JP5284298B2 - 薄膜形成装置 - Google Patents
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また、特許文献2に示すように、プラズマを用いて酸化ガスを活性化させて、酸素ラジカルを作り、この酸素ラジカルを、基板に吸着した原料ガスの成分と反応させるプラズマALD法を用いた薄膜形成装置も知られている。
しかし、これらの装置において、例えば、原料ガスとしてTMA、反応ガスとして酸化ガスを用いて、基板に酸化アルミニウムの薄膜を形成するとき、成膜空間内で形成される薄膜に寄与しない余分なTMAのガスあるいは酸化ガスは常時排気管を介して排気される。このとき、余分なTMAのガスおよび酸化ガスは、排気管の内表面でお互いに反応して膜や粉状粒子等の反応生成物を形成する場合がある。また、排気管に接続されるドライポンプ等のポンプ装置の内部において、TMAのガスと酸化ガスとの反応による反応生成物が形成される場合もある。さらに、TMAのガスおよび酸化ガスの排気の繰り返しにより成長し堆積した反応生成物である膜や粉状粒子の一部が分離して、ポンプ装置の内部が汚染される場合もある。
薄膜形成装置100は、成膜容器102と、原料ガス供給部104、反応ガス供給部106と、プラズマ生成素子108と、シャワーヘッド板110と、基板ステージ112と、加熱ヒータ114と、昇降機構116と、排気部118.120と、を有する。
原料ガス供給部104から供給されたTMAのガスの成分が、成膜容器102の成膜空間内で、基板ステージ112に載置され加熱ヒータ114で加熱された基板に吸着される。成膜容器102の成膜空間は、排気部118,120により減圧状態になっている。
また、反応ガス供給部106から成膜容器102内に反応ガスである酸素ガスが供給されてシャワーヘッド板110から噴射され、一方、シャワーヘッド板110の下方にあるプラズマ生成素子108により成膜空間でプラズマが生成される。このプラズマにより、酸素ガスが電離し、その一部は酸素ラジカルとなり、基板に吸着されているTMAの成分と反応して、酸化アルミニウムの薄膜が形成される。
酸化アルミニウムの薄膜の形成に寄与しない余分なTMAのガスおよび酸素ガスあるいは酸素ラジカルは、排気管を介して排気部16から排出される。
しかし、排気部120の排気管には、余分なTMAの原料ガスおよび酸素ガスが交互に流れるので、排気管の内表面には、反応生成物である酸化アルミニウムの膜や粉状粒子が形成され堆積しやすい。また、排気部120内にも酸化アルミニウムが形成され易い。さらに、排気管の内表面で成長した膜や粉状粒子の一部が分離して、ポンプ装置の内部が汚染される場合もある。
当該装置は、
原料ガスおよび反応ガスが別々のタイミングで交互に供給されて、基板に薄膜を形成するための減圧した成膜空間を形成する成膜容器と、
原料ガスおよび反応ガスを排気する排気管を備えるガス排気部と、を有し、
前記ガス排気部には、前記排気管の長手方向に平行な細孔が複数設けられた、多孔質材からなるガスフィルターが、前記排気管に接続されて設けられ、
前記ガス排気部は、前記排気管の断面積より大きな断面積を持つガス流路拡大部を有し、
前記ガス流路拡大部の断面の全体を占めるように、前記ガスフィルターが設けられ、
前記ガス流路拡大部には、前記排気管の開口部と前記ガスフィルターとの間の、前記排気管の開口部の前面に、前記開口部の断面より広い面積を持つ平板が、前記平板の端部と前記ガス流路拡大部の壁面との間にガス流路を持つように、設けられている。
当該装置は、
原料ガスおよび反応ガスが別々のタイミングで交互に供給されて、基板に薄膜を形成するための減圧した成膜空間を形成する成膜容器と、
原料ガスおよび反応ガスを排気する排気管を備えるガス排気部と、を有し、
前記ガス排気部には、前記排気管の長手方向に平行な細孔が複数設けられた、多孔質材からなるガスフィルターが、前記排気管に接続されて設けられ、
前記ガス排気部は、前記排気管の断面積より大きな断面積を持つガス流路拡大部を有し、
前記ガス流路拡大部の断面の全体を占めるように、前記ガスフィルターが設けられ、
前記ガスフィルターの前記細孔の断面積は分布を持ち、前記分布では、前記ガス流路拡大部の断面中心に近いほど断面積が小さい。
図1は、本実施形態のALD装置の概略の構成を示す図である。
図1に示すALD装置10は、形成しようとする膜を構成する元素を主成分とする2種類の成膜ガス(原料ガスおよび反応ガス)を成膜対象の基板28上に交互に供給する。その時、反応ガスを用いて基板28上に原子層単位で原料ガスの酸化膜を形成する。上記処理を1サイクルとして、処理を複数サイクル、例えば100サイクル程度繰り返すことにより所望厚さの薄膜が形成される。なお、反応ガスとして、オゾンガス等の酸化ガスや、窒素ガス等の窒化ガスが用いられる。
基板28は、基板ステージ22を貫通して成膜容器12の外側から立設するリフトピン24にて支持される。また、成膜中の基板28は基板ステージ22に載置される。リフトピン24は、基板28の交換のために昇降機構26によって上下方向に昇降可能になっている。また、リフトピン24の代わりに、基板ステージ22自体が基板28の交換のために自在に昇降する機構を備えてもよい。
ALD装置10は、加熱ヒータ32により基板28を250℃程度に加熱した状態で、薄膜を形成する、いわゆる熱ALD装置である。
原料ガス供給部14は、原料ガスであるTMAのガスを、供給管14aを介して、成膜空間30に供給する。これにより、基板28上にTMAの成分が吸着される。
反応ガス供給部16は、反応ガスであるオゾンガスを、供給管16aを介して、成膜空間30に供給する。オゾンガスの供給は、TMAのガスの供給が停止されているときに行われる。すなわち、TMAのガスとオゾンガスは、交互に成膜空間30に供給される。オゾンガスが基板28に吸着されているTMAの成分と反応を起こして、金属酸化膜からなる薄膜を形成する。
また、成膜空間30には、TMAの原料ガスと反応ガスであるオゾンガスの供給が交互に行われる間隙に、窒素ガス等の不活性ガスがパージガスとして成膜空間30に供給される。これにより、TMAのガスとオゾンガスとの入れ替えが効率よく行われる。
排気官18aは、成膜容器12の開口部から延びており、ポンプ18eとの間に、ガス流路拡大部18bが設けられている。
細孔の断面形状は、特に限定されず、円形、楕円形、多角形形状等が用いられる。細孔の断面積も特に限定されないが、例えば、細孔の断面積は、ガス流路拡大部18bの断面積の60%〜90%である。ガスフィルター18dの厚さも特に限定されないが、例えば10〜30cmである。
このように、排気管18aの開口部とガスフィルター18dとの間の、排気管18aの開口部の前面に平板18cを設けるのは、排気管18aの開口部からガス流路拡大部18bに流れるガスの流れを広げ、ガスが、ガスフィルター18d全体に満遍なく通るようにするためである。
加熱された基板12を配置した減圧状態の成膜空間30内に、原料ガス供給部14は一定量のTMAのガスを供給して、基板28にTMAの成分を原子単位で吸着させる。
基板28上のTMAの成分にオゾンガスが反応した後の不要となった余分なオゾンガスは、排気部18に向かう。排気の際、オゾンガスがガス流路拡大部18bを通るとき、ガスフィルター18dに吸着したTMAの成分と反応して、ガスフィルター18dの表面に反応生成物が形成される。このとき、平板18cが、ガス流路拡大部18bにおける排気管18aの開口部の前面に設けられるので、オゾンガスの流れは一端停留した後広がり、ガスフィルター18dを満遍なく通る。このため、ガスフィルター18dに吸着されたTMAの成分は効率よく反応して、反応生成物を作り、ガスフィルター18dの表面に付着する。
この後、図示されないパージガス供給部から供給されたパージガスにより、成膜空間30内の余分なガスが排気部18から効率よく排気される。
12,102 成膜容器
14,104 原料ガス供給部
14a,16a 供給管
16,106 反応ガス供給部
18,20,118,120 排気部
18a 排気管
18b ガス流路拡大部
18c 平板
18d ガスフィルター
18e ポンプ
18f 細孔
22,112 基板ステージ
24 リフトピン
26,116 昇降機構
28 基板
30 成膜空間
32,114 加熱ヒータ
100 薄膜形成装置
108 プラズマ生成素子
110 シャワーヘッド板
Claims (2)
- 基板に薄膜を形成する薄膜形成装置であって、
原料ガスおよび反応ガスが別々のタイミングで交互に供給されて、基板に薄膜を形成するための減圧した成膜空間を形成する成膜容器と、
原料ガスおよび反応ガスを排気する排気管を備えるガス排気部と、を有し、
前記ガス排気部には、前記排気管の長手方向に平行な細孔が複数設けられた、多孔質材からなるガスフィルターが、前記排気管に接続されて設けられ、
前記ガス排気部は、前記排気管の断面積より大きな断面積を持つガス流路拡大部を有し、
前記ガス流路拡大部の断面の全体を占めるように、前記ガスフィルターが設けられ、
前記ガス流路拡大部には、前記排気管の開口部と前記ガスフィルターとの間の、前記排気管の開口部の前面に、前記開口部の断面より広い面積を持つ平板が、前記平板の端部と前記ガス流路拡大部の壁面との間にガス流路を持つように、設けられている、薄膜形成装置。 - 基板に薄膜を形成する薄膜形成装置であって、
原料ガスおよび反応ガスが別々のタイミングで交互に供給されて、基板に薄膜を形成するための減圧した成膜空間を形成する成膜容器と、
原料ガスおよび反応ガスを排気する排気管を備えるガス排気部と、を有し、
前記ガス排気部には、前記排気管の長手方向に平行な細孔が複数設けられた、多孔質材からなるガスフィルターが、前記排気管に接続されて設けられ、
前記ガス排気部は、前記排気管の断面積より大きな断面積を持つガス流路拡大部を有し、
前記ガス流路拡大部の断面の全体を占めるように、前記ガスフィルターが設けられ、
前記ガスフィルターの前記細孔の断面積は分布を持ち、前記分布では、前記ガス流路拡大部の断面中心に近いほど断面積が小さい、薄膜形成装置。
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