JP2019212504A - 点火プラグの電極を形成するための複合体の製造方法、および、点火プラグの製造方法 - Google Patents

点火プラグの電極を形成するための複合体の製造方法、および、点火プラグの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】点火プラグの電極を形成するための複合体の第1部材と第2部材とを適切な相対位置で接合する。【解決手段】第1部材と第2部材とを、第1支持部と第2支持部とにより挟んで保持する。チャックのN個(Nは2以上の整数)の爪に互いに寄り付かせる力を印加することによって、L個の爪のそれぞれを第2部材に接触させずに第1部材に接触させ、M個の爪のそれぞれを第1部材に接触させずに第2部材に接触させる。第2支持部を第2部材から離すことによって、N個の爪がさらに寄り付いて、第2部材を第1部材に対して相対的に移動させて、相対位置を調整する。第2支持部を第2部材に再度接触させることによって、第1部材と第2部材とを保持する。第1部材と第2部材とからチャックを取り外し、第1部材と第2部材との接触部分をレーザ溶接する。【選択図】 図3

Description

本明細書は、点火プラグの電極を形成するための複合体に関する。
従来から、燃料を燃焼させる装置(例えば、内燃機関)における点火に、点火プラグが用いられている。点火プラグとしては、放電ギャップを形成する電極(例えば、中心電極と接地電極)を備えるプラグが、用いられ得る。このような電極としては、第1部材と第1部材に接合された第2部材とを含む複合体を含む電極が、用いられ得る。例えば、中心電極は、棒状の金属部材と、その金属部材の端部に接合され貴金属などで形成されたチップと、を含む複合体であってよい。また、接地電極は、棒状の金属部材と、その金属部材の端部に接合されたチップと、を備えており、この接地電極のチップが、ニッケルを含む合金などで形成された支持部材と、支持部材に接合され貴金属などで形成されたチップと、を含む複合体であってよい。適切な電極を形成するためには、複合体の2つの部材を接合する際に、2つの部材の相対的な位置が適切な位置であることが好ましい。2つの部材を適切な位置で接合するための技術として、例えば、チャックによって第1チップを保持し、第1チップの中心軸の偏心誤差を画像処理によって検出し、偏心誤差が許容範囲を超える場合に第1チップの位置を補正し、補正の後に第1チップに第2チップをレーザ溶接する技術が、提案されている。
国際公開第2012/039381号
ところで、チップなどの部材の表面の状態には、汚れや傷などの個体差が生じていることがある。このようなチップに対して特許文献1のような技術を用いると、個体差に起因して、画像処理の結果が不適切な結果となる場合がある。例えば、画像処理によって特定されるチップの中心軸が、実際の中心軸から大きく離れている場合がある。このように画像処理の不適切な結果が得られることによって、複合体の第1部材と第2部材とを適切な相対位置で接合することができない場合があった。
本明細書は、点火プラグの電極を形成するための複合体の第1部材と第2部材とを適切な相対位置で接合する技術を開示する。
本明細書は、例えば、以下の適用例を開示する。
[適用例1]
第1部材と前記第1部材に接合された第2部材とを含む複合体であって、点火プラグの電極を形成するための複合体の製造方法であって、
互いに離れて第1方向に並ぶ第1支持部と第2支持部とにより、前記第1方向に並ぶ第1部材と第2部材とを挟むことによって、前記第1部材と前記第2部材とを互いに接した状態で保持する第1保持工程と、
前記第1部材と前記第2部材とが保持された状態で、前記第1部材と前記第2部材との接触部分の周囲を囲みつつ互いに離れて配置されたチャックのN個(Nは2以上の整数)の爪に互いに寄り付かせる力を印加することによって、前記N個の爪のうちL個(Lは、1以上N−1以下の整数)の爪のそれぞれを前記第2部材に接触させずに前記第1部材に接触させると共に、前記L個の爪とは異なるM個(Mは、1以上N−L以下の整数)の爪のそれぞれを前記第1部材に接触させずに前記第2部材に接触させる接触工程と、
前記第1部材に前記L個の爪のそれぞれが接触し、前記第2部材に前記M個の爪のそれぞれが接触している状態で、前記第2支持部を前記第2部材から離すことによって、前記N個の爪がさらに寄り付いて、前記第2部材を前記第1部材に対して前記第1方向に交差する方向に相対的に移動させて、前記第1部材と前記第2部材との間の相対位置を調整する移動工程と、
前記第1部材と前記第2部材との間の相対位置が調整された状態で、前記第2支持部を前記第2部材に再度接触させることによって、調整済の相対位置に位置する前記第1部材と前記第2部材とを互いに接した状態で保持する第2保持工程と、
前記第1部材と前記第2部材とが保持された状態で、前記第1部材と前記第2部材とから前記チャックを取り外す取り外し工程と、
前記チャックが取り外された後に、前記第1部材と前記第2部材とが保持された状態で、前記第1部材と前記第2部材との接触部分をレーザ溶接する溶接工程と、
を備える、複合体の製造方法。
この構成によれば、第1支持部と第2支持部とによって第1部材と第2部材とが保持された状態で、第1部材にL個の爪のそれぞれが接触し、第2部材にM個の爪のそれぞれが接触するので、爪との接触に起因する第1部材と第2部材との相対位置の大幅なずれを抑制できる。また、第1部材にL個の爪のそれぞれが接触し、第2部材にM個の爪のそれぞれが接触している状態で、第2支持部が第2部材から離れる。これにより、N個の爪は、さらに寄り付いて、第2部材を第1部材に対して第1方向に交差する方向に相対的に移動させる。この結果、第1部材と第2部材との間の相対位置を、適切に、調整できる。そして、第2支持部を第2部材に再度接触させることによって調整済の相対位置に位置する第1部材と第2部材とが互いに接した状態で保持され、この状態でチャックが取り外され、そして、第1部材と第2部材とがレーザ溶接されるので、適切な相対位置で第1部材と第2部材とを接合できる。
[適用例2]
適用例1に記載の複合体の製造方法であって、
前記N個の爪のそれぞれは、
前記移動工程において前記第1部材に接触するように構成された第1部分と、
前記移動工程において前記第2部材に接触するように構成された第2部分と、
前記移動工程において前記第1支持部に接触するように構成された第3部分と、
を含み、
前記移動工程は、前記第2支持部を前記第2部材から離すことによって、前記N個の爪がさらに寄り付いて、前記第1部材を、前記第1支持部に対して前記第1方向に交差する方向に相対的に移動させて、前記第1支持部と前記第1部材との間の相対位置を調整する、
複合体の製造方法。
この構成によれば、第1支持部と第1部材と第2部材との間の相対位置が、N個の爪によって適切に調整されるので、レーザ溶接を、第1支持部に対する適切な相対位置に配置された第1部材と第2部材とに対して、行うことができる。この結果、適切な溶接が可能である。
[適用例3]
適用例1または2に記載の複合体の製造方法であって、
前記接触工程において、前記第1支持部と前記第2支持部とによる挟む力は、前記チャックの前記N個の爪を互いに寄り付かせる力よりも、大きい、複合体の製造方法。
この構成によれば、接触工程において、第1部材と第2部材とのいずれかが、爪から受ける力によって移動することが抑制されるので、移動工程において、第1部材と第2部材との相対位置を、適切に調整できる。
[適用例4]
適用例1から3のいずれかに記載の複合体の製造方法であって、
前記爪の数Nは、3以上である、複合体の製造方法。
この構成によれば、第1部材と第2部材との間の相対位置を、適切に、調整できる。
[適用例5]
適用例1から4のいずれかに記載の複合体の製造方法であって、
前記N個の爪のそれぞれは、前記移動工程において前記第1部材に接触するように構成された部分と前記第2部材に接触するように構成された部分とを含む1個以上の支持部分を含み、
前記移動工程において、前記N個の爪の複数の支持部分は、前記第1部材と前記第2部材との前記接触部分の周囲を囲むように互いに離れて配置され、
前記N個の爪の前記複数の支持部分の総数は、3以上である、
複合体の製造方法。
この構成によれば、第1部材と第2部材との間の相対位置を、適切に、調整できる。
[適用例6]
軸線の方向に延びる貫通孔を有する筒状の絶縁体と、前記貫通孔の先端側に少なくとも一部が挿入された中心電極と、前記絶縁体の外周側に固定される筒状の主体金具と、前記主体金具に接合された接地電極と、を備える点火プラグであって、前記中心電極と前記接地電極との少なくとも一方は、第1部材と前記第1部材に接合された第2部材とを含む複合体を備える、点火プラグの製造方法であって、
前記複合体を、適用例1から5のいずれかに記載の製造方法によって製造し、
製造された前記複合体を用いて前記点火プラグを製造する、
点火プラグの製造方法。
なお、本明細書に開示の技術は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、点火プラグの電極を形成するための複合体、その複合体の製造方法、その複合体を備える電極、その電極の製造方法、その電極を備える点火プラグ、その点火プラグの製造方法、その点火プラグを用いた点火装置、その点火プラグを搭載する内燃機関、その点火プラグを用いた点火装置を搭載する内燃機関等の態様で実現することができる。
一実施形態としての点火プラグ100の断面図である。 点火プラグ100の製造方法の例を示すフローチャートである。 複合体の製造方法の例を示すフローチャートである。 第1部材310と第2部材320との状態の変化を示す概略図である。 第1部材310と第2部材320との状態の変化を示す概略図である。 第1部材28と第2部材29との状態の変化を示す概略図である。 チャックの別の実施形態を示す模式図である。
A.点火プラグの構成:
図1は、一実施形態としての点火プラグ100の断面図である。図中には、点火プラグ100の中心軸CL(「軸線CL」とも呼ぶ)と、点火プラグ100の中心軸CLを含む平らな断面と、が示されている。以下、中心軸CLに平行な方向を「軸線CLの方向」、または、単に「軸線方向」とも呼ぶ。軸線CLを中心とする円の径方向を「径方向」とも呼ぶ。径方向は、軸線CLに垂直な方向である。軸線CLを中心とする円の円周方向を、「周方向」とも呼ぶ。中心軸CLに平行な方向のうち、図1における下方向を先端方向Df、または、前方向Dfと呼び、上方向を後端方向Dfr、または、後方向Dfrとも呼ぶ。先端方向Dfは、後述する端子金具40から中心電極20に向かう方向である。また、図1における先端方向Df側を点火プラグ100の先端側と呼び、図1における後端方向Dfr側を点火プラグ100の後端側と呼ぶ。
点火プラグ100は、軸線CLに沿って延びる貫通孔12(軸孔12とも呼ぶ)を有する筒状の絶縁体10と、貫通孔12の先端側で保持される中心電極20と、貫通孔12の後端側で保持される端子金具40と、貫通孔12内で中心電極20と端子金具40との間に配置された抵抗体73と、中心電極20と抵抗体73とに接触してこれらの部材20、73を電気的に接続する導電性の第1シール部72と、抵抗体73と端子金具40とに接触してこれらの部材73、40を電気的に接続する導電性の第2シール部74と、絶縁体10の外周側に固定された筒状の主体金具50と、一端が主体金具50の環状の先端面55に接合されるとともに他端が中心電極20とギャップgを介して対向するように配置された接地電極30と、を有している。
絶縁体10の前方向Df側の部分には、縮外径部16と縮内径部11とが、形成されている。縮外径部16の外径は、前方向Dfに向かって、徐々に小さくなっている。縮内径部11の内径は、前方向Dfに向かって、徐々に小さくなっている。絶縁体10の後方向Dfr側の部分には、縮外径部18が形成されている。縮外径部18の外径は、後方向Dfrに向かって、徐々に小さくなっている。絶縁体10は、機械的強度と、熱的強度と、電気的強度とを考慮して形成されることが好ましく、例えば、アルミナを焼成して形成されている(他の絶縁材料も採用可能である)。
中心電極20は、金属製の部材であり、絶縁体10の貫通孔12内の前方向Df側の端部に配置されている。中心電極20は、略円柱状の棒部28と、棒部28の先端に接合(例えば、レーザ溶接)された第1チップ29と、を有している。棒部28は、後方向Dfr側の部分である頭部24と、頭部24の前方向Df側に接続された軸部27と、を有している。軸部27は、軸線CLに平行に前方向Dfに向かって延びている。頭部24のうちの前方向Df側の部分は、軸部27の外径よりも大きな外径を有する鍔部23を形成している。鍔部23の前方向Df側の面は、絶縁体10の縮内径部11によって、支持されている。軸部27は、鍔部23の前方向Df側に接続されている。第1チップ29は、軸部27の先端に接合されている。第1チップ29の形状は、軸線CLを中心とする略円柱状である。
棒部28は、外層21と、外層21の内周側に配置された芯部22と、を有している。外層21は、芯部22よりも耐酸化性に優れる材料(例えば、ニッケルを主成分として含む合金)で形成されている。ここで、主成分は、含有率(質量パーセント(wt%))が最も高い成分を意味している。芯部22は、外層21よりも熱伝導率が高い材料(例えば、純銅、銅を主成分として含む合金、等)で形成されている。第1チップ29は、棒部28の外層21に接合されている(例えば、レーザ溶接)。第1チップ29は、軸部27よりも放電に対する耐久性に優れる材料(例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)等の貴金属)を用いて形成されている。中心電極20のうち第1チップ29を含む前方向Df側の一部分は、絶縁体10の軸孔12から前方向Df側に露出している。中心電極20のうち後方向Dfr側の一部分は、軸孔12内に配置されている。これに代えて、中心電極20の全体が、軸孔12内に配置されてもよい。なお、芯部22は、省略されてもよい。
端子金具40は、軸線CLに平行に延びる棒状の部材である。端子金具40は、導電性材料を用いて形成されている(例えば、鉄を主成分として含む金属)。端子金具40のうちの前方向Df側の棒状の部分41は、絶縁体10の軸孔12の後方向Dfr側の部分に挿入されている。
絶縁体10の貫通孔12内の抵抗体73は、電気的なノイズを抑制するための部材である。抵抗体73は、例えば、ガラスと導電性材料(例えば、炭素粒子)とセラミック粒子との混合物を用いて形成されている。シール部72、74は、導電性材料(例えば、銅や鉄などの金属粒子)とガラスとの混合物を用いて形成されている。中心電極20は、第1シール部72、抵抗体73、第2シール部74によって、端子金具40に電気的に接続されている。
主体金具50は、軸線CLに沿って延びる貫通孔59を有する筒状の部材である。本実施形態では、主体金具50の中心軸は、軸線CLと同じである。主体金具50の貫通孔59には、絶縁体10が挿入され、主体金具50は、絶縁体10の外周に固定されている。主体金具50は、導電材料(例えば、主成分である鉄を含む炭素鋼等の金属)を用いて形成されている。絶縁体10の前方向Df側の一部は、貫通孔59の外に露出している。また、絶縁体10の後方向Dfr側の一部は、貫通孔59の外に露出している。
主体金具50は、工具係合部51と、中胴部54と、ネジ部57と、を有している。工具係合部51は、点火プラグ用のレンチ(図示せず)が嵌合する部分である。中胴部54は、工具係合部51よりも前方向Df側に配置され、径方向外側に張り出したフランジ状の部分である。ネジ部57は、中胴部54よりも前方向Df側に配置され、図示しない内燃機関の取付孔に螺合するための雄ねじが形成された部分である。中胴部54の前方向Df側の面54fは、座面であり、内燃機関のうちの取付孔を形成する部分である取り付け部(例えば、エンジンヘッド)とのシールを形成する。
主体金具50の前方向Df側の部分には、径方向の内側に向かって張り出した張り出し部56が形成されている。張り出し部56の後方向Dfr側の面56r(後面56rとも呼ぶ)では、内径が、前方向Dfに向かって、徐々に小さくなる。張り出し部56の後面56rと、絶縁体10の縮外径部16と、の間には、先端側パッキン8が挟まれている。
主体金具50の工具係合部51より後端側には、主体金具50の後端を形成するとともに工具係合部51と比べて薄肉の部分である後端部53が形成されている。また、中胴部54と工具係合部51との間には、中胴部54と工具係合部51とを接続する接続部58が形成されている。接続部58の肉厚は、中胴部54と工具係合部51とのそれぞれの肉厚と比べて、薄い。主体金具50の工具係合部51から後端部53にかけての内周面と、絶縁体10の縮外径部18の後方向Dfr側の部分の外周面との間には、円環状のリング部材61、62が挿入されている。さらに、これらのリング部材61、62の間には、タルク70の粉末が充填されている。点火プラグ100の製造工程において、後端部53が内側に折り曲げられて加締められると、接続部58が力の付加に伴って変形し、この結果、主体金具50と絶縁体10とが固定される。タルク70は、この加締め工程の際に圧縮され、主体金具50と絶縁体10との間の気密性が高められる。また、パッキン8は、絶縁体10の縮外径部16と主体金具50の張り出し部56との間で押圧され、そして、主体金具50と絶縁体10との間をシールする。
接地電極30は、金属製の部材であり、棒状の本体部37を有している。本体部37の端部33(基端部33とも呼ぶ)は、主体金具50の先端面55に接合されている(例えば、抵抗溶接)。本体部37は、主体金具50に接合された基端部33から先端方向Dfに向かって延び、中心軸CLに向かって曲がり、軸線CLに交差する方向に延びて、先端部34に至る。先端部34の後方向Dfr側の面には、複合チップ300が接合されている。接地電極30の複合チップ300と、中心電極20の第1チップ29とは、ギャップgを形成している。
本体部37は、外層31と、外層31の内周側に配置された内層32と、を有している。外層31は、内層32よりも耐酸化性に優れる材料(例えば、ニッケルを主成分として含む合金)で形成されている。内層32は、外層31よりも熱伝導率が高い材料(例えば、純銅、銅を主成分として含む合金、等)で形成されている。複合チップ300は、本体部37の外層31に接合されている。なお、内層32は、省略されてもよい。
図1の右部には、ギャップgの近傍の部分の拡大図が、示されている。この拡大図中では、絶縁体10と主体金具50との断面と、中心電極20と接地電極30との外観と、が示されている。複合チップ300は、第1部材310と第2部材320とが接合されて形成された部材である。以下、複合チップ300を、第1複合体とも呼ぶ。第1部材310は、耐酸化性に優れる材料(例えば、ニッケルを主成分として含む合金)で形成されている。第2部材320は、放電に対する耐久性に優れる材料(例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)等の貴金属)を用いて形成されている。
第1部材310は、大径部311と、小径部312と、を有している。図1の完成した点火プラグ100において、小径部312は、大径部311の後方向Dfr側に接続されている。これらの部分311、312の形状は、それぞれ、軸線CLを中心とする略円柱状である。大径部311の前方向Df側の面は、本体部37の先端部34の後方向Dfr側の面に、接合されている(例えば、レーザ溶接)。
第2部材320の形状は、軸線CLを中心とする略円柱状である。第2部材320の前方向Df側の面は、第1部材310の後方向Dfr側の面に溶接されている。第2部材320は、第1部材310に支持されている。以下、第1部材310を、支持部材310とも呼ぶ。また、第2部材320を、第2チップ320とも呼ぶ。第2チップ320の後方向Dfr側の面と、中心電極20の第1チップ29の前方向Df側の面とは、ギャップgを形成している。
B.第1実施形態:
図2は点火プラグ100の製造方法の例を示すフローチャートである。S110では、点火プラグ100の製造に利用される部材が、準備される。具体的には、絶縁体10と、端子金具40と、抵抗体73の材料粉末と、シール部72、74のそれぞれの材料粉末と、主体金具50と、中心電極20の棒部28と第1チップ29と、接地電極30の本体部37と支持部材310と第2チップ320と、を含む点火プラグ100の部材が、準備される。絶縁体10は、例えば、アルミナなどの材料粉末を所定の形状に成形し、成形された部材を焼成することによって、製造される。端子金具40、主体金具50、棒部28、第1チップ29、支持部材310、第2チップ320、本体部37などの金属部材は、例えば、鍛造、切削などの方法によって、製造される。
S120では、複合チップ300が製造される。図3は、複合体の製造方法の例を示すフローチャートである。図4、図5は、複合チップ300の製造時における第1部材310(すなわち、支持部材310)と第2部材320(すなわち、第2チップ320)との状態の変化を示す概略図である。複合チップ300が製造される場合、支持部材310と第2チップ320との状態は、図4(A)〜図4(D)、図5(A)〜図5(C)の順に、変化する。各図には、第1方向D1と、第1方向D1の反対方向である第2方向D2とが、示されている。本実施形態では、第1方向D1は、鉛直上方向であることとする。各図の左部LPには、第1方向D1に垂直な方向を向いて見た模式図が示されている。右部RPには、第2方向D2を向いて見た模式図が示されている。但し、右部RPでは、後述する第2支持部520の図示が省略されている。また、図中の中心軸C31、C32は、それぞれ、部材310、320の中心軸である。複合チップ300の製造は、部材310、320の中心軸C31、C32が第1方向D1におおよそ平行である状態で、進行する。なお、本実施形態では、完成した複合チップ300において、部材310、320の中心軸C31、C32がおおよそ一致することが、想定されている。
S210(図3)では、支持部材310と第2チップ320とが、互いに接する位置に、配置される。本実施形態では、図4(A)に示すように、第1支持部510と第2支持部520との間に、支持部材310と第2チップ320とが、配置される。第1支持部510は、第1方向D1におおよそ平行な中心軸C50を中心とする円筒状の部材である。第2支持部520は、中心軸C50を中心とする円柱状の部材である。第2支持部520は、第1支持部510の第1方向D1側に配置される。これらの支持部510、520は、同じ中心軸C50上の互いに離れた位置に、配置されている。
図4(A)に示すように、支持部材310は、第1支持部510の第1方向D1側に、載せられる。そして、支持部材310の第1方向D1側に、第2部材320が載せられる。この段階では、支持部510、520の中心軸C50と、支持部材310の中心軸C31と、第2チップ320の中心軸C32とは、互いに離れた位置に、配置され得る。
S220(図3)では、支持部材310と第2チップ320とが、2つの支持部510、520によって、支持される。本実施形態では、第2支持部520が、第2チップ320に、押し付けられる。これにより、図4(B)に示すように、部材310、320は、2つの支持部510、520によって、挟まれる。部材310、320は、互いに接した状態で、支持部510、520によって保持される。
支持部510、520には、図示しない第1移動機構が接続されている。第1移動機構は、第2支持部520を、第1支持部510に対して相対的に、中心軸C50に沿って移動可能に、支持している。このような移動機構としては、リンク機構、スライドレール等の種々の機構を採用可能である。また、第1移動機構は、電気モータなどの動力源を備えており、支持部510、520に、互いに近づく方向の力と、互いに離れる方向の力とを、印加可能である。図中の第1力F1は、支持部510、520による挟む力である。本実施形態では、第1力F1は、第1方向D1に平行な方向を向いている。第1移動機構は、第1支持部510に、第1方向D1の力F1を印加し、第2支持部520に、第2方向D2の力F1を印加する。
S230(図3)では、チャックの複数の爪が、部材310、320に向けて、動かされる。図4(B)の右部RPに示すように、部材310、320の周囲には、チャック690の複数の爪(本実施形態では、3個の爪600a〜600c)が、部材310、320の接触部分の周囲を囲みつつ互いに離れて配置される。本実施形態では、爪600a〜600cは、支持部510、520の中心軸C50を中心に、おおよそ等角度間隔で、配置されている。各爪600a〜600cの形状は、おおよそ同じである。
図4(B)の右部RPに示すように、中心軸C50を挟んで第1爪600aの反対側には、他の爪は、配置されていない。ただし、図4(B)〜図5(B)の左部LPにおいては、説明のために、第1爪600aと第2爪600bと部材310、320、510、520との位置関係が、1つの図上で、模式的に示されている。すなわち、各図の左部LPにおいて、中心軸C50の右側の部分は、第1爪600aと部材310、320、510、520との位置関係の概要を示し、中心軸C50の左側の部分は、第2爪600bと部材310、320、510、520との位置関係の概要を示している。
図4(B)の左部LPに示すように、各爪600a〜600cの内周側の部分は、支持部分680を形成している。支持部分680は、3つの部分610、620、650を有している。これらの部分610、620、650の内周側の面は、中心軸C50に平行である。第1部分610は、第1部材310の外周面(ここでは、小径部312の外周面)に接触するように構成された部分である。第2部分620は、第2部材320の外周面に接触するように構成された部分である。第3部分650は、第1支持部510の外周面に接触するように構成された部分である。後述するように、部材310、320、510の中心軸C31、C32、C50が一致する場合、各爪600a〜600cの部分610、620、650は、部材310、320、510の外周面に、それぞれ接触可能である。
各爪600a〜600cには、図示しない第2移動機構が接続されている。第2移動機構は、各爪600a〜600cを、中心軸C50を中心とする円の径方向に沿って移動可能に、支持している。このような第2移動機構としては、リンク機構、スライドレール等の種々の機構を採用可能である。また、第2移動機構は、電気モータなどの動力源を備えており、各爪600a〜600cに、内周側に向かう力と、外周側に向かう力とを、印加可能である。内周側に向かう力は、爪600a〜600cを互いに寄りつかせる力である。
S230(図3)では、図4(C)に示すように、各爪600a〜600cには、内周側に向かう第2力F2が、印加される。本実施形態では、第2力F2は、第1方向D1に垂直な方向を向いている。これにより、各爪600a〜600cは、部材310、320、510の少なくとも1つに接触するまで、第1方向D1に垂直に内周側に向かって移動する。また、本実施形態では、支持部510、520による挟む力F1は、爪600a〜600cを互いに寄りつかせる力F2よりも、大きい。従って、爪600a〜600cが部材310、320、510の少なくとも1つに接触する場合、爪600a〜600cは、接触した部材を移動させることができずに、その位置で停止する。図4(C)の例では、第1爪600aは、第2チップ320にのみ接触し、第2爪600bは、支持部材310にのみ接触し、第3爪600cは、第1支持部510にのみ接触している。
上述したように、S210、S220(図3)では、部材310、320、510の相対位置は未調整である。図4(C)のように部材310、320、510の中心軸C31、C32、C50が互いに離れている場合、各爪600a〜600cは、中心軸C31、C32、C50のうち自身に最も近い中心軸の部材にのみ、接触できる。以下、第1部材310にのみ接触する爪を、第1種爪とも呼ぶ。第2部材320にのみ接触する爪を、第2種爪とも呼ぶ。第1支持部510にのみ接触する爪を、第3種爪とも呼ぶ。爪の総数がN個(Nは2以上の整数)である場合、第1種爪の総数Lは、1以上、N−1以下である。第2種爪の総数Mは、1以上、N−L以下である。また、本実施形態では、爪600a〜600cは、第1支持部510に接触し得る。従って、第3種爪の総数Kは、1以上であり得る。第3種爪の総数Kが1以上である場合、第1種爪の総数Lは、1以上、N−2以下であり、第2種爪の総数Mは、1以上、N−L−K以下である。
S240(図3)では、第2支持部520が、第2チップ320から離される。本実施形態では、図4(D)に示すように、第2支持部520が、第1方向D1に向かって、移動する。これにより、部材510、310、320の相対的な移動を妨げていた力F1の印加が、終了する。従って、爪600a〜600cは、更に寄り付くように、移動できる。これにより、部材310、320の相対位置(特に、第1方向D1に交差する方向の相対位置)が、調整される。図4(C)、図4(D)の例では、爪600a〜600cは、部材310、320を、第1方向D1に垂直に、内周側に移動させる。これにより、部材310、320の相対位置は、中心軸C31、C32がおおよそ一致するように、調整される。また、爪600a〜600cは、第1部材310を、第1支持部510に対して第1方向D1に交差する方向(ここでは、第1方向D1に垂直な方向)に相対的に移動させて、部材510、310の間の相対位置を調整する。図4(C)、図4(D)の例では、部材510、310の相対位置は、中心軸C50、C31がおおよそ一致するように、調整される。
このように、S240では、爪600a〜600cは、更に寄り付くように、内周側に向かって、部材510、310、320に接触する位置まで移動する(図4(D))。以下、爪600a〜600cのこのような位置を、目標爪位置と呼ぶ。また、爪600a〜600cが目標爪位置にある場合の部材310、320の相対位置を、目標部材位置と呼ぶ。爪600a〜600cが目標爪位置にある場合、3個の爪600a〜600cのそれぞれの部分610、620、650の内周側の面は、以下の位置に配置される。3個の第1部分610のそれぞれの内周側の面は、第1部材310(ここでは、小径部312)の外周面とおおよそ同じ円筒面上に、位置している。3個の第2部分620のそれぞれの内周側の面は、第2部材320の外周面とおおよそ同じ円筒面上に、位置している。3個の第3部分650のそれぞれの内周側の面は、第1支持部510の外周面とおおよそ同じ円筒面上に、位置している。このように、爪600a〜600cのそれぞれの部分610、620、650の内周側の面の径方向の位置は、接触すべき部材310、320、510の外径に、それぞれ対応している。
S250(図3)では、第2支持部520が、再び、第2部材320に押し付けられる。図5(A)に示すように、支持部510、520は、調整済の相対位置に位置する部材310、320を互いに接した状態で保持する。図中の第3力F3は、支持部510、520による挟む力である。この力F3の大きさは、部材310、320の相対位置の変化を抑制するのに十分であることが好ましい。ここで、力F3の大きさは、第1力F1(図4(B))の大きさと同じであってよく、第1力F1の大きさと異なっていてもよい。
S260(図3)では、チャック690が、部材310、320から取り外される。図5(B)に示すように、チャック690の爪600a〜600cは、それぞれ、径方向の外側に向かって移動される。これにより、全ての爪600a〜600cは、部材310、320から離れる。
S270(図3)では、部材310、320の接触部分が溶接される。図5(C)に示すように、本実施形態では、部材310、320は、レーザ装置400からのレーザビームLzによって、レーザ溶接される。例えば、レーザビームLzは、中心軸C31、C32を中心とする円の周方向の特定の位置から、部材310、320の接触部分に照射される。この状態で、支持部510、520は、中心軸C50を中心に回転する。部材310、320は、中心軸C50(すなわち、中心軸C31、32)を中心に、回転する。これにより、部材310、320の接触部分は、全周に亘って、溶接される。部材310、320が回転する代わりに、レーザ装置400が、中心軸C31、C32を中心に、回転してもよい。
以上により、複合チップ300が製造される。複合チップ300の製造処理(図3)、すなわち、図2のS120が完了した後、S130で、複合チップ300を用いて接地電極30が製造される。本実施形態では、棒状の本体部37に、複合チップ300が、溶接される(例えば、レーザ溶接)。
S140(図2)では、中心電極20が製造される。上述したように、中心電極20は、棒部28と第1チップ29とが接合されて形成された複合体である。以下、中心電極20を、第2複合体20とも呼ぶ。棒部28と第1チップ29との接合は、図3と同じ手順に従って、行われる。図6は、中心電極20の製造時における棒部28(第1部材28とも呼ぶ)と第1チップ29(第2部材29とも呼ぶ)との状態の変化を示す概略図である。中心電極20が製造される場合、第1部材28と第2部材29との状態は、図6(A)〜図6(F)の順に、変化する。各図6(A)〜図6(F)には、図4(A)〜図5(C)の左部LPの模式図と同様の模式図が示されている。
図6(A)は、S210(図3)の状態を示している。第1支持部510aと第2支持部520aとの間に、第1部材28と第2部材29とが、配置される。第1支持部510aは、中心軸C50aを中心とする円筒状の部材であり、第2支持部520aは、中心軸C50aを中心とする円柱状の部材である。第2支持部520aは、第1支持部510aの第1方向D1側に配置される。そして、第1支持部510aの第1方向D1側に、第1部材28が載せられる。第1部材28の第1方向D1側に、第2部材29が載せられる。本実施形態では、第1部材28の頭部24が、第1支持部510aの孔に挿入され、鍔部23が、第1支持部510aの第1方向D1側の面上に、載っている。支持部510a、520aの中心軸C50aと、第1部材28の中心軸C28と、第2部材29の中心軸C29とは、互いに離れた位置に、配置され得る。
図6(B)は、S220(図3)の状態を示している。第2支持部520aが、第2部材29に押し付けられる。支持部510a、520aは、第1力F11で、部材28、29を挟んでいる。第1力F11は、第1方向D1に平行な方向を向いている。また、部材28、29の周囲には、チャック790の複数の爪700a、700bが配置される。図示を省略するが、チャック790は、図4(B)のチャック690と同様に、3つの爪を有している。3つの爪の形状は、おおよそ同じである。3つの爪は、図4(B)の右部RPの3つの爪600a〜600cと同様に、支持部510a、520aの中心軸C50aを中心に、おおよそ等角度間隔で、配置されている。なお、図6(B)〜図6(F)には、説明のために、第1爪700aと第2爪700bと部材28、29、510a、520aとの位置関係が、1つの図上で、模式的に示されている。すなわち、各図において、中心軸C50aの右側の部分は、第1爪600aと部材28、29、510a、520aとの位置関係の概要を示し、中心軸C50aの左側の部分は、第2爪600bと部材28、29、510a、520aとの位置関係の概要を示している。
各爪700a〜700cの内周側の部分は、支持部分780を形成している。支持部分780は、3つの部分710、720、750を有している。これらの部分710、720、750の内周側の面は、中心軸C50aに平行である。第1部分710は、第1部材28の外周面(ここでは、軸部27の外周面)に接触するように構成された部分である。第2部分720は、第2部材29の外周面に接触するように構成された部分である。第3部分750は、第1支持部510aの外周面に接触するように構成された部分である。チャック790の爪700a、700bを含む3つの爪は、図4(B)の爪600a〜600cと同様に、移動機構によって、動かされる。
図6(C)は、S230(図3)の状態を示している。チャック790の爪700a、700bを含む3つの爪には、内周側に向かう第2力F12が、印加される。本実施形態では、第2力F12は、第1方向D1に垂直な方向を向いている。図6(C)の例では、第1爪700aは、第2部材29にのみ接触し、第2爪700bは、第1部材28にのみ接触している。
図6(D)は、S240(図3)の状態を示している。第2支持部520aが第2部材29から離されることにより、チャック790の爪700a、700bを含む3つの爪は、更に寄り付くように、内周側に向かって移動する。これにより、チャック790の3個の爪は、部材28、29の第1方向D1に垂直な方向の相対位置を、調整する。本実施形態では、部材28、29の中心軸C28、C29がおおよそ一致するように、相対位置が調整される。また、チャック790の3個の爪は、第1支持部510aに対する第1部材28の第1方向D1に垂直な方向の相対位置を、調整する。本実施形態では、部材510a、28の中心軸C50a、C28がおおよそ一致するように、相対位置が調整される。
図6(E)は、S250(図3)の状態を示している。支持部510a、520aは、力F13で、調整済の相対位置の部材28、29を、互いに接した状態で、挟んでいる。
図6(F)は、S260、S270(図3)の状態を示している。チャック790の全ての爪は、部材28、29から取り外される。そして、部材28、29の接触部分が、レーザ装置400からのレーザビームLzによって、レーザ溶接される。本実施形態では、レーザ装置400は動かされず、支持部510a、520aが、中心軸C50aを中心に、回転する。これにより、部材28、29は、中心軸C28、C29を中心に、回転する。この結果、部材28、29の接触部分は、全周に亘って、レーザビームLzによって溶接される。
以上により、中心電極20の製造、すなわち、図2のS140が終了する。なお、中心電極20の製造(S140)は、複合チップ300の製造(S120)と接地電極30の製造(S130)とは、独立に行われてよい。例えば、S140は、S120よりも前に、行われてよい。
図2のS150では、点火プラグ100の準備された部材を用いて、点火プラグ100が製造される。点火プラグ100は、例えば、以下の方法によって、製造される。絶縁体10と中心電極20と端子金具40とを有する組立体が準備される。例えば、絶縁体10の後方向Dfr側の開口から中心電極20が挿入される。中心電極20は、絶縁体10の縮内径部11に支持されることにより、貫通孔12内の所定位置に配置される。次に、第1シール部72、抵抗体73、第2シール部74のそれぞれの材料粉末の投入と投入された粉末材料の成形とが、部材72、73、74の順番に、行われる。粉末材料は、絶縁体10の後方向Dfr側の開口から貫通孔12内に投入される。次に、絶縁体10を、部材72、73、74の材料粉末に含まれるガラス成分の軟化点よりも高い所定温度まで加熱し、所定温度に加熱した状態で、絶縁体10の後方向Dfr側の開口から、端子金具40の前方向Df側の棒状の部分41を、貫通孔12に挿入する。この結果、部材72、73、74の材料粉末が圧縮および焼結されて、部材72、73、74が形成される。そして、端子金具40が、絶縁体10に固定される。
絶縁体10を含む組立体の準備とは別に、主体金具50には、接地電極30が接合される(例えば、抵抗溶接)。そして、主体金具50に絶縁体10を含む上記の組立体が固定される。具体的には、主体金具50の貫通孔59内に、先端側パッキン8と、組立体と、リング部材62と、タルク70と、リング部材61とが配置され、そして、主体金具50の後端部53を内側に折り曲げるように加締めることによって、主体金具50に絶縁体10が固定される。そして、棒状の接地電極30を曲げることによって、ギャップgの距離が調整される。以上により、点火プラグ100が完成する。
上記の複合チップ300の製造方法は、以下に説明するように、種々の利点を実現できる。S210、S220(図3)、図4(A)、図4(B)では、互いに離れて第1方向D1に並ぶ第1支持部510と第2支持部520とにより、第1方向D1に並ぶ第1部材310と第2部材320とが挟まれる。これにより、第1部材310と第2部材320とは、互いに接した状態で、保持される。S230、図4(C)では、第1部材310と第2部材320とが保持された状態で、第1部材310と第2部材320との接触部分の周囲を囲みつつ互いに離れて配置されたチャックの3個の爪600a〜600cに互いに寄り付かせる力F2が印加される。これにより、3個の爪600a〜600cのうち、1個以上の第1種爪(図4(C)の例では、1個の爪600a)が、第2部材320に接触せずに第1部材310に接触する。また、第1種爪とは異なる1個以上の第2種爪(図4(C)の例では、1個の爪600b)が、第1部材310に接触せずに第2部材320に接触する。部材310、320は、支持部510、520によって挟まれているので、第1部材310と爪600aとの接触、または、第2部材320と爪600bとの接触に起因する部材310、320の相対位置の大幅なずれは、抑制される。
仮に、部材310、320が支持部510、520に挟まれていない状態で爪600bが第2部材320に接触する場合、第2部材320は、爪600bから受ける力によって、第1部材310から離れた位置に意図せずに移動し得る。第2部材320が小さい部材である場合、このような不具合が、起きやすい。本実施形態では、このような不具合が、抑制される。
S240、図4(D)では、第1部材310に第1種爪(図4(C)の例では、爪600a)が接触し、第2部材320に第2種爪(図4(C)の例では、爪600b)が接触している状態で、第2支持部520が第2部材320から離される。これにより、3個の爪600a〜600cがさらに寄り付いて、第2部材320が第1部材310に対して第1方向D1に交差する方向に相対的に移動する。この結果、第1部材310と第2部材320との間の相対位置を、適切に、調整できる。本実施形態では、第1部材310の中心軸C31と第2部材320の中心軸C32とがおおよそ一致するように、相対位置が調整される。
S250、図5(A)では、第2支持部520が第2部材320に再度接触することによって、調整済の相対位置に位置する第1部材310と第2部材320とが、互いに接した状態で、保持される。S260、図5(B)では、第1部材310と第2部材320とが保持された状態で、第1部材310と第2部材320とからチャック690が取り外される。S270、図5(C)では、チャックが取り外された後に、第1部材310と第2部材320とが保持された状態で、第1部材310と第2部材320との接触部分が、レーザ溶接される。このように、調整済の相対位置に位置する第1部材310と第2部材320とが互いに接した状態で保持され、この状態でチャック690が取り外され、そして、第1部材310と第2部材320とがレーザ溶接される。従って、適切な相対位置で第1部材310と第2部材320とを接合できる。また、適切な相対位置に配置された部材310、320がレーザ溶接されるので、溶接の安定化が可能である。例えば、スパッタを抑制できる。
また、図4(D)で説明したように、3個の爪600a〜600cのそれぞれは、S240において部材310、320、510に接触するように構成された部分610、620、650を、含んでいる。そして、S240では、第2支持部520を第2部材320から離すことによって、3個の爪600a〜600cは、さらに寄り付いて、第1部材310を第1支持部510に対して第1方向D1に交差する方向に相対的に移動させる。そして、第1支持部510と第1部材310との間の相対位置が、調整される。この結果、レーザ溶接を、第1支持部510に対する適切な相対位置に配置された第1部材310と第2部材320とに対して、行うことができる。この結果、適切な溶接が可能である。例えば、レーザ装置400の向きは、第1支持部510に対して予め決められた位置、すなわち、第1部材310と第2部材320との接触部分が配置されるべき位置に向かってレーザビームLzを射出するように、予め調整されてよい。これにより、レーザビームLzの照射位置の調整の頻度は、溶接を行う毎に照射位置を調整する場合の頻度よりも少なくてよいので、複数個の複合チップ300を、容易に製造できる。また、複数個の複合チップ300を製造する場合に、レーザ装置400と溶接位置との間の距離の変動が抑制されるので、溶接の安定化が可能である。
また、図4(C)で説明したように、S230において、支持部510、520による挟む力F1は、チャック690の3個の爪600a〜600cを互いに寄りつかせる力F2よりも、大きい。従って、部材310、320のいずれかが、爪から受ける力によって移動することが抑制される。この結果、S240において、部材510、310の相対位置を、適切に調整できる。
また、チャック690の爪600a〜600cの総数は、3である。これらの爪600a〜600cは、部材310、320の接触部分の周囲を囲む互いに離れた3つの位置で、部材310、320に接触可能である。従って、部材310、320の調整前の相対位置が目標部材位置から大きく離れている場合であっても、爪600a〜600cは、部材310、320の相対位置を、適切に、調整できる。
また、図4(B)〜図4(D)で説明したように、3個の爪600a〜600cのそれぞれは、支持部分680を有している。支持部分680は、S240において、第1部材310に接触するように構成された第1部分610と、第2部材320に接触するように構成された第2部分620と、を含んでいる。S240では、3個の爪600a〜600cの3個の支持部分680は、第1部材310と第2部材320との接触部分の周囲を囲むように互いに離れて配置される。このような支持部分680の総数は、3である。従って、部材310、320の調整前の相対位置が目標部材位置から大きく離れている場合であっても、爪600a〜600cの複数の支持部分680は、部材310、320の相対位置を、適切に、調整できる。
以上、複合チップ300の製造方法について、説明した。本実施形態では、中心電極20も、複合チップ300の製造方法と同様の方法によって、製造される。従って、中心電極20の製造方法は、複合チップ300の製造方法と同様に、種々の利点を実現できる。
また、本実施形態では、上述した製造方法によって、複合体の例である複合チップ300と中心電極20とが製造される。製造された複合チップ300を用いて、接地電極30が製造される。そして、製造された中心電極20と接地電極30とを用いて、点火プラグ100が製造される。従って、適切な電極20、30を備える点火プラグ100を、製造できる。
C.第2実施形態:
図7は、チャックの別の実施形態を示す模式図である。図7(A)〜図7(C)には、図4(B)等の右部RPと同様の第2方向D2を向いて見た模式図が示されている。第1実施形態のチャック690との差異は、2個の爪600b、600cが、1個の爪600dに置換されている点である。本実施形態のチャック690aは、第1爪600aと、第2爪600dと、の2個の爪を有している。チャック690aは、図2、図3の製造方法において、チャック690の代わりに、利用可能である。
図7(A)は、図4(B)と同様に、S220(図3)の状態を示している。図示するように、第2爪600dは、3つの部分601d、602d、603dを含んでいる。第1部分601dと第2部分602dとのそれぞれの形状は、図4(D)の爪600a〜600cの形状と、同じである。第1爪600aと、第1部分601dと、第2部分602dとは、部材310、320の接触部分の周囲を囲みつつ互いに離れて配置される。第1部分601dと第2部分602dとの内周側の部分は、それぞれ、支持部分680を形成している。このように、1つの第2爪600dが、互いに離れた2つの支持部分680を、形成している。第3部分603dは、2つの部分601d、602dの外周側の部分を接続している。2つの爪600a、600dは、中心軸C50を挟んで対向する位置に、それぞれ配置されている。2つの爪600a、600dの3個の支持部分680は、第1部材310と第2部材320との接触部分の周囲を囲むように互いに離れて配置される。
図7(B)は、図4(C)と同様に、S230(図3)の状態を示している。チャック690aの2個の爪600a、600dのそれぞれに、内周側に向かう力F22が、印加される。各爪600a、600dは、部材310、320、510の少なくとも1つに接触するまで、内周側に向かって移動する。ここで、支持部510、520による挟む力F1(図4(C))は、爪600a、600dに印加される力F22よりも、大きい。従って、爪600a、600dが部材310、320、510の少なくとも1つに接触する場合、爪600a、600dは、接触した部材を移動させることができずに、その位置で停止する。図7(B)の例では、第1爪600aは、第2チップ320にのみ接触し、第2爪600dの第1部分601dは、支持部材310のみに接触している。第2爪600dの第2部分602dは、全ての部材310、320、510から、離れている。
図7(C)は、図4(D)と同様に、S240(図3)の状態を示している。爪600a、600dは、更に寄り付くように、内周側に向かって、部材510、310、320に接触する位置まで移動する。これにより、部材310、320の相対位置(特に、第1方向D1に交差する方向の相対位置)が、調整される。同様に、部材510、310の相対位置も、調整される。図4(D)の3つの爪600a〜600cの3つの支持部分680と同様に、図7(C)の2つの爪600a、600dの3つの支持部分680のそれぞれは、部材310、320、510に接触している。以下、爪600a、600dのこのような位置を、目標爪位置と呼ぶ。爪600a、600dが目標爪位置にある場合の部材310、320の相対位置(図7(C))は、図4(D)の目標部材位置と同じである。
爪600a、600bが目標爪位置にある場合、2個の爪600a、600dの3個の支持部分680のそれぞれの部分610、620、650(図4(D))の内周側の面は、以下の位置に配置される。3個の第1部分610のそれぞれの内周側の面は、第1部材310の外周面とおおよそ同じ円筒面上に、位置している。3個の第2部分620のそれぞれの内周側の面は、第2部材320の外周面とおおよそ同じ円筒面上に、位置している。3個の第3部分650のそれぞれの内周側の面は、第1支持部510の外周面とおおよそ同じ円筒面上に、位置している。このように、爪600a、600dの3個の支持部分680のそれぞれの部分610、620、650の内周側の面の径方向の位置は、接触すべき部材310、320、510の外径に、それぞれ対応している。
以上のように、1つの第2爪600dは、複数の支持部分680を有してよい。このような第2爪600dを有するチャック690aを用いる場合も、第1実施形態のチャック690を用いる場合と同様に、種々の利点を実現できる。
D.変形例:
(1)部材310、320の相対位置の調整に用いられるチャックの爪の総数Nは、2以上の任意の数であってよい。例えば、図4(B)〜図5(B)の実施形態において、爪600a〜600cと同じ形状の4個の爪が、相対位置の調整に用いられてもよい。また、図7の第2爪600dと同じ形状の2個の爪が、相対位置の調整に用いられてもよい。N個の爪は、同じ形状のN個の爪で構成されてよい。これに代えて、N個の爪は、互いに形状が異なる複数の爪を含んでよい。
(2)チャックの爪の構成は、図4(D)、図6(D)、図7(C)の爪600a〜600c、700a、700b、600dの構成に限らず、接合すべき第1部材と第2部材との形状に適した任意の構成であってよい。例えば、図4(D)の爪600a〜600cから、第1支持部510に接触するように構成された第3部分650が、省略されてもよい。このように、爪は、接合すべき第1部材と第2部材とを保持する支持部には接触せずに、第1部材と第2部材とに接触するように、構成されてよい。この場合、S240(図3)では、N個の爪のうちL個(Lは1以上N−1以下の整数)の爪のそれぞれが、第2部材320に接触せずに第1部材310に接触し、M個(Mは1以上N−L以下の整数)の爪のそれぞれが、第1部材310に接触せずに第2部材320に接触してよい。ここで、S230では、1個以上の爪が、部材310、320の両方から離れていてもよい。
(3)チャックの爪には、接合すべき第1部材と第2部分とにそれぞれ接触するように構成された第1部分と第2部分とを含む支持部分が設けられている。1個の爪には、1以上の任意の数の支持部分が設けられてよい。また、N個の爪の複数の支持部分の総数Pは、2以上に任意の数であってよい。ここで、第1部材と第2部材との調整前の相対位置が目標部材位置から大きく離れていてもP個の支持部分によって相対位置を目標部材位置に調整するためには、支持部の総数Pは3以上であることが好ましい。P個の支持部分は、同じ形状のP個の支持部分で構成されてよい。これに代えて、P個の支持部分は、互いに形状が異なる複数の支持部分を含んでよい。
(4)接合すべき第1部材と第2部材の相対位置を調整する場合に、N個の爪は、第1部材と第2部材との接触部分の周囲を囲みつつ互いに離れて配置される。図4(D)の実施形態では、部材310、320の相対位置が目標部材位置に調整された状態で、3個の爪600a〜600c(ひいては、3個の支持部分680)は、部材310、320の中心軸C31、C32を中心とする円の周方向に沿って、おおよそ等間隔で、配置されている。S230(図3)における各爪600a〜600cの配置は、図4(D)のような目標爪位置から、部材310、320の中心軸C31、C32を中心とする円の径方向の外周側に向かって移動した位置である。ここで、3個の爪600a〜600c(ひいては、3個の支持部分680)の間の間隔は、不均等であってもよい。爪の総数Nが3とは異なる場合、そして、支持部分の総数Pが3とは異なる場合も、同様である。いずれの場合も、S230、S240(図3)において、第1部材と第2部材との接触部分の周囲を囲む周方向の位置(例えば、第1部材の中心軸を中心とする円の周方向の位置)は、N個の爪の間で異なっており、また、P個の支持部分の間で異なっている。
(5)チャックの構成は、上記各実施形態のチャック690、790、690a(図4(B)、図6(B)、図7(A))の構成に代えて、他の種々の構成であってよい。例えば、図4(C)の実施形態において、チャック690の爪600a〜600cは、第1支持部510の中心軸C50とは異なる軸に向かって、移動してよい。いずれの場合も、チャックは、チャックの複数の爪を用いて第1部材と第2部材の相対位置を調整する場合に、複数の爪が第1部材と第2部材の接触部分に向かって移動するように、構成されていることが好ましい。
(6)接合すべき第1部材と第2部材とを挟む力の大きさは、第1部材と第2部材との相対位置の調整のためにチャックの爪を互いに寄りつかせる力の大きさ以下であってもよい。例えば、力F1、F11(図4(B)、図6(B))の大きさは、力F2、F12、F22(図4(C)、図4(D)、図6(C)、図6(D)、図7(B)、図7(D))の大きさ以下であってもよい。この場合も、挟む力は、S230(図3)において、第1部材と第2部材との相対位置の変化を抑制できるように十分に大きいことが好ましい。
(7)複合体の製造(図3)において、接合すべき第1部材と第2部材とは、第1方向D1に沿って並んで配置される。ここで、第1方向D1は、第1部材から第2部材へ向かう方向である。例えば、図4(A)の実施形態では、第1方向D1は、第1部材310から第2部材320へ向かう方向である。このような第1方向D1としては、第1部材の中心軸に平行な方向を、採用してよい。また、上記各実施形態では、第1方向D1は、鉛直上方向である。ただし、第1方向D1は、鉛直上方向とは異なる他の方向であってもよい。この場合、S210(図3)で第1部材の上に第2部材を載せる場合に、第2部材が自然に移動すること(例えば、第2部材が第1部材から滑り落ちること)を抑制するためには、第1部材から第2部材へ向かう第1方向D1と鉛直上方向とのなす角度である第1角度が小さいことが好ましい。例えば、第1角度は、30度以下が好ましく、20度以下が特に好ましく、10度以下が更に好ましい。また、第1方向D1が鉛直上方向であることが、最も好ましい。
また、第1部材と第2部材との相対位置のずれを抑制するためには、上記各実施形態のように、第1部材と第2部材との接触面が、鉛直上方向に垂直であることが好ましい。ただし、接触面は鉛直上方向に対して斜めに傾斜していてもよい。この場合、鉛直上方向と接触面の法線方向とのなす第2角度が小さいことが好ましい。例えば、第2角度は、30度以下が好ましく、20度以下が特に好ましく、10度以下が更に好ましい。
また、2個の支持部によって第1部材と第2部材とが挟まれる場合の第1部材と第2部材との相対位置のずれを抑制するためには、2個の支持部による挟む力は、第1部材と第2部材との接触面に垂直な方向を向いていることが、好ましい。上記各実施形態では、第1部材と第2部材との接触面は、第1方向D1におおよそ垂直であり、挟む力(例えば、力F1、F11(図4(B)、図6(B)))の方向は、第1方向D1におおよそ平行である。ただし、挟む力の方向は、第1部材と第2部材との接触面に垂直な法線方向に対して、斜めに傾斜していてもよい。この場合、挟む力の方向と接触面の法線方向とのなす第3角度が小さいことが好ましい。例えば、第3角度は、30度以下が好ましく、20度以下が特に好ましく、10度以下が更に好ましい。
また、上記各実施形態において、接合すべき第1部材と第2部材との関係は、逆であってもよい。例えば、図4(A)の実施形態において、第1支持部510の第1方向D1側に第2チップ320が載せられ、そして、第2チップ320の第1方向D1側に支持部材310が載せられてもよい。この場合、第2チップ320が第1部材に対応し、支持部材310が第2部材に対応する。なお、第1部材の上に第2部材を載せる場合、第2部材が第1部材よりも小さいことが好ましい。例えば、第2部材の外径は、第1部材の外径よりも、小さいことが、好ましい。
いずれの場合も、チャックの爪の支持部分は、接触すべき部材(接合すべき第1部材と第2部材とを含む)の外径に応じて、構成される。例えば、爪の支持部分は、以下のように構成される。第1部材と第2部材のうち、外径が相対的に小さい部材を小径部材と呼び、外径が相対的に大きい部材を大径部材と呼ぶ。爪の支持部分のうち、小径部材に接触するように構成された部分は、内周側に向かって相対的に突出しており、大径部材に接触するように構成された部分は、外周側に向かって相対的に凹んでいる。
(8)電極20、30の構成は、図1に示す構成に代えて、他の種々の構成であってよい。例えば、支持部材310から大径部311が省略されてよい。この場合、小径部312が本体部37に接合されてよい。これに代えて、支持部材310から小径部312が省略されてよい。この場合、第2チップ320は、大径部311に接合されてよい。また、接地電極30から支持部材310が省略されてもよい。この場合、第2チップ320は、本体部37に接合されてよい。また、接地電極30から複合チップ300が省略されてもよい。また、中心電極20から第1チップ29が省略されてもよい。また、第1部材と第2部材とを含む複合体を用いて形成される電極は、中心電極と接地電極とのいずれか一方のみであってもよい。
(9)点火プラグ100の構成は、図1に示す構成に代えて、他の種々の構成であってよい。例えば、先端側パッキン8が省略されてもよい。この場合、主体金具50の張り出し部56は、直接的に、絶縁体10の縮外径部16を、支持する。また、中心電極の先端面(例えば、図1の第1チップ29の前方向Df側の面)に代えて、中心電極の側面(点火プラグ100の軸線CLに垂直な方向側の面)と、接地電極とが、放電用のギャップを形成してもよい。また、放電用のギャップの総数が2以上であってもよい。また、接地電極30が省略されてもよい。この場合、点火プラグの中心電極20と、燃焼室内の他の部材と、の間で、放電が生じてよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
8…先端側パッキン、10…絶縁体、11…縮内径部、12…貫通孔(軸孔)、16…縮外径部、18…縮外径部、20…中心電極(第2複合体)、21…外層、22…芯部、23…鍔部、24…頭部、27…軸部、28…棒部(第1部材)、29…第1チップ(第2部材)、30…接地電極、31…外層、32…内層、33…基端部、34…先端部、37…本体部、40…端子金具、41…部分、50…主体金具、51…工具係合部、53…後端部、54…中胴部、54f…面、55…先端面、56…張り出し部、56r…後面、57…ネジ部、58…接続部、59…貫通孔、61…リング部材、62…リング部材、70…タルク、72…第1シール部、73…抵抗体、74…第2シール部、100…点火プラグ、300…複合チップ、310…支持部材(第1部材)、311…大径部、312…小径部、320…第2チップ(第2部材)、400…レーザ装置、510、510a…第1支持部、520、520a…第2支持部、600a〜600d…爪、601d…第1部分、602d…第2部分、603d…第3部分、610…第1部分、620…第2部分、650…第3部分、680…支持部分、690、690a…チャック、700a、700b…爪、710…第1部分、720…第2部分、750…第3部分、780…支持部分、790…チャック、g…ギャップ、Df…先端方向(前方向)、Dfr…後端方向(後方向)、D1…第1方向、D2…第2方向、CL…中心軸(軸線)、C28、C29、C31、C32、C50、C50a…中心軸、Lz…レーザビーム、

Claims (6)

  1. 第1部材と前記第1部材に接合された第2部材とを含む複合体であって、点火プラグの電極を形成するための複合体の製造方法であって、
    互いに離れて第1方向に並ぶ第1支持部と第2支持部とにより、前記第1方向に並ぶ第1部材と第2部材とを挟むことによって、前記第1部材と前記第2部材とを互いに接した状態で保持する第1保持工程と、
    前記第1部材と前記第2部材とが保持された状態で、前記第1部材と前記第2部材との接触部分の周囲を囲みつつ互いに離れて配置されたチャックのN個(Nは2以上の整数)の爪に互いに寄り付かせる力を印加することによって、前記N個の爪のうちL個(Lは、1以上N−1以下の整数)の爪のそれぞれを前記第2部材に接触させずに前記第1部材に接触させると共に、前記L個の爪とは異なるM個(Mは、1以上N−L以下の整数)の爪のそれぞれを前記第1部材に接触させずに前記第2部材に接触させる接触工程と、
    前記第1部材に前記L個の爪のそれぞれが接触し、前記第2部材に前記M個の爪のそれぞれが接触している状態で、前記第2支持部を前記第2部材から離すことによって、前記N個の爪がさらに寄り付いて、前記第2部材を前記第1部材に対して前記第1方向に交差する方向に相対的に移動させて、前記第1部材と前記第2部材との間の相対位置を調整する移動工程と、
    前記第1部材と前記第2部材との間の相対位置が調整された状態で、前記第2支持部を前記第2部材に再度接触させることによって、調整済の相対位置に位置する前記第1部材と前記第2部材とを互いに接した状態で保持する第2保持工程と、
    前記第1部材と前記第2部材とが保持された状態で、前記第1部材と前記第2部材とから前記チャックを取り外す取り外し工程と、
    前記チャックが取り外された後に、前記第1部材と前記第2部材とが保持された状態で、前記第1部材と前記第2部材との接触部分をレーザ溶接する溶接工程と、
    を備える、複合体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の複合体の製造方法であって、
    前記N個の爪のそれぞれは、
    前記移動工程において前記第1部材に接触するように構成された第1部分と、
    前記移動工程において前記第2部材に接触するように構成された第2部分と、
    前記移動工程において前記第1支持部に接触するように構成された第3部分と、
    を含み、
    前記移動工程は、前記第2支持部を前記第2部材から離すことによって、前記N個の爪がさらに寄り付いて、前記第1部材を、前記第1支持部に対して前記第1方向に交差する方向に相対的に移動させて、前記第1支持部と前記第1部材との間の相対位置を調整する、
    複合体の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の複合体の製造方法であって、
    前記接触工程において、前記第1支持部と前記第2支持部とによる挟む力は、前記チャックの前記N個の爪を互いに寄り付かせる力よりも、大きい、複合体の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の複合体の製造方法であって、
    前記爪の数Nは、3以上である、複合体の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の複合体の製造方法であって、
    前記N個の爪のそれぞれは、前記移動工程において前記第1部材に接触するように構成された部分と前記第2部材に接触するように構成された部分とを含む1個以上の支持部分を含み、
    前記移動工程において、前記N個の爪の複数の支持部分は、前記第1部材と前記第2部材との前記接触部分の周囲を囲むように互いに離れて配置され、
    前記N個の爪の前記複数の支持部分の総数は、3以上である、
    複合体の製造方法。
  6. 軸線の方向に延びる貫通孔を有する筒状の絶縁体と、前記貫通孔の先端側に少なくとも一部が挿入された中心電極と、前記絶縁体の外周側に固定される筒状の主体金具と、前記主体金具に接合された接地電極と、を備える点火プラグであって、前記中心電極と前記接地電極との少なくとも一方は、第1部材と前記第1部材に接合された第2部材とを含む複合体を備える、点火プラグの製造方法であって、
    前記複合体を、請求項1から5のいずれかに記載の製造方法によって製造し、
    製造された前記複合体を用いて前記点火プラグを製造する、
    点火プラグの製造方法。
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