JP5285257B2 - 光硬化性・熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

光硬化性・熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物 Download PDF

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Description

本発明は、プリント配線板のソルダーレジスト等の形成に適した光硬化性・熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物に関し、さらに詳しくは、塗膜の指触乾燥性(タックフリー性)及び無電解すずめっき耐性に優れていると共に、各種基材に対する密着性、耐熱性、耐湿性、耐薬品性、電気絶縁性等の諸特性に優れる硬化皮膜のパターンを形成できる光硬化性・熱硬化性樹脂組成物、及びその硬化物に関する。本発明はまた、かかる組成物の硬化物によりソルダーレジストが形成されてなるプリント配線板に関する。
現在、一部の民生用プリント配線板並びにほとんどの産業用プリント配線板のソルダーレジストには、高精度、高密度の観点から、紫外線照射後、現像することにより画像形成し、熱及び光照射で仕上げ硬化(本硬化)する液状現像型ソルダーレジストが使用されている。また環境問題への配慮から、現像液として希アルカリ水溶液を用いるアルカリ現像タイプの液状ソルダーレジストが主流になっている。このような希アルカリ水溶液を用いるアルカリ現像タイプのソルダーレジストとしては、例えば、特許文献1に記載されているような、ノボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸の反応生成物に多塩基酸無水物を付加した活性エネルギー線硬化性樹脂、光重合開始剤、希釈剤及びエポキシ化合物からなる液状レジストインキ組成物が広く用いられている。このような組成物を用いた場合、パターン形成後に熱硬化させることにより、塗膜内に残存するカルボキシル基とエポキシ基の付加反応により3次元網目構造が形成され、密着性、硬度、耐熱性、無電解金めっき耐性、電気絶縁性などに優れる硬化皮膜が得られる。
ところで、最近のプリント配線板の表面処理においては、無電解金めっきよりもコスト面や薬品の安全性などの点で有利なことから、無電解すずめっきを行う場合が増えてきている。しかしながら、無電解すずめっきは置換めっきであることから、ソルダーレジストと銅との界面で銅がえぐれてしまい、そこからソルダーレジストが剥がれるという問題がある。一方、無電解すずめっき耐性に優れるソルダーレジスト組成物の場合、一般に、指触乾燥性(タックフリー性)の点で問題があり、仮乾燥した塗膜にネガフィルムを接触させて露光した後に、塗膜にネガフィルムの跡が残るという問題がある。
特公平1−54390号公報(特許請求の範囲)
本発明は、前記したような従来の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物の問題点に鑑みなされたものであり、その主たる目的は、指触乾燥性(タックフリー性)の悪化等の問題を生じることなく、無電解すずめっき耐性に優れ、しかも従来のソルダーレジスト組成物と同様の各種基材に対する密着性、はんだ耐熱性、耐湿性、耐薬品性、電気絶縁性等の諸特性に優れる硬化皮膜のパターンを形成できる光硬化性・熱硬化性樹脂組成物を提供することにある。
さらに本発明の目的は、このような光硬化性・熱硬化性樹脂組成物を用いることによって得られる上記のような諸特性に優れた硬化物、及び該硬化物によりソルダーレジストが形成されてなるプリント配線板を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明によれば、(A)フェノールノボラック型エポキシ樹脂と不飽和モノカルボン酸との反応生成物に、飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、(B)(1)不飽和カルボン酸と、不飽和二重結合を有する化合物との共重合体の一部に、エチレン性不飽和基と、カルボキシル基に対する反応性を有する反応性基とを有する化合物を反応させ、エチレン性不飽和基をペンダントとして付加させることによって得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、及び(2)不飽和二重結合を有する酸無水物と、不飽和二重結合を有する化合物との共重合体に、水酸基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂よりなる群から選ばれた、1分子中にそれぞれ少なくとも1つ以上のカルボキシル基とエチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有感光性樹脂、(C)光重合開始剤、(D)希釈剤、及び(E)熱硬化性化合物を含有し、上記(A)成分と(B)成分の比率が(A):(B)=70〜92:30〜8(質量比)であり、且つ、上記(A)成分と(B)成分の酸価が共に50〜120mgKOH/gの範囲内にあることを特徴とする光硬化性・熱硬化性樹脂組成物が提供される。
適な態様においては、本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物は、前記各成分に加えて、さらに(F)硬化促進剤を含有し、あるいはまた(G)無機フィラーとして硫酸バリウム及び/又はシリカを含有する。
前記光硬化性・熱硬化性樹脂組成物は、液状形態及びドライフィルムの形態のいずれであってもよい。
さらに本発明によれば、基材上に形成した前記光硬化性・熱硬化性樹脂組成物の皮膜を露光及び現像後、活性エネルギー線照射後の加熱処理、もしくは加熱処理後の活性エネルギー線照射工程、又は加熱処理により仕上げ硬化して得られる硬化物、及び該硬化物によりソルダーレジストが形成されてなるプリント配線板が提供される。
本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物は、(C)光重合開始剤、(D)希釈剤、(E)熱硬化性化合物等と組み合わせて配合するカルボキシル基を有する感光性樹脂として、(A)フェノールノボラック型エポキシ樹脂と不飽和モノカルボン酸との反応生成物に、飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)上記カルボキシル基含有感光性樹脂(A)以外の前記した他のカルボキシル基含有感光性樹脂とを、(A):(B)=70〜92:30〜8(質量比)の割合で含有するため、指触乾燥性(タックフリー性)の悪化等の問題を生じることなく、無電解すずめっき耐性に優れ、しかも従来のソルダーレジスト組成物と同様の各種基材に対する密着性、はんだ耐熱性、耐湿性、耐薬品性、電気絶縁性等の諸特性に優れた硬化物が得られる。従って、このような光硬化性・熱硬化性樹脂組成物は、プリント配線板のソルダーレジストの形成に最適である。
本発明者らは、従来の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物が無電解すずめっき耐性に劣るという問題を解決するために、従来一般に感光性樹脂として用いられている、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂と不飽和モノカルボン酸との反応生成物に、飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂(以下、クレゾールノボラック型骨格のカルボキシル基含有感光性樹脂という)に比べて軟化点の低い、フェノールノボラック型エポキシ樹脂と不飽和モノカルボン酸との反応生成物に、飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂(A)(以下、フェノールノボラック型骨格のカルボキシル基含有感光性樹脂という)を用いることを検討した。その結果、無電解すずめっき耐性は向上するが、仮乾燥した塗膜の指触乾燥性(タックフリー性)が悪化することを確認した。そこで本発明者らは、さらに研究を重ねた結果、フェノールノボラック型骨格のカルボキシル基含有感光性樹脂(A)と、これ以外の前記した他のカルボキシル基含有感光性樹脂(B)とを、(A):(B)=70〜92:30〜8(質量比)の割合で併用した場合、指触乾燥性が悪化するという問題を生じることなく、無電解すずめっき耐性に優れた硬化皮膜が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物は、フェノールノボラック型骨格のカルボキシル基含有感光性樹脂(A)をカルボキシル基含有感光性樹脂全体(A+B)の70%以上の割合で含有するために、無電解すずめっき耐性に優れたものとなり、一方、それによってタック性が悪化するという問題を、前記した他のカルボキシル基含有感光性樹脂(B)を併用することによって解消したことを特徴としている。フェノールノボラック型骨格のカルボキシル基含有感光性樹脂(A)がカルボキシル基含有感光性樹脂全体(A+B)の95%を超えると、後述する実施例等に示されているように、指触乾燥性(タックフリー性)が悪くなる。一方、フェノールノボラック型骨格のカルボキシル基含有感光性樹脂(A)がカルボキシル基含有感光性樹脂全体(A+B)の50%未満となると、無電解すずめっき耐性に劣ったものとなる。より好ましくは、フェノールノボラック型骨格のカルボキシル基含有感光性樹脂(A)と、これ以外の前記した他のカルボキシル基含有感光性樹脂(B)とを、(A):(B)=70〜92:30〜8(質量比)の割合で含有することが望ましく、それによってより確実に、無電解すずめっき耐性と指触乾燥性の両方に優れたものとすることができる。
以下、本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物について詳細に説明する。
まず、フェノールノボラック型骨格のカルボキシル基含有感光性化合物(A)は、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(a)のエポキシ基に、不飽和モノカルボン酸(b)のカルボキシル基をエステル化反応(全エステル化又は部分エステル化、好ましくは全エステル化)させ、生成した水酸基にさらに飽和もしくは不飽和多塩基酸無水物(c)を付加反応させて得られるが、各反応は、後述するような触媒を用い、溶媒中で容易に行なわれる。
前記不飽和モノカルボン酸(b)の代表的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、α−シアノ桂皮酸、β−スチリルアクリル酸、β−フルフリルアクリル酸などが挙げられる。これらの中でも、光反応性と硬化物の物性、特に耐熱性、電気特性及び耐吸湿性に与える影響から、アクリル酸及び/又はメタクリル酸が好ましい。これら不飽和モノカルボン酸は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
前記フェノールノボラック型エポキシ樹脂(a)に、不飽和モノカルボン酸(b)を反応させて得られる反応生成物に、さらに飽和もしくは不飽和多塩基酸無水物(c)を反応させて本発明に用いられるフェノールノボラック型骨格のカルボキシル基含有感光性樹脂(A)が得られるが、この反応において、多塩基酸無水物(c)の使用量は、生成するカルボキシル基含有感光性樹脂の酸価が、より好ましくは50〜120mgKOH/gとなるような付加量とする。カルボキシル基含有感光性樹脂の酸価が50mgKOH/gよりも低いときは、アルカリ水溶液に対する溶解性が悪くなり、形成した塗膜のアルカリ水溶液による現像が困難になる。一方、酸価が120mgKOH/gよりも高くなると、露光の条件によらず露光部の表面まで現像されてしまい、好ましくない。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)とのエステル化反応及び多塩基酸無水物(c)の付加反応は、後述する有機溶剤の存在下でハイドロキノンや酸素等の重合禁止剤の存在下、通常、約50〜150℃で行なう。このとき必要に応じて、トリエチルアミン等の三級アミン、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、トリフェニルホスフィン等のリン化合物等を触媒として添加してもよい。
前記多塩基酸無水物(c)としては、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸等の脂環式二塩基酸無水物;無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、オクテニル無水コハク酸、ペンタドデセニル無水コハク酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸等の脂肪族又は芳香族二塩基酸無水物;あるいはビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族又は芳香族四塩基酸二無水物などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。これらの中でも、脂環式二塩基酸無水物が特に好ましい。
前記フェノールノボラック型骨格のカルボキシル基含有感光性樹脂(A)以外の他のカルボキシル基含有感光性樹脂(B)としては、一分子中に少なくとも1つ、好ましくは2つ以上のカルボキシル基とエチレン性不飽和二重結合をそれぞれ有する化合物であれば使用でき、特に以下に列挙するような感光性樹脂(オリゴマー及びポリマーのいずれでも良い)を好適に使用できる。
(1)(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸と、α−メチルスチレン、低級アルキル(メタ)アクリレート、イソブチレン等の不飽和二重結合を有する化合物との共重合体の一部に、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基等のエチレン性不飽和基とエポキシ基、酸クロライド等の反応性基を有する化合物、例えばグリシジル(メタ)アクリレートを反応させ、エチレン性不飽和基をペンダントとして付加させることによって得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(2)無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和二重結合を有する酸無水物と、不飽和二重結合を有する化合物との共重合体に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらのカルボキシル基含有感光性樹脂(B)は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
前記したようなカルボキシル基含有感光性樹脂(B)の酸価は、より好ましくは50〜120mgKOH/gである。酸価が50mgKOH/gよりも低い場合には、アルカリ水溶液に対する溶解性が悪くなり、形成した塗膜のアルカリ水溶液による現像が困難になる。一方、120mgKOH/gよりも高くなると、露光の条件によらず露光部の表面まで現像されてしまい、好ましくない。
光重合開始剤(C)としては、光照射によってラジカルを発生する従来より公知の各種光重合開始剤を使用することができ、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノアミノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアミノアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾイルパーオキシド、クメンパーオキシド等の有機過酸化物;2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、リボフラビンテトラブチレート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等のチオール化合物;2,4,6−トリス−s−トリアジン、2,2,2−トリブロモエタノール、トリブロモメチルフェニルスルホン等の有機ハロゲン化合物;ベンゾフェノン、4,4´−ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類又はキサントン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。これら公知慣用の光重合開始剤は、単独で又は2種類以上の混合物として使用でき、さらにはN,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類などの光開始助剤を加えることができる。また、可視光領域に吸収のあるCGI−784等(チバガイギー社製)のチタノセン化合物等も、光反応を促進するために添加することもできる。特に好ましい光重合開始剤は、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノアミノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン等であるが、特にこれらに限られるものではなく、紫外光もしくは可視光領域で光を吸収し、(メタ)アクリロイル基等の不飽和基をラジカル重合させるものであれば、光重合開始剤、光開始助剤に限らず、単独であるいは複数併用して使用できる。その使用量は、前記カルボキシル基含有感光性樹脂(A)及び(B)の合計量100質量部(固形分として、以下同様)に対して、0.5〜30質量部、好ましくは1〜20質量部の割合が適当である。
前記希釈剤(D)としては、室温(約20〜30℃)で液状の光重合性モノマーや有機溶剤が使用できる。これら希釈剤の使用目的は、前記前記カルボキシル基含有感光性樹脂(A)及び(B)を溶解させ、組成物を各種の塗布方法に適した粘度に調整するものである。また、室温で液状の光重合性モノマーは、組成物の光反応性を上げる目的や、アルカリ水溶液への溶解性を助ける役目がある。しかし、室温で液状の光重合性モノマーを多量に使用すると、塗膜の指触乾燥性が得られず、また塗膜の特性も悪化する傾向があるので、前記カルボキシル基含有感光性樹脂(A)及び(B)の合計量100質量部に対して、100質量部以下、好ましくは50質量部以下、10質量部以上が適当である。有機溶剤に関しては、所定の乾燥条件で乾燥可能なものであれば、乾燥塗膜に悪影響を与えることもなく、その使用量は塗布方法によってのみ制限されるが、一般には、前記カルボキシル基含有感光性樹脂(A)及び(B)の合計量100質量部に対して、200質量部以下、10質量部以上が好ましい。
室温で液状の光重合性モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートなどの水酸基含有のアクリレート類;アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどのアクリルアミド誘導体;ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレートなどの水溶性のアクリレート類;トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの多官能アルコールの多官能ポリエステルアクリレート類;トリメチロールプロパン、水添ビスフェノールA等の多官能アルコールもしくはビスフェノールA、ビフェノールなどの多官能フェノールのエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物のアクリレート類;上記水酸基含有アクリレートのイソシアネート変成物である多官能もしくは単官能ポリウレタンアクリレート;ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル又はフェノールノボラックエポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸付加物であるエポキシアクリレート類、及び上記アクリレート類に対応するメタクリレート類などが挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤などが挙げられ、単独で又は2種類以上の混合物として使用することができる。このような有機溶剤は、組成物の調製の際に用いることができるだけでなく、前記カルボキシル基含有感光性樹脂(A)及び(B)の合成の際にも使用することができ、あるいは合成後の反応溶液を希釈するために添加することもできる。また、基板やキャリアフィルムに塗布するための粘度調整のため、有機溶剤を使用することができる。
本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物において、前記カルボキシル基含有感光性樹脂(A)及び(B)と共に配合される熱硬化性化合物(E)は、それ自身が熱によって硬化するものや、熱により前記カルボキシル基含有感光性樹脂(A)及び(B)のカルボキシル基と反応するものであれば使用できるが、前記カルボキシル基含有感光性樹脂(A)及び(B)のカルボキシル基と反応し得るエポキシ基、オキセタニル基等を1分子中に2個以上有するエポキシ樹脂やオキセタン化合物、特にエポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、N−グリシジル型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、キレート型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、アミノ基含有エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノリック型エポキシ樹脂、ジグリシジルフタレート樹脂、ヘテロサイクリックエポキシ樹脂、テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂などが挙げられる。また、難燃性付与のために、塩素、臭素等のハロゲンや燐等の原子がその構造中に導入されたものを使用してもよい。これらエポキシ樹脂は、熱硬化することにより、硬化皮膜の密着性、はんだ耐熱性、無電解めっき耐性等の特性を向上させる。尚、エポキシ樹脂は、光硬化性・熱硬化性樹脂組成物を被塗物に塗布する直前に混合することが好ましい。エポキシ樹脂を塗布直前に混合することにより、光硬化性・熱硬化性樹脂組成物の増粘を避けることができる。
また、本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物においては、エポキシ樹脂として、室温で固型状又は半固型状で、好ましくは前記希釈剤(D)に不溶もしくは難溶性のエポキシ樹脂を用いることが好ましい。このようなエポキシ樹脂を用いることにより、硬化前の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物中に、固型状又は半固型状のエポキシ樹脂が微粒状に分散している状態となる。その粒径はスクリーン印刷等に支障をきたさない程度が好ましい。このように、硬化前の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物中に、固型状又は半固型状のエポキシ樹脂が微粒状に分散していると、光硬化性・熱硬化性樹脂組成物のポットライフが長くなるため好ましい。このような室温で固型状又は半固型状の好ましいエポキシ樹脂としては、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ジグリシジルフタレート樹脂、ヘテロサイクリックエポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂などが挙げられる。
本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物において、前記熱硬化性化合物(E)は、単独で又は2種以上の混合物として用いられる。その配合量は、前記カルボキシル基含有感光性樹脂(A)及び(B)の合計量100質量部に対し、5〜80質量部、好ましくは10〜50質量部の割合が適当である。5質量部未満では、光硬化性・熱硬化性樹脂組成物の硬化物のはんだ耐熱性や無電解すずめっき耐性が不充分となる場合があり、一方、80質量部を超えると、プリント配線板の絶縁保護膜として使用した場合の諸特性、特に電気絶縁性が悪化する傾向がある。
本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化反応を促進させ、密着性、耐薬品性、耐熱性等の特性をより一層向上させるために、硬化促進剤(F)を含有することができる。このような硬化促進剤(F)の具体例としては、イミダゾール及びその誘導体(例えば、四国化成工業(株)製、2MZ、2E4MZ、C11Z、C17Z、2PZ、1B2MZ、2MZ−CN、2E4MZ−CN、C11Z−CN、2PZ−CN、2PHZ−CN、2MZ−CNS、2E4MZ−CNS、2PZ−CNS、2MZ−AZINE、2E4MZ−AZINE、C11Z−AZINE、2MA−OK、2P4MHZ、2PHZ、2P4BHZ等);アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン類;ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、m−キシレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジシアンジアミド、尿素、尿素誘導体、メラミン、多塩基ヒドラジド等のポリアミン類;これらの有機酸塩及び/又はエポキシアダクト;三フッ化ホウ素のアミン錯体;エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジン等のトリアジン誘導体類;トリメチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N−ベンジルジメチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、ヘキサ(N−メチル)メラミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノフェノール)、テトラメチルグアニジン、m−アミノフェノール等のアミン類;ポリビニルフェノール、ポリビニルフェノール臭素化物、フェノールノボラック、アルキルフェノールノボラック等のポリフェノール類;トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス−2−シアノエチルホスフィン等の有機ホスフィン類;トリ−n−ブチル(2,5−ジヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩類;ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;前記多塩基酸無水物;ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボロエート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、2,4,6−トリフェニルチオピリリウムヘキサフルオロホスフェート、チバ・ガイギー社製、イルガキュアー261、旭電化(株)製、オプトマ−SP−170等の光カチオン重合触媒;スチレン−無水マレイン酸樹脂;フェニルイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物や、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の有機ポリイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物等の公知慣用の硬化促進剤あるいは硬化剤類が挙げられる。
これら硬化促進剤(F)は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。硬化促進剤(F)の使用は必須ではないが、特に硬化を促進したい場合には、前記熱硬化性化合物(E)100質量部に対して、好ましくは0.1〜25質量部の範囲で用いることができる。25質量部を超えると、その硬化物からの昇華性成分が多くなるので好ましくない。
本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物には、さらに必要に応じて、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素紛、微粉状酸化ケイ素、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、マイカ等の公知慣用の無機フィラー(G)を単独で又は2種以上を組み合わせて配合することができる。これらは塗膜の硬化収縮を抑制し、密着性、硬度などの特性を向上する目的で用いられる。これらの中でも、後述する実施例から明らかなように、無電解すずめっき耐性の点からは硫酸バリウム及び/又はシリカを用いることが好ましい。
本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物は、さらに必要に応じて、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック等の公知慣用の着色剤、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジン等の公知慣用の熱重合禁止剤、微粉シリカ、有機ベントナイト、モンモリロナイト等の公知慣用の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系などの消泡剤及び/又はレベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系等のシランカップリング剤などの密着性付与剤、酸化防止剤、防錆剤などの公知慣用の添加剤類を配合することができる。
以上のような組成を有する本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、例えば前記有機溶剤で希釈して塗布方法に適した粘度に調整し、これを基材、例えば回路形成されたプリント配線板にスクリーン印刷法、カーテンコート法、スプレーコート法、ロールコート法等の方法により塗布し、例えば約60〜100℃の温度で組成物中に含まれる有機溶剤を揮発乾燥(仮乾燥)させることにより、タックフリーの塗膜を形成できる。
その後、得られた塗膜(光硬化性・熱硬化性樹脂組成物層)に対し、露光(活性エネルギー線の照射)を行う。露光は、接触方式(又は非接触方式)により、パターンを形成したフォトマスク(ネガフィルム)を通して選択的に活性エネルギー線により露光する方法、あるいはレーザーダイレクト露光機により直接パターン露光する方法のいずれでもよい。尚、活性エネルギー線の照射により露光を行う場合、非接触方式よりも、フォトマスクを仮乾燥した塗膜に直接接触させる接触方式の方が、処理性や解像性等の点で好ましいが、本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物は指触乾燥性(タックフリー性)に優れるため、接触方式を好適に適用できる。
上記露光により、塗膜は、露光部(活性エネルギー線により照射された部分)が硬化する。次いで、未露光部を希アルカリ水溶液(例えば0.3〜3%炭酸ソーダ水溶液)により現像してレジストパターンが形成される。さらに、例えば約140〜180℃の温度に加熱して熱硬化させるか、又は活性エネルギー線の照射後加熱硬化もしくは加熱硬化後活性エネルギー線の照射で最終硬化(本硬化)させることにより、無電解すずめっき耐性、電気絶縁性、密着性、はんだ耐熱性、耐薬品性などに優れた硬化皮膜(硬化物)が形成される。
上記アルカリ水溶液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類などのアルカリ水溶液が使用できる。
また、光硬化させるための照射光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ又はメタルハライドランプなどが適当である。また、レーザー光線なども活性エネルギー線として利用できる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりである。なお、以下において「部」とあるのは、特に断りのない限り全て質量基準である。
実施例1及び比較例1,2
表1に示す組成にて、各成分をディゾルバーにて混合し、均一に分散させ、光硬化性・熱硬化性樹脂組成物を得た。これをスクリーン印刷法により、100メッシュのポリエステルスクリーンを用いて20〜30μmの厚さになるように、パターン形成されている銅スルーホールプリント配線基板に全面塗布した。次に、塗膜を80℃の熱風循環式乾燥炉を用いて30分間乾燥し、後述する試験方法及び評価方法にて、指触乾燥性及び現像性の試験を行った。
次いで、レジストパターンを有するネガフィルムを塗膜に密着させ、紫外線露光装置((株)オーク製作所製、型式HMW−680GW)を用いて紫外線を照射(露光量300mJ/cm)し、次いで1wt%炭酸ナトリウム水溶液で60秒間、0.2MPaのスプレー圧で現像した。その後、150℃の熱風循環式乾燥炉で60分間加熱硬化を行い、室温まで放冷後、高圧水銀灯にて1000mJ/cm後露光して試験基板を作成した。得られた試験基板について、後述の試験方法及び評価方法にて、はんだ耐熱性及び無電解すずめっき耐性の試験を行った。その結果を表2に示す。
尚、各試験方法及び評価方法は以下のとおりである。
(1)指触乾燥性:
乾燥後の塗膜表面の指触乾燥性を、以下の基準で評価した。
○:まったくベタ付のないもの。
△:僅かにベタ付のあるもの。
×:ベタつきのあるもの。
(2)現像性
塗膜形成後の乾燥条件を、80℃で40分〜70分と変えて乾燥し、現像後の未露光部の塗膜除去状態を目視で確認した。評価基準は以下のとおりである。
○:現像残りが全くないもの
△:表面にわずかにフィラー残りが見られるもの
×:全体的に現像残りがあるもの
(3)はんだ耐熱性:
前記試験基板に、ロジン系フラックスを塗布し、260℃に設定したはんだ槽に30秒間浸漬した。この試験基板を有機溶剤で洗浄したのち、セロハン粘着テープによるピーリング試験を行い、以下の基準で判定した。
○:外観変化なし。
△:硬化塗膜の変色が認められるもの。
×:硬化塗膜の浮き、はんだもぐりが認められるもの。
(4)無電解すずめっき耐性:
後述する工程に従って前記試験基板に無電解すず金めっきを行ない、その試験基板について外観の変化及びセロハン粘着テープを用いたピーリング試験を行ない、レジスト皮膜の剥離状態を以下の基準で評価した。
○:外観変化もなく、レジスト皮膜の剥離も全くない。
△:外観の変化はないが、レジスト皮膜にわずかに剥れがある。
×:レジスト皮膜の浮きが見られ、めっき潜りが認められ、ピーリング試験でレジスト皮膜の剥れが大きい。
無電解すずめっき工程:
1.脱脂:試験基板を、30℃の酸性脱脂液((株)日本マクダーミッド製、MetexL−5Bの20容量%水溶液)に3分間浸漬した。
2.水洗:試験基板を、流水中に3分間浸漬した。
3.ソフトエッチ:試験基板を、14.3wt%の過硫酸アンモニウム水溶液に室温で1分間浸漬した。
4.水洗:試験基板を、流水中に3分間浸漬した。
5.酸浸漬:試験基板を、10容量%の硫酸水溶液に室温で1分間浸漬した。
6.水洗:試験基板を、流水中に30秒〜1分間浸漬した。
7.無電解すずめっき:試験基板を、70℃、pH=1のすずめっき液((株)アトテック製、スタナテックHプラス73容量%、SFスペシャルアシッド6容量%、SFTinソリューションC 5.5容量%、スタナテックSN補正液15.5容量%、スタナテックアディティブC 0.125容量%溶液)に12分間浸漬した。
8.水洗:試験基板を、流水中に3分間浸漬した。
Figure 0005285257
Figure 0005285257
上記表に示す結果から明らかなように、本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物から形成した硬化皮膜は、指触乾燥性、現像性、はんだ耐熱性及び無電解すずめっき耐性に優れていた。これに対して、カルボキシル基含有感光性樹脂としてフェノールノボラック型骨格のカルボキシル基含有感光性樹脂を含有していない比較例1、2の場合、現像性や無電解すずめっき耐性に劣っており、また、カルボキシル基含有感光性樹脂としてフェノールノボラック型骨格のカルボキシル基含有感光性樹脂のみを含有する場合、指触乾燥性に劣っていた。

Claims (5)

  1. (A)フェノールノボラック型エポキシ樹脂と不飽和モノカルボン酸との反応生成物に、飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、(B)(1)不飽和カルボン酸と、不飽和二重結合を有する化合物との共重合体の一部に、エチレン性不飽和基と、カルボキシル基に対する反応性を有する反応性基とを有する化合物を反応させ、エチレン性不飽和基をペンダントとして付加させることによって得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、及び(2)不飽和二重結合を有する酸無水物と、不飽和二重結合を有する化合物との共重合体に、水酸基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂よりなる群から選ばれた、1分子中にそれぞれ少なくとも1つ以上のカルボキシル基とエチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有感光性樹脂、(C)光重合開始剤、(D)希釈剤、及び(E)熱硬化性化合物を含有し、上記(A)成分と(B)成分の比率が(A):(B)=70〜92:30〜8(質量比)であり、且つ、上記(A)成分と(B)成分の酸価が共に50〜120mgKOH/gの範囲内にあることを特徴とする光硬化性・熱硬化性樹脂組成物。
  2. さらに(F)硬化促進剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物。
  3. さらに(G)無機フィラーとして硫酸バリウム及び/又はシリカを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物。
  4. 基材上に形成した請求項1乃至のいずれか一項に記載の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物の皮膜を露光及び現像後、活性エネルギー線照射後の加熱処理、もしくは加熱処理後の活性エネルギー線照射工程、又は加熱処理により仕上げ硬化して得られる硬化物。
  5. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物の硬化物によりソルダーレジストが形成されてなるプリント配線板。
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