JP5283997B2 - 魚釣用玉網 - Google Patents
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Description
この魚釣用玉網の一般的な使用方法として、釣れた魚を取り込むときに一方の手で釣竿を持ちながら、他方の手で魚釣用玉網を所定の長さに振り出すが、このとき、玉網の柄の元竿を持ち、玉網先端を下方に向けることで、その自重により柄を振り出すものであって、例えば、磯釣りでは5m以上を振り出すが、魚を取り込む際の緊急時において速やかに振出を行うことができるものでなければならない。すなわち、魚を取り込む際に玉網を下方に向けて自然に伸ばした時に、玉網本体が接続される一番先端の一番細い先端竿が二番竿に対して十分に伸びきり、一番竿が伸縮したり回転したりすることなく、うまく魚を取り込めることが必要である。
このように、魚が釣れた時に片手で手元に置いてある魚釣用玉網のある元竿の握り部を持ち、他方の手で釣り竿を操りながら魚釣用玉網を所定の長さに振り出すのに、竿体の内部の体積が急激に大きくなるため内部が負圧となって振り出し難く、何度も振り出し動作を行わなければならず、長い魚釣用玉網においては思うように魚の取込が行えない。
しかしながら、このような竿尻側の端部の(兼:水抜き孔)空気出入孔では、玉網を装着された最も細い先端竿体の内部の負圧状態を解消することが困難で、玉網本体を装着している重要な先端竿体の伸び出しが上手くいかず、魚を玉網本体に掬いとる作業中に伸び出すことがあり魚の取込を失敗することがあった。
このため、特許文献2(実公平4−44071号公報)に開示されているように、玉網本体を装着している先端竿体の先端部の周壁に空気孔を形成することが提案されている。
また、先端の竿体に小径の空気孔を設けるので、使用時に空気孔から海水等が竿内に侵入し、竿体が重くなって使いにくくなったり、侵入した水が小径の空気孔から排出しづらいといった不都合もある。
請求項2の発明は、請求項1に記載の魚釣用玉網において、前記装着補強部材の一端の接触部は、前記玉網装着部材の外周に設けた雄ネジ部に対応する雌ネジ部によって縲合させて接触固定したことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の魚釣用玉網において、前記魚釣用玉網の元竿体の竿尻側端部は尻栓を設け、前記装着部材から玉網を取り外して元竿体に収納する際には、前記装着部材の先端にゴム蓋部材を装着して元竿体の開口側に嵌合することを特徴とする。
図1に示すように、魚釣用玉網Aの竿は、4本の竿体1からなり、各竿体は円筒状でテーパーが付されており、4本の竿体を全部繰り出した全長は5.4m程度であり、最も太い竿体である元竿体11に、若干細い2番竿体12、更に細い3番竿体13、最も細い先端竿体14が挿通されて伸縮自在に振り出される構成である。
元竿体11の竿尻側端部は尻栓111が着脱自在に嵌合させており、先端竿体14の先端には円柱状の玉網の装着部材2及び装着補強部材3を設け、装着部材2には玉網4自体が装着されている。
図2の装着部材2の近傍Bの拡大斜視図を図3に示すが、図3に示すように、最も細い先端竿体14に装着補強部材3を嵌合した装着部材2を嵌挿して接着剤等で固着し、装着部材2の先端には玉網4を装着する。この玉網4はほぼ円形の枠体41に網部42が取り付けられ、枠体41の一部には竿に取り付ける取付ネジ43が設けられ、取付ネジ43を装着部材2の先端の雌ネジ部211に縲合し、玉網4を先端竿体14に装着部材2を介して固定する。
装着部材2の先端円筒部21には 円筒部の内周面に玉網4の取付ネジ43に対応する雌ネジ部211が設けられ、後端円筒部22は先端竿体14の内壁に挿入する竿固定部221が設けられ、先端竿体14の先端を係止部する係止突起部222が設けられ、円筒中央部23近傍には、図4(b)に示すように、4個の第1の空気出入孔24が同一軸径の外形に沿って均等の間隔(90度間隔)で設けれている。この空気出入孔24の1個の直径は約4.5mmとしたので空気の出入りの際の空気に対する抵抗は十分に小さい。また、後端円筒部22の外周の一部には、装着補強部材3を取り付けるための雄ネジ部212が設けられている。
円筒状で装着部材2と同軸の装着補強部材3は、装着部材2に比較的大径の空気出入孔24をしかも4箇所も設けたために強度不足となる部分の強度を補強するもので、図5(a)に示すように、装着補強部材3の円筒中央部31の内径(20mm)は装着部材2の外径(15mm)よりも大きく、装着部材2の外周と装着補強部材3の内周との間には軸径方向の隙間に空気抵抗がないように十分な空間を有している。
そして、装着部材2の軸方向に空気出入孔24を跨ぐように(図6を参照)、円筒状の装着補強部材3の両端部32,33で装着部材2の外周に接触する接触部321、331を設けている。玉網4側の一方の接触部321は装着部材2の外周の雄ネジ部212に対応する雌ネジ部322で縲合固着している。また、他方の接触部331は円錐台形で先端の内径は先端竿体14の外径とほぼ同じで、先端竿体14を保持する機能を有している。
円筒中央部31の竿体側近傍には、図5(b)に示すように、6個の第2の空気出入孔34が同一軸径の外形に沿って均等の間隔(60度間隔)で設けられている。この空気出入孔34の1個の直径も約4.5mmとしたので空気の出入り抵抗は十分に小さい。
図6に示すように、装着部材2の竿固定部221を、先端竿体14の内壁に接着剤等を塗布し係止突起部222まで挿入して強固に固着し、次に、装着補強部材3を装着部材2の先端に接触部331から挿入し、外周雄ネジ部212に装着補強部材3の雌ネジ部322を縲合して固定する。この際、接触部331は若干のテーパーのある竿体14を接触するように固定している。
装着部材2の先端の内壁の雌ネジ部211には、玉網4の取付ネジ43のネジ部432を縲合して玉網4を装着する。なお、本実施例の玉網4は、図6に示すように、ほぼ円形を形成する枠体41は、端部411、412を合わせて該端部の嵌合孔4111,4121に取付ネジ43を嵌合し、取付ネジ43の頭部431をビス44で固定し、ネジ部432を雌ネジ部211に縲合固定する。
ここで、空気出入孔24,34について説明すると、各空気出入孔24,34は魚釣用玉網としては比較的大きな直径約4.5cmの孔で空気に対する抵抗も少なく、空気出入孔24と空気出入孔34との連絡空間も装着部材2の外周と装着補強部材3の内周との間は全周に亘って5mmあり、十分な断面積のある空気通路を形成しているから、軸径方向にたいしても空気抵抗がないよう十分な空間を有している。
したがって、魚釣用玉網の竿を振り出す際には、図6の矢印a,b,cに示すような順に、竿体内部が負圧にならないように、迅速に十分な空気が導入されるようになっている。
この場合の玉網装着箇所の強度について説明すると、装着部材2の第1の空気出入孔24と、装着補強部材3の空気出入孔34とは、図6に示すように、これらの部材の軸方向にずれて配置、即ち、空気出入孔24は玉網4側に、空気出入孔34は先端竿体14側にずれて配置されている。また、軸径方向についても、装着部材2の外周には90度の間隔で4個の空気出入孔24が配置され、装着補強部材3の外周には60度の間隔で6個の空気出入孔が配置され、一部が軸線方向に一致するものの大部分は軸径方向にずれて配置されている。これは、応力が一箇所に集中しないようにして、装着部材2で折れることがないようにしたためである。
付言すれば、装着補強部材3は軸方向に空気出入孔24を跨ぐように両端部32,33で装着部材2の外周に接触する接触部321,331が設けられているので、本来、装着部材2の空気出入孔24で折れ曲がる応力を装着補強部材3の接触部321,331が受け、装着部材2と装着補強部材3とが協働して対応するので、結果として強度が増強する。
また、空気の竿体内への流入経路は複雑なので、海水やゴミが従来の単に竿外周に設けた空気出入孔に比べて枠体内には入り難く、また、ゴミが空気出入孔24と空気出入孔34との連絡空間に詰まっても、雌ネジ322を回して縲合を外すことで装着補強部材3を除いて簡単にゴミを取り除くことができる。
このように収納すると、魚釣用玉網の元竿体11の竿尻側端部は尻栓111が嵌合されており、元竿体の開口側もゴム蓋部材5を嵌合して元竿体内部に全ての竿体を収納することができ、装着部材2及び装着補強部材3の空気出入孔は外部に露出しないので、異物が混入することがない。
尻栓111の詳細は、元竿体11の端部の外周に円筒状の尻栓装着部材1111を接着固定し、尻栓装着部材1111の内壁には雌ネジが設けられ、円盤状の尻栓部材1112の雄ネジが雌ネジに縲合して竿尻側端部に栓をする。本実施例では、この尻栓部材1112の中心部には空気出入孔1113が設けられ、元竿体11の内部側にはゴム部材1114が配置されて、2番竿体12、3番竿体13、先端竿体14の端部は接触しても傷等が付されないようにしている。
場合によっては尻栓の空気孔を設けなくてもよく、この場合には、多少元竿側の伸びは鈍るが、尻栓111及びゴム蓋部材5が気密であるので、元竿体内部が密封状態になるため、仮に、元竿内に海水等が入っていても、収納後にも海水等が洩れだして不側の事態を招くことを防ぐことができる。
なお、本発明の特徴を損なうものでなければ、上記の実施例の構成に限定されるものでないことは勿論である。
1・・竿、11・・元竿体、12,13・・竿体、14・・先端竿体、
111・・ゴム栓、1111・・尻栓装着部材、1112・・尻栓部材、
1113・・空気出入孔、1114・・ゴム部材、112・・柄の部分、113・・先端部
2・・装着部材、21・・先端円筒部、211・・雌ネジ部、212・・雄ネジ部、
22・・後端円筒部、221・・竿固定部、222・・係止突起部、
23・・円筒中央部、24・・空気出入孔、
3・・装着補強部材、31・・円筒中央部、32,33・・端部、
321,331・・接触部、322・・雌ネジ部、
34・・空気出入孔、
4・・玉網、41・・枠体、411,412・・端部、42・・網部、
4111,4121・・嵌合孔
43・・取付ネジ、431・・頭部、432・・ネジ部、44・・ビス、
5・・ゴム蓋部材
Claims (3)
- 円筒状でテーパーが付された太さの異なる複数本の竿体を最も太い元竿体から細い竿体に順に挿通されて伸縮自在に振出される玉網において、
複数本の竿体の最も細い先端竿体の先端に玉網の装着部材を設けて玉網を装着し、
前記装着部材の円筒状の外周には複数の第1の空気出入孔を設けるとともに、該装着部材の外周を覆うように円筒状の装着補強部材を設け、
前記装着部材の竿固定部は先端竿体の内壁に挿入して固定し、該装着部材と該先端竿体に跨るように前記装着補強部材を設け、該装着補強部材の一方の接触部を装着部材の外周に、該装着補強部材の他方の接触部を先端竿体の外周に接触させ、かつ、該空気出入孔の近傍で装着部材の外周と装着補強部材の内周との間は軸径方向に隙間を有し、
該装着補強部材の外周にも複数の第2の空気出入孔を設け、該第2の空気出入孔と前記第1の空気出入孔とは前記軸方向にずれて配置され、
竿を伸長する際には外気が第2の空気出入孔から前記隙間を通って第1の空気出入孔から竿体内に導入され、竿を短縮する際には竿内の空気が第1の空気出入孔を通って第2の空気出入孔から竿体外に排気されることを特徴とする魚釣用玉網。 - 前記装着補強部材の一端の接触部は、前記玉網装着部材の外周に設けた雄ネジ部に対応する雌ネジ部によって縲合させて接触固定したことを特徴とする請求項1に記載の魚釣用玉網。
- 前記魚釣用玉網の元竿体の竿尻側端部は尻栓を設け、前記装着部材から玉網を取り外して元竿体に収納する際には、前記装着部材の先端にゴム蓋部材を装着して元竿体の開口側に嵌合することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の魚釣用玉網。
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