JP5286059B2 - ドーザ装置 - Google Patents
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Description
前記ブレードは接地しているときに支持体から離れる方向の作用力を受けることがあり、そこで支持体の左右両端に摺動部を設け、ブレードの背面に摺動部の外周部との間の相対上下揺動を許容しながらブレードの前離れを規制するガイド部材を設けているドーザ装置がある(例えば、特許文献2参照。)。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにしたドーザ装置を提供することを目的とする。
本発明は、支持体の摺動部と摺接するスライドプレートをブレードの背面にガイド部材とともに着脱自在に設けることにより、支持体とブレードとの間の摺動抵抗を小さくできかつ取り替え修理が簡便にできるようにしたドーザ装置を提供することを目的とする。
第1に、走行機体2にドーザシリンダS1を介して昇降するドーザフレーム3を横軸Xを介して枢支し、このドーザフレーム3に支持体4を設け、この支持体4にチルトシリンダS3を介して上下揺動するブレード5を前後軸Zを介して枢支しており、
前記支持体4は左右方向外方へ突出するアーム部4Aの先端に前記ブレード5に対面する摺動部4Bを有し、前記ブレード5の背面にはブレード5に上下揺動を許容しながら前離れを規制するガイド部材6を設けており、
前記ブレード5の背面に支持体4の摺動部4Bと摺接するスライドプレート43と前記ガイド部材6とを着脱自在に設けていることを特徴とする。
前記外周ガイド部材6A及び内周ガイド部材6Bは
前記スライドプレート43を挟んでブレード5に固定していることを特徴とする。
第3に、前記スライドプレート43に潤滑油路Mを形成し、この潤滑油路Mに給油する第1給油具44を前記支持体4のアーム部4Aに設け、前記ガイド部材6とアーム部4Aとの間に給油する第2給油具45をガイド部材6に設けていることを特徴とする。
[作用]
前記特徴を有するドーザ装置は次のような作用を奏する。
チルトシリンダS3を作動すると前後軸Zを中心にしてブレード5が上下揺動(チルト揺動)する。このチルト揺動のとき、支持体4の左右アーム部4Aの先端の摺動部4Bはブレード5の相対上下揺動を許容しながらもガイド部材6と係合している。
前記支持体4のアーム部4A及び摺動部4B並びに前記ブレード5の外周ガイド部材6A及び内周ガイド部材6Bは前後軸Zの左右に一対設けてあり、支持体4はブレード5を左右バランスよく支持する。
前記スライドプレート43に潤滑油路Mを形成しておくことにより、支持体4の摺動部4Bとの摺接が円滑になり、潤滑油路Mへの給油を支持体4の摺動部4B側から第1給油具44を介して行うことができ、また、ガイド部材6とアーム部4Aとの間への給油はガイド部材6側から第2給油具45を介して行うことができる。
図1〜11において、符号1はチルト・アングルドーザ装置と称されるドーザ装置を示しており、バックホー等の走行機体2の前部に装着される。
前記ドーザ装置1は、走行機体2にドーザフレーム3を横軸Xを介して枢支し、ドーザシリンダS1で横軸X廻りに回動してドーザフレーム3を昇降自在にし、このドーザフレーム3に支持体4を縦軸Y(アングル支点軸)を介して枢支し、アングルシリンダS2で縦軸Y廻りに回動して支持体4を前後揺動(アングル揺動)自在にし、この支持体4にブレード5を前後軸Z(チルト支点軸)を介して枢支し、チルトシリンダS3で前後軸Z廻りに回動してブレード5を上下揺動(チルト揺動)自在に構成している。
前記主部材15は角筒体で、連結材18は円筒体で、前部材16は断面コ字形状体でそれぞれ形成され、前記縦軸受材17は、主部材15及び前部材16の前面に前面板17aを固着し、この前面板17aの前面に上下一対の平面視略三角形の板17bを固着し、この三角形の板17bの頂部に縦軸Yが挿通される円筒体17cを貫通固着して構成されている。
前記支持体4は、上板4uと下板4dとを縦板状の前板4fと後板4rとで連結し、前記上板4uと下板4dの各後方突出部に縦軸Yが挿通される上下ボス部材4aを固着し、前記下板4dと前板4fと後板4rとに前後軸Zを枢支するための前後軸受材21を固着して構成されている。
図1〜9において、前記支持体4は前記ボス部材4a及び前後軸受材21を配置した左右方向中央部から左右にアーム部4Aが突出され、この左右各アーム部4Aの外端前面は前方に突出していて、この突出端に摺動部4Bが形成されている。
左右一方(右側)のアーム部4Aの外側端は後方に突出していて、アングルシリンダS2のシリンダロッドS2aが連結されるアングルピン22が取り付けられている。このアングルシリンダS2のシリンダロッドS2aにはロッドカバー23が連結されていて、シリンダチューブS2bに長手方向摺動自在に嵌合している。アングルシリンダS2は更に、主部材15に設けたチューブカバー24によってシリンダチューブS2b及びそれに接続された油圧ホースが保護されている。
また、縦軸Yとアングルピン22とを結ぶ中心線に対するアングルシリンダS2の挟角を直角に近づけて、アングルシリンダS2の伸縮力を効率良く支持体4に伝達することができるようになる。
前記チルトシリンダS3は支持体4の左右中央から一方(右側)にずれて配置され、ロッド支持体30はブレード5の背面の上部で左右中央よりチルトシリンダS3配置側と反対側にずれて配置されており、シリンダロッドS3aは前後軸Zの真上に位置する。
図1〜11において、前記ブレード5は、前後軸Zに支持される背面体5Aと、この背面体5Aの前面に固定されていて上部が背面体5Aの上縁を覆うブレード本体5Bとを有する。前記背面体5Aとブレード本体5Bとは、それらの間でそれらの連結を補強する断面コ字形状の中補強材5Cと、前記背面体5Aとブレード本体5Bの下端同士を連結補強する下補強材5Dと、前記背面体5Aと中補強材5Cの上端同士を連結補強する上補強材5Eとによって補強されており、これら背面体5A、ブレード本体5B、中補強材5C、下補強材5D及び上補強材5Eの左右側端に側板5Fが固着されている。
ブレードエッジ33は下縁がブレード本体5Bの下縁より下方へ突出していて、接地して土を掻き取る部材となっている。前記下補強材5Dは断面くの字形状の板材5Daの背面にリブ5Dbを左右方向間隔をおいて複数設けられており、図2においては、前記リブ5Dbに追加リブ5Dcを固定している。
前記追加リブ5Dcはリブ5Dbに溶着してもボルト締結してもよく、この追加リブ5Dcがバックアップすることにより、ブレードエッジ33は下縁をブレード本体5Bの下縁から下方へ大きく突出することが可能になる。
前記ブレード本体5Bは前面が水平軸線を曲率中心とする円弧凹面に形成され、上部はアール部5Baを介して水平状になった上部5Bbが形成され、この水平上部5Bbは背面体5Aの前傾姿勢の上部5Aaを覆うようにオーバラップ配置されている。
前記ブレード5の背面体5Aの左右方向中央の下部には、図2、7、9、10に示すように座板34が固着され、この座板34と背面体5Aとにはそれぞれ貫通孔34aと支持孔5Abとが形成されている。
従って、前後軸Zは背面体5Aに後方突出状に固定されていて、前記支持体4の前後軸受材21に回動自在に支持されている。
前記チルトシリンダS3のシリンダロッドS3aの先端を連結しているロッド支持体30は、背面体5Aの前傾姿勢の上部5Aaに固定されており、前記前後軸Zと略同量だけ背面体5Aから後方に突出しており、シリンダロッドS3aと前後軸Zとを平面視で交差するように配置可能にしている。
前記カバー部材8は、チルトシリンダS3を覆う中央カバー部8Aと、この中央カバー部8Aから延設されていて、後述する左右摺動部4B及び左右内外ガイド部材6を上側から覆う延長カバー部8Bとを有する。
前記カバー部材8は、ブレード本体5Bの上端を乗り越えてくる障害物があっても、ブレード本体5Bの水平上部5Bbで保護されて、その障害物が前縁8aと衝突しないようになっている。カバー部材8は中途の山部に障害物が衝突しても、前縁8aに衝突するよりも損傷は少ない。
前ホースカバー10Fの中央部10Faの前端には立ち上がりマーカ40が設けられ、この立ち上がりマーカ40に対向してカバー部材8の中央カバー部8Aの左右中央に指針マーカ41が設けられており、これら立ち上がりマーカ40及び指針マーカ41によって角表示具11が構成されている。前記中央カバー部8Aは中央部10Faより上位に位置し、アングル動作しても衝突しないようになっている。
前記角表示具11は、ブレード5が縦軸Y廻りに左右揺動(アングル揺動)すると、指針マーカ41の傾斜部41bが立ち上がりマーカ40を中心に揺動し、平面視においてその揺動角によりアングル角が検出でき、ブレード5が前後軸Z廻りに上下揺動(チルト揺動)すると、指針マーカ41の垂直部41a及び傾斜部41bが立ち上がりマーカ40から倒れるように揺動し、背面視(走行機体2側から見て)においてその揺動角によりチルト角が検出できる。
図1〜13において、前記ブレード5の背面には、前記前後軸Zを中心として左右に一対の基板7が固着され、左右各基板7の表面にスライドプレート43が配置されるとともに、アーム部4A先端の摺動部4Bとの間の相対上下揺動を許容しながらブレード5の前離れを規制するガイド部材6が設けられている。
前記ガイド部材6は、それぞれの基板7に、前後軸Zの径方向で摺動部4Bの外周縁4Baと係合する外周ガイド部材6Aと、摺動部4Bの内周縁4Bbと係合する内周ガイド部材6Bとが設けられている。
前記外周ガイド部材6A及び内周ガイド部材6Bは、前記摺動部4Bと略同一肉厚のスペーサ12を介してボルト(締結具)36で着脱自在に固定されており、前記外周ガイド部材6Aの内周側はスペーサ12より径内側に突出し、内周ガイド部材6Bの外周側はスペーサ12より径外側に突出し、それぞれの突出部分が摺動部4Bと摺動可能に係合し、ブレード5の前離れを規制する。
バックホー用のドーザ装置1は、チルト揺動したときよりもアウトリガとして使用して掘削作業をするときに、摺動部4Bがガイド部材6と衝突する。ガイド部材6の上下方向の中心が前後軸Zと略同一高さにあると、ブレード5が接地することにより、ガタ等により摺動部4Bに対してガイド部材6が前後に傾斜するので、摺動部4Bの上下部で片当たりすることになり、ガイド部材6の上下端が局部的にヘタリ(又は摩耗)を生じ、耐久性が低下することがある。
また、前後軸Zを縦軸Yの前方で低位置に配置することにより、支持体4の上下高さを低くして、その上方にチルトシリンダS3を配置することができ、これにより前後軸Zから連結ピン31までの距離を長くとってチルトシリンダS3の作用力を効率よく伝達できるようにした上で、支持体4及びチルトシリンダS3をブレード5の上下寸法の範囲内に略納めることができ、走行機体2側からブレード5又はその前方の作業状況が見え易くなる。
前記支持体4に対するブレード5の着脱及び内周ガイド部材6Bの着脱は、チルトシリンダS3を外し、かつ前後軸Zを支持体4に回動自在に預けた状態で行われる。
図3、5、11〜13に示すように、前記スライドプレート43は基板7と略相似形状の金属板であり、摺動部4Bと摺接する面の中央側に潤滑油路Mが形成され、内周側及び外周側の両側にそれぞれボルト36が貫通するボルト孔43aが複数形成されている。
前記潤滑油路Mは、上下方向中途部で左右方向略全幅に亘る長さの水平溝Maと、この水平溝Maと交叉している交叉溝Mbとを有し、第1給油具44から給油を受ける。
この第1給油具44はグリスニップルであり、前記支持体4の摺動部4Bに交叉溝Mbと対応して設けられており、前記支持体4に対してブレード5がチルト揺動しても交叉溝Mbから給油して水平溝Maに潤滑油(グリス)を流し、スライドプレート43の全面を潤滑できるようにしている。
前記ガイド部材6には、外周ガイド部材6Aと摺動部4B外周との間に給油する第2給油具45が設けられている。この第2給油具45もグリスニップルであり、摺動部4Bと摺接する外周ガイド部材6Aの内面に潤滑油路を形成しておいて、ブレード5がチルト揺動しても摺動部4Bとの摺接面に潤滑油(グリス)を流すことができるようになっている。
前記スライドプレート43は同一形状のものを表裏逆にしてブレード5の左右に取り付けられており、潤滑油路Mは浅溝に形成する場合は、スライドプレート43の表裏面に表裏対称形状に形成しなければならないが、プレートを貫通させれば潤滑油路Mをスライドプレート43の表裏に一度に形成できる。
前記スライドプレート43は、一面が摩耗すると、前後面を反転してブレード5の左右に反対勝手に取り付けて、未使用の他面を使用することができ、取り付け変更により表裏両面を使用可能にしている。
前後軸Zは支持体4の上下方向中央より下方に位置しているので、摺動部4Bの下部側で離脱して支持体4から露出する内周ガイド部材6B(右側)は、基板7の上下中央に配置できるが、摺動部4Bの上部側で離脱する内周ガイド部材6B(左側)は基板7の上下中央より上側に配置しなくては支持体4から露出しない。
前記基板7には、前記支持体4から内周ガイド部材6Bを露出するまで支持体4を揺動したときに、基板7に対する支持体4の摺動部4Bの前後位置を設定する位置設定部7aが設けられている。
ロッド支持体30は背面体5Aの左右中央からシリンダチューブS3b配置側と反対側(左側)にオフセットされており、このロッド支持体30は支持体4の上方まで突出しているので、ブレード5は支持体4に対して前記オフセット側(図11反時計方向)へは揺動できなく、反オフセット側(図11時計方向)へ揺動しなければ大きな角度の揺動はできない。また、ブレード5を大きく傾動できるように、ロッド支持体30を背面体5Aの左右中央から一方(左側)へずらして配置している。
なお、本発明は前記実施形態における各部材の形状及びそれぞれの前後・左右・上下の位置関係は、図1〜13に示すように構成することが最良である。しかし、前記実施形態に限定されるものではなく、部材、構成を種々変形したり、組み合わせを変更したりすることもできる。
チルト・アングルドーザ装置の場合は、アングルシリンダS2をドーザフレーム3の左右に設けて、左右一対で支持体4をアングル揺動させてもよい。
支持体4のアーム部4A及び摺動部4B並びにブレード5のガイド部材6は左右一方のみであってもよいが、左右一対ある方が左右バランスがとれて好ましい。
2 走行機体
3 ドーザフレーム
4 支持体
4A アーム部
4B 摺動部
5 ブレード
5A 背面体
5B ブレード本体
6 ガイド部材
6A 外周ガイド部材
6B 内周ガイド部材
7 基板
43 スライドプレート
44 第1給油具
45 第2給油具
M 潤滑油路
S1 ドーザシリンダ
S2 アングルシリンダ
S3 チルトシリンダ
X 横軸
Y 縦軸
Z 前後軸
Claims (3)
- 走行機体(2)にドーザシリンダ(S1)を介して昇降するドーザフレーム(3)を横軸(X)を介して枢支し、このドーザフレーム(3)に支持体(4)を設け、この支持体(4)にチルトシリンダ(S3)を介して上下揺動するブレード(5)を前後軸(Z)を介して枢支しており、
前記支持体(4)は左右方向外方へ突出するアーム部(4A)の先端に前記ブレード(5)に対面する摺動部(4B)を有し、前記ブレード(5)の背面にはブレード(5)に上下揺動を許容しながら前離れを規制するガイド部材(6)を設けており、
前記ブレード(5)の背面に支持体(4)の摺動部(4B)と摺接するスライドプレート(43)と前記ガイド部材(6)とを着脱自在に設けており、
前記ガイド部材(6)は前後軸(Z)の径方向で摺動部(4B)の外周側と係合する外周ガイド部材(6A)と、摺動部(4B)の内周側と係合する内周ガイド部材(6B)とを有し、
前記外周ガイド部材(6A)及び内周ガイド部材(6B)を前記スライドプレート(43)を挟んでブレード(5)に固定していることを特徴とするドーザ装置。 - 走行機体(2)にドーザシリンダ(S1)を介して昇降するドーザフレーム(3)を横軸(X)を介して枢支し、このドーザフレーム(3)に支持体(4)を設け、この支持体(4)にチルトシリンダ(S3)を介して上下揺動するブレード(5)を前後軸(Z)を介して枢支しており、
前記支持体(4)は左右方向外方へ突出するアーム部(4A)の先端に前記ブレード(5)に対面する摺動部(4B)を有し、前記ブレード(5)の背面にはブレード(5)に上下揺動を許容しながら前離れを規制するガイド部材(6)を設けており、
前記ブレード(5)の背面に支持体(4)の摺動部(4B)と摺接するスライドプレート(43)と前記ガイド部材(6)とを着脱自在に設けており、
前記スライドプレート(43)に潤滑油路(M)を形成し、この潤滑油路(M)に給油する第1給油具(44)を前記支持体(4)のアーム部(4A)に設け、前記ガイド部材(6)とアーム部(4A)との間に給油する第2給油具(45)をガイド部材(6)に設けていることを特徴とするドーザ装置。 - 走行機体(2)にドーザシリンダ(S1)を介して昇降するドーザフレーム(3)を横軸(X)を介して枢支し、このドーザフレーム(3)に支持体(4)を設け、この支持体(4)にチルトシリンダ(S3)を介して上下揺動するブレード(5)を前後軸(Z)を介して枢支しており、
前記支持体(4)は左右方向外方へ突出するアーム部(4A)の先端に前記ブレード(5)に対面する摺動部(4B)を有し、前記ブレード(5)の背面にはブレード(5)に上下揺動を許容しながら前離れを規制するガイド部材(6)を設けており、
前記ブレード(5)の背面に支持体(4)の摺動部(4B)と摺接するスライドプレート(43)と前記ガイド部材(6)とを着脱自在に設けており、
前記支持体(4)のアーム部(4A)及びスライドプレート(43)並びに前記ブレード(5)のガイド部材(6)は前後軸(Z)の左右に一対設けてあり、前記スライドプレート(43)は前後面を反転することにより左右取り付け変更可能に形成していることを特徴とするドーザ装置。
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