JP5285810B2 - スパークプラグの製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関等に使用されるスパークプラグの製造方法及び製造装置に関する。
スパークプラグは、例えば、内燃機関(エンジン)に取付けられ、燃焼室内の混合気への着火のために用いられる。一般的にスパークプラグは、軸線方向に延びる筒状の絶縁体と、絶縁体の内部に挿通される中心電極と、絶縁体の外周に設けられる主体金具と、主体金具の先端部に設けられ、中心電極との間で火花放電間隙を形成する接地電極とを備える。また、主体金具と絶縁体とは、主体金具に絶縁体を挿入した上で、所定の金型により主体金具の後端側開口部に対して軸線方向に沿った荷重を加え、前記後端側開口部を径方向内側に向けて屈曲させることで(すなわち、加締め工程を経ることで)固定される。
さらに、主体金具と絶縁体との間における気密性を向上させるべく、主体金具と絶縁体との間に滑石を設ける技術が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
特開2006−92955号公報
ところで、滑石を設けるにあたっては、気密性をより確実に向上させるべく、滑石を押圧し、滑石の充填密度を高めることが好ましい。ここで、滑石の押圧手法としては、絶縁体が挿通された主体金具を筒状の受台により支持した上で、主体金具と絶縁体との間に滑石を配置し、次いで、絶縁体の軸線を筒状の滑石プレス治具の中心軸に一致させた上で、前記滑石プレス治具を軸線方向に沿って下方へと移動させ、滑石プレス治具の先端部により滑石を押圧する手法が考えられる。
しかしながら、受台を固定するねじ等に緩みが生じてしまうことなどにより、滑石プレス治具の中心軸と絶縁体の軸線との間に軸ずれ(偏心)が生じてしまうおそれがある。滑石プレス治具の中心軸と絶縁体の軸線との間に偏心が生じた状態で滑石の押圧を行うと、滑石を介して絶縁体の外周面に加わる径方向内側に向けた力が、絶縁体の周方向に沿って不均等なものとなってしまい、ひいては絶縁体の軸線が受台の中心軸(すなわち、主体金具の中心軸)に対してずれてしまったり、傾いてしまったりする場合がある。この場合、絶縁体に過度の応力が加わって絶縁体の破損(割れ等)が生じてしまったり、また、絶縁体の軸ずれ等に伴いこれに保持される中心電極にも軸ずれ等が生じてしまい、中心電極と主体金具との間で横飛火等の異常な火花放電が生じやすくなってしまったりするおそれがある。特に、小径化の要求に応えるべく、中心電極と主体金具との間の径方向に沿った距離が比較的小さく設定されたスパークプラグにおいては、軸ずれや傾きが軽微なものであっても、異常な火花放電の発生が懸念される。
尚、主体金具の中心軸と絶縁体の軸線との間の軸ずれ等は、上述した加締め工程において、主体金具の後端側開口部に対して軸線方向に沿った荷重を加える際にも同様に発生し得る。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、滑石押圧工程や加締め工程において、プレス治具の中心軸と絶縁体の軸線との径方向における偏心を小さくすることができ、ひいては絶縁体の軸線と主体金具の中心軸との軸ずれ等を効果的に抑制することができるスパークプラグの製造方法及び製造装置を提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成のスパークプラグの製造方法は、軸線方向に延びる筒状の絶縁体と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
前記絶縁体と前記主体金具との間に充填された滑石とを備えたスパークプラグの製造方法であって、
前記絶縁体が挿通された前記主体金具を筒状の受台により支持した上で、筒状の滑石プレス治具により前記軸線方向に沿って前記滑石を押圧する滑石押圧工程を含み、
前記受台は、少なくとも前記滑石プレス治具による前記滑石の押圧時に、自身の径方向に沿って前記滑石プレス治具に対して相対移動可能とされ、
前記滑石押圧工程は、前記滑石プレス治具の中心軸と前記絶縁体の軸線との前記径方向における偏心を小さくする偏心調整工程を含むことを特徴とする。
上記構成1によれば、受台は、少なくとも滑石プレス治具による滑石の押圧時に、自身の径方向に沿って滑石プレス治具に対して相対移動可能とされている。従って、滑石を押圧する際に、滑石プレス治具の中心軸と絶縁体の軸線との間に多少の軸ずれが生じていても、受台が相対移動することで、滑石プレス治具の中心軸と絶縁体の軸線とが精度よく合うこととなる(すなわち、滑石プレス治具の中心軸と絶縁体の軸線との径方向における偏心が小さなものとなる)。従って、滑石の押圧時に、滑石を介して絶縁体の外周面に加わる径方向内側に向けた力が、絶縁体の周方向に沿って均等に加わることとなる。その結果、絶縁体の軸線と主体金具の中心軸との軸ずれや傾きを効果的に抑制することができ、絶縁体の破損防止や異常放電の発生抑制を図ることができる。
構成2.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成1において、前記受台は、その外周側に配置された固定台に対して、当該固定台との間に設けられた複数の弾性部材により支持されており、
前記受台の外周面と前記固定台の内周面との間には環状の隙間が形成され、前記受台は、自身の径方向に沿って前記固定台に対して相対移動可能とされることを特徴とする。
上記構成2によれば、受台の外周面と固定台の内周面との間に環状の隙間が形成されており、受台は、自身の径方向に沿って固定台に対して相対移動可能とされている。従って、上記構成1と同様の作用効果が奏されることとなり、絶縁体の軸線と主体金具の中心軸との軸ずれや傾きを効果的に抑制することができる。
また、受台は、弾性部材により固定台に支持されているため、外力が加わらない限り、受台と固定台とは基本的には同一の相対位置関係を保って配置されることとなる。すなわち、滑石の押圧時に、受台が固定台に対して相対移動しても、滑石の押圧後に、受台は元の位置に戻ることとなる。従って、滑石を押圧する際における滑石プレス治具の中心軸と絶縁体の軸線との軸合わせの影響が、後の滑石押圧工程に及んでしまうことをより確実に防止することができる。
構成3.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成1又は2において、前記スパークプラグにおいては、前記主体金具の後端部に設けられた径方向内側に屈曲する加締め部により、前記絶縁体と前記主体金具とが固定されており、
前記滑石押圧工程の後において、筒状の金具プレス治具により前記軸線方向に沿って前記主体金具の後端部を押圧し、前記加締め部を形成する加締め工程を含み、
前記加締め工程において、少なくとも前記金具プレス治具による前記主体金具の押圧時に、自身の径方向に沿って前記金具プレス治具に対して相対移動可能とされた前記受台により、前記絶縁体が挿通された前記主体金具を支持した上で、前記金具プレス治具により前記加締め部を形成することを特徴とする。
上記構成3によれば、受台が自身の径方向に沿って金具プレス治具に対して相対移動可能とされることで、金具プレス治具により主体金具を押圧する際に、金具プレス治具の中心軸と絶縁体の軸線とが精度よく合うこととなる。従って、加締め部を形成する際に、主体金具の外周面に加わる径方向内側に向けた力が、主体金具の周方向に沿って均等に加わることとなる。その結果、絶縁体の軸線と主体金具の中心軸との軸ずれや傾きを一層効果的に抑制することができ、絶縁体の破損防止や異常放電の発生抑制をより確実に図ることができる。
構成4.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成1乃至3のいずれかにおいて、前記滑石押圧工程においては、前記絶縁体の先端部が保持され、前記受台に対する前記絶縁体の先端部の径方向に沿った相対移動が規制されることを特徴とする。
上記構成4によれば、滑石押圧工程において、受台に対する絶縁体の先端部の径方向に沿った相対移動が規制されている。従って、絶縁体の軸線と、受台に支持される主体金具の中心軸とを非常に精度よく合わせることができ、絶縁体の軸線と主体金具の中心軸との軸ずれや傾きをより一層効果的に抑制することができる。また、絶縁体の先端部に軸ずれ等が生じてしまうと異常放電が特に発生しやすくなってしまうが、上記構成4によれば、絶縁体の先端部において、軸ずれ等の発生が極めて効果的に抑制される。その結果、異常放電の発生をより一層確実に防止することができる。
尚、相対移動不能な受台を用いた上で、絶縁体の先端部を保持すると、滑石プレス治具の中心軸と絶縁体の軸線との軸ずれが生じている状態で滑石を押圧した場合に、軸ずれの影響に伴う応力が絶縁体に集中して加わってしまい、絶縁体が破損してしまうおそれがある。この点、相対移動可能な受台を用いること(すなわち、上記構成1等を採用すること)で、絶縁体の先端部を保持しながらも絶縁体に加わる応力を低減させることができ、絶縁体の破損をより確実に防止することができる。換言すれば、上記構成1等は、絶縁体の軸線と主体金具の中心軸との軸ずれ等を抑制するという効果を発揮するとともに、上記構成4を採用し、軸ずれ等の抑制効果をさらに向上させる場合には、上記構成4を採用することで懸念される絶縁体の破損を防止するという効果をも発揮する。
構成5.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成1乃至4のいずれかにおいて、前記滑石押圧工程においては、前記滑石プレス治具の内周に前記絶縁体の少なくとも一部が入るまでの間、前記受台を保持することを特徴とする。
尚、「受台を保持する」とあるのは、外力が加わっても受台を移動不能な状態で保持する場合のみならず、大きな外力が加えられない限り、受台の移動を抑制できる程度に受台を保持する(大きな外力が加わった際には移動可能となる)場合も含む(以下、同様)。従って、上記構成2のように、弾性部材により受台を保持することとしてもよい。
上述の通り、絶縁体の軸線と主体金具の中心軸との軸ずれ等を抑制するという点では、少なくとも滑石プレス治具による滑石の押圧時に、受台をその径方向に沿って相対移動可能とすることが好ましい。しかしながら、滑石プレス治具が滑石側に接近する際において、受台が自由に移動可能となっていると、受台の移動に伴い、滑石プレス治具の中心軸に対して絶縁体の軸線が大きくずれてしまうことが生じ得る。この場合には、滑石プレス治具の先端面が、絶縁体や絶縁体の後端から露出する端子電極に衝突してしまい、絶縁体や端子電極の損傷を招いてしまうおそれがある。
この点、上記構成5によれば、滑石プレス治具の内周に絶縁体の少なくとも一部が入るまでの間、受台が保持されるようになっており、受台が自由に移動できないように構成されている。従って、滑石プレス治具の中心軸に対して絶縁体の軸線が大きくずれてしまうという事態をより確実に防止することができ、絶縁体や端子電極に対する滑石プレス治具の衝突防止を図ることができる。その結果、絶縁体や端子電極の損傷をより確実に防止することができる。
構成6.本構成のスパークプラグの製造方法は、軸線方向に延びる筒状の絶縁体と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具とを備え、
前記主体金具の後端部に設けられた径方向内側に屈曲する加締め部により前記絶縁体と前記主体金具とが固定されたスパークプラグの製造方法であって、
前記絶縁体が挿通された前記主体金具を筒状の受台により支持した上で、筒状の金具プレス治具により前記軸線方向に沿って前記主体金具の後端部を押圧し、前記加締め部を形成する加締め工程を含み、
前記受台は、少なくとも前記金具プレス治具による前記主体金具の押圧時に、自身の径方向に沿って前記金具プレス治具に対して相対移動可能とされ、
前記加締め工程は、前記金具プレス治具の中心軸と前記絶縁体の軸線との前記径方向における偏心を小さくする偏心調整工程を含むことを特徴とする。
上記構成6によれば、主体金具を押圧する際に、金具プレス治具の中心軸と絶縁体の軸線との間に多少の軸ずれが生じていても、受台が金具プレス治具に対して相対移動することで、金具プレス治具の中心軸と絶縁体の軸線とが精度よく合うこととなる(すなわち、金具プレス治具の中心軸と絶縁体の軸線との径方向における偏心が小さなものとなる)。従って、主体金具の押圧時に、主体金具の外周面に加わる径方向内側に向けた力が、主体金具の周方向に沿って均等に加わることとなる。その結果、絶縁体の軸線と主体金具の中心軸との軸ずれや傾きを効果的に抑制することができ、絶縁体の破損防止や異常放電の発生抑制を図ることができる。
構成7.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成6において、前記受台は、その外周側に配置された固定台に対して、当該固定台との間に設けられた複数の弾性部材により支持されており、
前記受台の外周面と前記固定台の内周面との間には環状の隙間が形成され、前記受台は、自身の径方向に沿って前記固定台に対して相対移動可能とされることを特徴とする。
上記構成7によれば、受台の外周面と固定台の内周面との間に環状の隙間が形成されており、受台は、自身の径方向に沿って固定台に対して相対移動可能とされている。従って、上記構成6と同様の作用効果が奏され、絶縁体の軸線と主体金具の中心軸との軸ずれや傾きを効果的に抑制することができる。
また、受台は、弾性部材により固定台に支持されているため、外力が加わらない限り、受台と固定台とは基本的には同一の相対位置関係を保って配置されることとなる。すなわち、主体金具の押圧時に、受台が固定台に対して相対移動しても、主体金具の押圧後に、受台は元の位置に戻ることとなる。従って、主体金具を押圧する際における金具プレス治具の中心軸と絶縁体の軸線との軸合わせの影響が、後の加締め工程に及んでしまうことをより確実に防止することができる。
構成8.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成3又は6において、前記加締め工程においては、前記絶縁体の先端部が保持され、前記受台に対する前記絶縁体の先端部の径方向に沿った相対移動が規制されることを特徴とする。
上記構成8によれば、加締め工程において、上記構成4と同様の作用効果が奏されることとなる。
構成9.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成3、5又は7において、前記加締め工程においては、前記金具プレス治具の内周に前記絶縁体の少なくとも一部が入るまでの間、前記受台を保持することを特徴とする。
上記構成9によれば、加締め工程において、絶縁体や端子電極に対する金具プレス治具の衝突をより確実に防止することができ、絶縁体や端子電極の損傷をより確実に防止することができる。
構成10.本構成のスパークプラグの製造装置は、軸線方向に延びる筒状の絶縁体と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
前記絶縁体と前記主体金具との間に充填された滑石とを備えたスパークプラグの製造装置であって、
前記主体金具を支持する筒状の受台と、
前記軸線方向に沿って移動可能な筒状の滑石プレス治具とを備え、
前記絶縁体が挿通された前記主体金具を前記受台により支持した上で、前記滑石プレス治具を移動させることにより前記滑石を押圧し、
前記受台は、少なくとも前記滑石プレス治具による前記滑石の押圧時に、自身の径方向に沿って前記滑石プレス治具に対して相対移動可能とされることを特徴とする。
上記構成10によれば、基本的には上記構成1と同様の作用効果が奏されることとなる。
構成11.本構成のスパークプラグの製造装置は、上記構成10において、前記受台の外周側に配置された固定台と、
前記受台と前記固定台との間に設けられた複数の弾性部材とを備え、
前記受台の外周面と前記固定台の内周面との間には環状の隙間が形成され、前記受台は、自身の径方向に沿って前記固定台に対して相対移動可能とされることを特徴とする。
上記構成11によれば、基本的には上記構成2と同様の作用効果が奏されることとなる。
構成12.本構成のスパークプラグの製造装置は、上記構成10又は11において、前記滑石プレス治具の移動時において、前記滑石プレス治具の内周に前記絶縁体の少なくとも一部が入るまでの間、前記受台を保持することを特徴とする。
上記構成12によれば、基本的には上記構成5と同様の作用効果が奏されることとなる。
構成13.本構成のスパークプラグの製造装置は、上記構成10乃至12のいずれかにおいて、前記スパークプラグにおいては、前記主体金具の後端部に設けられた径方向内側に屈曲する加締め部により、前記絶縁体と前記主体金具とが固定されており、
前記軸線方向に沿って移動可能な筒状の金具プレス治具を備え、
前記絶縁体が挿通された前記主体金具を前記受台により支持した上で、前記金具プレス治具を移動させ前記主体金具の後端部を押圧することにより、前記加締め部を形成し、
前記受台は、少なくとも前記金具プレス治具による前記主体金具の押圧時に、自身の径方向に沿って前記金具プレス治具に対して相対移動可能とされることを特徴とする。
上記構成13によれば、基本的には上記構成3と同様の作用効果が奏されることとなる。
構成14.本構成のスパークプラグの製造装置は、軸線方向に延びる筒状の絶縁体と、
前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具とを備え、
前記主体金具の後端部に設けられた径方向内側に屈曲する加締め部により前記絶縁体と前記主体金具とが固定されたスパークプラグの製造装置であって、
前記主体金具を支持する筒状の受台と、
前記軸線方向に沿って移動可能な筒状の金具プレス治具とを備え、
前記絶縁体が挿通された前記主体金具を前記受台により支持した上で、前記金具プレス治具を移動させ前記主体金具の後端部を押圧することにより、前記加締め部を形成し、
前記受台は、少なくとも前記金具プレス治具による前記主体金具の押圧時に、自身の径方向に沿って前記金具プレス治具に対して相対移動可能とされることを特徴とする。
上記構成14によれば、基本的には上記構成6と同様の作用効果が奏されることとなる。
構成15.本構成のスパークプラグの製造装置は、上記構成14において、前記受台の外周側に配置された固定台と、
前記受台と前記固定台との間に設けられた複数の弾性部材とを備え、
前記受台の外周面と前記固定台の内周面との間には環状の隙間が形成され、前記受台は、自身の径方向に沿って前記固定台に対して相対移動可能とされることを特徴とする。
上記構成12によれば、基本的には、上記構成7と同様の作用効果が奏される。
構成16.本構成のスパークプラグの製造装置は、上記構成14又は15において、前記金具プレス治具の移動時において、前記金具プレス治具の内周に前記絶縁体の少なくとも一部が入るまでの間、前記受台を保持することを特徴とする。
上記構成16によれば、基本的には上記構成9と同様の作用効果が奏されることとなる。
構成17.本構成のスパークプラグの製造装置は、上記構成10乃至16のいずれかにおいて、前記絶縁体の先端部を保持し、前記受台に対する前記絶縁体の先端部の径方向に沿った相対移動を規制する絶縁体ガイドを備えることを特徴とする。
上記構成17によれば、基本的には上記構成4と同様の作用効果が奏されることとなる。
スパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 受台や固定台等の構成を示す一部破断正面図である。 受台や固定台等の構成を示す一部破断平面図である。 滑石押圧工程における一工程を説明するための一部破断正面図である。 滑石押圧工程における一工程を説明するための一部破断正面図である。 滑石押圧工程における一工程を説明するための一部破断正面図である。 加締め工程における一工程を説明するための一部破断正面図である。 加締め工程における一工程を説明するための一部破断正面図である。 加締め工程における一工程を説明するための一部破断正面図である。 芯出し精度評価試験の試験結果を示すグラフである。 可動受台又は固定受台を用いた場合における絶縁碍子の破損割合を示すグラフである。 ケースA,Bにおける端子電極の損傷割合を示すグラフである。 (a)は、別の実施形態において、滑石押圧工程で用いられる受台や保持装置の構成を説明するための一部破断正面図であり、(b)は、図13(a)のJ−J線断面図である。 (a)は、別の実施形態において、加締め工程で用いられる受台や保持装置の構成を説明するための一部破断正面図であり、(b)は、図14(a)のJ−J線断面図である。 (a)は、別の実施形態における滑石押圧工程の一工程を説明するための一部破断正面図であり、(b)は、図15(a)のJ−J線断面図である。 (a)は、別の実施形態における加締め工程の一工程を説明するための一部破断正面図であり、(b)は、図16(a)のJ−J線断面図である。 別の実施形態において、滑石押圧工程で用いられる受台や保持装置の構成を説明するための一部破断正面図である。 別の実施形態において、加締め工程で用いられる受台や保持装置の構成を説明するための一部破断正面図である。 別の実施形態における滑石押圧工程の一工程を説明するための一部破断正面図である。 別の実施形態における加締め工程の一工程を説明するための一部破断正面図である。
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、スパークプラグ1を示す一部破断正面図である。尚、図1では、スパークプラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ1は、筒状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれよりも細径に形成された脚長部13とを備えている。加えて、絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、大部分の脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。そして、中胴部12と脚長部13との連接部にはテーパ状の段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って延びる軸孔4が貫通形成されており、当該軸孔4の先端側には中心電極5が挿入、固定されている。当該中心電極5は、銅又は銅合金からなる内層5Aと、ニッケル(Ni)を主成分とするNi合金からなる外層5Bとを備えている。また、中心電極5は、全体として棒状(円柱状)をなし、その先端部分が絶縁碍子2の先端から突出している。
加えて、軸孔4の後端側には、絶縁碍子2の後端から突出した状態で端子電極6が挿入、固定されている。
さらに、軸孔4の中心電極5と端子電極6との間には、円柱状の抵抗体7が配設されている。当該抵抗体7の両端部は、導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
加えて、前記主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1を内燃機関や燃料電池改質器等の燃焼装置に取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。また、ねじ部15の後端側には座部16が外周側に向けて突出形成されており、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、主体金具3を燃焼装置に取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられている。また、主体金具3の後端部には、径方向内側に向けて屈曲する加締め部20が設けられている。尚、本実施形態においては、スパークプラグ1の小径化を図るべく、主体金具3が小径化されており、ねじ部15のねじ径は比較的小径(例えば、M12以下)とされている。そのため、主体金具3の先端内周面と絶縁碍子2の先端部との間の軸線CL1と直交する方向に沿った距離Lが比較的小さなもの(例えば、1.0mm以下)とされており、主体金具3の先端と中心電極5の先端部との間の距離が比較的小さなものとなっている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するためのテーパ状の段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって主体金具3に固定されている。尚、絶縁碍子2及び主体金具3双方の段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料ガスが外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間には滑石(タルク)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及び滑石25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、主体金具3の先端部26には、略中間部分が曲げ返されて、その先端側側面が中心電極5の先端部と対向する接地電極27が接合されている。中心電極5の先端部と接地電極27の先端部との間には、火花放電間隙28が形成されており、当該火花放電間隙28において、軸線CL1にほぼ沿った方向で火花放電が行われるようになっている。
次に、上記のように構成されてなるスパークプラグ1の製造方法について説明する。
まず、主体金具3を予め加工しておく。すなわち、円柱状の金属素材(例えば、鉄系素材やステンレス素材)に対して冷間鍛造加工等により概形を形成するとともに、貫通孔を形成する。その後、切削加工を施すことで外形を整え、主体金具中間体を得る。
続いて、主体金具中間体の先端面に、Ni合金からなる直棒状の接地電極27が抵抗溶接される。当該溶接に際してはいわゆる「ダレ」が生じるので、その「ダレ」を除去した後、主体金具中間体の所定部位にねじ部15が転造によって形成される。これにより、接地電極27の溶接された主体金具3が得られる。尚、得られた主体金具3の後端部は、円筒状(すなわち、加締め部20が未形成の状態)となっており、また、座部16と工具係合部19との間の薄肉部位も円筒状となっている。
次いで、接地電極27の溶接された主体金具3に、亜鉛メッキ或いはニッケルメッキが施される。尚、耐食性向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理が施されることとしてもよい。
一方、前記主体金具3とは別に、絶縁碍子2を成形加工しておく。例えば、アルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用いて、成形用素地造粒物を調製するとともに、当該成形用素地造粒物を用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体が得られる。そして、得られた成形体に対し、研削加工が施され整形されるとともに、整形されたものが焼成炉で焼成されることにより、絶縁碍子2が得られる。
また、前記主体金具3、絶縁碍子2とは別に、中心電極5を製造しておく。すなわち、中央部に放熱性向上を図るための銅合金等を配置したNi合金に鍛造加工を施すことで中心電極5を作製する。
次に、上記のようにして得られた絶縁碍子2及び中心電極5と、抵抗体7と、端子電極6とが、ガラスシール層8,9によって封着固定される。ガラスシール層8,9は、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製されたものが、抵抗体7を挟むようにして絶縁碍子2の軸孔4内に注入された後、後方から前記端子電極6で押圧しつつ、焼成炉内にて加熱されることで焼成される。尚、このとき、絶縁碍子2の後端側胴部10表面には釉薬層が同時に焼成されることとしてもよいし、事前に釉薬層が形成されることとしてもよい。
その後、上記のようにそれぞれ作製された絶縁碍子2と主体金具3とが、滑石押圧工程、及び、加締め工程を経ることで固定される。
まず、滑石押圧工程においては、図2に示すように、主体金具3に絶縁碍子2を挿入した上で、金属製で筒状をなす受台31により、軸線CL1が鉛直方向にほぼ沿って延びるようにして主体金具3を支持する。このとき、主体金具3は、自身の中心軸が受台31の中心軸と一致するようにして配置される。尚、図2及び図3に示すように、受台31の外周側には、筒状の固定台32が配置されており、当該固定台32は、所定の搬送方向に沿って移動可能な搬送台33に取付けられている。また、受台31の外周面と固定台32の内周面との間には、環状の隙間34が設けられており、受台31は、自身の径方向に沿って固定台32に対して相対移動可能となっている。さらに、受台31は、固定台32に対して、当該固定台32との間に設けられた複数の弾性部材35により支持されている。弾性部材35は、固定台32の中心軸に向けて延びるバネ部材であり、前記中心軸を挟んだ対称位置に複数(本実施形態では、6つ)設けられている。また、弾性部材35のうち受台31に接触する接触部35Tは球状となっており、受台31は固定台32に対して周方向に沿って相対移動可能となっている。さらに、本実施形態において、弾性部材35は、自身の自然長に対して若干収縮した状態で設けられており、受台31は、自身の中心軸側に向けて付勢された状態で固定台32に支持されている。その結果、受台31は、少なくとも後述する滑石プレス治具41による滑石25の押圧時や後述する金具プレス治具42による主体金具3の押圧時(すなわち、外力が加わった際)に、自身の径方向に沿って滑石プレス治具41や金具プレス治具42に対して相対移動可能となっている。尚、弾性部材35を自身の自然長に対して若干伸長させた状態で設けることで、受台31を自身の径方向外側へと引っ張られた状態で設けることとしてもよい。
さらに、受台31の内周下方側には、それぞれ筒状をなす金具ガイド36と絶縁体ガイド37とが取付けられている。
金具ガイド36は、所定の金属材料により形成されるとともに、自身の下方に設けられた鉛直方向に沿って伸縮可能な第2の弾性部材38により上方へと付勢された状態となっている。また、金具ガイド36の上面36Aのうち少なくとも内周側は、外周側に向けて徐々に低くなるテーパ状となっており、受台31に主体金具3を支持した際には、前記上面36Aのテーパ状部分に対して主体金具3の先端部内周が接触する。主体金具3の先端部が、上方に向けて付勢された金具ガイド36の上面36A(テーパ状部分)に接触することで、受台31に対する主体金具3の先端部の径方向に沿った相対移動が規制される。尚、金具ガイド36の上面36Aには、接地電極27を収容可能な凹部(図示せず)が設けられており、金具ガイド36により主体金具3を支持する際には、前記凹部に接地電極27が収容される。
絶縁体ガイド37は、自身の中心軸と金具ガイド36の中心軸とが一致した状態で金具ガイド36に挿通されるとともに、所定の樹脂材料により形成されている。また、絶縁体ガイド37の下方には、鉛直方向に沿って伸縮可能な第3の弾性部材39が設けられており、当該第3の弾性部材39により絶縁体ガイド37は上方へと付勢された状態となっている。さらに、絶縁体ガイド37の上面37Aは、外周側に向けて徐々に高くなるテーパ状をなっており、受台31に主体金具3を支持した際には、前記上面37Aに対して絶縁碍子2の先端部外周が接触する。絶縁碍子2の先端部が、上方に向けて付勢された絶縁体ガイド37の上面37Aに接触することで、受台31に対する絶縁碍子2の先端部の径方向に沿った相対移動が規制される。尚、絶縁体ガイド37の下方側であって、金具ガイド36から露出する部位には、径方向外側に向けて突出し、金具ガイド36の内径よりも外径の大きい突出部37Bが設けられている。当該突出部37Bにより、金具ガイド36に対する絶縁体ガイド37の上限位置が設定されている。一方で、金具ガイド36に対する絶縁体ガイド37の下限位置はある程度調節可能となるため、主体金具3の先端に対する絶縁碍子2の先端の突出量が異なるスパークプラグ1を製造する場合であっても、金具ガイド36及び絶縁体ガイド37を共通に利用可能となっている。尚、金具ガイド36の外周面は、受台31に対してほぼ隙間なく接触しており、金具ガイド36及び絶縁体ガイド37は、受台31に対して自身の径方向に沿って相対移動不能となっている。従って、金具ガイド36及び絶縁体ガイド37は、受台31が固定台32に対して相対移動する際には、受台31とともに移動する。
製造方法の説明に戻り、主体金具3を受台31に支持した後、図4に示すように、絶縁碍子2(後端側胴部10及び大径部11)と主体金具3との間に形成された環状の空間40に、リング部材23、滑石25、リング部材24をこの順序で配置する。次いで、搬送台33を移動させることにより、図5に示すように、軸線CL1(鉛直)方向に沿って移動可能な筒状の滑石プレス治具41の下方へと主体金具3を搬送し、滑石プレス治具41の中心軸CL2と受台31の中心軸(軸線CL1と一致する)とがほぼ一致した状態(本実施形態では若干ずれた状態)で搬送台33を停止させる。
そして、図6に示すように、滑石プレス治具41を下方へと移動させ、滑石プレス治具41の先端部でリング部材24を介して滑石25を押圧する。尚、弾性部材35により、滑石プレス治具41の内周に絶縁碍子2の少なくとも一部が入るまでの間、受台31は移動することなく、保持されるようになっている。また、滑石プレス治具41が下動し、滑石25を押圧するときには、受台31は、自身の中心軸(軸線CL1と一致する)が滑石プレス治具41の中心軸CL2と一致するように滑石プレス治具41(固定台32)に対して径方向に相対移動する。すなわち、滑石押圧工程は、滑石プレス治具41の中心軸CL2と絶縁碍子2の軸線CL1との径方向における偏心を小さくする偏心調整工程を含んでいる。
滑石押圧工程の後、加締め工程が行うべく、図7に示すように、軸線CL1(鉛直)方向に沿って移動可能な筒状の金具プレス治具42の下方へと主体金具3を搬送し、金具プレス治具42の中心軸CL3と受台31の中心軸(軸線CL1)とがほぼ一致した状態(本実施形態では若干ずれた状態)で搬送台33を停止させる。尚、金具プレス治具42は、自身の内周面に、加締め部20の形状に対応した湾曲面状をなす加締め形成部42Fを備えている。
主体金具3を所定位置に配置した後、図8に示すように、金具プレス治具42を下方へと移動させ、加締め形成部42Fを主体金具3の後端部に接触させつつ、主体金具3の後端部に対して軸線CL1方向に沿った押圧力を加える。これにより、図9に示すように、座部16と工具係合部19との間の薄肉部分が径方向外側に向けて膨出変形するとともに、主体金具3の後端側開口部が径方向内側へと屈曲され、加締め部20が形成される。その結果、絶縁碍子2と主体金具3とが固定される。尚、加締め工程においては、弾性部材35により、金具プレス治具42の内周に絶縁碍子2の少なくとも一部が入るまでの間、受台31は移動することなく、保持されるようになっている。また、滑石押圧工程と同様に、金具プレス治具42の下動に伴って、受台31は、自身の中心軸(軸線CL1と一致する)が金具プレス治具42の中心軸CL3と一致するように金具プレス治具42(固定台32)に対して相対移動する。すなわち、加締め工程は、金具プレス治具42の中心軸CL3と絶縁碍子2の軸線CL1との径方向における偏心を小さくする偏心調整工程を含んでいる。
尚、本実施形態では、滑石押圧工程及び加締め工程の双方において、絶縁碍子2の先端部が絶縁体ガイド37によって保持されているが、絶縁碍子2の先端部を保持することなく、滑石押圧工程や加締め工程を行うこととしてもよい。また、滑石押圧工程及び加締め工程のうちいずれか一方において、固定台32に対して相対移動可能な受台31を用いることとしてもよい(すなわち、両工程のうちいずれか一方が偏心調整工程を含むように構成してもよい)。
絶縁碍子2と主体金具3とを固定した後、接地電極27を中心電極5側に屈曲させるとともに、中心電極5及び接地電極27間の火花放電間隙28の大きさを調節することで、上述したスパークプラグ1が得られる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、受台31の外周面と固定台32の内周面との間に環状の隙間34が形成されており、主体金具3を支持する受台32は、自身の径方向に沿ってプレス治具41(42)に対して相対移動可能とされている。従って、滑石押圧工程や加締め工程を行う際に、プレス治具41(42)の中心軸CL2(CL3)と絶縁碍子2の軸線CL1との間に多少の軸ずれが生じていても、受台31がプレス治具41(42)に対して相対移動することで、プレス治具41(42)の中心軸CL2(CL3)と絶縁碍子2の軸線CL1とが精度よく合うこととなる。従って、滑石25の押圧時には、滑石25を介して絶縁碍子2の外周面に加わる径方向内側に向けた力が、絶縁碍子2の周方向に沿って均等に加わることとなり、また、加締め部20の形成時には、主体金具3の外周面に加わる径方向内側に向けた力が、主体金具3の周方向に沿って均等に加わることとなる。その結果、絶縁碍子2の軸線CL1と主体金具3の中心軸との軸ずれや傾きを効果的に抑制することができ、絶縁碍子2の破損防止や異常放電の発生抑制をより確実に図ることができる。
また、受台31は、弾性部材35により固定台32に支持されているため、外力が加わらない限り、受台31と固定台32とは基本的には同一の相対位置関係を保って配置される。つまり、滑石25の押圧時や加締め部20の形成時に、受台31が固定台32に対して相対移動しても、その後、受台31は元の位置に戻ることとなる。従って、プレス治具41(42)の中心軸CL2(CL3)と絶縁碍子2の軸線CL1との軸合わせの影響が、後の滑石押圧工程や加締め工程に及んでしまうことはない。
さらに、滑石押圧工程及び加締め工程において、絶縁体ガイド37により、受台31に対する絶縁碍子2の先端部の径方向に沿った相対移動が規制されている。従って、絶縁碍子2の軸線CL1と、受台31に支持される主体金具3の中心軸とを非常に精度よく合わせることができ、絶縁碍子2の軸線CL1と主体金具3の中心軸との軸ずれや傾きをより一層効果的に抑制することができる。また、特に絶縁碍子2の先端部において、軸ずれ等の発生が極めて効果的に抑制されるため、異常放電の発生をより一層確実に防止することができる。加えて、固定台32に対して相対移動可能な受台31が用いられることで、絶縁碍子2の先端部を保持しながらも、滑石押圧工程や加締め工程において絶縁碍子2に加わる応力を低減させることができ、絶縁碍子2の先端部を保持した場合に懸念される絶縁碍子2の破損をより確実に防止できる。
加えて、滑石押圧工程及び加締め工程において、プレス治具41(42)の内周に絶縁碍子2の少なくとも一部が入るまでの間、受台31は移動することなく、保持されるようになっている。従って、プレス治具41(42)の中心軸CL2(CL3)に対して絶縁碍子2の軸線CL1が大きくずれてしまうという事態をより確実に防止することができ、絶縁碍子2や端子電極6に対するプレス治具41(42)の衝突防止を図ることができる。その結果、絶縁碍子2や端子電極6の損傷をより確実に防止することができる。
尚、本実施形態のように主体金具3の先端内周面と絶縁碍子2の先端部との間の軸線CL1と直交する方向に沿った距離Lが比較的小さなスパークプラグ1においては、絶縁碍子2の軸線CL1(中心電極5の中心軸)が主体金具3の中心軸に対して若干でもずれたり、傾いたりしてしまうことで、中心電極5と主体金具3との間で横飛火等の異常放電が生じてしまいやすい。すなわち、前記距離Lが比較的大きなスパークプラグと比較して、本実施形態のスパークプラグ1は、軸線CL1のずれや傾きが、着火性に悪影響を及ぼしてしまいやすい。しかしながら、本発明を適用することで、軸線CL1のずれや傾きを効果的に抑制できるため、前記距離Lが比較的小さく、軸線CL1のずれや傾きに伴う異常放電の発生が特に懸念されるスパークプラグ1においても、異常放電の発生を効果的に防止することができる。換言すれば、本発明は、前記距離Lが比較的小さなスパークプラグを製造する際に、特に有効である。
次いで、上記実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、芯出し精度評価試験を行った。芯出し精度評価試験の概要は次の通りである。すなわち、滑石押圧工程において、滑石プレス治具の下方に主体金具を配置する際に、滑石プレス治具の中心軸と絶縁碍子の軸線とを0.4mmずらして主体金具を配置した。その上で、滑石プレス治具により滑石を押圧するとともに、得られたスパークプラグについて、軸線方向先端側から見たときにおける絶縁碍子の軸線と主体金具の中心軸とのずれ量を測定した。尚、芯出し精度評価試験においては、固定台に対して相対移動不能な状態で固定された受台(固定受台)により主体金具を支持した場合(ケース1)と、絶縁碍子の先端部を絶縁体ガイドにより保持するとともに固定受台により主体金具を支持した場合(ケース2)と、滑石プレス治具(固定台)に対して自身の径方向に沿って相対移動可能とされた受台(可動受台)により主体金具を支持した場合(ケース3)とで、前記ずれ量をそれぞれ測定した。図10に、当該試験の試験結果を示す。
また、絶縁碍子の先端部を絶縁体ガイドにより保持するとともに、主体金具を固定受台により支持した場合(前記ケース2と同様の態様)と、絶縁碍子2の先端部を絶縁体ガイドにより保持するとともに、主体金具を可動受台により支持した場合(ケース4)とにおいて、上記試験と同様に、滑石プレス治具の中心軸と絶縁碍子の軸線とを0.4mmずらした状態で滑石を押圧する試験を、それぞれのケースで複数回ずつ行った。そして、得られたスパークプラグを観察し、滑石の押圧に伴う絶縁碍子の先端部における破損の有無を確認するとともに、破損の発生割合(破損割合)を算出した。図11に、両ケースにおける破損割合をそれぞれ示す。
図10に示すように、絶縁碍子の先端部を保持することなく、固定受台により主体金具を支持した場合(ケース1)は、ずれ量が比較的大きくなってしまったが、可動受台により主体金具を支持した場合(ケース3)は、ずれ量を十分に小さくできることが分かった。これは、受台を固定台に対して相対移動可能としたことで、滑石押圧工程において、受台が、その中心軸(絶縁碍子の軸線)を滑石プレス治具の中心軸と一致させるように移動し、ひいては滑石の押圧時に絶縁碍子に対して径方向内側に加えられる力が、絶縁碍子の周方向に沿ってほぼ均等となったためであると考えられる。
また、固定受台により主体金具を支持しつつ、絶縁碍子の先端部を保持した場合(ケース2)は、ずれ量を非常に少なくすることができたが、図11に示すように、絶縁碍子に破損が生じやすくなってしまうことが明らかとなった。これは、滑石プレス治具の中心軸と絶縁碍子の軸線とがずれた状態で滑石を押圧したことで、保持された絶縁碍子に対して径方向に沿った大きな応力が加わってしまったためであると考えられる。
これに対して、可動受台により主体金具を支持しつつ、絶縁碍子の先端部を保持した場合(ケース4)には、滑石押圧工程において、絶縁碍子の破損を極めて効果的に抑制できることが分かった。これは、滑石を押圧する際に受台が移動したことで、絶縁碍子に加わる径方向に沿った応力を十分に小さくできたことによると考えられる。
以上の試験結果より、絶縁碍子の軸線と主体金具の中心軸との軸ずれや傾きを防止すべく、滑石押圧工程において、滑石プレス治具(固定台)に対して自身の径方向に沿って相対移動可能な可動受台を用いることが好ましく、絶縁碍子の先端部を保持する絶縁体ガイドを用いることがより好ましいといえる。但し、絶縁体ガイドを用いる場合には、絶縁碍子の破損防止を図るべく、可動受台を用いることが必要である。
尚、軸線方向に沿って筒状のプレス治具を移動させ、主体金具や滑石(絶縁碍子)を押圧する工程であれば、可動受台を用いることによる軸ずれ等の抑制効果を期待できる。従って、滑石押圧工程だけでなく、金具プレス治具により主体金具の後端部を押圧し、加締め部を形成する加締め工程においても、可動受台を用いることで絶縁碍子の軸線と主体金具の中心軸との軸ずれ等を防止することができる。また、加締め工程においても、絶縁碍子の先端部を保持することで、軸ずれ等を一層効果的に防止することができる。
次いで、滑石プレス治具の内周に絶縁碍子の少なくとも一部が入るまでの間、受台を保持した場合(ケースA)と、滑石プレス治具の移動中に、受台を保持せず自由に移動可能とした場合(ケースB)とにおいて、滑石を押圧する試験をそれぞれのケースで複数回ずつ行った。そして、それぞれのケースにおいて、端子電極に損傷が生じる割合(損傷割合)を測定した。図12に、当該試験の試験結果を示す。
図12に示すように、ケースBでは、端子電極に損傷が生じてしまう場合があったが
ケースAでは、端子電極の損傷をより確実に防止できることが明らかとなった。これは、滑石プレス治具の内周に絶縁碍子の少なくとも一部が入るまでの間、受台を保持したことで、滑石プレス治具の中心軸に対して絶縁碍子の軸線が大きくすれてしまうという事態がより確実に防止され、端子電極に対する滑石プレス治具の衝突が抑制されたためであると考えられる。
上記試験の結果より、滑石押圧工程において、端子電極の損傷をより確実に防止するためには、滑石プレス治具の内周に絶縁碍子の少なくとも一部が入るまでの間、受台を保持することが好ましいといえる。尚、端子電極の外径が絶縁碍子の後端部の外径よりも小さい場合には、絶縁碍子の後端部に対して滑石プレス治具が接触し、絶縁碍子が損傷してしまうおそれがあるが、滑石プレス治具の内周に絶縁碍子の少なくとも一部が入るまでの間、受台を保持することで、絶縁碍子の損傷も防止できる。
また、滑石押圧工程と同様に、軸線方向に沿ってプレス治具を移動させる加締め工程においても、金具プレス治具の内周に絶縁碍子の少なくとも一部が入るまでの間、受台を保持することで、端子電極や絶縁碍子の損傷を防止することができる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態において、受台31は、固定台32に対して弾性部材35により支持されるとともに、固定台32との間に隙間34を有することで、プレス治具41(42)による滑石25(主体金具3)の押圧時に、プレス治具41(42)に対して相対移動可能とされ、かつ、プレス治具41(42)の内周に絶縁碍子2の少なくとも一部が入るまでの間、保持されるように構成されている。
これに対して、図13(a),(b)及び図14(a),(b)に示すように、受台31の外周面を挟むように配置され、受台31に対して接触・離間可能な保持装置51,52(例えば、エアシリンダー等)により、プレス治具41,42の内周に絶縁碍子2の少なくとも一部が入るまでの間、受台31を保持し、図15(a),(b)及び図16(a),(b)に示すように、滑石25の押圧時や主体金具3の押圧時に、保持装置51,52による受台31の保持を解除し、受台31をプレス治具41,42に対して相対移動可能としてもよい。
また、図17及び図18に示すように、鉛直方向に延びる複数の弾性部材53,54により支持され、弾性部材53,54からの付勢力により、自身の外周側上方に設けられた保持装置55,56に接触することで保持され、その一方で、自身の下動に伴い保持装置55,56から離間することで、自身の径方向に沿ってプレス治具41,42に対して相対移動可能となる受台31を用いてもよい。具体的には、プレス治具41,42の内周に絶縁碍子2の少なくとも一部が入るまでの間は、弾性部材53,54からの付勢力により保持装置55,56に接触することで、受台31は保持される。一方で、滑石25の押圧時や主体金具3の押圧時においては、図19及び図20に示すように、プレス治具41,42の押圧力により弾性部材53,54が圧縮変形し、受台31が保持装置55,56から離間することで、受台31は自身の径方向に沿ってプレス治具41,42に対して相対移動可能となる。
これらの場合においても、絶縁碍子2の軸線CL1と主体金具3の中心軸との軸ずれや傾きを効果的に抑制することができるとともに、プレス治具41,42との接触に伴う絶縁碍子2や端子電極6の損傷をより確実に防止することができる。
(b)上記実施形態におけるスパークプラグ1は、主体金具3が比較的小径化され、前記距離Lが比較的小さなものとされているが、本発明により製造可能なスパークプラグは、特に限定されるものではない。従って、例えば、主体金具3のねじ径がM12を超え、前記距離Lが比較的大きなスパークプラグを製造する際に、本発明を採用することとしてもよい。
(c)上記実施形態では、主体金具3の先端部26に、接地電極27が接合される場合について具体化しているが、主体金具の一部(又は、主体金具に予め溶接してある先端金具の一部)を削り出すようにして接地電極を形成する場合についても適用可能である(例えば、特開2006−236906号公報等)。
(d)上記実施形態では、工具係合部19は断面六角形状とされているが、工具係合部19の形状に関しては、このような形状に限定されるものではない。例えば、Bi−HEX(変形12角)形状〔ISO22977:2005(E)〕等とされていてもよい。
1…スパークプラグ
2…絶縁碍子(絶縁体)
3…主体金具
20…加締め部
25…滑石
31…受台
32…固定台
34…隙間
35…弾性部材
41…滑石プレス治具
42…金具プレス治具
CL1…(絶縁碍子の)軸線
CL2…(滑石プレス治具の)中心軸
CL3…(金具プレス治具の)中心軸

Claims (17)

  1. 軸線方向に延びる筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
    前記絶縁体と前記主体金具との間に充填された滑石とを備えたスパークプラグの製造方法であって、
    前記絶縁体が挿通された前記主体金具を筒状の受台により支持した上で、筒状の滑石プレス治具により前記軸線方向に沿って前記滑石を押圧する滑石押圧工程を含み、
    前記受台は、少なくとも前記滑石プレス治具による前記滑石の押圧時に、自身の径方向に沿って前記滑石プレス治具に対して相対移動可能とされ、
    前記滑石押圧工程は、前記滑石プレス治具の中心軸と前記絶縁体の軸線との前記径方向における偏心を小さくする偏心調整工程を含むことを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  2. 前記受台は、その外周側に配置された固定台に対して、当該固定台との間に設けられた複数の弾性部材により支持されており、
    前記受台の外周面と前記固定台の内周面との間には環状の隙間が形成され、前記受台は、自身の径方向に沿って前記固定台に対して相対移動可能とされることを特徴とする請求項1に記載のスパークプラグの製造方法。
  3. 前記スパークプラグにおいては、前記主体金具の後端部に設けられた径方向内側に屈曲する加締め部により、前記絶縁体と前記主体金具とが固定されており、
    前記滑石押圧工程の後において、筒状の金具プレス治具により前記軸線方向に沿って前記主体金具の後端部を押圧し、前記加締め部を形成する加締め工程を含み、
    前記加締め工程において、少なくとも前記金具プレス治具による前記主体金具の押圧時に、自身の径方向に沿って前記金具プレス治具に対して相対移動可能とされた前記受台により、前記絶縁体が挿通された前記主体金具を支持した上で、前記金具プレス治具により前記加締め部を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載のスパークプラグの製造方法。
  4. 前記滑石押圧工程においては、前記絶縁体の先端部が保持され、前記受台に対する前記絶縁体の先端部の径方向に沿った相対移動が規制されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のスパークプラグの製造方法。
  5. 前記滑石押圧工程においては、前記滑石プレス治具の内周に前記絶縁体の少なくとも一部が入るまでの間、前記受台を保持することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスパークプラグの製造方法。
  6. 軸線方向に延びる筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具とを備え、
    前記主体金具の後端部に設けられた径方向内側に屈曲する加締め部により前記絶縁体と前記主体金具とが固定されたスパークプラグの製造方法であって、
    前記絶縁体が挿通された前記主体金具を筒状の受台により支持した上で、筒状の金具プレス治具により前記軸線方向に沿って前記主体金具の後端部を押圧し、前記加締め部を形成する加締め工程を含み、
    前記受台は、少なくとも前記金具プレス治具による前記主体金具の押圧時に、自身の径方向に沿って前記金具プレス治具に対して相対移動可能とされ、
    前記加締め工程は、前記金具プレス治具の中心軸と前記絶縁体の軸線との前記径方向における偏心を小さくする偏心調整工程を含むことを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  7. 前記受台は、その外周側に配置された固定台に対して、当該固定台との間に設けられた複数の弾性部材により支持されており、
    前記受台の外周面と前記固定台の内周面との間には環状の隙間が形成され、前記受台は、自身の径方向に沿って前記固定台に対して相対移動可能とされることを特徴とする請求項6に記載のスパークプラグの製造方法。
  8. 前記加締め工程においては、前記絶縁体の先端部が保持され、前記受台に対する前記絶縁体の先端部の径方向に沿った相対移動が規制されることを特徴とする請求項3又は6に記載のスパークプラグの製造方法。
  9. 前記加締め工程においては、前記金具プレス治具の内周に前記絶縁体の少なくとも一部が入るまでの間、前記受台を保持することを特徴とする請求項3、5又は7に記載のスパークプラグの製造方法。
  10. 軸線方向に延びる筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
    前記絶縁体と前記主体金具との間に充填された滑石とを備えたスパークプラグの製造装置であって、
    前記主体金具を支持する筒状の受台と、
    前記軸線方向に沿って移動可能な筒状の滑石プレス治具とを備え、
    前記絶縁体が挿通された前記主体金具を前記受台により支持した上で、前記滑石プレス治具を移動させることにより前記滑石を押圧し、
    前記受台は、少なくとも前記滑石プレス治具による前記滑石の押圧時に、自身の径方向に沿って前記滑石プレス治具に対して相対移動可能とされることを特徴とするスパークプラグの製造装置。
  11. 前記受台の外周側に配置された固定台と、
    前記受台と前記固定台との間に設けられた複数の弾性部材とを備え、
    前記受台の外周面と前記固定台の内周面との間には環状の隙間が形成され、前記受台は、自身の径方向に沿って前記固定台に対して相対移動可能とされることを特徴とする請求項10に記載のスパークプラグの製造装置。
  12. 前記滑石プレス治具の移動時において、前記滑石プレス治具の内周に前記絶縁体の少なくとも一部が入るまでの間、前記受台を保持することを特徴とする請求項10又は11に記載のスパークプラグの製造装置。
  13. 前記スパークプラグにおいては、前記主体金具の後端部に設けられた径方向内側に屈曲する加締め部により、前記絶縁体と前記主体金具とが固定されており、
    前記軸線方向に沿って移動可能な筒状の金具プレス治具を備え、
    前記絶縁体が挿通された前記主体金具を前記受台により支持した上で、前記金具プレス治具を移動させ前記主体金具の後端部を押圧することにより、前記加締め部を形成し、
    前記受台は、少なくとも前記金具プレス治具による前記主体金具の押圧時に、自身の径方向に沿って前記金具プレス治具に対して相対移動可能とされることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載のスパークプラグの製造装置。
  14. 軸線方向に延びる筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具とを備え、
    前記主体金具の後端部に設けられた径方向内側に屈曲する加締め部により前記絶縁体と前記主体金具とが固定されたスパークプラグの製造装置であって、
    前記主体金具を支持する筒状の受台と、
    前記軸線方向に沿って移動可能な筒状の金具プレス治具とを備え、
    前記絶縁体が挿通された前記主体金具を前記受台により支持した上で、前記金具プレス治具を移動させ前記主体金具の後端部を押圧することにより、前記加締め部を形成し、
    前記受台は、少なくとも前記金具プレス治具による前記主体金具の押圧時に、自身の径方向に沿って前記金具プレス治具に対して相対移動可能とされることを特徴とするスパークプラグの製造装置。
  15. 前記受台の外周側に配置された固定台と、
    前記受台と前記固定台との間に設けられた複数の弾性部材とを備え、
    前記受台の外周面と前記固定台の内周面との間には環状の隙間が形成され、前記受台は、自身の径方向に沿って前記固定台に対して相対移動可能とされることを特徴とする請求項14に記載のスパークプラグの製造装置。
  16. 前記金具プレス治具の移動時において、前記金具プレス治具の内周に前記絶縁体の少なくとも一部が入るまでの間、前記受台を保持することを特徴とする請求項14又は15に記載のスパークプラグの製造装置。
  17. 前記絶縁体の先端部を保持し、前記受台に対する前記絶縁体の先端部の径方向に沿った相対移動を規制する絶縁体ガイドを備えることを特徴とする請求項10乃至16のいずれか1項に記載のスパークプラグの製造装置。
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