JP5283602B2 - 電子通信機器室等の空調システム - Google Patents

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Description

本発明は、空調システムに関し、特に、サーバのような情報処理機本体を収容するラックが集合的に収容されたデータセンタ室に好適な空調システムに関する。
データセンタ室には、発熱源となるサーバのような多数の情報処理機本体を収容する複数のラックが列をなして、配置されている。このような部屋の空調システムには、一般的に部屋の床下空間を利用して通風路を形成し、該通風路から床面に形成された吹出口を経て冷風を各ラック列のラックに供給することにより、各ラックに収容されたサーバを冷却している(例えば、特許文献1ないし4参照)。また、サーバの内蔵ファンよりも大型のファンをラック本体に設けることが提案されている(例えば、特許文献5参照)。
特開2005−308345号公報 特開2006−64303号公報 特開2008−111588号公報 特表2008−520104号公報 特開2009−140421号公報
しかしながら、床下空間を利用した通風路を用いる前記空調システムは、床下空間に要する高さ寸法分、建物の高さが高くなり、耐震性の観点から建設費用が増大する。
また、各ラックの前面に設けられた空気吸入口を対向させるようにラック列を対向して配列し、空気吸入口が向き合うラック列間に床下から冷風を吹き出し、あるいはラックの底面から該ラック内に前記床下からの冷風を案内することが試みられている。これによれば、床下からの冷風を有効に各ラックに案内し、該ラックに収容された情報処理機本体を冷却することができる。しかしながら、このいずれの場合も、ラック内を経て室内を流れる空気が一方向に流れず、冷風とラック内の廃熱により暖められた温風との混合による冷却効率の低下が見られる。
また、床吹出面積の制約から、吹出風速を上げる傾向が見られるが、この場合、ラックの上下部分間で吸入空気量の差が増大することから、ラック下部に設置されたサーバのような電子機器の冷却不足を招く。
そこで、本願発明者らは、先の特願2008−217086号で、サーバのような情報処理機本体を収容する複数のラックを効果的に冷却する空調システムを提案した。これによれば、サーバのような情報処理機本体を収容する複数のラックを効果的に冷却することができる。
しかしながら、これによればサーバの内蔵ファンよりも大型のファンをラック本体に設けることが必要になる。
そこで、本発明の目的は、サーバのような情報処理機本体を収容する複数のラックに大型ファンも設けることなく該ラックを効果的に冷却する空調システムを提供することにある。
本発明は、基本的に、ラックに熱交換器を設けると共に、前記ラックに収容される情報処理機本体の内蔵ファンすなわち情報処理機本体に内蔵される排風機を利用し、該排風機の送風機能及び熱交換器の熱交換作用によって、情報処理機本体を収納するラックが配置された部屋内に適正な空気流を形成し、これによってラックに大型ファンを設けることなく前記ラックを効果的に冷却する空調システムを提供することを特徴とする。
すなわち、本発明に係る空調システムは、情報処理機本体を収容するケーシングと、該ケーシングに設けられた排気口と、前記ケーシング内に設けられ、前記排気口を経て前記情報処理機本体から放出される熱量を前記ケーシング外に排出するための排風機とを有する複数の情報処理機本体を多段に整列させて収容する複数のラックであってそれぞれの前面に空気吸入口が設けられ、また後面に空気排出口が設けられ、前記情報処理機本体がそれぞれの前記排気口を対応する前記ラックの空気排出口に対向させて収納される複数のラックでラック列が構成され、その列が複数列に配置された部屋のための空調システムである。前記空調システムは、前記排風機の作動によって前記空気排出口から排出される空気を冷却すべく、前記ラックの近傍で該ラックの前記空気排出口に対向して配置された熱交換器と、前記熱交換器に冷媒を供給する冷却源機構とを含む。前記各ラック内を通って前記部屋内を流れる空気が前記排風機の作動によって一方向の流れを形成するように、ラック列毎で該ラック列の前記ラックの向きが一致しかつ互いに隣り合って間隔をおく前記ラック列の前記ラックの向きが一致するように、前記ラック列が配置され、前記熱交換器は、前記ラックからの廃熱による前記部屋内の温度上昇を防止すべく前記熱交換器を経る前記空気を冷却する。また、前記熱交換器は、前記ラックからの廃熱による前記部屋内の温度上昇を防止すべく前記熱交換器を経る前記空気を冷却し、前記排風機は前記情報処理機本体の作動の有無に拘わらず、作動される。
本発明によれば、前記各ラックの前記空気排出口に対向して配置された前記熱交換器の熱交換作用により、その熱発生源となるラック列毎で部屋内への排熱の低減を図ることができる。しかも、前記情報処理機本体に設けられた前記排風機の作動によって、前記各ラック内を通って前記部屋内を流れる空気に、一方向の流れが形成されることから、他のラック列からの放射熱などの影響を排除して効果的に室内空気温度の均一化を図ることができるので、前記ラックに大型のファン装置を設けることなく、前記ラックを効果的に冷却することができる。
本発明は、コンピュータの仮想化技術と組み合わせられている。ここで、コンピュータの仮想化技術とは、一般的に、演算処理の負荷量に応じて稼働するコンピュータを切り換えて運用する技術であり、演算のためのソフトを各コンピュータ(サーバ)で共有させているかのように処理する技術である。
この仮想化技術により、前記情報処理機本体は前記ラック列毎に作動及び非作動を切り換えられるが、前記熱交換器は、前記ラックからの廃熱による前記部屋内の温度上昇を防止すべく前記熱交換器を経る前記空気を冷却し、前記排風機は前記情報処理機本体の作動の有無に拘わらず、作動される。
前記情報処理機本体は、前記ラック単位で所定のローテーションで運転、非運転状態におくことができる。
前記情報処理機本体は前記ラック列毎に作動及び非作動を情報処理機の処理プログラムに従って切り換ることができ、作動状態にある前記情報処理機本体を収容するラック列に対応して設けられた前記熱交換器に前記冷却源機構からの冷媒が前記処理プログラムに従って作動される冷媒循環ポンプの作動の切り換えに従って供給することができる。
前記ラック列の各ラックの上部には、前記空気排出口から対応する前記熱交換器へ向けて排出される空気を下方へ向ける偏向手段を設けることができる。この偏向手段により、前記ラックから前記熱交換器へ向けて排出される前記空気流の上下方向での温度分布の均等化を図ることができる。
前記部屋内を互いに平行なn枚の仕切りによって、(n+1)個の区画室に区画することができ、さらに前記仕切のほぼ中央部を横切る中仕切壁により各区画室を左右の空間に分けることができる。前記中仕切壁の左右の空間のそれぞれには、前記ラック列のそれぞれが前記各仕切りの一部を構成しかつ前記左右の空間で空気流が相互に逆方向となるように、前記ラック列をn列で配列することができる。
前記仕切及び中仕切に関連して設けられたラック列を単位ブロックとして前記部屋内に複数の前記単位ブロックを並列的に配置することができる。
前記各ラック列の前記情報処理機本体の前記排風機は、前記ラックの上段から下段へ向けて排風機の駆動源の作動速度を漸減することができる。この作動速度の漸減により、前記ラックから前記熱交換器へ向けて排出される空気流の上下方向での温度分布の均等化を図ることができる。
本発明によれば、前記したように、仮想化技術を適用して設置された前記情報処理機本体に設けられた前記排風機の作動によって、前記各ラック内から前記熱交換器を経て前記部屋内を流れる空気に、一方向の流れが形成されることから、他のラック列からの放射熱などの影響を排除して効果的に室内空気温度の均一化を図ることができるので、前記ラックに大型のファン装置を設けることなく、前記ラックを効果的に冷却することができる。
図1には、本発明に係る空調システム10が適用されたサーバ室12が示されている。図示の例では、サーバ室12は、図2に示す建物38の床面12aと天井面12bとの間の空間が、図1に示されているように、一対の縦隔壁14a、14b及び一対の横隔壁14c、14dにより、矩形に区画されて形成されている。このサーバ室12には、望ましくは温度調整された外気処理空気が空気取り入れ口12cを経て取り入れられ、またサーバ室12内の空気は排気口12dを経て排気される。図示の例では、一方の横隔壁14cに排気口12dが設けられ、一方の縦隔壁14dの側に空気取り入れ口12cが設けられている。
サーバ室12内には、それぞれ隔壁14a〜14dから間隔をおいて多数のラック16が横隔壁14c、14dに沿って列(18a〜18c)をなし、また該各列が縦隔壁(14a、14b)に沿って相互に間隔をおいて行をなすように、整列して配置されている。図1に示す例では、サーバ室12内の中央部には、一対の横隔壁14c、14dから間隔をおいて一対の縦隔壁14a、14bに平行に中仕切り壁50が配置されている。ラック列18a〜18cは、中仕切り壁50を横切ってその左右に、3列に配列されている。各列は、中仕切り壁50を間に3つのラック16がそれぞれ前面16a及び後面16bの向きを一致させて配列されている。しかも、中仕切り壁50の一方の側(図1で見て中仕切り壁50の左方の側)では、各ラック16は、その後面16bを横隔壁14dに向けて整列する。他方、中仕切り壁50の他方の側(図1で見て中仕切り壁50の右方の側)では、各ラック16は、その前面16aを横隔壁14dに向けて整列する。
各ラック16には、図2に示されているように、従来よく知られたサーバのような情報処理機である電子通信機器20が高さ方向に多段に収容されている。各ラック16の前面16aには、多数の空気吸入口22aが分散して配置されている。また各ラック16の後面16bには、多数の空気排出口22bが分散して配置されている。
各ラック16は、前記したように、ラック列毎でそれぞれのラック16の前面16aが一方向に整列するように、しかも中仕切り壁50の一方及び他方の側で相互に反対方向に向くように、配列されている。
各ラック列18a〜18cは、それぞれのラック列18a〜18cに関連して各ラック列を取り巻いて横隔壁14c、14dと平行に設けられる仕切り壁24と共同してサーバ室12の内部を縦方向に分割する。これにより、サーバ室12内は、中仕切り壁50の左右のそれぞれで、4つの区画室26(26a〜26d)に区画されている。すなわち、サーバ室12内は、n列のラック列18及びn列の仕切り壁24により、(n+1)個の区画室26に区画されている。
また、図1に示す例では、後述するように、一つのラック列から空気が排出される空間と、このラック列に間隔をおく他の一つのラック列に空気が吸い込まれる空間がサーバ室12の対応する2辺である横隔壁14c、14dでそれぞれ共有されている。この共有された一方の空間(26d)に外気処理空気の取り入れ口12cが設けられ、他方の空間(26a)に排気口12dが設けられている。したがって、図示の例では、空気流46の循環方向に沿って、総計6(n)枚の仕切りにより、第1ないし第6の、計6(n)個の区画室が形成された例と考えることができる。
各仕切り壁24の一方の縦隔壁14aに近接する部分には、隣りあう両区画室間で該両区画室の圧力差を解消するための連通口28が設けられている。連通口28には、空気浄化のためのフィルタや網を設けることができる。また、隣り合う両区画室で圧力差を許容できる場合、相互に両区画室間への逆方向の空気流を可能とすべく回動する可動羽根を連通口28に取り付けることができる。さらに、各仕切り壁24の対応する各隔壁14a及び14bに近接する部分には、図示しないが人の通行を許す開閉扉が設けられている。
各ラック列(18a〜18c)のラック16の後面16bには、ラック用冷却器30が配置されている。各冷却器30は、図2に示したように、後面16bの空気排出口22bに対向してこれから間隔をおいて配置されるラック用熱交換器30aを備える。ラック用熱交換器として、冷却コイルを有するフィンコイル熱交換器のような熱交換器を適宜採用することができる。
各ラック16内の電子通信機器20は、従来よく知られているように、図示しない電源スイッチのオン操作によって作動される通信機器本体(図示せず)を収容する全体に矩形のケーシング20aと、該ケーシングに設けられ、ラック16の空気排出口22bを経て熱交換器30aに対向する排気口20bと、ケーシング20a内に収容された排風機20cとを備える。各排風機20cは、それぞれの前記電源スイッチのオンオフ動作に対応してオンオフ動作させることができるが、後述する「仮想化技術」を制御するサーバ処理プログラムの変更により、サーバの演算量とは無関係にサーバファンが稼働するように、サーバ処理プログラムのロジックが修正される。もっとも、サーバ処理プログラムとは独立してサーバファンを常時稼働するようにファンモータの制御器を付設又は改造しても良い。
排風機20cが作動すると、各ラック16の空気吸入口22aが開放する各区画室26a〜26dからラック16内に取り入れられた空気は、該ラック内の電子通信機器20から放出される熱を連行して空気排出口22bから対応する熱交換器30aに向けられる。図2に示す例では、ラック用熱交換器30aは、上下に2分割して設置されている。これら熱交換器30aは顕熱冷却器であり、結露を生じないように制御を受ける。
各冷却器30は、図1に示されているように、冷却源機構32に接続されている。冷却源機構32は、例えば冷却塔、冷却水用蓄熱槽あるいは冷凍機のような冷却水源34と、該冷却水源から冷却水の供給を受ける中間熱交換器36とを備える。中間熱交換器36は、図示の例では、各冷却器30に対応して設けられている。また、図1では、図面の簡素化のために、第1のラック列18aのための中間熱交換器36以外の中間熱交換器36が省略されている。
各中間熱交換器36には、図3に示すように、図1に示した冷却水源34との間で一次冷却水を循環するための一次冷却水配管40と、対応するラック用熱交換器30aとの間で二次冷却水を循環するための二次冷却水配管42とを備える。両配水管40及び42は、それぞれ往還管からなることは勿論である。各配水管40及び42には、熱媒体である各冷却水の循環のためのポンプ44が設けられている。
この循環ポンプ44として、図示しないが、相互に並列接続される一対のポンプ44を採用することができる。この一対のポンプ44の採用により、各冷却水の循環について信頼性(冗長性)を高めることができる。ポンプ44は、例えばバレルドモータポンプである。ポンプ44は、作動状態にある電子通信機器20を収容するラック列に対応して設けられた前記熱交換器に前記冷却源機構からの冷媒が供給されるように構成する。例えば、サーバの制御プロブラムで稼働が選択されたサーバ群への運転指令がポンプ44のモータに伝達される。
各中間熱交換器36は、冷却水源34から送られる一次冷却水と各ラック用熱交換器30aから送られる二次冷却水との間で、熱交換を行う。この熱交換によって、各中間熱交換器36とこれに対応するラック用熱交換器30aとを巡る二次冷却水は、該ラック用熱交換器で電子通信機器20から放出される熱を効果的に吸収する。これにより、各ラック16は、対応する冷却器30により、冷却される。
各冷却器30は、対応するラック16内のすべての電子通信機器20からの廃熱を処理するに十分な冷却能力を有するように、設定することが望ましい。例えば各ラック1kWの発熱量あたり15℃の水が、15リットル/分の水量で、上下の各ラック用熱交換器30aに導入される。
空気吸込口22aを経て各ラック16内に取り入れられる吸入空気の温度と、該ラックから熱交換器30aを経て排出される排気空気とをほぼ等しくするために、冷却器30の出口に温度センサ(図示せず)が設けられている。前記温度センサの計測値に基づいて、電子通信機器20の排風機20cの回転速度と、各熱交換器30aに設けられた流量調整弁(図示せず)の開度とを制御することが望ましい。すなわち、前記温度センサの検出温度上昇に伴って、排風機20cの回転速度を増大し、前記流量調整弁の開度を増大することが望ましい。
各ラック列(18a〜18c)のラック16は、それぞれの空気吸入口22aが設けられた前面16aを空気取り入れ口12cの側に向け、また空気排出口22bが設けられた後面16bを排気口12dの側に向けて整列して配置されている。また、ラック列(18a〜18c)から下流側に排出される空気流は、ラック列(18a〜18c)毎に設けられた冷却器30の冷却作用によってその上流側の空気温度と同程度に冷却される。なお、空気取り入れ口12cからサーバ室12内に取り入れられる外気処理空気は、図示しない外調機で、例えば22℃、40RHの温湿度に調整される。
本発明に係る空調システム10の各冷却器30が作動すると、図1に黒矢印46で示されているように、中仕切り壁50よりも左方の側で、第1のラック列18aから第3のラック列18cへ向けて、第1の区画室26aから第4の区画室26dに向けて、ほぼ均一な温度分布の一方向の空気流46が生じる。
したがって、中仕切り壁50よりも左方の側で、各ラック列(18a〜18c)のラック16は、前記した一方向空気流によって、ラック列(18a〜18c)間でむらを生じることなく、すべてのラック16が効果的に冷却される。
第4の区画室26dに向けられた一方向空気流は、空気取り入れ口12cから取り入れられた外気処理空気共に、中仕切り壁50よりも右方の側で、第4のラック列18cから第1のラック列へむけて、第4の区画室26dから排気口12dが開放する第1の区画室26aへ向けて循環する。
したがって、サーバ室12内には、図1で見て反時計方向への循環空気流が形成される。また、排気口12dから排出される一部の空気は、空気取り入れ口12cからの外気処理空気で補充される。
また、一部の空気流が、中仕切り壁50よりも右方の側で、連通口28を経て帰還するが、この空気流は、円滑な循環空気流のために、隣合う区画室26(26a〜26d)の気圧差を解消する。すなわち、排風機20cが前記温度センサの計測値に基づいて制御を受ける場合、この排風機20cの稼働状況は、対応するラック16の熱負荷で変動する。したがって、この排風機20cの稼働状況に応じて、隣合う区画室26(26a〜26d)に気圧差が生じることがある。この気圧差は、その高低差の方向によっては、前記した円滑な空気流46を妨げることがあり、滞留のような流れの妨げの原因となることがある。連通口28は、この滞留のような円滑な空気流46の妨げとなる気圧差を解消する作用をなす。
本発明に係る前記空調システム10では、前記一方向の空気流46によって各ラック列(18a〜18c)のすべてのラック16を適正に冷却することができる。したがって、床面12aと床スラブ12e(図2参照)との間の床下空間12f(図2参照)にラック冷却用空気路を形成することなく、各ラック16を冷却することができるので、ラック冷却用空気路を不要とする分、床下空間12fの高さを削減することができる。その結果、建物38の高さの増大を回避することができる。
また、冷却源機構32の冷却水源34は、建物38の屋上又は地下室に設置することができるので、建物38のスペースを有効に利用することができ、冷却器30に対応して設けられる中間熱交換器36は、構成が単純であり安価である。さらに、中間熱交換器36は、負荷に応じて個々の熱交換器30aにそれぞれが必要とする冷熱媒体を供給することができ、発熱箇所でそれぞれの発生熱を処理できるので、無駄なく効率的な冷却が可能となる。
さらに、各ラック16に設けられるラック用熱交換器30aには、冷却水源34からの一次冷却水が直接導かれることはなく、対応する各中間熱交換器36との間で、二次冷却水が循環されるに過ぎない。そのため、たとえ冷却水源34と中間熱交換器36との間の一次冷却水配管40に破損が生じても、多量の一次冷却水がサーバ室12内に流入することを防止することができる。また、二次冷却水配管42に破損が生じても、各二次冷却水配管42は独立かつ並列的に配管されているので、ラック16内の電子通信機器20に損傷を与えるほどの多量の冷却水がサーバ室12内に流入することはない。
また、前記したように、ラック16に従来のような大型の専用ファン装置を設けることなく、各電子通信機器20に内蔵された排風機20cの作動によって、サーバ室12内に適正な循環空気流を形成することができるので、ラック16に大型ファン装置を設けることなく、比較的単純な構成で効果的にラック16を冷却することができる。
また、図2に示すように、各ラック列(18a〜18c)の最上部に位置するラック16に、該ラックから排出される空気流を下方へ向ける偏向板のような偏向手段16cを設けることができる。各ラック16の空気排出口22bから熱交換器30aに向けて排出される空気流は、温度の高いものほど上昇流を形成する傾向を示すが、偏向手段16cは、この上昇流を下方へ向けることにより、空気流を撹拌する。この撹拌作用によって、ラック16から熱交換器30aに向けて排出される空気流の上下方向での温度分布の均等化を図ることができるので、一層効率的に熱交換器30aを機能させることができる。
また、同様に、各ラック16の上方に収納された電子通信機器20の排風機20cほどその駆動源の作動速度が漸増するように、ラック16の上段から下段へ向けて各排風機20cの作動速度を漸減することができる。これにより、熱交換器30aに向けて排出される空気流の上下方向での温度分布の均等化を図ることができる。
前記したところでは、すべてのラック列18a〜18cのすべてのラック16に収容されたすべての電子通信機器20を作動させた状態について説明したが、各電子通信機器20は、また仮想化技術に従って作動を制御することができる。
本発明への「仮想化技術」の適用では、ポンプの台数制御のように、負荷が100%近いとき、すべてのサーバを稼働させる。また、演算負荷が軽減すると、稼働台数を減らし、その増減をラック列単位で行う。稼働するラック列は、軽負荷の場合、ベース列が常に運転されるというわけではなく、周期的に変更される。
この仮想化技術によれば、例えば、中仕切り壁50の左方に位置するラック列18a〜18cを第1ないし第3群(52a〜52c)とし、中仕切り壁50の右方に位置するラック列18a〜18cを第4ないし第6群(52d〜52f)と仮定すると、サーバ処理プロブラムにより、群毎に電子通信機器20の作動のオンオフが制御を受ける。
例えば、第1群52a及び第4群52dの電子通信機器20が作動され、順次作動される電子通信機器20が同数の群が群毎に切り換えられる。このように、仮想化技術によれば、電子通信機器20の運用が群毎に切り換えられる。
また、各サーバのファンすなわち電子通信機器20の排風機20cをサーバの演算量とは関係無く稼働させるために、サーバ処理プログラムのロジックが修正される。あるいは、排風機20cに常時給電し、保守などの人為的な演算停止のために強制的に電子通信機器20を停止させる場合を除き、排風機20cの運転を継続するように構成する。なお、データセンタでは、サーバは24時間稼働しており、段落0029で述べたような電源スイッチのオンオフ操作は常態ではない。このような24時間稼働の状態では、電子通信機器20の排風機20cすなわちサーバファンは、排熱のみならず、前記した空気循環の機能を担うために、運転時には最大能力で運転される。また必要に応じて、中間ファンを設けることができる。
本発明の空調システム10は、このような仮想化技術に適用させるべく、例えば、運用中の群(52a〜52f)に対応する熱交換器30aにのみ、二次冷却水が循環するように供給される。したがって、運用中の電子通信機器20に内蔵された排風機20cを作動させ、休止中の電子通信機器20に内蔵された排風機20cの作動を停止することができる。しかしながら、前記した確実な空気循環を実現する上で、運用中か休止中かに拘わらず、すべての電子通信機器20の排風機20cを例えば一定の作動速度で作動させることが望ましい。
さらに、図示しないが、空調システム10は、各ラック列18a〜18cを一単位として、複数のラック列18a〜18cの単位をサーバ室12内に並列的に配置することができる。
本発明は、上記実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない限り、種々に変更することができる。例えば、仮想化技術以外にも空調システム10を適用することができる。また、各ラックに収容される電子通信機器の発熱量の増大に応じてラック列毎に冷却器の容量を選定することができ、前記電子通信機器の入れ替えに対して柔軟性及び融通性のある空調システムが提供される。また、冷媒として水を利用した空調システムを示したが、圧縮膨張作用による冷却に用いられるフロン系のような冷媒ガスを用いることができる。
本発明に係る空調システムが適用されたサーバ室内のラック配置例を示す平面図である。 図1に示した線II-IIに沿って得られたラック用冷却器の縦断面図である。 図1に示した空調システムの中間熱交換器の概略図である。
10 空調システム
12 サーバ室(部屋)
16 ラック
16a ラックの前面
16b ラックの後面
18(18a〜18c) ラック列
20 電子通信機器
20a 電子通信機器のケーシング
20b ケーシングの排気口
20c 電子通信機器の排風機
22a ラックの空気吸入口
22b ラックの空気排出口
24 仕切り壁
26(26a〜26d) 区画室
30 冷却器
30a ラック用熱交換器
32 冷却源機構
34 冷却水源
36 中間熱交換器
40 一次冷却水配管
42 二次冷却水配管
46 一方向の空気流
50 中仕切り壁

Claims (7)

  1. 情報処理機本体を収容するケーシングと、該ケーシングに設けられた排気口と、前記ケーシング内に設けられ、前記排気口を経て前記情報処理機本体から放出される熱量を前記ケーシング外に排出するための排風機とを有する複数の前記情報処理機本体を多段に整列させて収容する複数のラックであってそれぞれの前面に空気吸入口が設けられ、また後面に空気排出口が設けられ、前記情報処理機本体がそれぞれの前記排気口を対応する前記ラックの空気排出口に対向させて収納される複数のラックでラック列が構成され、その列が複数列に配置された部屋のための空調システムであって、
    前記排風機の作動によって前記空気排出口から排出される空気を冷却すべく、前記ラックの近傍で該ラックの前記空気排出口に対向して配置された熱交換器と、前記熱交換器に冷媒を供給する冷却源機構とを含み、
    前記各ラック内を通って前記部屋内を流れる空気が前記排風機の作動によって一方向の流れを形成するように、ラック列毎で該ラック列の前記ラックの向きが一致しかつ互いに隣り合って間隔をおく前記ラック列の前記ラックの向きが一致するように、前記ラック列が配置され、前記熱交換器は、前記ラックからの廃熱による前記部屋内の温度上昇を防止すべく前記熱交換器を経る前記空気を冷却し、前記排風機は前記情報処理機本体の作動の有無に拘わらず、作動されている、空調システム。
  2. 前記情報処理機は、前記ラック単位で所定のローテーションで運転、非運転状態におかれる、請求項1に記載の空調システム。
  3. 前記情報処理機本体は前記ラック列毎に作動及び非作動を前記情報処理機本体のための処理プログラムに従って切り換えられ、作動状態にある前記情報処理機本体を収容するラック列に対応して設けられた前記熱交換器に前記冷却源機構からの冷媒が前記処理プログラムに従って作動される冷媒循環ポンプの作動の切り換えに従って供給される、請求項2に記載の空調システム。
  4. 前記ラック列の各ラックの上部には、前記空気排出口から対応する前記熱交換器へ向けて排出される空気を下方へ向ける偏向手段が設けられている請求項3に記載の空調システム。
  5. 前記部屋内は、互いに平行なn枚の仕切りによって(n+1)個の区画室に区画され、さらに各区画室は前記仕切のほぼ中央部を横切る中仕切壁により左右の空間に分けられており、該中仕切壁の左右の空間のそれぞれには、前記ラック列のそれぞれが前記各仕切りの一部を構成しかつ前記左右の空間で空気流が相互に逆方向となるように、前記ラック列がn列で配列されている、請求項4に記載の空調システム。
  6. 前記仕切及び中仕切に関連して設けられたラック列を単位ブロックとして前記部屋内に複数の前記単位ブロックが並列的に配置されている、請求項5に記載の空調システム。
  7. 前記各ラック列の前記情報処理機本体の前記排風機は、前記ラックの上段から下段へ向けて排風機の駆動源の作動速度が漸減する、請求項6に記載の空調システム。
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