示情報の基づいて、詳細情報を携帯端末でのアクセスによって確認することができる。
図8は、配信サーバ10が行なう集団種別判定処理のフローチャートを示す。
配信サーバ10の位置制御部121が携帯端末40A−40HのGPS情報及び携帯基地局情報から位置情報を受信する(S201)。位置制御部121は、ユーザ状況テーブル1241のエリア情報12414を更新する(S202)。更新内容は、例えばエリアA1の範囲内に属する場合はA1を、エリアA2に属する場合はA2を記録する。これにより、各携帯端末の所属エリアが決まる。次に状況管理制御部122が、ユーザ状況テーブル1241の家族ID12413をキーにして(S203)、同一の家族ID12413を持つ端末IDを検索する(S204)。家族IDは、端末契約情報のうちの家族毎(複数ユーザー)の一括契約情報や各種契約情報、登録情報などを活用して所属集団毎に与えられる識別子である。よって、集団毎に設けられる識別子をキーとして同一の識別子に対応する端末を検索する。同一の家族ID12413を持つ端末IDが存在した場合に、その複数端末が同じエリアに属するかを判定する(S205)。同じエリアであった場合、状況管理制御部122がユーザ状況テーブル1241の集団種別情報を識別子に対応させて更新し、この例では“家族”とする(S208)。また状況管理制御部122は、ユーザ状況テーブル1241における、同一家族IDの集団種別情報12415も識別子に対応させて“家族”に変更する(S209)。このとき属性は家族に限ることなく、集団種別情報は携帯契約情報や各種サービス登録情報などを活用することで他の集団属性を設定することが可能である。状況管理制御部122は、エリア毎の集団状況を把握するエリア状況テーブル1242の家族集団数情報12425のカウントをアップして更新する(S210)。
配信制御部123は、コンテンツ状況テーブル1243に示されている内容に従って、エリア毎及び集団種別毎に配信するコンテンツを、コンテンツ配信部112に指示する(S211)。コンテンツ配信部112は、対象コンテンツを各種端末に向かって配信する。
一方、エリア判定処理でエリアが異なる場合には、状況管理制御部122はユーザ状況テーブル1241の集団種別を更新し“個人”とする(S206)。状況管理制御部122は、エリア毎の集団状況を把握するエリア状況テーブル1242の個人集団数情報12423のカウントをアップして更新する(S207)。
上記において、ユーザ状況テーブル1241の各端末のエリア情報の更新タイミングは、携帯端末が特定エリアに入ってきた時点で携帯から位置情報を取得して更新する方法や、一定間隔で携帯端末の位置情報を常時取得して更新する方法があるが、いずれでも適切なタイミングで取得できれば良い。
図9は、配信サーバ10の特定集団判定数判定処理のフローチャートについて示す。配信サーバ10の配信制御部123の特定集団数判別部1231は、エリア毎の集団状況を把握するエリア状況テーブル1242の個人集団数情報12423と家族集団数情報12425の変化を常にポーリングなどで監視している(S301)。同時に特定集団数判別部1231は、個人集団数情報12423及び家族集団数情報12425の変化と、個人集団数しきい値12422及び家族集団数しきい値を比較して(S302)、コンテンツ配信指示部1233は、エリアに存在する集団や個人の数がしきい値を超えた時点で配信するコンテンツの選択を行ない、当該コンテンツ及び配信先となる電子看板をコンテンツ配信部112に指示する。この時のしきい値が越えた状態を4つに分けて記載する。
例えばエリアA1において、家族集団と個人の両方が常時より集まってきた状態となり、エリア状況テーブル1242の家族集団数情報12425が家族集団数しきい値12424を越え、かつ個人集団数情報12423が個人集団数しきい値12422を越えた場合は、コンテンツ配信指示部1233がコンテンツ配信部112に対して、エリアA1にある電子看板50Aに、コンテンツ状況テーブル1243を参照し、しきい値がより多く越えているコンテンツを配信する指示を行なう(S303)。また、エリアA1において、家族集団が常時より多く集まってきた状態となり、エリア状況テーブル1242の家族集団数情報12425が家族集団数しきい値12424を越え、かつ個人集団数情報12423が個人集団数しきい値12422を越えない場合は、コンテンツ配信指示部1233がコンテンツ配信部112に対して、エリアA1にある電子看板50Aにコンテンツ状況テーブル1243を参照し、エリアA1かつ家族向けのコンテンツを配信する指示を行なう(S304)。また、エリアA1において、個人集団が常時より多く集まってきた状態となり、エリア状況テーブル1242の家族集団数情報12425が家族集団数しきい値12424を越えず、かつ個人集団数情報12423が個人集団数しきい値12422を越えた場合は、コンテンツ配信指示部1233がコンテンツ配信部112に対して、エリアA1にある電子看板50Aに向けて、コンテンツ状況テーブル1243を参照し、エリアA1かつ個人向けのコンテンツを配信する指示を行なう(S305)。また、エリアA1において、家族集団と個人の両方が常時より疎な状態となり、エリア状況テーブル1242の家族集団数情報12425が家族集団数しきい値12424を越えず、かつ個人集団数情報12423が個人集団数しきい値12422を越えず、かつ家族集団数12425が家族集団数しきい値12424を越えない場合は、コンテンツ配信指示部1233はコンテンツ配信部112に対して、エリアA1にある電子看板50Aに向けてのコンテンツ配信指示を行なわない。電子看板50Aは通常時スケジュールに沿ったコンテンツ配信を継続する(S306)。
以上において、しきい値が越えた時点で配信するコンテンツは、コンテンツ状況テーブル1243に登録されているもの以外に、CPサーバ70から随時配信依頼がある場合もある。また、エリアA1における電子看板が複数存在することも考えられ、家族と個人の両方がしきい値を超えた場合は、複数の電子看板に対して双方に適応するコンテンツを分配して配信するように制御してもよい。また、一台であった場合も、家族また個人のどちらか一方を配信するのではなく、双方を交互に混在で配信する形態など柔軟な配信形態として制御してもよい。
また、リアルタイムのユーザ状況の把握においては、対象携帯端末のプレゼンス情報を一度収集した後、エリア情報に変更があった携帯端末を対象とした、差分情報のみを判定処理して集団種別を特定する方法であってもよい。もしくは、新しくその規定したエリアに入ってきた携帯端末毎に同一エリア内に同一の家族ID(識別子)を持つ端末が他にあるかを検索して、集団種別を特定する方法であっても良い。
図10は、携帯端末と電子看板が連携した通信システムに関する他のシーケンスの例を示す。特に携帯端末での配信コンテンツの視聴状況(アクセス状況)を反映させた、電子看板に対する配信動作に関するものである。
同一エリアに存在する携帯端末40Aと40Bが存在し、まず携帯端末40Aから位置情報をGPS情報や携帯基地局情報により配信サーバ10へ送信する(S401)。続いて、携帯端末40Bから位置情報を同様の方式で配信サーバ10へ送信する(S402)。配信サーバ10では、リアルタイムで各種携帯端末から収集した位置情報を集計して集団種別判定処理を行なう(S403)。リアルタイム処理方法については、システム負荷を軽減するために差分情報だけを処理する方法が考えられる。判定処理の結果、同一エリア内に同一の集団種別情報に対応する携帯端末40Aと40Bが存在すると判断した場合、当該終端種別情報に対応する集団種別向けコンテンツを配信サーバ10から携帯端末40Aと40Bに配信する(S404及びS405)。ここでは、家族毎(複数ユーザー)の一括契約情報を用いて集団を家族として特定している。配信されたコンテンツは携帯端末40Aと40Bによって視聴され、その再生状況の情報である視聴状況情報をそれぞれ配信サーバ10へ送信する(S406及びS407)。視聴状況情報とは、コンテンツの再生、停止、スキップ、巻き戻し、繰り返し視聴回数などを含む。またメモや保存などの動作も考えられる。配信サーバ10は状況管理制御部125によって、コンテンツ状況テーブル1243にコンテンツ後毎に視聴状況を記録する。
一方、携帯端末40Cから位置情報をGPS情報や携帯基地局情報により配信サーバ10へ送信する(S408)。同様に携帯端末40Dから位置情報を配信サーバ10へ送信する(S409)。さらに多くの携帯端末から位置情報が同時に配信サーバ10に送信されてもよく、その場合は、配信サーバ10はリアルタイムに各々について集団種別判定を行なう。
配信サーバ10は、リアルタイムで各携帯端末から収集した位置情報を集計して集団種別判定処理を行なう(S410)。判定処理の結果、同一エリア内に同一の集団種別情報に対応する携帯端末40Cと40Dが存在すると判断した場合、当該終端種別情報に対応する集団種別向けコンテンツを配信サーバ10から携帯端末40Cと40Dに配信する(S411及びS412)。ここでは、家族毎(複数ユーザー)の一括契約情報を用いて集団を家族として特定して家族向けコンテンツを配信している。
配信されたコンテンツは携帯端末40Cと40Dによって視聴され、その再生状況の情報である視聴状況情報をそれぞれ配信サーバ10へ送信する(S413及びS414)。視聴状況情報とは、コンテンツの再生、停止、スキップ、巻き戻し、繰り返し視聴回数などを含む。またメモや保存などの動作も考えられる。配信サーバ10は状況管理制御部125によって、コンテンツ状況テーブル1243にコンテンツ毎に視聴状況を記録する。
配信サーバ10の配信制御部123は、特定集団種別の視聴数判定処理として、コンテンツ状況テーブル1243を参照しエリア別及びターゲット別に直近の単位時間当たりの視聴数情報12432を元にして数に応じてランキング付け処理を行ない、視聴数の高いコンテンツを抽出する(S415)。配信サーバ10は、特定集団別で視聴数の多いコンテンツを、携帯端末40Aから40Dと同一エリアのエリアA1に存在する電子看板50Aに配信する(S416)。及び、エリアA1に隣接するエリアA2に存在する電子看板50Cに配信してもよい(S417)。隣接するエリアA2に配信するのは、隣のエリアから特定集団を集客する効果がある。また、登録端末60にも同様に配信してもよい(A418)。登録端末60はエリアA1に隣接しているとは限らない。遠隔地からもそのエリアでの人気コンテンツを把握することができ、リアルタイムで遠隔地から例えば電子商取引のシステムを利用して商取引をすることができる効果が期待できる。
配信サーバ10は、CPサーバ70に対して、特定集団種別で視聴数の多いコンテンツに関する状態情報(レポート)を送付もしくは提示し(S419)、CPサーバ70はレポートを参照してコンテンツの配信依頼を配信サーバ10に行なう(S420)。このとき、配信依頼するコンテンツは、視聴数の多かったコンテンツの再送信の場合や、類似または関連コンテンツを配信する指示などがある。また、コンテンツの配信指示はCPサーバ70から自動送信の場合、CP側のオペレータによる手動送信の場合などが考えられる。配信先については、CP側のオペレータが指定することもできる。
配信サーバ10は、配信依頼に基づき、配信制御部123のコンテンツ配信指示部1233からコンテンツ配信部112に対して配信要求を行ない、携帯端末40Aから40Dと同一エリアのエリアA1に存在する電子看板50Aに配信する(S421)。及び、エリアA1に隣接するエリアA2に存在する電子看板50Cに配信してもよい(S422)。また、登録端末60にも同様に配信してもよい(A423)。視聴数の多いコンテンツの配信に関しては、配信サーバ10で視聴数の多いコンテンツを自動的に選択して配信することもある。
以上において、視聴ランキングの算出方法については、視聴回数のみでなく、再生、停止、スキップ、巻き戻し、繰り返し視聴回数、メモや保存などのユーザの視聴動作も加味して総合指数として算出することもできる。
図11は、配信制御部123における内部サブ機能群について示すブロック図である。配信制御部123は、特定集団数判定部1231と特定集団種別視聴者数判定部1232とコンテンツ配信指示部1233とから構成される。
特定集団数判定部1231は、エリア状況テーブル1242を一定時間監視し、同テーブルの個人集団数しきい値12422や家族集団数しきい値12424と、各エリア内に存在する個人や家族集団の数を比較しながら、しきい値を越えるタイミングを推測する。しきい値を越えるタイミングでコンテンツを配信することにより、より効率的なコンテンツの配信が可能となる。
特定集団種別視聴数判定部1231は、コンテンツ別及びエリア別にどの集団が何回コンテンツを視聴したかを把握し、コンテンツを視聴ランキング付けする。
各エリア別に集団別にコンテンツのランキングを把握することで、そのエリアにおけるコンテンツの嗜好性を把握できる。また、人気のあるコンテンツをそのエリア以外にも展開する場合には、異なるエリアにおいてさらに集客力を向上できる。コンテンツ配信指示部1233は、配信対象コンテンツと、当該コンテンツの配信先エリア及びターゲット集団種別を配信部11のコンテンツ配信部11に対して条件付けして配信を制御する。以上、配信制御部123は、対象エリアに集まった集団の集団種別に応じたコンテンツを効率的に配信することができ、特定集団に対する情報訴求力を高めることができる。
図12は、携帯端末と電子看板を連携させた通信システムの別の形態として配信サーバ10を分割した実施例を示す構成図である。図12に示すシステムは、図1と基本構成は同じにするが、配信サーバ10を管理サーバ110と制御サーバ100と配信サーバ10−2とに分割した構成である。3つのサーバに分割することにより、契約情報の管理、コンテンツデータの管理などを異なる事業者が対応する場合に、事業者毎の管理が実現できる。その上で、それぞれが別々に持つ情報と制御機能とをネットワーク30を介して連携動作することで、図1の配信サーバ10と同等のサービスを、事業者毎の管理と並行して提供することができる。
各サーバ間は専用線、企業WANなどセキュアな通信方法で繋いでもよい。管理サーバ110は顧客管理のための情報のデータベースとして、ユーザ情報テーブル1321を保持しており、データベースが更新されるタイミングで最新情報を制御サーバ100との間で通信してもよい。制御サーバ100は、管理サーバ110が提供するAPIなどを利用して、管理サーバ110が保有するユーザ情報のうち必要な情報、もしくは公開可能な情報に加工した情報を取得してもよい。全データをバッチ処理で更新する方法や差分情報の更新する方法を用いてもよい。管理サーバ110は、サーバ間認証などにより許可された制御サーバ100からの要求のみ受け付けるようにしてもよい。同様に、制御サーバ100と配信サーバ10−2の間でもサーバ間認証を行ない、配信サーバ10−2はAPIを通じて許可された制御サーバ100からの配信要求があった場合に配信を実行してもよい。各サーバ間で通信する情報の内容は、基本的にはメタデータであり、個人情報やコンテンツそのもののデータの受け渡しは行なわないため、サーバ間のネットワーク帯域などは最小限に抑えることが出来る。
制御サーバ100は、図2の制御部12と同等の機能を有し、管理サーバ110は、図2の管理部13と同等の機能を有し、配信サーバ10−2は、図2の配信部11と同等の機能を有し、それぞれが通信部11を通じてネットワーク30と接続することで連携処理を実現する。
図13は、配信サーバ10−2の詳細構成を示すブロック図を示す。配信サーバ10−2は、図2の配信部11と同等構成から成る。配信サーバ10−2は、通信部13001を通じて受信した制御サーバ100からの配信指示情報に従って、コンテンツ格納部113のコンテンツを対象となる携帯端末や電子看板へ配信する。
図14は、制御サーバ100の詳細構成を示すブロック図を示す。制御サーバ100は、図2の制御部12と同等構成に通信部14001を加えたものから構成される。制御サーバ100は、ネットワーク30を介して管理サーバ110から必要なユーザ情報や契約情報を取得することで集団の一つの識別子である家族ID13213を抽出し、電子看板50Aから50Cの位置情報を取得管理し、携帯ネットワーク20を介して携帯端末40Aから40Hの位置情報を取得し、同一エリアに存在し同一の集団種別情報に対応する端末を特定し、配信対象コンテンツと配信先に関する指示をネットワーク30を通じて配信サーバ10−2へ送信する。
図15は、管理サーバ110の詳細構成を示すブロック図を示す。管理サーバ110は、図2の管理部13と同等構成に通信部15001を加えたものから構成される。管理サーバ110は、ネットワーク30を介して制御サーバ100からのユーザ情報提供要求を受けて、提供可能なユーザ情報を提供する。提供可能なユーザ情報とは、事業者自身の認可した範囲及びユーザ個別に許可された情報に限ったものを指す。
各々独立して管理されるシステムが連携して一つのサービスを提供することにより、複数の事業者が連携して提供するサービスに対応できる。各々は必要なすべての情報リソース管理及び制御機能を持つ必要がなく、他のリソースを有効に活用することで自己負担を軽減することが出来る。例えば、ユーザ情報を保有している事業者、広告配信制御事業者、コンテンツ配信事業者で構成することが出来る。